JP6315565B2 - 回転工具 - Google Patents

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本発明は、回転駆動部に取り付けられて回転駆動される工具ベース部と、ワークに押し付けられてそのワークを加工する工具本体部とを備えた回転工具に関する。
従来のこの種の回転工具としては、例えば、円盤の外縁部に研削部を有しかつ中心部を嵌合孔部が貫通した工具本体部と、その工具本体部の嵌合孔部に挿入嵌合された棒状の工具ベース部とを備え、回転状態の工具本体部をワークに接触させることで研削加工を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−284791号公報(段落[0037]〜[0040]、第1図)
ところが上述した従来の回転工具では、ワークからの加工反力が工具本体部や工具ベース部との嵌合部分に掛かり、ワークの形状や固定位置にばらつきがあると、それらに掛かる負荷が増大する虞がある。一方、ワークの形状や固定位置のばらつきに応じて回転工具の位置を毎回微調整していては、加工効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、加工効率を低下させることなく工具本体部や工具ベース部との連結部分に掛かる負荷を抑えることが可能な回転工具の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る回転工具は、回転駆動部に取り付けられて回転駆動される工具ベース部と、ワークに押し付けられてそのワークを加工する工具本体部と、工具本体部が工具ベース部と同一回転速度で回転するように工具ベース部と工具本体部との間を連結しかつ、工具本体部の重心軸が工具ベース部の回転軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることを許容しかつ、工具ベース部と工具本体部との分離を禁止するジョイント部と、工具ベース部と工具本体部との間に設けられ、工具本体部を原点姿勢に付勢する原点姿勢保持手段と、を備え、ジョイント部には、工具本体部及び工具ベース部の一方と他方とに設けられて互いに嵌合する嵌合孔部及び嵌合雄部と、嵌合雄部と嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の突部と、他方の嵌合面に形成されて複数の突部が当接する被当接部と、突部又は被当接部の一方に形成されて、突部と被当接部とを線接触又は点接触させる当接曲面と、工具本体部及び工具ベース部の一方と他方とに設けられて、工具ベース部の回転軸方向で互いに当接して、工具本体部を原点姿勢になるように位置決めする第1及び第2の位置決め突壁と、工具本体部及び工具ベース部のうち第1の位置決め突壁を有する側に設けられて、第1の位置決め突壁と反対側から第2の位置決め突壁に対向するバネ支持壁と、バネ支持壁と第2の位置決め突壁との間に突っ張り状態に設けられた原点姿勢保持手段としての圧縮コイルバネと、が備えられたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載の回転工具において、重力方向に対する工具ベース部の回転軸の向きに拘わらず工具本体部を原点姿勢に保持可能な原点姿勢保持手段を備えたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の回転工具において、工具本体部は、第2の位置決め突壁としての円盤部の外縁部にワークを研削するための研削部を有した構造をなす共に円盤部の中心に嵌合孔部を備え、工具ベース部は、嵌合雄部を有すると共に、嵌合雄部を挟んで対向する第1の位置決め突壁とバネ支持壁とを備えたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載の回転工具において、工具ベース部は、1対の工具本体部の嵌合孔部に嵌合した1対の嵌合雄部を同軸上に並べて備え、それら1対の工具本体部の間に共通した第1の位置決め突壁と、その第1の位置決め突壁と反対側から各工具本体部にそれぞれ対向する1対のバネ支持壁と、各工具本体部を第1の位置決め突壁に押し付ける1対の圧縮コイルバネとを有するところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の回転工具において、工具本体部は、第2の位置決め突壁としての円盤部の外縁部から重心軸方向に延びた拡張円筒部を有して、その円筒部の外周面又は内周面又は先端面にワークを研削するための研削部を有した構造をなすと共に、円盤部の中心に嵌合孔部を備え、工具ベース部は、嵌合雄部を有すると共に、嵌合雄部を挟んで対向する第1の位置決め突壁とバネ支持壁とを備えたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の回転工具において、工具本体部は、第2の位置決め突壁及び嵌合雄部としてのディスク部の中心から重心軸方向に延びたシャフト部を有して、そのシャフト部の先端部にワークを加工するための研削部又は刃部を有した構造をなし、工具ベース部は、嵌合孔部を有すると共に、ディスク部を挟んで対向する第1の位置決め突壁とバネ支持壁とを備えたところに特徴を有する。
請求項の発明に係る回転工具は、回転駆動部に取り付けられて回転駆動される工具ベース部と、ワークに押し付けられてそのワークを加工する工具本体部と、工具ベース部から工具本体部へと回転動力を伝達する動力中継軸部と、動力中継軸部が工具ベース部と同一回転速度で回転するように工具ベース部と動力中継軸部の一端との間を連結しかつ、動力中継軸部の重心軸が工具ベース部の回転軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることを許容しかつ、工具ベース部と工具本体部との分離を禁止する第1ジョイント部と、工具本体部が動力中継軸部と同一回転速度で回転するように動力中継軸部の他端部と工具本体部との間を連結しかつ、工具本体部の重心軸が動力中継軸部の重心軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることを許容しかつ、動力中継軸部と工具本体部との分離を禁止する第2ジョイント部とを備えたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載の回転工具において、工具ベース部と動力中継軸部との間に設けられ、動力中継軸部を原点姿勢に付勢する第1原点姿勢保持手段と、動力中継軸部と工具本体部との間に設けられ、工具本体部を原点姿勢に付勢する第2原点姿勢保持手段と、を備えたところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載の回転工具において、重力方向に対する工具ベース部の回転軸の向きに拘わらず工具本体部及び工具本体部を原点姿勢に保持可能な第1及び第2の原点姿勢保持手段を備えたところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項7乃至9の何れか1の請求項に記載の回転工具において第1ジョイント部には、工具ベース部と動力中継軸部の一方と他方に設けられて互いに嵌合する第1嵌合孔部及び第1嵌合雄部と、第1嵌合雄部と第1嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の第1突部と、他方の嵌合面に形成されて複数の第1突部が当接する第1被当接部と、第1突部又は第1被当接部の一方に形成されて、第1突部と第1被当接部とを線接触又は点接触させる第1当接曲面と、工具ベース部と動力中継軸部との一方と他方とに設けられて、工具ベース部の回転軸方向で互いに当接して、動力中継軸部を原点姿勢になるように位置決めする第1及び第2の位置決め突壁と、工具ベース部及び動力中継軸部のうち第1の位置決め突壁を有する側に設けられて、第1の位置決め突壁と反対側から第2の位置決め突壁に対向する第1バネ支持壁と、第1バネ支持壁と第2の位置決め突壁に間に突っ張り状態に設けられた第1原点姿勢保持手段としての第1圧縮コイルバネとが備えられ、第2ジョイント部には、動力中継軸部と工具本体部との一方と他方に設けられて互いに嵌合する第2嵌合孔部及び第2嵌合雄部と、第2嵌合雄部と第2嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の第2突部と、他方の嵌合面に形成されて複数の第2突部が当接する第2被当接部と、第2突部又は第2被当接部の一方に形成されて、第2突部と第2被当接部とを線接触又は点接触させる第2当接曲面と、動力中継軸部及び工具本体部との一方と他方とに設けられて、動力中継軸部の回転軸方向で互いに当接して、動力中継軸部を原点姿勢になるように位置決めする第3及び第4の位置決め突壁と、動力中継軸部及び工具本体部のうち第3の位置決め突壁を有する側に設けられて、第3の位置決め突壁と反対側から第4の位置決め突壁に対向する第2バネ支持壁と、第2バネ支持壁と第4の位置決め突壁に間に突っ張り状態に設けられた第2原点姿勢保持手段としての第2圧縮コイルバネとが備えられたところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項10に記載の回転工具において、工具本体部は、第4の位置決め突壁及び第2嵌合雄部としてのディスク部の中心から重心軸方向に延びたシャフト部を有して、そのシャフト部の先端部にワークを加工するための研削部又は刃部を有した構造をなし、動力中継軸部は、第2嵌合孔部を有すると共に、ディスク部を挟んで対向する第3の位置決め突壁と第2バネ支持壁とを備えたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1の回転工具によれば、工具本体部が工具ベース部と同一回転速度で回転するように工具ベース部と工具本体部との間を連結しかつ、工具本体部の重心軸が工具ベース部の回転軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることを許容するジョイント部を備えているから、回転工具の位置を微調整しなくても、ワークの形状や固定位置等のばらつきに応じて工具本体部が任意の姿勢に変更され、それらばらつきを吸収した状態でワークの加工を行うことができる。これにより、加工効率を低下させることなく、工具本体部や工具ベース部との連結部分に掛かる負荷を抑えることが可能になる。
請求項1の発明によれば、原点姿勢保持手段の付勢力によって工具本体部をワークに押し付けることができる。
ジョイント部は、カルダンジョイントやツェッパジョイント等であってもよいし、本発明のように、工具本体部及び工具ベース部の一方と他方とに設けられて互いに嵌合する嵌合孔部及び嵌合雄部と、嵌合雄部と嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の突部と、他方の嵌合面に形成されて複数の突部が当接する被当接部と、突部又は被当接部の一方に形成されて、突部と被当接部とを線接触又は点接触させる当接曲面とを備えた構成にしてもよい。
また、この場合、工具本体部と工具ベース部の何れか一方に設けたバネ支持壁及び第1の位置決め突壁の間に、工具本体部と工具ベース部の何れか他方に設けた第2の位置決め突壁を挟んで、バネ支持壁と第2の位置決め突壁との間に圧縮コイルバネを突っ張り状態にして設けることで、第1と第2の位置決め突壁とを工具ベース部の回転軸方向で当接させて、工具本体部を原点姿勢に位置決めすることができる。
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、重力に拘わらず工具本体部を原点姿勢に保持することができるから、ワークに対する回転工具の配置の自由度が向上する。
[請求項3及び5の発明]
本発明に係る工具本体部は、請求項の発明のように、第2の位置決め突壁としての円盤部の外縁部にワークを研削するための研削部を有した構造にしてもよいし、請求項の発明のように、第2の位置決め突壁としての円盤部の外縁部から重心軸方向に延びた拡張円筒部を有して、その拡張円筒部の外周面又は内周面又は先端面にワークを研削するための研削部を有した構造にしてもよい。圧縮コイルバネの付勢力を超える加工反力を受けると、工具本体部が工具ベース部に対して傾動して原点姿勢以外の姿勢に変更されることで、工具本体部や、嵌合雄部と嵌合孔部との嵌合部分に掛かる負荷を抑えることができる。また、バネ支持壁と第2の位置決め突壁としての円盤部との間に突っ張り状態に設けられた圧縮コイルバネによって、円盤部を工具ベース部の第1の位置決め突壁に押し付けて、工具本体部を原点姿勢に保持することができる。
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、工具ベース部の回転軸方向で工具本体部が対をなして設けられているから、それら対をなした工具本体部の間にワークを進入させることで、そのワークの異なる2箇所を同時に研削することが可能になる。また、1対の工具本体部の間に進入したワークによって1対の工具本体部が原点姿勢以外の姿勢に変更され、1対の各工具本体部や工具ベース部との連結部分に掛かる負荷をそれぞれ抑えることができる。
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、工具本体部は、第2の位置決め突壁及び嵌合雄部としてのディスク部の中心から重心軸方向に延びたシャフト部を有し、そのシャフト部の先端に備えた研削部又は刃部をワークに押し付けることで、ワークの研削又は切削を行うことができる。また、バネ支持壁と第2の位置決め突壁としてのディスク部との間に突っ張り状態に設けられた圧縮コイルバネによって、ディスク部が工具ベース部の第1の位置決め突壁に押し付けられて、工具本体部が原点姿勢に保持される。さらに、圧縮コイルバネの付勢力を超える加工反力を受けると、嵌合孔部の内側で嵌合雄部としてのディスク部が傾動して工具本体部が原点姿勢以外の姿勢に変更され、工具本体部や、嵌合孔部とディスク部との嵌合部分に掛かる負荷を抑えることができる。
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、工具ベース部と動力中継軸部とが同一回転速度で回転し、動力中継軸部の重心軸が工具ベース部の回転軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることが許容されるように、工具ベース部と動力中継軸部の一端部とが第1ジョイント部によって連結され、かつ、動力中継軸部と工具本体部とがとが同一回転速度で回転し、工具本体部の重心軸が動力中継軸部の重心軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることが許容されるように動力中継軸部の他端部と工具本体部とが第2ジョイント部によって連結されているから、回転工具の位置を微調整しなくても、ワークの形状や固定位置等のばらつきに応じて工具本体部及び動力中継軸部が任意の姿勢に変更され、それらばらつきを吸収した状態でワークの加工を行うことができる。これにより、加工効率を低下させることなく、工具本体部や、動力中継軸部と工具本体部との連結部分及び工具ベース部と動力中継軸部との連結部分に掛かる負荷を抑えることが可能になる。
また、工具ベース部に第1ジョイント部を介して動力中継軸部の一端部が連結されると共に、動力中継軸部の他端部に第2ジョイント部を介して工具本体部が連結されているから、工具本体部を、2つの異なる傾動中心点でそれぞれ任意の方向に傾動させることができるし、工具ベース部の回転軸の側方に平行移動させることもできるし、工具ベース部の回転軸の側方に移動させながら任意の方向に傾動させることもできる。つまり、ワーク形状や固定位置のばらつきに対して工具本体部の位置及び姿勢をより柔軟に変化させることができる。
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、動力中継軸部を原点姿勢に付勢する第1原点姿勢保持手段と、工具本体部を原点姿勢に付勢する第2原点姿勢保持手段とを備えたから、それら姿勢保持手段の付勢力で工具本体部をワークに押し付けることができる。
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、重力に拘わらず工具本体部を原点姿勢に保持することができるから、ワークに対する回転工具の配置の自由度が向上する。
[請求項10の発明]
本発明に係る第1のジョイント部は、カルダンジョイントやツェッパジョイント等であってもよいし、請求項10の発明のように、工具ベース部と動力中継軸部の一方と他方に設けられて互いに嵌合する第1嵌合孔部及び第1嵌合雄部と、第1嵌合雄部と第1嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の第1突部と、他方の嵌合面に形成されて複数の第1突部が当接する第1被当接部と、第1突部又は第1被当接部の一方に形成されて、第1突部と第1被当接部とを線接触又は点接触させる第1当接曲面とを備えた構造にしてもよい。第2ジョイント部に関しても同様である。
この場合、工具ベース部と動力中継軸部の何れか一方に設けた第1バネ支持壁及び第1の位置決め突壁の間に、工具ベース部と動力中継軸部の何れか他方に設けた第2の位置決め突壁を挟んで、第1バネ支持壁と第2の位置決め突壁との間に第1圧縮コイルバネを突っ張り状態にして設けることで、第1と第2の位置決め突壁が工具ベース部の回転軸方向で互いに当接して、動力中継軸部を原点姿勢に位置決めすることができる。第2ジョイント部に関しても同様であり、工具本体部を原点姿勢に位置決めすることができる。
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、工具本体部は、第4の位置決め突壁及び第2嵌合雄部としてのディスク部の中心から重心軸方向に延びたシャフト部を有し、そのシャフト部の先端に備えた研削部又は刃部をワークに押し付けることで、ワークの研削又は切削を行うことができる。また、第2バネ支持壁と第4の位置決め突壁としてのディスク部との間に突っ張り状態に設けられた第2圧縮コイルバネによって、ディスク部が動力中継軸部の第3の位置決め突壁に押し付けられて、工具本体部が原点姿勢に保持される。さらに、第2圧縮コイルバネの付勢力を超える加工反力を受けて第2嵌合孔部の内側で嵌合雄部としてのディスク部が傾動することで、工具本体部が原点姿勢以外の姿勢に変更され、工具本体部や、第2嵌合孔部とディスク部との嵌合部分に掛かる負荷を抑えることができる。
本発明の第1実施形態に係る回転工具の側面図 回転工具の分解図 回転工具の側断面図 工具本体部が非原点姿勢のときの回転工具の側断面図 シャフトの側面図 (A)工具本体部の平面図、(B)工具本体部の側面図 (A)バネ支持盤の平面図、(B)バネ支持盤の側面図 回転ロッドを回転軸方向から見た図 図3のP−P切断面における断面の部分拡大図 (A)特殊レンチの平面図、(B)特殊レンチの側面図 ジャイロ効果を説明するためのスケルトン図 第2実施形態に係る回転工具の(A)側断面図、(B)部分拡大図 図12(A)のQ−Q切断面における断面図 工具本体部が非原点姿勢のときの回転工具の側断面図 第3実施形態に係る回転工具の(A)側断面図、(B)部分拡大図 図15(A)におけるR−R切断面の断面図 工具本体部が非原点姿勢のときの側断面図 第4実施形態に係る回転工具の原点姿勢における側断面図 工具本体部が非原点姿勢のときの回転工具の側断面図 (A)工具本体部が原点姿勢のときの回転工具の側断面図、(B)工具本体部が非原点姿勢のときの回転工具の側断面図 (A)工具本体部が原点姿勢のときの回転工具の側断面図、(B)工具本体部が非原点姿勢のときの回転工具の側断面図 (A)工具本体部が原点姿勢のときの回転工具の側断面図、(B)工具本体部が非原点姿勢のときの回転工具の側断面図
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には、図示しないワーク加工装置に取り付けて使用される回転工具10の全体が示されている。図1及び図2に示すように、回転工具10は円盤形をなした1対の工具本体部20と、それらの中心を貫通した回転ロッド30(本発明の「工具ベース部」に相当する)とを有している。回転ロッド30は、ワーク加工装置に備えた回転駆動部300(例えば、モータ駆動される主軸)に固定されており、回転ロッド30と1対の工具本体部20とが一体回転する。
図2に示すように、回転ロッド30は全体として円柱状をなしており、軸方向の一端部には回転駆動部300に固定されるシャンク部35が形成され、軸方向の中間部には位置決め突壁31が形成されている。位置決め突壁31は回転ロッド30の側方に張り出しており、位置決め突壁31を挟んだ両側位置には、位置決め突壁31よりも小さく側方に突出した1対の嵌合雄部32が形成されている。また、1対の嵌合雄部32から回転ロッド30の両端部に向かって円柱部33が延びており、それら円柱部33のうち嵌合雄部32から離れた部分の外周面には雄螺子33A(図5参照)が形成されている。
図3に示すように、回転ロッド30の円柱部33には、それぞれバネ支持盤40(本発明の「バネ支持壁」に相当する)が取り付けられている。バネ支持盤40は、位置決め突壁31よりも大きく回転ロッド30の側方に張り出しており、回転ロッド30から離れる(径方向の外側に向かう)に従って段階的に肉厚が減少した円盤形をなしている。詳細には、バネ支持盤40の両側面のうち、回転ロッド30の両端側を向いた側面は回転ロッド30と直交した平坦面となっており、その反対側の側面は、回転ロッド30から離れるに従って工具本体部20から段階的に離れた環状階段面となっている(図7(B)参照)。また、バネ支持盤40の中央の最大肉厚部41を螺子孔40Aが貫通しており、その螺子孔40Aが円柱部33の雄螺子33Aと螺合している。
回転ロッド30に対するバネ支持盤40の取り付けは、例えば、図10に示した特殊レンチ200を使用して行われ、バネ支持盤40の平坦な側面には、この特殊レンチ200と係合する複数の係合孔43が形成されている。これら係合孔43は、図7(A)に示すように、螺子孔40Aと同心の同一円周上に均等配置されている。一方、特殊レンチ200は、図10(A)に示すように、リング形をなしたレンチ本体201の外周面から相反する方向に1対のグリップ202が突出した構造をなし、レンチ本体201の一側面から突出した複数の係合突起203(図10(B)参照)が、バネ支持盤40に形成された各係合孔43と凹凸係合可能となっている。
図3に示すように、回転ロッド30の円柱部33のうち、バネ支持盤40と嵌合雄部32との間には円筒形のカラー11が取り付けられている。カラー11は、バネ支持盤40の最大肉厚部41と嵌合雄部32との間に挟まれており、回転軸30J方向への移動が禁止されている。
図3に示すように、回転ロッド30のうち位置決め突壁31を挟んだ両側位置には工具本体部20が取り付けられている。図6(A)に示すように、工具本体部20は、円盤部22の外縁部に円環状の研削部21を備えている。図3に示すように、研削部21の断面は略蒲鉾状をなしており、アーチ状に湾曲した外周面に砥粒が固着している。
工具本体部20(円盤部22)の中心には嵌合孔部23が貫通形成されている。図2に示すように、工具本体部20は、回転ロッド30の両端部からそれぞれ挿入されて嵌合孔部23に回転ロッド30の嵌合雄部32が嵌合している(図3参照)。また、円盤部22の両側面から起立した環状リブ24は、位置決め突壁31より大径な円環状をなしており、環状リブ24の外径とバネ支持盤40における中間肉厚部44の外径とが略同一径となっている(図3参照)。
図3に示すように、バネ支持盤40と工具本体部20との間には、圧縮コイルバネ12(本発明の「原点姿勢保持手段」に相当する)が突っ張り状態に挟まれている。圧縮コイルバネ12は、回転ロッド30の円柱部33の外側に遊嵌状態で挿通されており、その一端部は工具本体部20に形成された環状リブ24の内側に嵌合し、他端部はバネ支持盤40における中間肉厚部44に突き当てられている。この圧縮コイルバネ12により、工具本体部20の一側面(円盤部22における環状リブ24の内側領域)が位置決め突壁31の側面に押し付けられている(図3参照)。なお、圧縮コイルバネ12のプリロードは、バネ支持盤40と嵌合雄部32との間に挟まれたカラー11の軸長を変更することで調整可能である。
図3に示すように、バネ支持盤40と工具本体部20との間には、圧縮コイルバネ12を包囲するようにカバー13が組み付けられている。カバー13は蛇腹筒構造をなしており、その一端部は工具本体部20の環状リブ24の外側に嵌合し、他端部はバネ支持盤40における中間肉厚部44の外側に嵌合している。
1対の工具本体部20の間にも蛇腹筒構造のカバー14が挟まれており、そのカバー14の両端部が、工具本体部20の環状リブ24の外側にそれぞれ嵌合している。これらカバー13,14は、ワークの加工に伴って発生した研削屑等の異物が、工具本体部20と回転ロッド30とを連結した本発明の「ジョイント部」に噛み込むことを防いでいる。
さて、ジョイント部は、上述した位置決め突壁31とその位置決め突壁31を挟んだ両側に配置された嵌合雄部32、バネ支持盤40及び圧縮コイルバネ12を有し、さらに、以下の構成を備えている。図6(A)に示すように、工具本体部20に形成された嵌合孔部23の開口形状は、正多角形(具体的には、正六角形)になっており、その多角形の各辺に相当する内側面23Aは、工具本体部20の重心軸20Jと平行な平坦面になっている。また、正多角形の各角に相当する部分は、重心軸20Jから離れるように円弧状に抉れており、正多角形の各辺に相当する内側面23Aが相対的に内側に突出して本発明の「突部」となっている。
一方、回転ロッド30に形成された嵌合雄部32は、嵌合孔部23と同様、正多角形(具体的には、正六角形)になっており(図8参照)、その多角形の各辺に相当する外側面32A(本発明の「被当接部」に相当する)は、回転ロッド30の回転軸30Jと直交する方向から見て外側に向かって膨らむように丸みを帯びた当接曲面になっている(図5参照)。詳細には、嵌合雄部32における各外側面32Aは、回転軸30Jと直交しかつ各外側面32Aと平行な各基準軸を中心とした円筒形の曲面となっており、対辺位置に配置された外側面32A同士が、同じ円筒面上に位置している。また、嵌合雄部32のうち正多角形の各角に相当する部分は面取りされている。
工具本体部20とバネ支持盤40との間で突っ張り状態になった圧縮コイルバネ12により、工具本体部20は重力方向に対する回転ロッド30の回転軸30Jの向きに拘わらず、位置決め突壁31の側面に押し付けられた原点姿勢(図3に示す状態)、即ち、工具本体部20の重心軸20Jと回転ロッド30の回転軸30Jとが一致した姿勢に保持される。この原点姿勢において、嵌合雄部32の各外側面32Aは嵌合孔部23の各内側面23Aに線接触する(図9参照)。これにより、回転ロッド30と工具本体部20とが同一回転速度で回転可能となると共に、例えば、断面正六角の筒体の6つの内面全てに線接触するリングがその筒体内で任意の方向に傾動可能となる場合と同様の原理で、各工具本体部20は図3に示す原点姿勢と、それ以外の任意の姿勢(以下、「非原点姿勢」という)、具体的には図4に示すように、回転ロッド30の回転軸30Jに対して工具本体部20の重心軸20Jが斜めに交差した姿勢を採ることが可能になっている。
本実施形態の回転工具10の構成は以上である。回転工具10を使用してワークWの加工(例えばバリ取り)を行う場合、図示しない固定治具にてワークWを固定し、回転状態にした回転工具10をワークWに近づけて、1対の工具本体部20の研削部21をワークWのバリ取り箇所に押し付ける。工具本体部20は、自身の回転によるジャイロ効果と圧縮コイルバネ12とによって原点姿勢に付勢されているから、1対の工具本体部20に備えた両研削部21によってバリ取り箇所が研削されてバリが除去される。
ここで、回転ロッド30と工具本体部20は上述したジョイント部によって連結されているから、工具本体部20を原点姿勢に付勢する付勢力(圧縮コイルバネ12及びジャイロ効果)を超える加工反力を受けると、工具本体部20は図3に示す原点姿勢から図4に示す非原点姿勢へと変化し、その非原点姿勢を維持した状態で回転軸30Jと不一致な重心軸20Jを中心にして回転してワークWを研削する。
また、工具本体部20は圧縮コイルバネ12によって原点姿勢に付勢されているから、非原点姿勢を維持して重心軸20Jを中心に回転する工具本体部20の研削部21を、圧縮コイルバネ12の付勢力でワークWのバリ取り箇所に押し付けることができる。つまり、本実施形態によれば、回転工具10の位置の微調整を行わなくても、ワークWの形状や固定位置等のばらつきに応じて工具本体部20が任意の姿勢に変更され、それらばらつきを吸収した状態でバリ取り箇所の研削を確実に行うことができる。これにより、加工効率を低下させることなく工具本体部20や回転ロッド30との嵌合部分に掛かる負荷を抑えることが可能になる。
また、工具本体部20は重力方向に対する回転ロッド30の回転軸30Jの向きに拘わらず原点姿勢(図3に示す状態)に保持されるから、ワークに対する回転工具10の配置の自由度が向上する。
なお、工具本体部20が非原点姿勢(図4参照)となり、回転軸30Jと不一致な重心軸20Jを中心にして回転した場合も、その非原点姿勢での回転を維持するように作用するジャイロ効果が発生する。これを図11に示したスケルトンモデルで説明する。このスケルトンモデルは、ベアリング5,6によって支持された軸部1(回転軸30Jに相当する)及び軸部2(重心軸20Jに相当する)を、等速ジョイント部3によって連結し、軸部2にフライホイール4(工具本体部20に相当する)を固定したものである。まず、図11(A)に示すように、軸部1,2を重力方向に向けた状態(原点姿勢に相当する)で軸部1を回転駆動し、それら軸部1,2を同一回転速度で高速回転させると、フライホイール4の回転によるジャイロ効果によって軸部1,2が一致した状態に維持される。次に、同図(B)に示すように、軸部1,2の回転を維持したまま軸部2を支持したベアリング6を移動させて、軸部2を重力方向に対して傾斜した状態(非原点姿勢に相当する)にする。すると、フライホイール4の回転によるジャイロ効果によってその重心軸である軸部2の姿勢が安定化するので、同図(C)に示すように、ベアリング6による軸部2の支持が無い状態でも、軸部2は重力方向に対して傾斜した状態が維持される。なお、本実施形態の回転工具10は、工具本体部20を原点姿勢に付勢する圧縮コイルバネ12を備えており、その付勢力が工具本体部20の回転によるジャイロ効果よりも大きいので、回転工具10をワークから離した状態で、工具本体部20が非原点姿勢で回転することはない。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を、図12〜図14に基づいて説明する。図12(A)に示すように、本実施形態の回転工具50は、図示しないワーク加工装置の回転駆動部300に取り付けられて回転駆動される工具ベース部70と、ワークに押し付けられてそのワークを加工する工具本体部60とを備え、それら工具ベース部70と工具本体部60とが本発明に係る「ジョイント部」によって連結されている。
工具本体部60は棒状のシャフト部61と、そのシャフト部61の基端部に固定された傾動部材62とから構成され、シャフト部61の先端部にはワークを研削するための研削部61Aが設けられている。なお、研削部61Aの代わりにワークを切削するための刃部を備えた構成(所謂、エンドミル)にしてもよい。また、シャフト部61として孔開け用のドリルビットを備えていてもよい。
傾動部材62は、シャフト部61の基端部からその後方延長線上で延びた中空の棹部63を有し、その棹部63の先端面に開放した差込孔63Aにシャフト部61の基端部が挿入固定されている。また、棹部63の軸方向の中間部には、ディスク部64が一体に形成されている。ディスク部64は棹部63の側方に張り出しており、工具本体部60の重心軸60Jと直交した平板状をなしている。
工具ベース部70は中空構造をなしており、その工具ベース部70の内部には、傾動部材62の前端部を除く全体が収容されている。工具ベース部70は、両端開放の筒形構造をなした外側嵌合部71と、その外側嵌合部71を軸方向の両側から挟んだ前蓋部材73(本発明の「第1の位置決め突壁」に相当する)及び後蓋部材75とから構成され、それらが複数のボルト78によって共締めされている。外側嵌合部71の内側は嵌合孔部72となっており、その嵌合孔部72に傾動部材62のディスク部64が嵌合している。
前蓋部材73は円盤形をなし、その中央部には傾動許容孔73Aが貫通形成されている。前蓋部材73は回転工具50の先端側からディスク部64と対向しており、傾動許容孔73Aには傾動部材62(棹部63)の前端部が遊嵌状態で挿通されている。また、傾動許容孔73Aの内側面と棹部63の外側面との間の隙間は、弾性リング51によって塞がれている。弾性リング51は、傾動許容孔73Aの内側での棹部63の傾動を許容すると共に、工具ベース部70の内側への異物(研削屑等)の侵入を防いでいる。
後蓋部材75は、回転工具50の基端側からディスク部64と対向した円盤形の後壁76(本発明の「バネ支持壁」に相当する)と、その後壁76の中央から後方に起立したシャンク部77とを一体に備えている。また、シャンク部77は、嵌合孔部72と連通しかつ後端部が閉塞した筒形構造をなしており、その内側に傾動部材62における棹部63の基端側部分が遊嵌状態で挿入されている。なお、シャンク部77が回転駆動部300に取り付けられる。
ディスク部64と後壁76との間には複数の圧縮コイルバネ52が挟まれている。これら圧縮コイルバネ52は、工具ベース部70の回転軸70Jを中心とした同一円周上に均等配置されている。なお、ディスク部64と後壁76の互いの対向面には、圧縮コイルバネ52の両端部を受容した複数の円形凹部64B,76Aが陥没形成されている(図12(A)参照)。
さて、工具本体部60と工具ベース部70とを連結したジョイント部は、上述した嵌合孔部72及びディスク部64と、ディスク部64を回転軸70J方向で挟んだ前蓋部材73及び後蓋部材75と、後蓋部材75とディスク部64との間に挟まれた圧縮コイルバネ52とを有し、さらに、以下の構成を備えている。
図13に示すように、工具ベース部70に備えた嵌合孔部72の開口形状は、正多角形(具体的には、正八角形)になっており、その多角形の各辺に相当する内側面72Aは、工具ベース部70の回転軸70Jと平行な平坦面になっている。また、正多角形の各角に相当する部分は、回転軸70Jから離れるように円弧状に抉れており、正多角形の各辺に相当する内側面72Aが相対的に内側に突出した突部となっている。
一方、傾動部材62に形成されたディスク部64は、嵌合孔部72と同様の正多角形(具体的には、正八角形)になっており、その多角形の各辺に相当する外側面64Aは、工具本体部60の重心軸60Jと直交する方向から見て外側に向かって膨らむように丸みを帯びた当接曲面になっている。詳細には、ディスク部64における各外側面64Aは、工具本体部60の重心軸60Jと直交しかつ各外側面64Aと平行な各基準軸を中心とした円筒形の曲面をなしている。また、各外側面64Aは、後方に向かうに従って重心軸60Jに近づくように全体的に傾斜している(図12(B)参照)。さらに、対辺位置に配置された外側面64A同士が、同じ円筒面上に位置している。なお、ディスク部64の正多角形における各角に相当する部分は面取りされている。
工具ベース部70の後壁76と傾動部材62のディスク部64との間に挟まれた圧縮コイルバネ52により、工具本体部60は、重力方向に対する工具ベース部70の回転軸70Jの向きに拘わらず、図12(A)に示す原点姿勢に保持される。即ち、工具本体部60の重心軸60Jと工具ベース部70の回転軸70Jとが一致した姿勢に保持される。ここで、前蓋部材73のうちディスク部64との対向面には環状突条73Bが形成されている。環状突条73Bは傾動許容孔73Aと同心の円環状をなしており、ディスク部64との対向面は湾曲面となっている。そして、原点姿勢ではディスク部64と環状突条73Bとが線接触した状態になる。
また、原点姿勢において、ディスク部64の各外側面64Aは、嵌合孔部72の各内側面72Aと線接触する(図13参照)。これにより、工具ベース部70と工具本体部60とが同一回転速度で回転可能になると共に、上記第1実施形態と同じ原理で、工具本体部60は原点姿勢と、原点姿勢以外の非原点姿勢、具体的には図14に示すように、工具ベース部70の回転軸70Jに対して工具本体部60の重心軸60Jが斜めに交差した姿勢を採ることが可能になっている。なお、非原点姿勢になると、ディスク部64と環状突条73Bとが線接触した状態から点接触した状態に変化する。
本実施形態の回転工具50の構成は以上である。回転工具50を使用してワークWの加工(例えばバリ取り)を行う場合、図示しない固定治具にてワークWを固定し、回転状態にした回転工具50をワークWに近づけて、工具本体部60の先端部に設けられた研削部61AをワークWのバリ取り箇所に押し付ける。工具本体部60は、自身の回転によるジャイロ効果と圧縮コイルバネ52とによって原点姿勢に付勢されているから、工具本体部60に備えた研削部61Aによってバリ取り箇所が研削されてバリが除去される。
ここで、工具本体部60と工具ベース部70は上述したジョイント部によって連結されているから、工具本体部60を原点姿勢に付勢する力(圧縮コイルバネ52及びジャイロ効果)を超える加工反力を受けると、工具本体部60は、原点姿勢(図12(A)参照)から非原点姿勢(図14参照)に変更され、その非原点姿勢を維持した状態で重心軸60Jを中心にして回転してワークWを研削する。
また、工具本体部60は圧縮コイルバネ52によって原点姿勢に付勢されているから、非原点姿勢を維持して重心軸60Jを中心に回転する工具本体部60の研削部61Aが、ワークWのバリ取り箇所に押し付けられる。つまり、本実施形態によれば、回転工具50の位置の微調整を行わなくても、ワークWの形状や固定位置のばらつき等に応じて工具本体部60が任意の姿勢に変更され、それらばらつきを吸収した状態でバリ取り箇所の研削を確実に行うことができる。これにより、加工効率を低下させることなく工具本体部60や工具ベース部70との連結部分に掛かる負荷を抑えることが可能になる。
なお、図14に示すように工具本体部60が非原点姿勢になり、回転軸70Jと不一致な重心軸60Jを中心にして回転したときも、非原点姿勢を維持しようとするジャイロ効果が発生するが、圧縮コイルバネ52の付勢力がそのジャイロ効果より大きいので、回転工具50がワークWから離れると工具本体部60は原点姿勢に戻される。
[第3実施形態]
図15〜図17には、本発明の第3実施形態に係る回転工具80が示されている。本実施形態の回転工具80は、上記第2実施形態と同様に、工具ベース部81と工具本体部90とを有し、それらが本発明に係る「ジョイント部」によって連結されている。また、工具本体部90は、上記第2実施形態と同一構造をなしたシャフト部61と、第2実施形態とは異なる構造の傾動部材91とから構成されている。以下、第2実施形態と相違する構成について説明することとし、第2実施形態と同じ構成については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
工具本体部90の傾動部材91は、シャフト部61の基端部から後方に延びた筒形構造をなしており、その傾動部材91の先端面に開放した差込孔91Aにシャフト部61の基端部が挿入固定されている。また、傾動部材91の軸方向の中間部には、その外周面から鍔状に突出したディスク部92が形成されている。傾動部材91のうちディスク部92より後方の後半部93はテーパ状に先細りになっており、その後半部93の外側に嵌合した平ワッシャ95がディスク部92の後面に宛がわれている。
工具ベース部81は、工具本体部90の基端部から後方に延びた先端開放の筒形構造をなし、その工具ベース部81の内側に傾動部材91が受容されている。工具ベース部81は、その先端寄り位置に配置されたリング形の外側嵌合部82を、軸方向の両側から抜止リング84と筒形本体85とで挟んで、それら外側嵌合部82、抜止リング84及び筒形本体85を、複数のボルト78で共締めした構成をなしている。外側嵌合部82及び抜止リング84の内側は、それぞれ嵌合孔部83及び傾動許容孔84Aとなっており、傾動許容孔84Aは嵌合孔部83よりも小径になっている。
嵌合孔部83には傾動部材91のディスク部92が嵌合している。また、傾動許容孔84Aには傾動部材91の前端部が遊嵌状態で挿通されており、それら傾動部材91の外周面と傾動許容孔84Aの内周面との間の隙間が弾性リング86によって塞がれている。弾性リング86は、傾動許容孔84Aの内側での傾動部材91の傾動を許容すると共に、工具ベース部81の内側への異物(研削屑等)の侵入を防いでいる。
工具ベース部81(筒形本体85)の内側には、バネ受け部材87(本発明の「バネ支持壁」に相当する)と圧縮コイルバネ88とが収容されている。圧縮コイルバネ88は、傾動部材91の後半部93の外側に遊嵌している。バネ受け部材87は、圧縮コイルバネ88の後方に配置されて、工具ベース部81の回転軸81J方向に直動可能となっている。
バネ受け部材87は、傾動部材91の基端部を遊嵌状態で受容した有底筒形構造をなしており、その筒壁87Aとディスク部92の後面に宛がわれた平ワッシャ95との間で圧縮コイルバネ88が突っ張り状態になっている。また、工具ベース部81(筒形本体81)の後端壁を貫通したセット螺子89が、バネ受け部材87の底壁87Bに突き当てられており、セット螺子89の螺合操作によってバネ受け部材87を直動させて、圧縮コイルバネ88のプリロードを任意に調整することが可能となっている。
さて、工具本体部60と工具ベース部81とを連結したジョイント部は、嵌合孔部83及びディスク部92と、ディスク部92を回転軸81J方向で挟んだ抜止リング84及びバネ受け部材87と、バネ受け部材87とディスク部92との間に挟まれた圧縮コイルバネ88とを有し、さらに、以下の構成を備えている。
図16に示すように、工具ベース部81に形成された嵌合孔部83の開口形状は、正多角形(具体的には、正六角形)になっており、その多角形の各辺に相当する嵌合孔部83の内側面83Aは、工具ベース部81の回転軸81Jと平行な平坦面になっている。また、正多角形の各角に相当する部分は回転軸81Jから離れるように円弧状に抉れており、正多角形の各辺に相当する内側面83Aが相対的に内側に突出した突部となっている。
一方、傾動部材91に形成されたディスク部92は、嵌合孔部83と同様、正多角形(具体的には、正六角形)になっており、その多角形の各辺に相当する外側面92Aは、工具本体部90の重心軸90Jと直交する方向から見て外側に向かって膨らむように丸みを帯びた当接曲面になっている。詳細には、図15(B)に示すように、ディスク部92における各外側面92Aは、工具本体部90の重心軸90Jと直交しかつ各外側面92Aと平行な各基準軸を中心とした円筒形の曲面をなしており、後方に向かうに従って重心軸90Jに近づくように全体的に傾斜している。また、対辺位置に配置された外側面92A同士が、同じ円筒面上に位置している。なお、ディスク部92の正多角形の各角に相当する部分は面取りされている。
圧縮コイルバネ88により、工具本体部90は重力方向に対する工具ベース部81の回転軸81Jの向きに拘わらず、図15(A)に示す原点姿勢に保持される。即ち、工具本体部90の重心軸90Jと工具ベース部81の回転軸81Jとが一致した姿勢に保持される。ここで、抜止リング84における傾動許容孔84Aの開口縁には、ディスク部92側に突出した環状突条84B(図15(B)参照)が形成されている。環状突条84Bにおけるディスク部92との対向面は湾曲面になっており、原点姿勢ではディスク部92と環状突条84Bとが線接触した状態になる。
また、原点姿勢において、ディスク部92の各外側面92Aは、嵌合孔部83の各内側面83Aと線接触する(図16参照)。これにより、工具ベース部81と工具本体部90とが同一回転速度で回転可能になると共に、上記第2実施形態と同じ原理で、工具本体部90は原点姿勢とそれ以外の非原点姿勢、具体的には図17に示すように、工具ベース部81の回転軸81Jに対して工具本体部90の重心軸90Jが斜めに交差した姿勢を採ることが可能になっている。なお、非原点姿勢になると、ディスク部92と環状突条84Bとが線接触した状態から点接触した状態に変化する。本実施形態によっても、上記第2実施形態と同等の作用効果を奏する。
[第4実施形態]
図18及び図19には、本発明の第4実施形態に係る回転工具100が示されている。この回転工具100は、回転ベース部70と工具本体部90とが動力中継軸部110を介して連結されており、その動力中継軸部110の基端部と工具ベース部70とが第1ジョイント部によって連結され、動力中継軸部110の先端部と工具本体部90とが第2ジョイント部によって連結されている。第1ジョイント部は、上記第2実施形態の回転工具50に備えられたものと同一構造であり、第2ジョイント部は、上記第3実施形態の回転工具80に備えられたものとほぼ同じ構造になっている。以下、第2実施形態及び第3実施形態と同じ構成については、同一符号を付して、重複する説明は省略する。
動力中継軸部110は、ディスク部64の前面中央からその重心軸110J方向に突出した胴体部111を備えている。胴体部111は前端開放の筒形をなしており、その胴体部111の内側に傾動部材91を受容している。胴体部111の内側には、その先端側から順に、傾動許容孔84A、嵌合孔部83、中径孔部115A、小径孔部115Bが形成されている。
胴体部111は、その先端寄り位置に配置された外側嵌合部82を、筒部115と抜止リング84とで軸方向から挟んで、それらを複数のボルト78で共締めした構成をなしている。筒部115の内側には、前記した中径孔部115A及び小径孔部115Bが形成されている。
傾動部材91の後半部93の外側に遊嵌した圧縮コイルバネ88は、筒部115の中径孔部115Aに収容されており、その中径孔部115Aと小径孔部115Bとの間に形成された段差部115Cと、ディスク部92の後面に宛がわれた平ワッシャ95との間で突っ張り状態になっている。
第1ジョイント部に備えた圧縮コイルバネ52と、第2ジョイント部に備えた圧縮コイルバネ88とにより、工具本体部90は、重力方向に対する工具ベース部70の回転軸70Jの向きに拘わらず、図18に示す原点姿勢に保持される。即ち、工具本体部90の重心軸90Jと、動力中継軸部110の重心軸110Jと、工具ベース部70の回転軸70Jとが一致した姿勢に保持される。
本実施形態によれば、上記実施形態と同様、ワークの形状や固定位置のばらつき等に応じて工具本体部90が任意の姿勢に変更され、それらばらつきを吸収した状態でワークの加工(研削)を確実に行うことができる。また、工具ベース部70と動力中継軸部110の基端部とが第1ジョイント部によって連結されると共に、動力中継軸部110の先端部と工具本体部90とが第2ジョイント部によって連結されているから、工具本体部90を2つの異なる傾動中心点でそれぞれ任意の方向に傾動させることができるし、工具ベース部70の回転軸70Jの側方に平行移動させることもできるし、工具ベース部70の回転軸70Jの側方に移動させながら任意の方向に傾動させることもできる。つまり、ワーク形状や固定位置等のばらつきに対して工具本体部90の位置及び姿勢をより柔軟に変化させることができ、工具本体部90や工具ベース部70との連結部分に掛かる負荷をより確実に抑えることができる。
なお、本実施形態における第1ジョイント部のうち、嵌合孔部72は本発明の「第1嵌合孔部」に相当し、ディスク部64は本発明の「第1嵌合雄部」及び「第2の位置決め突壁」に相当する。また、嵌合孔部72の各内側面72Aは本発明の「第1突部」及び「第1当接曲面」に相当し、ディスク部64の外側面64Aは本発明の「第1被当接部」に相当する。また、前蓋部材73は本発明の「第1の位置決め突壁」に相当し、後蓋部材75の後壁76は本発明の「第1バネ支持壁」に相当する。そして、圧縮コイルバネ52は本発明の「第1圧縮コイルバネ」に相当する。
また、本実施形態における第2ジョイント部のうち、嵌合孔部83は本発明の「第2嵌合孔部」に相当し、ディスク部92は本発明の「第2嵌合雄部」及び「第4の位置決め突壁」に相当する。また、嵌合孔部83の各内側面83Aは本発明の「第2突部」及び「第2当接曲面」に相当し、ディスク部92の外側面92Aは本発明の「第2被当接部」に相当する。また、抜止リング84は本発明の「第3の位置決め突壁」に相当し、中径孔部115Aと小径孔部115Bとの間の段差部115Cは本発明の「第2バネ支持壁」に相当する。そして、圧縮コイルバネ88は本発明の「第2圧縮コイルバネ」に相当する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記第1実施形態では、回転ロッド30に2つの工具本体部20が取り付けられていたが、3つ以上の複数の工具本体部20を備えた構成にしてもよい。また、図20〜図22に示す回転工具130のように、工具本体部20を1つだけ備えた構成にしてもよい。
(2)この場合の工具本体部20は、重心軸20J方向の両側面の外縁部に研削部21を備えた構成にしてもよいし(図20参照)、円盤部22の外縁部から重心軸20J方向に延びた拡張円筒部25を備えて、その拡張円筒部25の外周面(又は内周面)に研削部21を備えた構成にしてもよいし(図21参照)、拡張円筒部25の先端面に研削部21を備えた構成にしてもよい(図22参照)。
なお、図20〜図22における符号15は、弾性リングであって、位置決め突壁31の外周面から張り出したフランジ壁31Aと工具本体部20の円盤部22の側面との間に挟まれている。この弾性リング15とカバー13とによって、工具本体部20と回転ロッド30とを連結したジョイント部への異物(研削屑等)の噛み込みを防止することができる。
(2)上記第2〜第4実施形態では、ディスク部64に後方に配置された後壁76とディスク部64との間に圧縮コイルバネ52を突っ張り状態にして挟んでいたが、ディスク部64の前方に配置された前蓋部材73とディスク部64との間に圧縮コイルバネ52を挟んだ構成にしてもよい。この場合、前蓋部材73は本発明の「バネ支持壁」に相当し、後壁76は本発明の「第1の位置決め突壁」に相当する
(3)上記実施形態では、嵌合雄部32及びディスク部64,92における正多角形の各外側面が、その外側面と平行な各基準軸を中心とした円筒形の曲面で構成され、嵌合孔部23,72,83における正多角形の各内側面と線接触するように構成されていたが、嵌合雄部32及びディスク部64,92の各外側面から球面を有した突部を突出させて、それら突部と嵌合孔部23,72,83の各内側面とが点接触するように構成してもよい。
(4)工具本体部と工具ベース部との間を連結したジョイント部は、上記第1〜第4実施形態のような構成に限定するものではなく、例えば、カルダンジョイントやツェッパジョイントでもよい。
(5)上記実施形態では、工具本体部20,60,90を、重力方向に対する回転ロッド30及び工具ベース部70,81の回転軸30J,70J,81Jの向きに拘わらず原点姿勢に付勢する原点姿勢保持手段としての圧縮コイルバネ12,52,88を備えていたが、回転ロッド30及び工具ベース部70,81の回転軸30J,70J,81Jを鉛直方向に向けて使用する場合、工具本体部20,60,90を重力によって原点姿勢に付勢することができるから、圧縮コイルバネを省いてもよい。
10,50,80,100,130 回転工具
12,52,88 圧縮コイルバネ(原点姿勢保持手段)
20,60,90 工具本体部
21,61A 研削部
22 円盤部
23,72,83 嵌合孔部
25 拡張円筒部
30 回転ロッド(工具ベース部)
31 位置決め突壁(第1の位置決め突壁)
32 嵌合雄部
40 バネ支持盤(バネ支持壁)
61 シャフト部
64 ディスク部(第1嵌合雄部、第2の位置決め突壁)
70,81 工具ベース部
73 前蓋部材(第1の位置決め突壁)
76 後壁(バネ支持壁)
84 抜止リング(第3の位置決め突壁)
87 バネ受け部材
92 ディスク部(第2嵌合雄部、第4の位置決め突壁)
110 動力中継軸部
30J,70J,81J 回転軸
20J,60J,90J 重心軸

Claims (11)

  1. 回転駆動部に取り付けられて回転駆動される工具ベース部と、
    ワークに押し付けられてそのワークを加工する工具本体部と、
    前記工具本体部が前記工具ベース部と同一回転速度で回転するように前記工具ベース部と前記工具本体部との間を連結しかつ、前記工具本体部の重心軸が前記工具ベース部の回転軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることを許容しかつ、前記工具ベース部と前記工具本体部との分離を禁止するジョイント部と
    前記工具ベース部と前記工具本体部との間に設けられ、前記工具本体部を前記原点姿勢に付勢する原点姿勢保持手段と、を備え、
    前記ジョイント部には、
    前記工具本体部及び前記工具ベース部の一方と他方とに設けられて互いに嵌合する嵌合孔部及び嵌合雄部と、
    前記嵌合雄部と前記嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の突部と、
    他方の嵌合面に形成されて前記複数の突部が当接する被当接部と、
    前記突部又は前記被当接部の一方に形成されて、前記突部と前記被当接部とを線接触又は点接触させる当接曲面と、
    前記工具本体部及び前記工具ベース部の一方と他方とに設けられて、前記工具ベース部の回転軸方向で互いに当接して、前記工具本体部を前記原点姿勢になるように位置決めする第1及び第2の位置決め突壁と、
    前記工具本体部及び前記工具ベース部のうち前記第1の位置決め突壁を有する側に設けられて、前記第1の位置決め突壁と反対側から前記第2の位置決め突壁に対向するバネ支持壁と、
    前記バネ支持壁と前記第2の位置決め突壁との間に突っ張り状態に設けられた前記原点姿勢保持手段としての圧縮コイルバネと、が備えられたことを特徴とする回転工具。
  2. 重力方向に対する前記工具ベース部の回転軸の向きに拘わらず前記工具本体部を前記原点姿勢に保持可能な前記原点姿勢保持手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転工具。
  3. 前記工具本体部は、前記第2の位置決め突壁としての円盤部の外縁部にワークを研削するための研削部を有した構造をなす共に前記円盤部の中心に前記嵌合孔部を備え、
    前記工具ベース部は、前記嵌合雄部を有すると共に、前記嵌合雄部を挟んで対向する前記第1の位置決め突壁と前記バネ支持壁とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転工具。
  4. 前記工具ベース部は、1対の前記工具本体部の前記嵌合孔部に嵌合した1対の前記嵌合雄部を同軸上に並べて備え、それら1対の工具本体部の間に共通した前記第1の位置決め突壁と、その第1の位置決め突壁と反対側から各前記工具本体部にそれぞれ対向する1対の前記バネ支持壁と、各前記工具本体部を前記第1の位置決め突壁に押し付ける1対の前記圧縮コイルバネとを有することを特徴とする請求項3に記載の回転工具。
  5. 前記工具本体部は、前記第2の位置決め突壁としての円盤部の外縁部から重心軸方向に延びた拡張円筒部を有して、その円筒部の外周面又は内周面又は先端面にワークを研削するための研削部を有した構造をなすと共に、前記円盤部の中心に前記嵌合孔部を備え、
    前記工具ベース部は、前記嵌合雄部を有すると共に、前記嵌合雄部を挟んで対向する前記第1の位置決め突壁と前記バネ支持壁とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転工具。
  6. 前記工具本体部は、前記第2の位置決め突壁及び前記嵌合雄部としてのディスク部の中心から重心軸方向に延びたシャフト部を有して、そのシャフト部の先端部にワークを加工するための研削部又は刃部を有した構造をなし、
    前記工具ベース部は、前記嵌合孔部を有すると共に、前記ディスク部を挟んで対向する前記第1の位置決め突壁と前記バネ支持壁とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転工具。
  7. 回転駆動部に取り付けられて回転駆動される工具ベース部と、
    ワークに押し付けられてそのワークを加工する工具本体部と、
    前記工具ベース部から前記工具本体部へと回転動力を伝達する動力中継軸部と、
    前記動力中継軸部が前記工具ベース部と同一回転速度で回転するように前記工具ベース部と前記動力中継軸部の一端との間を連結しかつ、前記動力中継軸部の重心軸が前記工具ベース部の回転軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることを許容しかつ、前記工具ベース部と前記工具本体部との分離を禁止する第1ジョイント部と、
    前記工具本体部が前記動力中継軸部と同一回転速度で回転するように前記動力中継軸部の他端部と前記工具本体部との間を連結しかつ、前記工具本体部の重心軸が前記動力中継軸部の重心軸と一致した原点姿勢を含む任意の姿勢に変更されることを許容しかつ、前記動力中継軸部と前記工具本体部との分離を禁止する第2ジョイント部とを備えたことを特徴とする回転工具。
  8. 前記工具ベース部と前記動力中継軸部との間に設けられ、前記動力中継軸部を前記原点姿勢に付勢する第1原点姿勢保持手段と、
    前記動力中継軸部と前記工具本体部との間に設けられ、前記工具本体部を前記原点姿勢に付勢する第2原点姿勢保持手段と、を備えたことを特徴とする請求項7に記載の回転工具。
  9. 重力方向に対する前記工具ベース部の回転軸の向きに拘わらず前記工具本体部及び前記工具本体部を前記原点姿勢に保持可能な前記第1及び第2の原点姿勢保持手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の回転工具。
  10. 前記第1ジョイント部には、
    前記工具ベース部と前記動力中継軸部の一方と他方に設けられて互いに嵌合する第1嵌合孔部及び第1嵌合雄部と、
    前記第1嵌合雄部と前記第1嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の第1突部と、
    他方の嵌合面に形成されて前記複数の第1突部が当接する第1被当接部と、
    前記第1突部又は前記第1被当接部の一方に形成されて、前記第1突部と前記第1被当接部とを線接触又は点接触させる第1当接曲面と、
    前記工具ベース部と前記動力中継軸部との一方と他方とに設けられて、前記工具ベース部の回転軸方向で互いに当接して、前記動力中継軸部を前記原点姿勢になるように位置決めする第1及び第2の位置決め突壁と、
    前記工具ベース部及び前記動力中継軸部のうち前記第1の位置決め突壁を有する側に設けられて、前記第1の位置決め突壁と反対側から前記第2の位置決め突壁に対向する第1バネ支持壁と、
    前記第1バネ支持壁と前記第2の位置決め突壁に間に突っ張り状態に設けられた前記第1原点姿勢保持手段としての第1圧縮コイルバネとが備えられ、
    前記第2ジョイント部には、
    前記動力中継軸部と前記工具本体部との一方と他方に設けられて互いに嵌合する第2嵌合孔部及び第2嵌合雄部と、
    前記第2嵌合雄部と前記第2嵌合孔部との何れか一方の嵌合面に形成されてその周方向に沿って均等配置された複数の第2突部と、
    他方の嵌合面に形成されて前記複数の第2突部が当接する第2被当接部と、
    前記第2突部又は前記第2被当接部の一方に形成されて、前記第2突部と前記第2被当接部とを線接触又は点接触させる第2当接曲面と、
    前記動力中継軸部及び前記工具本体部との一方と他方とに設けられて、前記動力中継軸部の回転軸方向で互いに当接して、前記動力中継軸部を前記原点姿勢になるように位置決めする第3及び第4の位置決め突壁と、
    前記動力中継軸部及び前記工具本体部のうち前記第3の位置決め突壁を有する側に設けられて、前記第3の位置決め突壁と反対側から前記第4の位置決め突壁に対向する第2バネ支持壁と、
    前記第2バネ支持壁と前記第4の位置決め突壁に間に突っ張り状態に設けられた前記第2原点姿勢保持手段としての第2圧縮コイルバネとが備えられたことを特徴とする請求項7乃至9の何れか1の請求項に記載の回転工具。
  11. 前記工具本体部は、前記第4の位置決め突壁及び前記第2嵌合雄部としてのディスク部の中心から重心軸方向に延びたシャフト部を有して、そのシャフト部の先端部にワークを加工するための研削部又は刃部を有した構造をなし、
    前記動力中継軸部は、前記第2嵌合孔部を有すると共に、前記ディスク部を挟んで対向する前記第3の位置決め突壁と前記第2バネ支持壁とを備えたことを特徴とする請求項10に記載の回転工具。
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