JP6310832B2 - 板状発泡体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、板状発泡体及びその製造方法に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂組成物をサーキュラーダイから水平方向に押出発泡させて筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内部が冷え切らない内にピンチロール等で上下方向から挟んで内面どうしを熱融着させて板状の発泡体を形成させることが行われている。
この種の板状発泡体は、軽量でありながら強度に優れることから、例えば、展示用パネルの台紙や折箱などの形成材料として広く用いられている(下記特許文献1参照)。
特開2009−221365号公報
しかし、従来の板状発泡体は、板状発泡体を製造すると、カールが発生している場合がある。このようにカールが発生していると、不良品として廃棄されたりするため、製造効率が低いものとなり、また、資源消費の増大をもたらすものとなる。また、特に軽量の板状発泡体ほどカールが発生し易い。
上記事情に鑑み、本発明は、カールが抑制された板状発泡体及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意研究を行ったところ、ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともにサーキュラーダイから押出発泡させて筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体を挟圧して該発泡体の内面を熱融着させて板状発泡体を製造する際、外気温度の影響によってサーキュラーダイから押出された筒状の発泡体の周方向において冷却状態に差が生じ、これに起因して延伸度合いに差が生じることを見出した。具体的には、上側の部分よりも下側の部分の方がより冷却され、より延伸され難い下側の部分が収縮しようとして、カールが発生する傾向にあることを見出した。また、特に、冬場では、この傾向が顕著に現れることを見出した。さらに、密度0.035g/cm〜0.110g/cmといった比較的軽量のポリスチレン系板状発泡体において、特に上記冷却状態に差が生じやすく、カールが発生し易いことを見出した。
かかる知見に基づいて本発明者らがさらに鋭意研究を行ったところ、サーキュラーダイから筒状に押出発泡させた直後の筒状の発泡体の外表面温度の差を特定の範囲に調整しつつ板状発泡体を製造することによって、カールが抑制された板状発泡体が得られることを見出した。また、このようにカールが抑制された板状発泡体では、両面側での表面密度の差が特定の範囲にあることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る板状発泡体は、
ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともにサーキュラーダイから押出発泡させて筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体を挟圧して該発泡体の内面を熱融着させて形成された板状発泡体であって、
全体の密度が0.035g/cm〜0.110g/cmであり、
外表面から0.2mmまでの領域の表層密度が0.080g/cm〜0.300g/cmであり、
両面側間の前記表層密度の差が0.010g/cm未満である。
ここで、「表層密度の差」とは、絶対値としての差を意味する。
かかる構成によれば、全体の密度が上記範囲内であり、且つ、両面側での表面密度の差が上記範囲内であることによって、カールが抑制された板状発泡体となる。
本発明に係る板状発泡体の製造方法は、
ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともにサーキュラーダイから押出発泡させて筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体を挟圧して該発泡体の内面を熱融着させて板状発泡体を製造する板状発泡体の製造方法であって、
前記サーキュラーダイから押出発泡させた直後における前記筒状の発泡体の周方向の外表面温度差が2℃以内になるように温度調整を行う。
ここで、「前記サーキュラーダイから押出発泡させた直後における前記筒状の発泡体の周方向の外表面温度」とは、サーキュラーダイの吐出口から押出方向下流側に2cm離れた位置で測定した筒状の発泡体の外表面温度を意味し、「外表面温度の差」とは、最も高い外表面温度と最も低い外表面温度との差の絶対値を意味する。
かかる構成によれば、サーキュラーダイから筒状に押出発泡させた直後の周方向の外表面温度差が上記範囲内になるように温度調整を行うことによって、両面側で表面密度の差が比較的小さい板状発泡体を製造することが可能となる。これにより、カールが抑制された板状発泡体を製造することが可能となる。特に、全体の密度が0.035g/cm〜0.110g/cmといった軽量の板状発泡体を製造する態様を採用した場合には、カールが発生し易い場合であっても、カールが抑制された板状発泡体を製造することが可能となるため、当該製造方法の有用性が一層高くなる。
上記構成の板状発泡体の製造方法においては、
前記サーキュラーダイの吐出口から前記筒状の発泡体の最大径に到達するまでの距離をLとしたとき、前記吐出口からL/10以上の長さの範囲で前記筒状の発泡体を覆う保温部材を用いて前記温度調整を行うことが好ましい。
ここで、「前記サーキュラーダイの吐出口からL/10以上の長さの範囲」とは、サーキュラーダイの吐出口と、該吐出口から押出方向下流側にL/10以上離れた位置との間の範囲を意味する。
かかる構成によれば、より簡便、且つ確実に上記温度調整を行うことが可能となる。これにより、より簡便、且つ確実にカールが抑制された板状発泡体を製造することが可能となる。
本発明によれば、カールが抑制された板状発泡体及びその製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係るポリスチレン系板状発泡体の製造方法を実施するための装置例を示す概略側面図 本実施形態のポリスチレン系板状発泡体の製造方法を実施するための装置例を示す概略平面図 図1の部分拡大図 板状発泡体がカールした状態を示す概略側面図
本発明の一実施形態に係る板状発泡体及びその製造方法について、以下、図面を参照しつつ説明する。
また、ここでは、本実施形態の板状発泡体の製造方法を説明しつつ、該製造方法によって製造された本実施形態の板状発泡体について説明する。
まず、本実施形態の板状発泡体の製造方法を実施するための装置について説明する。
なお、図1〜図3において、矢印Xは押出方向、すなわち、発泡体の進行方向を示している。また、矢印Y方向は幅方向、すなわち、押出方向(発泡体の進行方向)と垂直な方向を示している。本実施形態では、押出方向として水平方向、を採用するが、押出方向は、水平方向に限定されるものではない。
また、図1、図2において、符号100はサーキュラーダイであり、該サーキュラーダイ100よりも上流側の押出機等の装置については説明を省略する。
図1、図2に示されるように、本実施形態に係る板状発泡体の製造装置には、ポリスチレン系樹脂組成物を押出発泡させて筒状の発泡体(以下「筒状発泡体」ともいう)200を形成させるようにサーキュラーダイ100が配されており、該サーキュラーダイ100はその円環状の吐出口100aを水平方向に向けて配されている。
即ち、前記サーキュラーダイ100は、前記吐出口100aの中心を通る水平な仮想線を中心とした円筒状に前記筒状発泡体200を押出発泡させ得るように配されている。
本実施形態に係る板状発泡体の製造装置は、一対のピンチロール101と、引取り装置104とをさらに有している。一対のピンチロール101は、前記サーキュラーダイ100から押出された筒状発泡体200を該サーキュラーダイ100の押出方向前方において上下から挟み込んで圧力をかけ(挟圧して)、該発泡体200の挟圧部分よりも上半分201(以下「上シート201」ともいう)と下半分202(以下「下シート202」ともいう)との内面を熱融着させて1枚の板状発泡体203とするものである。引取り装置104は、一対のピンチロール101と、該ピンチロール101で形成された板状発泡体203をピンチロール101の下流側で引取るものである。なお、本実施形態では、筒状発泡体200を挟圧する手段として一対のピンチロール101を採用したが、該挟圧手段は、該一対のピンチロール101に限定されるものではない。
また、本実施形態に係る板状発泡体の製造装置は、前記サーキュラーダイ100から押出された直後の筒状発泡体200の外表面を保温するための保温部材103と、上下複数対からなるガイドローラー102を備えている。ガイドローラー102は、保温部材103によって保温された筒状発泡体200をピンチロール101まで案内する。
さらに、本実施形態に係る板状発泡体の製造装置は、穿孔装置106を前記ピンチロール101と前記ガイドローラー102との間に備えている。穿孔装置106は、前記ピンチロール101によって筒状発泡体200の内面を熱融着させるのに際して当該筒状発泡体200の内部の気体を外部に逃がすためのガス抜き穴を筒状発泡体200の左右において穿設するためのものである。該穿孔装置106は、回転可能なローラーに周設された複数の針状物を備えている。該穿孔装置106は、針状物によって穿孔されたガス抜き穴が、筒状発泡体200の折り返し部分2011、2012に位置するように、筒状発泡体200の左右に1つずつ配されることが望ましい。
保温部材103は、筒状発泡体200から放散された熱が、外部環境に流出することを抑制しつつ、外部環境から筒状発泡体200へと向かう比較的冷たい空気の流れを抑制することによって、筒状発泡体200を保温するものである。
この保温部材103によって、筒状発泡体200から熱が逃げることを抑制し、冷却の原因となる空気が筒状発泡体200に接触することを抑制しつつ、筒状発泡体200と保温部材103との間に空気を滞留させることができる。これにより、筒状発泡体200の周方向において冷却のバラツキが発生することを抑制して、筒状発泡体の周方向における外表面温度のバラツキを抑制できる。
本実施形態では、保温部材103は筒状に形成されており、具体的には円筒状に形成されている。また、保温部材103は、押出方向上流側の端面がサーキュラーダイ100の吐出口100aと面一となるように配され、且つ、該吐出口100aから押出方向下流側に向かって延在するように配されている。
保温部材103の直径及び長さは、押出発泡直後の筒状発泡体200の上側と下側の外表面温度が2℃以内となるように適宜設計することができる、その寸法及び配置は特に限定されるものではない。なお、上側の外表面温度は、筒状発泡体200における一対のピンチロール102のニップ部(筒状発泡体200の挟圧された部分)よりも上方の部分の外表面温度を意味する。下側の外表面温度は、筒状発泡体200における一対のピンチロール102のニップ部よりも下方の部分の外表面温度を意味する。また、それぞれの部分における吐出口100aから押出方向下流側に2cm離れた位置での外表面温度を意味する。該外表面温度は、保温部材103と筒状発泡体200との間に非接触式の表面温度測定計を挿入して測定し得る。
保温部材103の直径は、筒状発泡体200の最大径(最大直径)Rに対し、絶対値として20%以上であることが好ましく、50%以上110%以下であることがより好ましい。
例えば保温部材103は、図3に示すように、サーキュラーダイ100の吐出口100aから筒状発泡体200の最大径に到達するまでの距離をLとしたとき、サーキュラーダイ100の吐出口100aからL/10以上の長さの範囲で、筒状発泡体200を覆うことが好ましい。
具体的には、サーキュラーダイ100の吐出口100aと、押出方向下流側(図1、図3の右側)に該吐出口100aからL/10以上離れた位置との間の範囲で、筒状発泡体200を覆うことが好ましい。
また、サーキュラーダイ100の吐出口100aからL/10以上L/1.25以下の長さで該筒状発泡体200を覆うことがより好ましく、L/3.5以上L/1.5以下の長さがさらに好ましい。
なお、図1〜図3では、保温部材が、サーキュラーダイ100の吐出口100aからこれよりも押出方向下流側に向けて延在している態様を示す。
また、筒状発泡体200と保温部材103との間隔は、保温部材103が筒状発泡体200の膨張の妨げにならず、保温作用を発揮し得るように適宜設定されればよい。例えば、筒状発泡体200と保温部材103とを最短で結ぶ距離が、5cm〜30cmであることが好ましく、10cm〜20cmであることがより好ましい。
また、保温部材103は、吐出口100aの押出方向下流側の位置に配されることが好ましい。
また、筒状発泡体200の材質は特に限定されるものではないが、局所的な冷却を防止する点で、熱伝導率の低い素材によって形成されていることが好ましい。
なお、本実施形態では、保温部材103は、円筒状に形成されたものを採用したが、その形状は、筒状発泡体200を覆って上記外表面温度の差を2℃以内に調整可能であれば、特に限定されるものではない。
上記した製造装置を用いる本実施形態の板状発泡体の製造方法は、
ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともにサーキュラーダイ100から押出発泡させて筒状発泡体200を形成させた後、該発泡体200を挟圧して該発泡体200の内面を熱融着させて形成された板状発泡体203の製造方法であって、
前記サーキュラーダイ100から筒状に押出発泡させた直後の前記筒状発泡体200の周方向の外表面温度差が2℃以内になるように温度調整を行う。
具体的には、本実施形態では、上記製造装置にポリスチレン系樹脂と発泡剤とを含有するポリスチレン系樹脂組成物を供して、サーキュラーダイ100の上流側に設けた押出機でポリスチエン系樹脂を発泡剤とともに溶融混練し、該溶融混練物をサーキュラーダイ100の円環状の吐出口100aから押出発泡させて筒状発泡体200を形成させる。
また、本実施形態では、サーキュラーダイ100から筒状に押出発泡させた直後、すなわち、吐出口100aから押出方向下流側に2cm離れた位置Sでの筒状発泡体200の上半分201の最上部と下半分の最下部との間の外表面温度の差が2℃以内になるように温度調整を行う。
なお、本実施形態では、上半分201の最上部と下半分202の最下部との間の外表面温度の差を測定し、この差を調整する態様を示すが、筒状発泡体200の周方向における外表面温度の測定位置は、特に限定されるものではなく、予備実験等によって適宜設定すればよく、周方向全体にわたって外表面温度を測定してもよい。
また、本実施形態では、上記保温部材103を用いることによって、上記外表面温度の差が2℃以内に維持されるようにする。より具体的には、上述したように、筒状発泡体200の最大径(直径)Rに到達するまでの距離をLとしたとき、サーキュラーダイ100の吐出口100aからL/10以上の長さの範囲で筒状発泡体200を覆う円筒状の保温部材103を用いて、上記外表面温度の差を2℃以内に維持させる。また、上述したように、上記外表面温度差を2℃以内に維持させるように保温部材103の形状、直径や幅等を、適宜設定すればよい。
本実施形態の製造方法を用いて製造される板状発泡体203としては、該板状発泡体203の用途などによっても異なるものではあるが、例えば、ポリスチレン系樹脂と気泡調整剤とを含有するポリスチレン系樹脂組成物を発泡剤で全体の密度が0.035g/cm〜0.110g/cm、好ましくは0.040g/cm〜0.090g/cm、より好ましくは0.048g/cm〜0.075g/cmとなるように発泡させた板状発泡体203が挙げられる。また、このように発泡させた板状発泡体としては、厚み1mm以上15mm以下、好ましくは3mm〜10mmの厚みを有する、長さ(押出方向長さ)500mm以上2500mm以下、幅(押出方向と垂直な方向の長さ)500mm以上1500mm以下の板状発泡体203が挙げられる。
なお、板状発泡体203の全体の密度、厚み、長さ及び幅は、後述する実施例に示す方法によって測定した値である。
本実施形態の板状発泡体の製造方法に用いられるポリスチレン系樹脂組成物に含有されるポリスチレン系樹脂としては、樹脂芳香族ビニル単量体を主構成単位として形成される単独又は共重合体が挙げられる。ポリスチレン系樹脂を形成するための芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレンなどが例示できる。これらの芳香族ビニル単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの単量体のうち、通常、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど、特にスチレンが使用される。
前記芳香族ビニル単量体は、共重合可能な単量体と組み合わせて使用してもよい。共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物、イミド系単量体、アクリル系単量体が例示できる。
なお、前記ポリスチレン系樹脂組成物に添加される、このようなポリスチレン系樹脂以外の、気泡調整剤、発泡剤、及び、各種添加剤については、従来の板状発泡体の製造において用いられているものと同様のものを採用することができる。
例えば、前記気泡調整剤としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレン、などの有機化合物などが採用可能である。
また、前記発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタンなどの炭化水素が採用可能であり、他に、水、ジメチルエーテル、塩化メチル、塩化エチル、窒素、二酸化炭素、アルゴン等を採用することも可能である。
前記発泡剤としては、熱分解してガスを発生させる化合物粒子を採用することも可能であり、該化合物粒子としては、例えば、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物などを用いることができる。
さらに、その他の添加剤としては、例えば、耐候剤や老化防止剤といった各種安定剤、滑剤などの加工助剤、スリップ剤、防曇剤、帯電防止剤といった機能性薬剤、顔料、香料などが挙げられる。
本実施形態の板状発泡体203は、上記製造装置に上記のような成分を含んだポリスチレン系樹脂組成物を供して作製することができ、前記サーキュラーダイ100の上流側に設けた押出機で前記ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともに溶融混練し、該溶融混練物をサーキュラーダイ100の円環状の吐出口100aから押出発泡させて筒状発泡体200を形成させた後、前記筒状発泡体200の内面が冷え切らない内にピンチロール101で上下から挟んで該筒状発泡体200の内面を熱融着させ、このとき、例えば保温部材103を用いてサーキュラーダイから筒状に押出発泡させた直後の筒状発泡体200の周方向の外表面温度差が2℃以内になるように温度調整を行う方法を採用して、作製されることができる。
本実施形態の板状発泡体203は、全体の密度が0.035g/cm〜0.110g/cmであり、外表面から0.2mmまでの領域の表層密度が0.080g/cm〜0.300g/cmであり、両面側間の前記表層密度の差が0.010g/cm未満である。
全体の密度は、後述する実施例に記載された方法で測定することができる。
板状発泡体203の表層密度も、後述する実施例に記載された方法で測定することができる。
また、上記表層密度が測定される板状発泡体203の外表面は、上述した上半分(上シート)201の外表面(上面)側及び下半分(下シート)203の外表面(下面)である。また、上記両面側における表層密度の差は、上シート201の外表面から0.2mmまでの領域の表層密度と、下シート203の外表面から0.2mmまでの領域の表層密度との差である。
本実施形態の板状発泡体203は、その密度が0.035g/cm〜0.110g/cmであることによって、板状発泡体203がより軽量なものとなる。また、板状発泡体の実使用時のハンドリング及び、強度の観点から、全体の密度が0.040g/cm〜0.090g/cmであることが好ましく、0.048g/cm〜0.075g/cmであることがより好ましい。
板状発泡体203の全体の密度は、後述する実施例に記載された方法で測定し得る。
本実施形態の板状発泡体203は、その外表面から0.2mmまでの領域の表層密度が0.080g/cm〜0.300g/cmであり、その両面側における表層密度の差が0.010g/cm未満であることによって、カールが抑制されたものとなる。また、全体の密度が0.035g/cm〜0.110g/cmと比較的軽量であり、カールが発生し易い板状発泡体203であっても、カールが抑制されたものとすることができる。
カールをより抑制するという観点から、上記外表面から0.2mmまでの表層密度は、好ましくは0.100g/cm〜0.260g/cmであり、より好ましくは0.120g/cm〜0.240g/cmである。
また、同様の観点から、上記表層密度の差は、好ましくは0.008g/cm以下、より好ましくは0.005g/cm以下である。
本実施形態では、上記製造方法によって製造された板状発泡体を示すが、本発明の板状発泡体は、上記製造方法以外の製造方法によって製造されてもよい。
なお、本実施形態の製造方法によって得られる板状発泡体は、軽量でありながらもカールが抑制されており、展示パネルの台紙などに好適な板状発泡体を、資源消費を抑制しつつ提供することができる。
なお、本実施形態の板状発泡体の製造方法によって作製される板状発泡体は、特にその用途を展示パネルの台紙に限定するものではなく、各種用途に用いることができるものであり、本発明は上記例示に限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<使用原料>
ポリスチレン樹脂:商品名「HRM−48」、東洋スチレン社製
<保温部材>
直径64cmであり、幅を表1のように変更した円筒状の保温部材を用いた。また、保温部材を、その押出方向上流側の端面がサーキュラーダイの吐出口と面一になるように配した。
<実施例1〜7>
2台の押出機が連結されたタンデム押出機の上流側の押出機にポリスチレン樹脂と気泡調整剤であるタルクとを前記ポリスチレン樹脂100質量部に対するタルクの割合が1.5質量部となるようにして供給し、この上流側の押出機に前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が4.5質量部となる割合で発泡剤であるブタンを圧入して該押出機内で溶融混練し、この溶融混練物を連続的に下流側の押出機に供給し、該下流側の押出機で樹脂温度を150℃に冷却して、押出機先端に取り付けたサーキュラーダイより押出発泡させ、筒状の発泡体を形成させた。サーキュラーダイと一対のピンチロールのニップ部との最短距離を150mmに設定した。
形成させた筒状発泡体は押出直後に保温部材を用いて外表面温度の差を調整しつつ、ピンチロールに導入させた。
また、穿孔装置によってガス抜き穴を穿設させつつ前記筒状発泡体を当該ピンチロールで上下から挟んで内面を熱融着させ1枚の板状発泡体とした。
また、製造中、押出発泡直後の発泡体の外表面温度、筒状発泡体の最大径R及び、サーキュラーダイの吐出口から該最大径に到達するまでの距離Lを、下記のようにして測定した。結果を表1に示す。
(外表面温度の測定)
押出発泡直後の発泡体の外表面温度、すなわち、吐出口から押出方向下流側に2cm離れた位置での筒状発泡体の最上部と最下部の外表面温度を、堀場製作所社製放射温度計IT−550を用いて測定した。なお、予備実験により、最も外表面温度が高い部分として最上部、最も外表面温度が低い部分として最下部を選択した。
(最大径Rの測定)
吐出口100aから押出方向下流側にあるピンチロール101までの範囲において、吐出口100aから押出発泡させて形成された筒状発泡体200の最大幅(水平方向の最大幅)を最大径Rとした。
(距離Lの測定)
吐出口100aから上記最大径Rまでの最短距離を距離Lとした。
<比較例1〜6>
保温部材を用いないこと以外は実施例1〜6と同様にして、比較例1〜6の板状発泡体を製造した。また、上記と同様にして、最大径R及び距離Lを測定した。結果を表1に示す。
<板状発泡体の特性>
下記のようにして、実施例1〜6及び比較例1〜6で得られた板状発泡体の特性値を測定した。結果を表1に示す。
(板状発泡体の全体の密度)
JIS K 7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」に基づいて測定した。
(板状発泡体の厚み)
板状発泡体の幅方向の両端20mmを除いた部分を、幅方向50mm間隔の位置を測定点とした。この測定点をダイヤルシックネスゲージSM−112(テクロック社製)を使用し、厚みを最小単位0.1mmまで測定した。この測定値の平均値を、板状積層体の厚み〔mm〕とした。
(板状発泡体の表層密度)
板状発泡体の上表面側及び下表面側の表層密度を、下記のようにして測定した。
スライサー(フォーチュナ社(ドイツ)製スプリッティングマシン、型式AB−320−D)にて、試験片を外表面より0.2mmの厚みにスライスしたものを幅25mm、長さ150mmにカットした後、その質量と体積を測定し、下記の計算式より表層密度を算出した。
表層密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(mm)×10
ただし、測定用試験片は、成形後の72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃・50RH%±5RH%、または27℃±2℃・65RH%±5RH%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
(板状発泡体の両面側の表層密度の差)
上述のようにして測定した両面側の表層密度から、その差の絶対値を算出した。
(カールの発生)
カールの発生を、以下のようにして調べた。
・MD方向のカール
図4(a)に示すように、平坦な台上に、上方に突出するように板状発泡体を静置したとき、押出方向(X方向)の端縁における最も高く位置する内面と、台とを最短で結ぶ距離Dを、カールの程度として測定した。
・TD方向のカール
図4(b)に示すように、平坦な台上に、上方に突出するように板状発泡体を静置したとき、押出方向と垂直な方向(Y方向)の端縁における最も高く位置する内面と、台とを最短で結ぶ距離Dを、カールの程度として測定した。
Figure 0006310832
表1に示すように、サーキュラーダイから筒状に押出発泡させた直後の周方向の外表面温度の差が2℃以内であると、カールが抑制された板状発泡体を製造し得ることがわかった。これにより、また、保温部材を用いることによって、上記外表面温度の差を2℃以内に調整し得ることもわかった。さらに、全体の密度が0.035g/cm〜0.110g/cmであり、外表面から0.2mmまでの領域の表層密度が0.080g/cm〜0.300g/cmであり、両面側間の前記表層密度の差が0.010g/cm未満である板状発泡体は、カールが抑制されていることもわかった。

Claims (3)

  1. ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともにサーキュラーダイから押出発泡させて筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体を挟圧して該発泡体の内面を熱融着させて形成された板状発泡体であって、
    全体の密度が0.035g/cm〜0.110g/cmであり、
    外表面から0.2mmまでの領域の表層密度が0.080g/cm〜0.300g/cmであり、
    両面側間の前記表層密度の差が0.010g/cm未満である板状発泡体。
  2. 請求項1に記載された板状発泡体の製造方法であって、
    ポリスチレン系樹脂を発泡剤とともにサーキュラーダイから押出発泡させて筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体を挟圧して該発泡体の内面を熱融着させて板状発泡体を製造
    前記サーキュラーダイから押出発泡させた直後における前記筒状の発泡体の周方向の外表面温度差が2℃以内になるように温度調整を行う板状発泡体の製造方法。
  3. 前記サーキュラーダイの吐出口から前記筒状の発泡体の最大径に到達するまでの距離をLとしたとき、前記吐出口からL/10以上の長さの範囲で前記筒状の発泡体を覆う保温部材を用いて前記温度調整を行う、請求項2に記載の板状発泡体の製造方法。
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