JP6316846B2 - ポリミキシン含有組成物 - Google Patents

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    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Description

式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を含む組成物を本明細書に開示する。
ポリミキシンは、ポリミキサ菌(Bacillus polymyxa)によって産生される抗生物質として1947年に発見された。ポリミキシンは、ヘプタペプチド環と、N末端にアミド結合した脂肪酸とを含有する抗生物質作用のあるデカペプチドである。現在、市販の2種類のポリミキシン混合物;ポリミキシンBとポリミキシンE(コリスチン)が臨床使用されている。これらの混合物は共に、ゲバルツ(Goevaerts)ら(2002年)およびファン・デン・ボッシェ(Van den Bossche)ら(2011年)により記載されているように種々の成分を含む。欧州薬局方によれば、コリスチンはポリミキシンE1、E2、E3、E1−iおよびE1−7MOAを77%超含まなければならないが、微量成分であるポリミキシンE3、E1−iおよびE1−MOAはそれぞれ10%未満でなければならない。
コリスチンに関する毒性のため、混合物は1950年代にスルホメチル化により改良された。スルホメチル化コリスチンはコリスチメタートナトリウム(CMS)と称され、これはコリスチンのプロドラッグであると見なされている。CMSは依然として、緑膿菌(シュードモナス・エルギノーサ:Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、肺炎桿菌(クレブシエラ・ニューモニエ:Klebsiella pneumonia)、および他のグラム陰性病原体などの多剤耐性生物に対する最後の治療選択肢として臨床使用されている。長年にわたり、CMSの溶液も緑膿菌(P.aeruginosa)によって引き起こされる定着または感染をコントロールするために、嚢胞性線維症(CF)患者の肺に噴霧化により投与されてきた。
市販のCMS製品は様々なポリミキシンの誘導体の複雑な混合物を含有することから、幾つかの結果を招く。これらの最たるものは、市販されている製品の治療効果に関する。体内に注入または吸入されるとCMSはコリスチンリザーバとみなすことができるため、排泄される前に適量のCMSがコリスチンに変換されることが重要である。そのように変換されない場合、血清コリスチン濃度は標的とする病原菌を死滅させるまたはその増殖を防止するのに十分高い濃度に到達することができない。従って、置換基の量を制御したCMSを混合物としてまたは一成分として製造できることにより、過少投与または過量投与の防止により治療能力が向上する。それはまた、CMSの加水分解速度(CMSのコリスチンへの生体内変換速度)に影響を及ぼすことにより、分子のプロドラッグ特性も向上させることができる。
式(I)
{式中、
は、脂肪族直鎖もしくは分岐鎖C〜C10アシル基、または
であり;
は、−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、または−CHであり;
は、−CH(CH、−CHCH(CH、または−CH(CH)CHCHであり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ−(CHCHNH、または−(CHCHN(CHSOM)のいずれかであり;
ここで、xは0または1であり;
Mは1価のカチオンであり;
、R、R、RおよびRの少なくとも3つは、−(CHCHN(CHSOM)である}
で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を含む組成物。
PE1−(SM)10 1,3,5,8,9の構造。 PE1−(SM) 1,5,8,9の構造。 PE1−(SM) 1,5,9の構造。 本明細書に記載の幾つかのスルホメチル化ポリミキシンの一般的な化学構造(表1参照)。 3位にDAP残基を含有するデカスルホメチル化ポリミキシンの構造。 PE1−(SM)10 1,3,5,8,9(図1、上)およびCMS実用標準物質(下)のUHPLCクロマトグラム。 PE2−(SM)10 1,3,5,8,9の構造。 PE1−i−(SM)10 1,3,5,8,9の構造。 実施例4に記載のPE−(SM)10 1,3,5,8,9組成物中のポリミキシン成分の構造。 実施例5に記載のPB−(SM)10 1,3,5,8,9組成物中のポリミキシン成分の構造。 コリスチン(Sigma、C4461)の存在下でのHK−2細胞の細胞溶解率。 ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンE1の存在下でのHK−2細胞の細胞溶解率。 ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンE2の存在下でのHK−2細胞の細胞溶解率。 ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンE1−iの存在下でのHK−2細胞の細胞溶解率。 ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンBの存在下でのHK−2細胞の細胞溶解率。
定義
本明細書で使用する「1つの(a)」または「1つの(an)」要素という語句は、その要素の1つ以上を指し;例えば、1種の化合物は、1種以上の化合物または少なくとも1種の化合物を指す。このようなものとして、「1つの(a)」(もしくは「1つの(an)」)、「1つ以上」、および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用することができる。
本明細書で使用する「任意選択の」または「任意選択により」という用語は、その後に記載されている事象または状況が起こり得るが、必ずしも起こる必要はなく、この記載が、その事象または状況が起こる場合と、起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「任意選択の結合」は、結合が存在しても、または存在しなくてもよく、この記載が単結合、二重結合、または三重結合を含むことを意味する。
「立体異性体」という用語は、普通の一般的な意味を有する。
式(I)で表されるポリミキシンまたはその塩は、天然(L−)および非天然(D−)アミノ酸残基の立体化学名を有し得る、炭素をベースにする幾つかの立体中心を含有する。−CH(CH)CHCH部分および−CH(OH)CH部分は、L−イソロイシンおよびL−トレオニンに見られる基と同じ立体化学を有する炭素をベースにする立体中心を含有することが理解されるだろう。
本明細書に記載の「脂肪族直鎖または分岐鎖C〜C10アシル基」という表現はカルボニル部分と非カルボニル部分と含有する置換基を指し、それには、ヘプタノイル、メチルヘプタノイル((S)−6−メチルヘプタノイルを含む)、オクタノイル、メチルオクタノイル((S)−6−メチルオクタノイル、(S)−7−メチルオクタノイルを含む)、ノナノイル、メチルノナノイル((S)−6−メチルノナノイル、(S)−7−メチルノナノイル、および(S)−8−メチルノナノイルを含む)ならびにデカノイルを含むがこれらに限定されるものではない既知のポリミキシン化合物に見られるアシル基が含まれる。
本明細書に記載の「塩」または「その塩」という用語は、カチオンとアニオンとを含む化合物を指し、これは当業者に既知の任意の方法で、例えば、プロトン受容部分のプロトン化および/またはプロトン供与部分の脱プロトン化により製造することができる。あるいは、塩は、カチオン/アニオンメタセシス、またはカチオン/アニオン交換反応のいずれかにより製造することができる。
「−CHCHNH」という表現は、媒体のpHに応じて、−CHCHNHまたは−CHCHNH のいずれかを包含するものと理解される。
本明細書に記載の「Mは1価のカチオンである」という用語は、価数1の正電荷を含有するカチオン性種を指し、その例としては、Li、Na、K、HN(C1〜4アルキル) (式中、mは0〜4であり、nは0〜4であるが、但しm+n=4である)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に記載の「C1〜4アルキル」という用語は、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基を指す。C1〜4アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、およびn−ブチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に記載の「DAB」という用語は、カルボニル炭素に隣接する炭素原子(即ち、α−炭素)がL型と称される立体化学を有する、2,4−ジアミノ酪酸から誘導される基を指す。あるいは、L−DABは、文献ではL−DBUとも称される。
本明細書に記載の「DAB残基」という用語は、少なくとも1個のアミノ酸にアミド結合した2,4−ジアミノブチレート化合物を指す。天然のポリミキシンは、通常、6個のDAB残基を含み、そのうち5個は遊離γ−アミノ基を有する。
本明細書に記載の「スルホメチル」という用語は、−CHSOM部分(式中、Mは前述の通りである)を指す。スルホネート(−SO)部分は酸の形態であってもよいが、生理学的環境(生体内)ではそれは負電荷を有し、Mなどのカチオンが結合している。
本明細書に記載の「DAP」という用語は、化合物、2,3ジアミノプロピオネートを指す。
本明細書に記載の「DAP残基」という用語は、少なくとも1個のアミノ酸にアミド結合した2,3−ジアミノプロピオネート化合物を指す。
本明細書に記載の「FA」という用語は、「脂肪酸アシル」という表現の略称であり、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩に関する「脂肪族直鎖または分岐鎖C〜C10アシル基」という表現に包含される。
本明細書に記載の「UHPLCで少なくともX%の量で」という用語は、本願の材料および方法の部に記載のUHPLC法により得られるクロマトグラム中の関連するピークの相対積分面積と理解されたい。
「UHPLCクロマトグラムによる純度がY%超である」という用語は、本願の材料および方法の部に記載のUHPLC法により得られるクロマトグラム中の関連するピークの相対積分面積と理解されたい。
第1の実施形態は、式(I)
{式中、
は、脂肪族直鎖もしくは分岐鎖C〜C10アシル基、または
であり;
は、−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、または−CHであり;
は、−CH(CH、−CHCH(CH、または−CH(CH)CHCHであり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ、−(CHCHNH、または−(CHCHN(CHSOM)のいずれかであり;
ここで、xは0または1であり;
Mは1価のカチオンであり;
、R、R、RおよびRの少なくとも3つは、−(CHCHN(CHSOM)である}
で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を含む組成物に関する。
第1の実施形態の第1の態様では、Rは、ヘプタノイル、メチルヘプタノイル、オクタノイル、メチルオクタノイル、ノナノイル、メチルノナノイルまたはデシルである。
第1の実施形態の第2の態様では、Rは、ヘプタノイル、(S)−6−メチルヘプタノイル、オクタノイル、(S)−6−メチルオクタノイル、(S)−7−メチルオクタノイル、ノナノイル、(S)−6−メチルノナノイル、(S)−7−メチルノナノイル、(S)−8−メチルノナノイルまたはデカノイルである。
第1の実施形態の第3の態様では、前述の組成物は、MがNa、K、HN(C1〜4アルキル) 、またはこれらの組み合わせからなる群から選択され、mは0〜4であり、nは0〜4であるが、但しm+n=4であることを特徴とする。
第1の実施形態の第4の態様では、xは1であり、MはH、NaまたはKである

第1の実施形態の第5の態様では、xは1であり、MはH、NaまたはKであり、R、R、R、RおよびRのうちの3つは−CHCHN(CHSOM)である。
第1の実施形態の第6の態様では、xは1であり、MはH、NaまたはKであり、R、RおよびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)である。
第1の実施形態の第7の態様では、xは1であり、MはH、NaまたはKであり、R、R、R、RおよびRのうちの4つは−CHCHN(CHSOM)である。
第1の実施形態の第8の態様では、xは1であり、MはH、NaまたはKであり、R、R、RおよびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)である。
第1の実施形態の第9の態様では、xは1であり、MはH、NaまたはKであり、R、R、R、RおよびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)である;
第1の実施形態の第10の態様では、第1の実施形態の第2の態様〜第9の態様のいずれか1つに記載の組成物は、少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩が、UHPLCで少なくとも10%、UHPLCで少なくとも20%、UHPLCで少なくとも30%、UHPLCで少なくとも40%、UHPLCで少なくとも50%、UHPLCで少なくとも60%、UHPLCで少なくとも70%、UHPLCで少なくとも80%、UHPLCで少なくとも90%、UHPLCで少なくとも95%、UHPLCで少なくとも97%、UHPLCで少なくとも98%、またはUHPLCで少なくとも99%の量で存在することを特徴とする。
第1の実施形態の第11の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、5個よりも多いスルホメチル基を含む。
第1の実施形態の第12の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、DAB残基のγ−アミノ基に結合したスルホメチル基を6〜10個含む。
第1の実施形態の第13の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、DAB残基のγ−アミノ基に結合したスルホメチル基を6個、8個、または10個含む。
第1の実施形態の第14の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、DAB残基のγ−アミノ基に結合したスルホメチル基を10個含む。
第1の実施形態の第15の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、DAB残基のγ−アミノ基に結合したスルホメチル基を8個含む。
第1の実施形態の第16の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、DAB残基のγ−アミノ基に結合したスルホメチル基を6個含む。
第1の実施形態の第17の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、ポリミキシンのDAB残基のγ−アミノ基5個のそれぞれに2個ずつ結合したスルホメチル基を含む。このようなポリミキシンはデカスルホメチル化されている。
第1の実施形態の第18の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシ
ンまたはその塩は、ポリミキシンのDAB残基のγ−アミノ基のうちの4個に2個結合したスルホメチル基を含む。このようなポリミキシンは、オクタスルホメチル化されている。
第1の実施形態の第19の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、ポリミキシンのDAB残基のγ−アミノ基のうちの3個に2個結合したスルホメチル基を含む。このようなポリミキシンは、ヘキサスルホメチル化されている。
第1の実施形態の第20の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、通常のポリミキシン番号付け方式(図4)を用いたDAB残基1、3、5、8および9のγ−アミノ基に2個結合したスルホメチル基を含む。前記ポリミキシン化合物は、本明細書では、ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンと称される。デカスルホメチル化ポリミキシンE1の構造を図1に示し、それに略称PE1−(SM)10 1,3,5,8,9を与える。
第1の実施形態の第21の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、通常のポリミキシン番号付け方式(図4)を用いたDAB残基1、5、8および9のγ−アミノ基に2個結合したスルホメチル基を含む。前記ポリミキシン化合物の一例は、本明細書では、テトラ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,5,8,9ポリミキシンE1と称される。このような化合物の一例を図2に示す。この化合物の略称はPE1−(SM) 1,5,8,9である。
オクタスルホメチル化ポリミキシンの他の例としては、テトラ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8ポリミキシンE1、テトラ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,8,9ポリミキシンE1、テトラ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,9ポリミキシンE1、テトラ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB3,5,8,9ポリミキシンE1がある。
第1の実施形態の第22の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、DAB残基1、5、および9のγ−アミノ基に2個結合したスルホメチル基を含む。前記ポリミキシンの一例は、本明細書では、トリ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,5,9ポリミキシンE1と称され、その構造を図3に示す。この化合物の略称はPE1−(SM) 1,5,9である。ヘキサスルホメチル化ポリミキシンの他の例を表1に示す。
表1:ペンタ、テトラおよびトリNγ−ビス−スルホメチル化されているポリミキシンの例
第1の実施形態の第23の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、ポリミキシンEのDAB残基1、3、5、8および9のγ−アミノ基に結合したスルホメチル基を含む。
第1の実施形態の第24の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、ポリミキシンEのDAB残基1、5、8および9のγ−アミノ基に2個結合したスルホメチル基を含む。
第1の実施形態の第25の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、ポリミキシンEのDAB残基1、5、および9のγ−アミノ基に2個結合したスルホメチル基を含む。
第1の実施形態の第26の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、ポリミキシンEまたはその塩である。
第1の実施形態の第27の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、ポリミキシンBまたはその塩である。
第1の実施形態の第28の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が10%超である。
第1の実施形態の第29の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシ
ンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が20%超である。
第1の実施形態の第30の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が30%超である。
第1の実施形態の第31の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が40%超である。
第1の実施形態の第32の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が50%超である。
第1の実施形態の第33の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が60%超である。
第1の実施形態の第34の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が70%超である。
第1の実施形態の第35の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が80%超である。
第1の実施形態の第36の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が90%超である。
第1の実施形態の第37の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、UHPLCクロマトグラムによる純度が95%超である。
第1の実施形態の第38の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも10%w/w含む。
第1の実施形態の第39の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも20%w/w含む。
第1の実施形態の第40の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも30%w/w含む。
第1の実施形態の第41の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも40%w/w含む。
第1の実施形態の第42の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも50%w/w含む。
第1の実施形態の第43の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも60%w/w含む。
第1の実施形態の第44の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも70%w/w含む。
第1の実施形態の第45の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも80%w/w含む。
第1の実施形態の第46の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも90%w/w含む。
第1の実施形態の第47の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、6〜10個のスルホメチル基を含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩を少なくとも95%w/w含む。
第1の実施形態の第48の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、(A)〜(J)、
(A)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(B)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rは−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(C)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(D)R
であり;R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rは−CHN(CHSOM)であり;Rは−CHであり;Rは−CHCH(CHである;
(E)Rは6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(F)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rは−CH(CH)CHCHであり;Rは−CHCH(CHである;
(G)
(1)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(2)Rは6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(3)Rはオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(4)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rは−CH(CH)CHCHであり;Rは−CHCH(CHである;
(5)Rは7−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(H)
(1)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rは−CHであり;Rは−CHCH(CHである;
(2)Rは6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rは−CHであり;Rは−CHCH(CHである;
(I)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rは−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(J)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
のいずれか1つを含む。
第1の実施形態の第49の態様では、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩は、(A)〜(J)、
(A)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(B)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rは−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(C)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(D)R
であり;R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rは−CHN(CHSONa)であり;Rは−CHであり;Rは−CHCH(CHである;
(E)Rは6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびR
それぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(F)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rは−CH(CH)CHCHであり;Rは−CHCH(CHである;
(G)
(1)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(2)Rは6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(3)Rはオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(4)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rは−CH(CH)CHCHであり;Rは−CHCH(CHである;
(5)Rは7−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(H)
(1)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rは−CHであり;Rは−CHCH(CHである;
(2)Rは6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rは−CHであり;Rは−CHCH(CHである;
(I)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rは−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
(J)Rは6−メチルオクタノイルであり;R、R、およびRはそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRはそれぞれ−CHCHNHであり;RおよびRはそれぞれ−CHCH(CHである;
のいずれか1つを含む。
第1の実施形態の第50の態様では、少なくとも1種のポリミキシンは、図1、図2、図3、図5、図7または図8に示す構造で表される。
第1の実施形態の第51の態様では、組成物は、図9または図10に示す構造で表されるポリミキシンを含む。
ポリミキシンは、ヘプタペプチド環と、N末端にアミド結合した脂肪酸とを含有する抗生物質作用のあるデカペプチドである。幾つかのポリミキシンは、ポリミキサ菌(Bacillus polymyxa)により天然に産生される。ポリミキシンの構造および歴史は既知であり、例えば、ベルコフ(Velkov)ら著、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)2010年、第53巻(5):1898〜1916頁に記載されている。
本明細書に記載のポリミキシンは、置換基の数およびそれらの位置に関して多くの分子種を包含する。例えば、水溶液中では、電荷はpHに依存する。本明細書に記載のポリミ
キシン化合物は、薬学的に許容される塩およびそのイオンを全て包含する。このようなポリミキシンにはもちろん、六ナトリウム塩、八ナトリウム塩、および十ナトリウム塩もある。他の薬学的に許容される塩、例えば、カリウム塩、リチウム塩、およびアンモニウム塩(HN(C1〜4アルキル) [式中、mは0〜4であり、nは0〜4であるが、但しm+n=4である]など)、またはこれらの組み合わせも含まれる。
本明細書に記載のポリミキシンは、DAB残基のγ−アミノ基に結合した6〜10個のスルホメチル基を有する任意のポリミキシン化合物を含む。
ポリミキシン中の残基の番号付けは、ベルコフ(Velkov)らに準拠し、例えば、図4を参照されたい。天然のポリミキシンでは、N末端アミノ酸残基1に脂肪酸が結合しており、アミノ酸残基(10)がアミノ酸残基(4)とラリアット(lariate)構造を形成する。換言すれば、いくつかの天然のポリミキシンでは、L−DAB残基(1)に脂肪酸アシル基(6−メチルヘプタン酸または6−メチルオクタン酸など)がアミド結合しているとともに、L−DAB残基(4)にトレオニン残基(10)がアミド結合している。
ポリミキシンBとポリミキシンE(コリスチン)との唯一の構造の違いは、アミノ酸成分にある。ポリミキシンは、トリペプチド側鎖を有する環状ヘプタペプチド環として配列されたL−アミノ酸を主に含有し、この側鎖は脂肪酸に共有結合している。(例えば、図4参照。)ポリミキシンBとポリミキシンEとの違いは残基6にある。ポリミキシンBでは残基(6)はD−フェニルアラニンであり、ポリミキシンEでは残基(6)はD−ロイシンであり、これらは共に残基(7)にL−ロイシンを含有する。
図4に識別されている立体化学表記は、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩に存在する、炭素をベースにする立体中心の可能性のある立体化学表記を限定しようとするものではないことを理解されたい。
表2:スルホメチル化ポリミキシンの例
天然のポリミキシンの多くは、アミド結合によりペプチドに結合した6−メチルヘプタン酸または6−メチルオクタン酸を含む。従来技術では、天然脂肪酸を合成脂肪酸と交換した多数のポリミキシンが製造されてきた。本発明のポリミキシンは、このような半合成ポリミキシンが他の点では特許請求の範囲の特徴を満たす場合、それらも包含するものとする。例えば、多くの半合成ポリミキシンが文献に記載されており、例えば、マギー(M
agee)ら著、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、2013年、第56巻:5079〜5093頁を参照されたい。
本明細書に記載の「CMS」という用語は、スルホメチル化ポリミキシンE1およびスルホメチル化ポリミキシンE2を含む組成物を指す。ケミカルアブストラクトは、このような組成物にCMSのための番号8068−28−8を割り当てた。
本明細書に記載の「コリスチン」という用語は、ポリミキシンE1およびポリミキシンE2を含む組成物を指す。ケミカルアブストラクトは、コリスチンのための番号1066−17−7を割り当てた。欧州薬局方によれば、コリスチンはポリミキシンE1、E2、E3、E1iおよびE1−7MOAを77%超含まなければならないが、微量成分であるポリミキシンE3、E1−iおよびE1−MOAはそれぞれ10%未満でなければならない。
本明細書に記載の「ポリミキシンE」という用語は、「コリスチン」と互換的に使用される。
本明細書に記載の「ポリミキシンE1」という用語は、CAS番号7722−44−3を有する化合物を指す。ポリミキシンE1はコリスチンAと互換的に使用される。
本明細書に記載の「ポリミキシンE2」という用語は、CAS番号7239−48−73を有する化合物を指す。ポリミキシンE2は、コリスチンBと互換的に使用される。
本明細書に記載の「スルホメチル化ポリミキシン」という表現は、L−DAB残基のγ−アミノ基に結合したスルホメチル基を少なくとも1個含むポリミキシンを指す。
式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩に包含される特定のポリミキシン誘導体としては、米国特許出願公開第2012/0316105号明細書に対応する国際公開第2012/168820号に記載のL−DAB残基のγ−アミノ基またはL−DAP残基のβ−アミノ基に結合したスルホメチル基を6〜10個含む少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩が挙げられる。前記文献では、化合物は6〜10個のスルホメチル基を含有していない。式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンまたはその塩の一例としては、次の構造を有する化合物が挙げられる。
第2の実施形態は、第1の実施形態の多数の態様に記載の組成物のいずれか1つを有効量含む医薬組成物に関する。
第2の実施形態の第1の態様では、医薬組成物は薬学的に許容される医薬品添加物をさらに含む。薬学的に許容される医薬品添加物としては、保存剤、緩衝液、抗酸化剤、または賦形剤を挙げることができる。好適な賦形剤としては、賦形剤、すなわち、注射用水、0.9%NaCl、0.9%NaClに溶解した5%ブドウ糖溶液、5%ブドウ糖水溶液、0.45%NaClに溶解した5%ブドウ糖溶液、0.225%NaClに溶解した5%ブドウ糖溶液、および乳酸加リンゲル液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
医薬組成物は、注射経路で投与(例えば、非経口投与もしくは静脈内投与)するのに好適な賦形剤、または、例えば、ネブライザもしくは他のこのような吸入デバイスを用いる吸入により投与するのに好適な賦形剤を用いて再構成できる凍結乾燥品であってもよい。
本明細書で使用する「有効量」という用語は、対象における細菌感染、例えば、グラム陰性菌感染、例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherich
ia coli)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)等による感染症状を軽減するために必要な量を意味する。用量は、各特定の症例における個々の要求に応じて調節される。その投与量は、治療される疾患の重症度、患者の年齢および全身的健康状態、患者の治療に用いられている他の医薬、投与経路および形態、ならびに、関与する開業医の好みおよび経験などの多数の要因に応じて、広い範囲内で変わり得る。
第3の実施形態は、グラム陰性菌感染の治療における、第1の実施形態の多数の態様に記載の組成物のいずれか1つを有効量含む医薬組成物の使用に関する。
第3の実施形態の第1の態様では、用法は、市販のポリミキシン医薬品、例えば、米国薬局方、注射用コリスチンメタンスルホン酸塩などと同じである。
第3の実施形態の第2の態様では、使用は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、またはこれらの組み合わせによって引き起こされるまたは媒介される感染を治療するための使用である。
第4の実施形態は、感染患者のグラム陰性菌感染の治療方法であって、患者に第1の実施形態の多数の態様に記載の組成物のいずれか1つを有効量含む医薬組成物を投与する工程を含む方法に関する。
第4の実施形態の第1の態様では、治療方法は、市販のポリミキシン医薬品、例えば、米国薬局方、注射用コリスチンメタンスルホン酸塩などについて示されている用法と実質的に同じである。
第4の実施形態の第2の態様では、グラム陰性菌感染は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、またはこれらの組み合わせによって引き起こされるまたは媒介される。
第5の実施形態は、感染患者のグラム陰性菌感染の治療方法であって、患者に第1の実施形態の多数の態様に記載の組成物のいずれか1つを有効量含む医薬組成物を、別の抗菌剤と併用投与する工程を含む方法に関する。
第5の実施形態の第1の態様では、本医薬組成物と別の抗菌剤との投与は、同時に、または択一的に投与順不同で行われる。
第5の実施形態の第2の態様では、グラム陰性菌感染は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、またはこれらの組み合わせによって引き起こされるまたは媒介される。
第6の実施形態は、第1の実施形態の多数の態様に記載の組成物のいずれか1つの製造方法であって:
式II、
{式中、
は、脂肪族直鎖もしくは分岐鎖C〜C10アシル基、または
であり;
は、−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、または−CHであり;
は、−CH(CH、−CHCH(CH、または−CH(CH)CHCHであり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ−(CHCHNHであり;
ここで、xは0または1である}
の化合物またはその塩をメチルスルホン化試薬と反応させる工程、
を含む方法に関する。
第7の実施形態は、第5の実施形態に記載の方法で得られる生成物に関する。
材料および方法
超高圧液体クロマトグラフィー(UHPLC):
使用したUHPLC法は、クォータナリポンプシステムとUV検出器とを備えたウォーターズ・アクイティ(Waters Acquity)システムであった。使用したカラムは、30℃に保持したウォーターズ・アクイティ(Waters Acquity)UPLC CSH C18、1.7μm、150×2.1mmであった。エンパワー(Empower)2を用いて全てのクロマトグラムを記録した。流速は0.30mL/分であり、注入量は2μLであった。移動相は、A)0.05Mリン酸緩衝液pH6.5およびアセトニトリル(MeCN)、比率95:5v/v B)0.05Mリン酸緩衝液pH6.5およびMeCN、比率50:50v/vで構成された。溶媒および化学物質は全て、分析用のものであり、使用前に0.2μmフィルタで濾過した。使用した勾配は;当初、20%B;0〜10分、32%Bまで直線勾配;10〜35分、47%Bまで直線勾配;35〜36分、20%Bまで直線勾配;36分〜44分、20%Bであった。クロマトグ
ラムは全て、210nmで記録した。溶媒および化学物質は全て、独国のメルク(Merck)から購入し、分析用のものまたは分析に適した(pro analysis)(PA)ものであった。
UHPLCおよびMS用の試験試料溶液の調製
試料は、CMS実用標準物質を水に溶解した直後にメタノール(MeOH)で希釈することにより調製し、試料の最終濃度が2mg/mLとなり、含水率が5%となるようにした。これは、スルホメチル化化合物の加水分解を低減することにより試料の安定性を向上させる。個々の成分の同定は、単離された成分を純メタノールに約1mg/mLの濃度となるように溶解することにより行った。使用前、試料は全て、2〜8℃の冷蔵庫またはオートサンプラー内で貯蔵した。
質量分析(MS)
試料は全て、ネガティブモードのエレクトロスプレー注入飛行時間型質量分析装置(ESI−TOF MS)(ブルカー・マイクロTOF(Bruker microTOF))で分析した。試料を、濃度が0.5mg/mLになるようにメタノールに溶解し、30分間超音波浴にかけた。試料を流速250μL/時間で約30秒間注入した。MS設定は;エンド・プレート・オフセット(End Plate Offset)−500V、キャピラリ3500V、ネブライザ3.0バール、ドライガス、250℃で4.0mL/分、キャピラリ出口、−80Vから120Vまで変化、一般値−100.0V、スキマー1−33.3V、六重極1−23.5V、六重極RF 300.0Vpp、スキマー2、−223.5Vであった。キャピラリ出口は、成分のフラグメンテーションに著しい影響を及ぼす。従って、個々の成分についてこのパラメータを最適化することが必要であった。一部の化合物では、依然として幾らかのフラグメンテーションが見られた。イオン源分解産物中の種々雑多な塩、および他の成分が存在するため、MSスペクトルは純粋ではなく、その他のシグナルを含有する可能性がある。しかし、各成分は一成分として単離された(UHPLCにより確認)ため、得られる最高質量はインタクトな分子であり、比較的低い質量を有する他の全ての質量はフラグメントであることが予測された。これはまた、キャピラリ出口エネルギーを変えることにより確認された。
NMR:実験結果は、ブルカー(Bruker)600MHz分光器を用いて、1Dおよび2D NMR実験用の標準的パルスシーケンスで得た。データは、CDOH中、298Kで記録した。化学シフトは、CHDOH(δΗ3.30ppm)およびCDOH(δ49.0ppmに対するppmで報告する。以下のNMR実験結果を取得した:H、13C、DEPT、COSY、HMBC、HSQC、TOCSYおよびNOESY。15Nケミカルシフトは、ウィシャート(Wishart)ら著、ジャーナル・オブ・バイオモレキュラー・NMR(J.Biomol.NMR)1995年、第6巻:135〜140頁)に記載されている周波数比を用いて参照した。
(実施例)
以下の実施例は、本明細書に開示する対象の理解を深める役割を果たすものであって、例により本発明を限定するものではない。
実施例1
ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンE1(PE1−(SM)10 1,3,5,8,9(図1))の製造
単離した硫酸ポリミキシンE1(3.5g)と、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム(11.3g)付加物の45%w/w水溶液とを混合し、撹拌しつつ60℃に加熱した。次いで、2M NaOHを数回添加することによりpHを7.0〜7.5に保持した。18時間後、混合物を周囲温度に冷却し、メタノール/アセトニトリル(1/1 v/v)
200mL中で沈殿させることにより、粗生成物を白色固体として得た。
生成物を次の手順で脱塩精製した:C18カラム 6μ、例えば、フェノメネックスXブリッジ・プレップ・シールド(Phenomenex X Bridge Prep Shield)10×250mmまたは類似のものを、5%MeCN(塩非含有)で洗浄し、平衡化させた。カラムを、最大流量150mL/分のウォーターズ・デルタ・プレップ(Waters Delta Prep)HPLCシステムに装着した。検出器は、280nmに調節したウォーターズ(Waters)2487であった。230mgのPE1−(SM)10 1,3,5,8,9の5%MeCN溶液9mLと、1mLの2M NaClとの混合物をカラムにロードし、流量は6〜8mL/分とした。
5%MeCNを用いて6〜8mL/分で溶出および脱塩を行い、PE1−(SM)10 1,3,5,8,9画分を回収する。このプロセス中にカラム上で幾らかの分解が起こったが、ヘッド部分(頭部)とテイル部分(尾部)とを切り離すことにより、高純度が維持される。ヘッド画分(Head fraction)の約35mLを回収して100%MeCN450mLに直接入れ、100%MeCNをさらに550mL添加した後、2L梨形蒸発フラスコ内のMeCN:HO(97:3)溶液を減圧蒸発させた。蒸留プロセスはビュッヒ・ロタベイパー(Buechi Rotavapor)で行った。94:6の共沸混合物を留去すると、2L減圧蒸留フラスコ内に、水を含まないPE1−(SM)10 1,3,5,8,9残渣が得られる。この残渣を3×8mLの100%MeOH(無水)で取り出し、50mL減圧蒸発フラスコに注ぎ、MeOH−PE1−(SM)10 1,3,5,8,9懸濁液が1〜2mLになるまで減圧蒸発させた。15mLの100%MeCNを添加し、水浴温度35℃で溶液/懸濁液をさらに減圧下で蒸発乾固した。このプロセス中に、圧力を9333〜7999Pa(70〜60Torr)から2666〜2000Pa(20〜15Torr)に減圧させた。減圧を維持したまま35℃の水浴中で低速回転しながら、さらなる減圧乾燥を30分間行った。収量は、PE1−(SM)10 1,3,5,8,9という物質150mgであった。実験を数回行って990mgのバッチを得、相対クロマトグラフィー純度は90%より高かった。
逆相(CSH C18、1.7μm、150×2.1mm)で勾配を用いたUHPLCは、PE1−(SM)10 1,3,5,8,9、C6311016Na104310に関して単一のピークを示した。カラム溶離液を210nmで監視すると、純度は93%であった−図6参照。分析はまた、単離成分を直接注入することによりESI−TOF MS(ネガティブモード)を用いて行った:C6311016Na104310[M]のm/z計算値=2328.3。[M+8Na]−2:m/z実測値1141.2、および[M+7Na]−3 m/z実測値753.1。生成物の同定は、H−、13C、および15N−NMR分光法で行った(データ不掲載)。
実施例2
ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンE2(PE2−(SM)10 1,3,5,8,9(図7))の製造
硫酸ポリミキシンE2(3.5g)とホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム(11.3g)付加物の45%w/w水溶液とを混合し、撹拌しつつ60℃に加熱した。次いで、2M NaOHを数回添加することによりpHを7.0〜7.5に保持した。18時間後、混合物を周囲温度に冷却し、メタノール/アセトニトリル(1/1 v/v)200mL中で沈殿させることにより、粗生成物を白色固体として得た。生成物をさらに、実施例1に記載のように脱塩精製した。
逆相(CSH C18、1.7μm、150×2.1mm)で勾配を用いたUHPLCは、PE2−(SM)10 1,3,5,8,9、C6210816Na1043
10に関して単一のピークを示した。カラム溶離液を210nmで監視すると、純度は81%であった。分析はまた、単離成分を直接注入することによりESI−TOF MS(ネガティブモード)を用いて行った:C6210816Na104310[M]のm/z計算値=2314.5。[M+8Na]−2:m/z実測値1135.2、および[M+7Na]−3:m/z実測値748.5。生成物の同定はNMR分光法で行った。
実施例3
ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンE1−i(PE1−i−(SM)10 1,3,5,8,9(図8))の製造
硫酸ポリミキシンE1−i(3.5g)と、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム(11.3g)付加物の45%w/w水溶液とを混合し、撹拌しつつ60℃に加熱した。次いで、2M NaOHを数回添加することによりpHを7.0〜7.5に保持した。18時間後、混合物を周囲温度に冷却し、メタノール/アセトニトリル(1/1 v/v)200mL中で沈殿させることにより、粗生成物を白色固体として得た。生成物をさらに、実施例1に記載のように脱塩精製した。
逆相(CSH C18、1.7μm、150×2.1mm)で勾配を用いたUHPLCは、PE1−i−(SM)10、C6311016Na104310に関して単一のピークを示した。カラム溶離液を210nmで監視すると、純度は95%であった。分析はまた、単離成分を直接注入することによりESI−TOF MS(ネガティブモード)を用いて行った:[M+8Na]−2:m/z実測値1141.2、および[M+7Na]−3:m/z実測値753.1。
実施例4
ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンE(PE−(SM)101,3,5,8,9(図9)の製造
硫酸コリスチン混合物(3.5g)と、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム(11.3g)付加物の45%w/w水溶液とを混合し、撹拌しつつ60℃に加熱した。次いで、2M NaOHを数回添加することによりpHを7.0〜7.5に保持した。18時間後、混合物を周囲温度に冷却し、メタノール/アセトニトリル(1/1 v/v)200mL中で沈殿させることにより、粗生成物を白色固体として得た。生成物;PE−(SM)10 1,3,5,8,9(図9)をさらに、実施例1に記載のように脱塩精製した。
逆相(CSH C18、1.7μm、150×2.1mm)で勾配を用いたUHPLCは、ポリミキシン、略称PE−(SM)10 1,3,5,8,9の各主要成分について単一のピークを示した。カラム溶離液を210nmで監視すると、5つの主要なポリミキシンピークの全相対純度は83%であった。分析はまた、PE−(SM)10 1,3,5,8,9混合物を直接注入することにより、ネガティブモードのESI−TOF MSを用いて行い、主成分について算出した。 E1:C6311016Na104310[M]のm/z計算値=2328.3、およびE2:C6210816Na104310[M]のm/z計算値=2314.5。それぞれ、[M+8Na]−2:m/z実測値1141.2+1135.1、および[M+7Na]−3:m/z実測値748.5および753.1。
実施例5
ペンタ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,3,5,8,9ポリミキシンB(PB−(SM)10 1,3,5,8,9(図10))の製造
硫酸ポリミキシンB(3.5g)と、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム(11.3g)付加物の45%w/w水溶液とを混合し、撹拌しつつ60℃に加熱した。次いで、2
M NaOHを数回添加することによりpHを7.0〜7.5に保持した。18時間後、混合物を周囲温度に冷却し、メタノール/アセトニトリル(1/1 v/v)200mL中で沈殿させることにより、粗生成物を白色固体として得た。生成物;PB−(SM)10 1,3,5,8,9(図10)をさらに、実施例1に記載のように脱塩精製した。
逆相(CSH C18、1.7μm、150×2.1mm)で勾配を用いたUHPLCは、PB−(SM)10 1,3,5,8,9を示した。分析はまた、PMB−(SM)10 1,3,5,8,9混合物を直接注入することにより、ESI−TOF MS(ネガティブモード)を用いて行い、主成分について算出した。 B1:C6611016Na104310[M]のm/z計算値=2362.3、およびB2:C6510616Na104310[M]のm/z計算値=2348.3。主成分(各実測質量についてポリミキシンB成分の混合物)として、M−2:m/z実測値1158.2+1151.2、およびM−3 m/z実測値764.4および759.8。
実施例6
アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)および大腸菌(Escherichia coli)に対するデカスルホメチル化ポリミキシンの抗菌活性。
EUCASTにより液体培地希釈法を用いて最小発育阻止濃度(MIC)を求めることにより、デカスルホメチル化ポリミキシンの抗菌活性を試験した。4種類の細菌指標生物、例えば、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)コリスチン感受性、肺炎桿菌(Klebsiella pneumonia)#3010、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)ATCC27853、大腸菌(Escherichia coli)ATCC25922、および大腸菌(Escherichia coli)DSA443を使用した。試験は、デンマーク、コペンハーゲン、国立血清学研究所、微生物学および感染対策部(Statens Serum Institut,Copenhagen,Denmark department for Microbiology and Infection Control)で行った。
使用した濃度範囲は0.125〜128μg/mLであった。ゲンタマイシンは、陽性品質対照として含まれた。ゲンタマイシンの調製:1000μg/mL保存溶液:Hexamicinの40mg/mL溶液0.125ml+滅菌水4.875mL。128μg/mL:「1000μg/mL保存溶液」0.640mL+ミュラー・ヒントン液体培地(MHB)4.36mL。
本明細書に開示する化合物の調製:5mg/mL保存溶液:5mgのバイアル1本を滅菌水1.0mLに添加した。512μg/mL溶液:「5mg/mL保存溶液」0.205mL+MHB1.795mL
接種物の調製:5%馬血液寒天平板からの新鮮な終夜培養コロニーを濁度0.5マックファーランド(McFarland)に懸濁し、ミュラー・ヒントン液体培地で1×10CFU/mlにさらに希釈した。合計50μLの希釈細菌懸濁液(ミュラー・ヒントンBBL II−液体培地、SSI)を、本明細書に記載の2倍化合物(two fold
compounds)またはゲンタマイシン希釈液50μLを含有するウェルに添加した。化合物は全て、トリプリケートで試験した。プレートは35℃で16〜20時間インキュベートした。
結果を表3に示す。陽性対照ゲンタマイシンのMICは、緑膿菌(P.aerugin
osa)ATCC27853(0.5〜2μg/mL)および大腸菌(E.coli)ATCC25922(0.25〜1μg/mL)の範囲内であり、手順が適切であったことを示した。
アシネトバクター・バウマンニイ(A.baumannii)コリスチン感受性菌株を除く全ての菌株に対して、対照物質CMSはデカスルホメチル化ポリミキシンより低いMIC値を有した。アシネトバクター・バウマンニイ(A.baumannii)コリスチン感受性菌株に対しては、5種のデカスルホメチル化ポリミキシンのうち3種はCMS対照と同等の活性を示した。MICデータは、全てのデカスルホメチル化ポリミキシン物質についての抗菌活性を示しているが、一般に、CMS対照と比較して活性が低い。
表3.デカスルホメチル化ポリミキシンのMIC(μg/mL)結果
実施例7
テトラ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,5,8,9ポリミキシンE1(PE1−(SM) 1,5,8,9(図2))の製造
重亜硫酸ナトリウムホルムアルデヒド付加物(9.80g、68.5mmol)を水(100mL)に溶解し、37%HCl(1.75g、17.7mmol)を添加した。次いで、ポリミキシンE1(11.7g、10.0mmol)を撹拌溶液にゆっくり添加した。次いで、得られた分散液を40℃に10時間加熱し、その後、凍結乾燥して白色固体を得た。
400mgのスルホメチル化ポリミシンE1を20mLの50%メタノールに溶解し、ウォーターズ・プレップLCユニバーサル・ベース(Waters Prep LC Universal Base)に装着したウォーターズ・ノバ・パック(Waters Nova Pak)C18、6μm、6×10−9m(60Å)、40×310mmに20mL/分の流量でロードした。物質溶液を供する前に、カラムをA−溶離液で平衡化した。
A−溶離液は、CHCN:10mMトリエチルアミン 40mM NaCl緩衝液、1:9であった。
B−溶離液は、CHCN:10mMトリエチルアミン 40mM NaCl緩衝液、
4:6であった。
溶離系は、アイソクラティックの0〜5分はA−溶離液100%であり、20分間でA100%からA50%に直線勾配で変化させた。
最初の5つの主要ピークを回収し、解析した。RT12分の最初の主要ピークはPE1−(SM) 1,5,8,9であった。この画分を、さらにワークアップする前に−80℃の冷凍庫で貯蔵した。PE1−(SM) 1,5,8,9(図11)を含む、依然として低温の融解速度の速い画分50〜100mLを100%CHCNで希釈し、CHCN中に約4%の水が含まれるようにした。純度75〜85%のPE1−(SM)15〜30mgを含有する希釈画分を減圧下で蒸発乾固し、100%メタノールに再溶解し、−20℃の冷凍庫で回収して、150〜300mgの物質を得た。
物質を分取HPLCで上記と同様に再処理し、最後に、実施例1のように脱塩精製した。生成物の同定は、H−、13C−、および15N−NMR分光法で行った。
精製したPE1−(SM) 1,5,8,9の、逆相(CSH C18、1.7μm、150×2.1mm)で勾配を用いたUHPLCは、オクタスルホメチル化ポリミキシンに関して単一のピークを示した。カラム溶離液を210nmで監視すると、PE1−(SM) 1,5,8,9の純度は94%であった。分析はまた、オクタおよびヘキサスルホン化コリスチン混合物を直接注入することにより、ESI−TOF MS(ネガティブモード)を用いて行った:C6110816Na37[M]のm/z計算値=2096.4。PE1−(SM) 1,5,8,9[M+8Na]−2 m/zの実測値1025.2、および[M+7Na]−3 m/zの実測値675.8。
表4.オクタスルホメチル化ポリミキシンE1のMIC(μg/mL)結果
実施例8
トリ(Nγ−ビス−スルホメチル)DAB1,5,9ポリミキシンE1(略称:PE1−(SM) 1,5,9(図3))の製造
重亜硫酸ナトリウムホルムアルデヒド付加物(9.80g、68.5ミリモル)を水(100mL)に溶解し、37%HCl(1.75g、17.7mmolを添加した。次いで、ポリミキシンE1(11.7g、10.0mmol)を撹拌溶液にゆっくり添加した。次いで、得られた分散液を40℃に10時間加熱し、その後、凍結乾燥して白色固体を得た。
400mgのスルホメチル化ポリミシンE1を20mLの50%メタノールに溶解し、ウォーターズ・プレップLCユニバーサル・ベース(Waters Prep LC Universal Base)に装着したウォーターズ・ノバ・パック((Waters
Nova Pak)C18、6μm、6×10−9m(60Å)、40×310mmに20mL/分の流量でロードした。物質溶液を供する前に、カラムをA−溶離液で平衡化した。
A−溶離液は、CHCN:10mMトリエチルアミン 40mM NaCl緩衝液、1:9であった。
B−溶離液は、CHCN:10mMトリエチルアミン 40mM NaCl緩衝液、4:6であった。
溶離系は、アイソクラティックの0〜5分はA−溶離液100%であり、および20分間でA100%からA50%に直線勾配で変化させた。
最初の5つの主要ピークを回収し、解析した。22分の最後の主要ピークはPE1−(SM) 1,5,9であった(図3)。この画分を、さらにワークアップする前に、−80℃の冷凍庫で貯蔵した。PE1−(SM) 1,5,9を含む、依然として低温の融解速度の速い画分50〜100mLを100%CHCNで希釈し、CHCN中に約4%の水が含まれるようにした。純度75〜85%のPE1−(SM) 1,5,915〜30mgを含有する希釈画分を減圧下で蒸発乾固し、100%メタノールに再溶解し、−20℃の冷凍庫で回収して、150〜300mgの物質を得た。
物質を上記と同様に分取HPLCで再処理し、最後に、実施例1のように脱塩精製した。生成物の同定はNMR分光法で行った。
逆相(CSH C18、1.7μm、150×2.1mm)で勾配を用いたUHPLCは、PE1−(SM) 1,5,9に関して単一のピークを示した。カラム溶離液を210nmで監視すると、PE1−(SM) 1,5,9の純度は87%であった。分析はまた、オクタおよびヘキサスルホメチル化ポリミキシンE1を直接注入することにより、ESI−TOF MS(ネガティブモード)を用いて行った:C5910616Na31[M]のm/z計算値=1864.5。PE1−(SM) 1,5,9[M+8Na]−2 m/zの実測値909.3、および[M+7Na]−3 m/zの実測値598.5。
表5.ヘキサスルホメチル化ポリミキシンE1のMIC(μg/mL)結果
実施例9
In vitro毒性試験
HK−2細胞(腎臓ネフロンの近位尿細管由来のヒトパピローマウイルス16形質転換細胞株)を96ウェルプレートに播種し、0.05mg/mLウシ下垂体抽出物および5ng/mL EGFを含むケラチノサイト血清非含有培地で24時間培養した。損傷した細胞膜しか透過しないシントックス・グリーン(Sytox Green)の存在下、指定された化合物で細胞を処理した。
細胞溶解した細胞のパーセンテージを示す、2時間毎に1画像のタイムラプス撮影を行った。結果は図11〜15で視覚化されており、それらは、in vitroでHK−2細胞を溶解する能力に関するコリスチンとデカスルホメチル化ポリミキシンとの相違を示している。この差は100μg/mLを超える濃度において明らかであり、治療の最初の
24時間で最も顕著である。
十分且つ完全な説明が本明細書に記載されているものと考えるが、一定の特許文献および非特許文献は一定の本質的な主題を含み得る。これらの特許文献および非特許文献が本質的な主題について記載している場合、これらの文献はそれらの内容全体が参照により本明細書に援用される。援用される主題の意味は、本明細書に開示される対象の意味に準ずることが理解される。

Claims (12)

  1. 式(I)
    {式中、
    は、脂肪族直鎖もしくは分岐鎖C〜C10アシル基、または
    であり;
    は、−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、または−CHであり;
    は、−CH(CH、−CHCH(CH、または−CH(CH)C
    CHであり;
    、R、R、RおよびR は−(CHCHN(CHSOM) あり;
    ここで、xは0または1であり;
    Mは1価のカチオンである
    で表されるポリミキシンまたはその塩を含む組成物。
  2. がヘプタノイル、メチルヘプタノイル、オクタノイル、メチルオクタノイル、ノナノイル、メチルノナノイルまたはデシルである、請求項1に記載の組成物。
  3. がヘプタノイル、(S)−6−メチルヘプタノイル、(S)−7−メチルヘプタノイル、オクタノイル、(S)−6−メチルオクタノイル、ノナノイル、(S)−6−メチルノナノイル、(S)−7−メチルノナノイル、(S)−8−メチルノナノイル、またはデカノイルである、請求項2に記載の組成物。
  4. MがNa、K、HN(C1〜4アルキル) (式中、mは0〜4であり、nは0〜4であるが、但しm+n=4である)、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 記ポリミキシンまたはその塩が、UHPLCで少なくとも10%、UHPLCで少なくとも20%、UHPLCで少なくとも30%、UHPLCで少なくとも40%、UHPLCで少なくとも50%、UHPLCで少なくとも60%、UHPLCで少なくとも70%、UHPLCで少なくとも80%、UHPLCで少なくとも90%、UHPLCで少なくとも95%、UHPLCで少なくとも97%、UHPLCで少なくとも98%、またはUHPLCで少なくとも99%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. xが1であり、MがH、Na、またはKである、請求項1に記載の組成物。
  7. 記ポリミキシンまたはその塩が、UHPLCで少なくとも10%、UHPLCで少なくとも20%、UHPLCで少なくとも30%、UHPLCで少なくとも40%、UHPLCで少なくとも50%、UHPLCで少なくとも60%、UHPLCで少なくとも70%、UHPLCで少なくとも80%、UHPLCで少なくとも90%、UHPLCで少なくとも95%、UHPLCで少なくとも97%、UHPLCで少なくとも98%、またはUHPLCで少なくとも99%の量で存在する、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記式(I)で表される前記ポリミキシンまたはその塩が、(A)〜(
    (A)Rが6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHである
    )R
    であり;R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)
    であり;Rが−CHN(CHSOM)であり;Rが−CHであり;Rが−CHCH(CHである;
    )Rが6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHである;
    )Rが6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rが−CH(CH)CHCHであり;Rが−CHCH(CHである
    )Rがオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHである
    )Rが7−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHである
    )Rが6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rが−CHであり;Rが−CHCH(CHである
    )Rが6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSOM)であり;Rが−CHであり;Rが−CHCH(CHである;
    から選択される、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記式(I)で表される前記ポリミキシンまたはその塩が、(A)〜(
    (A)Rが6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHである
    )R
    であり;R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rが−CHN(CHSONa)であり;Rが−CHであり;Rが−CHCH(CHである;
    )Rが6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHである;
    )Rが6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rが−CH(CH)CHCHであり;Rが−CHCH(CHである
    )Rがオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHであ
    )Rが7−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;RおよびRがそれぞれ−CHCH(CHである
    )Rが6−メチルオクタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rが−CHであり;Rが−CHCH(CHである
    )Rが6−メチルヘプタノイルであり;R、R、R、R、およびRがそれぞれ−CHCHN(CHSONa)であり;Rが−CHであり;Rが−CHCH(CHである;
    から選択される、請求項1に記載の組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物の治療有効量と、任意選択により薬学的に許容される医薬品添加物とを含む医薬組成物。
  11. グラム陰性菌感染の治療に使用される、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 前記感染が、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニイ(Acinetobacter baumannii)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、またはこれらの組み合わせにより引き起こされる、請求項11に記載の医薬組成物。
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