JP6316732B2 - 温度計測システムおよび温度計測器 - Google Patents
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Description
この3線式温度計測技術は、測温抵抗素子が格納されている温度センサと温度計測器とを3本の信号線で接続し、これら信号線を介して温度計測器から測温抵抗素子へ定電流を供給することにより温度を計測する温度計測技術である。
したがって、温度計測器が多チャンネル対応の場合には、例えば10個の温度センサからの合計30本の信号線を、共通の温度計測器に設けられたチャンネルごとのポートにそれぞれ接続することになる。このため、信号線が誤りなく対応するチャンネルのポートに接続されているかどうかを確認する必要がある。
このため、温度センサの接続確認に多くの時間と作業負担がかかるという問題点があった。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる温度計測システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる温度計測システムの構成を示すブロック図である。
検出部11は、温度センサ20ごとに設けられており、3本の信号線A(第1の信号線),B(第2の信号線),C(第3の信号線)を介して対応する温度センサ20と接続されている。具体的には、検出部11の端子PA,PB,PCが信号線A,B,Cを介して温度センサ20の端子TA,TB,TCとそれぞれ個別に接続されている。
定電流源IS1は、電源電位Vccから端子TAを介して測温抵抗素子PTの一端に接続された信号線Aに対して、端子PAから定電流IA(第1の定電流)を供給する機能を有している。
定電流源IS2は、電源電位Vccから端子TBを介して測温抵抗素子PTの他端に接続された信号線Bに対して、端子PBから定電流IB(第2の定電流)を供給する機能を有している。
また、端子TCに接続された信号線Cは、端子PCを介して検出部11内で接地電位GNDに接続されている。
一方、接続状況検査時には、制御部12からの指示に応じて両方のオペアンプを個別に用いるシングルエンド入力モードに切り替えて、信号線A,Bに生じた電圧VA,VBをそれぞれ増幅してA/D変換し、得られた検査データをそれぞれ出力端子DOから制御部12へ出力する。
測温抵抗素子PTは、一端が端子TAを介して信号線Aに接続され、他端が端子TBを介して信号線Bに接続されており、周囲の温度に応じて抵抗値を変化させる機能を有している。
まず、図2を参照して、温度計測システム1による温度計測動作について説明する。図2は、温度計測動作(正電圧)を示す説明図である。ここでは、信号線A,B,Cが正常接続状態にあり、信号線Aにより端子PAが端子TAに接続されており、信号線Bにより端子PBが端子TBに接続されており、信号線Cにより端子PCが端子TCに接続されているものとする。
VA=IA×(RA+R)+(IA+IB)×RC …(1)
VB=IB×RB+(IA+IB)×RC …(2)
VA=I×(RL+R)+2I×RC …(3)
VB=I×RL+2I×RC …(4)
Vd=I×R …(5)
これにより、I=IA=IBが一定であれば、測温抵抗素子PTの抵抗値Rの変化に比例して、オペアンプの入力端における電圧差Vdが変化することになる。したがって、Vdをオペアンプで検出して増幅すれば、抵抗値Rの変化、すなわち温度変化に応じた電圧を有する計測信号を得ることができる。
次に、温度計測システム1による接続状況検査動作について説明する。
図1に示すように、温度センサ20において、信号線A,Bから供給された定電流IA,IBは、リターン電流ICとして信号線Cから温度計測器10へ戻り、このリターン電流ICは、信号線A,B,Cの接続状況が正しい場合、常に一定の値となる。また、式(5)には、信号線Cの配線抵抗RCが含まれておらず、配線抵抗RCだけが増大して電圧降下が生じても、温度計測には影響しない。
この際、温度センサ20の端子TCに検出部11の端子PAまたはPBが接続されることになるため、端子TCに対して定電流IS1またはIS2から電源電圧Vccが印加される。
制御部12は、温度計測器10の起動時、あるいは通信I/F部13を介して受信された携帯端末30からの指示に応じて、図6の接続状況検査処理を実行する。
これにより、A/D変換器ADCは、両方のオペアンプを個別に用いるシングルエンド入力モードに切り替えて、信号線A,Bに生じた電圧VA,VBをそれぞれ増幅してA/D変換し、得られた検査データをそれぞれ出力端子DOから制御部12へ出力する。
しきい値電圧Vthは、温度計測時に発生しうるVA,VBの最大値より高く、電源電位Vccより低い電圧となる。VA,VBの最大値は、測温抵抗素子PTの抵抗値が最大となる最高計測温度であって、信号線A,B,Cの線路長が許容範囲内で最長である場合に発生する。
一方、VA≦Vthの場合(ステップ102:NO)、制御部12は電圧VBとしきい値電圧Vthとを比較する(ステップ104)。
また、VA≦Vthの場合(ステップ104:NO)、信号線A,B,Cが正常状態であると判定して、一連の接続状況検査処理を終了する。
このように、本実施の形態は、温度センサ20に、信号線Cから測温抵抗素子PTの他端へ流れる逆流電流を阻止する整流素子Dを設け、温度計測器10の制御部12が、整流素子Dにより逆流電流が阻止されて、信号線Aに生じた電圧VAが誤配線判定用のしきい値電圧Vthを超えた場合、これら信号線A−Cが誤配線されていると判定し、信号線Bに生じた電圧VBがしきい値電圧Vthを超えた場合、これら信号線B−Cが誤配線されていると判定するようにしたものである。
次に、図11を参照して、本実施の形態にかかる温度計測システム1について説明する。図11は、第2の実施の形態にかかる温度計測システムで用いられる検出部の構成を示すブロック図である。
すなわち、本実施の形態において、検出部11には、信号線A−Cの接続入れ替えと信号線B−Cの接続入れ替えとを行うマルチプレクサからなる接続入替部MUXが設けられている。
次に、図12を参照して、接続入替部MUXの動作について説明する。図12は、接続入替部の動作を示す説明図である。
制御部12は、信号線A,B,Cが正常接続されている場合または初期状態において、接続入替部MUXを制御して、切替スイッチSWa,SWb,SWcをそれぞれノードNA側、ノードNB側、ノードNC側に切替制御する。これにより、端子PA,PB,PCがそれぞれノードNA,NB,NCと接続される。
このように、本実施の形態は、信号線A−Cの接続入れ替えと信号線B−Cの接続入れ替えする接続入替部MUXを検出部11に設け、制御部12での誤配線の判定結果に応じて、信号線A,Cまたは信号線B,Cを接続入れ替えするようにしたものである。
これにより、信号線A,B,Cに誤配線があった場合には、接続入替部MUXにより信号線A,B,Cが接続入れ替えされる。したがって、制御部12での判定結果に応じて作業者が信号線A,B,Cを接続入れ替えする必要がなくなり、誤配線の訂正に要する作業負担を大幅に削減することが可能となる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (5)
- 測温抵抗素子の一端に第1の信号線が接続され、当該測温抵抗素子の他端に第2および第3の信号線が接続された温度センサと、これら第1、第2、および第3の信号線を介して当該温度センサと接続されて、これら第1および第2の信号線の間に生じた電圧差に基づいて計測温度を出力する温度計測器とを備える温度計測システムであって、
前記温度センサは、前記第3の信号線から前記測温抵抗素子の他端へ流れる逆流電流を阻止する整流素子を有し、
前記温度計測器は、
前記第1の信号線から前記温度センサの前記測温抵抗素子を介して前記第3の信号線へ戻る第1の定電流を供給する第1の定電流源と、
前記第2の信号線から前記第3の信号線へ戻る第2の定電流を供給する第2の定電流源と、
前記整流素子により前記逆流電流が阻止されて、前記第1の信号線に生じた第1の電圧が誤配線判定用のしきい値電圧を超えた場合、前記第1および第3の信号線が誤配線されていると判定し、前記第2の信号線に生じた第2の電圧が当該しきい値電圧を超えた場合、前記第2および第3の信号線が誤配線されていると判定する制御部とを有する
ことを特徴とする温度計測システム。 - 請求項1に記載の温度計測システムにおいて、
前記温度計測器は、前記第1の電圧および前記第2の電圧の電圧差をA/D変換することにより計測データを出力する差動入力モードと、前記第1の電圧および前記第2の電圧をそれぞれ個別にA/D変換することにより第1の検査データおよび第2の検査データを出力するシングルエンド入力モードとを切替可能なA/D変換器をさらに有し、
前記制御部は、温度計測時、前記A/D変換器を前記差動入力モードに切替制御し、得られた前記計測データから前記計測温度を算出し、接続状況検査時、前記A/D変換器を前記シングルエンド入力モードに切替制御し、得られた前記第1および第2の検査データを前記しきい値と比較することにより、前記誤配線の有無を判定する
ことを特徴とする温度計測システム。 - 請求項1または請求項2に記載の温度計測システムにおいて、
前記温度計測器は、前記第1および第3の信号線の接続入れ替えと、前記第2および第3の信号線の接続入れ替えとを行う接続入替部をさらに有し、
前記制御部は、前記接続入替部を制御することにより、前記誤配線と判定された前記第1の信号線および前記第3の信号線の接続入れ替え、または前記第2および第3の信号線の接続入れ替えを行う
ことを特徴とする温度計測システム。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の温度計測システムにおいて、
前記制御部は、温度計測時、前記第1の信号線と前記第2の信号線との間の誤配線により、前記A/D変換器で得られた前記計測データが負の電圧差を示した場合、予め設定されている負電圧と温度との関係に基づいて、当該電圧差に対応する計測温度を出力することを特徴とする温度計測システム。 - 測温抵抗素子の一端に第1の信号線が接続され、当該測温抵抗素子の他端に第2および第3の信号線が接続された温度センサを、これら第1、第2、および第3の信号線を介して接続し、これら第1および第2の信号線の間に生じた電圧差に基づいて計測温度を出力する温度計測器であって、
前記第1の信号線から前記温度センサの前記測温抵抗素子を介して前記第3の信号線へ戻る第1の定電流を供給する第1の定電流源と、
前記第2の信号線から前記第3の信号線へ戻る第2の定電流を供給する第2の定電流源と、
前記温度センサのうち前記測温抵抗素子の他端と前記第3の信号線との間に設けられた整流素子により、当該第3の信号線から当該測温抵抗素子の他端へ流れる逆流電流が阻止されて、前記第1の信号線に生じた第1の電圧が誤配線判定用のしきい値電圧を超えた場合、これら第1および第3の信号線が誤配線されていると判定し、前記第2の信号線に生じた第2の電圧が当該しきい値電圧を超えた場合、これら第2および第3の信号線が誤配線されていると判定する制御部と
を備えることを特徴とする温度計測器。
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