JP6315063B2 - 水和固化体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粉粒状の製鋼スラグとSiO含有物質とを水で混練することによって製造される水和固化体の製造方法に関するものである。
製鋼工程で発生するスラグ(以下、製鋼スラグと略記)は、塩基度が高く、遊離CaOを多量に含有している。このため、製鋼スラグは、水和反応によって膨張しやいために、高炉スラグのように土木・建設資材としての用途には向かず、その処理に難儀している。そこで、近年、このような状況を打破するため、製鋼スラグを積極的に活用する技術が提案されている。具体的には、特許文献1には、製鋼スラグを含有する骨材と、潜在水硬性を有するシリカ含有物質及びポゾラン反応性を有するシリカ含有物質のうち、1種又は2種を50%以上含有して水和反応によって固化する結合材と、を混合することによって製造される水和固化体が記載されている。また、特許文献2には、結合材、細骨材、及び粗骨材の全てを粉砕及び破砕した鉄鋼スラグとすると共に、結合材として高炉スラグと製鋼スラグとを混合した鉄鋼スラグを用いて製造されるスラグブロックが記載されている。
特開平10−152364号公報 特開平2−233539号公報 特許第3654122号公報 特許第4438307号公報
しかしながら、本発明の発明者らが、特許文献1,2記載の製造方法を用いて製鋼スラグを原料とする水和固化体を試作したところ、下記のような問題点が明らかとなった。
すなわち、特許文献1記載の製造方法によれば、製鋼スラグとして転炉スラグを用いた場合、20℃の水中で養生した際に水和固化体が崩壊し、満足できるものにならないことがあった。そこで、この原因を詳細に調査した結果、製鋼過程で添加されるCaO分やMgO分が、スラグに溶けきらずに残留していたり、冷却時に析出したりしてスラグ中にCaOやMgOの形態で存在し、このCaO分やMgO分が水中養生で水和膨張することによって、水和固化体が崩壊することがわかった。一方、特許文献2記載の製造方法のように、結合材まで含めて製鋼スラグを主体的に利用した場合には、水和固化体の圧縮強度が十分でないケースがほとんどであり、また、安定した強度発現が困難であり、セメント・コンクリートの代替としての使用に耐えるものではなかった。
なお、このような問題点を解決するために、製鋼スラグの種類を限定すると共に、結合材として高炉スラグ微粉末を主体とする材料を使用する水和固化体の製造方法が提案、実用化されている。この製造方法では、製鋼スラグとして溶銑予備処理スラグを用いると共に、粒径が1.18mm以下の粒子の比率を、水を除く全配合量の15乃至55質量%の範囲内とすることが特許文献3に記載されている。また、特許文献4には、製鋼スラグの粉化率を限定することによって安定した水和固化体を製造する技術が記載されている。
そこで、本発明の発明者らは、これらの知見をもとに水和固化体を製造した結果、強度や体積安定性について良好な特性が得られることを確認できた。ところが、このようにして得られた水和固化体を様々な環境に曝露して追跡調査を行った結果、海中や河川中に浸漬して用いた場合には特に問題がないが、海岸の干満帯や、陸上で降雨や日照に曝された場合には、数年経過した後に大規模なクラックや破損が発生するケースが稀にみられることがわかった。これについては、残留部からコア等を抜いて静的な圧縮強度を評価した範囲では、大きな強度低下は認められず、クラック等が発生する原因は明確になっていなかった。
製鋼スラグに代表される産業副産物をより有効的に利用していくためには、水和固化体は、海中や水中での利用に限らず、沿岸域の波消しブロックや陸域の土間コンクリート代替等の様々な用途への利用が不可欠である。その場合、水和固化体は気温や日照等の様々な自然環境の中で長期にわたって使用されていくことになるために、長期的な耐久性も必要な特性となる。従来は、製鋼スラグの膨張安定性に起因する耐久性について多くの検討がなされてきた。しかしながら、過去の知見をもとに体積が安定した製鋼スラグを使用した場合であっても、小さなサイズでは問題はないものの、大型製品をある条件で曝露した場合には耐久性が劣る可能性があることがわかり、その対策が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、繰り返し応力がかかる環境でも高い疲労耐久性を有する水和固化体を得ることが可能な水和固化体の製造方法を提供することにある。
粉粒状の製鋼スラグで粉化率が低いものは、コンクリートにおける骨材と類似した機能を有し、且つ、一部結合材の反応に寄与するといわれている。鉄鋼スラグの粒度としては、25mm以下という以外は特段の規定はない(「鉄鋼スラグ水和固化体技術マニュアル」((財)沿岸技術研究センター)参照)。また、上述したように、特許文献3には、1.18mm以下の粒子の比率を、水を除く全配合量の15乃至55質量%の範囲内とすることが記載されている。
しかしながら、本発明の発明者らがこの条件を満たす製鋼スラグを様々な配合条件で混練し、水和固化体を曝露評価した結果、捨石や小規模なブロック等にしたものについては問題はないものの、1つの塊として重量が2.5tを超えるような大きなブロックであったり、熱環境や乾湿がサイクリックに変化するような環境に置かれたものであったりした場合、クラックが発生するケースがあることがわかった。
そして、本発明の発明者らは、その原因を鋭意検討した結果、製鋼スラグの粒度の影響が極めて大きいことを見出し、特に1.18mm以下といった細かい粒度の粒子の割合を決めるのみでなく、粒度が大きな粒子が適当な割合で存在していることが重要であることを見出し、本発明を想到するに至った。
本発明に係る水和固化体の製造方法は、粉粒状の製鋼スラグとSiO含有物質とを水で混練することによって製造される水和固化体の製造方法であって、前記製鋼スラグとして、80℃の温水に10日間浸漬した後の粉化率が2.5質量%以下であり、且つ、粗粒率が4.5以上の製鋼スラグを使用し、前記SiO含有物質として、高炉スラグ微粉末又は高炉スラグ微粉末及びフライアッシュを使用することを特徴とする。
本発明に係る水和固化体の製造方法は、上記発明において、前記製鋼スラグとして、粒径が0.5mm以下の範囲内にある粒子の比率が10質量%以上である製鋼スラグを使用することを特徴とする。
本発明に係る水和固化体の製造方法は、上記発明において、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、及び塩化物の中から選ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対し0.2乃至20質量%の範囲内添加することを特徴とする。
本発明に係る水和固化体の製造方法は、上記発明において、普通ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、及び複合セメントから選ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して200質量%を上限として添加することを特徴とする。
本発明に係る水和固化体の製造方法は、上記発明において、ナフタレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、及びアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、及び塩化物の合計含有量に対して0.1乃至2.0m質量%の範囲内添加することを特徴とする。
本発明に係る水和固化体は、本発明に係る水和固化体の製造方法を利用して製造されたことを特徴とする。
本発明に係る水和固化体は、上記発明において、固化後の100万回疲労強度が静的破壊強度の50%を超えることを特徴とする。
本発明に係る水和固化体は、上記発明において、海域沿岸の干満帯、飛まつ帯、又は陸域で利用されることを特徴とする。
本発明に係る水和固化体は、上記発明において、重量1トン以上の部材に利用されることを特徴とする。
本発明によれば、繰り返し応力がかかる環境でも高い疲労耐久性を有する水和固化体を提供することができる。
図1は、製鋼スラグのFM値と水和固化体の破壊までの繰り返し負荷回数との関係の一例を示す図である。 図2は、細粒側10%のスラグ径と混練物のスランプとの関係の一例を示す図である。
製鋼スラグを用いて製造される水和固化体は、製鋼スラグとして膨張安定性が高いものを骨材相当材として使用し、さらに結合材と水とを加えて混練することによって製造される。本発明では、高い疲労耐久性を得るために、製鋼スラグとして、上記を含めて以下の条件(1),(2)を満足するものを用いる。また、本発明では、結合材として、高炉スラグ微粉末又は高炉スラグ微粉末及びフライアッシュ等のSiO含有物質を用いる。
(1)CaOやMgOといった膨張性を有する鉱物の含有率が低く、粉化率が低いもの
(2)粗粒率(FM値)が4.5以上のもの
製鋼スラグとしては、溶銑予備処理スラグ(脱燐スラグや脱珪スラグ等)、転炉脱炭スラグ、電気炉スラグ等を例示することができ、これらのうち1種以上を用いることができる。製鋼スラグは、最大粒径が25mm以下の粒度のものであることが好ましい。
製鋼スラグには、精錬のプロセスにおいてCaOやMgOが混入する。CaOやMgOの多くの部分はSiOやFeO等の他の元素と複合酸化物をつくるが、一部は遊離CaOや遊離MgOの状態で存在する。遊離CaOや遊離MgOがそのまま多量に残っていると、水分と反応してCa(OH)やMg(OH)となり、膨張する。これらの鉱物相は、製鋼スラグの組成や冷却を制御することによって低く抑えることができる。
製鋼スラグを屋外のヤードで長期間ウェザーリングしたり、蒸気エージングして水和反応を促進したりすることによって、水和固化体の製造に使用する前に遊離CaOや遊離MgOをCa(OH)やMg(OH)に変化させておくことにより、骨材相当材として使用する際には問題なくなる。これについては、使用する製鋼スラグが、80℃で10日間温水養生したときに粉状になる比率が2.5質量%以下であれば、水和固化体の強度には影響を及ぼさず、応力等の環境による変化が少ない小型製品用途に使用した場合には、製品の破損等には影響を与えない。
従来の知見に基づいて製鋼スラグについて粒径1.18mm以下の粒子の比率のみを規定して大きなブロックを製造して陸上や干満帯に曝露したところ、場合によっては長期間曝露すると大規模な破損がおこることが観察された。大きな形状のものを利用する用途は、大きいことが必要となるものであり、言い換えれば、使用中の破損により単体重量が軽量になることは望ましくない。従って、石代替品のような用途に比べると高い疲労耐久性が求められる。
このような大きな形状で破壊がおこったものの原料配合や材料特性等を元に、破壊が起こらない条件について鋭意調査した結果、使用する製鋼スラグの細かい粒度の割合だけではなく、全体の粒度のバランスによって疲労耐久性が大きく変化することがわかった。製鋼スラグは天然の石材とは異なり、副産物として溶融物を凝固させて破砕したものを利用しているため、粒度はその後の用途によって様々であり、これを最適な条件に破砕して適用することが重要であることがわかった。
そこで、各条件の静的破壊強度を100%とした時の50%相当強度の繰り返し負荷をかけた時に、負荷を何回かけた時に破壊が起こるかを調査した。その結果、骨材の特性を粒度の指標であるFM(Fineness Modulus)値で評価すると、その関係が明確になることがわかった。すなわち、ふるい目開きが37.5、19.0、9.50、4.75、2.36,1.18、0.60、0.30、0.15mmの各ふるいでふるって粒度分布を測定し、そのふるいに留まる質量百分率を総和して100で割ったものをFM値として破壊回数を調べると、図1に示すように、FM値が小さくなると急激に破壊がおこりやすくなり、FM値が4.5以上では、100万回を越える疲労耐久性が、さらにFM値が4.8以上では200万回以上の疲労耐久性が確保できることを見出した。すなわち、製鋼スラグのFM値を4.5以上、より望ましくは4.8以上とすれば、高い疲労耐久性をもつ水和固化体を得ることができることを見出した。
なお、本明細書において、大型の部材とは、単体で重量が1トンを超える大きさの部材のことを意味する。重量が1トンより軽い部材については、FM値が4.5を下回っても安定した性能を大よそ得ることができる。但し、構造的に一部に負荷がかかるような場合や乾湿の変動が大きいような場合には、重量が1トンより軽い部材についてもFM値が4.5以上のものを用いることが望ましい。
一方、FM値を大きくするとしても、流動性の観点から、施工方法等に応じてその範囲には自ずと制約があり、FM値は6.4以下、より望ましくは6.0以下とすることが好適である。例えば5mm程度の製鋼スラグばかりを用いた場合には、混練物の流動性が低下して施工性が悪くなる。このため、本発明の発明者らは、施工性を維持するのに必要な条件をさらに検討した。その結果、製鋼スラグの細かい部分の割合が混練・施工に強く影響を与えていることを見出した。
そこで、製鋼スラグのうちの細粒側10質量%のスラグの径(D10)に着目して、同じ配合(水198kg/m、結合材527kg/m、残部を製鋼スラグ)で混練物のスランプを調査したところ、図2に示すように、D10が0.5mmを下回っていた場合、換言すれば、0.5mm以下の粒子の比率が10質量%を越えていた場合、良好な施工性が維持された。これに対して、D10が0.5mmを越えた場合には、スランプコーンを抜いた時点で試験体の上部が沈下することなく側方に崩壊してしまったために、スランプの評価としては0cmとした。
粒度全体でFM値を高く、すなわち粗い粒子を増やして疲労耐久性を確保する本発明では、さらに0.5mm以下の粒子の比率を10%以上有するような適性な粒度分布を持つ製鋼スラグを用いることで、高い疲労耐久性と良好な混練・施工性を確保することが可能となる。
上記スラグを用いることで、製鋼スラグを骨材として用い、高い疲労耐久性を持つ固化体を得ることができる。疲労耐久性が高いことから、小型用途のみならず、重量が1トンを越えるような大きな部材へも使用することができる。特に乾湿が繰り返される海岸の干満帯や飛沫帯、降雨と日照とが繰り返される陸上等で、自然石の代替としての被覆石等への利用や、波消ブロックに代表されるコンクリートブロックと同様に使用することが可能である。
本発明は、上記のような製鋼スラグを使用することによって、長期的な疲労耐久性を確保するものであるが、さらに加えて、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、及び塩化物の中から選ばれた1種又は2種以上を0.2質量%以上添加してもよい。これにより、水和固化体の初期強度を安定的に発現させることができること、固化を促進して養生に要する時間を短縮できること等、施工管理上の品質改善を図ることができる。添加量の上限は特に限定するものではないが、20質量%を超えて添加してもその効果が飽和するので、添加量の上限は20質量%とする。
高炉スラグ微粉末の生産場所と固化体の製造場所とが離れている等、多量の高炉スラグ微粉末の入手が経済的に優位でない場合、又はアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、及び塩化物が入手しづらい場合、普通ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、及び複合セメントをSiO含有物質の補助材料として利用することもできる。この場合、微粉部分の粒度構成が変化し、比重が重い製鋼スラグが分離しやすくなるため、これらの含有量は高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対し200質量%を上限とする。
ナフタレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を添加すると、原料を水と共に混練する際の混錬性が向上する。そのため、混練に必要な水の量を低減することができ、その結果、より高強度の水和固化体が得られる。添加量を高炉スラグ微粉末、フライアッシュ及びアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、及び塩化物の合計含有量に対して0.1質量%未満では効果に乏しく、2.0質量%を超えて添加しても効果が飽和するので、添加量は0.1乃至2.0質量%の範囲内に限定する。
〔実施例〕
本実施例では、粒度を調整した粉粒状製鋼スラグを用いて水和固化体を作製した。粉粒状製鋼スラグとしては、高炉から出銑された高炉溶銑を脱燐処理した際に発生した溶銑予備処理スラグを用いた。また、結合材としては、高炉水砕スラグ微粉末及びフライアッシュを用い、アルカリ刺激材として普通ポルトランドセメントを用いた。試験に用いた製鋼スラグの粒度、FM値、及びD10は、本発明範囲及び比較の条件として選定した。その際の粒度、FM値、及びD10を表1に示す。
粉粒状製鋼スラグ、結合材、アルカリ刺激材、及び水を表2に示す配合でミキサーを用いて混練した。ワーカビリティーを評価するため、混練物のスランプを日本工業規格JIS A 1101のスランプ試験方法によって測定した後、10cm×10cm×40cmの型枠に成形した。成形物を2日後に脱枠し、20℃水中で28日養生した後、曲げ疲労試験を行った。曲げ疲労試験は、日本工業規格JIS A 1106の曲げ強度試験方法で求めた破壊応力を基準とし、その50%応力を上限応力、5%応力を下限応力として周波数7Hzで繰り返し載荷した。破壊が起こるまでの回数により、回数が1×10回を越えたものを○、回数が1×10回を下回ったものを×と判定した。スランプ及び疲労耐久性の結果を表1にあわせて示す。
表1に示すように、製鋼スラグの粗粒率が本発明の範囲内にある場合、高い疲労耐久性が得られた。これに対して、製鋼スラグの粗粒率が低いものについては、疲労耐久性が十分確保できないことが確認された。また、D10が大きい条件では、疲労耐久性は確保できるものの、フレッシュ状態でスランプコーンを引き上げると試験体の上部が沈下することなく周囲に崩れ、スランプを測定できなかった。D10は大きくても形状や成形方法によっては成形は可能であるが、施工性や仕上がりを良好な固化物とするためには、D10を0.5mm以下の範囲内とすることが望ましいことが確認された。以上のように本発明の範囲にすることで、従来にはない高い疲労耐久性を安定して発現させることが可能となった。
Figure 0006315063
Figure 0006315063

Claims (7)

  1. 粉粒状の製鋼スラグとSiO含有物質とを水で混練することによって製造される水和固化体の製造方法であって、
    骨材として、80℃の温水に10日間浸漬した後の粉化率が2.5質量%以下であり、且つ、粗粒率が4.5以上6.4以下であり、且つ、粒径が0.5mm以下の範囲内にある粒子の比率が10質量%以上である製鋼スラグのみを使用し、前記SiO含有物質として、高炉スラグ微粉末又は高炉スラグ微粉末及びフライアッシュを使用することを特徴とする水和固化体の製造方法。
  2. アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、及び塩化物の中から選ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対し0.2乃至20質量%の範囲内添加することを特徴とする請求項1に記載の水和固化体の製造方法。
  3. 普通ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、及び複合セメントから選ばれた1種又は2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して200質量%を上限として添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の水和固化体の製造方法。
  4. ナフタレンスルホン酸及び/又はポリカルボン酸を、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、及びアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、及び塩化物の合計含有量に対して0.1乃至2.0質量%の範囲内添加することを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1項に記載の水和固化体の製造方法。
  5. 前記水和固化体の100万回疲労強度が静的破壊強度の50%を超えることを特徴とする請求項1乃至4のうち、いずれか1項に記載の水和固化体の製造方法。
  6. 前記水和固化体が海域沿岸の干満帯、飛まつ帯、又は陸域で利用されることを特徴とする請求項1乃至5のうち、いずれか1項に記載の水和固化体の製造方法。
  7. 前記水和固化体が重量1トン以上の部材に利用されることを特徴とする請求項1乃至6のうち、いずれか1項に記載の水和固化体の製造方法。
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