JP6306556B2 - 建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物 - Google Patents

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本発明は建築資材用ポリウレタン樹脂に用いられるポリオール組成物に関する。
ポリウレタン樹脂はポリオール成分とポリイソシアネート成分を原料とするウレタン結合を有する樹脂であり、一般的に伸縮性に富んだ弾性のある樹脂であるため、シーラント及び塗膜防水材等の建築資材に使用されている。
上記用途のポリウレタン樹脂は建築用途であるため、製造後に長く機能を発揮するために熱や紫外線に対する耐久性が重要項目である。耐久性を向上させる手段としては光安定剤や酸化防止剤が使用される(例えば特許文献−1,2参照)。しかしこれらの添加材では効果が不十分であるなどの課題がある。
特開2009−67917 特開2011−231317
本発明の目的は、耐候性の高いポリウレタン樹脂が製造可能な建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物を提供することにある。
本発明者らは、課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、炭素数2〜20の多価アルコール(h1)及び炭素数2〜20の多価アルコール(h1)に炭素数2〜12のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(h2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物(h)と不飽和カルボン酸(j)とのエステル化合物(a)と、水酸基価が12〜700mgKOH/gであり1分子当たりの水酸基の数が2〜8であるポリオール(b)とを含有する建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A);前記建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物とポリイソシアネート(C)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有する2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D);前記建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物を含有する2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用硬化剤(E);前記建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物とポリイソシアネート(C)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有する1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(F)である。
本発明のポリオール組成物により、耐候性に優れた建築資材用ポリウレタン樹脂が得られる。
本発明の建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)は、炭素数2〜20の多価アルコール(h1)及び炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(h2)からなる群より選ばれる少なくとも1種(h)と不飽和カルボン酸(j)とのエステル化合物(a)と、水酸基価が12〜700mgKOH/gであり1分子当たりの水酸基の数が2〜8であるポリオール(b)とを含有してなる。
エステル化合物(a)は炭素数2〜20の多価アルコール(h1)及び炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(h2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物(h)と不飽和カルボン酸(j)から水を失って生成する化合物、および理論上これに相当する構造を有する化合物である。エステル化合物(a)はアルコールと酸以外の化合物から生成する化合物も含むものとする。
炭素数2〜20の多価アルコール(h1)は下記の炭素数2〜20の多価アルコール(b1)と同じものである。炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜12のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(h2)は下記の炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜12のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(b2)と同じものである。
不飽和カルボン酸(j)としてはアクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキセン酸、3−ヘキセン酸、4−ヘキセン酸、2−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、9−ヘキサデセン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。これらのなかでアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
不飽和カルボン酸(j)の炭素−炭素二重結合は一般式(1)で表されるものが好ましい。
〔式(1)中のRはCHまたはHを表す。〕
エステル化合物(a)としては、炭素数2〜20の多価アルコール(h1)の不飽和カルボン酸(j)エステル、例えばジペンタエリスリトールのヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールのジアクリレート等が挙げられる。炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜12のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(h2)の不飽和カルボン酸(j)エステル、例えばグリセリンの9モルエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリアクリレート、ビスフェノールAの4モルエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、トリエチレングリコールのジメタクリレート、プロピレングリコールの2.45モルプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート等が挙げられる。
これらの中でグリセリンの9モルエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート、トリプロピレングリコールのジアクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリアクリレート、プロピレングリコールの2.45モルプロピレンオキサイド付加物のジアクリレートが好ましい。
ポリオール化合物(h)のSP値は8.5〜27.5が好ましく、更に好ましくは8.5〜13.0である。ポリオール化合物(h)のSP値が8.5〜13.0だとポリオール(b)に対するエステル化合物(a)の溶解性が良好となる。
エステル化合物(a)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
エステル化合物(a)中の炭素−炭素二重結合濃度はエステル化合物(a)の重量を基準として2〜20mmol/gが好ましく、更に好ましくは3〜15mmol/gである。炭素−炭素二重結合濃度が2mmol/g以上だと得られる樹脂の耐候性が良好であり、20mmol/g以下だと樹脂の柔軟性が良好となる。
エステル化合物(a)中の炭素−炭素二重結合濃度はヨウ素価測定法で測定できる。
建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)中のエステル化合物(a)の割合は、エステル化合物(a)とポリオール(b)の合計重量に対して樹脂物性の観点から1.4〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がさらに好ましく、3〜8重量%が特に好ましい。エステル化合物(a)の割合が1.4重量%以上であると得られる樹脂の耐久性に優れ、15%以下であると樹脂の強度が良好となる。
ポリオール(b)は水酸基価が12〜700mgKOH/gであり1分子当たりの水酸基の数が2〜8であるポリオールである。ポリオール(b)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリオール(b)としては、炭素数2〜20の多価アルコール(b1)、炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(b2)、ポリエステルポリオール(b3)及びその他のポリオール(b4)等が挙げられる。
炭素数2〜20の多価アルコール(b1)としては、炭素数2〜20の2価アルコール[脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,10−デカンジオール、等)、脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)及び芳香脂肪族ジオール[1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等]等]、炭素数3〜20の3価アルコール[脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)等]及び炭素数5〜20の4〜8価アルコール[脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等)及び糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)]等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(b2)としては、前記炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(以下AOと略記)が付加したアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
炭素数2〜12のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド及びエピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)等が挙げられる。これらの内、樹脂耐水性の観点からPOが好ましい。AOは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、AOを2種以上併用する場合の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよいが、樹脂物性の観点からはブロック付加が好ましい。
ポリエーテルポリオール(b2)としては、プロピレングリコールの6モルPO付加物、プロピレングリコールの33モルPO付加物、プロピレングリコールの50モルPO付加物、プロピレングリコールの68モルPO付加物、グリセリンの9モルPO付加物、グリセリンの50モルPO付加物、グリセリンの67モルPO付加物、グリセリンの85モルPO付加物、ビスフェノールAの13モルPO付加物、ビスフェノールAの31モルPO付加物、トリメチロールプロパンの49モルPO付加物、プロピレングリコールの50モルPOに続く23モルEOブロック付加物、グリセリンの73モルPOに続く16モルEOブロック付加物、グリセリンの85モルPOに続く22モルEOブロック付加物、ペンタエリスリトーエルの116モルPOに続く25モルEOブロック付加物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(b3)としては、前記炭素数2〜20の多価アルコール及び/又は前記ポリエーテルポリオールと2〜4価の芳香族ポリカルボン酸及び/又は脂肪族ポリカルボン酸並びにこれらの無水物又は低級アルキル(アルキル基の炭素数が1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体との縮合反応物。(ただしこれら縮合反応物は、架橋によりゲル化または固化しないように原料のモル比を調整した液状物である。);これらの前記AO付加物;ポリラクトンポリオール[例えば前記炭素数2〜20の多価アルコールを開始剤としてラクトン(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの];並びにポリカーボネートポリオール(例えば前記炭素数2〜20の多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物);等が挙げられる。
2〜4価の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数8〜30の芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸及び4,4’−ビナフチルジカルボン酸等)、炭素数9〜30の芳香族トリカルボン酸、(トリメリット酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、トリメシン酸、ヘミリット酸、1,2,4−、1,3,6−又は2,3,6−ナフタレントリカルボン酸及び2,3,6−アントラセントリカルボン酸等のトリカルボン酸)及び炭素数10〜30のテトラカルボン酸[ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシビスフタル酸、ジフェニルメタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸及び4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフタル酸等]等が挙げられる。
2〜4価の脂肪族ポリカルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリカルバリル酸及びヘキサントリカルボン酸等の炭素数2〜30の脂肪族ポリカルボン酸等が挙げられる。
その他のポリオール(b4)としては、単環多価フェノール(ピロガロール、ハイドロキノン及びフロログルシン等)又はビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)の水酸基に前記AOが水酸基1個当たり1モル以上付加したポリオール、シリコーンポリオール、重合体ポリオール、ポリジエンポリオール(ポリブタジエンポリオール等)、ポリジエンポリオールの水添物、アクリル系ポリオール、天然油系ポリオール(ヒマシ油等)及び天然油系ポリオールの変性物等が挙げられる。
ポリオール(b)の水酸基価は、12〜700mgKOH/gであり、好ましくは15〜650mgKOH/g、更に好ましくは20〜600mgKOH/gである。(b)の水酸基価が700mgKOH/gを超えると得られる樹脂の伸びが悪化し、12mgKOH/g未満では樹脂の強度が不十分となる。尚、本発明における水酸基価は、JIS K 0070−1992に準じて測定される。
ポリオール(b)の1分子当りの水酸基の数は、2〜8が好ましく、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。1分子当りの水酸基の数が8を超えると得られる樹脂の伸びが悪化し、2未満であると樹脂の強度が不十分となる。
ポリオール(b)として、得られるプレポリマー組成物のハンドリングの観点から好ましいのはポリエーテルポリオール(b2)である。
ポリエーテルポリオール(b2)は、水酸基がプロピレンオキサイドが付加してなり、かつその水酸基の1級水酸基比率が50mol%以上であることが好ましい。1級水酸基比率は、ポリイソシアネートとの反応性の観点から50mol%以上が好ましく、更に好ましくは60mol%以上である。1級水酸基比率が50mol%以上の場合、ポリイソシアネートとの反応性が良好で、工程時間の短縮や触媒量低減などの効果がある。
本発明における1級水酸基比率は以下のH−NMR法で算出される。
<試料調製法>
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。前記重水素化溶媒としては、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド及び重水素化ジメチルホルムアミド等が挙げられ、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件でH−NMR測定を行う。
<1級水酸基比率の計算方法>
上述の前処理により、ポリ(オキシ−1,2−プロピレン)トリオールの末端の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応してトリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される。1級水酸基比率は次式により算出する。
1級水酸基比率(mol%)=[a/(a+2×b)]×100
但し、式中、aは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値であり、bは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値である。
2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)は上記ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート(C)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有する。
ポリイソシアネート(C)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(c1)、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(c2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(c3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(c4)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(c5)等が挙げられる。有機ポリイソシアネート成分(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜22の鎖状脂肪族ポリイソシアネート(c1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(c2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(c3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(c4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(c1)〜(c4)のポリイソシアネートの変性物(c5)としては、上記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;イソシアネート基含有量が通常8〜33重量%、好ましくは10〜30重量%、特に12〜29重量%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。尚、本発明におけるイソシアネート基含有量は、JIS K 1603−1に準じて測定される。
これらの中で、得られる樹脂物性の観点から好ましいのは有機ジイソシアネートであり、更に好ましいのは炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート及び炭素数10〜18の脂肪族ジイソシアネートであり、特に好ましいのはMDI及びTDIである。
本発明の2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)に含有されるウレタンプレポリマーを製造するために、必要に応じてポリオール(b)以外のポリオール[前記他のポリオールとして例示した炭素数2〜20の多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びその他のポリオール等]を併用することが出来る。
本発明の2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)は、更に必要により着色剤、硬化促進触媒、希釈剤(減粘剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び表面改質剤等の添加剤を含有することができる。
着色剤としては、無機顔料及び有機顔料等の顔料並びに染料が挙げられる。
無機顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ、アルミナ、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト及びチタンブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系及びピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ及びピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシニンブルー、ハロゲン化銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー及び金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、イソシンドリノン系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ペリノン系及びペリレン系等の多環式又は複素環式化合物が挙げられる。
染料の具体例として、イエロー染料としては、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類若しくは開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、ベンジリデン染料及びモノメチンオキソノール染料等のメチン染料、ナフトキノン染料及びアントラキノン染料等のキノン系染料、キノフタロン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、アクリジン染料並びにアクリジノン染料等が挙げられる。
マゼンタ染料としては、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類若しくはヘテロ環(ピロール、イミダゾール、チオフェン及びチアゾール誘導体等)を有するアリール又はヘテリルアゾ染料、カップリング成分としてピラゾロン類又はピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、アリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料及びオキソノール染料等のメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、ナフトキノン、アントラキノン及びアントラピリドン等のキノン系染料並びにジオキサジン染料等の縮合多環系染料等が挙げられる。
シアン染料としては、インドアニリン染料及びインドフェノール染料等のアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料及びメロシアニン染料等のポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料及びキサンテン染料等のカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジノン若しくはピロロトリアジノン誘導体を有するアリール又はヘテリルアゾ染料(c.I.ダイレクトブルー14等)並びにインジゴ・チオインジゴ染料が挙げられる。
硬化促進触媒としては、金属触媒[例えば錫系触媒(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート及びジブチルチンマレエート等)、鉛系触媒(オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛及びオクテン酸鉛等)、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩及びフェニル水銀プロピオン酸塩、ビスマス系触媒(ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等)];アミン系触媒〔例えばトリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン及びジアザビシクロアルケン類[1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン{サンアプロ社製「DBU」(登録商標)}]等;ジアルキルアミノアルキルアミン類(ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノオクチルアミン及びジプロピルアミノプロピルアミン等)又は複素環式アミノアルキルアミン類{2−(1−アジリジニル)エチルアミン及び4−(1−ピペリジニル)−2−ヘキシルアミン等}の炭酸塩又は有機酸塩(ギ酸塩等)等;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン及びジメチルエタノールアミン等〕;並びにこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
希釈剤(及び減粘剤)としては、n−ヘキサン及びn−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエン及びキシレン等の芳香族系炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル及び酢酸セロソルブ等のエステル類、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類並びにジエチレングリコールジメチルエーテル及びエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類等の溶剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[イルガノックス1010及びイルガノックス1076(いずれもBASFジャパン社製)等]及びヒンダードアミン系酸化防止剤[サノールLS770及びサノールLS−744(いずれも三共製)等]が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、トリアゾール系紫外線吸収剤[チヌビン320(BASFジャパン社製)等]及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤[サイアソーブUV9(サイアナミド社製)等]が挙げられる。
添加剤の使用量は、2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)の重量を基準として、着色剤は好ましくは1重量%以下、硬化促進触媒は好ましくは0.2重量%以下、希釈剤は好ましくは10重量%以下、酸化防止剤は好ましくは1重量%以下、紫外線吸収剤は好ましくは1重量%以下、表面改質剤は好ましくは1重量%以下である。
添加剤の添加時期については、特に制限はなく、予めポリオール組成物(A)に添加しておいてもよいし、2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)の任意の製造工程で添加してもよい。
本発明の2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用硬化剤(E)は建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)を含有する。ポリオール組成物(A)は2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用硬化剤(E)の成分として好適に用いられるが、ポリオール組成物(A)の効果を損なわない範囲で(b)以外のポリオール[前記他のポリオールとして例示した炭素数2〜20の多価アルコール、ポリエステルポリオール及びその他のポリオール等]を含有することが出来る。
本発明の1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(F)は、上記ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート(C)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有する。
ポリイソシアネート(C)としては、前記ポリイソシアネート類が使用でき、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらの中で、得られる樹脂物性の観点から好ましいのは有機ジイソシアネートであり、更に好ましいのは炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート及び炭素数10〜18の脂肪族ジイソシアネートであり、特に好ましいのはMDI及びTDIである。
本発明の1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(F)に含有されるウレタンプレポリマーを製造するために、必要に応じてポリオール(b)以外のポリオール[前記他のポリオールとして例示した炭素数2〜20の多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びその他のポリオール等]を含有することが出来る。その他のポリオールは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用組成物(F)は、更に必要により前記の着色剤、硬化促進触媒、希釈剤(減粘剤)、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び表面改質剤等の添加剤を含有することができる。
添加剤の使用量は、1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用組成物(F)の重量を基準として、着色剤は好ましくは1重量%以下、硬化促進触媒は好ましくは0.2重量%以下、希釈剤は好ましくは10重量%以下、酸化防止剤は好ましくは1重量%以下、紫外線吸収剤は好ましくは1重量%以下、表面改質剤は好ましくは1重量%以下である。
添加剤の添加時期については、特に制限はなく、予めポリオール組成物(A)に添加しておいてもよいし、1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用組成物(F)の任意の製造工程で添加してもよい。
本発明の建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)および組成物(F)に含有されるウレタンプレポリマーは通常、ポリオール組成物(A)と過剰当量のポリイソシアネート(C)とを反応することにより得られる。ウレタンプレポリマーの反応方法は特に限定されないが、例えばポリオール組成物(A)とポリイソシアネート(C)及び必要により前記硬化性触媒とを温度制御機能を備えた反応槽に仕込み、30〜1000分間にわたって温度を50〜200℃に保つことによって反応させる方法や、ポリオール組成物(A)、ポリイソシアネート(C)及び必要により前記硬化性触媒を2軸押し出し機に供給し、温度100〜220℃で連続的に反応させる方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。尚、以下において、部は重量部、%は重量%を示す。なお、以下において、実施例1〜8、13〜18、21〜26は、参考例1〜8、13〜18、21〜26とする。
<実施例1〜14及び比較例1〜4>[ポリオール組成物(A)の製造]
表1に示す部数の化合物(a)とポリオール(b)を表1の混合比で混合し、各ポリオール組成物(A)を得た。
尚、表1における各原料(a−1)、(a−2)、(a−3)、(b−1)、(b−3)、(b−4)、(b−7)、(b−8)の詳細は以下の通りである。
・(a−1)「A−GLY−9E」グリセリンの9モルエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート[新中村化学(株)製]
・(a−2)「APG−200」トリプロピレングリコールのジアクリレート[新中村化学(株)製]
・(a−3)「ネオマーPA305」プロピレングリコールの2.45モルプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート[三洋化成工業(株)製]
・(b−1)「サンニックスPP−2000」プロピレングリコールにPOを付加させて得られた、1分子当りの水酸基数が2、水酸基価56.1、1級水酸基比率2mol%のポリオキシプロピレンポリオール[三洋化成工業(株)製]
・(b−3)「サンニックスGP−5000」グリセリンにPOを付加させて得られた、1分子当りの水酸基数が3、水酸基価33.7、1級水酸基比率2mol%のポリオキシプロピレンポリオール[三洋化成工業(株)製]
・(b−4)「プライムポールFF−3550」グリセリンにPOを付加させて得られた、1分子当りの水酸基数が3、水酸基価33.7、1級水酸基比率65mol%のポリオキシプロピレンポリオール[三洋化成工業(株)製]
・(b−7)「サンニックスPP−3000」プロピレングリコールにPOを付加させて得られた、1分子当りの水酸基数が2、水酸基価37.4、1級水酸基比率2mol%のポリオキシプロピレンポリオール[三洋化成工業(株)製]
・(b−8)「サンニックスGP−4000」グリセリンにPOを付加させて得られた、1分子当りの水酸基数が3、水酸基価42.1、1級水酸基比率2mol%のポリオキシプロピレンポリオール[三洋化成工業(株)製]
<製造例1>
以下に記載の方法でポリオール(b−2)を得た。攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブにプロピレングリコール76.0部と水酸化カリウム3.6部を仕込んだ後、撹拌下にプロピレンオキサイド1709.0部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールに水110.2部とアルカリ吸着剤「キョーワード600」(協和化学工業社製)110.2部を投入して90℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、投入したKW−600をろ紙を敷いた濾過器で除去し、ろ過後のポリオールを130℃、圧力2.7kPaで脱水を行うことにより水酸基価が66.0のポリ(オキシプロピレン)ポリオールを得た。攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに前記水酸基価が66.0のポリ(オキシプロピレン)ポリオール1700.0部とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.13部を仕込んだ後、撹拌下にプロピレンオキサイド400.0部を反応温度が70〜80℃となるように制御しながら連続的に投入した。次に、水105.0部を投入して140℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、130℃、圧力2.7kPaで脱水を行うことにより、ポリ(オキシプロピレン)ポリオール(b−2)を得た。(b−2)の1分子当りの水酸基数は2、水酸基価は56.1、1級水酸基比率は65mol%であった。
<製造例2>
以下に記載の方法でポリオール(b−5)を得た。攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブにプロピレングリコール76.0部と水酸化カリウム6.5部を仕込んだ後、撹拌下にプロピレンオキサイド3162.9部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールに水200.0部とアルカリ吸着剤「キョーワード600」(協和化学工業社製)200.0部を投入して90℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、投入したKW−600をろ紙を敷いた濾過器で除去し、ろ過後のポリオールを130℃、圧力2.7kPaで脱水を行うことにより水酸基価が38.7のポリ(オキシプロピレン)ポリオールを得た。攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに前記水酸基価が38.7のポリ(オキシプロピレン)ポリオール2900.0部とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.21部を仕込んだ後、撹拌下にプロピレンオキサイド455.7部を反応温度が70〜80℃となるように制御しながら連続的に投入した。次に、水167.8部を投入して140℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、130℃、圧力2.7kPaで脱水を行うことにより、ポリ(オキシプロピレン)ポリオール(b−5)を得た。(b−5)の1分子当りの水酸基数は2、水酸基価は37.4、1級水酸基比率は65mol%であった。
<製造例3>
以下に記載の方法でポリオール(b−6)を得た。攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブにグリセリン92.0部と水酸化カリウム8.0部を仕込んだ後、撹拌下にプロピレンオキサイド3918.4部を反応温度が100〜110℃となるように制御しながら連続的に投入した。得られた触媒を含む粗ポリオールに水247.1部とアルカリ吸着剤「キョーワード600」(協和化学工業社製)247.1部を投入して90℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、投入したKW−600をろ紙を敷いた濾過器で除去し、ろ過後のポリオールを130℃、圧力2.7kPaで脱水を行うことにより水酸基価が45.5のポリ(オキシプロピレン)ポリオールを得た。攪拌装置及び温度制御装置付きのオートクレーブに前記水酸基価が45.5のポリ(オキシプロピレン)ポリオール3700.0部とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.26部を仕込んだ後、撹拌下にプロピレンオキサイド580.0部を反応温度が70〜80℃となるように制御しながら連続的に投入した。次に、水214.0部を投入して140℃に昇温し、1時間攪拌した。その後、130℃、圧力2.7kPaで脱水を行うことにより、ポリ(オキシプロピレン)ポリオール(b−6)を得た。(b−6)の1分子当りの水酸基数は3、水酸基価は42.1、1級水酸基比率は65mol%であった。
<実施例15〜22及び比較例5〜6>
<2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)の製造>
攪拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコにポリオール組成物(A)とイソシアネート(C)としてTDIを表2に示す部数で投入し、70℃で10時間反応を行い各2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)を得た。また、同様にして比較用のポリウレタン樹脂用主剤を得た。
<2液硬化型建築資材用硬化剤(E)の製造>
表2に示す部数の化合物(a)とポリオール(b)を混合し各2液硬化型建築資材用硬化剤(E)を得た。
また、表2に示す部数のポリオール(b)を比較用の硬化剤とした。
<樹脂物性測定用ウレタン樹脂フィルム(F)の製造>
得られた主剤(D)と硬化剤(E)および硬化触媒としてネオスタンU-600[日東化成性、ビスマス触媒]を表2に示す部数で混合し、厚み1mmとなるようにガラス板上に流延した後、80℃で6時間静置しウレタン樹脂フィルム(F)を得た。同様にして比較用のウレタン樹脂フィルムを得た。
<樹脂物性測定用ウレタン樹脂フィルム(F)の評価>
得られたウレタン樹脂フィルム(F)は25℃、湿度50%の恒温恒湿器内で一昼夜静置して樹脂の破断強度および破断伸びを測定し、樹脂物性初期値とした。測定した結果を表2に示す。
なお樹脂の破断強度および破断伸びはJIS K 7311に準拠して測定を行った。
さらに得られた樹脂は劣化試験(耐候性試験および耐熱性試験)を行い樹脂物性初期値同様の方法にて劣化後の破断強度、破断伸びを測定した。測定結果を表2に示す。
なお耐候性および耐熱性試験は以下の方法で実施した。
耐候性試験:メタルハライドランプを備えた耐候性試験機を使用、100mW/cm2を63℃×湿度50%条件下で4時間照射、その後照射なしで50℃×湿度90%で1時間静置した。
耐熱性試験:循風乾燥機内、110℃で120時間静置した。
<実施例23〜28及び比較例7〜8>
<1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(G)の製造>
攪拌棒および温度計をセットした4つ口フラスコにポリオール組成物(A)とイソシアネート(C)としてTDIを表3に示す部数で投入し、70℃で10時間反応を行い各1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用組成物(G)を得た。
また、同様にして比較用の1液硬化型ポリウレタン樹脂用組成物を得た。
<樹脂物性測定用ウレタン樹脂フィルム(H)の製造>
得られた樹脂組成物(G)を厚み1mmとなるようにガラス板上に流延した後、23℃、湿度50%の恒温恒湿器内で5日間静置しウレタン樹脂フィルム(H)を得た。同様にして比較用のウレタン樹脂フィルムを得た。
<樹脂物性測定用ウレタン樹脂フィルム(H)の評価>
得られたウレタン樹脂フィルム(H)は25℃、湿度50%の恒温恒湿器内で一昼夜静置して樹脂の破断伸びおよび破断強度を前記JIS K 7311に準拠して測定し樹脂物性初期値とした。測定した結果を表3に示す。さらに得られた樹脂は前記劣化試験を行い、初期値同様の方法にて劣化後の破断伸び、破断強度を測定した。測定結果を表3に示す。
炭素−炭素二重結合を有するエステル化合物(a)を含有する表2、3に記載の実施例15〜28のウレタン樹脂フィルムは、従来技術であるエステル化合物(a)を含有しない比較例5〜8のウレタン樹脂フィルムに比べて、上記のように過激な条件で耐候性試験や耐熱性試験を実施したときでも、樹脂が溶融してしまうことなく樹脂の形状を保持しており、樹脂物性も保持していることがわかった。
表2に記載された2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂において、ポリオール(b)の水酸基の1級水酸基比率が2mol%である実施例15〜17と1級水酸基比率が65mol%である実施例18を比較すると、1級水酸基比率が高い実施例18のほうが初期破断強度が高いことがわかった。
また、ポリオール(b)の水酸基の1級水酸基比率が2mol%である実施例21〜22と1級水酸基比率が65mol%である実施例19〜20を比較すると、1級水酸基比率が高い実施例19〜20のほうが初期破断強度、耐候性試験後の破断強度、及び耐熱性試験の破断強度が高いことがわかった。また実施例19〜20のほうが触媒量が少なくてすむことが判った。
本発明の建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)を用いたポリウレタン樹脂は、得られた樹脂の耐久性を向上できるため、接着剤、シーラント及び塗膜防水材等の建築用途に用いられるポリウレタン樹脂として非常に有用である。

Claims (5)

  1. 炭素数2〜20の多価アルコール(h1)及び炭素数2〜20の多価アルコールに炭素数2〜12のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(h2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオール化合物(h)と不飽和カルボン酸(j)とのエステル化合物(a)と、水酸基価が12〜700mgKOH/gであり1分子当たりの水酸基の数が2〜8であるポリオール(b)とを含有する建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物であって、前記エステル化合物(a)の割合が、エステル化合物(a)とポリオール(b)の合計重量に対して1.4〜15重量%であって、
    前記(h)が炭素数2〜20の2価アルコールに炭素数3のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールであり、
    前記(b)がポリエーテルポリオール(b2)であり、
    前記(b2)の水酸基がプロピレンオキサイドが付加してなる構造を有し、かつ前記(b2)の水酸基の1級水酸基比率が50mol%以上である建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)。
  2. 不飽和カルボン酸(j)の炭素−炭素二重結合が一般式(1)で表される請求項1に記載の組成物(A)。
    [式(1)中のRはCH3またはHを表す。]
  3. 請求項1又は2に記載の建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート(C)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有する2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用主剤(D)。
  4. 請求項1又は2に記載の建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)を含有する2液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用硬化剤(E)。
  5. 請求項1又は2に記載の建築資材用ポリウレタン樹脂用ポリオール組成物(A)とポリイソシアネート(C)とを反応させてなるウレタンプレポリマーを含有する1液硬化型建築資材用ポリウレタン樹脂用組成物(F)。
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