JP6307538B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
図1を用いて燃料電池システム12(FCシステム12ともいう)の構成に関して説明する。本実施形態に係るFCシステム12の基本的な装置構成としては、既知のものを使用可能である。例えば、特開2016−12480号公報で示される構成を使用可能である。本明細書では、発明の特徴と関係する構成を中心に説明し、既知の構成については説明(及び図示)を省略するか、又は、簡単な説明(及び図示)に留める。なお、本実施形態では、FCシステム12を搭載する燃料電池車両10(単に車両10ともいう)を想定している。
水素供給システム16は、水素供給流路16Sを介してFC14に対して水素ガスを供給すると共に、ガス排出流路16Dを介してFC14で発生するアノードオフガスを排出する。水素供給流路16S及びガス排出流路16Dはアノード流路34に連通する。
エア供給システム18は、エア供給流路18Sを介してFC14に対してエアを供給すると共に、ガス排出流路18Dを介してFC14で発生するカソードオフガスを排出する。エア供給流路18Sとしては、上流側(吸入口側)から順に配管40a、エアポンプ42、配管40b、加湿器44、配管40cが設けられる。下流側の配管40cはFC14のカソード流路36に連通する。ガス排出流路18Dとしては、上流側(FC14側)から順に配管46a、加湿器44、配管46b、背圧弁48、配管46cが設けられる。上流側の配管46aはFC14のカソード流路36に連通する。エア供給流路18Sの配管40bと配管40cは、加湿器44をバイパスする配管56で接続される。配管56には弁58が設けられる。配管46bには圧力センサ64が設けられる。配管40bには流量センサ66が設けられる。
冷却システム20は、冷媒供給流路20Sを介してFC14に対して冷媒を供給すると共に、冷媒排出流路20Dを介してFC14から冷媒を回収する。冷媒は冷却システム20とFC14の間で循環しており、FC14で吸熱し、冷却システム20で放熱する。
図2を用いて電力システム22に関して説明する。FC14は、FCコンタクタ70と昇圧コンバータ72(FCVCU(Voltage Control Unit)72ともいう)とインバータ74(MOTPDU(Power Drive Unit)74ともいう)を介して、トラクションモータ76(TRC76ともいう)に接続される。また、高電圧バッテリ78(BAT78ともいう)は、BATコンタクタ80と昇降圧コンバータ82(BATVCU82ともいう)を介して、TRC76に接続される。FCVCU72とBATVCU82は、TRC76に対して2次側2Sで並列に接続される。BATVCU82の1次側1Sbには各種の高電圧補機、例えばエアポンプ42とエアコンディショナ84(A/C84ともいう)とヒータ86と降圧コンバータ88(DC/DC88ともいう)が並列に接続される。
図1、図2を用いてECU24に関して説明する。ECU24は、エネルギーマネージメントECU100(EMECU100ともいう)とFCECU102を備える。各ECU100、102は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU、ROM(EEPROMも含む)、RAM、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、計時部としてのタイマ等を有する。各ECU100、102は、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、例えば、制御部、演算部、及び、処理部等として機能する。各ECU100、102は、1つのECUのみから構成されてもよく、複数のECUから構成されてもよい。
ここで、EMECU100で行われるエネルギーマネージメント(EM)について、本実施形態に関係する背景技術を下記[2.1]〜[2.3]で説明し、本実施形態の特徴を下記[2.4]で説明する。
FCシステム12を搭載する車両10では、ごく短い時間間隔でFC14に要求される発電量(目標電力)が演算される。この際に次の演算が行われる。すなわち、その時点のエアポンプ42の流量と圧力比(エアポンプ42の吸入側圧力と吐出側圧力の比)を実現するために、エアポンプ42に必要とされる電力が演算される。この電力を「電力推定値」という。電力推定値は、例えば流量及び圧力比を入力とする電力算出マップから求められる。図3Aで示すように、一般に車両10の加速時には、各瞬間で演算される電力推定値(点線)よりも、実際に消費される実消費電力(実線)の方が大きくなる。また、図3Bで示すように、一般に車両10の減速時には、各瞬間に演算される電力推定値(点線)よりも、実際に消費される実消費電力(実線)の方が小さくなる。本明細書では、実消費電力と電力推定値との差(=実消費電力−電力推定値)を「ΔAP」という。
図4で示すように、BAT78には充電上限値ULと放電下限値LLとで画定される充放電制限範囲130がある。充電上限値ULを超えて充電されると過充電となり、放電下限値LLを超えて放電されると過放電となる。充電上限値ULと放電下限値LLを超える範囲でのバッテリの使用は禁止されており、BAT78は充放電制限範囲130内で充放電するように使用される。当然ではあるが、SOCが大きいほど、充放電制限範囲130のうち放電できる電力幅が大きくなり、SOCが小さいほど、充放電制限範囲130のうち充電できる電力幅が大きくなる。
図5を用いて、車両10の加速走行時又は定常走行時の電力配分について説明する。図5は、BAT78のSOCが50%程度、すなわちBAT78の充電可能量と放電可能量が同程度である場合の電力配分例を示す。FCシステム12を搭載する車両10では、FC14に要求される発電量(目標電力)が演算される。大きくは次のような処理が行われる。
本実施形態によれば、EM制御範囲136を広くすることができる。すなわち、本実施形態は、FC14の出力目標値に基づいてバッファ132、134の量(大きさ又は幅ともいう)を制御する。具体的には、FC14の出力目標値及びその変化量に基づいてバッファ132、134の量を制御する。図6A、図6B、図7を用いて一例を説明する。図6AはFC14の出力、ここではFC14が発電する電力Pfcと、エアポンプ42の消費電力Papの時間変化を示す。図6Bは図6Aで示す電力Pfcの時間当たりの変化量ΔPfc/Δtを示す。図7は図6Aで示す加速走行時(状態1)、定常走行時(状態2)、減速走行時(状態3)に設定されるバッファ132、132´、134、134´を示す。
図8で示すフローチャートを用いつつ、適宜図1、図2を参照してFCシステム12で行われる処理を説明する。
FCシステム12は、水素ガス(燃料ガス)及びエア(酸化剤ガス)を用いて発電する燃料電池14と、充放電制限範囲130内で充放電するBAT78(蓄電装置)と、燃料電池14及びBAT78から供給される電力を消費すると共にBAT78に電力を供給するTRC76等の負荷及び補機と、補機に含まれ燃料電池14にエアを供給するエアポンプ42と、エアポンプ42を制御しつつ燃料電池14の発電及びBAT78の充放電を制御するECU24(制御装置)と、を備える。ECU24は、燃料電池14の電流指令値Ifccom(出力目標値)を演算してエアポンプ42を制御する。また、BAT78の充放電制限範囲130の充電上限値UL、放電下限値LLにバッファ132、134を設定する。また、バッファ132、134分の電力をエアポンプ42の使用分として割り当て、バッファ132、134分以外の電力をエアポンプ42以外の使用分として割り当てて、BAT78の充放電を制御する。そして、ECU24は、電流指令値Ifccomに基づいてバッファ132、132´、134、134´の量を制御する。
12…FCシステム(燃料電池システム)
14…燃料電池(FC) 18…エア供給システム
22…電力システム 24…ECU
42…エアポンプ 76…トラクションモータ(TRC)
78…高電圧バッテリ(BAT)
100…エネルギーマネージメントECU(EMECU)
102…FCECU 110…バッファ制御部
114…電力システム制御部 130…充放電制限範囲(電力範囲)
132、132´、134、134´…バッファ
Claims (5)
- 燃料ガス及び酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池と、
充放電可能な電力範囲内で充放電する蓄電装置と、
前記燃料電池及び前記蓄電装置から供給される電力を消費すると共に前記蓄電装置に電力を供給する負荷と、
前記燃料電池及び前記蓄電装置から供給される電力を消費する補機と、
前記補機に含まれ前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給するポンプと、
前記ポンプを制御しつつ前記燃料電池の発電及び前記蓄電装置の充放電を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記燃料電池の出力目標値を演算して前記ポンプを制御すると共に、
前記蓄電装置の前記電力範囲の上下限値にバッファを設定し、前記バッファ分の電力を前記ポンプの使用分として割り当て、前記バッファ分以外の電力を前記ポンプ以外の使用分として割り当てて、前記蓄電装置の充放電を制御する燃料電池システムであって、
前記制御装置は、前記出力目標値に基づいて前記電力範囲の上限値の前記バッファの量と前記電力範囲の下限値の前記バッファの量を個別に制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、更に前記出力目標値の変化量に基づいて前記バッファの量を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、前記出力目標値の変化量が略一定である場合に、前記出力目標値が大きいほど、前記電力範囲の下限値側に設定される前記バッファを小さくする
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、前記出力目標値の変化量が略一定である場合に、前記出力目標値が小さいほど、前記電力範囲の上限値側に設定される前記バッファを小さくする
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記出力目標値は車両の走行状態と相関し、
前記制御装置は、前記出力目標値に基づいて、前記電力範囲の上限値の前記バッファ及び前記電力範囲の下限値の前記バッファのうち使用する一方の前記バッファを特定し、一方の前記バッファの量を現在の量よりも大きく設定するとともに、他方の前記バッファの量を現在の量よりも小さく設定する
ことを特徴とする燃料電池システム。
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Applications Claiming Priority (1)
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2016
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