JP2020178401A - 燃料電池車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池車両において、回生摩擦協調ブレーキの使用時に掃気処理する際にも制動力をより安定させる。【解決手段】燃料電池車両は、燃料電池と、ガス供給部と、摩擦ブレーキと、駆動モータと、蓄電装置と、掃気処理の実行を制御する制御部と、を備える。制御部は、摩擦制動力と回生制動力とによって燃料電池車両が制動中であるときに、車両発生電力が許容充電電力以下の場合には燃料電池の電圧の上限値を第1上限電圧に設定し、車両発生電力が許容充電電力を上回る場合には、上記上限値を第1上限電圧よりも高い第2上限電圧に設定し、滞留水の量の推定値が基準値以上となったときに、設定されている第1上限電圧または第2上限電圧を上限値として用いて掃気処理を実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池車両に関する。
特許文献1には、燃料電池が発電した電力や、回生ブレーキによる回生電力を蓄電可能な二次電池を搭載した燃料電池車両が記載されている。この燃料電池車両では、燃料電池内に残留する水分を、燃料電池外へ排出させるための掃気処理が行われる。
特開2016−096058号公報
本願の発明者らは、回生ブレーキと摩擦ブレーキとを併用して制動力を発生させる回生摩擦協調ブレーキが用いられる燃料電池車両において、制動中に掃気処理を実行すると、回生ブレーキの制動力が一時的に低減する場合があることを、新たに見出した。したがって、回生摩擦協調ブレーキの制動力を安定させることが望まれている。
本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の一形態によれば、燃料電池車両が提供される。この燃料電池車両は、燃料電池と、前記燃料電池に反応ガスを供給するガス供給部と、前記燃料電池車両を制動する摩擦ブレーキと、前記燃料電池車両を駆動する力行運転と、回生電力を発生して前記燃料電池車両を制動する回生運転と、を実行可能な駆動モータと、前記燃料電池が発電した電力と、回生運転時に前記駆動モータが発生した前記回生電力と、を蓄電可能な蓄電装置と、前記ガス供給部を駆動して、前記反応ガスを用いて前記燃料電池の内部に滞留する滞留水を前記燃料電池の外部に排出させる掃気処理の実行を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記摩擦ブレーキによる摩擦制動力と前記回生運転によって生じる回生制動力とによって前記燃料電池車両が制動中であるときに、前記燃料電池の内部に滞留する前記滞留水の量の推定値が、予め定められた基準値以上となったときに、前記掃気処理を実行し、前記掃気処理を実行する際には、前記掃気処理の実行時に前記燃料電池が発電する掃気時発電電力を含み前記燃料電池車両で発生すると予測される車両発生電力が、前記蓄電装置を充電する電力の上限として定められた許容充電電力以下の場合には、前記燃料電池の電圧の上限値を、予め定められた第1上限電圧に設定し、前記車両発生電力が前記許容充電電力を上回る場合には、前記燃料電池の電圧の上限値を、前記第1上限電圧よりも高い値である第2上限電圧に設定する。
この形態の燃料電池車両によれば、車両発生電力が許容充電電力以下の場合には、掃気処理時の燃料電池の電圧上限値を予め定められた第1上限電圧に設定し、車両発生電力が許容充電電力を上回る場合には、上記電圧上限値を第1上限電圧よりも高い値である第2上限電圧に設定する。そのため、掃気処理を実行しても、回生摩擦協調ブレーキの制動力を、より安定させることができる。
本発明は、燃料電池車両以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池車両の制御方法、燃料電池車両に搭載された燃料電池の掃気方法等の形態で実現することができる。
燃料電池車両の概略構成を示す説明図。 回生摩擦協調制動力の変化の様子の一例を、模式的に示す説明図。 掃気処理を行なった場合の回生摩擦協調制動力の変化の例を示す説明図。 燃料電池のIV特性と供給空気量との関係を模式的に表わす説明図。 掃気時電圧上限値設定制御処理ルーチンを表わすフローチャート。 掃気時発電効率αを求めるために用いるマップの一例を示す説明図。 掃気処理時の電圧の上限値とWin−Wcとの関係の例を示す説明図。 制動時掃気制御処理ルーチンを表わすフローチャート。 掃気処理を実行する際の燃料電池車両の状態を説明するための図。
A.第1実施形態:
(A−1)車両の全体構成:
図1は、第1実施形態における燃料電池車両20の概略構成を示す説明図である。燃料電池車両20は、燃料電池100と蓄電装置421とを含む燃料電池システム30と、駆動モータ40と、摩擦ブレーキ50と、ブレーキペダル80と、アクセルペダル85と、制御部500と、を備えている。燃料電池車両20は、アクセルペダル85の操作に応じて駆動され、ブレーキペダル80の操作に応じて制動される。本実施形態の駆動モータ40は、燃料電池車両20を駆動する力行運転を実行する力行モードと、回生電力を発生して燃料電池車両20を制動する回生運転を実行する回生モードと、において動作可能である。力行モード時の駆動モータ40は、燃料電池システム30から電力の供給を受けて、前輪FWと後輪RWとの少なくとも一方を回転させることによって燃料電池車両20を駆動する。回生モード時の駆動モータ40は、燃料電池車両20の運動エネルギを電力に変換することによって燃料電池車両20を制動する。回生モード時の駆動モータ40による制動のことを、回生ブレーキとも呼ぶ。本実施形態の燃料電池車両20は、回生ブレーキと摩擦ブレーキ50とを併用して制動力を発生させる回生摩擦協調ブレーキによって制動することができる。摩擦ブレーキによる制動力のことを摩擦制動力と呼び、回生ブレーキによる制動力のことを回生制動力と呼び、これらを合わせた回生摩擦協調ブレーキによる制動力のことを回生摩擦協調制動力と呼ぶ。
本実施形態の燃料電池システム30は、燃料電池100と、水素給排系200と、空気給排系300と、電力供給系400とを備えている。本実施形態の燃料電池100は、固体高分子形の燃料電池であり、電気化学反応によって起電力を発生させる。燃料電池100の反応ガスには、燃料ガスとして水素ガスが用いられ、酸化ガスとして空気が用いられる。燃料電池100は、複数の単セルが積層したスタック構造を有し、それぞれの単セル同士は直列に接続されている。それぞれの単セルは、電解質膜の両面に電極触媒層を有する膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のセパレータとを備えている。アノード側における膜電極接合体とセパレータとの間には、水素ガスが流通可能なアノード流路が形成されている。カソード側における膜電極接合体とセパレータとの間には、空気が流通可能なカソード流路が形成されている。
水素給排系200は、水素供給部210と、水素循環部220と、水素排出部230とを備えている。水素供給部210は、水素タンク211と、水素供給流路212と、主止弁213と、減圧弁214と、インジェクタ215とを備えている。水素タンク211は、燃料電池100に供給するための水素ガスを高圧の状態で貯蔵している。水素供給流路212は、水素タンク211と燃料電池100のアノード流路とを接続する流路である。水素供給流路212には、上流側から順に、主止弁213と、減圧弁214と、レギュレータとが設けられている。主止弁213が開弁されることによって、水素タンク211に貯蔵された高圧の水素ガスが、水素供給流路212へと流れる。高圧の水素ガスは、減圧弁214によって減圧された後、燃料電池100の発電要求に応じてインジェクタ215から燃料電池100へと供給される。
水素循環部220は、水素循環流路221と、水素循環ポンプ222とを備えている。水素循環流路221は、燃料電池100のアノード流路と、水素供給流路212におけるインジェクタ215よりも下流側とを接続する流路である。水素循環ポンプ222は、水素循環流路221に設けられている。燃料電池100から排出されたアノードオフガスに含まれる未消費の水素ガスは、循環ポンプによって、水素循環流路221と燃料電池100のアノード流路との間を循環される。尚、アノードオフガスには、未消費の水素ガスの他に、燃料電池100の発電に伴う生成水や窒素ガスが含まれており、水素循環流路221における燃料電池100と循環ポンプとの間に設けられた図示しない気液分離器によって、未消費の水素ガスおよび窒素ガスと、生成水とが分離される。
水素排出部230は、水素排出流路231と、排気排水弁232とを備えている。水素排出流路231は、水素循環流路221における燃料電池100と水素循環ポンプ222との間と、後述する空気排出流路321とを接続する流路である。排気排水弁232は、水素排出流路231に設けられており、排気排水弁232が開弁されることによって、アノードオフガスが、空気排出流路321を介して大気へと排出される。
空気給排系300は、空気供給部310と、空気排出部320とを備えている。本実施形態では、空気給排系300のことを「ガス供給部」とも呼ぶ。空気供給部310は、空気導入流路311と、エアフローメータ312と、エアコンプレッサ313と、分流弁314と、空気供給流路315と、空気バイパス流路316とを備えている。空気導入流路311は、大気に連通する流路であり、分流弁314によって空気供給流路315と空気バイパス流路316とに接続されている。空気導入流路311には、上流側から順に、エアフローメータ312と、エアコンプレッサ313と、分流弁314とが設けられている。エアフローメータ312は、空気導入流路311に導入された空気の流量を検出するセンサである。エアコンプレッサ313は、空気導入流路311へと空気を導入して、導入した空気を燃料電池100へと圧送するための圧縮機である。本実施形態のエアコンプレッサ313は、ターボコンプレッサである。エアコンプレッサ313は、ターボ式圧縮機に限られず、容積式圧縮機であってもよい。分流弁314は、空気供給流へと流れる空気の流量と、空気バイパス流路316へと流れる空気の流量とを、開度に応じて調節可能である。空気供給流路315は、分流弁314と燃料電池100のカソード流路とを接続する流路である。空気バイパス流路316は、分流弁314と後述する空気排出流路321とを接続する流路である。尚、空気バイパス流路316は、空気排出流路321に接続されずに、大気に連通してもよい。
空気排出部320は、空気排出流路321と、調圧弁322とを備えている。空気排出流路321は、燃料電池100のカソード流路に接続された、大気に連通する流路である。空気排出流路321には、調圧弁322が設けられている。調圧弁322の開度が調節されることによって、燃料電池100のカソード流路内の空気の圧力や、エアコンプレッサ313によって吐出される空気の流量が調節される。空気排出流路321における調圧弁322よりも下流側には、上流側から順に、上述した空気バイパス流路316と、水素排出流路231とが接続されている。燃料電池100から排出されたカソードオフガスは、空気バイパス流路316から流入した空気や、水素排出流路231から流入したアノードオフガスとともに、空気排出流路321を流れて、大気へと排出される。
燃料電池システム30は、図示しない冷媒循環系を備えている。冷媒循環系は、燃料電池100を冷却した冷媒が、冷媒を放熱させるラジエータを経由して、燃料電池100に循環するように構成されている。
電力供給系400は、昇圧コンバータ411と、インバータ412と、蓄電装置421と、昇降圧コンバータ422と、第1配線431と、第2配線432とを備えている。燃料電池100と、昇圧コンバータ411と、インバータ412とが第1配線431によってこの順に電気的に接続されている。蓄電装置421と、昇降圧コンバータ422と、第1配線431における昇圧コンバータ411とインバータ412との間とが第2配線432によってこの順に電気的に接続されている。燃料電池100によって発電された直流電力は、昇圧コンバータ411によって昇圧された後に、インバータ412によって三相交流電力に変換されて、駆動モータ40に供給される。蓄電装置421によって蓄電された直流電力は、昇降圧コンバータ422によって昇圧された後に、インバータ412によって三相交流電力に変換されて、駆動モータ40に供給される。昇降圧コンバータ422は、蓄電装置421に蓄電された電力を昇圧可能なだけでなく、燃料電池100によって発電された電力や、回生モード時の駆動モータ40によって発電された電力を降圧可能に構成されている。インバータ412は、直流電力から交流電力に変換可能に構成されているだけでなく、交流電力から直流電力に変換可能に構成されている。
蓄電装置421は、燃料電池100によって発電された電力と、回生モード時に駆動モータ40によって発電された電力とを蓄電可能である。燃料電池100によって発電された電力のことを発電電力と呼ぶ。回生モード時に駆動モータ40によって発電された電力のことを回生電力と呼ぶ。本実施形態の燃料電池車両20では、駆動モータ40からの負荷要求が無い回生モード時においても、燃料電池100は、微小な発電を行なう。回生モード時の微小発電については後述する。回生モード時には、通常は、上記微小発電による発電電力と回生電力とを合計した電力のうち、燃料電池車両20に搭載される各種補機等で消費される電力を減じた残余の電力が、蓄電装置421に蓄電される。蓄電装置421に蓄電された電力は、駆動モータ40や燃料電池補機や車両補機を駆動するために消費可能である。本実施形態の蓄電装置421は、充放電可能な二次電池である。二次電池として、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等を用いることができる。尚、蓄電装置421は、二次電池以外の充放電可能な装置であってもよく、例えば、キャパシタとすることができる。
摩擦ブレーキ50は、燃料電池車両20の運動エネルギを摩擦による熱エネルギに変換することによって、燃料電池車両20を制動するための減速装置である。本実施形態の摩擦ブレーキ50は、アクチュエータによって駆動するディスクブレーキである。尚、摩擦ブレーキ50は、アクチュエータによって駆動するドラムブレーキであってもよい。
制御部500は、CPUと、メモリと、各部品が接続されるインターフェース回路とを備えたコンピュータとして構成されている。制御部500は、各種センサから取得した情報に基づいて、燃料電池システム30の発電を制御し、駆動モータ40を力行モードや回生モードで制御する。図1に示すように、制御部500のCPUは、機能ブロックとして、制動制御部510および掃気制御部520を備える。
制動制御部510は、摩擦ブレーキ50のアクチュエータと、回生モード時の駆動モータ40とを制御することによって、回生摩擦協調ブレーキを実現する。制動制御部510は、ドライバからの制動要求に応じて発生させる回生摩擦協調制動力における、摩擦ブレーキ50による摩擦制動力と回生モード時の駆動モータ40による回生制動力との割合を、適宜設定する。燃料電池車両20の制動時には、回生電力を蓄電装置421に充電することが許容される限り、できるだけ多くの制動力を回生制動力から得つつ、回生制動力だけではドライバからの制動要求に対して不足する制動力を、摩擦制動力によって得ることが望ましい。これにより、回生電力を蓄電装置421に充電することによる車両全体としてのエネルギ効率の向上を図りつつ、回生摩擦協調制動力を確保する効果を高めることができる。
掃気制御部520は、エアコンプレッサ313を駆動して、エアコンプレッサ313から燃料電池100への空気の供給状態を制御することによって、燃料電池100の内部に滞留した滞留水を燃料電池100の外部へ排出させる掃気処理を実行する。
なお、上記した機能を果たす制御部500は、単一の制御部として構成される必要はない。例えば、制動制御部510や、掃気制御部520や、負荷要求に応じた燃料電池100の発電制御を行なう制御部や、燃料電池車両20の走行を制御する制御部や、走行に関わらない車両補機の制御を行なう制御部などのうちの少なくとも一部を、別体の制御部として構成し、これら複数の制御部間で、必要な情報をやり取りすることとしても良い。
(A−2)回生摩擦協調ブレーキを用いた制動と掃気処理:
図2は、回生摩擦協調制動力の変化の様子の一例を、模式的に示す説明図である。横軸は、回生摩擦協調ブレーキによる制動を開始してから燃料電池車両20が停車するまでの時間を表している。縦軸は、回生摩擦協調制動力を表している。上述したように、回生摩擦協調制動力は、摩擦制動力と、回生制動力とを合わせた制動力である。図2は、掃気処理を行なわない場合の、回生制動力と摩擦制動力の変化の様子を示す。
回生摩擦協調ブレーキによる制動を行なう際には、駆動モータ40が発電して回生電力が生じると共に、燃料電池100では、後述する微小発電による発電電力が生じる。蓄電装置421には、許容充電電力Winが定められており、制動制御部510は、蓄電装置421に対する充電電力が許容充電電力Win以下となるように、回生電力を抑えている。許容充電電力Winとは、蓄電装置421の充電電力の上限として定められている値であって、蓄電装置421の充電性能を示す値である。許容充電電力Winが大きいほど、充電性能が高いことを示し、より多くの電力を充電可能であることを示す。許容充電電力Winは、蓄電装置421の残存容量(SOC)と蓄電装置421の温度とによって定まる値であり、許容充電電力Winと、蓄電装置421の残存容量および温度との関係が、燃料電池100ごとに予め定められて、当該関係を示すマップが、予め制御部500のメモリに記憶されている。制御部500は、図示しない残存容量センサから蓄電装置421の残存容量を取得すると共に、図示しない温度センサから蓄電装置421の温度を取得し、上記マップを参照することにより、許容充電電力Winを取得する。回生モード時に、燃料電池100の微小発電による発電電力と回生電力とを合計した電力のうち、燃料電池車両20に搭載される各種補機等で消費される電力を減じた残余の電力が、許容充電電力Winを超えると予測される場合には、制動制御部510は、上記残余の電力が許容充電電力Win以下となるように、回生電力を削減して回生制動力を抑える。
図3は、回生摩擦協調ブレーキによる制動中、すなわち、摩擦制動力と回生制動力とによって燃料電池車両20が制動中であるときに、掃気処理を行なった場合の回生摩擦協調制動力の変化の一例を模式的に示す説明図である。本願発明者等は、回生摩擦協調ブレーキによる制動中に掃気処理が行われたときに、回生制動力が一時的に低減する場合があることを新たに見出した。このような現象の起こる理由は、以下のように考えられる。
回生摩擦協調ブレーキによる制動中に掃気処理が行われたときの動作の説明に先立って、まず、車両制動時の燃料電池100の状態について説明する。車両制動時には、燃料電池車両20は走行中であるが、アクセル開度はゼロとなっている。本実施形態の燃料電池車両20では、このような車両制動時には燃料電池100に対する要求電力がゼロとなり、燃料電池100に対するエアコンプレッサ313からの空気の供給が停止される。車両走行中にアクセルオフとなり、エアコンプレッサ313が停止されても、燃料電池100内には空気が残留している。このように、燃料電池100内に空気が残留する状態で燃料電池100の発電を停止すると、カソード電位が極めて高くなり得る。カソード電位が過度に上昇すると、電極触媒の劣化が進行し得る。そのため、本実施形態では、車両制動時に空気の供給を停止する際には、燃料電池100の出力電圧の上限を、許容できる電圧として予め定めた高電位回避電圧VFCに設定して、燃料電池100から微小な電流を掃引することにより、カソード電位の過剰な上昇を抑えている。車両制動時において、高電位回避電圧VFCを上限電圧としつつ微小な電流を掃引する燃料電池100の発電を、「微小発電」とも呼ぶ。微小発電を開始した後、燃料電池100内にある程度空気が残留している間は、燃料電池100の出力電圧は高電位回避電圧VFCに維持される。微小発電により生じる電力のうち、燃料電池車両20において消費されない電力は、蓄電装置421に充電される。
図4は、燃料電池100のIV特性と供給空気量との関係を模式的に表わす説明図である。燃料電池のIV特性は、種々の要因によって変化するが、一例として、供給される反応ガス量に応じて変化する。図4では、燃料ガスの供給量が十分であって、酸化ガスである空気の供給量を異ならせた場合のIV特性を示す。図4では、燃料電池100のIV特性を表わすグラフとしてA〜Aの4つのグラフを示しており、A、A、A、Aの順で、供給空気量、すなわち供給酸素量が少ない。図4から分かるように、燃料電池100の出力電圧が、例えば同じ高電位回避電圧VFCであっても、燃料電池100に供給する酸素量が少ないほど、出力電流(I〜I)は小さくなり、その結果、出力電力も小さくなる。
エアコンプレッサ313による空気の供給を停止した後、上記した微小発電を行なうと、発電に伴って酸素が消費されて燃料電池100内の酸素量が減少する。その結果、出力電圧が同じであれば、燃料電池100から出力される電流は、次第に減少する。微小発電が開始されると、通常は、燃料電池100の出力電圧は上限である高電位回避電圧VFCとなるため、図4を用いて説明したように、燃料電池100の出力電流は、Iから次第に減少する。このような微小発電であっても、発電に伴って燃料電池100内では生成水が生じる。そのため、駆動モータ40からの負荷要求が無い車両制動時であっても、燃料電池100内の滞留水が次第に増加して、掃気処理を行なう必要が生じる場合がある。
次に、このような車両制動時において微小発電を行なう状態で掃気処理を実行するときの動作について説明する。車両制動時に微小発電を行なう状態で掃気処理を実行すると、エアコンプレッサ313から供給される空気量の増大に伴って、出力電流が急激に増大し得る。燃料電池100の出力電圧の上限値が高電位回避電圧VFCに設定されているため、供給される空気量が増大したときに燃料電池100の出力電圧が上記上限値を越えないように、燃料電池100から掃引する電流値が制御部500によって調節されるためである。微小発電を行なっているときに掃気処理を実行することにより、燃料電池100の出力電流の増加と共に発電電力が増加すると、充電のために蓄電装置421に供給される供給電力が、蓄電装置421の許容充電電力Winを超える場合がある。充電のために蓄電装置421に供給される供給電力は、回生電力の他、燃料電池100の発電電力を含み得るためである。上記供給電力が許容充電電力Winを超える場合には、制動制御部510は、蓄電装置421が過充電となる不都合を避けるために、上記供給電力が許容充電電力Winを超えないように、回生電力を削減する。回生電力を削減すると、燃料電池車両20における回生制動力も減少する。図3では、掃気処理の実行時に、燃料電池100の発電電力の増加に起因して回生制動力が減少する様子が示されている。
このように回生制動力が減少するときには、制動制御部510は、摩擦制動力を増加させて、回生制動力の減少分を補おうとする。しかしながら、摩擦制動力の応答性は回生制動力の応答性に比べて低いため、回生摩擦協調制動力を、より安定させることが望まれる。
(A−3)回生摩擦協調ブレーキ使用時の掃気処理に係る制御:
図5は、燃料電池車両20の制御部500の掃気制御部520で実行される掃気時電圧上限値設定制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池車両20を走行可能にするために燃料電池システム30を始動させる指示が入力されたとき、具体的には、運転者によりスタートスイッチ(図示せず)が押されたときに起動され、停止の指示が入力されるまで(例えば、スタートスイッチがオフにされるまで)、繰り返し実行される。
図5の掃気時電圧上限値設定制御処理ルーチンが起動されると、制御部500のCPUは、燃料電池車両20が回生摩擦協調ブレーキを用いた制動中であるか否かを判断する(ステップS100)。回生摩擦協調ブレーキを用いた制動中ではないと判断すると(ステップS100:NO)、制御部500のCPUは、本ルーチンを終了する。
回生摩擦協調ブレーキを用いた制動中であると判断すると(ステップS100:YES)、制御部500のCPUは、車両発生電力Wcと許容充電電力Winとを取得する(ステップS110)。
車両発生電力Wcとは、回生摩擦協調ブレーキを用いた制動中に掃気処理を行なったときに燃料電池100が発電する掃気時発電電力Wsを含み、燃料電池車両20で発生すると予測される電力である。具体的には、車両発生電力Wcは、例えば以下の(1)式に示すように、回生摩擦協調ブレーキの使用中の掃気処理に伴って燃料電池100が発電すると予測される掃気時発電電力Wsと、回生電力Wrとの合計から、燃料電池車両20が搭載する補機類が消費する補機消費電力Weを減算した値とすることができる。なお、例えば車速が小さく、回生電力Wrが小さいときには、下記の(1)式において回生電力Wrは無視してもよい。また、補機消費電力Weが小さいときには、下記の(1)式において補機消費電力Weは無視してもよい。回生電力Wrおよび補機消費電力Weを無視する場合には、車両発生電力Wcとして掃気時発電電力Wsを用いることができる。
Wc=Ws+Wr−We … (1)
掃気時発電電力Wsとは、既述したように、回生摩擦協調ブレーキの使用中の掃気処理に伴って燃料電池100が発電すると予測される電力である。掃気処理時に燃料電池100に供給される酸化ガス量は予め定められているため、回生摩擦協調ブレーキの使用中に掃気処理を行なうことによって燃料電池100で生じる掃気時発電電力Wsは、予め予測することができる。本実施形態では、燃料電池車両20の走行時に燃料電池100が発電する通常運転時における燃料電池100の一般的な温度条件において、上限電圧を高電位回避電圧VFCに設定しつつ掃気処理を行なった場合に燃料電池100が発電する電力である掃気時通常発電電力Wsを、掃気時発電電力Wsとして予め制御部500内のメモリに記憶している。なお、本実施形態では、掃気処理中にも図5の掃気時電圧上限値設定制御処理ルーチンが実行され、掃気処理の実行中には、後述するように、実際に適用される燃料電池100の上限電圧が高電位回避電圧VFCから変更される場合がある。このような場合であっても、ステップS110では、燃料電池100の上限電圧を後述する第1上限電圧である高電位回避電圧VFCに設定して掃気処理を行なったときに発電される電力として、掃気時発電電力Wsが予測される。
なお、掃気時発電電力Wsは、供給される酸化ガス量の他、燃料電池100内の温度および湿潤状態等の影響を受ける。そのため、掃気時発電電力Wsの値は、掃気処理時の燃料電池100内の温度および湿潤状態等をさらに考慮して、設定してもよい。例えば、ステップS110では、下記の(2)式に示すように、掃気時通常発電電力Wsに対して、燃料電池100内の温度および湿潤状態等を反映する掃気時発電効率αを乗算して、掃気時発電電力Wsを求めてもよい。
Ws=Ws ×α … (2)
図6は、掃気時発電電力αを求めるために用いるマップの一例を示す説明図である。本願の発明者らは、上記した掃気時発電効率αは、図6に示すような、燃料電池100の温度と燃料電池100の出力電力との2次元マップによって特定できることを新たに見出した。図6に示すように、燃料電池温度が高いほど、燃料電池100内の飽和水蒸気圧が上昇して電解質膜が乾燥しやすくなるため、掃気時発電効率αは低下する傾向を示す。また、図6のマップにおいて掃気時発電効率αが0.8となる範囲として示すように、燃料電池出力電力が比較的小さな特定範囲内にあるときには、発電量が少ないことに起因して生成水が少ないこと、および、カソードが備える触媒に酸化皮膜が形成され易いことにより、燃料電池温度に関わらず、掃気時発電効率αが特に小さくなる傾向を示す。図6にマップとして示す掃気時発電効率αと、燃料電池温度および燃料電池出力電力との関係は、実験により、あるいはシミュレーションにより、予め定めて制御部500のメモリ内に記憶しておけばよい。掃気時発電効率αを導出するために用いる燃料電池温度としては、例えば、燃料電池100を冷却するための冷媒循環系において、燃料電池100から冷媒が排出される出口部に温度センサを設け、当該出口部における冷媒温度を検出して用いればよい。掃気時発電効率αを導出するために用いる燃料電池出力電力は、燃料電池100の出力電流と出力電圧をと検出して算出すればよい。
ステップS110において車両発生電力Wcと共に取得する許容充電電力Winは、既述したように、蓄電装置421の充電電力の上限として定められている値であって、蓄電装置421の残存容量(SOC)と蓄電装置421の温度とを用いて特定される。
ステップS110において車両発生電力Wcと許容充電電力Winとを取得すると、制御部500のCPUは、車両発生電力Wcと許容充電電力Winとを比較する(ステップS120)。
ステップS120において、許容充電電力Winが車両発生電力Wc以上であるときには(ステップS120:YES)、高電位回避電圧VFCを上限電圧として掃気処理を実行して掃気時発電電力Wsが発生する場合であっても、車両発生電力Wcを全て蓄電装置421に充電可能と考えられる。そのため、ステップS120において許容充電電力Winが車両発生電力Wc以上であると判断すると(ステップS120:YES)、制御部500のCPUは、掃気処理を実行するときの燃料電池100の電圧の上限値を、回生摩擦協調制動時における燃料電池100の通常の上限電圧、すなわち、予め定められた高電位回避電圧VFCに仮設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。高電位回避電圧VFCは、第1上限電圧とも呼ぶ。
ステップS120において、許容充電電力Winが車両発生電力Wc未満であるときには(ステップS120:NO)、制御部500のCPUは、掃気処理を実行するときの燃料電池100の電圧の上限値を、第1上限電圧である高電位回避電圧VFCよりも高い値である第2上限電圧に仮設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。
図7は、ステップS130およびステップS140において仮設定される掃気処理時の電圧の上限値と、「許容充電電力Win−車両発生電力Wc」との関係の一例を示す説明図である。図7では、「Win−Wc」が0以上のときに、掃気処理時の電圧の上限値が、第1上限電圧である高電位回避電圧VFCに仮設定される様子が示されている。また、「Win−Wc」が0未満のときには、「Win−Wc」の値が小さいほど、第2上限電圧である掃気処理時の電圧の上限値が大きく仮設定される様子が示されている。燃料電池100の電圧の上限値が大きいほど、掃気処理時に燃料電池100で発生する掃気時発電電力Wsを小さくすることができ、その結果、(1)式に示すように、車両発生電力Wcも小さくなる。掃気処理時に燃料電池100に供給される酸化ガス量は予め定められているため、回生摩擦協調制動時に掃気処理を行なうことによって燃料電池100で生じる掃気時発電電力Wsは、燃料電池100の電圧上限値を定めることにより、予め予測することができる。「Win−Wc」が0未満のときの掃気処理時の電圧上限値は、掃気時発電電力Wsが小さくなることにより、「Win−Wc」が0以上となるように仮設定することが望ましい。
図7では、「Win−Wc」が0未満のときに設定される掃気処理時の電圧上限値が、「Win−Wc」に対して一定の傾きで変化する様子を示したが、異なる構成としてもよい。例えば、図6に示したように、燃料電池温度および燃料電池出力電力の組み合わせと、掃気時発電電力αとの関係をさらに考慮して、掃気処理を行なった場合の「Win−Wc」が0以上となるように、掃気処理時の電圧上限値を仮設定してもよい。
図8は、燃料電池車両20の制御部500の掃気制御部520で実行される制動時掃気制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池車両20を走行可能にするために燃料電池システム30を始動させる指示が入力されたとき、具体的には、運転者によりスタートスイッチ(図示せず)が押されたときに起動され、停止の指示が入力されるまで(例えば、スタートスイッチがオフにされるまで)、繰り返し実行される。すなわち、制動時掃気制御処理ルーチンは、図5に示す掃気時電圧上限値設定制御処理ルーチンと並行して実行される。
図8の制動時掃気制御処理ルーチンが起動されると、制御部500のCPUは、燃料電池車両20が回生摩擦協調ブレーキを用いた制動中であるか否かを判断する(ステップS200)。回生摩擦協調ブレーキを用いた制動中ではないと判断すると(ステップS200:NO)、制御部500のCPUは、本ルーチンを終了する。
回生摩擦協調ブレーキを用いた制動中であると判断すると(ステップS200:YES)、制御部500のCPUは、掃気処理を実行中であるか否かを判断する(ステップS210)。そして、掃気処理を実行していないと判断すると(ステップS210:NO)、制御部500のCPUは、燃料電池100内に滞留する滞留水量の推定値を取得する(ステップS220)。制御部500は、本ルーチンの稼働中は、常に、燃料電池100内に滞留する滞留水量を推定しており、ステップS220では、現在の滞留水量の推定値を取得する。本実施形態では、燃料電池100の出力電流を検出して積算出力電流を算出しており、この積算出力電流を用いて理論的に算出される生成水量を、ステップS220で取得する滞留水量の推定値としている。
ステップS220で滞留水量の推定値を取得すると、制御部500のCPUは、取得した滞留水量の推定値が、基準値以上となったか否かを判断する(ステップS230)。ステップS230で用いる基準値は、滞留水量が次第に増加して掃気処理を実行すべき状態になったことを判断するための滞留水量の閾値として予め設定されて、制御部500のメモリ内に記憶されている。滞留水量の推定値が基準値未満であると判断すると(ステップS230:NO)、制御部500のCPUは、本ルーチンを終了する。
ステップS230において滞留水量の推定値が基準値以上であると判断すると(ステップS230:YES)、制御部500のCPUは、並行して実行している掃気時電圧上限値設定制御処理ルーチンで仮設定した上限電圧を燃料電池100の電圧の上限値に設定して、掃気処理を実行する(ステップS240)。すなわち、許容充電電力Winが車両発生電力Wc以上であるときには、ステップS130で仮設定した第1上限電圧を用い、許容充電電力Winが車両発生電力Wc未満であるときには、ステップS140で仮設定した第2上限電圧を用いて、掃気処理を実行する。
その後、制御部500のCPUは、掃気処理が終了したか否かを判断する(ステップS250)。掃気処理が終了していないときには(ステップS250:NO)、制御部500のCPUは、本ルーチンを終了する。
ステップS250において、掃気処理が終了したと判断される場合には(ステップS250:YES)、制御部500のCPUは、燃料電池100内に滞留する滞留水量の推定値をリセットして(ステップS260)、本ルーチンを終了する。リセットの後の滞留水量の推定値の初期値は、例えばゼロとすることができる。あるいは、滞留水量の初期値として、ゼロよりも大きく、掃気処理後に燃料電池100内に残留する水の量により近い値を設定してもよい。
ステップS210において、掃気処理中であると判断すると(ステップS210:YES)、制御部500のCPUは、ステップS240に移行して、ステップS240以降の掃気処理に係る処理を実行して、本ルーチンを終了する。この場合には、前回ステップS240を実行したときから、電圧上限値の仮設定値が変更されているときには、ステップS240では、新たに更新された電圧上限値を燃料電池100の電圧の上限値に設定して掃気処理を行なう。
図9は、回生摩擦協調ブレーキ使用時に掃気処理を実行する際の、燃料電池車両20の状態を説明するための図である。図9において、時点Aは、燃料電池車両20が回生摩擦協調ブレーキを使用する制動状態になった時点を示す。このとき、図9に示すように、掃気時電圧上限値設定フラグがオンになって、図5の処理によって、掃気処理時の電圧上限値を、第1上限電圧または第2上限電圧に仮設定する動作が開始されて、繰り返し行なわれる。なお、図9では、説明を簡素化するために、車両発生電力Wcは一定値として表わしており、許容充電電力Winのみが変動している。
図9の例では、時点Aから時点Cまでの間は車両発生電力Wcが許容充電電力Winを上回っているため、掃気処理時の電圧上限値は第2上限電圧に仮設定される。第2上限電圧は、図7を用いて説明したように、許容充電電力Win等により変動する値である。また、図9の例では、時点C以降は許容充電電力Winが車両発生電力Wc以上となっているため、掃気処理時の電圧上限値は第1上限電圧に仮設定される。
図9における時点Bは、時点Aにおいて掃気時電圧上限値設定フラグがオンになった後、燃料電池100内の滞留水量がさらに増加して、滞留水量の推定値が掃気要求閾値に達した時点を示す。掃気要求閾値とは、掃気処理を実行すべき状態になったことを判断するための滞留水量の閾値として予め設定された値であり、図8のステップS230で用いる基準値に相当する。時点Bで滞留水量の推定値が掃気要求閾値に達すると、制御部500では掃気実行フラグがオンになり、掃気処理が開始される。既述したように、掃気処理の実行中にも掃気処理時の電圧上限値を設定する動作は繰り返し実行されている。そのため、掃気処理時の燃料電池100の電圧上限値として設定する値を、新たに仮設定された最新の電圧上限値に更新する動作を繰り返しつつ、掃気処理が行なわれる。掃気処理は、時点Dまで行なわれ、時点Dでは、掃気実行フラグがオフになり、制御部500による滞留水量の推定値が、リセット閾値にリセットされる。
なお、図5の制動時掃気制御処理ルーチンの実行中に、アクセルペダル85が踏まれる等により制動状態が解除されたときには、割り込み処理により上記ルーチンは終了される。
以上のように構成された本実施形態の燃料電池車両20によれば、回生摩擦協調ブレーキによる制動中には、車両発生電力Wcと許容充電電力Winとを比較して、掃気処理時の燃料電池100の電圧上限値を設定し、設定した電圧上限値を用いて掃気処理を実行する。このとき、車両発生電力Wcが許容充電電力Win以下の場合には、上記電圧上限値を、予め定められた第1上限電圧に設定し、車両発生電力Wcが許容充電電力Winを上回る場合には、上記電圧上限値を、第1上限電圧よりも高い値である第2上限電圧に設定する。そのため、掃気処理を実行しても、回生摩擦協調制動力を、より安定させることができる。
B.他の実施形態:
(B1)上述した実施形態における燃料電池車両20では、回生摩擦協調ブレーキによる制動中には、エアコンプレッサ313による空気の供給を停止すると共に、燃料電池100の上限電圧を高電位回避電圧VFCに維持して電流を掃引することによって燃料電池100を発電させているが、異なる制御を行なってもよい。例えば、回生摩擦協調ブレーキによる制動中において、燃料電池100に供給する酸化ガス量を停止することなく抑制し、且つ、燃料電池100の上限電圧を設定して電流を掃引する状態で、掃気処理を行なうならば、供給酸化ガス量の増大により燃料電池100の発電電力が増大して、回生摩擦協調制動力の安定化に係る同様の問題が生じ得る。このように、回生摩擦協調ブレーキによる制動中の掃気処理に伴って燃料電池100の発電電力が増大し得る場合には、車両発生電力Wcと許容充電電力Winとを用いて燃料電池100の電圧上限値を設定し、設定した電圧上限値を用いて掃気処理を行なう同様の動作を行なうことで、実施形態と同様の効果が得られる。
(B2)上述した実施形態における燃料電池車両20では、掃気制御部520は、カソード側流路において掃気処理を実行しているが、異なる構成としてもよい。すなわち、アノード側流路において掃気処理を行なうこととしてもよい。このとき、水素給排系200のことを、ガス供給部とも呼ぶ。掃気制御部520は、例えば、水素循環ポンプ222を駆動制御することによって、燃料電池100内に滞留した滞留水を燃料電池100外へと排出させることができる。また、インジェクタ215を駆動制御することによって、燃料電池100内に滞留した滞留水を燃料電池100外へと排出させてもよい。回生摩擦協調ブレーキによる制動中のアノード側の掃気処理に伴って燃料電池100の発電電力が増大し得る場合には、車両発生電力Wcと許容充電電力Winとを用いて燃料電池100の電圧上限値を設定し、設定した電圧上限値を用いて掃気処理を行なう同様の動作を行なうことで、実施形態と同様の効果が得られる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
20…燃料電池車両、30…燃料電池システム、40…駆動モータ、50…摩擦ブレーキ、80…ブレーキペダル、85…アクセルペダル、100…燃料電池、200…水素給排系、210…水素供給部、211…水素タンク、212…水素供給流路、213…主止弁、214…減圧弁、215…インジェクタ、220…水素循環部、221…水素循環流路、222…水素循環ポンプ、230…水素排出部、231…水素排出流路、232…排気排水弁、300…空気給排系、310…空気供給部、311…空気導入流路、312…エアフローメータ、313…エアコンプレッサ、314…分流弁、315…空気供給流路、316…空気バイパス流路、320…空気排出部、321…空気排出流路、322…調圧弁、400…電力供給系、411…昇圧コンバータ、412…インバータ、421…蓄電装置、422…昇降圧コンバータ、431…第1配線、432…第2配線、500…制御部、510…制動制御部、520…掃気制御部

Claims (1)

  1. 燃料電池車両であって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に反応ガスを供給するガス供給部と、
    前記燃料電池車両を制動する摩擦ブレーキと、
    前記燃料電池車両を駆動する力行運転と、回生電力を発生して前記燃料電池車両を制動する回生運転と、を実行可能な駆動モータと、
    前記燃料電池が発電した電力と、回生運転時に前記駆動モータが発生した前記回生電力と、を蓄電可能な蓄電装置と、
    前記ガス供給部を駆動して、前記反応ガスを用いて前記燃料電池の内部に滞留する滞留水を前記燃料電池の外部に排出させる掃気処理の実行を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記摩擦ブレーキによる摩擦制動力と前記回生運転によって生じる回生制動力とによって前記燃料電池車両が制動中であるときに、
    前記燃料電池の内部に滞留する前記滞留水の量の推定値が、予め定められた基準値以上となったときに、前記掃気処理を実行し、
    前記掃気処理を実行する際には、
    前記掃気処理の実行時に前記燃料電池が発電する掃気時発電電力を含み前記燃料電池車両で発生すると予測される車両発生電力が、前記蓄電装置を充電する電力の上限として定められた許容充電電力以下の場合には、前記燃料電池の電圧の上限値を、予め定められた第1上限電圧に設定し、
    前記車両発生電力が前記許容充電電力を上回る場合には、前記燃料電池の電圧の上限値を、前記第1上限電圧よりも高い値である第2上限電圧に設定する
    燃料電池車両。
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