JP6317244B2 - 誘導加熱用コイルユニットおよび誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱用コイルユニットおよび誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6317244B2
JP6317244B2 JP2014255104A JP2014255104A JP6317244B2 JP 6317244 B2 JP6317244 B2 JP 6317244B2 JP 2014255104 A JP2014255104 A JP 2014255104A JP 2014255104 A JP2014255104 A JP 2014255104A JP 6317244 B2 JP6317244 B2 JP 6317244B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yoke
coil
refrigerant passage
refrigerant
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014255104A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016115614A (ja
Inventor
井上 憲一
憲一 井上
小林 明
明 小林
楢崎 博司
博司 楢崎
林 和志
和志 林
直樹 田村
直樹 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2014255104A priority Critical patent/JP6317244B2/ja
Publication of JP2016115614A publication Critical patent/JP2016115614A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6317244B2 publication Critical patent/JP6317244B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)

Description

本発明は、被加熱物を誘導加熱するための誘導加熱用コイルユニットおよびこの誘導加熱用コイルユニットを用いた誘導加熱装置に関する。
従来、金属の被加熱物に交番磁界を与えることによって前記被加熱物に渦電流を発生させ、この渦電流のジュール熱によって前記被加熱物を加熱する誘導加熱装置が知られている。この誘導加熱装置では、前記交番磁界の発生に、通常、コイルが用いられる。この誘導加熱装置によって、例えば鋼板等の比較的大型な部材を加熱する場合、数kHzの周波数であって数百アンペアの電流である高周波大電流を前記コイルに通電する必要がある。このような高周波大電流を前記コイルに通電すると、コイル自体もそのジュール熱によって発熱する。このため、コイルを冷却する必要があり、例えば特許文献1や特許文献2等に開示されているように、通常、ホローコンダクタと呼ばれる銅管を巻回すことによってコイルが形成され、この銅管に冷却水を流通することによってコイルが冷却される。
前記特許文献1に開示された誘導加熱用インダクタは、空隙を介して対向配置された鉄心とこの鉄心に巻回されたコイルとを備え、上記空隙中に被加熱材を挿入して加熱する装置において、上記鉄心の一部に絶縁物を介して少なくとも1回以上巻回された環状導体を設け、周囲に存在する金属製の構造物を磁路の一部とするような磁気回路に逆起磁力を発生させるようにしたものであり、これによって漏れ磁束の抑制を目論んでいる。そして、上記環状導体は、中空銅管であり、その内部を水冷している。
また、前記特許文献2に開示された誘導加熱用高効率加熱コイルは、金属を加熱する場合に用いる誘導加熱装置の加熱コイルにおいて、少なくとも該コイル用中空導体のコイル内周に相当する部分の肉厚を、電流浸透深さの2倍程度以上に選ぶものであり、これによって渦電流の抑制を目論んでいる。
実開昭62−152392号公報 特開2005−150066号公報
しかしながら、このように銅管でコイルを形成した場合、中空であるために銅管自体、その径が大きいので、コイルも大型化してしまう。
また、被加熱物が磁性金属である場合、被加熱物がそのキュリー温度に近づくと、その透磁率が急激に減少する。このため、被加熱物を貫く経路を含む磁気回路の磁気抵抗も急激に増加するので、磁気回路の近傍に配置されたコイルを貫く漏れ磁束が生じる。この漏れ磁束によってコイル導体自身にも渦電流が生じてしまい、そのジュール熱によってコイルが発熱する。したがって、損失が生じ、加熱効率が低下してしまう。
特許文献1では、漏れ磁束を抑制できるものの、敷設された環状導体に流れる渦電流が発熱して、効率を悪化させるとともに、その冷却方法が必要となる。特許文献2では、コイル導体の厚みを浸透厚さ程度に薄くして、渦電流の流れる領域を限定して渦電流を抑制とはするものの、依然として、磁束線は、導体表面を垂直に貫くため、その効果は、1〜2割程度であって本質的な抑制には至らない。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、より小型化でき、渦電流の発生を低減できる誘導加熱用コイルユニットおよびこの誘導加熱用コイルを用いた誘導加熱装置を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる誘導加熱用コイルユニットは、軸方向に所定の間隔を空けて配置される1対の第1および第2コイルと、前記第1および第2コイルによって生じた磁束を通すヨークとを備え、前記第1および第2コイルは、それぞれ、駆動周波数に対応したスキンデプス以下の厚さを持つ帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が前記軸方向に沿うように絶縁部材を介して巻回することによって構成され、前記ヨークは、前記第1コイルにおける前記軸方向の外側に配置された第1ヨーク部と、前記第2コイルにおける前記軸方向の外側に配置された第2ヨーク部と、前記第1ヨーク部と前記第2ヨーク部とを連結する第3ヨーク部と、前記第1コイルの第1芯部内に延びるように前記第1ヨーク部に突設された第1突磁極部と、前記第2コイルの第2芯部内に延びるように前記第2ヨーク部に突設された第2突磁極部とを備え、前記第1および第2突磁極部は、前記軸方向に所定の第2間隔を空けて互いに対向し、前記第1および第2突磁極部間で、被加熱物を配置する空間が形成され、前記第1ヨーク部は、前記第1コイルにおける前記軸方向の一方端面の一部分を被覆する形状であり、前記第2ヨーク部は、前記第2コイルにおける前記軸方向の他方端面の一部分を被覆する形状であり、前記第1コイルは、前記第1ヨーク部によって被覆されていない部分において、所定のターン間に含まれる、前記軸方向に貫通する第1貫通路を持ち前記第2コイルは、前記第2ヨーク部によって被覆されていない部分において、所定のターン間に含まれる、前記軸方向に貫通する第2貫通路を持ち、前記第1貫通路に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第1冷媒通路部と、前記第2貫通路に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第2冷媒通路部とをさらに備え、前記第1冷媒通路部は、中空な箱形状の第1冷媒通路部本体と、前記第1冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第1冷媒通路部本体へ前記冷媒を供給する第1供給部と、前記第1冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第1冷媒通路部本体から前記冷媒を排出する第1排出部とを備え、前記第1冷媒通路部本体は、前記第1コイルの前記第1貫通路を有する部分を収容し、前記第2冷媒通路部は、中空な箱形状の第2冷媒通路部本体と、前記第2冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第2冷媒通路部本体へ前記冷媒を供給する第2供給部と、前記第2冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第2冷媒通路部本体から前記冷媒を排出する第2排出部とを備え、前記第2冷媒通路部本体は、前記第2コイルの前記第2貫通路を有する部分を収容することを特徴とする。この誘導加熱用コイルユニットにおいて、好ましくは、前記第3ヨーク部は、第1ヨーク部と第2ヨーク部とをその各両端部で連結する1対の第1および第2連結ヨーク部材であり、該誘導加熱用コイルユニットは、H型のトランスバース型装置である。また、この誘導加熱用コイルユニットにおいて、好ましくは、前記第3ヨーク部は、第1ヨーク部と第2ヨーク部とをその各一方端部で連結する1個の第3連結ヨーク部材であり、該誘導加熱用コイルユニットは、C型のランスバース型装置である。
このような誘導加熱用コイルユニットは、駆動周波数に対応したスキンデプス以下の厚さを持つ帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向がコイルの軸方向に沿うように絶縁部材を介して巻回することによって構成された第1および第2コイルを備えるので、導体部材自体、その径方向の大きさ(厚さ)が低減され、より小型化が可能となる。そして、このような第1および第2コイルそれぞれは、第1および第2芯部内それぞれに第1および第2突磁極部をそれぞれ備えるように、いわゆるフラットワイズで第1ないし第3ヨーク部を備えるヨーク内に配置され、上記誘導加熱用コイルユニットは、いわゆるトランスバース型となる。このため、第1ヨーク部(または第2ヨーク部)から略垂直に出て(前記軸方向に沿って出て)第2ヨーク部(または第1ヨーク部)に略垂直に入る(前記軸方向に沿って入る)漏れ磁束線は、第1および第2コイルそれぞれにおける前記幅方向に平行となり(前記幅方向に沿い)、前記スキンデプス以下の薄い厚さの導体部材で生じる渦電流の低減が可能となる。
このような誘導加熱用コイルユニットは、第1および第2コイルそれぞれに、所定のターン間に含まれる、前記軸方向に貫通する第1および第2貫通路を持つ。前記第1および第2貫通路それぞれは、1個のコイルにおいて、1または複数であってよく、1ターン(1巻き)ごとに設けられて良く、数ターンおきに設けられて良く、またランダムなターンごとに設けられて良い。このような第1貫通路によって、帯状の導体部材における第1貫通路に接する部分(接触部分)は、放熱機能も持たせることができ、放熱板としても利用できる。同様に、このような第2貫通路によって、帯状の導体部材における第2貫通路に接する部分(接触部分)は、放熱機能も持たせることができ、放熱板としても利用できる。そして、導体部材は、一般に、熱伝導性に優れた良熱伝導体でもあるので、第1および第2コイルにおける、前記各接触部分を除く残余の各部分(各残余部分)の熱を前記各接触部分へ熱伝導でき、前記各接触部分で放熱できる。特に、第1および第2コイルにおける各芯部側の部分(各径方向内側部分)で発生した熱は、一般に放熱し難いが上記誘導加熱用コイルユニットでは、好適に前記各径方向内側部分の熱を前記帯状の導体部材で前記各接触部分へ熱伝導でき、前記各接触部分で放熱できる。
上記放熱機能の付与の観点から、上述の誘導加熱用コイルユニットにおいて、好ましくは、前記第1および第2貫通路は、それぞれ、周方向に沿う方向の長さが径方向に沿う長さよりも長い。また好ましくは、上述の誘導加熱用コイルユニットにおいて、前記第1および第2貫通路は、それぞれ、前記導体部材を巻回す際に、前記被覆されていない部分において、径方向に所定の間隔を空けて巻回することによって形成される。このような誘導加熱用コイルユニットでは、帯状の導体部材における前記第1および第2貫通路に接触する面積がより大きくなり、より大量の熱を放熱できる。
このような誘導加熱用コイルユニットは、第1および第2冷媒通路部を備えるので、冷媒の流通によって強制冷却が可能となり、効率よく冷却できる。
そして、本発明の他の一態様にかかる誘導加熱装置は、これら上述のいずれかの誘導加熱用コイルユニットと、前記第1および第2コイルそれぞれに前記駆動周波数の電力を供給する電源とを備えることを特徴とする。
これによれば、これら上述のいずれかの誘導加熱用コイルユニットを用いた誘導加熱装置が提供される。上記誘導加熱装置は、これら上述のいずれかの誘導加熱用コイルユニットを用いるので、より小型化でき、渦電流の発生を低減できる。
本発明にかかる誘導加熱用コイルユニットは、より小型化でき、渦電流の発生を低減できる。そして、本発明によれば、この誘導加熱用コイルユニットを用いた誘導加熱装置が提供できる。
第1実施形態における誘導加熱用コイルユニットの構成を示す図である。 被加熱物として用いられる各金属における周波数とスキンデプスとの関係を示す図である。 SPCC〜純鉄系における温度とスキンデプスとの関係を示す図である。 第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットの構成を示す図である。 第3実施形態における誘導加熱装置の構成を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態における誘導加熱用コイルユニットは、金属の被加熱物に交番磁界を与えることによって前記被加熱物に渦電流を発生させ、この渦電流のジュール熱によって前記被加熱物を加熱する誘導加熱装置に用いられるコイル装置である。そして、この誘導加熱用コイルユニットは、例えば、被加熱物の表面に対し略垂直な磁界(磁場)を発生させるトランスバース型であり、その一例として、第1実施形態ではH型の誘導加熱型コイルユニットLaについて説明し、他の一例として、第2実施形態ではC型の誘導加熱型コイルユニットLbについて説明する。そして、このような第1また第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットLa、Lbを用いた誘導加熱装置IHについて、第3実施形態で説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における誘導加熱用コイルユニットの構成を示す図である。図1(A)は、軸方向から見た上面図であり、その対角の略右上側は、正規な上面図であり、前記対角の略左下側は、図1(C)に示すIV−IV断面における上面図(横断面図)である。図1(B)は、第1縦断面図であり、その右半分は、図1(A)に示すI−I断面線における縦断面図であり、その左半分は、図1(A)に示すII−II断面線における縦断面図である。図1(C)は、図1(A)に示すIII−III断面線における第2断面図である。図1(C)には、各冷媒通路部への冷媒の供給および排出を示すために、供給部3−12、3−42および排出部3−23、3−33が破線の仮想線で示されている。図2は、被加熱物として用いられる各金属における周波数とスキンデプスとの関係を示す図である。図2の横軸は、駆動周波数を示し、その縦軸は、mm単位で表すスキンデプス(表皮深さ、表皮厚み)を示す。図3は、SPCC〜純鉄系における温度とスキンデプスとの関係を示す図である。図3の横軸は、℃単位で表す温度を示し、その縦軸は、mm単位で表すスキンデプスを示す。
第1実施形態における誘導加熱用コイルユニットLaは、上述したように、H型のトランスバース型誘導加熱用コイルユニットであり、例えば、図1に示すように、第1および第2コイル1−1、1−2と、ヨーク2(2−1、2−2、2−31、2−32、2−41、2−42)とを備え、図1に示す例では、さらに、第1および第2冷媒通路部3−1(3−11〜3−13)、3−2(3−21〜3−23);3−3(3−31〜3−33)、3−4(3−41〜3−43)を備えている。
第1および第2コイル1−1、1−2は、図1(B)および(C)に示すように、その軸方向に所定の間隔を空けて配置される。第1および第2コイル1−1、1−2は、互いに同形であるので、特に区別する必要がない場合には、両者を纏めてコイル1として説明する。
コイル1は、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が前記軸方向に沿うように絶縁部材を介して巻回することによって構成される。より具体的には、コイル1は、絶縁材(図略)を挟んで重ね合わせた帯状の長尺な導体部材(あるいは、絶縁被覆した帯状の長尺な導体部材)を所定回数だけ巻回することによって構成されて成る。このような帯状の長尺な導体部材は、シート形状、リボン形状あるいはテープ形状であり、幅(幅方向の長さ、軸方向の長さ)Wに対する厚さ(厚み方向の長さ、径方向の長さ)tが1未満である(0<t/W<1)。図1に示す例のコイル1は、図1(A)に示すように、軸方向から見た平面視にて、その外形が略長方形(矩形)であってその各角部が丸みを持つように、そして、その芯部が平面視にて略正方形となるように、巻回されている。コイル1は、より詳細に後述で説明される。
ヨーク2は、第1および第2コイル1−1、1−2によって生じた磁束を通す部材である。ヨーク2は、例えば、図1に示す例では、第1ヨーク部2−1と、第2ヨーク部2−2と、第3ヨーク部2−3(2−31、2−32)と、第1突磁極部2−41と、第2突磁極部2−42とを備える。
第1ヨーク部2−1は、図1(B)に示すように、第1コイル1−1における軸方向の外側(上側)に配置された部材である。第2ヨーク部2−2は、図1(B)に示すように、第2コイル1−2における前記軸方向の外側(下側)に配置された部材である。すなわち、第1および第2ヨーク部2−1、2−2それぞれは、軸方向に所定の間隔を空けて互いに対向するように配置された1対の第1および第2コイル1−1、1−2における前記軸方向の両外側(上下側)それぞれに配置されている。第1および第2ヨーク部2−1、2−2は、図1(A)および(B)に示すように、互いに同形であり、比較的薄い略直方体(略板状)の部材である。第3ヨーク部2−3は、第1ヨーク部2−1と第2ヨーク部2−2とを連結する部材であり、図1に示す例では、第1ヨーク部2−1と第2ヨーク部2−2とをその各両端部で連結する1対の第1および第2連結ヨーク部材2−31、2−32を備える。第1および第2連結ヨーク部材2−31、2−32は、図1(B)に示すように、互いに同形であり、比較的薄い略直方体の部材である。すなわち、第1ヨーク部2−1における一方端部に、直交するように(垂設するように)、第1連結ヨーク部材2−31の一方端部が連結され、第1ヨーク部2−1における他方端部に、直交するように(垂設するように)、第2連結ヨーク部材2−32の一方端部が連結される。そして、第2ヨーク部2−2における一方端部に、直交するように(垂設するように)、第1連結ヨーク部材2−31の他方端部が連結され、第2ヨーク部2−2における他方端部に、直交するように(垂設するように)、第2連結ヨーク部材2−32の他方端部が連結される。これによって第1ないし第3ヨーク2−1〜2−3は、断面直方体状の筒状(中空な柱形状)となり、その内部空間に、離間して互いに対向する第1および第2コイル1−1、1−2が配設されている。
そして、第1突磁極部2−41は、図1(B)に示すように、第1コイル1−1の第1芯部内に延びるように第1ヨーク部2−1の内側面上に突設される。第1突磁極部2−41は、その外形が第1コイル1−1の第1芯部の形状に応じた形状となっている。図1に示す例では、第1コイル1−1は、上述したように、その第1芯部が平面視にて面取りされた略正方形であるので、第1突磁極部2−41は、図1(A)に示すように、前記第1芯部よりやや小さい、その外形が平面視にて面取りされた略正方形である。より詳しくは、第1突磁極部2−41は、第1ヨーク部2−1の短尺方向の長さ(幅の長さ)と略等しい長さを持つ、平面視にて前記略正方形である。第1突磁極部2−41は、その高さ(軸方向の長さ)が第1コイル1−1における導体部材の幅の長さと略同一である。したがって、第1コイル1−1は、その第1芯部内に第1突磁極部2−41を持つ有芯コイルとなっている。
同様に、第2突磁極部2−42は、図1(B)に示すように、第2コイル1−2の第2芯部内に延びるように第2ヨーク部2−2の内側面上に突設される。第2突磁極部2−42は、その外形が第2コイル1−2の第2芯部の形状に応じた形状となっている。図1に示す例では、第2コイル1−2は、上述したように、第1コイル1−1と同形であるので、第2突磁極部2−42は、第1突磁極部2−41と同形であり、図1(A)に示すように、前記第2芯部よりやや小さい、その外形が平面視にて面取りされた略正方形である。より詳しくは、第2突磁極部2−42は、第2ヨーク部2−2の短尺方向の長さ(幅の長さ)と略等しい長さを持つ、平面視にて前記略正方形である。第2突磁極部2−42は、その高さ(軸方向の長さ)が第2コイル1−2における導体部材の幅の長さと略同一である。したがって、第2コイル1−2は、その第2芯部内に第2突磁極部2−42を持つ有芯コイルとなっている。
第1および第2突磁極部2−41、2−42の各表面は、図1(B)および(C)に示すように、軸方向に直交するような平面となっており、軸方向に所定の間隔を空けて互いに対向している。なお、第1および第2突磁極部2−41、2−42の各表面における各縁(各稜線部分)は、C面取りされている。
このようなヨーク2は、所定の磁性材料で形成される。例えば、ヨーク2は、薄板状(例えば0.5mm以下)の複数の電磁鋼板を軸方向と直交する方向で積層することによって形成される。また例えば、ヨーク2は、軟磁性体粉末を加熱加圧成型することによって形成される。前記軟磁性体粉末は、強磁性の金属粉末であり、より具体的には、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイ等)およびアモルファス粉末、さらには、表面にリン酸系化成皮膜などの電気絶縁皮膜が形成された鉄粉(例えば直径50μm以下)等が挙げられる。これら軟磁性体粉末は、公知の手段、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。ヨーク2は、例えば、第1ないし第3ヨーク部2−1〜2−3ならびに第1および第2突磁極部2−41、2−42を一体に形成して良い。また例えば、ヨーク2は、第1ないし第3ヨーク部2−1〜2−3ならびに第1および第2突磁極部2−41、2−42それぞれを互いに例えば接着固定等することによって形成して良い。また例えば、ヨーク2は、第1ないし第3ヨーク部2−1〜2−3ならびに第1および第2突磁極部2−41、2−42の一部を一体に形成したものと、それら残部を一体に形成したものとを、互いに例えば接着固定等することによって形成して良い。例えば、第1ヨーク部2−1、第1連結ヨーク部材2−31の一部、第2連結ヨーク部材2−32の一部および第1突磁極部2−41を一体に形成した断面略E字形状の上側ヨーク部と、第2ヨーク部2−2、第1連結ヨーク部材2−31の残部、第2連結ヨーク部材2−32の残部および第2突磁極部2−42を一体に形成した断面略E字形状の下側ヨーク部とを互いに例えば接着固定等することによって、ヨーク2は、形成される。
このようなヨーク2は、いわゆるトランスバース型であり、第1および第2コイル1−1、1−2に通電されることによって発生する磁界(磁束)が、図1(B)に示すように、例えば、第1突磁極部2−41から軸方向に平行となるように入って、第1ヨーク部2−1、第1連結ヨーク部材2−41、第2ヨーク部2−2および第2突磁極部2−42を介して第2突磁極部2−42から軸方向に平行となるように出て、第1および第2突磁極部2−41、2−42間の空間を介して再び第1突磁極部2−41に入る磁路(磁気回路)を形成するリターンヨークとなっている。
そして、本実施形態では、第1ヨーク部2−1は、第1コイル1−1における軸方向の一方端面の一部分を被覆する形状であり、第2ヨーク部2−2は、第2コイル1−2における前記軸方向の一方端面の一部分を被覆する形状である。より具体的には、互いに同形の第1および第2ヨーク部2−1、2−2における、前記軸方向に直交するとともに互いに直交する長尺方向および短尺方向の各長さのうち短尺方向の長さ(幅の長さ)は、互いに同形の第1および第2コイル1−1、1−2の外形の長さより短い。より詳しくは、図1に示す例では、第1および第2ヨーク部2−1、2−2における前記短尺方向の長さ(幅の長さ)は、第1および第2コイル1−1、1−2の芯部の長さと略同一あるいは芯部の長さよりやや長くなっている。
コイル1(第1コイル1−1、第2コイル1−2)についてさらに説明する。本実施形態におけるコイル1の導体部材は、駆動周波数に対応したスキンデプス以下の厚さを持つ。図2には、各金属における周波数とスキンデプスとの関係が示されている。図2における各直線は、上から下へ順に、800℃におけるγ鉄、800℃における黄銅、800℃における銅、25℃におけるアルミニウム、25℃における銅および25℃におけるα鉄の各前記関係である。図3には、SPCC〜純鉄系における温度とスキンデプスとの関係が示されている。この純鉄系のキュリー温度Tcは、768℃である。被加熱物が板状の鉄材であってキュリー温度Tc以上の温度、例えば800℃に駆動周波数1kHz以上で加熱する場合、例えば銅の導体部材は、図2より、好ましくは、その厚さが2mm以下である。また例えばアルミニウムの導体部材は、図2より、好ましくは、その厚さが3mm以下である。これら銅(Cu)およびアルミニウム(Al)は、比較的低い抵抗率で比較的高い熱伝導率を持つ金属材料であって、導電性および熱伝導性の観点から、帯状の導体部材として好適である。したがって、これらの場合、厚さを2mm以下とすることで、コイル1の導体部材は、駆動周波数1kHzに対応したスキンデプス以下の厚さを持つ。そして、このような厚さ2mm以下である導体部材によって形成されたコイル1に駆動周波数1kHzの交流電力を供給して誘導加熱する場合、鉄材の被加熱物は、図2より、好ましくは、0.5mm以上の厚さである。このような鉄材の被加熱物を誘導加熱すると、常温において強磁性体である鉄材の被加熱物は、キュリー温度Tcの近傍に達して磁性を失う。磁性を失った場合、第1および第2突磁極を経由する磁路の磁気抵抗は、急激に増加し、磁束が第1および第2コイル1−1、1−2に漏れ出す。本実施形態では、第1および第2コイル1−1、1−2は、上述のように、駆動周波数に応じたスキンデプス以下の厚さを持つ帯状の導体部材で形成された、いわゆるフラットワイズであるので、上記漏れ出した漏れ磁束は、幅方向(軸方向)に略沿って導体部材を通り、さらに、スキンデプス以下の薄さであるから、導体部材の内部で渦電流が生じ難くなり、その損失を低減できる。さらに、鉄材の被加熱物を誘導加熱すると、一般に、温度不均一を生じることがあるが、磁束が被加熱物の縁にある第1および第2コイル1−1、1−2に漏れ出せるということは、キュリー温度に到達した領域から、未だキュリー温度に到達せずに磁性の残る領域(磁気抵抗が小さい領域)へ移動できることを意味し、結果として鉄材の被加熱物全体がキュリー温度に略均一に加熱できることになる。
また、本実施形態では、第1コイル1−1は、第1ヨーク部2−1によって被覆されていない部分において、所定のターン間に含まれる、軸方向に貫通する第1貫通路4−1を持ち、第2コイル1−2は、第2ヨーク部2−2によって被覆されていない部分において、所定のターン間に含まれる、前記軸方向に貫通する第2貫通路4−2を持つ。すなわち、コイル1(第1コイル1−1、第2コイル1−2)は、第1および第2ヨーク部2−1、2−2によって被覆されていない部分において、径方向に所定の間隔を空けるように、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が前記軸方向に沿うように絶縁部材を介して巻回することによって構成される。言い換えれば、コイル1は、第1および第2ヨーク部2−1、2−2によって被覆されていない部分において、径方向に所定の間隔を空けるように、コイル状に巻回された、軸方向の幅が径方向の厚さよりも長い長尺な帯状の導体部材と、前記コイル状に巻回された前記帯状の導体部材における各ターン間に配置される絶縁部材とを備える。このような第1および第2貫通路4−1、4−2は、それぞれ、周方向に沿う方向の長さが径方向に沿う長さよりも長い。第1貫通路4−1は、本実施形態では、平面視にて、上述したように外形矩形の第1コイル1−1における、第1ヨーク部2−1に対し両側(図1(A)および(C)に示す例では紙面左側および紙面右側)で第1ヨーク部2−1によって被覆されていない両辺部分に形成されている。第2貫通路4−2は、本実施形態では、平面視にて、上述したように外形矩形の第2コイル1−2における、第2ヨーク部2−2に対し両側(図1(A)および(C)に示す例では紙面左側および紙面右側)で第2ヨーク部2−2によって被覆されていない両辺部分に形成されている。
第1貫通路4−1は、1個の第1コイル1−1において、1または複数であってよく、1ターンごとに設けられて良く、数ターンおきに設けられて良く、またランダムなターンごとに設けられて良い。同様に、第2貫通路4−2は、1個の第2コイル1−2において、1または複数であってよく、1ターンごとに設けられて良く、数ターンおきに設けられて良く、またランダムなターンごとに設けられて良い。図1に示す例では、第1および第2貫通路4−1、4−2それぞれは、1ターンごとに設けられている。
なお、第1および第2コイル1−1、1−2において、第1および第2貫通路4−1、4−2を形成した、第1および第2ヨーク部2−1、2−2によって被覆されていない部分を除く部分、例えば、第1および第2ヨーク部2−1、2−2によって被覆されている部分は、小型化の観点から、導体部材が絶縁材料を介して密接するように、巻回される。これによってヨーク2の内部空間に、高い占有率で第1および第2コイル1−1、1−2の有効断面積をそれぞれ確保できる。
また、各第1貫通路4−1内には、当該第1貫通路4−1の形状を維持するための形状維持部材(スペーサ)が配設されて良く、同様に、各第2貫通路4−2内には、当該第2貫通路4−2の形状を維持するための形状維持部材(スペーサ)が配設されて良い。
第1冷媒通路部3−1(3−11〜3−13)、3−2(3−21〜3−23)は、第1貫通路4−1に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した部材であり、第1冷媒通路部3−1、3−2は、第1コイル1−1における第1ヨーク部2−1に対し一方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面左側)で第1ヨーク部2−1によって被覆されていない部分の第1貫通路4−1に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第1a冷媒通路部3−1と、第1コイル1−1における第1ヨーク部2−1に対し他方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面右側)で第1ヨーク部2−1によって被覆されていない部分の第1貫通路4−1に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第1b冷媒通路部3−2とを備える。
第1a冷媒通路部3−1は、中空な直方体状(箱形状)の第1a冷媒通路部本体3−11と、第1a冷媒通路部本体3−11の内部空間と連通し、第1a冷媒通路部本体3−11の上面に立設するように形成された円筒状の第1a供給部3−12と、第1a冷媒通路部本体3−11の内部空間と連通し、第1a冷媒通路部本体3−11の前記上面に立設するように形成された円筒状の第1a排出部3−13とを備える。第1a冷媒通路3−1は、第1コイル1−1における第1ヨーク部2−1に対し一方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面左側)で第1ヨーク部2−1によって被覆されていない部分が、第1a冷媒通路部本体3−11における側面の一方端部でその内部空間に入って、前記内部空間を介して前記側面の他方端部でその内部空間から出るように、第1コイル1−1に取り付けられる。第1コイル1−1が第1a冷媒通路部本体3−11に出入りする部分は、例えば樹脂等のシール部材によって水密に形成される。同様に、第1b冷媒通路部3−2は、中空な直方体状(箱形状)の第1b冷媒通路部本体3−21と、第1b冷媒通路部本体3−21の内部空間と連通し、第1b冷媒通路部本体3−21の下面に立設するように形成された円筒状の第1b供給部3−22と、第1b冷媒通路部本体3−21の内部空間と連通し、第1b冷媒通路部本体3−21の前記下面に立設するように形成された円筒状の第1b排出部3−23とを備える。第1b冷媒通路3−2は、第1コイル1−1における第1ヨーク部2−1に対し他方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面右側)で第1ヨーク部2−1によって被覆されていない部分が、第1b冷媒通路部本体3−21における側面の一方端部でその内部空間に入って、前記内部空間を介して前記側面の他方端部でその内部空間から出るように、第1コイル1−1に取り付けられる。第1コイル1−1が第1b冷媒通路部本体3−21に出入りする部分は、例えば樹脂等のシール部材によって水密に形成される。
第2冷媒通路部3−3(3−31〜3−33)、3−4(3−41〜3−43)は、第2貫通路4−2に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した部材であり、第2冷媒通路部3−3、3−4は、第2コイル1−2における第2ヨーク部2−2に対し一方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面左側)で第2ヨーク部2−2によって被覆されていない部分の第2貫通路4−2に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第2a冷媒通路部3−3と、第2コイル1−2における第2ヨーク部2−2に対し他方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面右側)で第2ヨーク部2−2によって被覆されていない部分の第2貫通路4−2に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第2b冷媒通路部3−4とを備える。
第2a冷媒通路部3−3は、中空な直方体状(箱形状)の第2a冷媒通路部本体3−31と、第2a冷媒通路部本体3−31の内部空間と連通し、第2a冷媒通路部本体3−31の上面に立設するように形成された円筒状の第2a供給部3−32と、第2a冷媒通路部本体3−31の内部空間と連通し、第2a冷媒通路部本体3−31の前記上面に立設するように形成された円筒状の第2a排出部3−33とを備える。第2a冷媒通路3−3は、第2コイル1−2における第2ヨーク部2−2に対し一方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面左側)で第2ヨーク部2−2によって被覆されていない部分が、第2a冷媒通路部本体3−31における側面の一方端部でその内部空間に入って、前記内部空間を介して前記側面の他方端部でその内部空間から出るように、第2コイル1−2に取り付けられる。第2コイル1−2が第2a冷媒通路部本体3−31に出入りする部分は、例えば樹脂等のシール部材によって水密に形成される。同様に、第2b冷媒通路部3−4は、中空な直方体状(箱形状)の第2b冷媒通路部本体3−41と、第2b冷媒通路部本体3−41の内部空間と連通し、第2b冷媒通路部本体3−41の下面に立設するように形成された円筒状の第2b供給部3−42と、第2b冷媒通路部本体3−41の内部空間と連通し、第2b冷媒通路部本体3−41の前記下面に立設するように形成された円筒状の第2b排出部3−43とを備える。第2b冷媒通路3−4は、第2コイル1−2における第2ヨーク部2−2に対し他方側(図1(A)および(C)に示す例では紙面右側)で第2ヨーク部2−2によって被覆されていない部分が、第2b冷媒通路部本体3−41における側面の一方端部でその内部空間に入って、前記内部空間を介して前記側面の他方端部でその内部空間から出るように、第2コイル1−2に取り付けられる。第2コイル1−2が第2b冷媒通路部本体3−41に出入りする部分は、例えば樹脂等のシール部材によって水密に形成される。
第1コイル1−1が、第1a冷媒通路部本体3−11または第1b冷媒通路部本体3−21に出入りする部分、および、第2コイル1−2が、第2a冷媒通路部本体3−31または第2b冷媒通路部本体3−41に出入りする部分を、例えば樹脂等のシール部材によって水密に形成する代わりに、第1a冷媒通路部本体3−11と第1b冷媒通路部本体3−21を、または、第2a冷媒通路部本体3−31と第2b冷媒通路部本体3−41を、それぞれを非導電性および非磁性材質の矩形パイプで連結し、その内空間一杯に第1コイル1−1または第2コイル1−2を収める冷媒通路部本体構造であっても良い。コイル導体を個別に樹脂等のシール部材で完全な水密に形成することは、施工上容易ではないことから、この構造の方がより実用的である。その場合、該矩形パイプは、その内空間、コイル線材とパイプ壁の狭い隙間に冷媒が流れることを期待するのではなく、単に冷媒に対する水密性の確保のためだけの容器となる。
このような誘導加熱用コイルユニットLaでは、第1および第2コイル1−1、1−2に例えば駆動周波数1kHzの交流電力が供給されると、図1(B)に一点鎖線で示す磁束を持つ交番磁界(交番磁場)が発生する。この状態で、第1および第2突磁極部2−41、2−42間の空間に、例えば鉄材等であって例えば板状、棒状および線状等である被加熱物WKが配置されると、前記磁束が被加熱物WKに通る。このため、前記交番磁界によって被加熱物WKに渦電流が生じ、この渦電流のジュール熱によって被加熱物WKが誘導加熱される。この誘導加熱中に漏れ磁束が生じた場合、第1ヨーク部2−1(または第2ヨーク部2−2)から略垂直に出て(前記軸方向に沿って(平行に)出て)第2ヨーク部2−2(または第1ヨーク部2−1)に略垂直に入る(前記軸方向に沿って(平行に)入る)漏れ磁束線は、第1および第2コイル1−1、1−2それぞれにおける幅方向(軸方向)に略沿って導体部材を通り、さらに、スキンデプス以下の薄さであるから、導体部材の内部で渦電流が生じ難くなり、その損失を低減できる。
また、第1および第2コイル1−1、1−2が昇温する場合でも、第1コイル1−1は、第1貫通路4−1を持つ。第1貫通路4−1によって、第1コイル1−1における帯状の導体部材における第1貫通路4−1に接する部分(接触部分)は、放熱機能も持たせることができ、放熱板としても利用できる。このため、第1コイル1−1は、前記接触部分で放熱でき、前記昇温を抑制できる。同様に、第2コイル1−2は、第2貫通路4−2を持つ。第2貫通路4−2によって、第2コイル1−2における帯状の導体部材における第2貫通路4−2に接する部分(接触部分)は、放熱機能も持たせることができ、放熱板としても利用できる。このため、第2コイル1−2は、前記接触部分で放熱でき、前記昇温を抑制できる。特に、第1および第2コイル1−1、1−2における各芯部側の部分(各径方向内側部分)で発生した熱は、一般に放熱し難いが上記誘導加熱用コイルユニットLaでは、好適に前記各径方向内側部分の熱を前記帯状の導体部材で前記各接触部分へ熱伝導でき、前記各接触部分で放熱できる。特に、前記帯状の導体部材を銅またはアルミニウムとすることで、より好適に熱伝導できる。そして、上述の誘導加熱用コイルユニットLaでは、第1および第2貫通路4−1、4−2は、それぞれ、導体部材を巻回す際に、第1および第2ヨーク部2−1、2−2によって被覆されていない部分において、径方向に所定の間隔を空けて巻回することによって形成され、第1および第2貫通路4−1、4−2は、それぞれ、周方向に沿う方向の長さが径方向に沿う長さよりも長い。このため、帯状の導体部材における第1および第2貫通路4−1、4−2に接触する面積がより大きくなり、より大量の熱を放熱できる。
また、誘導加熱中に、第1a、第1b、第2aおよび第2b冷媒通路部3−1〜3−4において、各第1a、第1b、第2aおよび第2b供給部3−12〜3−42から冷媒が供給され、各第1a、第1b、第2aおよび第2b冷媒通路部本体3−11〜3−41を介して、各第1a、第1b、第2aおよび第2b排出部3−13〜3−43から冷媒が排出される。このため、冷媒の流通によって強制冷却が可能となり、効率よく冷却できる。前記冷媒には、例えば、液相では、不凍剤添加の純水、非極性絶縁油、フロン系または非フロン系有機溶媒、液体窒素、液化天然ガス等が使用され、また例えば、気相では、不活性ガス、水素、ヘリウム、窒素、アルゴン、フロン系または非フロン系ガス等が使用される。
以上説明したように、第1実施形態における誘導加熱用コイルユニットLaは、駆動周波数に対応したスキンデプス以下の厚さを持つ帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向がコイルの軸方向に沿うように絶縁部材を介して巻回することによって構成された第1および第2コイル1−1、1−2を備えるので、導体部材自体、その径方向の大きさ(厚さ)が低減され、より小型化が可能となる。そして、このような第1および第2コイル1−1、1−2それぞれは、第1および第2芯部内それぞれに第1および第2突磁極部2−41、2−42をそれぞれ備えるように、いわゆるフラットワイズで第1ないし第3ヨーク部2−1、2−2、2−3(2−31、2−32)を備えるヨーク2内に配置され、誘導加熱用コイルユニットLaは、いわゆるトランスバース型となる。このため、第1ヨーク部2−1(または第2ヨーク部2−2)から略垂直に出て(前記軸方向に沿って(平行に)出て)第2ヨーク部2−2(または第1ヨーク部2−1)に略垂直に入る(前記軸方向に沿って(平行に)入る)漏れ磁束線は、第1および第2コイル1−1、1−2それぞれにおける前記幅方向に平行となり(前記幅方向に沿い)、前記スキンデプス以下の薄い厚さの導体部材で生じる渦電流の低減が可能となる。特に、被加熱物が磁性体であってキュリー温度以上に加熱され、漏れ磁束が増大する場合でも、上述により、渦電流の低減が可能となる。したがって、効率よく誘導加熱できる。
なお、上述では、駆動周波数は、1kHzとしたが、これに限定されるものではなく、適宜に変更できる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットの構成を示す断面図である。第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットLbは、上述したように、C型のトランスバース型誘導加熱用コイルユニットであり、例えば、図4に示すように、第1および第2コイル1−1、1−2と、ヨーク5(5−1、5−2、5−3、5−41、5−42)とを備える。第2実施形態の誘導加熱用コイルユニットLbにおける第1および第2コイル1−1、1−2は、それぞれ、第1実施形態の誘導加熱用コイルユニットLaにおける第1および第2コイル1−1、1−2と同様であるので、その説明を省略する。
ヨーク5は、第1実施形態のヨーク2と同様に、第1および第2コイル1−1、1−2によって生じた磁束を通す部材であり、ヨーク5は、例えば、図4に示すように、第1ヨーク部5−1と、第2ヨーク部5−2と、第3ヨーク部2−3と、第1突磁極部5−41と、第2突磁極部2−42とを備える。第1実施形態のヨーク2では、第1および第2ヨーク部2−1、2−2は、第1および第2突磁極部2−41、2−42の両側に長尺方向に沿って等しい長さで延び、各両端部で1対の第1および第2連結ヨーク部材2−31、2−32によって互いに連結されたが、第2実施形態のヨーク5では、第1および第2ヨーク部5−1、5−2は、第1および第2突磁極部2−41、2−42の一方側のみに長尺方向に沿って延び(すなわち、他方側は省略されている)、各一方端部で1個の第3連結ヨーク部材で構成されて成る第3ヨーク部5−3によって互いに連結される。この点を除き、第2実施形態のヨーク5は、第1実施形態のヨーク2と同様であるので、その説明を省略する。
なお、第1実施形態と同様に、第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットLbは、第1および第2貫通路4−1、4−2に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第1および第2冷媒通路部を備えて良い。
このような第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットLbは、第1実施形態における誘導加熱用コイルユニットLaと同様の作用効果を奏する。そして、第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットLbは、図4に示すように、被加熱物WKの例えば端部等の一部分を誘導加熱できる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態における誘導加熱装置の構成を示す図である。第3実施形態における誘導加熱装置は、誘導加熱用コイルユニットを用いた加熱装置である。このような第3実施形態における誘導加熱装置IHは、例えば、図5に示すように、これら上述した第1または第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットL(La、Lb)と、第1および第2コイル1−1、1−2それぞれに前記駆動周波数の電力を供給する高周波電源PSとを備える。高周波電源PSは、数kHzの周波数であって数百アンペアの電流である高周波大電流を生成する回路であり、この高周波大電流は、第1および第2コイル1−1、1−2それぞれへ給電される。
このような第3実施形態における誘導加熱装置IHは、これら第1および第2実施形態における誘導加熱用コイルユニットLa、Lbのうちのいずれか一方を用いるので、より小型化でき、渦電流の発生を低減できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
La、Lb 誘導加熱用コイルユニット
IH 誘導加熱装置
PS 高周波電源
1−1 第1コイル
1−2 第2コイル
2(2−1、2−2、2−31、2−32、2−41、2−42)、5(5−1、5−2、5−3、5−41、5−42) ヨーク
3−1(3−11〜3−13) 第1a冷媒通路部
3−2(3−21〜3−33) 第1b冷媒通路部
3−3(3−31〜3−33) 第2a冷媒通路部
3−4(3−41〜3−43) 第2b冷媒通路部
4−1 第1貫通路
4−2 第2貫通路

Claims (2)

  1. 軸方向に所定の間隔を空けて配置される1対の第1および第2コイルと、
    前記第1および第2コイルによって生じた磁束を通すヨークとを備え、
    前記第1および第2コイルは、それぞれ、駆動周波数に対応したスキンデプス以下の厚さを持つ帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が前記軸方向に沿うように絶縁部材を介して巻回することによって構成され、
    前記ヨークは、前記第1コイルにおける前記軸方向の外側に配置された第1ヨーク部と、前記第2コイルにおける前記軸方向の外側に配置された第2ヨーク部と、前記第1ヨーク部と前記第2ヨーク部とを連結する第3ヨーク部と、前記第1コイルの第1芯部内に延びるように前記第1ヨーク部に突設された第1突磁極部と、前記第2コイルの第2芯部内に延びるように前記第2ヨーク部に突設された第2突磁極部とを備え、
    前記第1および第2突磁極部は、前記軸方向に所定の第2間隔を空けて互いに対向し、
    前記第1および第2突磁極部間で、被加熱物を配置する空間が形成され、
    前記第1ヨーク部は、前記第1コイルにおける前記軸方向の一方端面の一部分を被覆する形状であり
    前記第2ヨーク部は、前記第2コイルにおける前記軸方向の他方端面の一部分を被覆する形状であり
    前記第1コイルは、前記第1ヨーク部によって被覆されていない部分において、所定のターン間に含まれる、前記軸方向に貫通する第1貫通路を持ち
    前記第2コイルは、前記第2ヨーク部によって被覆されていない部分において、所定のターン間に含まれる、前記軸方向に貫通する第2貫通路を持ち
    前記第1貫通路に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第1冷媒通路部と
    前記第2貫通路に冷媒を流通させるための冷媒通路を形成した第2冷媒通路部とをさらに備え
    前記第1冷媒通路部は、中空な箱形状の第1冷媒通路部本体と、前記第1冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第1冷媒通路部本体へ前記冷媒を供給する第1供給部と、前記第1冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第1冷媒通路部本体から前記冷媒を排出する第1排出部とを備え、前記第1冷媒通路部本体は、前記第1コイルの前記第1貫通路を有する部分を収容し
    前記第2冷媒通路部は、中空な箱形状の第2冷媒通路部本体と、前記第2冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第2冷媒通路部本体へ前記冷媒を供給する第2供給部と、前記第2冷媒通路部本体の内部空間と連通し前記第2冷媒通路部本体から前記冷媒を排出する第2排出部とを備え、前記第2冷媒通路部本体は、前記第2コイルの前記第2貫通路を有する部分を収容すること
    を特徴とする誘導加熱用コイルユニット。
  2. 請求項1記載の誘導加熱用コイルユニットと、
    前記第1および第2コイルそれぞれに前記駆動周波数の電力を供給する電源とを備えること
    を特徴とする誘導加熱装置。
JP2014255104A 2014-12-17 2014-12-17 誘導加熱用コイルユニットおよび誘導加熱装置 Expired - Fee Related JP6317244B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014255104A JP6317244B2 (ja) 2014-12-17 2014-12-17 誘導加熱用コイルユニットおよび誘導加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014255104A JP6317244B2 (ja) 2014-12-17 2014-12-17 誘導加熱用コイルユニットおよび誘導加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016115614A JP2016115614A (ja) 2016-06-23
JP6317244B2 true JP6317244B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=56142184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014255104A Expired - Fee Related JP6317244B2 (ja) 2014-12-17 2014-12-17 誘導加熱用コイルユニットおよび誘導加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6317244B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2430035A1 (de) * 1974-06-22 1976-01-08 Transformatoren Union Ag Wicklungen fuer transformatoren, drosselspulen und dergleichen
JPS6376308A (ja) * 1986-09-18 1988-04-06 Chuo Seisakusho:Kk 一回捲コイル
JP5971839B2 (ja) * 2011-02-15 2016-08-17 トクデン株式会社 誘導加熱装置
JP2013089656A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Kobe Steel Ltd 巻線素子用コイルおよび巻線素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016115614A (ja) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6400663B2 (ja) 非接触給電トランス
US8493167B2 (en) Transformer having the heat radiation function
JP2017535058A (ja) 磁場を受信し、磁気誘導によって電気エネルギーを生み出すための、具体的には車両によって使用される、受信装置
KR102627781B1 (ko) 인덕티브 장치
JP2013055229A (ja) 非接触給電トランス
KR102498744B1 (ko) 가열 장치 및 대응하는 기기 및 방법
CN102737813A (zh) 液冷式感应部件
KR101988665B1 (ko) 금속체 유도가열장치
JP2022096731A (ja) 巻鉄心用誘導加熱式熱処理装置およびその熱処理方法
JP6317244B2 (ja) 誘導加熱用コイルユニットおよび誘導加熱装置
KR20160129304A (ko) 마그네틱 코어 냉각용 냉각키트 및 이를 구비한 플라즈마 반응기
WO2018029773A1 (ja) 空芯型リアクトルユニットおよび空芯型リアクトルユニットを有する電源装置
JP2009021079A (ja) 誘導加熱装置
JP6821472B2 (ja) プラズマ発生装置
US8344843B2 (en) Flux transfer device
CN105914017A (zh) 用于减小线圈的涡流损耗的变压器
JP6106381B2 (ja) トランス及びトランスを搭載した装置
JP2007141981A (ja) 整合変圧器
KR101086471B1 (ko) 고전압용 트랜스포머 구조체
EP4099346A1 (en) Helicoidal guide for the cooling of a medium-frequency transformer
JP5566418B2 (ja) 冷却器付き発熱装置
KR20100026408A (ko) 대전력 고주파 유도 가열 장치
JP6524885B2 (ja) 超電導コイル体および超電導機器
KR20100026410A (ko) 대전력 고주파 유도 가열 장치용 고주파 케이블
EP3544034B1 (en) Non-contact power supply connection unit, non-contact power supply device, and operating machine

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6317244

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees