搭載物装置を安定させる方法及び装置が提供される。幾つかの実施形態では、搭載物装置は、撮像装置(ビデオカメラ又はカメラを含むが、それらに限定されない)、及び非撮像装置(マイクロフォン、サンプルコレクタを含むが、それらに限定されない)を含んでもよい。カメラ取付台又はジンバル取付台などの安定化プラットフォームは、1つ又は複数の搭載物装置を支持及び安定させるために設けられてもよい。安定化プラットフォームは、搭載物装置を保持するように構成されたフレーム組立部、モータ組立部、及びコントローラ組立部を備えてもよい。
フレーム組立部は、1つ又は複数の搭載物装置を搬送する搭載物支持構造、及び搭載物支持構造を可動物体に接続する1つ又は複数の支持機構部品を備えてもよい。幾つかの例では、フレーム組立部は、可動物体の基部に接続されてもよい。可動物体は、車両(例えば、飛行機、車両、船、ロボット又は人間)であってもよい。基部は、可動物体に強固に取り付けられてもよい。幾つかの例では、基部は、可動物体の筐体の一部を形成してもよい。幾つかの実施形態では、N個の支持機構部品が、基部と搭載物支持構造との間で連続して接続されてもよく、それによって、搭載物支持構造が、基部に対してNの自由度で移動するように構成可能となり、Nは、1以上の整数である。可動物体の姿勢が変化するとき、可動物体の姿勢の変化に関わらず、搭載物支持構造の姿勢が比較的安定した構成のままでいることを保証する(搭載物装置の最適な動作のために)ために、支持機構部品の1つ又は複数の動きが1つ又は複数のモータ(例えば、直接駆動モータ)を使用して調整されてもよい。そのような安定化プラットフォームは、搭載物装置における姿勢変化を検出することによって搭載物装置に安定性をもたらすことができ、及び検出された姿勢変化を補償することを無効にすることができる。
コントローラ組立部は、搭載物装置と関連付けられた状態情報を検出又は取得するように構成された感知システムを含んでもよい。状態情報は、速度、方位、姿勢、重力、加速度、位置、及び/又は搭載物装置によって経験される任意の他の物理的状態を含んでもよい。例えば、状態情報は、角度位置及び/若しくは線形位置、速度並びに/又は加速度(搭載物装置の方位若しくは傾きを含むことができる)を含んでもよい。幾つかの実施形態では、感知システムは、1つ又は複数のジャイロスコープ、速度センサ、加速度計、及び磁気探知器などを備えた慣性測定部を含んでもよい。他の実施形態では、慣性測定部の代わりに、又はそれに加えて他のタイプの状態検出センサが使用されてもよい。
コントローラ組立部はまた、感知システムによって取得された状態情報に基づいて、搭載物装置と関連付けられた姿勢情報を算出するコントローラを含んでもよい。例えば、搭載物装置のピッチ、ロール、及び/又はヨー軸に対する搭載物装置の姿勢を算出するために、搭載物装置の検出された角速度及び/又は線形加速度が使用されてもよい。
搭載物装置の算出された姿勢に基づいて、モータ組立部を制御するために1つ又は複数のモータ信号が生成されてもよい。モータ組立部は、フレーム組立部を直接駆動して、搭載物装置のピッチ、ロール、及び/又はヨー軸の少なくとも1つの周囲で回転して、搭載物装置の姿勢(例えば、撮像装置の撮影角度)を調整するように構成されてもよい。モータ組立部は、搭載物装置の1つ又は複数の回転軸(例えば、ピッチ、ロール又はヨー)にそれぞれ結合された1つ又は複数のモータを備えることができる。幾つかの実施形態では、回転軸(例えば、ピッチ、ロール及びヨー)の1つ又は複数は、搭載物装置と交差してもよい。
幾つかの実施形態では、真下を指し示すときなど、搭載物装置に対する通常の動作環境下での「ジンバルロック」の問題なしに、搭載物装置が回転することが可能となるように搭載物装置の回転順序が選択される。例えば、一実施形態では、回転順序は、最も内側の回転軸から最も外側の回転軸へピッチ、ロール及びヨーであってもよい。別の実施形態では、回転順序は、最も外側の回転軸から最も内側の回転軸へピッチ、ロール及びヨーであってもよい。搭載物装置の任意の回転順序(例えば、最も外側の回転軸から最も内側の回転軸へ、又は最も内側の回転軸から最も外側の回転軸へ、ピッチ/ヨー/ロール、ロール/ピッチ/ヨー、ロール/ヨー/ピッチ、ヨー/ロール/ピッチ、又はヨー/ピッチ/ロール)が考えられてもよい。
本発明では、モータ組立部は、フレーム組立部を直接駆動して、搭載物装置を支持する搭載物支持構造を1つ又は複数の回転軸の周囲を回転させるように構成される。直接駆動モータの使用によって、エネルギー消費を減少させるとともに、モータ速度のステップレス制御が可能になる。更に、直接駆動モータを使用して、電子モータの応答時間がより速いことに起因した、可動物体の姿勢変化と安定化プラットフォームへの対応する補償の変化との間で応答時間を減少させることができる。よって、搭載物装置の指し示す方向は、即時に調整されてもよい(例えば、移動している目的物を指し示すために)。幾つかの例では、搭載物装置の所定の位置又は姿勢が維持されてもよい。更に、搭載物装置は、可動物体又は他の外部因子によって生じる振動又は震動などの望ましくない移動に対して安定されてもよい。搭載物装置が撮像装置である場合、搭載物装置によって取得される画像の質を改善することができる。
前に説明したように、既存の安定化プラットフォームにおける支持機構部品の連続した接続は、特に、多数の連続して接続された支持機構部品及び/若しくは駆動モータが存在するとき、並びに支持機構部品が大きな慣性モーメントを有しているときに、大きな慣性及び低い構造的硬直性などの幾つかの不都合な点を有する場合がある。これは、安定化プラットフォームの応答速度を減少させ、且つその性能を低下させることがある、支持機構部品の作動の間にトルク伝達遅延につながることがある。カメラなどの搭載物装置を安定させるときの低速な応答速度は、カメラによって捕捉されたより安定しない画像などの環境に関連して、より安定しない搭載物装置の動作につながることがある。
本発明の実施形態は、搭載物支持構造(及び/又は搭載物装置)に追加トルクを適用して、トルク伝達遅延を補償することによって、既存の安定化プラットフォームにおけるトルク伝達遅延を軽減することができる。本発明は、例えば、搭載物装置の支持機構の種々の姿勢変化を是正するために、搭載物装置の姿勢の迅速且つ動的な調整をもたらすことができる。従って、搭載物支持構造にほとんど瞬時に1つ又は複数の追加トルクを適用することによって、安定化プラットフォームの応答時間を改善することができる。特に、搭載物装置が撮像装置であるとき、安定化プラットフォームの改善された性能の結果として、高品質画像を取得することができる。
本発明の幾つかの実施形態に従って、搭載物へのトルク伝達を制御する安定化プラットフォームを備えた支持機構が提供される。安定化プラットフォームは、支持機構の一部を形成してもよい。支持機構は、搭載物装置を搬送する1つ又は複数の接合部又は構造を含んでもよい。搭載物は、例えば、1つ又は複数の搭載物装置を備えてもよい。1つ又は複数の搭載物装置は、同一のタイプの搭載物装置、又は異なるタイプの搭載物装置であってもよい。安定化プラットフォームは、支持機構軸の周囲を回転するように構成された少なくとも1つの支持機構部品、支持機構部品に結合された搭載物支持構造、及び搭載物支持構造に結合された少なくとも1つの回転装置を備えてもよい。搭載物支持構造は、搭載物を支持するように構成されてもよい。回転装置は、搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備えてもよい。支持機構部品が支持機構軸の周囲を回転するとき、支持機構部品から搭載物支持構造へのトルク伝達遅延を補償するために追加トルクが提供されてもよい。
回転装置は、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。例えば、回転装置は、回転装置を有さない場合と比較して、少なくとも1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。トルク伝達遅延の量の減少は、回転装置を有さない場合と比較して、少なくとも約0.001ミリ秒、0.005ミリ秒、0.01ミリ秒、0.03ミリ秒、0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.3ミリ秒、0.5ミリ秒、0.7ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、5ミリ秒、7ミリ秒、10ミリ秒、15ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、又は100ミリ秒とすることができる。
本発明の様々な実施形態は、図面を参照して以下で更に詳細に説明される。
図1は、実施形態に従った、安定化プラットフォーム100を備えた支持機構の概略図を示す。安定化プラットフォームは、搭載物装置を保持するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、安定化プラットフォームを備えた支持機構は、可動物体に取り付けられ、又は結合されるように構成されてもよい。可動物体は、モータ付き若しくはモータ無し車両若しくは船舶、ロボット、人間、又は動物などであってもよい。幾つかの実施形態では、安定化プラットフォームは、有人又は無人航空機(UAV)に取り付けられてもよい。UAVの本明細書におけるいずれかの説明は、任意のタイプの可動物体に適用されてもよく、逆もまたそうである。
搭載物装置の例は、データを収集する装置(例えば、撮像装置(可視光、赤外線、紫外線(UV)、地熱、又は任意のタイプの放射のための)、1つ若しくは複数の粒子を検出する装置、磁場、電場、無線場などの場を検出する装置、放射線検出器、マイクロフォン、本明細書の他の場所で更に詳細に説明される任意のタイプのセンサ)、放射を提供する装置(例えば、光放射体、画像放射体、熱放射体、無線放射体、無線信号放射体、粒子放射体)、周囲と相互作用する装置(例えば、ロボットアーム、サンプルコレクタ、液分散器、殺虫剤若しくは化学肥料のスプレー)、若しくは任意の他のタイプの装置、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。搭載物装置はまた、1つ又は複数の目的物を調査する1つ又は複数のセンサを含むことができる。任意の適切なセンサを、画像捕捉装置(例えば、カメラ)、音声捕捉装置(例えば、パラボラマイクロフォン)、赤外線撮像装置、又は紫外線(UV)撮像装置などの搭載物に組み込むことができる。センサは、静的感知データ(例えば、写真)又は動的感知データ(例えば、映像)を提供することができる。幾つかの実施形態では、センサは、搭載物装置の目的物に対する感知データを提供する。代わりに、又は組み合わせで、搭載物装置は、1つ又は複数の目的物に信号を提供する1つ又は複数の放射体を含むことができる。照明光源又は音源など、任意の適切な放射体を使用することができる。幾つかの実施形態では、搭載物装置は、可動物体から離れたモジュールとの通信のためになど、1つ又は複数の送受信機を含むことができる。任意選択により、搭載物装置を、周囲又は目的物と相互作用するように構成することができる。例えば、搭載物装置は、ロボットアームなどの物体を操作することが可能なツール、器具、又は機構を含むことができる。
幾つかの実施形態では、搭載物装置は、撮像装置の視野内で物体の1つ又は複数の画像を取得及び/又は送信するように構成された撮像装置を含んでもよい。撮像装置の例は、カメラ、ビデオカメラ、カメラを有するスマートフォン/携帯電話、又は光学信号を捕捉する能力を有する任意の装置を含んでもよい。非撮像装置は、音声、粒子、又は液体などを収集又は分配するなどの任意の他の装置を含んでもよい。非撮像装置の例は、マイクロフォン、大音スピーカ、粒子又は放射検出器、及び消防ホースなどを含んでもよい。
搭載物装置は、支持機構によって支持されてもよい。支持機構は、搭載物装置に対して設けられてもよく、及び搭載物装置は、直接的(例えば、可動物体に直接接触して)、又は間接的(例えば、可動物体に接触しないで)のいずれかで、支持機構を介して可動物体に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、搭載物装置は、支持機構に一体的に形成されてもよい。代わりに、搭載物装置は、支持機構に解放可能に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、搭載物装置は、1つ又は複数の搭載物要素を含むことができ、並びに搭載物要素の1つ又は複数は、可動物体及び/又は支持機構に対して移動可能とすることができる。
支持機構は、搭載物装置への支持体を設けることができる(例えば、搭載物装置の重量の少なくとも一部を搬送する)。支持機構は、搭載物装置の移動を安定させ、及び/又は命令することが可能な、適切な取付構造(例えば、安定化ジンバルプラットフォーム)を含むことができる。幾つかの実施形態では、支持機構を、可動物体に対して搭載物装置の状態(例えば、位置及び/又は方位)を制御するように構成することができる。例えば、支持機構を、可動物体に対して移動するように構成することができ(例えば、1、2、若しくは3の転移度、及び/又は1、2、若しくは3の回転度に関して)、それによって、搭載物装置は、可動物体の移動に関わらず、適切な基準フレームに対するその位置及び/又は方位を維持する。基準フレームは、固定基準フレーム(例えば、周辺環境)とすることができる。代わりに、基準フレームは、移動基準フレーム(例えば、可動物体、又は搭載物目的物の物体)とすることができる。
幾つかの実施形態では、支持機構及び/又は可動物体に対して搭載物装置の移動を可能にするように支持機構を構成することができる。移動は、最大3の自由度(例えば、1、2、若しくは3軸に沿った)に対する転移、若しくは最大3の自由度(例えば、約1、2、若しくは3軸)に対する回転、又はそれらのいずれかの適切な組み合わせとすることができる。
図1を参照して、安定化プラットフォームは、フレーム組立部、モータ組立部、及びコントローラ組立部を備えてもよい。
フレーム組立部は、相互に結合された支持機構部品(キャリアコンポーネント)L1及び搭載物支持構造102(ペイロード支持構造)を備えてもよい。支持機構部品L1は、搭載物支持構造を可動物体に接続するために使用することができる、任意のフレーム部材、接続部材、取付アーム、接続アーム、ねじりアーム、細長アーム、支持フレームなどであってもよい。幾つかの実施形態では、可動物体は、無人航空機(UAV)などの航空車両であってもよい。支持機構部品L1は、図20に示すように、例えば、搭載物支持構造及び/又は搭載物を可動物体に接続するように構成されてもよい。支持機構部品L1は、単一の部品であってもよい。幾つかの実施形態では、支持機構部品L1は、複数で設けられてもよい。支持機構部品L1は、任意の形状を有してもよく、及び直線形状に限定される必要はない。例えば、支持機構部品L1は、2次元の平面又は3次元空間における任意の形状を有することができる。支持機構部品L1は、単一の一体構造として形成されてもよい。幾つかの実施形態では、支持機構部品L1は、相互に移動する複数部品を備えてもよい。任意のタイプの構造(2次元又は3次元)の支持機構部品L1が考えられてもよい。
図1の例では、支持機構部品L1の1つの端が可動物体に結合されてもよく、及び支持機構部品L1の別の端が搭載物支持構造に結合されてもよい。支持機構部品L1は、締め具、作動要素、接合部、ヒンジ、ボルト、ねじなどの任意の結合機構を使用して可動物体及び搭載物支持構造に結合されてもよい。支持機構部品L1は、任意の形状及び/又はサイズを有するように形成されてもよい。支持機構部品L1は、標準的な形状(例えば、円筒、長方形ブロック、円形又は長方形面など)または任意の標準的でない形状を有するように形成されてもよい。支持機構部品L1の任意の寸法(例えば、長さ、幅、厚み、直径、円周、又はエリア)が考えられてもよい。
図1の例では、安定化プラットフォームは、搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置に対する回転の単一の軸を提供する1軸安定化プラットフォームであってもよい。搭載物支持構造は、搭載物装置(例えば、撮像装置)を支持するように構成される。幾つかの例では、搭載物支持構造は、外部影響などの損傷から搭載物装置を保護することができる。例えば、搭載物支持構造は、搭載物装置の1つ又は複数の部品を囲んでもよい。搭載物支持構造は、外部影響に起因した損傷から搭載物装置を保護することができる。例えば、搭載物支持構造は、剛性高強度金属(若しくは、金属合金)、又は可撓性高強度ポリマーから成るかご状構造を備えてもよい。搭載物支持構造は、搭載物装置を完全に包み込んでもよく、又は部分的に包み込んでもよい。幾つかの実施形態では、搭載物支持構造は、部分的又は完全な耐液性を有してもよい。例えば、搭載物支持構造は、防水及び/又は気密(すなわち、密封した筐体)であってもよい。幾つかの実施形態では、搭載物支持構造は、粉塵が搭載物装置に触れること、及び搭載物装置の動作を干渉することを防止することができる。幾つかの実施形態では、搭載物支持構造は、単に、それに搭載物装置を取り付けることができる接合部又はコネクタを備えてもよい。幾つかの他の実施形態では、搭載物支持構造は、特定のタイプの搭載物装置に対して特に設計されてもよく、又は異なるタイプの搭載物装置を受け入れるように構成されてもよい。搭載物装置は、搭載物支持構造に取り付けられてもよく、それによって、搭載物装置及び搭載物支持構造は全体的に移動可能となる。例えば、そこに配置された搭載物支持構造及び搭載物装置は、力/トルクが搭載物支持構造に加えられるときに全体として移動してもよい。搭載物支持構造の形状、サイズ及び他の特性は、図1に示されるそれらに限定されない。例えば、搭載物支持構造の形状は、長方形、角柱、球形、又は楕円形などであってもよい。
図1のモータ組立部は、搭載物支持構造上で与えられる外力に応じて、及びそれを補正するために、支持機構部品L1を介して搭載物支持構造を作動させる作動装置M1を備えてもよい。外力は、任意の軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸)の周囲で可動物体上に与えられ、並びにその後に搭載物支持構造(及び/又は、搭載物装置)に伝達される任意の並進力又は回転力であってもよい。幾つかの実施形態では、外力は、複数の異なる軸の周囲で加えられてもよい。図1の例では、外力は、時計回りの方向で正のZ軸の周囲で可動物体に加えられる外部トルクTe_zであってもよい。Z軸の方向は、図1の右下隅上の3次元座標全体XYZ系で示される。幾つかの例では、外部トルクTe_zは、そのヨー軸の周囲で可動物体の質量の中心に加えられてもよい。搭載物支持構造が可動物体に結合されているので、外部トルクTe_zを可動物体に加えることは、搭載物支持構造上で対応するトルクを与えることになる。
外力/トルクは、可動物体及び/又は搭載物支持構造上の風の影響、温度変化、又は外部影響などの外部擾乱によって生じてもよい。外力/トルクはまた、可動物体の一定の動き特性(例えば、急激な加速、減速、旋回飛行の動き、ピッチ/ロール/ヨー、傾きなど)の結果として生じてもよい。外力/トルクは、搭載物支持構造の方位(例えば、姿勢)、及び搭載物支持構造内に配置された搭載物装置の安定性に影響を与えることがある。搭載物支持構造が撮像装置などの搭載物を搬送しているとき、外力/トルクは、撮像装置によって捕捉された画像の質に影響を与えることがある。外力/トルクによって、搭載物支持構造が目的物のロケーションの外側に移ることがある。例えば、搭載物装置が撮像装置であるとき、外部擾乱によって、一定の物体が撮像装置の視野から外に移動することがあり、また、撮像装置が物体のその焦点を失うことがある。
搭載物装置の安定性を維持するために、作動装置M1は、外部トルクTe_zを検出すると、補正トルクTc_zを生成して、外部トルクTe_zを是正/相殺するように構成されてもよい。本明細書で後に説明されるように、感知システムを使用して外部トルクTe_zを検出することができ、及び補正トルクTc_zは、作動装置M1を制御するように構成されたコントローラを介して生成されてもよい。幾つかの実施形態では、補正トルクTc_zは、外部トルクTe_zへの方向と実質的に等しくてもよく、及びその逆であってもよい。例えば、外部トルクTe_zがZ軸の周囲を時計回りの方向で可動物体に適用されるとき、作動装置M1は、Z軸の周囲を反時計回りの方向で補正トルクTc_zを搭載物支持構造に適用してもよい。補正トルクTc_zは、搭載物支持構造が外部トルクの方向に移動することを防止することを支援することができ、よって、搭載物支持構造の位置及び安定性を維持する。
然しながら、幾つかの例では、補正トルクTc_zが作動装置M1から支持機構部品L1を介して搭載物支持構造に伝達されているとき、補正トルクTc_zにおいて伝達遅延が存在することがある。補正トルクTc_zが作動装置M1から支持機構部品L1を通じて搭載物支持構造に伝達されるのに時間を要するので、伝達遅延が存在する。補正トルクTc_zの伝達は、連続変形の部品(例えば、作動装置M1の回転部の変形が最初に発生し、補正トルクの方向の支持機構部品L1の変形、及び搭載物支持構造の後続の変形がそれに続く)を介して発生することがある。そのような変形は、補正トルクによって1つの面が回転し、一方で他の面が回転の動きに抵抗するとともに、2つの面が嵌合する(例えば、作動装置M1の回転部の外面が、支持機構部品L1の内面に嵌合し得る)ときに発生することがある。
本明細書で後に説明されるように、トルク伝達遅延は、安定化プラットフォームにおける部品のサイズ、連続して接続される部品の数、及び部品が共に接続される方式によって影響されることがある。図1の例では、支持機構部品L1及び/又は搭載物支持構造が大きな慣性モーメントを有するときに、トルク伝達遅延が増加することがある。剛体の慣性モーメント(角質量又は回転慣性としても知られる)は、回転軸の周囲の所望の角加速度に対して必要とされるトルクを決定する。慣性モーメントは、本体の回転を変更するために更なるモーメントは更なるトルクを必要とするとともに、本体の質量分布及び選択された軸に依存する。幾つかの実施形態では、搭載物装置が重い物体又は振動に敏感な物体であるとき、支持機構部品L1及び/又は搭載物支持構造は、構造的な支持を改良し、及び/又は振動を弱める目的でより大きな質量を有する必要があることがある。それらの実施形態では、各部品の変形が更なる時間を要し、且つ連続して発生するので(作動装置M1から支持機構部品L1に、搭載物支持構造に)、安定化プラットフォームの種々の部品を通じた補正トルクTc_zの伝達が遅延することがある。そのような状況下で、安定化プラットフォームの応答速度(性能)が低下することがある。
安定化プラットフォームの安定化性能を改善するために、補正トルクにおける伝達遅延を補償するために回転装置が使用されてもよい。図1に示されるように、モータ組立部は更に、補正トルクTc_zにおける伝達遅延を補償する回転装置RW1を備えてもよい。回転装置RW1は、搭載物支持構造上に直接配置されてもよい。回転装置RW1は、トルク伝達遅延を補償する(又は、軽減する)ことが可能な任意の装置であってもよい。図1の例では、回転装置RW1は、Z軸の周囲を反時計回りの方向で、搭載物支持構造に追加トルクTs_zを提供するように構成されてもよい。追加トルクTs_zは、外部トルクTe_zを是正するために、補正トルクTc_zと同一の方向で、及び外部トルクTe_zと反対の方向で適用されてもよい。補正トルクTc_zの伝達遅延の間(すなわち、補正トルクTc_zが搭載物支持構造に到達する前)、搭載物支持構造の位置及び安定性を維持するために追加トルクTs_zを使用することができる。
安定化プラットフォームの種々の部品を通じて伝達遅延を被る補正トルクTc_zとは異なり、回転装置RW1が搭載物支持構造上に直接配置されるので、追加トルクTs_zの影響をリアルタイムでほとんど瞬時に搭載物支持構造に伝達することができる。補正トルクTc_zを補償するために追加トルクTs_zを使用することができる。例えば、搭載物支持構造が最初に外部トルクTe_zを経験するとき、及び補正トルクTc_zが搭載物支持構造に到達する前に、搭載物支持構造において外部トルクTe_zを是正するために追加トルクTs_zを使用することができる。補正トルクTc_zが作動装置M1から搭載物支持構造に到達するとき、次いで、追加トルクTs_zを減少又は除去することができる。
幾つかの実施形態では、補正トルクTc_zが搭載物支持構造に到達した後でさえ、外部トルクTe_zの影響を軽減するために、補正トルクと共に追加トルクTs_zを使用することを継続することができる。例えば、外部トルクTe_zにおける変化に応答して、リアルタイム又はほぼリアルタイムで微細なトルク補正を搭載物支持構造に提供することによって、安定化プラットフォームの感度を増加させるために追加トルクTs_zを使用することができる。作動装置M1によって提供される補正トルクTc_zを補足又は増加させるために、回転装置RW1からのそれらの微細なトルク補正を使用することができる。それらのリアルタイム(又は、ほぼリアルタイム)な、微細なトルク補正は特に、安定化プラットフォームの増加した感度及び応答速度を必要とする、外部トルク/擾乱が高頻度で発生するときに有益である。そのような外部トルク/擾乱の例は、可動物体の推進装置における部品の移動によって生じる可動物体の振動/ジッターであってもよい。
作動装置M1及び回転装置RW1は、回転モータ、サーボモータ、直接駆動回転モータ、直流(DC)ブラシモータ、DCブラシレスモータ、DCトルクモータ、線形ソレノイドステッパモータ、超音波モータ、ギア付きモータ、速度減速モータ、水圧作動装置、空気式作動装置、又はピギーバックモータの組み合わせを備えたグループから選択されてもよい。例えば、モータ組立部は、直接駆動モータ(例えば、コンパクトモータ又は小型化モータ)を含んでもよい。直接駆動モータは、典型的には、比較的低いエネルギーを必要とし、それによって、エネルギー効率及び環境保護を促進する。直接駆動モータはまた、応答時間を減少させ、及び可動物体の種々の姿勢変化に応答して高速且つ時宜を得た調整を可能とする、ステップレスの形式で制御されてもよい。
好ましい実施形態では、作動装置M1又は回転装置RW1の少なくとも1つは、ブラシレスDC電気モータを使用して実装されてもよい。ブラシレスDCモータは、(1)機械的整流子の代わりに電子の整流子による、ブラシ付きモータのそれらよりも信頼できる性能、摩耗及び/若しくは故障率の減少、並びにより長い耐用年数(約6月)(2)ブラシレスDCモータが固定モータであることによる低負荷及び無負荷電流(3)高効率(4)小型サイズ、の利点を有することができる。様々な実施形態では、他のタイプのモータが、ブラシレスDCモータの代わりに、又はそれに加えて使用されてもよい。
幾つかの実施形態では、回転装置RW1は、補正トルクTc_zを補足するために追加トルクTs_zを提供することができるので、補正トルクTc_zを提供する作動装置M1のサイズ(例えば、モータサイズ)を減少させることができる。作動装置のサイズは、トルク出力及び慣性モーメントに依存する。従って、トルクの一部が回転装置RW1によって提供されてもよいので、作動装置M1は、外部擾乱を是正するためにトルクの全てを提供する必要はない。
図1に示されるように、支持機構部品L1は、作動装置M1によって可動物体に回転可能に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、作動装置M1は、支持機構の基部に取り付けられてもよい。基部は、可動物体の一部(例えば、底部)に強固に取り付けることができる基板又は取付構造であってもよい。幾つかの例では、基部は、可動物体の筐体の一部を形成してもよい。幾つかの代替的な実施形態では、基部は省略されてもよく、及び作動装置M1は、可動物体の本体又は筐体に直接取り付けられてもよい。
作動装置M1は、基部に結合された非回転部、及び支持機構部品L1に結合された回転部を備えてもよい。幾つかの他の実施形態では、作動装置M1の非回転部は、支持機構部品L1に結合されてもよく、及び回転部は、基部に結合されてもよい。作動装置M1がモータであるとき、非回転部は、モータの固定子に相当してもよく、及び回転部は、モータのロータに相当してもよい。
支持機構部品L1は、作動装置M1の回転部の回転の軸に沿って延びるZ軸の周囲を回転するように構成されてもよい。回転の軸は、可動物体のヨー軸に平行してもよい。幾つかの例では、回転の軸は、可動物体のヨー軸と一致してもよい。図1の例では、搭載物支持構造は、支持機構部品L1に強固に結合される。搭載物支持構造が支持機構部品L1に強固に結合されるので、搭載物支持構造(及び、それに配置された搭載物装置)は、支持機構部品L1が回転するときにZ軸の周囲を回転することができる。作動装置M1は、コントローラ組立部から作動装置M1に送信される信号に応答して、Z軸の周囲で支持機構部品L1を回転させるように構成されてもよい。従って、作動装置M1は、支持機構部品L1及び搭載物支持構造を直接駆動して、基部/可動物体に対してZ軸の周囲で回転するように構成されてもよい。特に、作動装置M1は、支持機構部品L1及び搭載物支持構造を駆動するために補正トルクTc_zを適用することができ、それによって外部トルクTe_zを是正することができる。
幾つかの実施形態では、支持機構部品L1の回転の軸は、可動物体の質量の中心を通じて延びてもよい。他の実施形態では、支持機構部品L1の回転の軸は、可動物体の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。幾つかの実施形態では、支持機構部品L1の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。他の実施形態では、支持機構部品L1の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。可動物体、基部、支持機構部品L1、及び搭載物支持構造の相互の任意の配置が考えられてもよい。
図1の実施形態では、回転装置RW1は、搭載物支持構造の部分102−1上に配置されてもよい。部分102−1は、そこに支持機構部品L1の端が取り付けられる搭載物支持構造の部分102−2の反対にあってもよい。然しながら、回転装置RW1の設置は、必ずしも図1に示される構成に限定されない。回転装置RW1は、部分102−1以外の搭載物支持構造のいずれかの部分上に配置されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、回転装置RW1は、部分102−2上に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置RW1は、部分102−1及び102−2に直交し、又はそれらに対して傾いた搭載物支持構造の1つ又は複数の部分上に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置RW1は、回転装置RW1の回転の軸が作動装置M1の回転の軸及び/又は支持機構部品L1の回転の軸に平行するように配置されてもよい。幾つかの実施形態では、上記(回転装置RW1、作動装置M1、及び支持機構部品L1)の1つ又は複数に対する回転の軸は、同軸であってもよい。
幾つかの実施形態では、複数の回転装置は、搭載物支持構造の複数の部分上にそれぞれに配置されてもよい。本明細書で後に図面を参照して説明されるように、任意の数の回転装置及び搭載物支持構造上の配置が考えられてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置は、搭載物支持構造の外面の代わりに搭載物支持構造内に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置は、搭載物装置自身に直接配置されてもよい。幾つかの特定の実施形態では、搭載物支持構造が省略されてもよく、及び回転装置が搭載物装置上に直接配置されてもよい。例として、回転装置RW1は、搭載物装置上に直接配置されてもよい。
回転装置RW1は、追加トルクTs_zを搭載物支持構造に提供するように構成されてもよい。追加トルクTs_zは、回転装置RW1によって搭載物支持構造に直接、且つほとんど瞬時に提供されてもよい。
回転装置RW1は、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。例えば、回転装置RW1は、回転装置RW1を有さないことと比較して、少なくとも1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。トルク伝達遅延の量の減少は、回転装置RW1を有さないことと比較して、少なくとも約0.001ミリ秒、0.005ミリ秒、0.01ミリ秒、0.03ミリ秒、0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.3ミリ秒、0.5ミリ秒、0.7ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、5ミリ秒、7ミリ秒、10ミリ秒、15ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、又は100ミリ秒であってもよい。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_zは、回転装置RW1によって搭載物支持構造に、約0.001ミリ秒、0.005ミリ秒、0.01ミリ秒、0.03ミリ秒、0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.3ミリ秒、0.5ミリ秒、0.7ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、5ミリ秒、7ミリ秒、10ミリ秒、15ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、又は100ミリ秒以内で提供されてもよい。
図1の例では、回転装置RW1の回転部が搭載物支持構造又は搭載物装置に対して自由に回転することができるように、回転装置RW1の回転部は、搭載物支持構造に直接結合されない。以下で説明されるように、回転装置RW1の回転部の自由な回転は、追加トルクTs_zを生成することができる。
幾つかの実施形態では、回転装置RW1は、搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備えてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置RW1は、固定子及びロータを備えた回転モータであってもよい。固定子は、回転装置RW1の非回転部に相当してもよく、及びロータは、回転装置RW1の回転部に相当してもよい。回転装置RW1の固定子は、搭載物支持構造に直接結合されてもよい。例えば、回転装置RW1の固定子は、搭載物支持構造に強固に且つ直接取り付けられてもよく、それによって、任意の干渉部品を通じて伝達されることなく、固定子から搭載物支持構造に追加トルクTs_zを直接伝達することができる。幾つかの他の実施形態では、回転装置RW1の固定子は、搭載物装置に直接結合されてもよい。例えば、回転装置RW1の固定子は、搭載物装置に強固に且つ直接取り付けられてもよく、それによって、任意の干渉部品を通じて伝達されることなく、固定子から搭載物装置に追加トルクTs_zを直接伝達することができる。回転装置RW1のロータは、Z軸の周囲を自由に回転するように構成されてもよい。回転装置RW1のロータの回転の軸は、可動物体のヨー軸に平行であってもよい。幾つかの実施形態では、回転装置RW1の回転の軸は、可動物体のヨー軸と一致してもよい。図1の例では、ロータは、Z軸の周囲を時計回りの方向で自由に回転し、その結果として角運動量の保存の法則に基づいて、Z軸の周囲を反時計回りの方向で追加トルクTs_zを生成するように構成される。特に、ロータがZ軸の周囲を自由に回転するとき、追加トルクTs_zは、固定子を通じて搭載物支持構造に直接伝達されてもよい。
幾つかの実施形態では、回転装置RW1の回転の軸は、支持機構部品L1の回転の軸に平行であってもよい。幾つかの代替的な実施形態では、回転装置RW1の回転の軸は、支持機構部品L1の回転の軸に平行である必要はない。幾つかの実施形態では、回転装置RW1の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。他の実施形態では、回転装置RW1の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。
上記説明されたように、追加トルクTs_zは、回転装置RW1のロータの回転によって生成されてもよい。追加トルクTs_zは、第1の方向を有する電流(例えば、正電流又は負電流のいずれか)を回転装置RW1に印加することによって生成されてもよく、それによって、ロータが加速することになる。ロータは、所定の回転速度まで加速するように構成されてもよい。
幾つかの例では、外部擾乱が持続的であることがある(例えば、飛行、乱気流などの間の可動物体及び/又は搭載物支持構造の持続的な振動)。それらの場合、外部擾乱によって、可動物体及び搭載物支持構造上で持続的な力/トルクが与えられることになる。外部トルクTe_zが持続的に可動物体及び搭載物支持構造に適用されるとき、搭載物支持構造の姿勢及び/又は方位を維持するために、持続的な電流を回転装置RW1に供給することができ、それによって、外部トルクに対する持続的な反作用トルク(追加トルク)を達成することができる。然しながら、外部擾乱が持続的であるとき、回転装置RW1のロータは、持続的な電流供給の結果としてますます高速に回転し続けることがある。ロータの回転速度が所定の回転速度に到達するとき、回転によって生成される逆の起電力は、回転装置RW1に供給される電圧と実質的に同一となることがある。この現象は、「回転速度飽和」として知られ、及び回転装置RW1が外部トルクを是正するために十分な追加トルクを提供することができない結果となることがある。
「回転速度飽和」を防止するために、ロータが所定の回転速度を上回るとき、第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が回転装置RW1に印加されて、ロータを減速させてもよい。例えば、正電流が回転装置RW1に最初に印加されて、ロータを加速させ、及び時計回りの方向で回転させてもよい。ロータが所定の回転速度を上回るとき、負電流が回転装置RW1に印加されて、ロータを減速させ、及び反時計回りの方向で回転させてもよく、それによって、ロータを減速させることができる。
幾つかの実施形態では、回転装置RW1は、作動装置を備えたリアクションホイールであってもよい。リアクションホイールは、典型的には、相当量の慣性を有する回転する質量から成り、及び角運動量の保存に基づいて動作する。図1の例では、リアクションホイールは、ロータ上に取り付けられ、及びロータで自由に回転するように構成された慣性ホイールを備えてもよい。ロータ及び慣性ホイールは、Z軸の周囲を自由に回転するように構成されてもよい。追加トルクTs_zが搭載物支持構造に提供される時間の長さを増大させるために慣性ホイールを使用することができる。追加トルクTs_zが搭載物支持構造に提供される時間の長さは、慣性ホイールの質量の関数であってもよい。例えば、追加トルクTs_zが搭載物支持構造に提供される時間の長さは、慣性ホイールの質量とともに増加してもよい。追加トルクTs_zは、第1の方向を有する電流を回転装置RW1に印加することによって生成されてもよく、それによって、ロータ及び慣性ホイールの両方を加速させることができる。ロータ及び慣性ホイールは、所定の回転速度まで加速してもよい。
所定の回転速度は、「回転速度飽和」が発生する(すなわち、ロータ及び慣性ホイールの回転によって生成される逆の起電力が、回転装置RW1に供給される電圧と実質的に等しいとき)速度に相当してもよい。ロータ及び慣性ホイールが所定の回転速度を上回るとき、第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が回転装置RW1に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを減速させてもよい。例えば、正電流が回転装置RW1に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを加速させてもよく、及び時計回りの方向で回転させてもよい。ロータ及び慣性ホイールが所定の回転速度を上回るとき、負電流が回転装置RW1に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを減速させて反時計回りの方向で回転させてもよく、それによって、ロータ及び慣性ホイールが減速する。
回転装置RW1は、追加トルクTs_zを搭載物支持構造に提供して、補正トルクTc_zにおける伝達遅延を補償するように構成されてもよい。上述したように、補正トルクTc_zは、作動装置M1によって生成されてもよい。作動装置M1が支持機構部品L1をZ軸の周囲で回転させるときに、補正トルクTc_zが生成されてもよく、及び搭載物支持構造に伝達されてもよい。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_zは、補正トルクTc_zと実質的にa同時に生成されてもよい。例えば、外部トルクを与える外部擾乱がコントローラ組立部における1つ又は複数の慣性センサによって検出されるとき、補正トルクTc_z及び追加トルクTs_zの両方が、実質的に同時に生成されて、外部トルクTe_zを是正してもよい。例えば、作動装置M1及び回転装置RW1の両方が実質的に同時に作動されて、補正トルクTc_z及び追加トルクTs_zを生成してもよい。然しながら、搭載物支持構造は、補正トルクTc_zを受ける前に追加トルクTs_zを受けてもよい。例えば、搭載物支持構造は、トルク伝達遅延によって、追加トルクTs_zよりも後に、(1)作動装置M1から支持機構部品L1に、及び(2)支持機構部品L1から搭載物支持構造に、補正トルクTc_zを受けてもよい。言い換えると、補正トルクTc_z及び追加トルクTs_zの両方を実質的に同時に生成することができるとしても、補正トルクTc_zの前に追加トルクTs_zを搭載物支持構造に伝達することができる。
トルク伝達遅延は、作動装置M1の回転部のねじり変形、及び支持機構部品L1のねじり変形の結果であることがある。幾つかの実施形態では、トルク伝達遅延は、数ミリ秒から数秒までの範囲にあることがある。
図1を参照して、伝達遅延の長さは、作動装置M1と搭載物支持構造との間で測定された距離D1の関数であってもよい。例えば、伝達遅延は、距離D1が増加するときに増加することがある。幾つかの例では、作動装置M1から搭載物支持構造までの距離D1は、支持機構部品L1の長さの少なくとも一部に基づいて判定されてもよい。回転装置RW1が効果的に伝達遅延を補償するために、回転装置RW1と搭載物支持構造との間の距離は、最小であるべきであり、及び実質的に距離D1未満であるべきである。例えば、図1の実施形態では、回転装置RW1が搭載物支持構造上に直接配置されて、搭載物支持構造からのその距離を最小にする。従って、相当な伝達遅延がなく、搭載物支持構造に、追加トルクTs_zを直接且つほとんど瞬時に伝達することができる。
搭載物支持構造は、補正トルクTc_zの影響を受ける前に、追加トルクTs_zの影響を受けるように構成されてもよい。幾つかの例では、補正トルクTc_zが搭載物支持構造に伝達され、及び搭載物支持構造において経験されるときに、追加トルクTs_zが減少又は除去されてもよい。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_zは、伝達遅延に相当する期間の間に搭載物支持構造に適用されてもよい。補正トルクTc_zが伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達するとき、追加トルクTs_zが減少又は除去されてもよい。追加トルクTs_zは、回転装置RW1への電流を調整することによって減少又は除去されて、回転装置RW1のロータ及び/又は慣性ホイールを減速させてもよい。搭載物支持構造は、補正トルクTc_zの影響を受ける前の遅延の間に追加トルクTs_zの影響を受けることがある。追加トルクTs_zは、補正トルクTc_zと実質的に等しくてもよく、及び補正トルクTc_zと同一の方向に適用されてもよい。幾つかの例では、追加トルクTs_zは、補正トルクTc_z未満であってもよい。幾つかの例では、追加トルクTs_zは、搭載物支持構造上での外部擾乱の影響を軽減するために、外部トルクTe_zと実質的に等しくてもよく、及び外部トルクTe_zと反対の方向にあってもよい。
搭載物支持構造の安定性を更に増加させるために、支持機構部品L1及び搭載物支持構造全体としての重力の中心は、好ましくは可動物体のヨー軸に位置してもよい。共通軸(例えば、可動物体のヨー軸)の周囲の外部トルクTe_zを是正するために、補正トルクTc_z及び追加トルクTs_zを適用することができるときに、搭載物支持構造の安定性を改善することができる。加えて、可動物体が、必要とされるモータ駆動の安定化がほとんど又は全くなしに円滑に移動しているときに、支持機構部品L1及び搭載物支持構造は、動的にバランスの取れた状態にあることができる。
幾つかの実施形態では、安定化プラットフォームのフレーム組立部は、フレーム組立部の寸法又は回転軸を調整する1つ又は複数の調整部を備えてもよい。そのような調整部によって、フレーム組立部が異なる寸法、形状及び/又は重量の搭載物支持構造を収容することが可能になる。加えて、例えば、重力の中心を上述した回転軸と一列にするために調整が必要となることがある。例えば、フレーム組立部は、基部/可動物体に対して搭載物支持構造及び/又は支持機構部品の位置を調整する1つ又は複数の調整部(例えば、スリット、孔)を含むことができる。そのような調整は、例えば、搭載物支持構造及び支持機構部品L1全体としての重力の中心を、可動物体のヨー軸と一列にするために必要となることがある。幾つかの実施形態では、支持機構部品L1は、支持機構部品L1及び基部/可動物体に対して搭載物支持構造の位置を調整する1つ又は複数の調整部を含むことができる。例えば、搭載物支持構造のサイズ若しくは形状、及び/又は支持機構部品L1の長さに応じて、搭載物支持構造を基部/可動物体から遠くに、又は近くに位置付けることができる。幾つかの実施形態では、搭載物支持構造はまた、種々のサイズの搭載物装置を収容するために、搭載物支持構造の寸法を変更する1つ又は複数の調整部を含んでもよい。
幾つかの実施形態では、安定化プラットフォームを更に安定させ、又は修正するために、追加の支持構造が任意選択により設けられてもよい。そのような支持構造は任意選択であってもよく、及び本発明の様々な実施形態において必須でないことを理解されたい。それにも関わらず、そのような追加の支持構造は、当業者によって理解及び実装されてもよい。
フレーム組立部及びモータ組立部に加え、安定化プラットフォームは更に、コントローラ組立部を備える。図1及び2を参照して、コントローラ組立部は、感知システム104及びコントローラ106を備えてもよい。コントローラ組立部は、感知システム、及びモータ組立部の作動要素(例えば、作動装置M1及び回転装置RW1)と通信していてもよい。感知システムは、搭載物装置、搭載物支持構造、及び/又はフレーム組立部、作動装置M1、回転装置RW1、若しくは可動物体などの、搭載物支持構造若しくは搭載物装置以外の物体と関連付けられた状態情報を測定及び取得するように構成されてもよい。状態情報は、上記物体のいずれかの角速度及び/若しくは線形速度、並びに/又は加速度、位置情報(例えば、空間的配置及び/又は方位)などを含んでもよい。そのような状態情報は相対的又は絶対的であってもよい。幾つかの実施形態では、感知システムは、物体が外部擾乱(例えば、天候及び/若しくは温度変化、又は破片若しくは障害物などの外因)による影響を受けるときに、上記物体の1つ又は複数と関連付けられた状態情報を測定又は取得するように構成されてもよい。図1の例では、感知システムは、搭載物支持構造の一部の上に設けられてもよい。安定化プラットフォームのいずれかに感知システムを設けることができることに留意されたい。幾つかの他の実施形態では、可動物体自体に感知システムを設けることができる。感知システムは、搭載物装置又は搭載物支持構造上に設けられてもよい。可動物体、安定化プラットフォーム(例えば、フレーム組立部、モータ組立部における1つ又は複数の要素、搭載物支持構造)、搭載物装置、又は任意のそれらの組み合わせの任意の配置が考えられてもよい。様々な実施形態では、感知システムは、搭載物装置、搭載物支持構造、フレーム組立部、モータ組立部、又は可動物体などに結合されてもよい。
感知システムは、物体の空間的配置、速度、及び/又は加速度を感知することができる(例えば、最大で3の転移度及び最大で3の回転度に関する)1つ又は複数のセンサを含んでもよい。感知システムは、慣性測定ユニット、動きセンサ、近接センサ、コンパス、グローバルポジショニングシステム(GPS)送受信機、又は他のタイプの測定要素若しくはセンサを含んでもよい。例えば、感知システムは、物体(例えば、搭載物装置、搭載物支持構造、フレーム組立部、及び/又は可動物体)の角速度を検出する1つ又は複数のジャイロスコープ、並びに線形加速度及び/又は角加速度を検出する1つ又は複数の加速度計を含んでもよい。幾つかの実施形態では、物体の線形速度若しくは角速度/加速度は、グローバルポジショニングシステム(GPS)を使用して、及び/又は物体の空間的な動作特性(例えば、瞬時位置、速度、加速度、姿勢、方位など)を導出するために経時的に捕捉された物体の一連の画像フレームを分析することによって、経時的な物体の位置の差異に基づいて検出されてもよい。代わりに、天候状況、潜在的な障害物への近接性、地理的特徴のロケーション、及び人工構造のロケーションなどの物体の周囲の環境に関するデータを提供するために感知システムを使用することができる。幾つかの実施形態では、感知システムは、物体の2以上の回転軸に関する状態情報を測定するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、感知システムは、回転軸の少なくとも2つに関連する情報を取得してもよい。例えば、測定部は、物体のピッチ及びロール軸の両方に関する情報を取得してもよい。加えて、状態情報は、物体のピッチ、ロール及びヨー軸の全てに関連してもよい。
幾つかの実施形態では、コントローラは、感知システムによって検出された状態情報に基づいて物体の姿勢情報を算出し、及び姿勢情報に基づいて1つ又は複数のモータ信号を提供するように構成されてもよい。そのような姿勢情報は、物体のピッチ、ロール、ヨー軸、軸に対する物体の方位若しくは傾き、速度並びに/又は加速度などを含んでもよい。幾つかの例では、姿勢情報は、角速度情報(例えば、感知システムによって、又は他のソースから提供される)に基づいて算出されてもよい。他の場合では、姿勢情報は、角速度情報及び線形加速度情報の両方に基づいて算出されてもよい。例えば、線形加速度情報は、角速度情報を修正及び/又は補正するために使用されてもよい。
算出された姿勢情報に基づいて、コントローラは、1つ又は複数のモータ信号を生成し、及び安定化プラットフォームの作動要素(例えば、作動装置M1及び/又は回転装置RW1)に送信してもよい。モータ信号によって作動要素の回転を進め、回転を逆にさせることができ、及び回転の速度/トルクを調整して、外部擾乱/トルクを是正するためにモータ信号を使用することができる。1つ又は複数のモータ信号に応答して、作動要素(例えば、作動装置M1及び/又は回転装置RW1)は、フレーム組立部のそれぞれの部分を直接駆動して、1つ又は複数のモータ信号に応答して回転させることができる。結果として、搭載物装置は、その周囲で外部トルクが与えられる軸の少なくとも1つの周囲で回転することが可能になる。そのような回転は、搭載物装置を安定させるため、及び/又は所定の位置若しくは姿勢を維持するために必要となることがある。
例えば、図1の実施形態では、搭載物支持構造が外部トルクTe_zの影響を受けるとき、コントローラは、作動装置M1及び回転装置RW1に電流を同時に印加して、補正トルクTc_z及び追加トルクTs_zを生成して、外部トルクTe_zを是正してもよい。搭載物支持構造は、補正トルクTc_zにおける伝達遅延によって、補正トルクTc_zの前に追加トルクTs_zの影響を受けることがある。感知システムは、搭載物支持構造上で追加トルクTs_z及び補正トルクTc_zの各々の影響を検出するように構成されてもよい。補正トルクTc_zは、伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達してもよい。感知システムが搭載物支持構造上で補正トルクTc_zの影響を検出するとき、コントローラは次いで、回転装置RW1に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_zを減少又は除去することができる。従って、コントローラは、感知システムからの動きデータ、及び種々の時点における搭載物支持構造上の種々のトルクの影響に基づいて、リアルタイムで、作動装置M1及び回転装置RW1からの補正トルクTc_z及び追加トルクTs_zを調節するように構成されてもよい。特に、円滑なトルク制御を達成するために(外部トルクを是正するために)、作動装置M1及び回転装置RW1からのトルクを調節することによって、安定化プラットフォームの感度及び性能を改善することができる。
前に述べたように、従来の安定化システムは、高い慣性及び/又は低い構造的硬直性によって、相当なトルク伝達遅延を有することがある。トルク伝達遅延の結果として、従来の閉ループ安定化システムの位相マージンが減少することがあり、それによって、閉ループ制御システムの性能が制限される。一方で、図2における閉ループ制御システムが、搭載物支持構造に追加トルクを適用して、トルク伝達遅延を補償するように構成された回転装置を備えるので、図2における閉ループ制御システムは、従来の安定化システムよりも位相マージンを改善している。
図3は、第1の安定化プラットフォームと第2の安定化プラットフォームとの間の安定化性能における差異の例を示す。第1の安定化プラットフォームは、図3の部分Aにおいて示され、及び搭載物支持構造に追加トルクを提供してトルク伝達遅延を補償する回転装置RW1を含まない。第2の安定化プラットフォームは、図3の部分Bにおいて示され、及び搭載物支持構造に追加トルクを提供してトルク伝達遅延を補償する回転装置RW1を含む。
前に説明したように、感知システムは、搭載物支持構造及び/又は搭載物装置上で外部擾乱(例えば、外部トルク)の影響を検出するように構成される。図3に示すように、搭載物支持構造上の外部トルク擾乱、及び安定化プラットフォームの対応する安定化トルクを、時間に応じてプロットすることができる。
図3におけるトルクT(ナノメートル)対時間t(ミリ秒)のプロットを参照すると、時間に応じてプロットされた、実曲線が搭載物支持構造上の外部トルクに相当し、並びに破線が搭載物支持構造上の補正トルク及び/又は追加トルクに相当する。
図3の部分Aを参照して、感知システムが外部トルクTe_zを最初に検出するとき、コントローラは、外部トルクTe_zを是正する補正トルクTc_zを生成するように作動装置M1を制御してもよい。然しながら、慣性及び構造的硬直性に関する理由で、補正トルクにおいて伝達遅延d(z)が存在することがある。結果として、補正トルクTc_zは、遅延d(z)の後のみ、搭載物支持構造に伝達されることがあり、及び搭載物支持構造において経験されることがある。幾つかの例では、外部トルクが急速に変動する場合(例えば、高頻度で)、第1の安定化プラットフォームの応答速度が遅延d(z)によって減少するので、第1の安定化プラットフォームは、搭載物支持構造を適切に安定させることが可能でないことがある。応答速度の減少によって、第1の安定化プラットフォームの性能が悪化することがある。
図3の部分Bを参照して、回転装置RW1が搭載物支持構造上に直接配置されて、作動装置M1から搭載物支持構造へのトルク伝達遅延d(z)を補償するために追加トルクTs_zを提供してもよい。図3の部分Bに示されるように、第1の安定化プラットフォームの性能に対して、第2の安定化プラットフォームの性能(応答速度)を改善することができる。例えば、感知システムが外部トルクTe_zを検出するとき、コントローラは、外部トルクTe_zを是正するために補正トルクTc_z及び追加トルクTs_zをそれぞれ生成するように作動装置M1及び回転装置RW1の両方を制御してもよい。回転装置RW1が搭載物支持構造上に直接配置されるので、回転装置RW1によって提供される追加トルクTs_zをほとんど瞬時に搭載物支持構造に伝達することができる。図3の部分Bに示されるように、遅延d(z)の持続時間の間に追加トルクTs_zが搭載物支持構造に提供されてもよい。遅延d(z)の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_zの影響を受け始めるとき、コントローラは次いで、例えば、回転装置RW1に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_zを減少又は除去するように回転装置RW1を制御してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、遅延d(z)の終わりにおいて追加トルクTs_zを完全に除去してもよく、及び遅延d(z)が終了するときから開始する外部トルクTe_zを是正するために補正トルクTc_zのみを適用してもよい。
幾つかの他の実施形態では、コントローラは、遅延d(z)が終了するときから開始する、外部トルクTe_zを是正するために、追加トルクTs_z及び補正トルクTc_zの両方を調節するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、感知システムからの姿勢情報/フィードバックに応じて必要に応じ、及び必要とされるときに、異なる量の追加トルクを生成するように回転装置RW1を制御することができる。異なる量の追加トルクは、ほとんど瞬時に搭載物支持構造に伝達されてもよく、及び補正トルクにおける任意の後続の遅延を補償するために使用されてもよい。幾つかの例では、異なる量の追加トルクは、外部トルクを是正/相殺するトルクの大部分を提供する補正トルクと共にわずかであってもよい。異なる量の追加トルクはまた、高頻度で、搭載物支持構造にほとんど瞬時に提供されてもよく、及び外部トルクが急速に変動しているときに特に有益であることがある。結果として、第2の安定化プラットフォームの応答速度が補正トルクTc_zにおける伝達遅延d(z)によって実質的に影響されないので、第1の安定化プラットフォームに対して第2の安定化プラットフォームが改善する。
図1の例では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心は、共通軸(例えば、可動物体のヨー軸)に沿ってもよい。幾つかの実施形態では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心は、例えば、図4における実施形態に示されるように、可動物体のヨー軸以外の軸に沿ってもよい。
図4の部分Aを参照して、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心(「+」記号で表される)は、Z軸に直交するY軸に沿ってもよい。幾つかの実施形態では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心が位置する軸は、可動物体のヨー軸と交差してもよい。幾つかの他の実施形態では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心が位置する軸は、可動物体のヨー軸と交差する必要はない。それらの他の実施形態では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心が位置する軸は、X−Y平面における距離をヨー軸から側面に沿ってずれてもよい。
幾つかの実施形態では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心が位置する軸は、Z軸及びヨー軸に直交する必要はない。例えば、図4の部分Bに示されるように、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心は、ヨー軸又はZ軸に対して傾いた別の軸に沿ってもよい。
図1及び4の例では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心は、同一の軸に沿ってもよい。然しながら、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、支持機構部品L1及び搭載物支持構造の質量の中心は、異なる軸にそれぞれ位置してもよい。異なる軸は、相互に平行し、直交し、若しくは傾いてもよく、相互に交差してもよく、又は相互に交差する必要はない。可動物体に対する支持機構部品L1及び搭載物支持構造の任意の空間的構成が考えられてもよい。
図5は、別の実施形態に従った、安定化プラットフォーム500の概略図を示す。安定化プラットフォームは、撮像装置又は非撮像装置などの搭載物装置を保持するように構成されてもよい。図5の安定化プラットフォームは、以下の差異を除き、図1の安定化プラットフォーム100と同様であってもよい。図1の例では、安定化プラットフォーム100は、搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置に対して単一の回転の軸を設ける1軸安定化プラットフォームである。安定化プラットフォーム100における搭載物支持構造は、支持機構部品L1に取り付けられてもよく、又はそれに強固に結合されてもよく、それによって、支持機構部品L1及び搭載物支持構造が、作動装置M1によって作動されるときに全体として移動する。
一方で、図5の例では、安定化プラットフォーム500は、搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置に対して2つの回転の軸を設ける2軸安定化プラットフォームである。2つの回転の軸は、相互に直交してもよい。安定化プラットフォーム500における搭載物支持構造は、支持機構部品L1に強固に取り付けられる代わりに、支持機構部品L1に回転可能に結合されてもよい。例えば、安定化プラットフォーム500における搭載物支持構造は、別の作動装置M2によって支持機構部品L1に回転可能に結合されてもよい。作動装置M2は、補正トルクTc_xを生成して、外部トルクTe_xを是正するように構成されてもよい。図5に示されるように、外部トルクTe_xは、時計回りの方向で、そのロール軸(X軸)の周囲で可動物体に適用されてもよい。幾つかの実施形態では、外部トルクTe_z及び外部トルクTe_xの両方は、実質的に同時に、又は異なる時のいずれかで可動物体に適用されてもよい。例えば、一実施形態では、外部トルクTe_zは、外部トルクTe_xの前に可動物体に適用されてもよい。外部トルクTe_z及び外部トルクTe_xは、同一の持続期間、又は異なる持続期間の間に可動物体に適用されてもよい。例えば、一実施形態では、外部トルクTe_zは、外部トルクTe_xよりも短い持続期間の間に可動物体に適用されてもよい。別の実施形態では、外部トルクTe_zは、外部トルクTe_xよりも長い持続期間の間に可動物体に適用されてもよい。外部トルクTe_z及び外部トルクTe_xは、同一の力の大きさ、又は異なる力の大きさを有してもよい。例えば、一実施形態では、外部トルクTe_zは、外部トルクTe_xよりも大きい力の大きさを有してもよい。別の実施形態では、外部トルクTe_zは、外部トルクTe_xよりも小さい力の大きさを有してもよい。外部トルクの任意の次元、持続期間、力の大きさ、適用の点、又は他のパラメータが考えられてもよい。
外部トルクTe_xは、それらの方向(及び、幾つかの例では、それらの大きさ)を除いて外部トルクTe_zと同様であってもよい。前に説明したように、外力/トルクは、搭載物支持構造上の風の影響、温度変化、又は外部影響などの外部擾乱によって発生することがある。外部擾乱によって、搭載物支持構造が目的物のロケーションの外側に移ることがある。幾つかの例では、外部トルクは、可動物体の一定の動作特性(例えば、急激な加速、減速、旋回飛行の動き、ピッチ/ロール/ヨー、傾きなど)の結果として生じることがある。外部トルクは、搭載物支持構造の方位(例えば、姿勢)、及び搭載物支持構造内に配置された搭載物装置の安定性に影響を与えることがある。搭載物支持構造が撮像装置などの搭載物を搬送しているとき、外部トルクは、撮像装置によって捕捉された画像の質に影響を与えることがある。
作動装置M2は、支持機構部品L1に結合された非回転部、及び搭載物支持構造に結合された回転部を備えてもよい。幾つかの他の実施形態では、作動装置M2の非回転部は、搭載物支持構造に結合されてもよく、及び回転部は、支持機構部品L1に結合されてもよい。作動装置M2がモータであるとき、非回転部は、モータの固定子に相当してもよく、及び回転部は、モータのロータに相当してもよい。
作動装置M2は、コントローラ組立部から作動装置M2に送信された信号に応答して、X軸の周囲で搭載物支持構造を回転させるように構成されてもよい。従って、作動装置M2は、搭載物支持構造を直接駆動して、基部/可動物体に対して回転させるように構成されてもよい。特に、作動装置M2は、搭載物支持構造を駆動して外部トルクTe_xを是正するために補正トルクを適用することができる。幾つかの実施形態では、補正トルクTc_xは、外部トルクTe_xと実質的に等しくてもよく、及び反対の方向にあってもよい。例えば、外部トルクTe_xがX軸の周囲を時計回りの方向で可動物体に適用されるとき、作動装置M2は、X軸の周囲を反時計回りの方向で搭載物支持構造に補正トルクTc_xを適用してもよい。特に、補正トルクTc_xは、搭載物支持構造が外部トルクTe_xの方向で移動することを防止することを支援することができ、それによって、搭載物支持構造の位置及び安定性を維持することができる。
作動装置M2の回転の軸は、可動物体のロール軸に平行であってもよく、及び可動物体のヨー軸に直交してもよい。幾つかの実施形態では、作動装置M2は、ヨー軸に対して傾いた別の軸(図示せず)の周囲で搭載物支持構造を回転させるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、作動装置M2の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。幾つかの代替的な実施形態では、作動装置M2の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。作動装置M1及びM2、可動物体、基部、支持機構部品L1、並びに/又は搭載物支持構造の相互のいずれかの配置が考えられてもよい。
図1における安定化プラットフォーム100と同様に、図5における安定化プラットフォーム500は、作動装置M1から搭載物支持構造への補正トルクTc_zにおけるトルク伝達遅延の影響を受けることがある。然しながら、図5の例では、作動装置M2が搭載物支持構造に直接結合されるので、補正トルクにおいて無視できる遅延が存在することがある。従って、作動装置M2から搭載物支持構造に、補正トルクTc_xをほとんど瞬時に伝達することができる。
図5の実施形態では、作動装置M2は、搭載物支持構造の部分102−3上に配置されてもよい。部分102−3は、搭載物支持構造の部分102−1に直交してもよい。然しながら、作動装置M2の配置は、図5に示された構成に限定される必要はない。例えば、作動装置M2は、部分102−3以外の搭載物支持構造の部分上に配置されてもよい。
幾つかの実施形態では、別の追加トルクを提供する別の回転装置(回転装置RW1に加えて)は、部分102−3とは反対の搭載物支持構造の部分102−4上に配置されてもよい。補正トルクTc_xにおいて伝達遅延が存在する場合に、追加の回転装置が部分102−4上に設けられてもよい。図5の搭載物支持構造の任意の数の回転装置及びその配置が考えられてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置は、搭載物支持構造の外面の代わりに、搭載物支持構造内に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置は、搭載物装置自体上に直接配置されてもよい。
図6は、別の実施形態に従った、安定化プラットフォーム600の概略図を示す。安定化プラットフォームは、撮像装置又は非撮像装置などの搭載物装置を保持するように構成されてもよい。安定化プラットフォーム600がまた、搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置に対して2つの回転の軸を提供する2軸安定化プラットフォームであるという点で、図6の安定化プラットフォーム600は図5の安定化プラットフォーム500と同様である。然しながら、安定化プラットフォーム500と安定化プラットフォーム600との間で幾つかの差異があってもよい。図6の実施形態では、安定化プラットフォーム600は、作動装置M2と搭載物支持構造との間で結合された支持機構部品L2を含んでもよい。搭載物支持構造は、支持機構部品L2に取り付けられてもよく、又は強固に結合されてもよく、それによって、支持機構部品L2及び搭載物支持構造は、作動装置M2によって作動されるときに全体として移動する。安定化プラットフォーム600は更に、X軸の周囲で追加トルクTs_xを生成するように構成された回転装置RW2を含んでもよい。回転装置RW2は、トルク伝達遅延を補償する(又は、軽減する)ことが可能な任意の装置であってもよい。作動装置M2から搭載物支持構造への補正トルクTc_xの伝達遅延を補償するために追加トルクTs_xを使用することができる。
回転装置RW2は、搭載物支持構造上に直接配置されてもよい。図6の例では、回転装置RW2は、正のX軸の周囲を時計回りの方向で、搭載物支持構造に追加トルクTs_xを提供するように構成されてもよい。追加トルクTs_xは、外部トルクTe_xを是正するために、補正トルクTc_xと同一の方向で、及び外部トルクTe_xと反対の方向で適用されてもよい。補正トルクTc_xの伝達遅延の間(補正トルクTc_xが搭載物支持構造に到達する前)、搭載物支持構造の位置及び安定性を維持するために追加トルクTs_xを使用することができる。
安定化プラットフォームの種々の部分を通じて伝達遅延の影響を受ける補正トルクTc_xとは異なり、回転装置RW2が搭載物支持構造上に直接配置されるので、追加トルクTs_xの影響を、搭載物支持構造にリアルタイムでほとんど瞬時に伝達することができる。補正トルクTc_xを補償するために追加トルクTs_xを使用することができる。例えば、搭載物支持構造が外部トルクTe_xを最初に経験するとき、及び作動装置M2からの補正トルクTc_xが搭載物支持構造に到達する前に、搭載物支持構造において外部トルクTe_xを是正するために追加トルクTs_xを使用することができる。作動装置M2からの補正トルクTc_xが搭載物支持構造に到達するとき、例えば、回転装置RW2に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_xを減少又は除去することができる。
幾つかの実施形態では、補正トルクTc_xが搭載物支持構造に到達した後でさえ、外部トルクTe_xの影響を軽減するために、追加トルクTs_xは補正トルクTc_xと共に使用されてもよい。例えば、外部トルクTe_xに応答して、搭載物支持構造に微細なトルク補正をリアルタイムで、又はほぼリアルタイムで提供することによって、安定化プラットフォームの感度を増加させるために追加トルクTs_xを使用することができる。作動装置M2によって提供される補正トルクTc_xを補足又は増加させるために、回転装置RW2からのそれらの微細なトルク補正を使用することができる。それらのリアルタイム(又は、ほぼリアルタイム)な、微細なトルク補正は特に、安定化プラットフォームの増加した感度及び応答速度を必要とする、外部トルク/擾乱が高頻度で発生するときに有益である。そのような外部トルク/擾乱の例は、可動物体の推進装置における部品の移動によって生じる可動物体の振動/ジッターであってもよい。
図6に示されるように、支持機構部品L2は、作動装置M2によって支持機構部品L1に回転可能に結合されてもよい。作動装置M2は、支持機構部品L1に結合された非回転部、及び支持機構部品L2に結合された回転部を備えてもよい。幾つかの代替的な実施形態では、作動装置M2の非回転部は、支持機構部品L2に結合されてもよく、及び回転部は、支持機構部品L1に結合されてもよい。作動装置M2がモータであるとき、非回転部はモータの固定子に相当してもよく、及び回転部はモータのロータに相当してもよい。
支持機構部品L2は、作動装置M2の回転部の回転の軸に沿って延びるX軸の周囲を回転するように構成されてもよい。回転の軸は、可動物体のロール軸に平行であってもよい。幾つかの例では、回転の軸は、可動物体のロール軸と一致してもよい。図6の例では、搭載物支持構造は、支持機構部品L2に強固に結合される。搭載物支持構造が支持機構部品L2に強固に結合されるので、搭載物支持構造(及び、それに配置された搭載物装置)は、支持機構部品L2が回転するときにX軸の周囲を回転することができる。作動装置M2は、コントローラ組立部から作動装置M2に送信される信号に応答して、X軸の周囲で支持機構部品L2を回転させるように構成されてもよい。従って、作動装置M2は、基部/可動物体に対してX軸の周囲を回転するように、支持機構部品L2及び搭載物支持構造を直接駆動するように構成されてもよい。特に、作動装置M2は、外部トルクTe_xを是正するように支持機構部品L2及び搭載物支持構造を駆動するために補正トルクTc_xを適用することができる。
他の実施形態では、支持機構部品L2の回転の軸は、可動物体の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。幾つかの実施形態(図示せず)では、支持機構部品L2の回転の軸は、可動物体の質量の中心を通じて延びてもよい。幾つかの実施形態では、支持機構部品L2の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。他の実施形態では、支持機構部品L2の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。可動物体、基部、支持機構部品L1、支持機構部品L2、及び搭載物支持構造の相互の任意の配置が考えられてもよい。
図6の実施形態では、回転装置RW2は、搭載物支持構造の部分102−4に配置されてもよい。部分102−4は、支持機構部品L2の端が取り付けられる搭載物支持構造の部分102−3の反対であってもよい。然しながら、回転装置RW2の配置は、図6に示される構成に限定される必要はない。回転装置RW2は、部分102−4以外の搭載物支持構造のいずれかの部分に配置されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、回転装置RW2は、部分102−3に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置RW2は、部分102−3及び102−4に直交し、又はそれらに対して傾いた搭載物支持構造の1つ又は複数の部分に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、複数の回転装置は、搭載物支持構造の複数の部分上にそれぞれ配置されてもよい。搭載物支持構造上の任意の数の回転装置、及びそれらの配置が考えられてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置は、搭載物支持構造の外面の代わりに搭載物支持構造内に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置は、搭載物装置自体に直接に配置されてもよい。
回転装置RW2は、搭載物支持構造に追加トルクTs_xを提供するように構成されてもよい。追加トルクTs_xは、回転装置RW2によって搭載物支持構造に直接且つほとんど瞬時に提供されてもよい。
回転装置RW2は、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。例えば、回転装置RW2は、回転装置RW2を有さないことと比較して、少なくとも1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。トルク伝達遅延の量の減少は、回転装置RW1を有さないことと比較して、少なくとも約0.001ミリ秒、0.005ミリ秒、0.01ミリ秒、0.03ミリ秒、0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.3ミリ秒、0.5ミリ秒、0.7ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、5ミリ秒、7ミリ秒、10ミリ秒、15ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、又は100ミリ秒であってもよい。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_xは、回転装置RW2によって搭載物支持構造に、約0.001ミリ秒、0.005ミリ秒、0.01ミリ秒、0.03ミリ秒、0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.3ミリ秒、0.5ミリ秒、0.7ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、5ミリ秒、7ミリ秒、10ミリ秒、15ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、又は100ミリ秒以内で提供されてもよい。
図6の例では、回転装置RW2の回転部が搭載物支持構造又は搭載物装置に対して自由に回転することができるように、回転装置RW2の回転部は、搭載物支持構造に直接結合されない。以下で説明されるように、回転装置RW2の回転部の自由な回転は、追加トルクTs_xを生成することができる。
幾つかの実施形態では、回転装置RW2は、搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備えてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置RW2は、固定子及びロータを備えた回転モータであってもよい。固定子は、回転装置RW2の非回転部に相当してもよく、及びロータは、回転装置RW2の回転部に相当してもよい。回転装置RW2の固定子は、搭載物支持構造に直接結合されてもよい。例えば、回転装置RW2の固定子は、搭載物支持構造に強固に且つ直接取り付けられてもよく、それによって、任意の干渉部品を通じて伝達されることなく、固定子から搭載物支持構造に追加トルクTs_xを直接伝達することができる。幾つかの他の実施形態では、回転装置RW2の固定子は、搭載物装置に直接結合されてもよい。例えば、回転装置RW2の固定子は、搭載物装置に強固に且つ直接取り付けられてもよく、それによって、任意の干渉部品を通じて伝達されることなく、固定子から搭載物装置に追加トルクTs_xを直接伝達することができる。回転装置RW2のロータは、X軸の周囲を自由に回転するように構成されてもよい。回転装置RW2のロータの回転の軸は、可動物体のロール軸に平行であってもよい。幾つかの実施形態では、回転装置RW2の回転の軸は、可動物体のロール軸と一致してもよい。図6の例では、ロータは、X軸の周囲を反時計回りの方向で自由に回転し、その結果として角運動量の保存の法則に基づいて、X軸の周囲を時計回りの方向で追加トルクTs_xを生成するように構成される。特に、ロータがX軸の周囲を自由に回転するとき、追加トルクTs_xは、固定子を通じて搭載物支持構造に直接伝達されてもよい。
幾つかの実施形態では、回転装置RW2の回転の軸は、支持機構部品L2の回転の軸に平行であってもよい。幾つかの代替的な実施形態では、回転装置RW2の回転の軸は、支持機構部品L2の回転の軸に平行である必要はない。幾つかの実施形態では、回転装置RW2の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。他の実施形態では、回転装置RW2の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。
上記説明されたように、追加トルクTs_xは、回転装置RW2のロータの回転によって生成されてもよい。追加トルクTs_xは、第1の方向を有する電流(例えば、正電流又は負電流のいずれか)を回転装置RW2に印加することによって生成されてもよく、それによって、ロータが加速することになる。ロータは、所定の回転速度まで加速するように構成されてもよい。
幾つかの例では、外部擾乱が持続的であることがある(例えば、飛行、乱気流などの間の可動物体及び/又は搭載物支持構造の持続的な振動)。それらの場合、外部擾乱によって、可動物体及び搭載物支持構造上で持続的な力/トルクが与えられることになる。外部トルクTe_xが持続的に可動物体及び搭載物支持構造に適用されるとき、搭載物支持構造の姿勢及び/又は方位を維持するために、持続的な電流を回転装置RW2に供給することができ、それによって、外部トルクに対する持続的な反作用トルク(追加トルク)を達成することができる。然しながら、外部擾乱が持続的であるとき、回転装置RW2のロータは、持続的な電流供給の結果としてますます高速に回転し続けることがある。ロータの回転速度が所定の回転速度に到達するとき、回転によって生成される逆の起電力は、回転装置RW2に供給される電圧と実質的に同一となることがある。この現象は、「回転速度飽和」として知られ、及び結果として、回転装置RW2が外部トルクを是正するために十分な追加トルクを提供することができないことになる場合がある。
「回転速度飽和」を防止するために、ロータが所定の回転速度を上回るとき、第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が回転装置RW2に印加されて、ロータを減速させてもよい。例えば、正電流が回転装置RW2に印加されて、ロータを加速させ、及び時計回りの方向で回転させてもよい。ロータが所定の回転速度を上回るとき、負電流が回転装置RW2に印加されて、ロータを減速させてもよく、及び反時計回りの方向で回転させてもよく、それによって、ロータを減速させることができる。
幾つかの実施形態では、回転装置RW2は、作動装置を備えたリアクションホイールであってもよい。図6の例では、リアクションホイールは、ロータ上に取り付けられ、及びロータで自由に回転するように構成された慣性ホイールを備えてもよい。ロータ及び慣性ホイールは、X軸の周囲を自由に回転するように構成されてもよい。追加トルクTs_xが搭載物支持構造に提供される時間の長さを増大させるために慣性ホイールを使用することができる。追加トルクTs_xが搭載物支持構造に提供される時間の長さは、慣性ホイールの質量の関数であってもよい。例えば、追加トルクTs_xが搭載物支持構造に提供される時間の長さは、慣性ホイールの質量と共に増加してもよい。追加トルクTs_xは、第1の方向を有する電流を回転装置RW2に印加することによって生成されてもよく、それによって、ロータ及び慣性ホイールの両方を加速させることができる。ロータ及び慣性ホイールは、所定の回転速度まで加速するように構成されてもよい。
所定の回転速度は、「回転速度飽和」が発生する(すなわち、ロータ及び慣性ホイールの回転によって生成される逆の起電力が、回転装置RW2に供給される電圧と実質的に等しいとき)速度に相当してもよい。ロータ及び慣性ホイールが所定の回転速度を上回るとき、第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が回転装置RW2に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを減速させてもよい。例えば、正電流が回転装置RW2に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを加速させてもよく、及び時計回りの方向で回転させてもよい。ロータ及び慣性ホイールが所定の回転速度を上回るとき、負電流が回転装置RW2に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを減速させて反時計回りの方向で回転させてもよく、それによって、ロータ及び慣性ホイールが減速する。
回転装置RW2は、追加トルクTs_xを搭載物支持構造に提供して、補正トルクTc_xにおける伝達遅延を補償するように構成されてもよい。上述したように、補正トルクTc_xは、作動装置M2によって生成されてもよい。作動装置M2が支持機構部品L2をX軸の周囲で回転させるときに、補正トルクTc_xが生成されてもよく、及び搭載物支持構造に伝達されてもよい。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_xは、補正トルクTc_xと実質的に同時に生成されてもよい。例えば、外部トルクTe_xを与える外部擾乱がコントローラ組立部における1つ又は複数の慣性センサによって検出されるとき、補正トルクTc_x及び追加トルクTs_xの両方が、実質的に同時に生成されて、外部トルクTe_xを是正してもよい。然しながら、搭載物支持構造は、補正トルクTc_xを受ける前に追加トルクTs_xを受けてもよい。例えば、搭載物支持構造は、トルク伝達遅延によって、追加トルクTs_xよりも後に、(1)作動装置M2から支持機構部品L2に、及び(2)支持機構部品L2から搭載物支持構造に、補正トルクTc_xを受けてもよい。言い換えると、補正トルクTc_x及び追加トルクTs_xの両方を実質的に同時に生成することができるとしても、補正トルクTc_xの前に追加トルクTs_xを搭載物支持構造に伝達することができる。
トルク伝達遅延は、作動装置M2の回転部のねじり変形、及び支持機構部品L2のねじり変形の結果であることがある。幾つかの実施形態では、トルク伝達遅延は、数ミリ秒から数秒までの範囲にあることがある。
図6を参照して、伝達遅延の長さは、作動装置M2と搭載物支持構造との間で測定された距離D2の関数であってもよい。例えば、伝達遅延は、距離D2が増加するときに増加することがある。幾つかの例では、作動装置M2から搭載物支持構造までの距離D2は、支持機構部品L2の長さの少なくとも一部に基づいて判定されてもよい。回転装置RW2が効果的に伝達遅延を補償するために、回転装置RW2と搭載物支持構造との間の距離は、最小であるべきであり、及び実質的に距離D2未満であるべきである。例えば、図6の実施形態では、回転装置RW2が搭載物支持構造上に直接配置されて、搭載物支持構造からのその距離を最小にする。従って、相当な伝達遅延がなく、搭載物支持構造に、追加トルクTs_xを直接且つほとんど瞬時に伝達することができる。
搭載物支持構造は、補正トルクTc_xの影響を受ける前に、追加トルクTs_xの影響を受けるように構成されてもよい。幾つかの例では、補正トルクTc_xが搭載物支持構造に伝達され、及び搭載物支持構造において経験されるときに、追加トルクTs_xが減少又は除去されることがある。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_xは、伝達遅延に相当する期間の間に搭載物支持構造に適用されてもよい。補正トルクTc_xが伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達するとき、追加トルクTs_xが減少又は除去されてもよい。追加トルクTs_xは、回転装置RW2への電流を調整することによって減少又は除去されて、回転装置RW2のロータ及び/又は慣性ホイールを減速させてもよい。搭載物支持構造は、補正トルクTc_xの影響を受ける前の遅延の間に追加トルクTs_xの影響を受けることがある。追加トルクTs_xは、補正トルクTc_xと実質的に等しくてもよく、及び補正トルクTc_xと同一の方向で適用されてもよい。幾つかの例では、追加トルクTs_xは、補正トルクTc_x未満であってもよい。幾つかの例では、追加トルクTs_xは、搭載物支持構造上での外部擾乱の影響を軽減するために、外部トルクTe_xと実質的に等しくてもよく、及び外部トルクTe_xと反対の方向にあってもよい
フレーム組立部及びモータ組立部に加え、安定化プラットフォーム600は更に、コントローラ組立部を備えてもよい。図6及び7を参照して、コントローラ組立部は、感知システム104及びコントローラ106を備えてもよい。コントローラ組立部は、感知システム、並びにモータ組立部の作動要素(例えば、作動装置M1及びM2、並びに回転装置RW1及びRW2)と通信していてもよい。感知システムは、搭載物装置、搭載物支持構造、並びに/又は、フレーム組立部、作動装置M1及びM2、回転装置RW1及びRW2、並びに可動物体などの、搭載物支持構造若しくは搭載物装置以外の物体と関連付けられた状態情報を測定又は取得するように構成されてもよい。状態情報は、上記物体のいずれかの角速度及び/若しくは線形速度、並びに/又は加速度、位置情報などを含んでもよい。そのような状態情報は、相対的又は絶対的であってもよい。幾つかの実施形態では、感知システムは、物体が外部擾乱(例えば、天候及び/若しくは温度変化、又は破片若しくは障害物などの外因)による影響を受けるときに、上記物体の1つ又は複数と関連付けられた状態情報を測定又は取得するように構成されてもよい。図6の例では、感知システムは、搭載物支持構造の一部の上に設けられてもよい。安定化プラットフォームのいずれかに感知システムを設けることができることに留意されたい。幾つかの他の実施形態では、可動物体自体に感知システムを設けることができる。可動物体上の感知システム、及び/又は安定化プラットフォームのいずれかの配置が考えられてもよい。様々な実施形態では、感知システムは、搭載物装置、搭載物支持構造、フレーム組立部、モータ組立部、又は可動物体などに結合されてもよい。
感知システムは、物体の空間的配置、速度、及び/又は加速度を感知することができる(例えば、最大で3の転移度及び最大で3の回転度に関する)1つ又は複数のセンサを含むことができる。感知システムは、慣性測定ユニット、動きセンサ、近接センサ、コンパス、グローバルポジショニングシステム(GPS)送受信機、又は他のタイプの測定要素若しくはセンサを含んでもよい。例えば、感知システムは、物体(例えば、搭載物装置、搭載物支持構造、フレーム組立部、及び/又は可動物体)の角速度を検出する1つ又は複数のジャイロスコープ、並びに線形加速度及び/又は角加速度を検出する1つ又は複数の加速度計を含んでもよい。代わりに、天候状況、潜在的な障害物への近接性、地理的特徴のロケーション、及び人工構造のロケーションなどの物体の周囲の環境に関するデータを提供するために感知システムを使用することができる。幾つかの実施形態では、感知システムは、物体の2以上の回転軸に関する状態情報を測定するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、感知システムは、回転軸の少なくとも2つに関連する情報を取得してもよい。例えば、測定部は、物体のピッチ及びロール軸の両方に関する情報を取得してもよい。加えて、状態情報は、物体のピッチ、ロール及びヨー軸の全てに関連してもよい。
幾つかの実施形態では、コントローラは、感知システムによって検出された状態情報に基づいて物体の姿勢情報を算出し、及び姿勢情報に基づいて1つ又は複数のモータ信号を提供するように構成されてもよい。そのような姿勢情報は、物体のピッチ、ロール、ヨー軸、軸に対する物体の方位若しくは傾き、速度並びに/又は加速度などを含んでもよい。幾つかの例では、姿勢情報は、角速度情報(例えば、感知システムによって、又は他のソースから提供される)に基づいて算出されてもよい。他の場合では、姿勢情報は、角速度情報及び線形加速度情報の両方に基づいて算出されてもよい。例えば、線形加速度情報は、角速度情報を修正及び/又は補正するために使用されてもよい。
算出された姿勢情報に基づいて、コントローラは、1つ又は複数のモータ信号を生成し、及び安定化プラットフォームの作動要素(例えば、作動装置M1及びM2、並びに/又は回転装置RW1及びRW2)に送信してもよい。モータ信号によって作動要素の回転を進め、回転を逆にさせることができ、及び回転の速度/トルクを調整して、外部擾乱/トルクを是正するためにモータ信号を使用することができる。1つ又は複数のモータ信号に応答して、作動要素(例えば、作動装置M1及びM2、並びに/又は回転装置RW1及びRW2)は、フレーム組立部のそれぞれの部分を直接駆動して、1つ又は複数のモータ信号に応答して回転させることができる。結果として、搭載物装置は、その周囲で外部トルクが与えられる軸の少なくとも1つの周囲で回転することが可能になる。そのような回転は、搭載物装置を安定させるため、及び/又は所定の位置若しくは姿勢を維持するために必要となることがある。
例えば、図6の実施形態では、搭載物支持構造が外部トルクTe_z及びTe_xの影響を受けるとき、コントローラは、作動装置M1及びM2、並びに回転装置RW1及びRW2に電流を同時に印加して、補正トルクTc_z及びTc_x、並びに追加トルクTs_z及びTs_xを生成して、外部トルクを是正してもよい。搭載物支持構造は、補正トルクにおける伝達遅延によって、補正トルクTc_z及びTs_xの前に追加トルクTs_z及びTs_xの影響を受けることがある。感知システムは、搭載物支持構造上で追加トルクTs_z及びTs_xの各々の影響を検出するように構成されてもよい。
補正トルクTc_zは、伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達してもよい。感知システムが搭載物支持構造上で補正トルクTc_zの影響を検出するとき、コントローラは次いで、回転装置RW1に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_zを減少又は除去することができる。同様に、補正トルクTc_xは、第2の伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達してもよい。感知システムが搭載物支持構造上で補正トルクTc_xの影響を検出するとき、コントローラは次いで、回転装置RW2に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_xを減少又は除去することができる。図6の例では、補正トルクTc_zが、作動装置M1から支持機構部品L1、作動装置M2、及び支持機構部品L2を通じて搭載物支持構造に到達する前に伝達される必要があるので、補正トルクTc_zと関連付けられた第1の伝達遅延は、補正トルクTc_xと関連付けられた第2の伝達遅延よりも長いことがある。一方で、補正トルクTc_xのみが、作動装置M2から支持機構部品L2を通じて搭載物支持構造に到達する前に伝達される必要がある。
コントローラは、異なる時点における感知システムからの動きデータ、及び搭載物支持構造上の種々のトルクの影響に基づいて、作動装置M1及びM2、並びに回転装置RW1及びRW2からの補正トルクTc_z及びTc_x、並びに追加トルクTs_z及びTs_xをリアルタイムで調節するように構成されてもよい。特に、補正トルク及び追加トルクを調節して、円滑なトルク制御を達成する(外部トルクを是正するために)ことによって、安定化プラットフォームの感度及び性能を改善することができる。
前に述べたように、従来の安定化システムは、高い慣性及び/又は低い構造的硬直性によって、相当なトルク伝達遅延を有することがある。トルク伝達遅延の結果として、従来の閉ループ安定化システムの位相マージンが減少することがあり、それによって、閉ループ制御システムの性能が制限される。一方で、図7における閉ループ制御システムが、搭載物支持構造に追加トルクを提供して、トルク伝達遅延を補償するように構成された回転装置を含むので、図7における閉ループ制御システムは、従来の安定化システムよりも位相マージンを改善している。
図8は、図1及び図6の安定化プラットフォームにおける補正トルクTc_z及びTc_xと関連付けられた伝達遅延における差異を示す。特に、図8の部分Aは、図1の安定化プラットフォーム100における補正トルクTc_zの伝達遅延d(z)を示す。図8の部分Bは、図6の安定化プラットフォーム600の補正トルクTc_zの伝達遅延d(z)’、及び補正トルクTc_xの伝達遅延d(x)を示す。それぞれの補正トルクの伝達遅延における差異は、以下のように説明される。
図1及び図6を再度参照して、安定化プラットフォーム600は、より多数の連続して接続された支持機構部品及び作動装置を備えるので、安定化プラットフォーム600が、安定化プラットフォーム100よりも高い慣性及び低い構造的硬直性を有することを観察することができる。図6の部分A及びBと比較して、安定化プラットフォーム600における補正トルクTc_zが、搭載物支持構造に到達する前に追加の部分(例えば、作動装置M1/M2及び支持機構部品L1/L2)を通じて伝わる必要があるので、安定化プラットフォーム600の伝達遅延d(z)’が安定化プラットフォーム100の伝達遅延d(z)よりも長いことを観察することができる。加えて、補正トルクTc_xが搭載物支持構造に到達する前により短い距離(作動装置M2から支持機構部品L2に)を伝わるので、安定化プラットフォーム600の伝達遅延d(x)が伝達遅延d(z)’よりも短いことを観察することができる。
図9は、異なる追加トルクを提供してトルク伝達遅延を補償するために種々の回転装置が使用されるときの例示的な安定化プラットフォーム(例えば、安定化プラットフォーム600)の安定化性能の改善を示す。図9におけるトルクT(ナノメートル)対時間t(ミリ秒)のプロットを参照すると、時間に応じて、実曲線が搭載物支持構造上の外部トルクに相当し、並びに破線が搭載物支持構造上の補正トルク及び/又は追加トルクに相当する。
図9の部分Aは、図8の部分Bにおいて前に説明されたように、図6における安定化プラットフォーム600の補正トルクTc_z及びTc_xと関連付けられた伝達遅延を示す。
図9の部分Bを参照して、回転装置RW1及びRW2が搭載物支持構造上に直接配置されて、作動装置M1及びM2から搭載物支持構造へのトルク伝達遅延d(z)を補償するために、追加トルクTs_z及びTs_xを提供してもよい。図9の部分Bに示されるように、回転装置の使用を通じて安定化プラットフォームの性能(応答速度)を改善することができる。例えば、感知システムが外部トルクTe_z及びTe_xを検出するとき、コントローラは、外部トルクTe_z及びTe_xを是正するために、補正トルクTc_z及びTc_x並びに追加トルクTs_z及びTs_xをそれぞれ生成するように作動装置M1及びM2並びに回転装置RW1及びRW2を制御してもよい。図9の実施形態では、外部トルクTe_z及びTe_xは、実質的に同一の大きさで、実質的に同時に発生することが想定されるが、これは本発明の限定とはならない。例えば、上述したように、外部トルクTe_z及びTe_xは、異なる持続期間の間に、及び異なる力の大きさで、任意の次元で異なる時に発生することがある。回転装置RW1及びRW2が搭載物支持構造上に直接配置されるので、回転装置によって提供される追加トルクを搭載物支持構造にほとんど瞬時に伝達することができる。
追加トルクTs_xは、遅延d(x)の持続期間の間に搭載物支持構造に提供されてもよく、及び追加トルクTs_zは、遅延d(z)’の持続期間の間に搭載物支持構造に提供されてもよい。作動装置M2が作動装置M1よりも搭載物支持構造の近くに配置されるので、遅延d(x)は遅延d(z)’よりも短い。遅延d(x)の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_xの影響を受け始めるとき、コントローラは次いで、回転装置RW2に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_xを減少又は除去するように回転装置RW2を制御してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、遅延d(x)の終わりにおいて追加トルクTs_xを完全に除去してもよく、及び遅延d(x)が終了するときから始まる外部トルクTe_xを是正するために補正トルクTc_xのみを適用してもよい。
同様に、遅延d(z)’の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_zの影響を受け始めるとき、コントローラは次いで、RW1に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_zを減少又は除去するように回転装置RW1を制御してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、遅延d(z)’の終わりにおいて追加トルクTs_zを完全に除去してもよく、及び遅延d(z)’が終了するときから始まる外部トルクTe_zを是正するために補正トルクTc_zのみを適用してもよい。
幾つかの更なる実施形態では、追加トルクTs_z及びTs_xは、遅延d(z)’の全持続期間(遅延d(z)’及びd(x)のより長い期間)の間に搭載物支持構造に提供されてもよい。遅延d(z)’の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_z及びTc_xの影響を受け始めるとき、コントローラは次いで、回転装置RW1及びRW2に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_z及びTs_xを減少又は除去するように回転装置RW1及びRW2を制御してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、遅延d(z)’の終わりにおいて追加トルクTs_z及びTs_xを完全に除去してもよく、並びに遅延d(z)’が終了するときから始まる外部トルクTe_z及びTe_xを是正するために補正トルクTc_z及びTc_xのみを適用してもよい。
幾つかの代替的な実施形態では、コントローラは、遅延d(z)’が終了するときから始まる外部トルクTe_z及びTe_xを是正するために、追加トルクTs_z及びTs_x、並びに補正トルクTc_z及びTc_xを調節するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、感知システムからの姿勢情報/フィードバックに応じて必要に応じ、及び必要とされるときに異なる量の追加トルクを生成するように回転装置RW1及びRW2の各々を制御することができる。異なる量の追加トルクは、ほとんど瞬時に搭載物支持構造に伝達されてもよく、及び補正トルクにおける任意の後続の遅延を補償するために使用されてもよい。幾つかの例では、異なる量の追加トルクは、外部トルクを是正/相殺するトルクの大部分を提供する補正トルクと共にわずかであってもよい。異なる量の追加トルクはまた、高頻度で、搭載物支持構造にほとんど瞬時に提供されてもよく、及び外部トルクが急速に変動しているときに特に有益であることがある。結果として、安定化プラットフォーム600の応答速度が補正トルクにおける伝達遅延d(z)’及びd(x)によって実質的に影響されないので、安定化プラットフォームの性能が改善する。
図10は、別の実施形態に従った、安定化プラットフォーム1000の概略図を示す。安定化プラットフォームは、撮像装置又は非撮像装置などの搭載物装置を保持するように構成されてもよい。図10の安定化プラットフォーム1000は、以下の差異を除き、図6の安定化プラットフォーム600と同様である。図6の例では、安定化プラットフォーム600は、搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置に対して2つの回転の軸を提供する2軸安定化プラットフォームである。安定化プラットフォーム600における搭載物支持構造は、支持機構部品L2に取り付けられてもよく、又は強固に結合されてもよく、それによって、支持機構部品L2及び搭載物支持構造が、作動装置M2によって作動されるときに全体として移動する。
一方で、図10の例では、安定化プラットフォーム1000は、搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置に対して3つの回転の軸を提供する3軸安定化プラットフォームである。3つの回転の軸は、相互に直交してもよい。安定化プラットフォーム1000における搭載物支持構造は、支持機構部品L2に強固に結合される代わりに、支持機構部品L2に回転可能に結合されてもよい。例えば、安定化プラットフォーム1000における搭載物支持構造は、別の作動装置M3によって搬装置構成要素L2に回転可能に結合されてもよい。作動装置M3は、外部トルクTe_yを是正するために補正トルクTc_yを生成するように構成されてもよい。図10に示されるように、外部トルクTe_yは、時計回りの方向でそのピッチ軸(Y軸)の周囲で可動物体に適用されてもよい。
外部トルクTe_yは、方向(及び、幾つかの例では、その大きさ)を除いて外部トルクTe_z及びTe_xと同様であってもよい。前に説明したように、外力/トルクは、搭載物支持構造上の風の影響、温度変化、又は外部影響などの外部擾乱によって発生することがある。外部擾乱によって、搭載物支持構造が目的物のロケーションの外側に移ることがある。幾つかの例では、外部トルクは、可動物体の一定の動き特性(例えば、急激な加速、減速、旋回飛行の動き、ピッチ/ロール/ヨー、傾きなど)の結果として生じることがある。外部トルクは、搭載物支持構造の方位(例えば、姿勢)、及び搭載物支持構造内に配置された搭載物装置の安定性に影響を与えることがある。搭載物支持構造が撮像装置などの搭載物を搬送しているとき、外部トルクは、撮像装置によって捕捉された画像の質に影響を与えることがある。
作動装置M3は、支持機構部品L2に結合された非回転部、及び搭載物支持構造に結合された回転部を備えてもよい。幾つかの他の実施形態では、作動装置M3の非回転部は、搭載物支持構造に結合されてもよく、及び回転部は、支持機構部品L2に結合されてもよい。作動装置M3がモータであるとき、非回転部は、モータの固定子に相当してもよく、及び回転部は、モータのロータに相当してもよい。
作動装置M3は、コントローラ組立部から作動装置M3に送信された信号に応答して、Y軸の周囲で搭載物支持構造を回転させるように構成されてもよい。従って、作動装置M3は、搭載物支持構造を直接駆動して、基部/可動物体に対して回転させるように構成されてもよい。特に、作動装置M3は、搭載物支持構造を駆動して外部トルクTe_yを是正するために補正トルクTc_yを適用することができる。幾つかの実施形態では、補正トルクTc_yは、外部トルクTe_yと実質的に等しくてもよく、及び反対の方向にあってもよい。例えば、外部トルクTe_yがY軸の周囲を時計回りの方向で可動物体に適用されるとき、作動装置M2は、Y軸の周囲を反時計回りの方向で搭載物支持構造に補正トルクTc_yを適用してもよい。特に、補正トルクTc_yは、搭載物支持構造が外部トルクTe_yの方向で移動することを防止することを支援することができ、それによって、搭載物支持構造の位置及び安定性を維持することができる。
作動装置M3の回転の軸は、可動物体のピッチ軸に平行であってもよく、並びに可動物体のヨー軸及びロール軸に直交してもよい。幾つかの実施形態では、作動装置M3は、ヨー軸及びロール軸に対して傾いた別の軸(図示せず)の周囲で搭載物支持構造を回転させるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、作動装置M3の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。幾つかの代替的な実施形態では、作動装置M3の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。作動装置M1/M2/M3、可動物体、基部、支持機構部品L1/L2、並びに/又は搭載物支持構造の相互のいずれかの配置が考えられてもよい。
図6における安定化プラットフォーム600と同様に、図10における安定化プラットフォーム1000は、作動装置M1及びM2から搭載物支持構造への補正トルクTc_z及びTc_xにおけるトルク伝達遅延の影響を受けることがある。然しながら、図10の例では、作動装置M3が搭載物支持構造に直接結合されるので、補正トルクTc_yにおいて無視できる遅延が存在することがある。従って、作動装置M3から搭載物支持構造に、補正トルクTc_yをほとんど瞬時に伝達することができる。
図10の実施形態では、作動装置M3は、搭載物支持構造の部分102−5上に配置されてもよい。部分102−5は、搭載物支持構造の部分102−1及び102−3に直交してもよい。然しながら、作動装置M3の配置は、図10に示された構成に限定される必要はない。例えば、作動装置M3は、部分102−5以外の搭載物支持構造の部分上に配置されてもよい。
幾つかの実施形態では、追加トルクを提供する回転装置は、部分102−5とは反対の搭載物支持構造の部分102−6上に配置されてもよい。図10の搭載物支持構造上の任意の数の回転装置及びその配置が考えられてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置は、搭載物支持構造の外面の代わりに、搭載物支持構造内に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置は、搭載物装置自体に直接配置されてもよい。
図11は、別の実施形態に従った、安定化プラットフォーム1100の概略図を示す。安定化プラットフォームは、撮像装置又は非撮像装置などの搭載物装置を保持するように構成されてもよい。安定化プラットフォーム1100がまた、搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置に対して3つの回転の軸を提供する3軸安定化プラットフォームであるという点で、図11の安定化プラットフォーム1100は図10の安定化プラットフォーム1000と同様である。然しながら、安定化プラットフォーム1000と安定化プラットフォーム1100との間で幾つかの差異があってもよい。図11の実施形態では、安定化プラットフォーム1100は、作動装置M3と搭載物支持構造との間で結合された支持機構部品L3を含んでもよい。搭載物支持構造は、支持機構部品L3に取り付けられてもよく、又は強固に結合されてもよく、それによって、支持機構部品L3及び搭載物支持構造は、作動装置M3によって作動されるときに全体として移動する。安定化プラットフォーム1100は更に、Y軸の周囲で追加トルクTs_yを生成するように構成された回転装置RW3を含んでもよい。作動装置M3から搭載物支持構造への補正トルクTc_yの伝達遅延を補償するために追加トルクTs_yを使用することができる。
回転装置RW3は、搭載物支持構造上に直接配置されてもよい。図11の例では、回転装置RW3は、Y軸の周囲を反時計回りの方向で、搭載物支持構造に追加トルクTs_yを提供するように構成されてもよい。追加トルクTs_yは、外部トルクを是正するために、補正トルクTc_yと同一の方向で、及び外部トルクTe_yと反対の方向で適用されてもよい。補正トルクTc_yの伝達遅延の間(すなわち、補正トルクTc_yが搭載物支持構造に到達する前)、搭載物支持構造の位置及び安定性を維持するために追加トルクTs_yを使用することができる。
安定化プラットフォームの種々の部分を通じて伝達遅延の影響を受ける補正トルクとは異なり、回転装置RW3が搭載物支持構造上に直接配置されるので、追加トルクTs_yの影響を搭載物支持構造にリアルタイムでほとんど瞬時に伝達することができる。補正トルクTc_yを補償するために追加トルクTs_yを使用することができる。例えば、搭載物支持構造が外部トルクTe_yを最初に経験するとき、及び作動装置M3からの補正トルクTc_yが搭載物支持構造に到達する前に、搭載物支持構造において外部トルクTe_yを是正するために追加トルクTs_yを使用することができる。作動装置M3からの補正トルクTc_yが搭載物支持構造に到達するとき、回転装置RW3に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_yを減少又は除去することができる。
幾つかの実施形態では、補正トルクTc_yが搭載物支持構造に到達した後でさえ、外部トルクTe_yの影響を軽減するために、追加トルクTs_yは補正トルクTc_yと共に使用されてもよい。例えば、外部トルクTe_yの変化に応じて、搭載物支持構造に微細なトルク補正をリアルタイムで、又はほぼリアルタイムで提供することによって、安定化プラットフォームの感度を増加させるために追加トルクTs_yを使用することができる。作動装置M3によって提供される補正トルクTc_yを補足又は増加させるために、回転装置RW3からのそれらの微細なトルク補正を使用することができる。それらのリアルタイム(又は、ほぼリアルタイム)な、微細なトルク補正は特に、安定化プラットフォームの増加した感度及び応答速度を必要とする、外部トルク/擾乱が高頻度で発生するときに有益である。そのような外部トルク/擾乱の例は、可動物体の推進装置における部品の移動によって生じる可動物体の振動/ジッターであってもよい。
図11に示されるように、支持機構部品L3は、作動装置M3によって支持機構部品L2に回転可能に結合されてもよい。作動装置M3は、支持機構部品L2に結合された非回転部、及び支持機構部品L3に結合された回転部を備えてもよい。幾つかの代替的な実施形態では、作動装置M3の非回転部は、支持機構部品L3に結合されてもよく、及び回転部は、支持機構部品L2に結合されてもよい。作動装置M3がモータであるとき、非回転部はモータの固定子に相当してもよく、及び回転部はモータのロータに相当してもよい。
支持機構部品L3は、作動装置M3の回転部の回転の軸に沿って延びるY軸の周囲を回転するように構成されてもよい。回転の軸は、可動物体のピッチ軸に平行であってもよい。幾つかの例では、回転の軸は、可動物体のピッチ軸と一致してもよい。図11の例では、搭載物支持構造は、支持機構部品L3に強固に結合される。搭載物支持構造が支持機構部品L3に強固に結合されるので、搭載物支持構造(及び、それに配置された搭載物装置)は、支持機構部品L3が回転するときにY軸の周囲を回転することができる。作動装置M3は、コントローラ組立部から作動装置M3に送信される信号に応答して、Y軸の周囲で支持機構部品L3を回転させるように構成されてもよい。従って、作動装置M3は、基部/可動物体に対してY軸の周囲を回転するように支持機構部品L3及び搭載物支持構造を直接駆動するように構成されてもよい。特に、作動装置M3は、外部トルクTe_yを是正するように、支持機構部品L3及び搭載物支持構造を駆動するために補正トルクTc_yを適用することができる。
他の実施形態では、支持機構部品L3の回転の軸は、可動物体の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。幾つかの実施形態(図示せず)では、支持機構部品L3の回転の軸は、可動物体の質量の中心を通じて延びてもよい。幾つかの実施形態では、支持機構部品L3の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。他の実施形態では、支持機構部品L3の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。可動物体、基部、支持機構部品L1/L2/L3、及び搭載物支持構造の相互の任意の配置が考えられてもよい。
図11の実施形態では、回転装置RW3は、搭載物支持構造の部分102−6上に配置されてもよい。部分102−6は、支持機構部品L3の端が取り付けられる搭載物支持構造の部分102−5の反対であってもよい。然しながら、回転装置RW3の配置は、図11に示される構成に限定される必要はない。回転装置RW3は、部分102−6以外の搭載物支持構造のいずれかの部分上に配置されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、回転装置RW3は、部分102−5上に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置RW3は、部分102−5及び102−6に直交し、又はそれらに対して傾いた搭載物支持構造の1つ又は複数の部分上に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、複数の回転装置は、搭載物支持構造の複数の部分の上にそれぞれ配置されてもよい。搭載物支持構造上の任意の数の回転装置、及びそれらの配置が考えられてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置は、搭載物支持構造の外面の代わりに搭載物支持構造内に配置されてもよい。幾つかの更なる実施形態では、回転装置は、搭載物装置自体に直接配置されてもよい。
回転装置RW3は、搭載物支持構造に追加トルクTs_yを提供するように構成されてもよい。追加トルクTs_yは、回転装置RW3によって搭載物支持構造に直接且つほとんど瞬時に提供されてもよい。
回転装置RW3は、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。例えば、回転装置RW3は、回転装置RW3を有さないことと比較して、少なくとも1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、又は90%、トルク伝達遅延の量を減少させることができる。トルク伝達遅延の量の減少は、回転装置RW3を有さないことと比較して、少なくとも約0.001ミリ秒、0.005ミリ秒、0.01ミリ秒、0.03ミリ秒、0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.3ミリ秒、0.5ミリ秒、0.7ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、5ミリ秒、7ミリ秒、10ミリ秒、15ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、又は100ミリ秒であってもよい。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_yは、回転装置RW3によって搭載物支持構造に、約0.001ミリ秒、0.005ミリ秒、0.01ミリ秒、0.03ミリ秒、0.05ミリ秒、0.1ミリ秒、0.3ミリ秒、0.5ミリ秒、0.7ミリ秒、1ミリ秒、2ミリ秒、3ミリ秒、5ミリ秒、7ミリ秒、10ミリ秒、15ミリ秒、20ミリ秒、30ミリ秒、50ミリ秒、又は100ミリ秒以内で提供されてもよい。
図11の例では、回転装置RW3の回転部が搭載物支持構造又は搭載物装置に対して自由に回転することができるように、回転装置RW3の回転部は、搭載物支持構造に直接結合されない。以下で説明されるように、回転装置RW3の回転部の自由な回転は、追加トルクTs_yを生成することができる。
幾つかの実施形態では、回転装置RW3は、搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備えてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置RW3は、固定子及びロータを備えた回転モータであってもよい。固定子は、回転装置RW3の非回転部に相当してもよく、及びロータは、回転装置RW3の回転部に相当してもよい。回転装置RW3の固定子は、搭載物支持構造に直接結合されてもよい。例えば、回転装置RW3の固定子は、搭載物支持構造に強固に且つ直接取り付けられてもよく、それによって、任意の干渉部品を通じて伝達されることなく、固定子から搭載物支持構造に追加トルクTs_yを直接伝達することができる。幾つかの他の実施形態では、回転装置RW3の固定子は、搭載物装置に直接結合されてもよい。例えば、回転装置RW3の固定子は、搭載物装置に強固に且つ直接取り付けられてもよく、それによって、任意の干渉部品を通じて伝達されることなく、固定子から搭載物装置に追加トルクTs_yを直接伝達することができる。回転装置RW3のロータは、Y軸の周囲を自由に回転するように構成されてもよい。回転装置RW3のロータの回転の軸は、可動物体のピッチ軸に平行であってもよい。幾つかの実施形態では、回転装置RW3の回転の軸は、可動物体のピッチ軸と一致してもよい。図11の例では、ロータは、Y軸の周囲を時計回りの方向で自由に回転し、その結果として角運動量の保存の法則に基づいて、Y軸の周囲を反時計回りの方向で追加トルクTs_yを生成するように構成される。特に、ロータがY軸の周囲を自由に回転するとき、追加トルクTs_yは、固定子を通じて搭載物支持構造に直接伝達されてもよい。
幾つかの実施形態では、回転装置RW3の回転の軸は、支持機構部品L3の回転の軸に平行であってもよい。幾つかの代替的な実施形態では、回転装置RW3の回転の軸は、支持機構部品L3の回転の軸に平行である必要はない。幾つかの実施形態では、回転装置RW3の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びてもよい。他の実施形態では、回転装置RW3の回転の軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な想像線からずれてもよい。
上記説明されたように、追加トルクTs_yは、回転装置RW3のロータの回転によって生成されてもよい。追加トルクTs_yは、第1の方向を有する電流(例えば、正電流又は負電流のいずれか)を回転装置RW3に印加することによって生成されてもよく、それによって、ロータが加速することになる。ロータは、所定の回転速度まで加速するように構成されてもよい。
幾つかの例では、外部擾乱が持続的であることがある(例えば、飛行、乱気流などの間の可動物体及び/又は搭載物支持構造の持続的な振動)。それらの場合、外部擾乱によって、可動物体及び搭載物支持構造上で持続的な力/トルクが与えられることになる。外部トルクTe_yが持続的に可動物体及び搭載物支持構造に適用されるとき、搭載物支持構造の姿勢及び/又は方位を維持するために、持続的な電流を回転装置RW3に供給することができ、それによって、外部トルクに対する持続的な反作用トルク(追加トルク)を達成することができる。然しながら、外部擾乱が持続的であるとき、回転装置RW3のロータは、持続的な電流供給の結果としてますます高速に回転し続けることがある。ロータの回転速度が所定の回転速度に到達するとき、回転によって生成される逆の起電力は、回転装置RW3に供給される電圧と実質的に同一となることがある。この現象は、「回転速度飽和」として知られ、及び結果として、回転装置RW3が外部トルクを是正するために十分な追加トルクを提供することができないことになる場合がある。
「回転速度飽和」を防止するために、ロータが所定の回転速度を上回るとき、第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が回転装置RW3に印加されて、ロータを減速させてもよい。例えば、正電流が回転装置RW3に印加されて、ロータを加速させてもよく、及び時計回りの方向で回転させてもよい。ロータが所定の回転速度を上回るとき、負電流が回転装置RW3に印加されて、ロータを減速させてもよく、及び反時計回りの方向で回転させてもよく、それによって、ロータを減速させることができる。
幾つかの実施形態では、回転装置RW3は、作動装置を備えたリアクションホイールであってもよい。図11の例では、リアクションホイールは、ロータ上に取り付けられ、及びロータで自由に回転するように構成された慣性ホイールを備えてもよい。ロータ及び慣性ホイールは、Y軸の周囲を自由に回転するように構成されてもよい。追加トルクTs_yが搭載物支持構造に提供される時間の長さを増大させるために、慣性ホイールを使用することができる。追加トルクTs_yが搭載物支持構造に提供される時間の長さは、慣性ホイールの質量の関数であってもよい。例えば、追加トルクTs_yが搭載物支持構造に提供される時間の長さは、慣性ホイールの質量と共に増加してもよい。追加トルクTs_yは、第1の方向を有する電流を回転装置RW3に印加することによって生成されてもよく、それによって、ロータ及び慣性ホイールの両方を加速させることができる。ロータ及び慣性ホイールは、所定の回転速度まで加速するように構成されてもよい。
所定の回転速度は、「回転速度飽和」が発生する(すなわち、ロータ及び慣性ホイールの回転によって生成される逆の起電力が、回転装置RW3に供給される電圧と実質的に等しいとき)速度に相当してもよい。ロータ及び慣性ホイールが所定の回転速度を上回るとき、第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が回転装置RW3に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを減速させてもよい。例えば、正電流が回転装置RW3に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを加速させてもよく、及び時計回りの方向で回転させてもよい。ロータ及び慣性ホイールが所定の回転速度を上回るとき、負電流が回転装置RW3に印加されて、ロータ及び慣性ホイールを減速させてもよく、及び反時計回りの方向で回転させてもよく、それによって、ロータ及び慣性ホイールが減速する。
回転装置RW3は、追加トルクTs_yを搭載物支持構造に提供して、補正トルクTc_yにおける伝達遅延を補償するように構成されてもよい。上述したように、補正トルクTc_yは、作動装置M3によって生成されてもよい。作動装置M3が支持機構部品L3をY軸の周囲で回転させるときに、補正トルクTc_yが生成されてもよく、及び搭載物支持構造に伝達されてもよい。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_yは、補正トルクTc_yと実質的に同時に生成されてもよい。例えば、外部トルクTe_yを与える外部擾乱がコントローラ組立部における1つ又は複数の慣性センサによって検出されるとき、補正トルクTc_y及び追加トルクTs_yの両方が、実質的に同時に生成されて、外部トルクTe_yを是正してもよい。然しながら、搭載物支持構造は、補正トルクTc_yを受ける前に追加トルクTs_yを受けてもよい。例えば、搭載物支持構造は、トルク伝達遅延によって、追加トルクTs_yよりも後に、(1)作動装置M3から支持機構部品L3に、及び(2)支持機構部品L3から搭載物支持構造に、補正トルクTc_yを受けてもよい。言い換えると、補正トルクTc_y及び追加トルクTs_yの両方を実質的に同時に生成することができるとしても、補正トルクTc_yの前に追加トルクTs_yを搭載物支持構造に伝達することができる。
トルク伝達遅延は、作動装置M3の回転部のねじり変形、及び支持機構部品L3のねじり変形の結果であることがある。幾つかの実施形態では、トルク伝達遅延は、数ミリ秒から数秒までの範囲にあることがある。
図11を参照して、伝達遅延の長さは、作動装置M3と搭載物支持構造との間で測定された距離D3の関数であってもよい。例えば、伝達遅延は、距離D3が増加するときに増加することがある。幾つかの例では、作動装置M3から搭載物支持構造までの距離D3は、支持機構部品L3の長さの少なくとも一部に基づいて判定されてもよい。回転装置RW3が効果的に伝達遅延を補償するために、回転装置RW3と搭載物支持構造との間の距離は、最小であるべきであり、及び実質的に距離D3未満であるべきである。例えば、図11の実施形態では、回転装置RW3が搭載物支持構造上に直接配置されて、搭載物支持構造からのその距離を最小にする。従って、相当な伝達遅延がなく、搭載物支持構造に、追加トルクTs_yを直接且つほとんど瞬時に伝達することができる。
搭載物支持構造は、補正トルクTc_yの影響を受ける前に、追加トルクTs_yの影響を受けるように構成されてもよい。幾つかの例では、補正トルクTc_yが搭載物支持構造に伝達され、及び搭載物支持構造において経験されるときに、追加トルクTs_yが減少又は除去することがある。幾つかの実施形態では、追加トルクTs_yは、伝達遅延に相当する期間の間に搭載物支持構造に適用されてもよい。補正トルクTc_yが伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達するとき、追加トルクTs_yが減少又は除去されてもよい。追加トルクTs_yは、回転装置RW3への電流を調整することによって減少又は除去されて、回転装置RW3のロータ及び/又は慣性ホイールを減速させてもよい。搭載物支持構造は、補正トルクTc_yの影響を受ける前の遅延の間に追加トルクTs_yの影響を受けることがある。追加トルクTs_yは、補正トルクTc_yと実質的に等しくてもよく、及び補正トルクTc_yと同一の方向で適用されてもよい。幾つかの例では、追加トルクTs_yは、補正トルクTc_y未満であってもよい。幾つかの例では、追加トルクTs_yは、搭載物支持構造上での外部擾乱の影響を軽減するために、外部トルクTe_yと実質的に等しくてもよく、及び外部トルクTe_yと反対の方向にあってもよい
フレーム組立部及びモータ組立部に加え、安定化プラットフォーム1100は更に、コントローラ組立部を備えてもよい。図11及び12を参照して、コントローラ組立部は、感知システム104及びコントローラ106を備えてもよい。コントローラ組立部は、感知システム、及びモータ組立部の作動要素(例えば、作動装置M1/M2/M3、及び回転装置RW1/RW2/RW3)と通信していてもよい。感知システムは、搭載物装置、搭載物支持構造、並びに/又は、フレーム組立部、作動装置M1/M2/M3、回転装置RW1/RW2/RW3、及び可動物体などの、搭載物支持構造若しくは搭載物装置以外の物体と関連付けられた状態情報を測定又は取得するように構成されてもよい。状態情報は、上記物体のいずれかの角速度及び/若しくは線形速度、並びに/又は加速度、位置情報などを含んでもよい。そのような状態情報は、相対的又は絶対的であってもよい。幾つかの実施形態では、感知システムは、物体が外部擾乱(例えば、天候及び/若しくは温度変化、又は破片若しくは障害物などの外因)による影響を受けるときに、上記物体の1つ又は複数と関連付けられた状態情報を測定又は取得するように構成されてもよい。図11の例では、感知システムは、搭載物支持構造の一部の上に設けられてもよい。安定化プラットフォームのいずれかに感知システムを設けることができることに留意されたい。幾つかの他の実施形態では、可動物体自体に感知システムを設けることができる。可動物体上の感知システム、及び/又は安定化プラットフォームのいずれかの配置が考えられてもよい。様々な実施形態では、感知システムは、搭載物装置、搭載物支持構造、フレーム組立部、モータ組立部、又は可動物体などに結合されてもよい。
感知システムは、感知された物体の空間的配置、速度、及び/又は加速度を感知することができる(例えば、最大で3の転移度及び最大で3の回転度に関する)1つ又は複数のセンサを含むことができる。感知システムは、慣性測定ユニット、動きセンサ、近接センサ、コンパス、グローバルポジショニングシステム(GPS)送受信機、又は他のタイプの測定要素若しくはセンサを含んでもよい。例えば、感知システムは、物体(例えば、搭載物装置、搭載物支持構造、フレーム組立部、及び/又は可動物体)の角速度を検出する1つ又は複数のジャイロスコープ、並びに線形加速度及び/又は角加速度を検出する1つ又は複数の加速度計を含んでもよい。代わりに、天候状況、潜在的な障害物への近接性、地理的特徴のロケーション、及び人工構造のロケーションなどの物体の周囲の環境に関するデータを提供するために感知システムを使用することができる。幾つかの実施形態では、感知システムは、物体の2以上の回転軸に関する状態情報を測定するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、感知システムは、回転軸の少なくとも2つに関連する情報を取得してもよい。例えば、測定部は、物体のピッチ及びロール軸の両方に関する情報を取得してもよい。加えて、状態情報は、物体のピッチ、ロール及びヨー軸の全てに関連してもよい。
幾つかの実施形態では、コントローラは、感知システムによって検出された状態情報に基づいて物体の姿勢情報を算出し、及び姿勢情報に基づいて1つ又は複数のモータ信号を提供するように構成されてもよい。そのような姿勢情報は、物体のピッチ、ロール、ヨー軸、軸に対する物体の方位若しくは傾き、速度並びに/又は加速度などを含んでもよい。幾つかの例では、姿勢情報は、角速度情報(例えば、感知システムによって、又は他のソースから提供される)に基づいて算出されてもよい。他の場合では、姿勢情報は、角速度情報及び線形加速度情報の両方に基づいて算出されてもよい。例えば、線形加速度情報は、角速度情報を修正及び/又は補正するために使用されてもよい。
算出された姿勢情報に基づいて、コントローラは、1つ又は複数のモータ信号を生成し、及び安定化プラットフォームの作動要素(例えば、作動装置M1/M2/M3、及び/又は回転装置RW1/RW2/RW3)に送信してもよい。モータ信号によって作動要素の回転を進め、回転を逆にさせることができ、及び回転の速度/トルクを調整して、外部擾乱/トルクを是正するためにモータ信号を使用することができる。1つ又は複数のモータ信号に応答して、作動要素(例えば、作動装置M1/M2/M3及び/又は回転装置RW1/RW2/RW3)は、フレーム組立部のそれぞれの部分を直接駆動して、1つ又は複数のモータ信号に応答して回転させることができる。結果として、搭載物装置は、その周囲で外部トルクが与えられる軸の少なくとも1つの周囲で回転することが可能になる。そのような回転は、搭載物装置を安定させるため、及び/又は所定の位置若しくは姿勢を維持するために必要となることがある。
例えば、図11の実施形態では、搭載物支持構造が外部トルクTe_z、Te_x、及びTe_yの影響を受けるとき、コントローラは、作動装置M1/M2/M3、及び回転装置RW1/RW2/RW3に電流を同時に印加して、補正トルクTc_z/Tc_x/Tc_y及び追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yを生成して、外部トルクを是正してもよい。搭載物支持構造は、補正トルクにおける伝達遅延によって、補正トルクTc_z/Tc_x/Tc_yの前に追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yの影響を受けることがある。感知システムは、搭載物支持構造上で追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yの各々の影響を検出するように構成されてもよい。
補正トルクTc_zは、第1の伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達してもよい。感知システムが搭載物支持構造上で補正トルクTc_zの影響を検出するとき、コントローラは、回転装置RW1に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_zを減少又は除去することができる。同様に、補正トルクTc_xは、第2の伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達してもよい。感知システムが搭載物支持構造上で補正トルクTc_xの影響を検出するとき、コントローラは、回転装置RW2に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_xを減少又は除去することができる。同様に、補正トルクTc_yは、第3の伝達遅延の終わりに搭載物支持構造に到達してもよい。感知システムが搭載物支持構造上で補正トルクTc_yの影響を検出するとき、コントローラは、回転装置RW3に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_yを減少又は除去することができる。図11の例では、補正トルクTc_zと関連付けられた第1の伝達遅延は、補正トルクTc_xと関連付けられた第2の伝達遅延よりも長いことがあり、及び第2の伝達遅延は、補正トルクTc_yと関連付けられた第3の伝達遅延よりも長いことがある。伝達遅延における差異は、補正トルクTc_zが、作動装置M1から支持機構部品L1、作動装置M2、作動装置M3、及び支持機構部品L3を通じて、搭載物支持構造に到達する前に連続して伝達される必要があるからである。反対に、補正トルクTc_xは、作動装置M2から支持機構部品L2、作動装置M3、及び支持機構部品L3を通じて搭載物支持構造に到達する前に連続して伝達される必要がある。一方で、補正トルクTc_yのみは、作動装置M3から搭載物支持構造に到達する前に支持機構部品L3に伝達される必要がある。
コントローラは、異なる時点における感知システムからの動きデータ、及び搭載物支持構造上の種々のトルクの影響に基づいて、作動装置M1/M2/M3及び回転装置RW1/RW2/RW3からの補正トルクTc_z/Tc_x/Tc_y及び追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yをリアルタイムで調節するように構成されてもよい。特に、補正トルク及び追加トルクを調節して、円滑なトルク制御を達成する(外部トルクを是正するために)ことによって、安定化プラットフォームの感度及び性能を改善することができる。
前に述べたように、従来の安定化システムは、高い慣性及び/又は低い構造的硬直性によって、相当なトルク伝達遅延を有することがある。トルク伝達遅延の結果として、従来の閉ループ安定化システムの位相マージンが減少することがあり、それによって、閉ループ制御システムの性能が制限される。一方で、図12における閉ループ制御システムが、搭載物支持構造に追加トルクを適用して、トルク伝達遅延を補償するように構成された複数回転装置を含むので、図12における閉ループ制御システムは、従来の安定化システムよりも位相マージンを改善している。
図13は、図1の安定化プラットフォーム100、図6の安定化プラットフォーム600、及び図11の安定化プラットフォーム1100の間の伝達遅延における差異を示す。特に、図13の部分Aは、図1の安定化プラットフォーム100における補正トルクTc_zの伝達遅延d(z)を示し、図13の部分Bは、図6の安定化プラットフォーム600における補正トルクTc_zの伝達遅延d(z)’、及び補正トルクTc_xの伝達遅延d(x)を示し、並びに図13の部分Cは、図11の安定化プラットフォーム1100における補正トルクTc_zの伝達遅延d(z)’’、補正トルクTc_x伝達遅延d(x)’、及び補正トルクTc_yの伝達遅延d(y)を示す。
図1、6、及び11を再度参照して、安定化プラットフォーム1100は、最も多数の連続して接続された支持機構部品及び作動装置を備えるので、安定化プラットフォーム1100が、3つの安定化プラットフォームの中で最も高い慣性及び最も低い構造的硬直性を有することを観察することができる。図11の部分A、B、及びCを比較して、安定化プラットフォーム1100における補正トルクTc_zが、搭載物支持構造に到達する前に追加の部分(例えば、作動装置M1/M2/M3及び支持機構部品L1/L2/L3)を通じて伝わる必要があるので、安定化プラットフォーム1100の伝達遅延d(z)’’が安定化プラットフォーム100の伝達遅延d(z)及び安定化プラットフォーム600の伝達遅延d(z)’よりも長いことを観察することができる。同様に、安定化プラットフォーム1100における補正トルクTc_xが、搭載物支持構造に到達する前に追加の部分(例えば、作動装置M2/M3及び支持機構部品L2/L3)を通じて伝わる必要があるので、安定化プラットフォーム1100の伝達遅延d(x)’は、安定化プラットフォーム600の伝達遅延d(x)よりも長い。加えて、補正トルクTc_yが搭載物支持構造に到達する前により短い距離(作動装置M3から支持機構部品L3に)を伝わるので、安定化プラットフォーム1100の伝達遅延d(y)は伝達遅延(x)’及び伝達遅延d(z)’’よりも短い。
図14は、異なる追加トルクを提供してトルク伝達遅延を補償するために種々の回転装置が使用されるときの例示的な安定化プラットフォーム(例えば、安定化プラットフォーム1100)の安定化性能の改善を示す。図14におけるトルクT(ナノメートル)対時間t(ミリ秒)のプロットを参照すると、時間に応じてプロットされた、実曲線が搭載物支持構造上の外部トルクに対応し、並びに破線が搭載物支持構造上の補正トルク及び/又は追加トルクに対応する。
図14の部分Aは、図13において前に説明されたように、図11における安定化プラットフォーム1100の補正トルクTc_x、Tc_x、及びTc_yと関連付けられた伝達遅延を示す。
図14の部分Bを参照して、回転装置RW1/RW2/RW3が搭載物支持構造上に直接配置されて、作動装置M1/M2/M3から搭載物支持構造へのトルク伝達遅延を補償するために追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yを提供してもよい。各々の作動装置からのトルク伝達遅延は、搭載物支持構造からのその距離に応じて変化することがある。例えば、搭載物支持構造から最も離れて位置する作動装置(すなわち、最大数の、それらの間で連続して接続された干渉部品を有する)は、最大トルク伝達遅延を有することがあり、搭載物支持構造の最も近くに位置する作動装置(すなわち、最小数の、それらの間で連続して接続された干渉部品を有する)は、最小トルク伝達遅延を有することがある。従って、作動装置M1/M2/M3及び回転装置RW1/RW2/RW3は、それぞれの外部トルクを是正し、及びそれぞれの補正トルクにおける伝達遅延を軽減するように、対応する軸(すなわち、X−Y−Z軸)に対するトルク伝達遅延の長さに基づいて、異なる次元で、及び異なる持続期間の間に作動されてもよい。
図14の部分Bに示されるように、安定化プラットフォームの性能(応答速度)を、回転装置の使用を通じて改善することができる。例えば、感知システムが外部トルクTe_z/Te_x/Te_yを検出するとき、コントローラは、補正トルクTc_z/Tc_x/Tc_y及び追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yを生成して外部トルクTe_z/Te_x/Te_yを是正するように、作動装置M1/M2/M3及び回転装置RW1/RW2/RW3を制御してもよい。図14の実施形態では、外部トルクTe_z/Te_x/Te_yは、実質的に同一の大きさで、実質的に同時に発生することが想定されるが、これは本発明の限定とはならない。例えば、上述したように、外部トルクTe_z/Te_x/Te_yは、異なる持続期間の間に、及び異なる力の大きさで、任意の次元で異なる時に発生することがある。回転装置RW1/RW2/RW3が搭載物支持構造上に直接配置されるので、回転装置によって提供される追加トルクを搭載物支持構造にほとんど瞬時に伝達することができる。
追加トルクTs_yは、遅延d(y)の持続期間の間に搭載物支持構造に提供されてもよく、追加トルクTs_xは、遅延d(x)’の持続期間の間に搭載物支持構造に提供されてもよく、及び追加トルクTs_zは、遅延d(z)’’の持続期間の間に搭載物支持構造に提供されてもよい。作動装置M3が作動装置M2よりも少ない接続で搭載物支持構造により近くに配置されるので、遅延d(y)は遅延d(x)’よりも短い。同様に、作動装置M2が作動装置M1よりも少ない接続で搭載物支持構造により近くに配置されるので、遅延d(x)’は遅延d(z)’’よりも短い。
遅延d(y)の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_yの影響を受け始めるとき、コントローラは、回転装置RW3に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_yを減少又は除去するように回転装置RW3を制御してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、遅延d(y)の終わりにおいて追加トルクTs_yを完全に除去してもよく、及び遅延d(y)が終了するときから始まる外部トルクTe_yを是正するために補正トルクTc_yのみを適用してもよい。
同様に、遅延d(x)’の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_xの影響を受け始めるとき、コントローラは、RW2に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_xを減少又は除去するように回転装置RW2を制御してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、遅延d(x)’の終わりにおいて追加トルクTs_xを完全に除去してもよく、及び遅延d(x)’が終了するときから始まる外部トルクTe_xを是正するために補正トルクTc_xのみを適用してもよい。
同様に、遅延d(z)’’の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_zの影響を受け始めるとき、コントローラは、RW1に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_zを減少又は除去するように回転装置RW1を制御してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラは、遅延d(z)’’の終わりにおいて追加トルクTs_zを完全に除去してもよく、及び遅延d(z)’’が終了するときから始まる外部トルクTe_zを是正するために補正トルクTc_zのみを適用してもよい。
幾つかの更なる実施形態では、追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yは、遅延d(z)’’の全持続期間(遅延d(z)’’、d(x)’、及びd(y)の中で最も長い期間)の間に搭載物支持構造に提供されてもよい。遅延d(z)’’の終わりにおいて、搭載物支持構造が補正トルクTc_z/Tc_x/Tc_yの影響を受け始めるとき、コントローラは、回転装置RW1/RW2/RW3に供給される電流を減少させることによって、追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yを減少又は除去するように回転装置RW1/RW2/RW3を制御してもよい。幾つかの実施形態では、遅延d(z)’’の終わりにおいて追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_yを完全に除去してもよく、及びに遅延d(z)’’が終了するときから始まる外部トルクTe_z/Te_x/Te_yを是正するために補正トルクTc_z/Tc_x/Tc_yのみを適用してもよい。
幾つかの他の実施形態では、コントローラは、遅延d(z)’’が終了するときから開始する、外部トルクTe_z/Te_x/Te_yを是正するために、追加トルクTs_z/Ts_x/Ts_y及び補正トルクTc_z/Tc_x/Tc_yを調節するように構成されてもよい。例えば、コントローラは、感知システムからの姿勢情報/フィードバックに応じて必要に応じ、及び必要とされるときに異なる量の追加トルクを生成するように回転装置RW1/RW2/RW3の各々を制御することができる。異なる量の追加トルクは、ほとんど瞬時に搭載物支持構造に伝達されてもよく、及び補正トルクにおける任意の後続の遅延を補償するために使用されてもよい。幾つかの例では、異なる量の追加トルクは、外部トルクを是正するトルクの大部分を提供する補正トルクと共にわずかであってもよい。異なる量の追加トルクはまた、高頻度で、搭載物支持構造にほとんど瞬時に提供されてもよく、及び外部トルクが急速に変動しているときに特に有益であることがある。結果として、安定化プラットフォーム1100の応答速度が補正トルクにおける伝達遅延d(z)’’、d(x)’、及びd(y)によって実質的に影響されないので、安定化プラットフォームの性能が改善する。
図1〜14の実施形態では、1つ又は複数の追加トルクを提供するために、1つ又は複数の回転装置が搭載物支持構造に直接結合されてもよい。幾つかの代替的な実施形態では、搭載物支持構造は省略されてもよく、及び回転装置は、搭載物装置自体に直接配置されてもよい。それらの実施形態では、回転装置は、搭載物装置に直接結合された非回転部、及び自由に回転して搭載物装置に追加トルクを提供するように構成された回転部を備えてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置は、固定子及びロータを備えた回転モータであってもよい。固定子は、回転装置の非回転部に相当してもよく、及びロータは、回転装置の回転部に相当してもよい。回転装置の固定子は、搭載物装置に直接結合されてもよい。例えば、回転装置の固定子は、搭載物装置に強固に且つ直接取り付けられてもよく、それによって、干渉部品を通じて伝達されることなく、固定子から搭載物装置に追加トルクを直接伝達することができる。
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の回転装置は、搭載物支持構造に直接結合されてもよく、及び1つ又は複数の回転装置は、搭載物装置に直接結合されてもよい。搭載物支持構造上、又は搭載物装置上の、任意の数及び/又は配置の回転装置が考えられてもよい。
図15は、別の実施形態に従った、安定化プラットフォーム1500の概略図を示す。安定化プラットフォームは、撮像装置又は非撮像装置などの搭載物装置を保持するように構成されてもよい。図15の安定化プラットフォーム1500は、以下の差異を除き、図11の安定化プラットフォーム1100と同様である。図15の例では、支持機構部品L1、L2、及びL3は、作動装置M2及びM3を使用する代わりに、結合機構を使用して連続して結合されてもよい。結合機構は、剛性結合又は可撓性結合を備えてもよい。剛性結合は、モータ又は機械系内で2つのシャフトを接合するために使用されるハードウェアのユニットである。剛性結合は、モータ及びジェネレータなどの2つの別個の系統を接続し、又は単一の系統内の接続を直すために使用されてもよい。剛性結合はまた、シャフトが適合する点における衝撃及び摩耗を減少させるためにシャフトの間に追加されてもよい。剛性結合の例は、スリーブ結合を含んでもよい。可撓性結合は、2つのシャフトがわずかに正確に位置合わせされないときに1つのシャフトから別のシャフトにトルクを伝達するために使用される。可撓性結合は、ずれの程度の変動(例えば、最大で3度)、及びある程度の水平のずれに適応することができる。加えて、可撓性結合は、振動の減衰又は防音のために使用されてもよい。可撓性結合は、シャフトのずれ、唐突な衝撃の負荷、シャフトの拡張又は振動などによる有害な影響の産物に対して駆動するシャフト部材、及び駆動されたシャフト部材を保護するために使用されてもよい。可撓性結合の例は、ギア結合を含んでもよい。図15に示されるように、支持機構部品L1、L2、及びL3は、相互に傾いて配置されてもよい。幾つかの他の実施形態では、支持機構部品L1、L2、及びL3のうちの1つ又は複数は、相互に直交して配置されてもよい。幾つかの代替的な実施形態では、支持機構部品L1、L2、及びL3のうちの1つ又は複数は、相互に平行して配置されてもよい。
図15の安定化プラットフォーム1500は、支持機構部品の間の連続した接続、及び結合機構の使用(特に、可撓性結合)による低い構造的硬直性を有することがある。結果として、補正トルクTc_zが作動装置M1から種々の支持機構部品及び結合機構を通じて伝達されるので、著しい伝達遅延が存在することがある。従って追加トルクを生成して補正トルクTc_zにおける伝達遅延を補償するために、回転装置RW1/RW2/RW3は、図15の実施形態における搭載物支持構造上に直接配置されてもよい。幾つかの特定の実施形態では、搭載物支持構造は省略されてもよく、及び回転装置RW1/RW2/RW3は、搭載物装置上に直接配置されてもよい。図12の構成と同様の構成において、作動装置M1及び回転装置RW1/RW2/RW3は、コントローラ組立部を使用して制御されてもよい。
図16は、別の実施形態に従った、安定化プラットフォーム1600の概略図を示す。安定化プラットフォームは、撮像装置又は非撮像装置などの搭載物装置を保持するように構成されてもよい。
図16を参照して、安定化プラットフォームは、基部、外部フレームモータM1、外部フレームL1、中間フレームモータM2、中間フレームL2、内部フレームモータM3、搭載物支持構造、搭載物支持構造上に直接配置された回転装置RW、及び搭載物支持構造に(又は、搭載物支持構造上に)取り付けられた搭載物装置を備えてもよい。基部は、可動物体に取り付けられてもよい。可動物体は無人航空機であってもよい。図16の例では、搭載物装置は、カメラなどの撮像装置であってもよい。回転装置RWは、リアクションホイールの効果を達成するために使用されるモータであってもよい。特に、回転装置RWは、トルク伝達遅延を補償するために、搭載物支持構造に追加トルクTs_zを提供することができる。トルク伝達遅延は、外部フレームモータM1から搭載物支持構造への補正トルクTc_zにおける伝達遅延d(z)、及び中間フレームモータM2から搭載物支持構造への補正トルクTc_yにおける伝達遅延d(y)を含んでもよい。
図16の例では、リアクションホイールは、搭載物支持構造の底部上に直接配置され、及びZ軸の周囲を自由に回転することができるモータであってもよい。リアクションホイールの固定子を搭載物支持構造上に直接取り付けることができるので、コントローラ組立部の感知システムが外部擾乱/トルクを検出すると、追加トルクを搭載物支持構造(及び、それに取り付けられた搭載物装置(ペイロード装置))に直接伝達することができる。感知システムは、安定化プラットフォーム1600のいずれかの搭載物装置上、搭載物支持構造上、及び/又は可動物体上に配置されてもよい。コントローラ組立部は、安定化プラットフォーム及び/又は可動物体上に位置してもよい。幾つかの実施形態では、コントローラ組立部は、安定化プラットフォーム及び/又は可動物体から離れて位置してもよい。従って、搭載物支持構造は、外部トルクを軽減し、並びに補正トルクTc_z及びTc_yにおける伝達遅延を補償するために、瞬時のトルク応答を受けることができる。
図16の実施形態では、リアクションホイールRWは、カメラの横軸に設置されてもよい。これは、観察者が、典型的には、カメラの捕捉スクリーン上での水平及び垂直のジッターに敏感であり、並びに回転のジッターには敏感でないことがあるからである。更に、搭載物支持構造が内部フレームモータM3に直接結合され、及び内部フレームモータM3によって駆動されるので、内部フレームモータM3によって生成される補正トルクTc_yを、無視できる伝達遅延で搭載物支持構造に直接適用することができる。
搭載物支持構造が突然の外部トルクによって妨げられるとき、コントローラ組立部におけるコントローラは、モータM1、M2、M3、及びRWに電流を同時に適用することができる。モータM5によって生成される補正トルクTc_x、及び追加トルクTs_zを、外部擾乱に耐えるために搭載物支持構造にほとんど瞬時に適用することができる。然しながら、モータM1及びM2によって生成される補正トルクTc_z及びTc_yは、高い慣性及び/又は低い構造的硬直性から生じるトルク伝達遅延によって、搭載物支持構造上で瞬時に伝達及び適用されないことがある。補正トルクTc_z及びTc_yが搭載物支持構造上で伝達及び適用されることを感知システムが検出するとき、従って、コントローラは、モータRWに供給される電流を減少させることができる。幾つかの実施形態では、コントローラは、外部擾乱/トルクを是正して、安定化プラットフォームの円滑なトルク制御を達成するために、補正トルクTc_z/Tc_y/Tc_x及び追加トルクTs_zを、リアルタイム又はほぼリアルタイムで調節するように構成されてもよい。
図16の実施形態では、図1〜15で前に説明されたのとは異なるフレーム(例えば、外部フレームL1及び中間フレームL2)が、異なって成型される(例えば、湾曲形状を有する)ことを観察することができる。よって、図16におけるフレーム、及び前に説明された実施形態における支持機構部品は、前に説明された実施形態における支持機構部品の回転と比較して、トルク伝達遅延に関する異なる効果を有することがある。例えば、図16におけるトルク伝達遅延が、フレームを回転させるときにより大きな慣性によって増加することがある。
図1〜16の実施形態は、搭載物支持構造を可動物体に接続する最大で3つの支持機構部品、補正トルクを提供する最大で3つの作動装置、及び追加トルクを提供する、搭載物支持構造に配置された最大で3つの回転装置が示されているが、任意の数の支持機構部品、作動装置、及び回転装置が、安定化プラットフォームの様々な実施形態において設けられてもよいことを理解されることになる。支持機構部品は、直交及び/又は非直交方向に配置されてもよい。支持機構部品はまた、同一の軸又は異なる軸の周囲を回転する複数の段を備えてもよい。異なるトルク伝達遅延を補償し、及び安定化プラットフォームの応答時間を改善するために、任意の数の回転装置が搭載物支持構造の異なる部分の上に直接配置されてもよい。
図21は、幾つかの実施形態に従った、外部トルクを検出し、並びに外部トルクを是正するための補正トルク及び追加トルクを生成する例示的な方法を示す。方法は、本明細書で説明された安定化プラットフォームの1つ又は複数の実施形態を使用して実行されてもよい。示された手順が、ステップを削除し、又は追加のステップを更に含むことができることを、当業者によって容易に理解されよう。
図21を参照して、搭載物支持構造及び/又は搭載物に適用される少なくとも1つの外部トルクが検出されてもよい(ステップ2102)。外部トルクは、前に説明された感知システムを使用して検出されてもよい。次に、補正トルクの伝達遅延が判定されてもよい(ステップ2104)。伝達遅延は、前に説明されたコントローラを使用して判定されてもよい。補正トルクは、外部トルクを実質的に是正するように構成されてもよい。例えば、補正トルクは、外部トルクに対して実質的に等しい大きさにあってもよく、及び反対の方向にあってもよい。伝達遅延は、(1)搭載物支持構造及び/若しくは搭載物に対する作動装置(補正トルクを生成するように構成された)の位置、(2)作動装置のサイズ(例えば、モータサイズ)、(3)作動装置と搭載物支持構造及び/若しくは搭載物との間で連続して接続された干渉部品の慣性モーメント、(4)作動装置と搭載物支持構造及び/若しくは搭載物との間の接合部若しくは相互接続のタイプ、且つそれらの間のいずれかの干渉部品、(5)干渉部品の寸法(例えば、幅、長さ、厚み)、並びに/又は(6)干渉部品の構造的硬直性、のパラメータに少なくとも基づいて判定されてもよいが、示された順序で判定される必要はない。
次に、補正トルク及び追加トルクが生成される(ステップ2106)。補正トルク及び追加トルクの両方は、外部トルクを是正するように構成されてもよい。加えて、追加トルクは、補正トルクの伝達遅延を補償するように構成されてもよい。追加トルクは、本明細書で説明された回転装置を使用して生成されてもよい。回転装置は、搭載物支持構造及び/又は搭載物に直接結合されてもよく、又は取り付けられてもよく、それによって、追加トルクの効果を搭載物支持構造及び/又は搭載物にほとんど瞬時に伝達することができる。従って、回転装置と、搭載物支持構造及び/又は搭載物との間で最小のトルク伝達遅延が存在する。補正トルク及び追加トルクは、コントローラから作動装置及び回転装置にそれぞれ(実質的に同時に、又は異なる時に)送信される制御信号を介して生成されてもよい。前に説明されたように、感知システムは、搭載物支持構造及び/又は搭載物上で、補正トルク及び追加トルクの影響を検出するように構成されてもよい。
次に、伝達遅延を補償するために、補正トルクの伝達遅延の持続期間の間、追加トルクが維持される(ステップ2108)。言い換えると、補正トルクが搭載物支持構造及び/又は搭載物に到達する前に、外部トルクを是正するために追加トルクを使用することができる。追加トルクは、コントローラから回転装置に送信される制御信号を介して維持されてもよい。
幾つかの実施形態では、補正トルクが搭載物支持構造及び/又は搭載物に到達するときから始まる追加トルクが減少又は除去されてもよい(ステップ2110)。追加トルクは、回転装置への制御信号における電流を調整することによって減少又は除去されてもよい。
幾つかの代替的な実施形態では、補正トルクが搭載物支持構造及び/又は搭載物に到達するときから始まる追加トルクは、補正トルクと共に調節されてもよい(ステップ2112)。追加トルク及び補正トルクは、例えば、回転装置及び作動装置への制御信号における電流を調整することによって、コントローラによって調節されてもよい。リアルタイムの追加トルク及び補正トルクの調節は、例示的な安定化プラットフォームの応答速度を改善することができる。
様々な実施形態では、本明細書で説明された安定化プラットフォームを備えた支持機構は、UAVなどの可動物体に取り付けられてもよく、又はそれに結合されてもよい。動作の間、UAVは、その画像が取得されることになる目的物の物体に接近するようにリモートに制御されてもよい。その後、安定化プラットフォームは、装置によって捕捉された画像の質を改善するために、搭載物装置を安定させるように、例えば、コントローラ組立部及び/又はリモート制御によって制御されてもよい。例えば、安定化プラットフォームの測定部は、搭載物装置及び/又はUAVの姿勢情報を算出してもよく、並びに、1)目的物の物体に対して搭載物装置を安定させ、及び/又は2)目的物の物体に対して所定の姿勢で搭載物装置を維持するために、フレーム組立部の回転を直接駆動するモータ信号をモータ組立部に提供してもよい。
図17は、本発明の実施形態に従った、無人航空機(UAV)1700を示す。UAVは、本明細書で説明された可動物体の例であってもよい。UAV1700は、4つのロータ1702、1704、1706、及び1708を有する推進システムを含むことができる。任意の数のロータを提供し得る(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つ以上)。無人航空機のロータ、ロータ組立体、又は他の推進システムは、無人航空機が、ホバリング/位置を維持し、向きを変更し、且つ/又はロケーションを変更できるようにし得る。対向するロータのシャフト間の距離は、任意の適する長さ1710であり得る。例えば、長さ1710は2m以下又は5m以下であり得る。幾つかの実施形態では、長さ1710は、40cm〜1m、10cm〜2m、又は5cm〜5mの範囲内であり得る。UAVの本明細書での任意の説明は、異なるタイプの移動可能物体等の移動可能物体に適用し得、この逆も同様である。UAVは、本明細書に記載される補助装置付き離陸システム又は方法を使用し得る。
幾つかの実施形態では、移動可能物体は負荷を搬送するように構成し得る。負荷は、撮像装置などの搭載物装置であり得る。負荷は、乗客、貨物、機器、器具等の1つ又は複数を含み得る。負荷は境界内に提供し得る。筐体は、移動可能物体の筐体とは別個であってもよく、又は移動可能物体の筐体の部分であってもよい。代替的には、負荷に筐体を提供し得、一方、移動可能物体は筐体を有さない。代替的には、負荷の部分又は負荷全体は、筐体なしで提供し得る。負荷は、移動可能物体にしっかりと固定し得る。任意選択的には、負荷は、移動可能物体に対して移動可能(例えば、移動可能物体に対して並進移動可能又は回転可能)であり得る。負荷は、本明細書の他の箇所に記載されるように、搭載物及び/又は支持機構を含み得る。
幾つかの実施形態では、固定参照枠(例えば、周囲環境)及び/又は互いに対する移動可能物体、支持機構、及び搭載物の移動は、端末によって制御し得る。端末は、移動可能物体、支持機構、及び/又は搭載物から離れたロケーションにあるリモート制御デバイスであり得る。端末は、支持プラットフォームに配置されてもよく、又は支持プラットフォームに固定されてもよい。代替的には、端末はハンドヘルドデバイス又はウェアラブルデバイスであり得る。例えば、端末は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、コンピュータ、眼鏡、手袋、ヘルメット、マイクロホン、又はそれらの任意の適する組合せを含み得る。端末は、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、又はディスプレイ等のユーザインターフェースを含み得る。手動入力コマンド、音声制御、ジェスチャ制御、又は位置制御(例えば、端末の移動、ロケーション、又は傾斜を介する)等の任意の適するユーザ入力を使用して、端末を対話し得る。
端末を使用して、移動可能物体、支持機構、及び/又は搭載物の任意の適する状態を制御し得る。例えば、端末を使用して、互いから及び/又は互いへの固定参照に対する移動可能物体、支持機構、及び/又は搭載物の位置及び/又は向きを制御し得る。幾つかの実施形態では、端末を使用して、支持機構の作動組立体、搭載物のセンサ、又は搭載物のエミッタ等の移動可能物体、支持機構、及び/又は搭載物の個々の要素を制御し得る。端末は、移動可能物体、支持機構、又は搭載物の1つ又は複数と通信するように構成される無線通信デバイスを含み得る。
端末は、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物の情報の閲覧に適する表示ユニットを含み得る。例えば、端末は、位置、並進移動速度、並進移動加速度、向き、角速度、角加速度、又はそれらの任意の適する組合せに関して可動物体、支持機構、及び/又は搭載物の情報を表示するように構成し得る。幾つかの実施形態では、端末は、機能搭載物によって提供されるデータ等の搭載物によって提供される情報(例えば、カメラ又は他の画像捕捉装置によって記録される画像)を表示し得る。
任意選択的に、同じ端末が、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物又は可動物体、支持機構、及び/又は搭載物の状態を制御するとともに、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物から情報を受信し、且つ/又は表示し得る。例えば、端末は、搭載物によって捕捉された画像データ又は搭載物の位置についての情報を表示しながら、環境に相対する搭載物のポジショニングを制御し得る。代替的には、異なる端末を異なる機能に使用し得る。例えば、第1の端末は、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物の移動又は状態を制御し得、一方、第2の端末は、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物から情報を受信し、且つ/又は表示し得る。例えば、第1の端末を使用して、環境に対する搭載物のポジショニングを制御し得、一方、第2の端末は、搭載物によって捕捉された画像データを表示する。様々な通信モードが、両方とも可動物体を制御し、データを受信する可動物体と統合された端末との間、又は両方とも可動物体を制御し、データを受信する可動物体と複数の端末との間に利用可能である。例えば、少なくとも2つの異なる通信モードが、両方とも可動物体を制御し、可動物体からデータを受信する可動物体と端末との間に形成し得る。
幾つかの実施形態では、例示的な安定化プラットフォームの作動要素を制御するコントローラが端末に設けられてもよい。
図18は、本発明の実施形態による、安定化プラットフォーム1802と搭載物1804とを含む可動物体1800を示す。安定化プラットフォーム1802は、前述の図1〜16で参照される例示的な安定化プラットフォームを含み得る。可動物体1800は航空機として示されるが、この図は限定を意図せず、本明細書において上述したように、任意の適するタイプの可動物体を使用し得る。航空機システムの文脈で本明細書に記載される任意の実施形態を任意の適する可動物体(例えば、UAV)に適用し得ることを当業者は理解する。幾つかの特定の場合、搭載物1804は、安定化プラットフォーム1802を必要とせずに、可動物体1800に提供し得る。可動物体1800は、推進機構1806、検知システム1808、及び通信システム1810を含み得る。
推進機構1806は、上述したように、ロータ、プロペラ、ブレード、エンジン、モータ、車輪、車軸、磁石、又はノズルの1つ又は複数を含み得る。可動物体は、1つ又は複数、2つ以上、3つ以上、又は4つ以上の推進機構を有し得る。推進機構は全て同じタイプであり得る。代替的には、1つ又は複数の推進機構は、異なるタイプの推進機構であり得る。推進機構1806は、本明細書の他の箇所に記載のように、支持要素(例えば、駆動シャフト)等の任意の適する手段を使用して、可動物体1800に搭載し得る。推進機構1806は、上部、下部、前部、後部、側部、又はそれらの任意の適する組合せ等の可動物体1800の任意の適する部分に搭載し得る。
幾つかの実施形態では、推進メカニズム1806は、可動物体1800が、可動物体1800の任意の水平移動を必要とせずに(例えば、滑走路を下って移動せずに)、表面から垂直に離陸するか、又は表面に垂直に着陸できるようにし得る。任意選択的に、推進機構1806は、可動物体1800が特定の位置及び/又は向きで空中でホバリングできるようにするように動作可能であり得る。推進機構1800の1つ又は複数は、その他の推進機構から独立して制御し得る。代替的には、推進機構1800は、同時に制御されるように構成し得る。例えば、可動物体1800は、揚力及び/又は推進力を可動物体に提供し得る複数の水平を向いたロータを有し得る。複数の水平を向いたロータを作動させて、垂直離陸機能、垂直直立機能、ホバリング機能を可動物体1800に提供し得る。幾つかの実施形態では、水平を向いたロータの1つ又は複数は、時計回り方向にスピンし得、一方、水平を向いたロータの1つ又は複数は反時計回り方向にスピンし得る。例えば、時計回りロータの数は、反時計回りロータの数に等しいことができる。水平を向いたロータのそれぞれの回転率は、独立して変更して、各ロータによって生成される余力及び/又は推進力を制御し、それにより、可動物体1800の空間配置、速度、及び/又は加速度を調整し得る(例えば、最高で3度の並進移動及び最高で3度の回転に関して)。
検知システム1808は、可動物体1800の空間配置、速度、及び/又は加速度を検知し得る(例えば、最高で3度の並進移動及び最高で3度の回転に関して)1つ又は複数のセンサを含み得る。1つ又は複数のセンサは、全地球測位システム(GPS)センサ、移動センサ、慣性センサ、近接度センサ、又は画像センサを含み得る。検知システム1808によって提供される検知データを使用して、可動物体1800の空間配置、速度、及び/又は向きを制御し得る(例えば、後述するように、適する処理ユニット及び/又は制御モジュールを使用して)。代替的には、検知システム1808を使用して、天候状況、潜在的な障害物への近接度、地理的特徴のロケーション、人造物のロケーション等の可動物体を取り巻く環境に関するデータを提供し得る。検知システム1808は、搭載物1804の空間配置、速度、及び/又は加速度を検知する(例えば、最高で3度の並進移動及び最高で3度の回転に関して)ために使用され得る。
通信システム1810は、無線信号1816を介して通信システム1814を有する端末1812と通信できるようにする。通信システム1810、1814は、無線通信に適する任意の数の送信器、受信器、及び/又は送受信器を含み得る。通信は、データを一方向でのみ送信し得るように、単方向通信であり得る。例えば、単方向通信は、可動物体1800のみがデータを端末1812に送信するか、又はこの逆を含み得る。データは、通信システム1810の1つ又は複数の送信器から通信システム1812の1つ又は複数の受信器に送信し得、又はその逆であり得る。代替的には、通信は、データを可動物体1800と端末1812との間で両方向で送信し得るように、双方向通信であり得る。双方向通信は、通信システム1810の1つ又は複数の送信器から通信システム1814の1つ又は複数の受信器にデータを送信すること、又はその逆を含み得る。
幾つかの実施形態では、端末1812は、可動物体1800、支持機構1802、及び搭載物1804の1つ又は複数に制御データを提供し、可動物体1800、支持機構1802、及び搭載物1804の1つ又は複数から情報(例えば、可動物体、支持機構、又は搭載物の位置及び/又は移動情報、搭載物カメラによって捕捉される画像データ等の搭載物によって検知されるデータ)を受信し得る。幾つかの場合、端末からの制御データは、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物の相対位置、移動、作動、又は制御についての命令を含み得る。例えば、制御データは、可動物体のロケーション及び/又は向きを変更させるか(例えば、推進機構1806の制御を介して)、又は可動物体に関する搭載物を移動させる(例えば、支持機構1802の制御を介して)。端末からの制御データは、カメラ又は他の画像捕捉装置の動作の制御(例えば、静止画又は動画の撮影、ズームイン又はアウト、電源オンオフ、画像モードの切り換え、画像解像度の変更、フォーカスの変更、被写界深度の変更、露光時間の変更、視野角又は視野の変更)等の搭載物の制御を生じさせ得る。幾つかの場合、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物からの通信は、1つ又は複数のセンサ(例えば、検知システム1808又は搭載物1804の)からの情報を含み得る。通信は、1つ又は複数の異なるタイプのセンサ(例えば、GPSセンサ、移動センサ、慣性センサ、近接度センサ、又は画像センサ)からの検知情報を含み得る。そのような情報は、可動物体、支持機構、及び/又は搭載物の位置(例えば、ロケーション、向き)、移動、又は加速度に関連し得る。搭載物からのそのような情報は、搭載物によって捕捉されたデータ又は搭載物の検知状態を含み得る。端末1812によって提供され送信される制御データは、可動物体1800、支持機構1802、又は搭載物1804の1つ又は複数の状態を制御するように構成し得る。代替的又は組み合わせて、支持機構1802及び搭載物1804もそれぞれ、端末1812と通信するように構成される通信モジュールを含み得、それにより、端末は、可動物体1800、支持機構1802、及び搭載物1804のそれぞれと独立して通信し制御し得る。
幾つかの実施形態では、可動物体1800は、端末1812に加えて、又は端末1812の代わりに、別のリモート装置と通信するように構成し得る。端末1812は、別のリモート装置及び可動物体1800と通信するように構成することもできる。例えば、可動物体1800及び/又は端末1812は、別の可動物体又は別の可動物体の支持機構若しくは搭載物と通信し得る。所望の場合、リモート装置は第2の端末又は他の計算装置(例えば、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、又は他のモバイル装置)であり得る。リモート装置は、可動物体1800にデータを送信し、可動物体1800からデータを受信し、データを端末1812に送信し、且つ/又はデータを端末1812から受信するように構成し得る。任意選択的に、リモート装置は、インターネット又は他の電気通信ネットワークに接続し得、それにより、可動物体1800及び/又は端末1812から受信されるデータは、ウェブサイト又はサーバにアップロードし得る。
図19は、実施形態による可動物体を制御するシステム1900のブロック図による概略図である。システム1900は、本明細書に開示されるシステム、装置、及び方法の任意の適する実施形態と組み合わせて使用し得る。システム1900は、検知モジュール1902、処理ユニット1904、非一時的コンピュータ可読媒体1906、制御モジュール1908、及び通信モジュール1910を含み得る。
検知モジュール1902は、可動物体に関連する情報を異なる方法で収集する異なるタイプのセンサを利用し得る。異なるタイプのセンサは、異なるタイプの信号又は異なるソースからの信号を検知し得る。例えば、センサは、慣性センサ、GPSセンサ、近接度センサ(例えば、ライダー)、又はビジョン/画像センサ(例えば、カメラ)を含み得る。検知モジュールは、複数のプロセッサを有する処理ユニット1904に動作可能に結合し得る。幾つかの実施形態では、検知モジュール1902は、適する外部装置又はシステムに検知データを直接送信するように構成された送信モジュール1912(例えば、WiFi画像送信モジュール)に動作可能に結合し得る。例えば、送信モジュール1912を使用して、検知モジュール1902のカメラによって捕捉された画像をリモート端末に送信し得る。
処理ユニット1904は、プログラマブルプロセッサ等の1つ又は複数のプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))を有し得る。処理ユニット1904は、非一時的コンピュータ可読媒体1906に動作可能に結合し得る。非一時的コンピュータ可読媒体1906は、処理ユニット1904によって実行可能であり、1つ又は複数のステップを実行する論理、コード、及び/又はプログラム命令を記憶し得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のメモリユニット(例えば、SDカード又はランダムアクセスメモリ(RAM)等のリムーバブル媒体又は外部記憶装置)を含み得る。幾つかの実施形態では、検知モジュール1902からのデータは、非一時的コンピュータ可読媒体1906のメモリユニットに直接伝達され、記憶し得る。非一時的コンピュータ可読媒体1906のメモリユニットは、処理ユニット1904によって実行可能であり、本明細書に記載の方法の任意の適する実施形態を実行する論理、コード、及び/又はプログラム命令を記憶し得る。例えば、処理ユニット1904は、処理ユニット1904の1つ又は複数のプロセッサに、検知モジュールによって生成される検知データを分析させる命令を実行するように構成し得る。メモリユニットは、処理ユニット1904によって処理される検知モジュールからの検知データを記憶し得る。幾つかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体1906のメモリユニットを使用して、処理ユニット1904によって生成される処理結果を記憶し得る。
幾つかの実施形態では、処理ユニット1904は、可動物体の状態を制御するように構成される制御モジュール1908に動作可能に結合し得る。例えば、制御モジュール1908は、可動物体の推進機構を制御して、自由度6に関して可動物体の空間配置、速度、及び/又は加速度を調整し得る。代替的には、又は組み合わせて、制御モジュール1908は、支持機構、搭載物、又は検知モジュールの1つ又は複数を制御し得る。
処理ユニット1904は、1つ又は複数の外部装置(例えば、端末、表示装置、又は他のリモートコントローラ)からのデータを送信し、且つ/又は受信するように構成される通信モジュール1910に動作可能に結合し得る。優先通信又は無線通信等の任意の適する通信手段を使用し得る。例えば、通信モジュール1910は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、赤外線、電波、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信等のうちの1つ又は複数を利用し得る。任意選択的に、タワー、衛星、又は移動局塔の中継局を使用し得る。無線通信は、近接度に依存してもよく、又は依存しなくてもよい。幾つかの実施形態では、視線が通信に必要であってもよく、又はなくてもよい。通信モジュール1910は、検知モジュール1902からの検知データ、処理ユニット1904によって生成される処理結果、所定の制御データ、端末又はリモートコントローラからのユーザコマンド等の1つ又は複数を送信し、且つ/又は受信し得る。
システム1900の構成要素は、任意の適する構成で配置し得る。例えば、システム1900の構成要素の1つ又は複数は、可動物体、支持機構、搭載物、端末、検知システム、又は上記の1つ若しくは複数と通信する追加の外部装置に配置し得る。さらに、図19は単一の処理ユニット1904及び単一の非一時的コンピュータ可読媒体1906を示すが、これは限定を意図せず、システム1900が複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体を含み得ることを当業者は理解する。幾つかの実施形態では、複数の処理ユニット及び/又は非一時的コンピュータ可読媒体の1つ又は複数は、可動物体、支持機構、搭載物、端末、検知モジュール、上記の1つ又は複数と通信する追加の外部装置、又はそれらの適する組合せ等の異なるロケーションに配置し得、したがって、システム1900によって実行される処理及び/又はメモリ機能の任意の適する態様は、上記ロケーションの1つ又は複数で行われ得る。
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し説明したが、そのような実施形態が単なる例として提供されることが当業者には明らかであろう。ここで、本発明から逸脱せずに、多くの変形、変更、及び置換を当業者は思い付くであろう。本発明を実施するに当たり、本明細書に記載された本発明の実施形態への様々な代替を利用し得ることを理解されたい。以下の請求項が本発明の範囲を規定し、これらの請求項及びそれらの均等物の範囲内の方法及び構造がそれにより包含されることが意図される。
[項目1]
搭載物へのトルク伝達を制御する支持機構であって、
支持機構軸の周囲を回転するように構成された少なくとも1つの支持機構部品と、
前記支持機構部品に結合された搭載物支持構造であって、前記搭載物支持構造は、前記搭載物を支持するように構成される、搭載物支持構造と、
前記搭載物支持構造に結合された少なくとも1つの回転装置と
を備え、
前記回転装置は、前記搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して、前記搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備え、並びに
前記追加トルクは、前記支持機構部品が前記支持機構軸の周囲を回転するときに、前記支持機構部品から前記搭載物支持構造へのトルク伝達遅延を補償するために提供される、
支持機構。
[項目2]
前記少なくとも1つの支持機構部品は、第1の支持機構軸の周囲を回転するように構成された第1の支持機構部品を備える、項目1に記載の支持機構。
[項目3]
前記搭載物支持構造は、前記第1の支持機構部品に結合される、項目2に記載の支持機構。
[項目4]
前記第1の支持機構部品は、第1の作動装置によって基部に回転可能に結合される、項目2に記載の支持機構。
[項目5]
前記基部は、航空車両の一部の上に位置する、項目4に記載の支持機構。
[項目6]
前記航空車両は無人航空機(UAV)である、項目5に記載の支持機構。
[項目7]
前記第1の作動装置は、前記基部に結合された非回転部、及び前記第1の支持機構部品に結合された回転部を備える、項目4に記載の支持機構。
[項目8]
前記第1の作動装置は、第1の信号に応答して、前記第1の支持機構軸の周囲で前記第1の支持機構部品及び前記搭載物支持構造を回転させるように構成される、項目4に記載の支持機構。
[項目9]
前記第1の支持機構軸は、前記第1の支持機構部品の質量の中心を通じて延びる、項目4に記載の支持機構。
[項目10]
前記第1の支持機構軸は、第1の支持機構部品の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目4に記載の支持機構。
[項目11]
前記第1の支持機構軸は、搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目4に記載の支持機構。
[項目12]
前記第1の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目4に記載の支持機構。
[項目13]
前記少なくとも1つの回転装置は、前記搭載物支持構造の第1の部分上に配置された第1の回転装置を備える、項目1に記載の支持機構。
[項目14]
前記第1の回転装置は、前記搭載物支持構造に第1の追加トルクを提供するように構成される、項目13に記載の支持機構。
[項目15]
前記第1の追加トルクは、約0.5ミリ秒以内で、前記搭載物支持構造に直接且つほとんど瞬時に提供される、項目14に記載の支持機構。
[項目16]
前記第1の回転装置の前記回転部は、前記回転部が自由に回転するように構成されるように、前記搭載物支持構造に直接結合されない、項目13に記載の支持機構。
[項目17]
前記第1の回転装置は、作動装置を備えたリアクションホイールである、項目13に記載の支持機構。
[項目18]
前記作動装置は、固定子及びロータを備えた回転モータである、項目17に記載の支持機構。
[項目19]
前記固定子は、前記搭載物支持構造に直接結合される、項目18に記載の支持機構。
[項目20]
前記固定子は、前記第1の追加トルクが前記搭載物支持構造に直接伝達されることが可能なように、前記搭載物支持構造に強固に取り付けられる、項目19に記載の支持機構。
[項目21]
前記ロータは、第1の軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目18に記載の支持機構。
[項目22]
前記第1の軸は、前記第1の支持機構軸に平行である、項目21に記載の支持機構。
[項目23]
前記第1の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目21に記載の支持機構。
[項目24]
前記第1の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目21に記載の支持機構。
[項目25]
前記第1の追加トルクは、前記ロータの前記回転によって生成される、項目21に記載の支持機構。
[項目26]
前記第1の追加トルクは、前記第1の回転装置に第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータを加速させる、項目25に記載の支持機構。
[項目27]
前記ロータは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目26に記載の支持機構。
[項目28]
前記ロータが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が前記第1の回転装置に印加されて、前記ロータを減速させる、項目27に記載の支持機構。
[項目29]
前記第1の追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に直接伝達される、項目25に記載の支持機構。
[項目30]
前記ロータ上に取り付けられ、及び前記ロータで自由に回転するように構成された慣性ホイールを更に備える、項目18に記載の支持機構。
[項目31]
前記慣性ホイールは、前記第1の追加トルクが前記搭載物支持構造に提供される時間の長さを増加させるように構成される、項目30に記載の支持機構。
[項目32]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、第1の軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目30に記載の支持機構。
[項目33]
前記第1の軸は、前記第1の支持機構軸に平行である、項目32に記載の支持機構。
[項目34]
前記第1の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目32に記載の支持機構。
[項目35]
前記第1の軸は、前記搭載物支持構造質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目32に記載の支持機構。
[項目36]
前記第1の追加トルクは、前記ロータ及び前記慣性ホイールの前記回転によって生成される、項目30に記載の支持機構。
[項目37]
前記第1の追加トルクは、前記第1の回転装置に第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータ及び前記慣性ホイールを加速させる、項目36に記載の支持機構。
[項目38]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目37に記載の支持機構。
[項目39]
前記ロータ及び前記慣性ホイールが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が前記第1の回転装置に印加されて、前記ロータ及び前記慣性ホイールを減速させる、項目37に記載の支持機構。
[項目40]
前記第1の追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に直接伝達される、項目36に記載の支持機構。
[項目41]
前記第1の回転装置は、前記搭載物支持構造に適用されている第1のトルクに応じて、前記搭載物支持構造に前記第1の追加トルクを提供するように構成される、項目14に記載の支持機構。
[項目42]
前記第1のトルクは、所定の第1のトルク及び/又は第1の外部トルクを備える、項目41に記載の支持機構。
[項目43]
前記第1の支持機構部品が前記第1の支持機構軸の周囲を回転するときに、前記所定の第1のトルクが生成され、及び前記搭載物支持構造に伝達される、項目42に記載の支持機構。
[項目44]
前記第1の支持機構部品は、前記第1の支持機構部品に結合された第1の作動装置を使用して、前記第1の支持機構軸の周囲で回転する、項目43に記載の支持機構。
[項目45]
前記所定の第1のトルクは、前記第1の作動装置によって生成される、項目44に記載の支持機構。
[項目46]
前記第1の追加トルクは、前記所定の第1のトルクと実質的に同時に生成される、項目44に記載の支持機構。
[項目47]
前記第1の作動装置から前記搭載物支持構造への距離は、前記第1の回転装置から前記搭載物支持構造への距離よりも実質的に長い、項目44に記載の支持機構。
[項目48]
前記第1の作動装置から前記搭載物支持構造への前記距離は、前記第1の支持機構部品の長さに少なくとも基づいて判定される、項目47に記載の支持機構。
[項目49]
前記搭載物支持構造は、前記所定の第1のトルクを受ける前に前記第1の追加トルクを受けるように構成される、項目47に記載の支持機構。
[項目50]
前記第1の追加トルクは、前記所定の第1のトルクの前に前記搭載物支持構造に伝達される、項目49に記載の支持機構。
[項目51]
前記搭載物支持構造は、(1)前記第1の作動装置から前記第1の支持機構部品へ、及び(2)前記第1の支持機構部品から前記搭載物支持構造へのトルク伝達遅延の結果として、第1の追加トルクよりも後に前記所定の第1のトルクを受ける、項目49に記載の支持機構。
[項目52]
前記トルク伝達遅延は、前記第1の作動装置の回転部のねじり変形、及び前記第1の支持機構部品のねじり変形の結果である、項目51に記載の支持機構。
[項目53]
前記第1の追加トルクは、前記トルク伝達遅延を補償するために前記搭載物支持構造に適用される、項目51に記載の支持機構。
[項目54]
前記搭載物支持構造は、前記所定の第1のトルクの影響を受ける前に前記第1の追加トルクの影響を受ける、項目49に記載の支持機構。
[項目55]
前記第1の追加トルクは、前記所定の第1のトルクが前記搭載物支持構造に伝達されるときに減少又は除去される、項目49に記載の支持機構。
[項目56]
前記第1の追加トルクは、前記第1の回転装置とは反対の第2の方向を有する電流を印加することによって減少又は除去され、それによって、前記第1の回転装置におけるロータ及び/又は慣性ホイールを減速させる、項目55に記載の支持機構。
[項目57]
前記第1の追加トルクは、前記所定の第1のトルクと実質的に等しく、及び同一の方向にある、項目43に記載の支持機構。
[項目58]
前記第1の追加トルクは、前記所定の第1のトルクよりも小さく、及び同一の方向にある、項目43に記載の支持機構。
[項目59]
前記搭載物支持構造上で与えられる外部擾乱の結果として、前記第1の追加トルクが生成され、及び前記搭載物支持構造に伝達される、項目42に記載の支持機構。
[項目60]
前記第1の外部トルクは、前記第1の支持機構軸の周囲で生成される、項目59に記載の支持機構。
[項目61]
前記外部擾乱は、前記搭載物支持構造上の風の影響、温度変化、又は外部影響を含む、項目59に記載の支持機構。
[項目62]
前記外部擾乱によって、前記搭載物支持構造が目的物のロケーションの外側に移る、項目59に記載の支持機構。
[項目63]
前記第1の追加トルクは、前記搭載物支持構造上の前記外部擾乱の影響を軽減するように、前記第1の外部トルクと実質的に等しく、及び反対の方向にある、項目59に記載の支持機構。
[項目64]
前記搭載物支持構造は、前記第1の支持機構部品に回転可能に結合される、項目2に記載の支持機構。
[項目65]
前記搭載物支持構造は、第2の作動装置によって前記第1の支持機構部品に回転可能に結合される、項目64に記載の支持機構。
[項目66]
前記第2の作動装置は、前記第1の支持機構部品に結合された非回転部、及び前記搭載物支持構造に結合された回転部を備える、項目65に記載の支持機構。
[項目67]
前記第2の作動装置は、第2の信号に応答して、第2の支持機構軸の周囲で前記搭載物支持構造を回転させるように構成される、項目65に記載の支持機構。
[項目68]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は相互に平行でない、項目67に記載の支持機構。
[項目69]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は、実質的に異なる方向に延びる、項目68に記載の支持機構。
[項目70]
前記第1の支持機構軸は、前記第2の支持機構軸に直交する、項目68に記載の支持機構。
[項目71]
前記第1の支持機構軸は、前記第2の支持機構軸に対して傾く、項目68に記載の支持機構。
[項目72]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は平行である、項目67に記載の支持機構。
[項目73]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は、実質的に同一の方向に延びる、項目72に記載の支持機構。
[項目74]
前記第2の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目67に記載の支持機構。
[項目75]
前記第2の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目67に記載の支持機構。
[項目76]
前記少なくとも1つの支持機構部品は、第2の支持機構軸の周囲を回転するように構成された第2の支持機構部品を備える、項目2に記載の支持機構。
[項目77]
前記搭載物支持構造は、前記第2の支持機構部品を介して前記第1の支持機構部品に結合される、項目76に記載の支持機構。
[項目78]
前記搭載物支持構造は、前記第2の支持機構部品に強固に結合される、項目76に記載の支持機構。
[項目79]
前記第2の支持機構部品は、第2の作動装置によって前記第1の支持機構部品に回転可能に結合される、項目76に記載の支持機構。
[項目80]
前記第2の作動装置は、第2の信号に応答して、前記第2の支持機構軸の周囲で、前記第2の支持機構部品及び前記搭載物支持構造を回転させるように構成される、項目79に記載の支持機構。
[項目81]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は平行でない、項目80に記載の支持機構。
[項目82]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は、実質的に異なる方向に延びる、項目81に記載の支持機構。
[項目83]
前記第1の支持機構軸は、前記第2の支持機構軸に対して実質的に直交する、項目81に記載の支持機構。
[項目84]
前記第1の支持機構軸は、前記第2の支持機構軸に対して傾いている、項目81に記載の支持機構。
[項目85]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は、実質的に平行である、項目80に記載の支持機構。
[項目86]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は、実質的に同一の方向に延びる、項目80に記載の支持機構。
[項目87]
前記第2の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目85に記載の支持機構。
[項目88]
前記第2の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目80に記載の支持機構。
[項目89]
前記少なくとも1つの回転装置は、前記搭載物支持構造の第2の部分上に配置された第2の回転装置を備える、項目13に記載の支持機構。
[項目90]
前記搭載物支持構造の前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記搭載物支持構造上の異なるロケーションにある、項目89に記載の支持機構。
[項目91]
前記第2の部分の平面は、前記第1の部分の平面に対して実質的に直交する、項目90に記載の支持機構。
[項目92]
前記第2の部分の平面は、前記第1の部分の平面に対して傾いている、項目90に記載の支持機構。
[項目93]
前記第2の回転装置は、前記搭載物支持構造に第2の追加トルクを提供するように構成される、項目89に記載の支持機構。
[項目94]
前記第2の追加トルクは、約0.5ミリ秒以内で前記搭載物支持構造に直接且つほとんど瞬時に提供される、項目93に記載の支持機構。
[項目95]
前記第2の回転装置の前記回転部は、前記回転部が自由に回転するように構成されるように、前記搭載物支持構造に直接結合されない、項目89に記載の支持機構。
[項目96]
前記第2の回転装置は、作動装置を備えたリアクションホイールである、項目89に記載の支持機構。
[項目97]
前記作動装置は、固定子及びロータを備えた回転モータである、項目96に記載の支持機構。
[項目98]
前記固定子は、前記搭載物支持構造に直接結合される、項目97に記載の支持機構。
[項目99]
前記固定子は、前記第2の追加トルクが前記搭載物支持構造に直接伝達されることが可能なように、前記搭載物支持構造に強固に取り付けられる、項目98に記載の支持機構。
[項目100]
前記ロータは、第2の軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目97に記載の支持機構。
[項目101]
前記第2の軸は、前記第2の支持機構軸に平行である、項目100に記載の支持機構。
[項目102]
前記第2の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目100に記載の支持機構。
[項目103]
前記第2の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目100に記載の支持機構。
[項目104]
前記第2の追加トルクは、前記ロータの前記回転によって生成される、項目100に記載の支持機構。
[項目105]
前記第2の追加トルクは、前記第2の回転装置に前記第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータを加速させる、項目104に記載の支持機構。
[項目106]
前記ロータは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目105に記載の支持機構。
[項目107]
前記ロータが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の前記第2の方向を有する電流が前記第2の回転装置に印加されて、前記ロータを減速させる、項目105に記載の支持機構。
[項目108]
前記第2の追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に直接伝達される、項目104に記載の支持機構。
[項目109]
前記ロータ上に取り付けられ、及び前記ロータで自由に回転するように構成された慣性ホイールを更に備える、項目97に記載の支持機構。
[項目110]
前記慣性ホイールは、前記第2の追加トルクが前記搭載物支持構造に提供される時間の長さを増大させるように構成される、項目109に記載の支持機構。
[項目111]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、第2の軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目109に記載の支持機構。
[項目112]
前記第2の軸は前記第2の支持機構軸に平行である、項目111に記載の支持機構。
[項目113]
前記第2の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目111に記載の支持機構。
[項目114]
前記第2の軸は、前記搭載物支持構造質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目111に記載の支持機構。
[項目115]
前記第2の追加トルクは、前記ロータ及び前記慣性ホイールの前記回転によって生成される、項目109に記載の支持機構。
[項目116]
前記第2の追加トルクは、前記第2の回転装置に前記第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータ及び前記慣性ホイールを加速させる、項目115に記載の支持機構。
[項目117]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目116に記載の支持機構。
[項目118]
前記ロータ及び前記慣性ホイールが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の前記第2の方向を有する電流が前記第2の回転装置に印加されて、前記ロータ及び前記慣性ホイールを減速させる、項目116に記載の支持機構。
[項目119]
前記第2の追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に直接伝達される、項目115に記載の支持機構。
[項目120]
前記第2の回転装置は、前記搭載物支持構造に適用されている第2のトルクに応じて、前記搭載物支持構造に前記第2の追加トルクを提供するように構成される、項目89に記載の支持機構。
[項目121]
前記第2のトルクは、所定の第2のトルク及び/又は第2の外部トルクを備える、項目120に記載の支持機構。
[項目122]
前記第2の支持機構部品が前記第2の支持機構軸の周囲を回転するときに、前記所定の第2のトルクが生成され、及び前記搭載物支持構造に伝達される、項目121に記載の支持機構。
[項目123]
前記第2の支持機構部品は、前記第2の支持機構部品に結合された第2の作動装置を使用して、前記第2の支持機構軸の周囲で回転する、項目122に記載の支持機構。
[項目124]
前記所定の第2のトルクは、前記第2の作動装置によって生成される、項目123に記載の支持機構。
[項目125]
前記第2の追加トルクは、前記所定の第2のトルク及び/又は前記所定の第1のトルクと実質的に同時に生成される、項目123に記載の支持機構。
[項目126]
前記第2の作動装置から前記搭載物支持構造への距離は、前記第2の回転装置から前記搭載物支持構造への距離よりも実質的に長い、項目123に記載の支持機構。
[項目127]
前記第2の作動装置から前記搭載物支持構造への前記距離は、前記第2の支持機構部品の長さに少なくとも基づいて判定される、項目126に記載の支持機構。
[項目128]
前記搭載物支持構造は、前記所定の第2のトルク及び前記所定の第1のトルクを受ける前に前記第2の追加トルクを受けるように構成される、項目126に記載の支持機構。
[項目129]
前記第2の追加トルクは、前記所定の第2のトルク及び前記所定の第1のトルクの前に前記搭載物支持構造に伝達される、項目128に記載の支持機構。
[項目130]
前記搭載物支持構造は、(1)前記第2の作動装置から前記第2の支持機構部品へ、及び(2)前記第2の支持機構部品から前記搭載物支持構造へのトルク伝達遅延の結果として、第2の追加トルクよりも後に前記所定の第2のトルクを受ける、項目128に記載の支持機構。
[項目131]
前記トルク伝達遅延は、前記第2の作動装置の回転部のねじり変形、及び前記第2の支持機構部品のねじり変形の結果である、項目130に記載の支持機構。
[項目132]
前記第2の追加トルクは、前記トルク伝達遅延を補償するために前記搭載物支持構造に適用される、項目130に記載の支持機構。
[項目133]
前記搭載物支持構造は、前記所定の第2のトルクの影響を受ける前に前記第2の追加トルクの影響を受ける、項目128に記載の支持機構。
[項目134]
前記第2の追加トルクは、前記所定の第2のトルクが前記搭載物支持構造に伝達されるときに減少又は除去される、項目128に記載の支持機構。
[項目135]
前記第2の追加トルクは、前記第2の回転装置に第2の方向を有する電流を印加することによって減少又は除去され、それによって、前記第2の回転装置におけるロータ及び/又は慣性ホイールを減速させる、項目134に記載の支持機構。
[項目136]
前記第2の追加トルクは、前記所定の第2のトルクと実質的に等しく、及び同一の方向にある、項目122に記載の支持機構。
[項目137]
前記第2の追加トルクは、前記所定の第2のトルクよりも小さく、及び同一の方向にある、項目122に記載の支持機構。
[項目138]
前記第2の追加トルク及び前記第1の追加トルクは、前記搭載物支持構造に実質的に同時に伝達される、項目122に記載の支持機構。
[項目139]
前記第2の追加トルク及び前記第1の追加トルクは、前記搭載物支持構造において実質的に同時に受けられる、項目122に記載の支持機構。
[項目140]
前記搭載物支持構造上で与えられる外部擾乱の結果として、前記第2の追加トルクが生成され、及び前記搭載物支持構造に伝達される、項目121に記載の支持機構。
[項目141]
前記第2の外部トルクは、前記第2の支持機構軸の周囲で生成される、項目140に記載の支持機構。
[項目142]
前記外部擾乱は、前記搭載物支持構造上の風の影響、温度変化、又は外部影響を含む、項目140に記載の支持機構。
[項目143]
前記外部擾乱によって、前記搭載物支持構造が目的物のロケーションの外側に移る、項目140に記載の支持機構。
[項目144]
前記第2の追加トルクは、前記搭載物支持構造上の前記外部擾乱の影響を軽減するように、前記第2の外部トルクと実質的に等しく、及び反対の方向にある、項目140に記載の支持機構。
[項目145]
前記搭載物支持構造は、前記第2の支持機構部品に回転可能に結合される、項目76に記載の支持機構。
[項目146]
前記搭載物支持構造は、第3の作動装置によって前記第2の支持機構部品に回転可能に結合される、項目145に記載の支持機構。
[項目147]
前記第3の作動装置は、前記第2の支持機構部品に結合された非回転部、及び前記搭載物支持構造に結合された回転部を備える、項目146に記載の支持機構。
[項目148]
前記第3の作動装置は、第3の信号に応答して、第3の支持機構軸の周囲で前記搭載物支持構造を回転させるように構成される、項目146に記載の支持機構。
[項目149]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は相互に平行でない、項目148に記載の支持機構。
[項目150]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は、実質的に異なる方向に延びる、項目149に記載の支持機構。
[項目151]
前記第3の支持機構軸は、前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸の各々に直交する、項目149に記載の支持機構。
[項目152]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は相互に直交する、項目151に記載の支持機構。
[項目153]
前記第1の支持機構軸は、前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸の各々に対して傾く、項目149に記載の支持機構。
[項目154]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は相互に傾く、項目153に記載の支持機構。
[項目155]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は相互に平行である、項目149に記載の支持機構。
[項目156]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は、実質的に同一の方向に延びる、項目155に記載の支持機構。
[項目157]
前記第3の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目148に記載の支持機構。
[項目158]
前記第3の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目148に記載の支持機構。
[項目159]
前記少なくとも1つの支持機構部品は、第3の支持機構軸の周囲を回転するように構成された第3の支持機構部品を備える、項目76に記載の支持機構。
[項目160]
前記搭載物支持構造は、前記第3の支持機構部品を介して前記第2の支持機構部品に結合される、項目159に記載の支持機構。
[項目161]
前記搭載物支持構造は、前記第3の支持機構部品に強固に結合される、項目159に記載の支持機構。
[項目162]
前記第3の支持機構部品は、第3の作動装置によって前記第2の支持機構部品に回転可能に結合される、項目159に記載の支持機構。
[項目163]
前記第3の作動装置は、第3の信号に応答して、前記第3の支持機構軸の周囲で、前記第3の支持機構部品及び前記搭載物支持構造を回転させるように構成される、項目162に記載の支持機構。
[項目164]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は相互に平行でない、項目163に記載の支持機構。
[項目165]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は、実質的に異なる方向に延びる、項目164に記載の支持機構。
[項目166]
前記第3の支持機構軸は、前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸の各々に直交する、項目164に記載の支持機構。
[項目167]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は相互に直交する、項目166に記載の支持機構。
[項目168]
前記第1の支持機構軸は、前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸の各々に対して傾く、項目164に記載の支持機構。
[項目169]
前記第1の支持機構軸及び前記第2の支持機構軸は相互に傾く、項目168に記載の支持機構。
[項目170]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は相互に平行である、項目164に記載の支持機構。
[項目171]
前記第1の支持機構軸、前記第2の支持機構軸、及び前記第3の支持機構軸は、実質的に同一の方向に延びる、項目170に記載の支持機構。
[項目172]
前記第3の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目163に記載の支持機構。
[項目173]
前記第3の支持機構軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目163に記載の支持機構。
[項目174]
前記少なくとも1つの回転装置は、前記搭載物支持構造の第3の部分上に配置された第3の回転装置を備える、項目89に記載の支持機構。
[項目175]
前記搭載物支持構造の前記第1の部分、前記第2の部分、及び前記第3の部分は、前記搭載物支持構造上の異なるロケーションにある、項目174に記載の支持機構。
[項目176]
前記第3の部分の面は、前記第1の部分の平面及び前記第2の部分の面の各々に直交する、項目175に記載の支持機構。
[項目177]
前記第1の部分の前記面は、前記第2の部分の前記面に直交する、項目176に記載の支持機構。
[項目178]
前記第3の部分の面は、前記第1の部分の面及び前記第2の部分の面の各々に対して傾く、項目175に記載の支持機構。
[項目179]
前記第1の部分の前記面は、前記第2の部分の前記面に対して傾く、項目178に記載の支持機構。
[項目180]
前記第3の回転装置は、前記搭載物支持構造に第3の追加トルクを提供するように構成される、項目174に記載の支持機構。
[項目181]
前記第3の追加トルクは、約0.5ミリ秒以内で前記搭載物支持構造に直接且つほとんど瞬時に提供される、項目180に記載の支持機構。
[項目182]
前記第3の回転装置の前記回転部は、前記回転部が自由に回転するように構成されるように、前記搭載物支持構造に直接結合されない、項目174に記載の支持機構。
[項目183]
前記第3の回転装置は、作動装置を備えたリアクションホイールである、項目174に記載の支持機構。
[項目184]
前記作動装置は、固定子及びロータを備えた回転モータである、項目183に記載の支持機構。
[項目185]
前記固定子は、前記搭載物支持構造に直接結合される、項目184に記載の支持機構。
[項目186]
前記固定子は、前記第3の追加トルクが前記搭載物支持構造に直接伝達されることが可能なように、前記搭載物支持構造に強固に取り付けられる、項目185に記載の支持機構。
[項目187]
前記ロータは、第3の軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目184に記載の支持機構。
[項目188]
前記第3の軸は、前記第3の支持機構軸に平行である、項目187に記載の支持機構。
[項目189]
前記第3の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目187に記載の支持機構。
[項目190]
前記第3の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目187に記載の支持機構。
[項目191]
前記第3の追加トルクは、前記ロータの前記回転によって生成される、項目187に記載の支持機構。
[項目192]
前記第3の追加トルクは、前記第3の回転装置に前記第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータを加速させる、項目191に記載の支持機構。
[項目193]
前記ロータは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目192に記載の支持機構。
[項目194]
前記ロータが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の前記第2の方向を有する電流が前記第3の回転装置に印加されて、前記ロータを減速させる、項目192に記載の支持機構。
[項目195]
前記第3の追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に直接伝達される、項目191に記載の支持機構。
[項目196]
前記ロータ上に取り付けられ、及び前記ロータで自由に回転するように構成された慣性ホイールを更に備える、項目184に記載の支持機構。
[項目197]
前記慣性ホイールは、前記第3の追加トルクが前記搭載物支持構造に提供される時間の長さを増加させるように構成される、項目196に記載の支持機構。
[項目198]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、第3の軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目196に記載の支持機構。
[項目199]
前記第3の軸は前記第3の支持機構軸に平行である、項目198に記載の支持機構。
[項目200]
前記第3の軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目198に記載の支持機構。
[項目201]
前記第3の軸は、前記搭載物支持構造質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目198に記載の支持機構。
[項目202]
前記第3の追加トルクは、前記ロータ及び前記慣性ホイールの前記回転によって生成される、項目196に記載の支持機構。
[項目203]
前記第3の追加トルクは、前記第3の回転装置に前記第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータ及び前記慣性ホイールを加速させる、項目202に記載の支持機構。
[項目204]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目203に記載の支持機構。
[項目205]
前記ロータ及び前記慣性ホイールが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の前記第2の方向を有する電流が前記第3の回転装置に印加されて、前記ロータ及び前記慣性ホイールを減速させる、項目203に記載の支持機構。
[項目206]
前記第3の追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に直接伝達される、項目202に記載の支持機構。
[項目207]
前記第3の回転装置は、前記搭載物支持構造に適用されている第3のトルクに応じて、前記搭載物支持構造に前記第3の追加トルクを提供するように構成される、項目174に記載の支持機構。
[項目208]
前記第3のトルクは、所定の第3のトルク及び/又は第3の外部トルクを備える、項目207に記載の支持機構。
[項目209]
前記第3の支持機構部品が前記第3の支持機構軸の周囲を回転するときに、前記所定の第3のトルクが生成され、及び前記搭載物支持構造に伝達される、項目208に記載の支持機構。
[項目210]
前記第3の支持機構部品は、前記第3の支持機構部品に結合された第3の作動装置を使用して、前記第3の支持機構軸の周囲で回転する、項目209に記載の支持機構。
[項目211]
前記所定の第3のトルクは、前記第3の作動装置によって生成される、項目210に記載の支持機構。
[項目212]
前記第3の追加トルクは、前記所定の第3のトルク、前記所定の第2のトルク、及び前記所定の第1のトルクと実質的に同時に生成される、項目210に記載の支持機構。
[項目213]
前記第3の作動装置から前記搭載物支持構造への距離は、前記第3の回転装置から前記搭載物支持構造への距離よりも実質的に長い、項目210に記載の支持機構。
[項目214]
前記第3の作動装置から前記搭載物支持構造への前記距離は、前記第3の支持機構部品の長さに少なくとも基づいて判定される、項目213に記載の支持機構。
[項目215]
前記搭載物支持構造は、前記所定の第3のトルク、前記所定の第2のトルク、及び前記所定の第1のトルクを受ける前に前記第3の追加トルクを受けるように構成される、項目213に記載の支持機構。
[項目216]
前記第3の追加トルクは、前記所定の第3のトルク及び前記所定の第3のトルクの前に前記搭載物支持構造に伝達される、項目215に記載の支持機構。
[項目217]
前記搭載物支持構造は、(1)前記第3の作動装置から前記第3の支持機構部品へ、及び(2)前記第3の支持機構部品から前記搭載物支持構造へのトルク伝達遅延の結果として、第3の追加トルクよりも後に前記所定の第3のトルクを受ける、項目215に記載の支持機構。
[項目218]
前記トルク伝達遅延は、前記第3の作動装置の回転部のねじり変形、及び前記第3の支持機構部品のねじり変形の結果である、項目217に記載の支持機構。
[項目219]
前記第3の追加トルクは、前記トルク伝達遅延を補償するために前記搭載物支持構造に適用される、項目217に記載の支持機構。
[項目220]
前記搭載物支持構造は、前記所定の第3のトルクの影響を受ける前に前記第3の追加トルクの影響を受ける、項目215に記載の支持機構。
[項目221]
前記第3の追加トルクは、前記所定の第3のトルクが前記搭載物支持構造に伝達されるときに減少又は除去される、項目215に記載の支持機構。
[項目222]
前記第3の追加トルクは、前記第3の回転装置に第2の方向を有する電流を印加することによって減少又は除去され、それによって、前記第3の回転装置におけるロータ及び/又は慣性ホイールを減速させる、項目221に記載の支持機構。
[項目223]
前記第3の追加トルクは、前記所定の第3のトルクと実質的に等しく、及び同一の方向にある、項目209に記載の支持機構。
[項目224]
前記第3の追加トルクは、前記所定の第3のトルクよりも小さく、及び同一の方向にある、項目209に記載の支持機構。
[項目225]
前記第3の追加トルク、前記第2の追加トルク、及び前記第1の追加トルクは、前記搭載物支持構造に実質的に同時に伝達される、項目209に記載の支持機構。
[項目226]
前記第3の追加トルク、前記第2の追加トルク、及び前記第1の追加トルクは、前記搭載物支持構造において実質的に同時に受けられる、項目209に記載の支持機構。
[項目227]
前記搭載物支持構造上で与えられる外部擾乱の結果として、前記第3の追加トルクが生成され、及び前記搭載物支持構造に伝達される、項目208に記載の支持機構。
[項目228]
前記第3の外部トルクは、前記第3の支持機構軸の周囲で生成される、項目227に記載の支持機構。
[項目229]
前記外部擾乱は、前記搭載物支持構造上の風の影響、温度変化、又は外部影響を含む、項目227に記載の支持機構。
[項目230]
前記外部擾乱によって、前記搭載物支持構造が目的物のロケーションの外側に移る、項目227に記載の支持機構。
[項目231]
前記第3の追加トルクは、前記搭載物支持構造上の前記外部擾乱の影響を軽減するように、前記第3の外部トルクと実質的に等しく、及び反対の方向にある、項目227に記載の支持機構。
[項目232]
前記第1の作動装置、前記第2の作動装置、前記第3の作動装置、前記第1の回転装置における前記作動装置、前記第2の回転装置における前記作動装置、及び第3の回転装置における前記作動装置は、回転モータ、サーボモータ、直接駆動回転モータ、直流(DC)ブラシモータ、DCブラシレスモータ、DCトルクモータ、線形ソレノイドステッパモータ、超音波モータ、ギア付きモータ、速度減速モータ、水圧作動装置、空気式作動装置、又はピギーバックモータの組み合わせを備えたグループから選択される、項目2、76、及び159のいずれか一項に記載の支持機構。
[項目233]
前記少なくとも1つの支持機構部品は、細長アーム、支持フレーム、又はねじりアームを備える、項目1に記載の支持機構。
[項目234]
前記少なくとも1つの支持機構部品は、1つ又は複数の結合機構を使用して連続して接続された複数の支持機構部品を備える、項目1に記載の支持機構。
[項目235]
前記1つ又は複数の結合機構は、剛性結合又は可撓性結合を備える、項目234に記載の支持機構。
[項目236]
前記剛性結合は、スリーブ結合を備える、項目235に記載の支持機構。
[項目237]
前記可撓性結合は、ギア結合を備える、項目235に記載の支持機構。
[項目238]
搭載物へのトルク伝達を制御するシステムであって、
無人航空機と、
前記無人航空機に取り付けられた、項目1に記載の支持機構と
を備える、システム。
[項目239]
搭載物へのトルク伝達を制御する方法であって、
支持機構軸の周囲で少なくとも1つの支持機構部品を回転させるステップであって、前記支持機構部品は、前記搭載物を支持するように構成された搭載物支持構造に結合される、ステップと、
前記搭載物支持構造に結合された少なくとも1つの回転装置を使用して、前記搭載物支持構造に追加トルクを適用するステップと
を備え、
前記回転装置は、前記搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して、前記搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備え、並びに
前記追加トルクは、前記支持機構部品が前記支持機構軸の周囲を回転するときに、前記支持機構部品から前記搭載物支持構造へのトルク伝達遅延を補償するために提供される
方法。
[項目240]
搭載物へのトルク伝達を制御する方法であって、
少なくとも1つの作動装置及び少なくとも1つの支持機構部品を介して搭載物支持構造に所定のトルクを適用するステップであって、前記搭載物支持構造は、前記作動装置及び前記支持機構部品に結合され、並びに前記搭載物支持構造は、前記搭載物を支持するように構成される、ステップと、
前記搭載物支持構造上に配置された少なくとも1つの回転装置を介して前記搭載物支持構造に追加トルクを適用するステップと
を備え、
前記回転装置は、前記搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して、前記搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備え、並びに
前記追加トルクは、前記作動装置及び前記支持機構部品から前記搭載物支持構造への前記所定のトルクのトルク伝達遅延を補償するように構成される
方法。
[項目241]
前記少なくとも1つの支持機構部品は、細長アーム、支持フレーム、又はねじりアームを備える、項目240に記載の方法。
[項目242]
前記支持機構部品は、前記作動装置と前記搭載物支持構造との間に接続される、項目240に記載の方法。
[項目243]
前記搭載物支持構造は、前記所定のトルクを受ける前に前記追加トルクを受けるように構成される、項目240に記載の方法。
[項目244]
前記追加トルクは、前記搭載物支持構造に瞬時のトルク応答を提供する、項目240に記載の方法。
[項目245]
前記回転装置の前記回転部は、前記回転部が自由に回転するように構成されるように、前記搭載物支持構造に直接結合されない、項目240に記載の方法。
[項目246]
前記第1の信号及び前記第2の信号は、実質的に同時に提供される、項目240に記載の方法。
[項目247]
前記回転装置は、作動装置を備えたリアクションホイールである、項目240に記載の方法。
[項目248]
前記作動装置は、固定子及びロータを備えた回転モータである、項目247に記載の方法。
[項目249]
前記固定子は、前記搭載物支持構造に直接結合される、項目248に記載の方法。
[項目250]
前記固定子は、前記追加トルクが前記搭載物支持構造に直接伝達されることが可能なように、前記搭載物支持構造に強固に取り付けられる、項目249に記載の方法。
[項目251]
前記ロータは、軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目248に記載の方法。
[項目252]
前記軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目251に記載の方法。
[項目253]
前記軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目251に記載の方法。
[項目254]
前記追加トルクは、前記ロータの前記回転によって生成される、項目251に記載の方法。
[項目255]
前記追加トルクは、前記回転装置に第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータを加速させる、項目254に記載の方法。
[項目256]
前記ロータは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目255に記載の方法。
[項目257]
前記ロータが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が前記回転装置に印加されて、前記ロータを減速させる、項目255に記載の方法。
[項目258]
前記追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に伝達される、項目254に記載の方法。
[項目259]
前記ロータ上に取り付けられ、及び前記ロータで自由に回転するように構成された慣性ホイールを更に備える、項目248に記載の方法。
[項目260]
前記慣性ホイールは、前記追加トルクが前記搭載物支持構造に提供される時間の長さを増加させるように構成される、項目259に記載の方法。
[項目261]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、軸の周囲を自由に回転するように構成される、項目259に記載の方法。
[項目262]
前記軸は、前記搭載物支持構造の質量の中心を通じて延びる、項目261に記載の方法。
[項目263]
前記軸は、前記搭載物支持構造質量の中心を通じて延びる平行な線からずれる、項目261に記載の方法。
[項目264]
前記追加トルクは、前記ロータ及び前記慣性ホイールの前記回転によって生成される、項目259に記載の方法。
[項目265]
前記追加トルクは、前記回転装置に第1の方向を有する電流を印加することによって生成され、それによって、前記ロータ及び前記慣性ホイールを加速させる、項目264に記載の方法。
[項目266]
前記ロータ及び前記慣性ホイールは、所定の回転速度まで加速するように構成される、項目265に記載の方法。
[項目267]
前記ロータ及び前記慣性ホイールが前記所定の回転速度を上回るとき、前記第1の方向とは反対の第2の方向を有する電流が前記回転装置に印加されて、前記ロータ及び前記慣性ホイールを減速させる、項目265に記載の方法。
[項目268]
前記追加トルクは、前記固定子を通じて前記搭載物支持構造に直接伝達される、項目264に記載の方法。
[項目269]
前記回転装置は、前記所定のトルクに応じて、前記搭載物支持構造に前記追加トルクを提供するように構成される、項目240に記載の方法。
[項目270]
前記所定のトルクは、外部トルクを相殺するために提供される、項目269に記載の方法。
[項目271]
前記外部トルクは、外部擾乱の結果として生成される、項目270に記載の方法。
[項目272]
前記外部擾乱は、前記搭載物支持構造上の風の影響、温度変化、又は外部影響を含む、項目271に記載の方法。
[項目273]
前記外部擾乱によって、前記搭載物支持構造が目的物のロケーションの外側に移る、項目271に記載の方法。
[項目274]
前記所定の追加トルクは、前記搭載物支持構造上の前記外部擾乱の影響を軽減するように、前記外部トルクと実質的に等しく、及び反対の方向にある、項目271に記載の方法。
[項目275]
前記所定のトルクが生成され、及び前記搭載物支持構造に伝達される、項目269に記載の方法。
[項目276]
前記追加トルクは、前記所定のトルクと実質的に同時に提供される、項目269に記載の方法。
[項目277]
前記作動装置及び前記支持機構部品から前記搭載物支持構造への距離は、前記回転装置から前記搭載物支持構造への距離よりも実質的に長い、項目269に記載の方法。
[項目278]
前記作動装置及び前記支持機構部品から前記搭載物支持構造への前記距離は、前記支持機構部品の長さに少なくとも基づいて判定される、項目277に記載の方法。
[項目279]
前記搭載物支持構造は、前記所定のトルクを受ける前に前記追加トルクを受けるように構成される、項目277に記載の方法。
[項目280]
前記追加トルクは、前記所定のトルクの前に前記搭載物支持構造に伝達される、項目279に記載の方法。
[項目281]
前記搭載物支持構造は、(1)前記作動装置から前記支持機構部品へ、及び(2)前記支持機構部品から前記搭載物支持構造への前記トルク伝達遅延の結果として、前記追加トルクよりも後に前記所定のトルクを受ける、項目279に記載の方法。
[項目282]
前記トルク伝達遅延は、前記作動装置の回転部のねじり変形、及び前記支持機構部品のねじり変形の結果である、項目281に記載の方法。
[項目283]
前記追加トルクは、前記トルク伝達遅延を補償するために前記搭載物支持構造に適用される、項目281に記載の方法。
[項目284]
前記追加トルクは、前記所定のトルクが前記搭載物支持構造に伝達されるときに減少又は除去される、項目279に記載の方法。
[項目285]
前記追加トルクは、前記回転装置に第2の方向を有する電流を印加することによって減少又は除去され、それによって、前記回転装置におけるロータ及び/又は慣性ホイールを減速させる、項目284に記載の方法。
[項目286]
前記追加トルクは、前記所定のトルクと実質的に等しく、及び同一の方向にある、項目240に記載の方法。
[項目287]
前記追加トルクは、前記所定のトルクよりも小さく、及び同一の方向にある、項目240に記載の方法。
[項目288]
前記支持機構部品に接続された前記作動装置、及び前記回転装置における前記作動装置は、回転モータ、サーボモータ、直接駆動回転モータ、直流(DC)ブラシモータ、DCブラシレスモータ、DCトルクモータ、線形ソレノイドステッパモータ、超音波モータ、ギア付きモータ、速度減速モータ、水圧作動装置、空気式作動装置、又はピギーバックモータの組み合わせを備えたグループから選択される、項目240に記載の方法。
[項目289]
前記搭載物支持構造に配置された少なくとも1つの回転装置を介して、少なくとも約0.5ミリ秒の間、前記搭載物支持構造に追加トルクを適用するステップを更に備える、項目240に記載の方法。
[項目290]
搭載物へのトルク伝達を制御する装置であって、前記装置は、
少なくとも1つの作動装置及び少なくとも1つの支持機構部品を介して、搭載物支持構造に、所定のトルクを生成するための第1の信号を適用し、前記搭載物支持構造は、前記作動装置及び前記支持機構部品に結合され、前記搭載物支持構造は、前記搭載物を支持するように構成され、並びに、
前記搭載物支持構造上に配置された少なくとも1つの回転装置を介して、前記搭載物支持構造に、追加トルクを生成するための第2の信号を適用する
ように個々に又は集合的に構成された1つ又は複数のプロセッサを備え、
前記回転装置は、前記搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して、前記搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備え、並びに
前記追加トルクは、前記作動装置及び前記支持機構部品から前記搭載物支持構造への前記所定のトルクのトルク伝達遅延を補償するように構成される、
装置。
[項目291]
実行されると、コンピュータに搭載物へのトルク伝達を制御する方法を実行させる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
少なくとも1つの作動装置及び少なくとも1つの支持機構部品を介して搭載物支持構造に所定のトルクを生成するための第1の信号を適用するステップであって、前記搭載物支持構造は、前記作動装置及び前記支持機構部品に結合され、並びに前記搭載物支持構造は、前記搭載物を支持するように構成される、ステップと、
前記搭載物支持構造上に配置された少なくとも1つの回転装置を介して前記搭載物支持構造に追加トルクを生成するための第2の信号を適用するステップと
を備え、
前記回転装置は、前記搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して、前記搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備え、並びに
前記追加トルクは、前記作動装置及び前記支持機構部品から前記搭載物支持構造への前記所定のトルクのトルク伝達遅延を補償するように構成される、
非一時的コンピュータ可読媒体。
[項目292]
搭載物へのトルク伝達を制御する支持機構であって、
支持機構軸の周囲を回転するように構成された少なくとも1つの支持機構部品と、
前記支持機構部品に結合された搭載物であって、前記支持機構部品は、前記搭載物を支持するように構成される、搭載物と、
前記搭載物に結合された少なくとも1つの回転装置と
を備え、
前記回転装置は、前記搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して、前記搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備え、並びに
前記追加トルクは、前記支持機構部品が前記支持機構軸の周囲を回転するときに、前記支持機構部品から前記搭載物へのトルク伝達遅延を補償するために提供される、
支持機構。
[項目293]
搭載物へのトルク伝達を制御するシステムであって、
無人航空機と、
前記無人航空機に取り付けられた、項目292に記載の支持機構と
を備える、システム。
[項目294]
搭載物へのトルク伝達を制御する方法であって、
支持機構軸の周囲で少なくとも1つの支持機構部品を回転させるステップであって、前記支持機構部品は、前記搭載物に結合され、及び前記搭載物を支持するように構成される、ステップと、
前記搭載物に結合された少なくとも1つの回転装置を使用して、前記搭載物に追加トルクを適用するステップと
を備え、
前記回転装置は、前記搭載物支持構造に直接結合された非回転部、及び自由に回転して、前記搭載物支持構造に追加トルクを提供するように構成された回転部を備え、並びに
前記追加トルクは、前記支持機構部品が前記支持機構軸の周囲を回転するときに、前記支持機構部品から前記搭載物へのトルク伝達遅延を補償するために提供される、
方法。