JP6309612B2 - 精神神経疾患または老化における認知機能障害および情緒障害の予防または治療に使用するためのガラクトオリゴ糖組成物 - Google Patents

精神神経疾患または老化における認知機能障害および情緒障害の予防または治療に使用するためのガラクトオリゴ糖組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ヒトにおいて精神神経疾患もしくは 障害、または 老化で生じる認知機能障害および/または 情緒障害の予防または 治療に使用するための、ガラクトオリゴ糖(GOS)の混合物を含む組成物に関する。本発明はまた、精神神経疾患もしくは 障害、または 老化で生じる認知機能障害および/または 情緒障害を、ガラクトオリゴ糖の混合物を含む組成物の有効量を個体に経口投与することにより予防または 治療する方法にも関する。
疾患を予防とは、リスク因子の減少など、疾患の発生を予防するだけでなく、その進行を阻止し、一旦確立 されたその影響を減少させる医薬組成物または治療の能力を指す(参照:Glossary of Terms used in Health for All Series.WHO,Geneva,1984出典)。
一次予防は、障害の初期発生の予防を目的とし、一方、二次予防および 三次予防は、既存の疾患を阻止、または遅らせて、再発および 慢性症状の定着を減少することを目指す。
認知機能障害とは、思考、記憶、および推論などの、個人の日常機能を妨げるのに十分な重症度の知的機能の低下を指す。これは、老化および認知症患者、特にアルツハイマー病を患う人々に見られることがある。認知機能の障害は、思考能力、集中力、考えを組み立てる能力、推論能力、および記憶力に影響を与え得る。
精神神経疾患または 障害とは、精神症状をもたらす器質的な脳障害または 神経障害を指し、高齢患者に一般に生じる不安障害およびうつ病性障害を含む。
Nature Review/Neuroscience;13;701−712;(2012)におけるGryan,J Fおよび Dinan,T Gによるレビューには、無菌動物の研究、および 病原性細菌感染、プロバイオティクス細菌、または抗生物質に曝された動物の研究が、不安、気分、認知、および 痛みの制御における腸管細菌叢の役割をどのように示唆しているかについて記載されている。
プロバイオティクス細菌は、摂取すると宿主に健康上の利益を与え得る、生きている細菌として定義される。
Bravo,J Aらは、マウスが摂取した場合、生菌のラクトバチルス・ ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)の抗うつ作用および抗不安様作用を実証した(Proc Natl Acad Sci USA;108;16050−16055;(2011)参照)。
Burnet,P W J は、腸管常在性の乳酸菌および ビフィズス菌の菌株を増加させる選択的な抗菌剤および プレバイオティクスを使用するさらなる研究により、動物および ヒトの行動および 神経生理学的アウトプットに効果を有する可能性があることを示唆した(Proc.Natl.Acad.Sci.USA;E175;(2012)参照)。
プレバイオティクスは、結腸中の1つまたは 限られた数の細菌の成長および/または 活性を選択的に刺激することにより、宿主に好影響を与えて宿主の健康の改善をもたらす、難消化性食品成分として定義される。ガラクトオリゴ糖(GOS)およびフルクトオリゴ糖(FOS)は、哺乳動物の胃腸の消化酵素に耐性を示すが特定の結腸細菌によって発酵されるプレバイオティクスの例である。
ガラクトオリゴ糖の混合物を含む組成物をヒトなどの哺乳動物に経口投与すると、消化管に存在するニューロンと直接相互作用して、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDAR)のレベルの予想外の増加がもたらされ得ることが、現在では分かっている。具体的には、脳の皮質部分と海馬部分の両方において、NMDAR NRIのタンパク質および/またはmRNAのレベルの増加が見出され、海馬におけるNMDAR NR2Aタンパク質の上昇も見出された。このことから、このような混合物を含む組成物は、精神神経疾患もしくは 障害、または 老化で生じる認知機能障害および/または 情緒障害の予防または 治療に有益であり得ることが示唆された。
GOS組成物の経口投与により、コルチゾール分泌が低下することも見出されている。コルチゾールはストレスに応答して放出されるので、このことから、組成物が、不安障害およびうつ病性障害の徴候である過剰なコルチゾール分泌を減少させ得ることが示唆される。
ガラクトオリゴ糖の混合物は、二糖であるGal(β1−3)−Glc、Gal(β1−3)−Gal、Gal(β1−6)−Gal、Gal(α1−6)−Gal、三糖であるGal(β1−6)−Gal(β1−4)−Glc、Gal(β1−3)−Gal(β1−4)−Glc、四糖であるGal(β1−6)−Gal(β1−6)−Gal(β1−4)−Glc、および五糖であるGal(β1−6)−Gal(β1−6)−Gal(β1−6)−Gal(β1−4)−Glcを含んでいた。
このようなガラクトオリゴ糖の混合物は、ラクトースをこのガラクトオリゴ糖の新規混合物に変換するガラクトシダーゼ酵素活性を生じさせるビフィドバクテリウム・ ビフィダム(Bifidobacterium bifidum )の新規菌株を記載する、欧州特許第1644482号に開示されている。この新規混合物は、腸管においてプレバイオティクス特性および抗炎症性特性を有することが示されている。
このガラクトオリゴ糖混合物は、Bimuno(登録商標)の名称で市販されており、Clasado社(英国、Milton Keynes)から入手可能である。
本発明のある態様によれば、精神神経疾患もしくは 障害、または 老化で生じる認知機能障害および/または 情緒障害の予防または 治療に使用するための、上に定義されるようなガラクトオリゴ糖の混合物を含む組成物が提供される。
本発明の別の態様によれば、精神神経疾患もしくは 障害、または 老化で生じる認知機能障害および/または 情緒障害の予防または 治療のための薬剤の製造における、上に定義されるようなガラクトオリゴ糖の混合物の使用が提供される。
認知機能障害は、老化、認知症、または 統合失調症の結果としての認知機能低下または 認知機能障害であってもよい。精神神経疾患は、うつ病性障害または不安障害であってもよい。不安障害は、身体的健康および 心理的健康の両方に影響を及ぼすことがある、現実または想像上の出来事のいずれかに基づいた、将来への不安についての過剰な反芻、心配、困惑、懸念、および 恐れを特徴とする、種々の異なる形態の一般的な精神障害を含む。
本発明のさらに別の態様によれば、上に定義されるようなガラクトオリゴ糖の混合物を含む組成物の有効量をヒトなどの個体に投与することを含む、精神神経疾患または 老化で生じる認知機能障害および/または 情緒障害を予防または 治療する方法が提供される。ガラクトオリゴ糖組成物の有効量を、好ましくは一日一回、あるいは数時間空けて、例えば4時間〜12時間空けて、好ましくは6時間〜10時間空けて、最も好ましくは8時間空けて、2回に分けて、毎日投与する。
好ましくは、ガラクトオリゴ糖の組成物または 混合物を、凍結乾燥粉末、錠剤、カプセル、シロップなどの液体製剤、または ソフトトローチの形状で、毎日経口投与する。
Bimunoとして公知の製品は、乾燥物質の少なくとも49% をガラクトオリゴ糖混合物として含む。組成物の残部は、グルコース、ガラクトース、ラクトース、アカシアゴム、マルトデキストリン、およびクエン酸などの非活性成分を含んでいてもよい。
粉末組成物は、好ましくは1.65g〜20gの粉末化した組成物中に1.35g〜9.6gのガラクトオリゴ糖、好ましくは2.5g〜l0gの粉末中に1.96g〜4.9gのガラクトオリゴ糖、最も好ましくは3.0g〜5.5gの組成物中に2.7g〜2.75gのガラクトオリゴ糖を含む。組成物は、飲料、好ましくは温かい飲料に添加してもよく、または、例えば、朝食用シリアルなどの食品に振りかけてもよい。組成物は、果汁、果実飲料、水、コーヒー、ヨーグルト、シリアル、パン、ケーキ、およびビスケットなどの様々な飲食品の成分として添加してもよい。
あるいは 、ガラクトオリゴ糖は、シロップまたは トローチ(脱水シロップ)として提供されてもよく、非活性成分がグルコース、ガラクトース、ラクトース、およびクエン酸を含んでいてもよい。シロップの1日用量は、2.1g〜25.29gのシロップ組成物中に1.35g〜9.6gのガラクトオリゴ糖混合物、好ましくは3.0g〜12.9gのシロップ中に1.96g〜4.9gのガラクトオリゴ糖、最も好ましくは4.1g〜7.25gのシロップ中に2.7g〜2.75gのガラクトオリゴ糖を含んでいてもよい。
本発明のガラクトオリゴ糖組成物は、不安緩解作用を有し、視床下部脳下垂体軸の活性(ストレスホルモン分泌)を低減させ、脳における炎症性反応を低減させる。したがって、Bimuno GOSは、不安障害(例えば心配、不眠症)、うつ病性障害、細菌性髄膜炎による脳炎、単純ヘルペス脳炎、または アルツハイマー病に生じる脳炎の治療または 予防に有益である可能性がある。Bimuno GOSはまた、老化、認知症、および統合失調症における認知障害を改善する可能性もある。さらに、GOS組成物は、発生中の胎児脳への母体感染の有害な影響に利点がある可能性がある。
以下の実施例および図面を参照して、本発明をさらに説明する。
ラットの前頭皮質および 海馬の抽出物におけるBDNFタンパク質レベルに対する、FOSおよび GOSの効果を示す。 ラットの前頭皮質および 海馬におけるNRIサブユニットレベルに対する、FOSおよび GOSの効果を示す。タンパク質抽出物におけるNRIおよびβ−アクチンの免疫活性のウェスタンブロット画像を示す。 Aは、ラットの前頭皮質および 海馬におけるNR2Aサブユニットレベルに対するFOSおよび GOSの効果を示す。NR2Aサブユニットおよびβ−アクチンの免疫活性のウェスタンブロット画像を示す。 Bは、ラットの前頭皮質および 海馬におけるNR2Bサブユニットレベルに対するFOSおよび GOSの効果を示す。NR2Bおよびβ−アクチンの免疫活性のウェスタンブロット画像を示す。 〜Fは、水(A、B)、FOS(C、D)、またはGOS(E、F)を経口投与した後のラット海馬における、BDNF(A、C、E)およびNRIサブユニット(B、D、F)のmRNA発現の代表的なオートラジオグラフである。矢印は発現増加を示し、矢頭は発現減少を示す。DG=歯状回、CA1およびCA3=海馬のアンモン角亜領域。スケールバー=200μΜ。 A〜Dは、海馬の歯状回(DG)および 海馬のCA1および CA3(アンモン角)亜領域における、BDNF、NR1、NR2A、および NR2BのmRNAレベルに対するFOSおよび GOSの効果を示す。 FOS(A群)、GOS(C群)、およびプラセボ(B群)の摂取後の成人健常者におけるコルチゾール分泌に対する効果を示す。 リポ多糖(LPS)注射後の、水給餌マウスにおける自発運動活性に対する効果を示す。 GOSが、自発運動活性に対するLPS効果をどのように消失させたかを示す。 LPS処理後のマウスにおいて、ガラス玉覆い隠し試験(marble burying test)で示される、自然な穴掘り行動および覆い隠し行動に対する効果を示す。 LPS処理後のマウスにおける不安行動に対する効果を示す。(A)待機時間=暗所(ストレスがそれほど多くない)から明所(ストレスがより多い)に移動するのに要した時間。待機時間が長い=よりストレスが多い/探策行動の低下。(B)明所にいた時間=明所で費やされた時間。時間が長い=それほど不安でない。 LPS注射後24時間のマウスの前頭皮質におけるサイトカインレベルに対する効果を示す。 LPS注射後24時間のマウスの血漿におけるサイトカインレベルに対する効果を示す。 健康なラットにおける認知機能に対するBGOSの効果を示す。
実施例1
最終生成物5.5g当たりに、以下を含有する、「スティック包装」で包装された凍結乾燥粉末組成物。
ガラクトオリゴ糖(GOS)混合物 2.75g
ラクトース 1.40g
単糖(グルコース、ガラクトース) 0.64g
乾燥助剤 0.24g
灰分 0.23g
水分 0.19g
タンパク質 0.05g
実施例2
最終生成物7.25g当たりに、以下を含むシロップ組成物。
ガラクトオリゴ糖(GOS)混合物 2.75g
ラクトース 0.58g
単糖(グルコース、ガラクトース) 1.69g
灰分 0.23g
水分 1.95g
タンパク質 0.05g
実施例3
脳由来神経栄養因子(BDNF)および N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体サブユニットに対するプレバイオティクス給餌効果のin vivo研究
材料および 方法
プレバイオティクス投与
ラット実験はすべて、英国内務省ガイドラインに従って、承認済みライセンスの下で実施した。雄のSprague Dawleyラット(225〜250g)に、5週間(n=8/群)、水、FOS(フルクトオリゴ糖)(4g/kg)、もしくはGOS(ガラクトオリゴ糖[Bimuno])(4g/kg)のいずれかを毎日経口投与(経管栄養)した。この用法は、従来の研究(Anthonyら;Food Chem Toxicol.;44(6);819−26(2006))、およびこれらのプレバイオティクスの最適用量が最大の細菌叢成長(図示せず)をもたらすことを示す試験的データに基づいた。最終経管栄養の24時間後、動物をすべて屠殺し、体幹部血液を採取し、脳を取り出した。血液を遠心分離して血漿を得、摘出した脳の半分から前頭皮質および海馬を切り出した。脳全体および単離した領域を、ドライアイス上のイソペンタン中で急速凍結し、使用の前に−80℃で血漿とともに保存した。
BDNF分析
全ての群から得た皮質組織および海馬組織を、プロテアーゼ阻害剤(「Complete−Mini」、Roche社)を含有するRIPA(ラジオ免疫沈降アッセイ)緩衝液(1:10 w/v、英国、Sigma Aldrich社)中でホモジナイズした。タンパク質濃度を、ブラッドフォード試薬(英国、Sigma社)を使用して決定した。タンパク質抽出物試料を、脱イオン水で1:5 v/vに希釈した後、市販のBDNF ELISAキット(BDNF Emax immunoassay system、英国、Promega社)を用いてこれらを分析した。
ウェスタンブロット法
プレバイオティクス群および 対照 群から得た皮質、海馬、または小脳の同濃度のタンパク質抽出物(20μg)を、ローディングバッファー(50mMの1,4−ジオチトレイトールおよび 0.025% ブロモフェノールブルー)と混合し、分子量マーカー(英国、バッキンガムシャー州、GE Healthcare社)を用いて、7.5% プレキャストSDS/ポリアクリルアミドゲル(英国、Biorad社)で電気泳動によって分画し、フッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブレン(Immobilon−P、英国、ウォトフォード、Millipore社)に転写した。
メンブレンを、0.1% のTweenを含むPBS(リン酸緩衝生理食塩水)(PBST)中の5% (w/v)スキムミルクを用いて45分間ブロッキングし、次いで、3種のNMDARサブユニット、すなわちNR1(AB9864、英国、Millipore社)、NR2A(AB1555、英国、Millipore社)、および NR2B(AB15362、英国、Millipore社)のうちのいずれか、ならびに b−アクチン(英国、Sigma Aldrich社、1:50,000に希釈)に対する一次抗体(1:1000に希釈)を含むインキュベーション緩衝液(2% [w/v]ミルクを含むPBST)中で、室温で1時間インキュベートした。次いで、メンブレンを、PBST中で10分間、3回洗浄し、ブロッキング緩衝液中のHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)結合二次抗体中で30分間インキュベートした。免疫反応性のバンドは、ECL−Plusキット(英国、バッキンガムシャー州、GE Healthcare社)を使用し、X線フィルム(Kodak BioMax AR film)にメンブレンを並置して化学発光により可視化した。抗体はすべて、予想分子量の単一バンドを生成した。AlphaImager 3400を使用して、バンドの光学密度(OD)を測定し、データは、リン酸化したNMDARサブユニット:全NMDARサブユニット、または全NMDARサブユニット:b−アクチンのOD比率として示した。
In situハイブリダイゼーション組織化学(ISHH)
凍結したラット脳半球を、クリオスタット上で冠状に薄切し(14μm)、スーパーフロストプラススライド(Fisher Scientific社)に載せて解凍して、−80℃で保存した。(Burnetら;Mol.Cell.Neurosci.;46;167−75;(2011))に記載されているように、前頭皮質を含む切片を前処理した。
BDNF(883〜927塩基、NM001270630.1)、NR1(746〜780塩基、NM008169.1)、NR2A(1642〜1676塩基、NM008170.2)、またはNR2B(1758−1792塩基、NM010350.2)に相補的な、商業的に合成された(英国、MWG社)オリゴデオキシリボヌクレオチドを、確立 されているISHH方法(Eastwoodら;J.Psychopharmacol.;21;635−644;(2007))で使用した。オリゴデオキシリボヌクレオチドプローブを、末端デオキシヌクレオチド転移酵素(英国、Promega社)を使用して、[35S]−dATPで3′末端標識した。プローブを、ハイブリダイゼーション緩衝液で希釈し、組織切片上にピペッティングし(1×10cpm/切片)、カバーグラスをかけて、4×SSC(クエン酸ナトリウム食塩水)/50% ホルムアミドをしみ込ませた濾紙で内側を覆った蓋付きPerspexトレーで、34℃で16時間超インキュベートした。
ハイブリダイゼーション後の洗浄は、カバーグラスを除去するために室温にて2×SSCでリンス、0.5×SSCで、55℃、20分(3回)のリンス、および0.5×SSCで、室温、30分(2回)のリンスで行った。スライドをddHO中ですすぎ、乾燥し、14C−マイクロスケールと共に7日〜28日間、X線フィルム(Biomax MS、Kodak社)に並置した。前頭皮質灰白質の奥行き全体にわたる平均階調密度(average gray density)を、コンピューター支援画像分析を使用してmRNAのそれぞれについて測定し、14C−マイクロスケール標準を使用して組織1mgあたりのnCiに変換した。
HPLC分析
皮質組織(50mg)の小断片を、氷冷メタノール(l:10w/v)でそれぞれホモジナイズし、4℃で10分間、13200rpm で、微量遠心機で遠心した。(Grantら;J.Chromatogr.B Analyt.Technol.Biomed.Life Sci.;844;278−282(2006))に記載されるように、上澄み液(10μl)を、Hewlett−Packaed 1100液体クロマトグラフ(カルフォルニア州、パロアルト、Agilent Technologies社)に注入し、オンラインプレカラム誘導体化を行った。簡潔に説明すると、試料(10μl)を等量 の誘導体化試薬[メタノール0.2mlおよび 0.4Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH=9)0.8ml中のオルトフタルアルデヒド(2mg)および Boc−L−システイン(2mg)]を用いて、カラム分離の前に5分間反応させた。30℃で維持したAgilent Zorbax Eclipse XDB−C18カラム(4.6×150mm、5μm)および(Morikawaら;J.Chromatogr.B.Biomed.Sci.Appl.;757;119−25(2001))と同様の分離プロトコールを使用して分離を行った。移動相は、アセトニトリル(A相)および100mM酢酸ナトリウム緩衝液pH=6(B相)からなり、1.4ml/分でカラムを介してポンプで送流した。以下の勾配システムを使用した。(min/%B):0/91、35/84、65/84。誘導体化されたアミノ酸の検出は、蛍光検出(発光:443nm、励起344nm)で行った。Dアミノ酸およびLアミノ酸(英国、Sigma Aldrich社)の8点較正曲線を、信頼できる標準(0.5〜1000pmol)を使用して作図し、各場合において、相関係数>0.995により線形であることが分かった。
データ分析
データはすべて、平均±平均値の標準誤差(SEM)として示した。群間の統計比較は、一元配置分散分析(one−way ANOVA)で行った後、事後分析(TukeyのHSD法)で行った。
結果
対照 ラットおよび プレバイオティクスラットから得た糞塊中のビフィズス菌
FOS給餌ラットから得た糞塊中のビフィズス菌の数(log10/gとして示した)は、対照 より有意に大きく(9.354±0.055に対して9.498±0.025、p<0.05)、一方、GOS給餌動物から得たビフィズス菌の密度は、対照 ラット(9.354±0.055に対して9.624±0.05、p<0.01)及び FOS給餌ラット(9.498±0.025に対して9.624±0.05、p<0.05)のいずれよりも有意に大きかった。
ラット前頭皮質および 海馬におけるBDNFおよび NR1に対するプレバイオティクスの効果
前頭皮質抽出物におけるBDNFタンパク質のレベルは、群間で差がなかった(図1A)。しかし、FOS投与ラットの海馬抽出物におけるBDNFは、対照 動物およびGOS給餌動物より有意に高かった。ウェスタンブロットにより、GOS給餌ラットは、対照 動物およびFOS動物と比較して有意に高いレベルのNR1免疫活性を前頭皮質に含むことが明らかになった(図1B)。しかし、海馬の分析によって、FOSラットは他の群より有意に多くのNR1サブユニットを含むが、対照 と比較してGOS動物で傾向増加(p=0.055)が観察されたことが明らかになった。
ラット前頭皮質および 海馬におけるNR2Aおよび NR2Bサブユニットに対するプレバイオティクスの効果
ウェスタンブロットにおいて、GOS給餌動物から得た皮質抽出物ではなく、GOS給餌動物から得た海馬抽出物が、他の2つの群と比較して有意に大きなNR2A免疫活性を含んでいた(図2)。前頭皮質および海馬におけるNR2Bのレベルは、プレバイオティクス給餌による影響を受けなかった。
海馬におけるBDNF mRNAおよび NRサブユニットmRNAに対するプレバイオティクスの効果
プレバイオティクス投与により、海馬の歯状回においてBDNF mRNA(図3のA、C、E、および 図4のA)および NR1 mRNA(図3のB、D、F)の存在量が、対照 と比較して増加した。GOS給餌ラットのCA3亜領域におけるBDNF mRNAの減少も観察された(図3のC)。濃度測定によって、プレバイオティクスラットの歯状回において、有意に高いBDNF発現およびNR1発現が確認された(図4のA、B)。GOS投与により、対照 動物および FOS給餌動物と比較して、歯状回および CA1亜領域におけるNR2A mRNAが上昇したが(図4のC)、NR2B mRNAは上昇しなかった(図4のD)。
プレバイオティクス投与後の糞便、血漿、および 脳のアミノ酸濃度
この研究により、腸バクテリアの上昇が、腸管および 血行路中のD−アミノ酸量を上昇させることによって、中枢のDアラニンの濃度を増大するか否かを試験した。GOS給餌ラットの糞塊における遊離Dアラニンの濃度は、対照 動物およびFOS動物より有意に高く、FOS給餌によりこのD−アミノ酸の中間レベルとなった(表1)。プレバイオティクスもGOSも、単独で、D−セリンおよびグルタミン酸を含む他のアミノ酸を上昇させた。血漿では、D−アラニンのレベルは、対照 動物と比較して、GOS給餌ラットで有意に高く(表1)、また、有意ではないが(p=0.086)、FOS給餌ラットでわずかな増加が観察された。プレバイオティクス投与によって、他の血中アミノ酸濃度は変化しなかった(表1)。GOS給餌ラットは、前頭皮質におけるD−セリン濃度が、対照 と比較して有意に高かったが(表2)、皮質および海馬のいずれにおいても他のすべてのアミノ酸レベルはプレバイオティクス給餌後に変化しなかった。皮質のD−セリンレベルとNR1タンパク質レベルとの間に全体的な有意な相関があった(ピアソンのr=0.684、p=0.01)。個々の群分析により、この関連性がGOS給餌後にのみ有意であることが明らかになった(GOS:r=0.96、p=0.04、FOS:r=0.68、p=0.32、水:r=0.01、p=0.989)。
考察
本発明では、1)FOS給餌ラットの海馬BDNFレベルは、GOS給餌ラットおよび 対照 動物と比較して高かったが、BDNF mRNAは、FOS給餌ラットとGOS給餌ラットのいずれの歯状回でも増加したこと、2)GOS給餌ラットの前頭皮質、および プレバイオティクス給餌動物の海馬におけるNR1タンパク質の上昇、3)GOS給餌ラットの海馬において、他の群と比較してNR2Aタンパク質および それをコードするmRNAのレベルが高いことが観察された。上記の効果のパターンに基づくと、GOSの効果は、そのプレバイオティクス特性に基づくのではなく、むしろGOS混合物中の糖類の化学構造に関連していることが明らかである。
プレバイオティクスは、ラットの海馬BDNFを高める
FOS給餌ラットにおけるBDNFおよび それにコードされるタンパク質の発現上昇は、プロバイオティクスビフィズス菌の効果(Bercikら;Neurogastroenterol Motil.;23;1132−9(2011b);O’Sullivanら;Benef Microbes;2(3);199−207(2011))、および 抗菌剤を用いたこれらの種の選択的増殖(Bercikら;Gastroenterology;141;599−609(2011a))と一致している。したがって、FOS投与により、GOS給餌ラットと比較してビフィズス菌濃度の適度な全体的増加の範囲内で(結果を参照)、B.breve、B.longum 、および/または類似の向精神性菌株の定着が、増強された可能性がある。したがってこれらの観察を考慮すると、GOSが、海馬BDNFタンパク質のレベルを変化させなかったこと、さらに、FOSより大きく変化させなかったことは、驚きであった。本発明では、GOS給餌により、海馬の歯状回およびCA3領域のBDNF mRNAに相互変化(reciprocal change)がもたらされたことが実証された。歯状回のBDNF遺伝子発現の上昇は、抗うつ作用と関連している(Kerman(I.A.;Am.J.Psychiatry;169;1137−40(2012))。したがって、GOS投与後のBDNF mRNAの同様の上昇は、腸バクテリアの潜在的な抗うつ作用/不安緩解作用(Bercikら;2011a)と一致する。
GOS投与は、ラット皮質のNR1サブユニットを増加させる
対照 およびFOS動物と比較した、GOS給餌ラットにおけるNR1タンパク質の増加は、抗うつ薬、すなわち、セロトニン取込み阻害剤の一種であるフルオキセチンの効果と一致または類似している。最近の臨床試験により、遮断NMDARが抗うつ作用効果を有することが示唆されている(Autryら;Nature;475;91−5;(2011))。皮質のNR1サブユニットの増加には、ビフィズス菌が数倍増加する必要があり、これは、NR2AサブユニットおよびNR2Bサブユニットのレベルの変化を伴わずに起こるということが、データから明らかである。
全体として、ラットへのGOS投与は、FOSよりも、NMDARサブユニットに対して、より大きな効果があるように思われた。すなわち、GOSは、皮質および 海馬の両方におけるNR1のタンパク質および /またはmRNA、ならびに 海馬におけるNR2Aを上昇させたが、FOSは、海馬におけるNR1のみを上昇させた。
脳の健康との関連性
全体として、本発明の研究結果は、精神神経疾患および 老化における認知機能障害および 情緒障害の予防および /または治療に、ある程度関連性を有している。例えば、統合失調症に罹患している患者は、NMDARが複合的に関与している作動記憶を含む実行機能に治療抵抗性の障害を示す(Coyle.J.T.;Schizophr.Bull.;38;920−6;(2012))。したがって、GOSによるビフィズス菌および 乳酸菌の増大は、現代の薬理的治療および 心理的治療を支援する重要な補助的戦略である。さらに、NMDARのプレコンディショニングは神経保護の効果を有するため(Sorrianoら;J.Neurosci.;26;4509−18;(2006))、通常の老化における認知機能低下がGOSの「予防的な」摂取によって予防または妨害される可能性がある。
実施例4−ヒト試験
45人の健常ボランティアに、2種のプレバイオティクスのいずれか1種(フルクトオリゴ糖[FOS](A群)、または ガラクトオリゴ糖[GOS](C群))、または プラセボ(B群)(マルトデキストリン)を3週間投与した。覚醒状態の唾液のコルチゾールを処理の前後に採取した。処理の最終日に、参加者は、情緒的に突出した情報の処理を評価する、コンピューター化された作業課題バッテリーを終了した(情緒性試験バッテリー、ETB;Harmerら;Am.J.Psychiatry;161;1256−1263;(2004))。
覚醒状態の唾液のコルチゾール応答は、ベースライン時に群間で有意な差はなかったが、GOS処理後は、プラセボおよびFOSと比較して有意に低下した(反復測定分散分析における、処理群×採取日×採取時点間の有意な相互作用[F(8、164)=1.20、p=0.05])。行動データの分析により、プラセボ処理と比較して、GOS後、肯定情報と比べて否定情報に対する注意警戒の低下が明らかになった(群×情緒×遮蔽条件、[F(2、41)=3.14、p=0.05)。FOS処理群は、ドットプローブ課題においてプラセボ群と異ならなかった。ETBの残りの作業課題に対する、プレバイオティクス処理の有意な効果はなかった。
本発明の研究は、GOSの摂取が健常ボランティアにおけるコルチゾール分泌を低下させることを実証している。さらに、GOSは、注意警戒によって測定されるような否定的情報に対する肯定情報の処理過程を変化させることが示されており、注意警戒は、不安および抗不安薬による不安の調節において重要な役割を果たすと考えられている(例えば、Browningら;J.Psychopharmacol.;21;684−690;Murphyら;Int.J.Neuropsychopharmacol.;12;169−179;(2008))。
実施例5
マウスにおける、リポ多糖(LPS)誘発性疾病行動、病後不安、および サイトカインレベル変化に対するガラクトオリゴ糖混合物の効果
材料および 方法
動物、プレバイオティクス投与、および LPS注射
実験はすべて、英国内務省の動物(科学的処置)法(1986)に従って、内務省ガイドライン下で実施した。雄CD1マウス(25〜30g、6〜8週齢、英国、Harlan Orlac社)を、1ケージ(プレキシグラス(Plexiglas)ケージ 33×15×13cm(L×W×H))当たり3匹収容し、標準的な管理実験室条件下(12時間の明暗サイクル、午前7時点灯、21±1℃、湿度50±5% )で飼育した。動物施設に対する4〜5日の馴化後、マウスに標準的なマウス用固形飼料を不断給餌し、Bimunoとして市販されておりClasado社(英国)から入手可能な、ガラクトオリゴ糖の1.3% w/v混合物のプレバイオティクス溶液(以下、BGOSと称する)、または飲用水のみのいずれかを、3週間与えた(重量一致、偽似ランダム様式)。予備実験により、このBGOS用法が、マウス腸管のビフィズス菌および乳酸菌を最適に増加させることを確認した(英国、Clasado社)。群間の潜在的な交差混入を避けるために、2つの食餌群を互いに離して飼育した。3週間後、LPS注射および行動試験の24時間前に、全動物に飲料水のみを与えた。生理食塩水(0.9% )中のLPS(0.75mg/kg)、または生理食塩水のみの単回投与を、行動試験の4時間前に腹腔内注射によってマウスに投与した。したがって、4つの群(1群あたり15匹のマウス、1処理当たり5つの異なるケージ)を試験した。すなわち、1)水給餌/生理食塩水注射、2)水給餌/LPS注射、3)BGOS給餌/生理食塩水注射、および4)BGOS給餌/LPS注射である。この実験を繰り返して、1試験群当たり合計30匹のマウスを分析した。
自発運動活性(LMA)
自発運動活性は、LPS処理によって低下する(Skellyら;(2013)PLOS One8:e69123)ため、疾病行動の判断基準として使用される。LPS注射または生理食塩水注射の4時間後、この試験を行った。(呼吸用に空気穴を開けた)透明なプレキシグラスで蓋をし、おがくずの床敷を薄く敷いた透明なプレキシグラスボックス(48×27×21cm(L×W×H)、Photo Beam Activity Hardware and Software、Open Field San Diego Instrum ents社)を準備した。ボックスの照明は、約60ルクスであった。各動物をボックスの角にそっと置き、2時間、自由に活動領域を探索させた。自発運動活性を、ボックス全域でフォトビームを使用して記録し、動物による経時的なビーム中断数として示した。実験者が試験終了時に糞塊の数を計数し、動物をホームケージに戻して次の行動試験の前に休ませた。
ガラス玉の覆い隠し(marble burying)
この試験は、ストレスの多い状況で物体を覆い隠そうとするマウスの本能行動に基づいた、抗不安薬および 抗うつ薬のスクリーニング、ならびに 不安および 強迫行動の評価に使用される(Deacon R.M.;Nat.Protoc;(2006);1(1);122−124、Nicolasら;Eur.J.Pharmacol.;(2006);547;106−115)。LPS処理、および関連するLPS誘発性疾病行動により、マウスによって覆い隠されるガラス玉の数の減少が引き起こされる(Njung’e&Handley;Pharmacol.Biochem.Behav.;(1991);38(1);63−67)。ガラス玉の覆い隠しは、LPS/生理食塩水注射の7時間後に行われた。20個のガラス玉を、透明プラスティックケージ(44×28×12cm、L×W×H)の中の5cm厚のおがくずの床敷の上に、各列4個で5列に、互いに2cmずつ離し、ケージの縁から2cm離して配置した。試験は、通常の室内照明下(床上1mで約100ルクス)、既述の方法(Jacobson,L.ら;Pharmacol.Biochem.Behav.;(2007);15(4);619−626)で、(Deacon,R.,2006)の推奨を使用して行った。各動物を、30分間、ガラス玉を備えたケージにそっと置き、その後、その表面の少なくとも2/3が覆い隠されたガラス玉の数を計数した。
明暗箱
この試験も、不安行動を評価するために使用され、新奇性に対する誘惑と明るく開放的な活動領域に対する恐怖とに直面した葛藤状態のマウスに基づいている(Bourin,M.およびHascoet,M.;Eur.J.Pharmacol.(2003);463(1−3);55−65;O’Leary,T.P.ら;J.Neuroscience Methods;(2012);203;315−324.doi:S0165−0270(11)00594−21)。不安が低いマウスは、恐ろしい場所、すなわち、明所でより多くの時間を過ごし、不安が高いマウスは、安全な暗所でより多くの時間を過ごす。LPS処理により、この試験で不安行動が増加することが示された(Bassiら;Basic Clin.Pharmacol.Toxicol.;(2012);110(4);359−369)。LPS/生理食塩水注射の24時間後、この試験を行った。
2つの彩色した木製のコンパートメント、すなわち小さな黒いコンパートメント(21×16×16cm(L×W×H)、3×2.7cm(W×H)の明所にアクセスするための小さな開口部を有する)、およびより大きな明るいコンパートメント(46.5×21×21cm(L×W×H))を準備した。試験は、箱の明るいコンパートメントの内側が50ルクスのわずかな薄明りの下、既述のように(Strekalova T.ら;Neuropsychopharmacology;(2004);29;2007−2017)行った。各動物を明暗箱の暗所にそっと置き、5分間、箱全体を自由に探索させた。暗所を出るまでの待機時間、暗所と明所との間の移動回数、および明所滞在時間を測定した。いずれかのコンパートメントに入ったと判断する基準は、4本の足が入った状態とした。手順の終了時、マウスを、同一ケージ飼育マウスと一緒にホームケージに戻した。各動物間の匂いの合図(odour cue)を明らかなアルコール臭を生ずることなく除去するために、10% アルコールをわずかにしみ込ませたティッシュで箱を掃除した。部屋にはバックグラウンドノイズはなく、実験者は、試験中のスコアリングのために在室していた。動物が明所に入るまでの待機時間が長く、コンパートメント間の移動回数が少なく、明所にいる時間が短い場合は、動物はより不安を感じているため、LPS注射による影響を受けたと見なされた。
組織採取
行動試験の3時間後、12時〜午後1時の間に動物を屠殺した。脳全体を直ちに摘出し、ドライアイス上の冷イソペンタン(英国、Sigma−Aldrich社)で急速凍結した後、次の分子分析まで−80℃で保存した。体幹部の血液は、カリウムEDTA(エチレンジアミン四酢酸)試験管中に回収し、5000rpm で15分間遠心した。血漿を単離し、次のコルチコステロン分析のために−80℃で保存した。研究の全体にわたって、糞塊を、各ケージからPBS(リン酸緩衝生理食塩水)中の70% グリセロールに回収し、次の細菌計数のために−20℃で保存した。
データ分析
データを、SPSSソフトウェア(バージョン19)を使用して分析した。データの正規性は、Kolmogorov−Smirnov検定を用いて試験した。自発運動活性を、二元配置分散分析を用いて評価し、他のすべてのデータを、一元配置分散分析(またはノンパラメトリックデータに対してKruskal−Wallis検定)を用いて評価し、その後、Tukeyの事後検定を実施した。すべてのデータは平均±平均値の標準誤差(SEM)として示され、統計的有意性の閾値をp<0.05とした。
結果
即時型LPS誘発性疾病行動に対するBGOSの効果:自発運動活性およびガラス玉覆い隠し
生理食塩水と比較して、水給餌動物は、LPS注射後の自発運動活性の低下を示した(図6A、時間効果、F(5、260)=142.12、p<0.0001;LPS注射の効果、F(1、52)=3.61、p=0.063;時間×LPS注射の交互作用 F(5,260)=5.12、p<0.001)。事後検定により、水−LPS動物が移動した距離は、30分および40分の時点で、生理食塩水動物と比べて有意に短い(いずれもp<0.05)ことが明らかになった。BGOSは、依然として時間の効果があったが(F(5、260)=113.01、p<0.0001)、LPS注射の効果がなく(F(1、52)=1.12、p=0.3)、時間×LPS注射の交互作用の効果もなかった(F(5、260)=0.12、p=0.99)ので、自発運動活性に対するLPSの効果を消失させた(図6B)。水生理食塩水群と比較して、BGOSは、生理食塩水動物における自発運動活性に差異をもたらさなかった。
ガラス玉覆い隠し試験(図7)では、LPSはマウスの行動に有意な効果を有していたが(H(df=3)=13.79、p<0.01)、LPSが投与された、水処理動物(p<0.05)およびBGOS処理動物(p<0.05)のいずれも、生理食塩水給餌動物と比較して覆い隠されたガラス玉が少なかったので、この効果はBGOSでは消失しなかった。水生理食塩水群と比較して、BGOSは、生理食塩水動物における覆い隠されたガラス玉数に差異をもたらさなかった。
遅延型LPS誘発性不安行動に対するBGOSの効果:明暗箱
LPSは、水給餌動物の不安行動を増加させた(図8)。この効果は、明所に入るまでの待機時間(図8のA、H(df=3)=12.17、p<0.01)および明所にいた時間(図8のB、F(3、106)=4.71、p<0.01)によって評価されるように、BGOSにより消失した。実際に、事後検定によって、水−LPS動物は、生理食塩水動物(p<0.01)だけではなく、生理食塩水−LPS動物およびBGOS−LPS動物のいずれ(いずれもp<0.05)よりも有意に2倍高い、待機時間を示すことが明らかになった。水−LPS動物はまた、他のすべての群より、有意に短い明所滞在時間を示した(p<0.05 すべての群に対する水−LPS)。しかし、暗所と明所との間の移動回数には、群間で統計的な差異はなかった(図3のC、F(3、110)=1.7、p=0.17)。BGOS単独では、水−生理食塩水動物と比較して、いずれのパラメータにおいても、対照 マウス(すなわち、生理食塩水を投与されたマウス)に差異をもたらさなかった。
LPSの24時間後の免疫パラメータに対するBGOSの効果:前頭皮質および 血漿のサイトカインレベル
前頭皮質において、LPSは、IL−10に関してではなく、TNF−α、IL−1β、および IL−6に関して、水動物における変化を引き起こして、BGOS動物には変化を引き起こさなかった(図9)。事後検定によって、水LPS動物は、他のすべての群と比べて高いTNF−α(p<0.05)、高いIL−1β(水生理食塩水に対して、および BGOS生理食塩水に対してp<0.01、BGOS LPSに対してp<0.05)、および 高いIL−6(水生理食塩水に対してp<0.05)を呈することが示された。したがって、生理食塩水注射またはLPS注射のいずれかを受けたBGOS給餌動物に対するサイトカインレベルはいずれも、対照 の水生理食塩水動物のサイトカインレベルと類似していた。
血漿では、LPSは、TNF−αに関して、水動物における有意な変化を引き起こしたが、BGOS動物には有意な変化を引き起こさなかった(図10)。しかし、IL−6および IL−10、ならびに IL−1βに関しては、群間で全体的な統計的差異はなかったが、これらに関しては、LPSは、生理食塩水と比較して、水動物において有意でない2倍の増加を引き起こした。
考察
本研究は、マウスのLPS誘発性疾病行動、不安、およびサイトカイン発現に対するプレバイオティクス(BGOS)摂取の影響を試験し、BGOS(Bimuno)が免疫系を介して脳機能に影響を与えるという仮定に基づいたものであった。本発明の2つの重要な研究結果は以下の通りである。すなわち、1)BGOS給餌マウスは、対照 と比較して、LPS単回投与後の自発運動活性(LMA)障害および 不安を示さず、2)血漿における炎症促進性メディエーター(顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF);ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド2(CCL2);IFNγ、ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド9(MIG)によって誘導されるモノカイン)、および 脳における炎症促進性メディエーター(TNFa)のLPS誘導性の発現は、BGOSの摂取によって抑制された。全体として、本発明のデータは、BGOS(Bimuno)が脳の健康維持に重要な役割を果たしており、免疫負荷に対する応答の修飾がこの作用を補強する可能性があるという現在の考えを支持している。
実施例6
健康なラットの認知機能に対するBGOSの効果
材料および方法
正常なSprague Dawleyラットに、3週間、水、またはBGOSの1.3% w/v混合物であるプレバイオティクス溶液を投与し、次いで、標準プロトコールを使用して、注意セット移行課題(attentional set−shifting task)(ASST)(Bissonette,G.B.ら;Behavioural Brain Research;(2013);250;91−101参照)について試験した。
結果
図11は、3週間、BGOS投与ラットが、柔軟学習(flexible learning)の判断基準であるASSTの次元外(ED)要素において能力の改善を示したことを示す。次元内移行相(ID/ED移行)と同じくらい簡単にED要素を遂行することは、高齢者において障害されるパラメータである認知の柔軟性の向上を示唆する。図11では、対照 IDと比較して#p<0.05、および対照 EDと比較してp<0.05である。
結論
BGOS投与ラットは、精神障害および老化において障害されることが多い内側前頭前野に依存する作業課題における認知機能の改善を示す。

Claims (9)

  1. 精神神経疾患における情緒障害の予防または治療に使用するための、二糖であるGal(β1−3)−Glc、Gal(β1−3)−Gal、Gal(β1−6)−Gal、Gal(α1−6)−Gal、三糖であるGal(β1−6)−Gal(β1−4)−Glc、Gal(β1−3)−Gal(β1−4)−Glc、四糖であるGal(β1−6)−Gal(β1−6)−Gal(β1−4)−Glc、および五糖であるGal(β1−6)−Gal(β1−6)−Gal(β1−6)−Gal(β1−4)−Glcを含む、ガラクトオリゴ糖組成物。
  2. 前記精神神経疾患が、うつ病性障害または不安障害である、請求項1に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
  3. 粉末、錠剤、カプセル、液体製剤、シロップ、またはソフトトローチの形状である、請求項1または請求項2に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
  4. 前記ガラクトオリゴ糖組成物が粉末形状であり、1.65g〜20gの前記粉末組成物中に1.35〜9.6gのガラクトオリゴ糖を含む、請求項3に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
  5. 前記ガラクトオリゴ糖組成物がシロップ形状であり、2.1g〜25.29gの前記シロップ組成物中に1.35g〜9.6gのガラクトオリゴ糖を含む、請求項3に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
  6. 一日一回、毎日経口投与される、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
  7. 有効量で4時間〜12時間空けて2回に分けて、毎日経口投与される、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
  8. コルチゾール分泌の低下に使用される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
  9. 前記不安障害が不眠症及び心配を含む、請求項2に記載のガラクトオリゴ糖組成物。
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