JP6313023B2 - 溶湯流通管及び溶湯収容器 - Google Patents

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Description

本発明は、溶湯流通管及び溶湯収容器に関する。更に詳しくは、非鉄金属溶湯を流通させるための溶湯流通管、及び、非鉄金属溶湯を収容するための溶湯収容器に関する。
非鉄金属溶湯は、鋳造分野等で多く利用されている。非鉄金属溶湯は、固形原料を溶解炉で溶融して調製される。そして、溶解状態で取鍋等の収容器に分取され、各鋳造工場へ運ばれることが多い。更に、鋳造工場では、収容器から必要量の溶湯を各鋳造型やインジェクション装置等へ小分けして供給し、鋳造品を得る。この間、溶湯を様々に移動させる必要がある。即ち、溶解炉から収容器への移動や、収容器から鋳造型及びインジェクション装置等への移動等である。これらの移動時には、ストーク等の流通管を通じて溶湯を移動させている。
その一方、非鉄金属溶湯は、鉄溶湯に比べて酸化され易いという特性を有している。また、鉄溶湯と異なり、酸化されると金属の状態よりも高融点の酸化物となるとともに、体積膨張を起こし、流通管や収容器の内部にノロとして付着する。ノロは次第に成長し、最終的には流通管の内径を狭め、収容器の収容積を小さくする。流通管の内径が狭まると、溶湯の流通が阻害され、正確な秤量が困難となる。また、収容器の収容積が減じると、搬送可能な溶湯量が減り、運送コストを押し上げることになる。
しかしながら、非鉄金属溶湯のノロは上述のように高融点であるために、加熱溶解して除去するには多大なエネルギーコストを要する。このため、非鉄金属溶湯のノロは、ハンマーやドリル等を用いて機械的に破壊して除去されることが多い。しかしながら、流通管や収容器の内壁は、耐火セラミックスで形成されており、耐衝撃性が高くはない。そのため、ノロの除去による機械的衝撃で流通管や溶湯収容器を損傷してしまうことがあり問題となる。このように問題に対して下記特許文献1−3が知られている。
特開昭62−89566号公報 特開2006−136917号公報 特開2008−194713号公報
上記特許文献1−3はいずれも、溶湯と接触する基材表面に凹凸を形成し、ノロの付着を抑制する技術である。これらの特許文献では、例えば、流路表面に微細な凹凸を設けた領域を形成することで、その部分を流れる溶湯に乱流を生じさせてノロの付着を抑制しようとしている。
しかしながら、これらの技術を活用したとしても、ノロが形成されるまでの期間が長期化されるだけであり、完全にノロの形成を防止することは困難である。実際には、凹凸領域であってもノロが形成される核が生成すると、急速にノロは成長し、結局は同様な問題を生じる。従って、このような基材表面の加工の有無等に関わらず、ノロが形成された際に、流通管や収容器の内壁を損傷することなく、ノロを容易に除去できる技術が求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、溶湯流通管や溶湯収容器の内壁面に沿ってノロが管状に成長することを防止することによって、溶湯流通管や溶湯収容器の損傷を抑制しつつ、ノロの除去を容易に行うことができる溶湯流通管及び溶湯収容器を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
請求項1に記載の溶湯流通管は、非鉄金属の溶湯を流通するための流通路を備えた溶湯流通管であって、
前記溶湯流通管の内壁面から前記流通路内へ突出され、溶湯の流通方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部を有し、
前記凸条部の表面に対する前記溶湯の濡れ性は、前記内壁面に対する前記溶湯の濡れ性よりも小さいことを要旨とする。
請求項2に記載の溶湯流通管は、請求項1に記載の溶湯流通管において、前記流通路の流通方向に対して垂直な断面は、円形、又は五角以上の多角形であり、
前記凸条部は、前記断面に3条以上を備え、
隣り合った凸条部同士の根元間の最短距離L1が、前記隣り合った凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短いことを要旨とする。
請求項に記載の溶湯収容器は、請求項1又は2に記載の溶湯流通管を備えることを要旨とする。
請求項に記載の溶湯収容器は、非鉄金属の溶湯を収容するための収容部を備えた溶湯収容器であって、
前記溶湯収容器の内壁面から前記収容部内へ突出され、溶湯の深さ方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部を有し、
前記凸条部の表面に対する前記溶湯の濡れ性は、前記内壁面に対する前記溶湯の濡れ性よりも小さいことを要旨とする。
請求項に記載の溶湯収容器は、請求項5に記載の溶湯収容器において、前記収容部の深さ方向に対して垂直な断面は、円形、又は五角以上の多角形であり、
前記凸条部は、前記断面に3条以上を備え、
隣り合った凸条部同士の根元間の最短距離L1が、前記隣り合った凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短いことを要旨とする。
請求項1に記載の溶湯流通管は、内壁面から流通路内へ突出され、溶湯の流通方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部を有する。
この構成により、即ち、流通路内に突出した凸条部を有することにより、溶湯流通管の内壁面に沿ってノロが成長して、ノロが管状に繋がることを防止できる。そして、凸条部によって分断されたノロは、この分断部を起点として容易に破壊できる。その結果、溶湯流通管の内壁に対する損傷を抑制しながら、従来に比べてノロをより容易に除去できる。
請求項2に記載の溶湯流通管は、流通路の流通方向に対して垂直な断面が円形又は五角以上の多角形にされている。そして、断面に凸条部を3条以上備えている。更に、隣り合った凸条部同士の根元間の最短距離L1が、凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短くされている。
この構成により、即ち、流通路内に突出した3条以上の凸条部を有することにより、ノロを3分割以上に分割して、ノロが管状に繋がることを防止できる。更に、L2に対してL1が短くなるように凸条部が形成されているため、分割された各ノロ片は、流通路の内側へ向かって容易に引き剥がすことができる。即ち、ノロ片の側端部が凸条部に引っ掛かることなくスムーズに流通路の内側へ向かって引き剥がすことができる。その結果、溶湯流通管の内壁に対する損傷を抑制しながら、従来に比べてノロをより容易に除去できる。
請求項に記載の溶湯流通管は、凸条部の表面に対する溶湯の濡れ性が、内壁面に対する溶湯の濡れ性よりも小さくされている。
この構成により、凸条部の表面をノロが覆うことをより確実に防止して、ノロが管状に繋がることを防止できる。
請求項に記載の溶湯収容器は、請求項1又は2に記載の溶湯流通管を備える。
この構成により、即ち、溶湯収容器が備える溶湯流通管が、その溶湯流通管の流通路内に突出した凸条部を有することにより、溶湯流通管の内壁面に沿ってノロが成長して、ノロが管状に繋がることを防止できる。そして、凸条部によって分断されたノロは、この分断部を起点として容易に破壊できる。その結果、溶湯流通管の内壁に対する損傷を抑制しながら、従来に比べてノロをより容易に除去できる。
請求項に記載の溶湯収容器は、溶湯収容器の内壁面から収容部内へ突出され、溶湯の深さ方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部を有することを要旨とする。
この構成により、即ち、溶湯収容器の収容部内に突出した凸条部を有することにより、溶湯収容器の内壁面に沿ってノロが成長して、ノロが管状に繋がることを防止できる。そして、凸条部によって分断されたノロは、この分断部を起点として容易に破壊できる。その結果、溶湯収容器の内壁に対する損傷を抑制しながら、従来に比べてノロをより容易に除去できる。
請求項に記載の溶湯収容器は、収容部の深さ方向に対して垂直な断面は、円形、又は五角以上の多角形にされている。そして、断面に3条以上を備えている。更に、隣り合った凸条部同士の根元間の最短距離L1が、前記凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短くされている。
この構成により、即ち、収容部内に突出した3条以上の凸条部を有することにより、ノロを3分割以上に分割して、ノロが管状に繋がることを防止できる。更に、L1に対してL2が短くなるように凸条部が形成されているため、分割された各ノロ片は、収容部の内側へ向かって容易に引き剥がすことができる。その結果、溶湯収容器の内壁に対する損傷を抑制しながら、従来に比べてノロをより容易に除去できる。
請求項に記載の溶湯収容器は、凸条部の表面に対する溶湯の濡れ性が、内壁面に対する溶湯の濡れ性よりも小さくされている。
この構成により、凸条部の表面をノロが覆うことをより確実に防止して、ノロが管状に繋がることを防止できる。
溶湯流通管における流通路の流通方向に対して垂直な断面、及び、溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して垂直な断面、の一例を示す説明図である。 溶湯流通管の一部を破断した状態を斜視して、連続した凸条部を説明した説明図である。 1条の凸条部を有する、溶湯流通管及び溶湯収容器、においてノロが形成された様子を説明した説明図である。 1条の凸条部を有する、溶湯流通管及び溶湯収容器、において、形成されたノロを除去する様子を説明した説明図である。 1条の凸条部を有する、溶湯流通管及び溶湯収容器、において、凸条部の設置形態を説明した説明図である。 溶湯流通管の一部を破断した状態を斜視して、断続した凸条部を説明した説明図である。 溶湯流通管の一部を破断した状態を斜視して、断続した凸条部を説明した説明図である。 溶湯流通管における流通路の流通方向に対して垂直な断面、及び、溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して垂直な断面、の他例を示す説明図である。 溶湯流通管の一部を破断した状態を斜視して、連続した凸条部を説明した説明図である。 溶湯流通管における流通路の流通方向に対して垂直な断面、及び、溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して垂直な断面、の他例を示す説明図である。 5条の凸条部を有する、溶湯流通管及び溶湯収容器、においてノロが形成された様子を説明した説明図である。 5条の凸条部を有する、溶湯流通管及び溶湯収容器、において、形成されたノロを除去する様子を説明した説明図である。 L1とL2との大小によるノロ片の引き剥がしやすさの変化を説明する説明図である。 5条の凸条部を有する、溶湯流通管及び溶湯収容器、において、凸条部の設置形態を説明した説明図である。 溶湯流通管における流通路の流通方向に対して垂直な断面、及び、溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して垂直な断面、の他例を示す説明図である。 溶湯流通管における流通路の流通方向に対して垂直な断面、及び、溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して垂直な断面、の他例を示す説明図である。 凸条部のバリエーションを説明した説明図である。 溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して平行な断面の一例を示す説明図である。 溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して平行な断面の他例を示す説明図である。 溶湯収容器における収容部の深さ方向に対して平行な断面の他例を示す説明図である。 従来の形態の、溶湯流通管及び溶湯収容器、においてノロが形成された様子を説明した説明図である。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]溶湯流通管
(1)第1形態の溶湯流通管
本発明の第1形態の溶湯流通管(10)(図1〜図7参照)は、非鉄金属の溶湯を流通するための流通路(11)を備える。また、溶湯流通管(10)は、その内壁面(12)から流通路(11)内へ突出され、溶湯の流通方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部(13)を有する。
尚、図1及び図2は、1条の凸条部(13)を有する溶湯流通管(10)を示しており、図1は図2のA−A断面に対応する。
通常、溶湯流通管(10)は、管壁(14)によって、溶湯流通管(10)の外側と内側とが隔てられている。そして、管壁(14)の内面が内壁面(12)となっている。更に、内壁面(12)によって囲まれた空間が流通路(11)となっている。非金属の溶湯は、この流通路(11)を流通される。
図21に示すように、従来の凸条部を備えない溶湯流通管(10’)では、溶湯流通管(10’)の内壁面(12)に沿ってノロ(15)が成長し、ノロ(15)が管状に繋がってしまう。ノロ(15)が管状に繋がると、体積膨張によって、ノロ(15)は内壁面(12)に押し付けられる力が働き、ノロ(15)を割ることも、内壁面(12)から引き剥がすことも困難となる。この状態のノロ(15)を除去するには、管状に繋がった一部を破壊して、ノロ(15)を細分化する破壊起点を形成する必要がある。しかしながら、管状に繋がったノロ(15)に破壊起点を形成するには、前述のように、ハンマーやドリルを用いて機械的にノロ(15)の一部を破壊しなければならず、その際に、溶湯流通管の内壁等を損傷するおそれがある。
一方、本第1形態の溶湯流通管(10)は、凸条部(13)を備える(図1及び図2参照)。そして、この凸条部(13)は、ノロ(15)が形成された場合に、ノロ(15)が管状に繋がることを防止する(図3参照)。具体的には、ノロ(15)の成長を確認しつつ、ノロ(15)が成長して、凸条部(13)の頭頂を乗り越えないように管理することができる。そして、管状に繋がっていないノロ(15)は、ノロ(15)の分断部(16)を起点として、流通路(11)の内側へ向かって、内壁面(12)から引き剥がすことができる(図4参照)。即ち、ノロ(15)をより容易に除去することができる。
流通路(11)の断面形状(溶湯の流通方向に対して垂直な断面の形状)は、特に限定されない。例えば、略円形(円形、楕円形等)、三角以上の多角形(3〜20角等)などとすることができる。これらのなかでは、略円形及び五角以上の多角形が好ましい。略円形及び五角以上の多角形であれば、凸条部(13)を設けることによる上記効果を得易い。即ち、分断部(16)を起点としてノロ(15)を破壊し易く、また、破壊したノロ(15)を、流通路(11)の内側へ向かって内壁面(12)から引き剥がすことが容易である(図4参照)。更に、流通路(11)の断面形状が多角形である場合、凸条部(13)は、多角形を形成している辺上に配置(図15参照)されてもよく、多角形を形成している角部に配置(図16参照)されてもよい。更には、辺上と角部との両方に配置されてもよい。
凸条部(13)の断面形状(溶湯の流通方向に対して垂直な断面の形状)も同様に、特に限定されないが、通常、流通路(11)の中心へ向かって先窄まりの形状である。具体的には、略半円形{半円形(図17a参照)、半楕円形等}、四角形{台形(図17b参照)}、三角形(図17c参照)等とすることができる。これらのなかでは、頭頂がよりなだらかな形状であることが好ましい。即ち、三角形よりも、略半円形が好ましく、更には、四角形(台形)が好ましい。頭頂がなだらかである方が、ノロ(15)が管状に繋がることをより確実に防止できる。
また、凸条部(13)は、連続した凸部からなる1本の凸条部(13)(図2参照)であってもよいし、複数の凸部(17)の集合体から形成された凸条部(13)(図6参照)であってもよい。凸条部(13)が複数の凸部(17)の集合体である場合にも、前述のように、ノロ(15)に分断部(16)を形成できる。更に、各凸部(17)間には、間隙が存在するため、互いの凸部(17)同士が熱膨張時に緩衝することを防止できる。
特に、管壁(14)及び凸条部(13)の両方がセラミックス材料から形成され、これらのセラミックス材料の熱膨張係数が異なる場合がある。この場合に、管壁(14)の膨張量と、凸条部(13)の膨張量と、が異なると、歪みを生じて凸条部(13)が割れたり、管壁(14)から凸条部(13)が分離してしまうおそれがある。これに対して、凸条部(13)が、複数の凸部の集合体である場合には、凸部同士の間隙が緩衝帯となることによって、上記問題を緩和することができる。このような複数の凸部(17)を利用した凸条部(13)は、例えば、溶湯流通管(10)のカーブ部等、溶湯が流れる方向が変化する部分に好適に用いることができる。
更に、凸条部(13)は、溶湯流通管(10)の一端側から他端側まで(例えば、入口側から出口側まで)、1本の凸条部(13)が連続又は断続して直線を形成するように設置してもよい(図2及び図9参照)が、図7に示すように、内壁面(12)内の必要な位置に、必要な長さの凸条部(13)を適宜配置してもよい。
ここで、管壁(14)を構成する材料の種類は特に限定されない。管壁(14)を構成する材料としては、例えば、セラミックス、金属、これらの両方を併用した複合材料等が挙げられる。これらのうちでは、セラミックスが好ましい。具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸アルミニウム、アルミナ、ムライト、スピネル等を利用できる。これらの材料は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、いずれか1種のセラミックスを基材として、その表面に他のセラミックスを被覆した形態であってもよい。
一方、凸条部(13)を構成する材料の種類も特に限定されない。凸条部(13)を構成する材料としては、例えば、セラミックス、金属、これらの両方を併用した複合材料等が挙げられる。但し、管壁(14)を構成する材料と、凸条部(13)を構成する材料と、は同じであってもよく異なっていてもよい。これらのうちでは、セラミックスが好ましい。具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸アルミニウム、アルミナ、ムライト、スピネル等を利用できる。これらの材料は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。更に、いずれか1種のセラミックスを基材として、その表面に他のセラミックスを被覆した形態であってもよい。
また、凸条部(13)は、どのように形成してもよい。特に、管壁(14)及び凸条部(13)の両方がセラミックスである溶湯流通管(10)は、未焼成状態の溶湯流通管(30)の内部に凸条部を形成した後、未焼成の溶湯流通管(30)全体を焼成して得ることができる。
具体的には、例えば、〈1〉円柱形状又は球状のセラミックス(50)(未焼成セラミックスであってもよく、焼成されたセラミックスであってもよい、焼成後に凸条部となる)を、未焼成の管壁(34)内に、その一部が突出するように埋め込んだ後、未焼成の溶湯流通管(30)全体を焼成して得ることができる(図5及び図14参照)。また、〈2〉未焼成の管壁の内部を削って未焼成の凸条部を形成した後、未焼成の溶湯流通管全体を焼成して得ることができる。更に、〈3〉未焼成の管壁の内部に、未焼成セラミック粘土を凸条部の形状に盛り付けた後、未焼成の溶湯流通管全体を焼成して得ることができる。
また、凸条部(13)の表面に対する溶湯の濡れ性は、溶湯流通管(10)の内壁面(12)に対する溶湯の濡れ性よりも小さいことが好ましい。この場合には、凸条部(14)上に、溶湯が付着してノロ(15)の成長起点となることを抑制できる。具体的には、非鉄金属溶湯として、アルミ系溶湯(溶湯全体の50質量%以上がアルミニウムである溶湯)を用い、内壁面(12)に炭化ケイ素系材料(材料全体の50質量%以上が炭化ケイ素である溶湯)を用いる場合、凸条部としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、チタン酸アルミニウム、ジルコニア、アルミナ等を用いることができる。
尚、所定の溶湯の各材質に対する濡れ性の大小は以下のように決定される。即ち、傾けた載置した2種の異なる材質からなる板状部材の上端側に、固化金属(溶融されて溶湯となる)を置き、炉内において溶湯温度まで加熱した際、溶湯が板状部材の下端まで先に流れ落ちた材質の方が、他方に比べて濡れ性が小さいといえる。
非鉄金属には、鉄以外の金属が含まれ、特に軽金属が好ましい。具体的には、アルミニウム、マグネシウム、チタン、鉛、亜鉛、銅、ケイ素等の金属、及び、これら金属のうちの2種以上が混合された金属(合金)が含まれる。非鉄金属の溶湯には、Si、Mg、Zn、Fe、Pb、Cu等の元素が添加されていてもよい。添加成分は、通常、溶湯全体を100質量%とした場合に30質量%以下である。
このような非鉄金属の溶湯は、鉄に比べて酸化され易くノロが形成され易い。このため、非鉄金属溶湯を扱う溶湯流通管(10)では本発明の効果が特に有効に奏される。
尚、非鉄金属の溶湯を構成する成分のうちケイ素は半金属であるが、本願では非鉄金属に含めて記載する。以下同様。
溶湯流通管(10)としては、例えば、ストーク、取鍋に設けられた注湯管{加圧注湯型取鍋の溶湯注湯管(図19の符号10参照)、傾動注湯型取鍋の溶湯注湯管(図20の符号10参照)}、ダイキャスト装置のシリンダー、ラドルの注入口(注湯口)、ラドルの排出口(排湯口)等が含まれる。
(2)第2形態の溶湯流通管
第2形態の溶湯流通管(10)(図8〜図17参照)は、第1形態の溶湯流通管(10)と同様に、流通路(11)及び凸条部(13)を有する。
そのうえで、第2形態の溶湯流通管(10)は、流通路(11)の流通方向に対して垂直な断面が円形又は五角以上の多角形である。更に、第2形態の溶湯流通管(10)が有する凸条部(13)は3条以上を備えており、隣り合った凸条部(13)同士の根元(18)間の最短距離L1が、凸条部同士の頭頂(19)間の最短距離L2より短くされている(図8、図10、図15〜図17参照)。
尚、図8及び図9は、3条の凸条部(13)を有する溶湯流通管(10)を示しており、図8は図9のB−B断面に対応する。
このように、第2形態の溶湯流通管(10)は、凸条部(13)を3条以上有する。これにより、ノロ(15)を3分割以上に分割して、ノロ(15)が管状に繋がることを防止できる(図11参照)。具体的には、ノロ(15)の成長を確認しつつ、ノロ(15)が成長して、凸条部(13)の頭頂を乗り越えないように管理できる。
そして、3条以上の凸条部(13)を有することで、全ての隣り合った凸条部(13)同士の根元間の最短距離L1を、凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短く設計することができる。仮にノロ片(15)がL1>L2の形態であると、ノロ片(15)は、内壁(12)側よりも流通路(11)内側へ窄まった形状(図13b参照)となる。そのため、ノロ片(15)の分断部(16)が凸条部(13)の側面に引掛かって、ノロ片(15)を内壁(12)から引き剥がすことが困難となる。
これに対して、L1<L2の形態にされた溶湯流通管(10)に付着したノロ片(15)(図12及び図13参照)は、内壁(12)側よりも流通路(11)内側へ広がった形態となる(図13a参照)。このため、ノロ片(15)を内壁(12)から引き剥がす際に、ノロ片(15)が凸条部(13)に引掛かることなく、流通路(11)の内側へ向かって容易に剥がすことができる(図12及び図13参照)。更に、非鉄金属溶湯は、固化してノロとなる際に体積膨張するが、その体積膨張による応力は、内壁(12)からノロ片(15)を浮き上がらせる様に作用する。従って、L1<L2の形態であることによって、更に、ノロ片(15)を引き剥がし易くすることができる。
尚、ノロ片(15)を引き剥がす際には、例えば、凸条部(13)とノロ片(15)の分断部(16)との間に、工具を差し込み、凸条部(13)を支点にして、ノロ片(15)を内壁(12)から浮かせ起こすようにすることで、より容易に引き剥がすことができる。その結果、溶湯流通管(10)の内壁に対する損傷を抑制しながら、従来に比べてノロ(15)をより容易に除去することができる。
この第2形態の溶湯流通管(10)では、凸条部(13)は、溶湯の流通方向に対して垂直な1つの断面に、3条以上有すればよい。具体的には、3〜10条とすることが好ましい。この凸条部(13)は、その条数が多い程、L1<L2を維持したまま、凸条部(13)の高さを高くできる。凸条部(13)の高さが高い程、ノロ(15)が厚く形成されても、ノロ(15)が管状に繋がることを防止できる。即ち、ノロ(15)の除去を行うべき期間をより長く延長することができ、メンテナンス回数を減らすことができる。
ここで、凸条部(13)の根元(18)とは、流通路(11)の内壁面(12)と凸条部(13)の表面とが交わる部位を意味する。一方、凸条部(13)の頭頂(19)とは、凸条部(13)のうち、流通路(11)の中心に最も近い部位を意味する(図17参照)。尚、図17(b)に示すような、台形の凸条部(13)では、凸条部(13)のうちの流通路(11)の中心に最も近い部位は、台形上辺の中央である。しかし、ノロ(15)を分断して、ノロ片(15)の分断部(16)を形成するのは、台形の凸条部(13)の側端面である。このため、台形の凸条部(13)では、その側端面のうち、流通路(11)の中心に最も近い部位が実質的に頭頂(19)となる(図15参照)。
また、複数の凸条部(13)は、各々の凸条部(13)間が均等に離間されるように配置することが好ましい。通常、凸条部(13)の頭頂(19)間距離L2同士の比は0.8〜1.2となるように配置される。
第2形態の溶湯流通管(10)は、上述した以外の点において、第1形態の溶湯流通管(10)と共通する。
[2]溶湯収容器
(1)第1形態の溶湯収容器
第1形態の溶湯収容器(20)(図19〜図20参照)は、本発明の溶湯流通管(10)を備えることを特徴とする。溶湯流通管(10)については、前述した通りである。そして、第1形態の溶湯収容器(20)としては、例えば、図19に例示される加圧注湯型取鍋、図20に例示される傾動注湯型取鍋等が挙げられる。
また、第1形態の溶湯収容器(20)のうちの、溶湯流通管(10)以外の部分については、後述する第2形態の溶湯収容器、後述する第3形態の溶湯収容器、と同様の形態とすることができる。
(2)第2形態の溶湯収容器
第2形態の溶湯収容器(20)(図1、図3〜5、図18〜図20参照)は、非鉄金属の溶湯を収容するための収容部(21)を備える。また、溶湯収容器(20)は、その内壁面(22)から収容部(21)内へ突出され、溶湯の深さ方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部(13)を有する。この第2形態の溶湯収容器(20)としては、例えば、図18に例示される保湯炉や、図19に例示される加圧注湯型取鍋の溶湯収容器、図20に例示される傾動注湯型取鍋の溶湯収容器等が挙げられる。
通常、溶湯収容器(20)は、器壁(24)によって、溶湯収容器(20)の外側と内側とが隔てられている。そして、器壁(24)の内面が内壁面(12)となっている。更に、内壁面(12)によって囲まれた空間が収容部(21)となっている。非金属の溶湯は、この収容部(21)に収容される。
図21に示すように、従来の凸条部を備えない溶湯収容器(20’)では、溶湯収容器(20’)の内壁面(12)に沿ってノロ(15)が成長し、ノロ(15)が管状に繋がってしまう。ノロ(15)が管状に繋がると、体積膨張によって、ノロ(15)は内壁面(12)に押し付けられる力が働き、ノロ(15)を割ることも、内壁面(12)から引き剥がすことも困難となる。この状態のノロ(15)を除去するには、管状に繋がった一部を破壊して、ノロ(15)を細分化する破壊起点を形成する必要がある。しかしながら、管状に繋がったノロ(15)に破壊起点を形成するには、前述のように、ハンマーやドリルを用いて機械的にノロ(15)の一部を破壊しなければならず、その際に、溶湯収容器の内壁等を損傷するおそれがある。
一方、本第2形態の溶湯収容器(20)は、凸条部(13)を備える(図1及び図18参照)。そして、この凸条部(13)は、ノロ(15)が形成された場合に、ノロ(15)が管状に繋がることを防止する(図3参照)。具体的には、ノロ(15)の成長を確認しつつ、ノロ(15)が成長して、凸条部(13)の頭頂を乗り越えないように管理することができる。そして、管状に繋がっていないノロ(15)は、ノロ(15)の分断部(16)を起点として、収容部(21)の内側へ向かって、内壁面(12)から引き剥がすことができる(図4参照)。即ち、ノロ(15)をより容易に除去することができる。
収容部(21)の断面形状(深さ方向に対して垂直な断面の形状)は、特に限定されない。例えば、略円形(円形、楕円形等)、三角以上の多角形(3〜20角等)などとすることができる。これらのなかでは、略円形及び五角以上の多角形が好ましい。略円形及び五角以上の多角形であれば、凸条部(13)を設けることによる上記効果を得易い。即ち、分断部(16)を起点としてノロ(15)を破壊し易く、また、破壊したノロ(15)を、収容部(21)の内側へ向かって内壁面(12)から引き剥がすことが容易である(図4参照)。更に、収容部(21)の断面形状が多角形である場合、凸条部(13)は、多角形を形成している辺上に配置(図15参照)されてもよく、多角形を形成している角部に配置(図16参照)されてもよい。更には、辺上と角部との両方に配置されてもよい。
凸条部(13)の断面形状(深さ方向に対して垂直な断面の形状)も同様に、特に限定されないが、通常、収容部(21)の中心へ向かって先窄まりの形状である。具体的には、略半円形{半円形(図17a参照)、半楕円形等}、四角形{台形(図17b参照)}、三角形(図17c参照)等とすることができる。これらのなかでは、頭頂がよりなだらかな形状であることが好ましい。即ち、三角形よりも、略半円形が好ましく、更には、四角形(台形)が好ましい。頭頂がなだらかである方が、ノロ(15)が管状に繋がることをより確実に防止できる。
また、凸条部(13)は、連続した凸部からなる1本の凸条部(13)(図18参照)であってもよいし、複数の凸部(17)の集合体から形成された凸条部(13)(図20参照)であってもよい。凸条部(13)が複数の凸部(17)の集合体である場合にも、前述のように、ノロ(15)に分断部(16)を形成できる。更に、各凸部(17)間には、間隙が存在するため、互いの凸部(17)同士が熱膨張時に緩衝することを防止できる。
特に、器壁(24)及び凸条部(13)の両方がセラミックス材料から形成され、これらのセラミックス材料の熱膨張係数が異なる場合がある。この場合に、器壁(24)の膨張量と、凸条部(13)の膨張量と、が異なると、歪みを生じて凸条部(13)が割れたり、器壁(24)から凸条部(13)が分離してしまうおそれがある。これに対して、凸条部(13)が、複数の凸部の集合体である場合には、凸部同士の間隙が緩衝帯となることによって、上記問題を緩和することができる。このような複数の凸部(17)を利用した凸条部(13)は、例えば、カーブ部等、溶湯が流れる方向が変化する部分に好適に用いることができる。即ち、図20で説明すれば、流通路(11)から収容部(21)へかけての変曲部に好適である。
更に、凸条部(13)は、溶湯収容器(20)の入口側から底部側まで、1本の凸条部(13)が連続又は断続して直線を形成するように設置してもよい(図18参照)が、内壁面(12)内の必要な位置に、必要な長さの凸条部(13)を適宜配置してもよい。
ここで、器壁(24)を構成する材料の種類は特に限定されず、前述した溶湯流通管(10)の管壁(14)を構成する材料と同様の材料を用いることができる。更に、凸条部(13)を構成する材料についても、溶湯流通管(10)の凸条部(13)を構成する材料と同様の材料を用いることができる。
また、凸条部(13)の形成方法についても、溶湯流通管(10)の凸条部(13)と同様である。特に、器壁(24)及び凸条部(13)の両方がセラミックスである溶湯収容器(20)は、未焼成状態の溶湯収容器(40)の内部に凸条部を形成した後、未焼成の溶湯収容器(40)全体を焼成して得ることができる。具体的には、例えば、〈1〉円柱形状又は球状のセラミックス(50)(未焼成セラミックスであってもよく、焼成されたセラミックスであってもよい、焼成後に凸条部となる)を、未焼成の器壁(44)内に、その一部が突出するように埋め込んだ後、未焼成状態の溶湯収容器(40)全体を焼成して得ることができる(図5及び図14参照)。また、〈2〉未焼成の器壁の内部を削って未焼成の凸条部を形成した後、未焼成の溶湯収容器全体を焼成して得ることができる。更に、〈3〉未焼成の器壁の内部に、未焼成セラミック粘土を凸条部の形状に盛り付けた後、未焼成の溶湯収容器全体を焼成して得ることができる。
また、凸条部(13)の表面に対する溶湯の濡れ性は、溶湯収容器(20)の内壁面(12)に対する溶湯の濡れ性よりも小さいことが好ましいことも、前述の通り、溶湯流通管(10)と同様である。
更に、非鉄金属の溶湯は、鉄に比べて酸化され易くノロが形成され易い。このため、非鉄金属溶湯を扱う溶湯収容器(20)で本発明の効果が特に有効に奏される点についても、溶湯流通管(10)と同様である。
溶湯収容器(20)としては、例えば、保湯炉(図18の符号20参照)、各種取鍋{加圧注湯型取鍋(図19の符号20参照)、傾動注湯型取鍋(図20の符号20参照)}等が挙げられる。
(3)第3形態の溶湯収容器
第3形態の溶湯収容器(20)(図8、図10〜図17参照)は、第2形態の溶湯流通管(20)と同様に、収容部(21)及び凸条部(13)を有する。
そのうえで、第3形態の溶湯収容器(20)は、収容部(21)の深さ方向に対して垂直な断面が円形又は五角以上の多角形である。更に、第3形態の溶湯収容器(20)が有する凸条部(13)は3条以上を備えており、隣り合った凸条部(13)同士の根元(18)間の最短距離L1が、凸条部同士の頭頂(19)間の最短距離L2より短くされている(図8、図10、図15〜図17参照)。
このように、第3形態の溶湯収容器(20)は、凸条部(13)を3条以上有する。これにより、ノロ(15)を3分割以上に分割して、ノロ(15)が管状に繋がることを防止できる(図11参照)。具体的には、ノロ(15)の成長を確認しつつ、ノロ(15)が成長して、凸条部(13)の頭頂を乗り越えないように管理できる。
そして、3条以上の凸条部(13)を有することで、全ての隣り合った凸条部(13)同士の根元間の最短距離L1を、凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短く設計することができる。仮にノロ片(15)がL1>L2の形態であると、ノロ片(15)は、器壁(22)側よりも収容部(21)内側へ窄まった形状(図13b参照)となる。そのため、ノロ片(15)の分断部(16)が凸条部(13)の側面に引掛かって、ノロ片(15)を器壁(22)から引き剥がすことが困難となる。
これに対して、L1<L2の形態にされた溶湯収容器(20)に付着したノロ片(15)(図12及び図13参照)は、器壁(12)側よりも収容部(21)内側へ広がった形態となる(図13a参照)。このため、ノロ片(15)を器壁(22)から引き剥がす際に、ノロ片(15)が凸条部(13)に引掛かることなく、収容部(21)の内側へ向かって容易に剥がすことができる(図12及び図13参照)。更に、非鉄金属溶湯は、固化してノロとなる際に体積膨張するが、その体積膨張による応力は、器壁(22)からノロ片(15)を浮き上がらせる様に作用する。従って、L1<L2の形態であることによって、更に、ノロ片(15)を引き剥がし易くすることができる。
尚、ノロ片(15)を引き剥がす際には、例えば、凸条部(13)とノロ片(15)の分断部(16)との間に、工具を差し込み、凸条部(13)を支点にして、ノロ片(15)を器壁(22)から浮かせ起こすようにすることで、より容易に引き剥がすことができる。その結果、溶湯収容器(20)の器壁に対する損傷を抑制しながら、従来に比べてノロ(15)をより容易に除去することができる。
この第3形態の溶湯収容器(20)では、凸条部(13)は、溶湯の深さ方向に対して垂直な1つの断面に、3条以上有すればよい。具体的には、3〜10条とすることが好ましい。この凸条部(13)は、その条数が多い程、L1<L2を維持したまま、凸条部(13)の高さを高くできる。凸条部(13)の高さが高い程、ノロ(15)が厚く形成されても、ノロ(15)が管状に繋がることを防止できる。即ち、ノロ(15)の除去を行うべき期間をより長く延長することができ、メンテナンス回数を減らすことができる。
ここで、凸条部(13)の根元(18)とは、収容部(21)の内壁面(12)と凸条部(13)の表面とが交わる部位を意味する。一方、凸条部(13)の頭頂(19)とは、凸条部(13)のうち、収容部(21)の中心に最も近い部位を意味する(図17参照)。尚、図17(b)に示すような、台形の凸条部(13)では、凸条部(13)のうちの収容部(21)の中心に最も近い部位は、台形上辺の中央である。しかし、ノロ(15)を分断して、ノロ片(15)の分断部(16)を形成するのは、台形の凸条部(13)の側端面である。このため、台形の凸条部(13)では、その側端面のうち、収容部(21)の中心に最も近い部位が実質的に頭頂(19)となる(図15参照)。
また、複数の凸条部(13)は、各々の凸条部(13)間が均等に離間されるように配置することが好ましい。通常、凸条部(13)の頭頂(19)間距離L2同士の比は0.8〜1.2となるように配置される。
第3形態の溶湯収容器(20)は、上述した以外の点において、第2形態の溶湯収容器(20)と共通する。
尚、本発明においては、上記の具体的に示した形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した形態とすることができる。
10;溶湯流通管、11;流通路、14;管壁、
20;溶湯収容器、21;収容部、24;器壁、
12;内壁面、13;凸条部、15;ノロ(ノロ片)、16;分断部、17;凸部、18;凸条部の根元、19;凸条部の頭頂、
10’;従来の溶湯流通管(凸条部を備えていない)、
20’;従来の溶湯収容器(凸条部を備えていない)、
30;未焼成の溶湯流通管、34;未焼成の管壁、
40;未焼成の溶湯収容器、44;未焼成の器壁、
50;円柱形状又は球状のセラミックス。

Claims (5)

  1. 非鉄金属の溶湯を流通するための流通路を備えた溶湯流通管であって、
    前記溶湯流通管の内壁面から前記流通路内へ突出され、溶湯の流通方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部を有し、
    前記凸条部の表面に対する前記溶湯の濡れ性は、前記内壁面に対する前記溶湯の濡れ性よりも小さいことを特徴とする溶湯流通管。
  2. 前記流通路の流通方向に対して垂直な断面は、円形、又は五角以上の多角形であり、
    前記凸条部は、前記断面に3条以上を備え、
    隣り合った凸条部同士の根元間の最短距離L1が、前記隣り合った凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短い請求項1に記載の溶湯流通管。
  3. 請求項1又は2に記載の溶湯流通管を備えることを特徴とする溶湯収容器。
  4. 非鉄金属の溶湯を収容するための収容部を備えた溶湯収容器であって、
    前記溶湯収容器の内壁面から前記収容部内へ突出され、溶湯の深さ方向に沿って連続又は断続して延びた凸条部を有し、
    前記凸条部の表面に対する前記溶湯の濡れ性は、前記内壁面に対する前記溶湯の濡れ性よりも小さいことを特徴とする溶湯収容器。
  5. 前記収容部の深さ方向に対して垂直な断面は、円形、又は五角以上の多角形であり、
    前記凸条部は、前記断面に3条以上を備え、
    隣り合った凸条部同士の根元間の最短距離L1が、前記隣り合った凸条部同士の頭頂間の最短距離L2より短い請求項に記載の溶湯収容器。
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