以下、本発明による通信システムおよび伝送路パラメータ設定方法を、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下では、必要に応じて、通信装置の送信端で設定する伝送路パラメータを送信伝送路パラメータと称し、受信端で設定する伝送路パラメータを受信伝送路パラメータと称す。ただし、送信伝送路パラメータと受信伝送路パラメータは、同じものである。
実施の形態1.
本実施の形態1における通信システムについて、図1および図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1における通信システムの構成例を示す構成図である。図2は、本発明の実施の形態1における通信装置1‐qの装置制御機能部12‐qの構成例を示す構成図である。
本実施の形態1における通信システムは、通信装置1‐q、通信装置1‐r、伝送路q‐r‐1および伝送路q‐r‐2を備える。なお、図1では、q=1、r=2である場合を例示している。また、以降では、通信装置1‐qおよび通信装置1‐rは、同様の構成であるので、通信装置1‐qを挙げて説明する。
通信装置1‐qは、通信機能部11‐qおよび装置制御機能部12‐qを有する。伝送路q‐r‐1は、通信装置1‐qの送信端(送信側通信装置)と、通信装置1‐rの受信端(受信側通信装置)とを接続する。また、伝送路q‐r‐2は、通信装置1‐rの送信端(送信側通信装置)と、通信装置1‐qの受信端(受信側通信装置)とを接続する。このように、通信装置1‐qと通信装置1‐rとの間で、下り方向通信が行われる際には伝送路q‐r‐1が用いられ、上り方向通信が行われる際には伝送路q‐r‐2が用いられる。
続いて、通信機能部11‐qの構成例について説明する。図1に示すように、通信機能部11‐qは、送信伝送路パラメータ設定部1111‐qを含む送信機能部111‐qと、受信伝送路パラメータ設定部1121‐qを含む受信機能部112‐qとを有する。
送信伝送路パラメータ設定部1111‐qには、送信機能部111‐qが伝送路q‐r‐1を介して信号を送信する場合に用いられる送信伝送路パラメータP1‐qを設定される。また、受信伝送路パラメータ設定部1121‐qには、受信機能部112‐qが伝送路q‐r‐2を介して信号を受信する場合に用いられる受信伝送路パラメータP2‐qが設定される。
続いて、装置制御機能部12‐qの構成例について説明する。図2に示すように、装置制御機能部12‐qは、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qおよび受信伝送路パラメータ制御部1212‐qを含む伝送路パラメータ制御部121‐qを有する。また、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信部タイマ12111‐qを含み、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信部タイマ12121‐qを含む。
伝送路パラメータ制御部121‐qは、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qおよび受信伝送路パラメータ制御部1212‐qを制御する。また、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信伝送路パラメータ設定部1111‐qを制御し、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信伝送路パラメータ設定部1121‐qを制御する。
送信部タイマ12111‐qは、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが送信伝送路パラメータP1‐qを決定する際に使用するタイマである。また、受信部タイマ12121‐qは、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが受信伝送路パラメータP2‐qを決定する際に使用するタイマである。
次に、本実施の形態1における通信装置1‐qが用いる通信フレーム2の構成例について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態1における通信装置1‐qが用いる通信フレーム2のフレームフォーマットの一例を示す説明図である。
図3に示すように、通信フレーム2のフレームフォーマットは、オーバヘッド領域201、受信機能部設定伝送路パラメータ指示領域202(以下では、指示領域202と省略することがある)およびペイロード領域203で構成される。
オーバヘッド領域201およびペイロード領域203は、それぞれ、各種通信規格で定義される領域である。また、指示領域202は、通信フレーム2を送信した通信装置1‐qの受信伝送路パラメータ設定部1121‐qに対して最適な受信伝送路パラメータP2‐qが設定されている場合にその値を示す領域である。
次に、本実施の形態1における通信システムの動作の概要について、通信装置1‐1と通信装置1‐2とが伝送路パラメータを調整する場合を例示して、先の図1を参照しながら説明する。
図1において、通信装置1‐1および通信装置1‐2は、伝送路1‐2‐1と伝送路1‐2‐2とを介して接続されており、伝送路1‐2‐1を用いて下り方向通信が行われ、伝送路1‐2‐2を用いて上り方向通信が行われる。
ここで、下り方向通信が行われる際には、送信機能部111‐1は、送信伝送路パラメータ設定部1111‐1に対して、伝送品質をある値にするための送信伝送路パラメータP1‐1を設定し、通信装置1‐2に信号を送信する。一方、受信機能部112‐2は、受信伝送路パラメータ設定部1121‐2に対して、受信伝送路パラメータP2‐2を設定し、通信装置1‐1から信号を受信する。
同様に、上り方向通信が行われる際には、送信機能部111‐2は、送信伝送路パラメータ設定部1111‐2に対して、伝送品質をある値にするための送信伝送路パラメータP1‐2を設定し、通信装置1‐1に信号を送信する。一方、受信機能部112‐1は、受信伝送路パラメータ設定部1121‐1に対して、受信伝送路パラメータP2‐1を設定し、通信装置1‐2から信号を受信する。
通信装置1‐1と通信装置1‐2とが正常に通信することができるためには、下り方向通信において、送信伝送路パラメータP1‐1と受信伝送路パラメータP2‐2とが同じ値である必要がある。また、上り方向通信において、送信伝送路パラメータP1‐2と受信伝送路パラメータP2‐1とが同じ値である必要がある。なお、本願発明においては、下り方向通信および上り方向通信のそれぞれにおいて最適な伝送路パラメータを特定するように構成されている。したがって、上り方向通信と下り方向通信とで最適な伝送路パラメータが同じシステムにも適用可能であるし、上り方向通信と下り方向通信とで最適な伝送路パラメータが異なるようなシステムにも適用可能である。
換言すると、下り方向通信のために、あるレベル以上の所望の伝送品質を保つのに最適であってかつ同じ値である送信伝送路パラメータP1‐1と受信伝送路パラメータP2‐2とを設定しなければならない。また、上り方向通信のために、あるレベル以上の所望の伝送品質を保つのに最適であってかつ同じ値である送信伝送路パラメータP1‐2と受信伝送路パラメータP2‐1とを設定しなければならない。したがって、通信装置1‐1および通信装置1‐2は、互いに通信を開始する際、初めに、下り方向通信および上り方向通信のそれぞれにおいて、伝送路パラメータのネゴシエーションを行う。なお、本願発明を適用するシステムによって、上り方向通信と下り方向通信とで最適な伝送路パラメータが同じ(すなわち、P1‐1=P2‐2=P1‐2=P2‐1である)場合もある。また、上り方向通信と下り方向通信とで最適な伝送路パラメータが異なる(P1‐1=P2‐2≠P1‐2=P2‐1)場合もある。
次に、下り方向通信の伝送路パラメータのネゴシエーションについて、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の実施の形態1における通信システムにおいて、通信装置1‐1と通信装置1‐2との間で行われるネゴシエーション動作を示すシーケンス図である。
なお、ここでは、上り方向通信の伝送路パラメータのネゴシエーション動作については、下り方向通信の伝送路パラメータのネゴシエーション動作と同様の動作が行われるので、説明を省略する。
ここで、図4において、通信フレーム2‐q‐n‐m(n=1,2,…,N m=0,1)は、通信装置1‐qが送信する先の図2に示したフォーマットの通信フレームである。すなわち、例えば、q=1であれば、通信装置1‐1が送信する通信フレームである。
また、図中の通信フレームにおいて、nは、送信伝送路パラメータP1‐qとしてpnが設定されていることを意味する。すなわち、例えば、n=1であれば、送信伝送路パラメータP1‐qとしてp1が設定されていることを意味する。さらに、図中の通信フレームにおいて、m=0は、受信伝送路パラメータP2‐qに設定するべき最適値を指示領域202に設定していないことを、m=1は、設定していることをそれぞれ意味する。
図4に示すように、ネゴシエーションが開始されると、送信機能部111‐1は、あらかじめ設定されたN個(Nは、1以上の整数)の送信伝送路パラメータP1‐1の候補値pn(n=1,2,…,N)を周期T_TXごとに順次変化させて1個ずつ設定しながら、通信フレーム2‐1‐n‐mを送信する。
ここで、受信伝送路パラメータP2‐2の最適値が決定されていなければ、通信フレーム2‐1‐n‐mの指示領域202に対して、無効値が設定される。なお、図4では、指示領域202に対して、無効値としてm=0が設定される場合を例示している。すなわち、無効値が設定された通信フレーム2‐1‐n‐mは、m=0として、通信フレーム2‐1‐n‐0と表現されている。なお、受信伝送路パラメータP2‐2の最適値が決定されていれば、無効値が設定されず、指示領域202に対して、m=1が設定される。
一方、受信機能部112‐2は、あらかじめ設定されたN個(Nは、1以上の整数)の受信伝送路パラメータP2‐2の候補値(n=1,2,…,N)を周期T_RXごとに順次変化させて1個ずつ設定しながら、通信フレーム2‐1‐n‐mを受信するともに受信時の伝送品質をそれぞれ測定する。なお、周期T_TXと周期T_RXとの関係については、T_TX>T_RXかつT_TX≦N×T_RXが成立する。
また、受信機能部112‐2は、伝送品質の測定結果に基づいて、受信伝送路パラメータP2‐2のN個の候補値pnの中から、最適な候補値を見つけ、見つけたその候補値を受信伝送路パラメータP2‐2の最適値として決定し固定する。同時に、送信機能部111‐2は、受信伝送路パラメータP2‐2の最適値が決定されたことと、決定された受信伝送路パラメータP2‐2の最適値とを示す通信フレーム2‐2‐n‐mを生成し、通信装置1‐1に送信する。
なお、図4では、受信機能部112‐2によって決定された受信伝送路パラメータP2‐2の最適値がpNである場合を例示している。この場合、受信機能部112‐2は、受信伝送路パラメータP2‐2の最適値が決定されたことを示すためにm=1とするとともに、決定された受信伝送路パラメータP2‐2の最適値がpNであることを示すためにn=Nとすることで、通信フレーム2‐2‐N‐1を生成し、通信装置1‐1に送信する。
受信機能部112‐1は、通信装置1‐2から通信フレーム2‐2‐n‐1を受信すれば、指示領域202に設定された受信伝送路パラメータP2‐2の最適値がpNであることを確認し、その値が送信伝送路パラメータP1‐1の最適値として、送信機能部111‐1に設定される。
このように、伝送路パラメータのネゴシエーションが行われた結果、通信装置1‐1の送信機能部111‐1は、送信伝送路パラメータ設定部1111‐1に対して、送信伝送路パラメータP1‐1の最適値としてpNを設定することとなる。一方、通信装置1‐2の受信機能部112‐2は、受信伝送路パラメータ設定部1121‐2に対して、受信伝送路パラメータP2‐2の最適値としてpNを設定することとなる。このように、最適であって、かつ同じ値である送信伝送路パラメータP1‐1と受信伝送路パラメータP2‐2とを設定することができる。
なお、図4では、送信伝送路パラメータP1‐1の値をN個設定するともに、受信伝送路パラメータP2‐2の値をN個設定し、これらの組み合わせN×N個の伝送品質測定結果に基づいて、受信伝送路パラメータP2‐2の最適値を特定する場合を例示したが、これに限定されない。すなわち、例えば、送信伝送路パラメータP1‐1および受信伝送路パラメータP2‐2のそれぞれの候補値の組み合わせのうちの、ある組み合わせにおいて特定の伝送品質測定結果が得られれば、N×N個の伝送品質測定を行わずに、特定の伝送品質測定結果が得られた段階で受信伝送路パラメータP2‐2の最適値を特定するように構成してもよい。このように、必ずしも、N×N個の伝送品質測定を行う必要はない。
また、図4では、周期T_TXと周期T_RXとの関係については、T_TX>T_RXかつT_TX≦N×T_RXが成立するように構成する場合を例示したが、T_RX>T_TXかつT_RX≦N×T_TXが成立するように構成してもよい。この場合、図4の例示とは反対に、受信機能部112‐2で受信伝送路パラメータP2‐2がp1からp2に変化するまでの周期T_RXの間に、送信機能部111‐1で周期T_TXごとに送信伝送路パラメータP1‐1がp1〜pNまで変化し、それぞれの伝送品質が測定されることとなる。
次に、通信装置1‐qと通信装置1‐rとの間でネゴシエーションを行う際の、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qの動作例の詳細について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施の形態1における通信装置1‐qの送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが伝送路q‐r‐1の送信伝送路パラメータP1‐qの最適値を決定する際の動作を示すフローチャートである。
はじめに、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qによって実行される、図5におけるフローチャートの各ステップの処理内容について説明する。ステップS501は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値探索を開始するステップである。
ステップS502は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域を決定するステップである。また、ステップS503は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、送信部タイマ12111‐qを起動または更新するステップである。
ステップS504は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、送信伝送路パラメータ設定部1111‐qに送信伝送路パラメータP1‐q=pnを設定するステップである。また、ステップS505は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qから受信したか否かを判定するステップである。
ステップS506は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、通信フレーム2の指示領域202にP2‐qの最適値を挿入するように、送信機能部111‐qに対して指示するステップである。また、ステップS507は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qから受信したか否かを判定するステップである。
ステップS508は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、通信フレーム2‐q‐n‐mを送信するように送信機能部111‐qに対して指示するステップである。また、ステップS509は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、送信部タイマ12111‐qが満了したか否かを判定するステップである。
ステップS510は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qから受信したか否かを判定するステップである。また、ステップS511は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、通信フレーム2‐q‐n_txopt‐0を送信するように、送信機能部111‐qに対して指示するステップである。
ステップS512は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、通信フレーム2の指示領域202に受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を挿入するように、送信機能部111‐qに対して指示するステップである。また、ステップS513は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、通信フレーム2‐q‐n_txopt‐1を送信するように、送信機能部111‐qに対して指示するステップである。
ステップS514は、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qが、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値探索を終了するステップである。
次に、通信装置1‐qの送信伝送路パラメータ制御部1211‐qの動作例について説明する。
送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、ネゴシエーションを開始すると(ステップS501)、送信伝送路パラメータP1‐qの候補値pn(n=1,2,…,N)を決定する(ステップS502)。なお、ここでは、候補値pnの範囲(試行値域)は、あらかじめ設定されたものを用いる。
続いて、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信部タイマ12111‐qを起動する(ステップS503)。なお、送信部タイマ12111‐qのタイマ値は、周期T_TXである。
送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信伝送路パラメータ設定部1111‐qに送信伝送路パラメータP1‐q=p1を設定する(ステップS504)。
続いて、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qから受信したか否かを判定する(ステップS505)。
そして、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を受信していない(すなわち、NO)と判定した場合には、ステップS507へと進む。一方、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を受信した(すなわち、YES)と判定した場合には、指示領域202に受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を挿入するように、送信機能部111‐qに対して指示し(ステップS506)、ステップS507へと進む。
送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値を、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qから受信したか否かを判定する(ステップS507)。
そして、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値を受信していない(すなわち、NO)と判定した場合には、通信フレーム2‐q‐n‐mを送信するように、送信機能部111‐qに対して指示し(ステップS508)、ステップS509へと進む。一方、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値を受信した(すなわち、YES)と判定した場合には、ステップS510へと進む。この場合、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qから受信した送信伝送路パラメータP1‐qの最適値を、pn_txoptとして決定する。
続いて、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信部タイマ12111‐qが満了したか否かを判定する(ステップS509)。
そして、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信部タイマ12111‐qが満了していない(すなわち、NO)と判定した場合には、ステップS505へと戻る。一方、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信部タイマ12111‐qが満了した(すなわち、YES)と判定した場合には、ステップS503へと戻る。この場合、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信部タイマ12111‐qを更新し(ステップS503)、送信伝送路パラメータP1‐qの次の候補値p2を送信伝送路パラメータ設定部1111‐qに設定する(ステップS504)。このように、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定するまで、送信伝送路パラメータP1‐qの候補値pnを、周期T_TXごとに繰り返し変化させる。
送信伝送路パラメータP1‐qの最適値がpn_txoptに決定すると(ステップS507)、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定しその決定した値を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qから受信したか否かを判定する(ステップS510)。
そして、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を受信していない(すなわち、NO)と判定した場合には、通信フレーム2‐q‐n_txopt‐0を送信するように、送信機能部111‐qに対して指示し(ステップS511)、ステップS510に戻る。このように、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定しない間においては、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、通信フレーム2‐q‐n_txopt‐0を送信するように、送信機能部111‐qに対して順次指示する。一方、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を受信した(すなわち、YES)と判定した場合には、ステップS512へと進む。この場合、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定することとなる。
続いて、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定すると(ステップS510)、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、指示領域202に受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を挿入するように、送信機能部111‐qに対して指示する(ステップS512)。
送信伝送路パラメータ制御部1211‐qは、通信フレーム2‐q‐n_txopt‐1を送信するように、送信機能部111‐qに対して指示し(ステップS513)、ネゴシエーションを終了する(ステップS514)。
次に、通信装置1‐qと通信装置1‐rとの間でネゴシエーションを行う際の、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qの動作例の詳細について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施の形態1における通信装置1‐qの受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが伝送路q‐r‐2の受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を決定する際の動作を示すフローチャートである。
はじめに、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qによって実行される、図6におけるフローチャートの各ステップの処理内容について説明する。ステップS601は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を開始するステップである。
ステップS602は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域を決定するステップである。また、ステップS603は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信部タイマ12121−qを起動または更新するステップである。
ステップS604は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信伝送路パラメータ設定部1121−qに受信伝送路パラメータP2−q=pnを設定するステップである。また、ステップS605は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信機能部112‐qが通信フレーム2‐r‐n‐mを受信した旨の通知を受けるステップである。
ステップS606は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、伝送品質測定を実施するように、受信機能部112‐qに対して指示するステップである。また、ステップS607は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定したか否かを判定するステップである。
ステップS608は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信部タイマ12121‐qが満了したか否かを判定するステップである。また、ステップS609は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信伝送路パラメータ設定部1121−qに受信伝送路パラメータP2−qの最適値を設定するステップである。
ステップS610は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信伝送路パラメータP2−qの最適値が決定した旨を送信伝送路パラメータ制御部1211‐qへ通知するステップである。また、ステップS611は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定したか否かを判定するステップである。
ステップS612は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信機能部112‐qが通信フレーム2‐r‐n‐mを受信した旨の通知を受けるステップである。また、ステップS613は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、送信伝送路パラメータP1−qの最適値が決定した旨を送信伝送路パラメータ制御部1211‐qへ通知するステップである。
ステップS614は、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を終了するステップである。
次に、通信装置1‐qの受信伝送路パラメータ制御部1212‐qの動作例について説明する。
受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、ネゴシエーションを開始すると(ステップS601)、受信伝送路パラメータP2‐qの候補値pn(n=1,2,…,N)を決定する(ステップS602)。なお、ここでは、候補値pnの範囲(試行値域)は、あらかじめ設定されたものを用いる。
続いて、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信部タイマ12121‐qを起動する(ステップS603)。なお、受信部タイマ12121‐qのタイマ値は、T_RXである。
受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信伝送路パラメータ設定部1121‐qに受信伝送路パラメータP2‐q=p1を設定する(ステップS604)。
続いて、受信機能部112‐qが通信フレーム2‐r‐n‐mを受信し(ステップS605)、伝送品質の測定を行うと(ステップS606)、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、伝送品質測定結果から受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定されているか否かを判定する(ステップS607)。
そして、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定されていない(すなわち、NO)と判定した場合には、ステップS608へと進む。一方、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定されている(すなわち、YES)と判定した場合には、ステップS609へと進む。この場合、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、伝送品質測定結果から決定された受信伝送路パラメータP2‐qの最適値を、pn_rxoptとして決定する。
受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信部タイマ12121‐qが満了したか否かを判定する(ステップS608)。
そして、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信部タイマ12121‐qが満了していない(すなわち、NO)と判定した場合には、ステップS605へと戻る。一方、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信部タイマ12121‐qが満了した(すなわち、YES)と判定した場合には、ステップS603へと戻る。この場合、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信部タイマ12121‐qを更新し(ステップS603)、受信伝送路パラメータP2‐qの次の候補値p2を受信伝送路パラメータ設定部1121‐qに設定する(ステップS604)。このように、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定するまで、受信伝送路パラメータP2‐qの候補値pnを、周期T_RXごとに繰り返し変化させる。
続いて、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値がpn_rxoptに決定すると(ステップS607)、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値pn_rxoptを受信伝送路パラメータ設定部1121‐qに設定する(ステップS609)。
受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信伝送路パラメータP2‐qの最適値が決定した旨とその値pn_rxoptとを、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qへ通知する(ステップS610)。
続いて、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、受信した通信フレーム2の指示領域202を確認し、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定されているか否かを判定する(ステップS611)。
そして、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定されていない(すなわち、NO)と判定した場合には、通信フレーム2‐r‐n‐mを受信し(ステップS612)、ステップS611へと戻る。このように、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定しない間においては、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、指示領域202の確認を繰り返す(ステップS611)。一方、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定されている(すなわち、YES)と判定した場合には、ステップS613へと進む。この場合、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定することとなる。
送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定すると(ステップS611)、受信伝送路パラメータ制御部1212‐qは、送信伝送路パラメータP1‐qの最適値が決定した旨とその値pn_txoptとを、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qへ通知し(ステップS613)、ネゴシエーションを終了する(ステップS614)。
以上、本実施の形態1によれば、送信端および受信端を有する通信装置を1対備え、一方の通信装置の送信端と他方の通信装置の受信端とが伝送路を介して互いに接続されている通信システムであって、一方の通信装置は、他方の通信装置と伝送路パラメータのネゴシエーションを行う場合に、あるレベル以上の所望の伝送品質を保つために自身の送信端で設定されるべき最適な伝送路パラメータの候補として、N個(Nは、1以上の整数)の候補伝送路パラメータを周期T_TXごとに順次変化させながら1個ずつ自身の送信端で設定するとともに、候補伝送路パラメータを1個ずつ設定するごとに他方の通信装置と通信をする。
また、他方の通信装置は、一方の通信装置と伝送路パラメータのネゴシエーションを行う場合に、所望の伝送品質を保つために自身の受信端で設定されるべき最適な伝送路パラメータの候補として、N個の候補伝送路パラメータを周期T_RXごとに順次変化させながら1個ずつ自身の受信端で設定するとともに、候補伝送路パラメータを1個ずつ設定するごとに一方の通信装置との通信の結果として伝送品質を測定し、伝送品質の測定結果に基づいて、N個の候補伝送路パラメータの中から、最適な伝送路パラメータを特定し、特定した最適な伝送路パラメータを自身の受信端で設定するとともに一方の通信装置に対して特定した最適な伝送路パラメータを通知する。
さらに、一方の通信装置は、他方の通信装置から最適な伝送路パラメータが通知された場合、通知された最適な伝送路パラメータを、自身の送信端で設定し、周期T_TXおよび周期T_RXの関係は、T_TX>T_RXかつT_TX≦N×T_RX、または、T_RX>T_TXかつT_RX≦N×T_TXを満たす。
これにより、他方の通信装置の受信機能部に対して、対向する一方の通信装置の送信機能部で設定されているものと同じ伝送路パラメータを設定しなければ品質測定ができないような通信システムにおいて、同じ伝送路パラメータを設定しなくても品質測定ができるように構成したので、送信機能部が伝送路パラメータを変更している間に品質測定を行うことが可能となり、伝送路パラメータのネゴシエーションが可能となる。また、上り方向通信と下り方向通信とで最適な伝送路パラメータが異なるような通信システムにおいても、ネゴシエーションが可能となり、上り方向および下り方向のそれぞれの方向の通信において、最適な伝送路パラメータをそれぞれ設定することができる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、ネゴシエーションを行う際の伝送路パラメータの候補値は、あらかじめ設定された値を全て用いるものである場合について説明した。これに対して、本発明の実施の形態2では、設定する伝送路の通信特性に応じて伝送路パラメータの候補値を絞り込む場合について説明する。
図7は、本発明の実施の形態2における通信装置1‐qの構成例を示す構成図である。本実施の形態2における通信装置1‐qは、送信機能部111‐qおよび受信機能部112‐qを含む通信機能部11‐qと、伝送路パラメータ制御部121‐qおよび伝送路管理部122‐qを含む装置制御機能部12‐qと、管理装置インタフェース部13‐qとを有する。
なお、本実施の形態2において、通信機能部11‐qと、装置制御機能部12‐qの伝送路パラメータ制御部121‐qとは、それぞれ、先の実施の形態1(先の図1)の構成と同様である。
装置制御機能部12‐qの伝送路管理部122‐qは、伝送路q‐r‐1および伝送路q‐r‐2の情報(以下では、伝送路情報と称すことがある)を管理する。
管理装置インタフェース部13−qは、通信装置1−qの外部に設けられる。また、管理装置インタフェース部13‐qは、複数の通信装置1−qから構成されるネットワークを管理する管理装置(図示せず)との通信を担う。
次に、本実施の形態2における通信装置1‐qの動作の概要について、先の実施の形態1における通信装置1‐qと比較しながら説明する。本実施の形態2における通信装置1‐qの動作について、基本的には、先の実施の形態1における通信装置1‐qの動作と同様である。ここで、先の実施の形態1と本実施の形態2との相違点としては、以下のようになる。
すなわち、先の実施の形態1では、先の図5、図6におけるフローチャートのステップS502およびステップS602にて、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qおよび受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、それぞれ、送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域を決定する際、その値域はあらかじめ設定されている値を用いていた。
これに対して、本実施の形態2では、ステップS502およびステップS602にて、管理装置から取得した伝送路情報に基づいて、送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域の絞り込みを行う。
次に、送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域の絞り込みについて、図8および図9を参照しながら説明する。図8は、本発明の実施の形態2における通信装置1‐qの装置制御機能部12‐qが、図5におけるステップS502にて、送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを行う際の動作を示すフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態2における通信装置1‐qの装置制御機能部12‐qが、図6におけるステップS602にて、受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを行う際の動作を示すフローチャートである。
はじめに、装置制御機能部12‐qによって実行される、図8におけるフローチャートの各ステップの処理内容について説明する。ステップS801は、装置制御機能部12‐qが送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを開始するステップである。
ステップS802は、伝送路管理部122‐qが管理装置インタフェース部13‐qを介して管理装置に伝送路q‐r‐1の情報を問い合わせるステップである。また、ステップS803は、伝送路管理部122‐qが管理装置から取得した伝送路q‐r‐1の情報を保持するステップである。
ステップS804は、伝送路管理部122‐qが管理装置から取得した伝送路q‐r‐1の情報に基づいて、送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を決定するステップである。また、ステップS805は、伝送路管理部122‐qが決定した送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を送信伝送路パラメータ制御部1211‐qに通知するステップである。
ステップS806は、装置制御機能部12‐qが送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを終了するステップである。
続いて、装置制御機能部12‐qによって実行される、図9におけるフローチャートの各ステップの処理内容について説明する。ステップS901は、装置制御機能部12‐qが受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを開始するステップである。
ステップS902は、伝送路管理部122‐qが管理装置インタフェース部13‐qを介して管理装置に伝送路q‐r‐2の情報を問い合わせるステップである。また、ステップS903は、伝送路管理部122‐qが管理装置から取得した伝送路q‐r‐2の情報を保持するステップである。
ステップS904は、伝送路管理部122‐qが管理装置から取得した伝送路q‐r‐2の情報に基づいて、受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を決定するステップである。また、ステップS905は、伝送路管理部122‐qが決定した受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qに通知するステップである。
ステップS906は、装置制御機能部12‐qが送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを終了するステップである。
次に、本実施の形態2における通信装置1‐qの装置制御機能部12‐qによる送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qのそれぞれの試行値の値域の絞り込みの動作例について説明する。
先の図5におけるステップS502では、図8に示すように、装置制御機能部12‐qが、送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを行う。
装置制御機能部12‐qが送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを開始すると(ステップS801)、伝送路管理部122‐qが管理装置インタフェース部13‐qを介して管理装置に伝送路q‐r‐1の情報を問い合わせる(ステップS802)。
続いて、伝送路管理部122‐qは、管理装置から伝送路q‐r‐1の情報を取得すると、それを保持する(ステップS803)。
伝送路管理部122‐qは、管理装置から取得した伝送路q‐r‐1の情報に基づいて、送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を決定する(ステップS804)。
なお、このときの試行値域の決定方法は、例えば、あらかじめ保持されている伝送路情報と試行値域との対応テーブルを検索する方法であってもよいし、伝送路情報をあらかじめ保持された数式の引数とすることで試行値域を算出する方法であってもよい。また、試行値域の決定方法はこれらの特定の方法に限定されず、管理装置から取得した伝送路q‐r‐1の情報に基づいて、送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を決定することができればどのような方法であってもよい。
続いて、伝送路管理部122‐qは、決定した送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を送信伝送路パラメータ制御部1211‐qに通知すると(ステップS805)、本動作フローを終了する(ステップS806)。
また、先の図6におけるステップS602では、図9に示すように、装置制御機能部12‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを行う。
装置制御機能部12‐qが受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを開始すると(ステップS901)、伝送路管理部122‐qが管理装置インタフェース部13‐qを介して管理装置に伝送路q‐r‐2の情報を問い合わせる(ステップS902)。
続いて、伝送路管理部122‐qは、管理装置から伝送路q‐r‐2の情報を取得すると、それを保持する(ステップS903)。
伝送路管理部122‐qは、管理装置から取得した伝送路q‐r‐2の情報に基づいて、受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を決定する(ステップS904)。
なお、このときの試行値域の決定方法は、例えば、あらかじめ保持されている伝送路情報と試行値域との対応テーブルを検索する方法であってもよいし、伝送路情報をあらかじめ保持された数式の引数とすることで試行値域を算出する方法であってもよい。また、試行値域の決定方法はこれらの特定の方法に限定されず、管理装置から取得した伝送路q‐r‐2の情報に基づいて、受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を決定することができればどのような方法であってもよい。
続いて、伝送路管理部122‐qは、決定した受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qに通知すると(ステップS905)、本動作フローを終了する(ステップS906)。
以上、本実施の形態2によれば、一対の通信装置を含んで構成されるネットワークを管理する管理装置をさらに備え、一方の通信装置および他方の通信装置のそれぞれは、管理装置と通信し、管理装置から伝送路の通信特性に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、順次変化させる候補伝送路パラメータの値域を絞り込む。
これにより、先の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、管理装置から取得した伝送路の情報に基づいて、各伝送路パラメータの試行値域の絞り込みを行うことにより、ネゴシエーションに要する時間を短縮することが可能となる。
実施の形態3.
先の実施の形態2では、管理装置から伝送路の情報を取得することで、先の図5におけるステップS502、先の図6におけるステップS602にて伝送路パラメータの候補値を絞り込む場合について説明した。これに対して、本発明の実施の形態3では、伝送路に収容される信号の特性情報を通信装置自身から得ることで、その情報に応じて伝送路パラメータの候補値を絞り込む場合について説明する。
図10は、本発明の実施の形態3における通信装置1‐qの構成例を示す構成図である。本実施の形態3における通信装置1‐qは、送信機能部111‐qおよび受信機能部112‐qを含む通信機能部11‐qと、伝送路パラメータ制御部121‐qおよび伝送路管理部122‐qを含む装置制御機能部12‐qと、クライアント信号送信機能部141‐qおよびクライアント信号受信機能部142‐qを含むクライアント信号収容機能部14‐qとを有する。
なお、本実施の形態3において、通信機能部11−qと、装置制御機能部12‐qとは、それぞれ、先の実施の形態2(先の図7)の構成と同様である。
クライアント信号収容機能部14‐qは、通信装置1−qの外部に設けられる。また、クライアント信号収容機能部14‐qは、通信フレーム2のペイロード領域203にその信号を収容されるクライアント装置(図示せず)の信号を収容する。
クライアント信号収容機能部14‐qのクライアント信号送信機能部141‐qは、クライアント装置に対して信号を送信する。また、クライアント信号受信機能部142‐qは、クライアント装置から信号を受信する。
次に、本実施の形態3における通信装置1‐qの動作の概要について、先の実施の形態1における通信装置1‐qと比較しながら説明する。本実施の形態3における通信装置1‐qの動作について、基本的には、先の実施の形態1における通信装置1‐qの動作と同様である。ここで、先の実施の形態1と本実施の形態3との相違点としては、以下のようになる。
すなわち、先の実施の形態1では、先の図5、図6におけるフローチャートのステップS502およびステップS602にて、送信伝送路パラメータ制御部1211‐qおよび受信伝送路パラメータ制御部1212‐qが、それぞれ、送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域を決定する際、その値域はあらかじめ設定されている値を用いていた。
これに対して、本実施の形態3では、ステップS502およびステップS602にて、クライアント信号収容機能部14‐qから取得したクライアント信号の情報に基づいて、送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域の絞り込みを行う。
次に、送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qの最適値探索を行う際に試行する値の値域の絞り込みについて、図11および図12を参照しながら説明する。図11は、本発明の実施の形態3における通信装置1‐qの装置制御機能部12‐qが、図5におけるステップS502にて、送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを行う際の動作を示すフローチャートである。図12は、本発明の実施の形態3における通信装置1‐qの装置制御機能部12‐qが、図6におけるステップS602にて、受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを行う際の動作を示すフローチャートである。
はじめに、装置制御機能部12‐qによって実行される、図11におけるフローチャートの各ステップの処理内容について説明する。ステップS1101は、装置制御機能部12‐qが送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを開始するステップである。
ステップS1102は、伝送路管理部122‐qがクライアント信号受信機能部142−qにクライアント装置から受信しているクライアント信号の情報を問い合わせるステップである。また、ステップS1103は、伝送路管理部122‐qがクライアント信号受信機能部142−qから取得したクライアント装置から受信しているクライアント信号の情報を保持するステップである。
ステップS1104は、伝送路管理部122‐qがクライアント装置から受信しているクライアント信号の情報に基づいて、対応する伝送路の送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を決定するステップである。また、ステップS1105は、伝送路管理部122‐qが決定した送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を送信伝送路パラメータ制御部1211‐qに通知するステップである。
ステップS1106は、装置制御機能部12‐qが送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを終了するステップである。
続いて、装置制御機能部12‐qによって実行される、図12におけるフローチャートの各ステップの処理内容について説明する。ステップS1201は、装置制御機能部12‐qが受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを開始するステップである。
ステップS1202は、伝送路管理部122‐qがクライアント信号送信機能部141−qにクライアント装置へ送信しているクライアント信号の情報を問い合わせるステップである。また、ステップS1203は、伝送路管理部122‐qがクライアント信号送信機能部141−qから取得したクライアント装置へ送信しているクライアント信号の情報を保持するステップである。
ステップS1204は、伝送路管理部122‐qがクライアント装置へ送信しているクライアント信号の情報に基づいて、対応する伝送路の受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を決定するステップである。また、ステップS1205は、伝送路管理部122‐qが決定した受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qに通知するステップである。
ステップS1206は、装置制御機能部12‐qが受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを終了するステップである。
次に、本実施の形態3における通信装置1‐qの装置制御機能部12‐qによる送信伝送路パラメータP1‐qおよび受信伝送路パラメータP2‐qのそれぞれの試行値の値域の絞り込みの動作例について説明する。
先の図5におけるステップS502では、図11に示すように、装置制御機能部12‐qが、送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを行う。
装置制御機能部12‐qが送信伝送路パラメータP1‐qの試行値の値域の絞り込みを開始すると(ステップS1101)、伝送路管理部122‐qがクライアント信号受信機能部142−qに、クライアント信号受信機能部142−qでクライアント装置から受信しているクライアント信号の情報を問い合わせる(ステップS1102)。
続いて、伝送路管理部122‐qは、クライアント信号受信機能部142−qから、受信しているクライアント信号の情報を取得すると、それを保持する(ステップS1103)。
伝送路管理部122‐qはクライアント信号受信機能部142−qから取得した、受信しているクライアント信号の情報に基づいて、対応する伝送路の送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を決定する(ステップS1104)。
なお、このときの試行値域の決定方法は、例えば、あらかじめ保持されているクライアント信号情報と試行値域との対応テーブルを検索する方法であってもよいし、クライアント信号情報をあらかじめ保持された数式の引数とすることで試行値域を算出する方法であってもよい。また、試行値域の決定方法はこれらの特定の方法に限定されず、クライアント信号受信機能部142−qから取得した、受信しているクライアント信号の情報に基づいて、対応する伝送路の送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を決定することができればどのような方法であってもよい。
続いて、伝送路管理部122‐qは、決定した送信伝送路パラメータP1‐qの試行値域を送信伝送路パラメータ制御部1211‐qに通知すると(ステップS1105)、本動作フローを終了する(ステップS1106)。
また、先の図6におけるステップS602では、図12に示すように、装置制御機能部12‐qが、受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを行う。
装置制御機能部12‐qが受信伝送路パラメータP2‐qの試行値の値域の絞り込みを開始すると(ステップS1201)、伝送路管理部122‐qがクライアント信号送信機能部141−qに、クライアント信号送信機能部141−qでクライアント装置へ送信しているクライアント信号の情報を問い合わせる(ステップS1202)。
続いて、伝送路管理部122‐qは、クライアント信号送信機能部141−qから、送信しているクライアント信号の情報を取得すると、それを保持する(ステップS1203)。
伝送路管理部122‐qは、クライアント信号送信機能部141−qから取得した、送信しているクライアント信号の情報に基づいて、対応する伝送路の受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を決定する(ステップS1204)。
なお、このときの試行値域の決定方法は、例えば、あらかじめ保持されているクライアント信号情報と試行値域との対応テーブルを検索する方法であってもよいし、クライアント信号情報をあらかじめ保持された数式の引数とすることで試行値域を算出する方法であってもよい。また、試行値域の決定方法はこれらの特定の方法に限定されず、クライアント信号送信機能部141−qから取得した、送信しているクライアント信号の情報に基づいて、対応する伝送路の受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を決定することができればどのような方法であってもよい。
続いて、伝送路管理部122‐qは、決定した受信伝送路パラメータP2‐qの試行値域を受信伝送路パラメータ制御部1212‐qに通知すると(ステップS1205)、本動作フローを終了する(ステップS1206)。
以上、本実施の形態3によれば、 クライアント装置をさらに備え、一方の通信装置および他方の通信装置のそれぞれは、クライアント装置に対して第1のクライアント信号を送信するともに、クライアント装置から第2のクライアント信号を受信し、第1のクライアント信号および第2のクライアント信号の情報に基づいて、順次変化させる候補伝送路パラメータの値域を絞り込む。
これにより、先の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、通信装置自身から得た伝送路に収容される信号の特性情報に基づいて、各伝送路パラメータの試行値域の絞り込みを行うことにより、ネゴシエーションに要する時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施の形態1〜3では、本願発明を有線通信システムへ適用する場合を例示して説明したが、本願発明を適用することが可能な通信システムは、この限りではなく、例えば、無線通信システムへ適用してもよい。