JP6306534B2 - ウェビング巻取装置 - Google Patents

ウェビング巻取装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6306534B2
JP6306534B2 JP2015077660A JP2015077660A JP6306534B2 JP 6306534 B2 JP6306534 B2 JP 6306534B2 JP 2015077660 A JP2015077660 A JP 2015077660A JP 2015077660 A JP2015077660 A JP 2015077660A JP 6306534 B2 JP6306534 B2 JP 6306534B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylindrical
spool
piston
pull
webbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015077660A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016196264A (ja
Inventor
康輔 三井田
康輔 三井田
角屋敷 晃
晃 角屋敷
薫 湯浅
薫 湯浅
弥 梁川
弥 梁川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2015077660A priority Critical patent/JP6306534B2/ja
Priority to PCT/JP2016/059982 priority patent/WO2016163265A1/ja
Priority to US15/561,811 priority patent/US10518744B2/en
Publication of JP2016196264A publication Critical patent/JP2016196264A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6306534B2 publication Critical patent/JP6306534B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
    • B60R22/4676Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up comprising energy-absorbing means operating between belt reel and retractor frame
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
    • B60R22/4628Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up characterised by fluid actuators, e.g. pyrotechnic gas generators
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
    • B60R22/4628Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up characterised by fluid actuators, e.g. pyrotechnic gas generators
    • B60R22/4633Linear actuators, e.g. comprising a piston moving along reel axis and rotating along its own axis
    • B60R2022/4638Linear actuators, e.g. comprising a piston moving along reel axis and rotating along its own axis comprising a piston moving along or in parallel to the reel axis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
    • B60R2022/468Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up characterised by clutching means between actuator and belt reel
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R22/00Safety belts or body harnesses in vehicles
    • B60R22/34Belt retractors, e.g. reels
    • B60R22/46Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up
    • B60R2022/4685Reels with means to tension the belt in an emergency by forced winding up with means to adjust or regulate the tensioning force in relation to external parameters

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

本発明は、スプールの引出方向への回転をロック部が規制した際に、スプールがフォースリミッタ荷重以上で引出方向への回転することを許容するウェビング巻取装置に関する。
下記特許文献1には、駆動装置が作動されることでフォースリミッタ荷重が切替えられるウェビング巻取装置が開示されている。このウェビング巻取装置の一部を構成する駆動装置は、筒状に形成されたシリンダ部と、当該シリンダ部の一方側の端部に取付けられたガスジェネレータと、シリンダ部内に配置されたピストン部と、を含んで構成されている。そして、ガスジェネレータが発生したガスの圧力によりピストン部がシリンダ部内を移動して、当該ピストン部が操作リングの段部を押圧することで、フォースリミッタ荷重が切替えられるようになっている。
特表2003−502204号公報
しかしながら、ガスジェネレータのガスが充填されるシリンダ部内の初期の容量(作動される前のガスジェネレータとピストン部との間の空間の容積)が安定しないと、ピストン部の作動力が安定しないことが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、ピストン部の作動力を安定させることができるウェビング巻取り装置を得ることが目的である。
請求項1記載のウェビング巻取装置は、乗員に装着されるウェビングが巻取られ、前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転されるスプールと、車両の緊急時に前記スプールの引出方向への回転を規制するロック部と、前記ロック部が前記スプールの引出方向への回転を規制した際に前記スプールのフォースリミッタ荷重以上での引出方向への回転を許容するフォースリミッタ機構と、変位されることで前記フォースリミッタ荷重を切替える切替部材と、筒状に形成された第1筒状部と、中心軸が前記第1筒状部の中心軸に対してオフセットして配置されていると共に前記第1筒状部に連通された第2筒状部と、前記第1筒状部と前記第2筒状部との境界部に設けられた被当接部と、を有するシリンダ部と、作動されて前記第2筒状部内にガスを供給するガス発生装置と、前記被当接部に当接された状態で前記第1筒状部内に配置されており、前記ガス発生装置が作動されて前記第2筒状部内及び前記第1筒状部内の圧力が上昇することで、前記第1筒状部に沿って移動されて、前記切替部材を押圧して変位させるピストン部と、を備え、前記第2筒状部から前記第1筒状部に掛けての前記シリンダ部内のガスの経路がクランク状に曲がっており、前記第1筒状部の前記第2筒状部側の部位は、前記第2筒状部における前記第1筒状部側の部位と径方向に重なっている
請求項2記載のウェビング巻取装置は、乗員に装着されるウェビングが巻取られ、前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転されるスプールと、車両の緊急時に前記スプールの引出方向への回転を規制するロック部と、前記ロック部が前記スプールの引出方向への回転を規制した際に前記スプールのフォースリミッタ荷重以上での引出方向への回転を許容するフォースリミッタ機構と、変位されることで前記フォースリミッタ荷重を切替える切替部材と、筒状に形成された第1筒状部と、中心軸が前記第1筒状部の中心軸に対してオフセットして配置されていると共に前記第1筒状部に連通された第2筒状部と、前記第1筒状部と前記第2筒状部との境界部に設けられた被当接部と、を有するシリンダ部と、作動されて前記第2筒状部内にガスを供給するガス発生装置と、前記被当接部に当接された状態で前記第1筒状部内に配置されており、前記ガス発生装置が作動されて前記第2筒状部内及び前記第1筒状部内の圧力が上昇することで、前記第1筒状部に沿って移動されて、前記切替部材を押圧して変位させるピストン部と、を備え、前記ピストン部の外周部には、該ピストン部と前記第1筒状部との間をシールすると共に弾性を有する材料を用いて形成されたシール部材が嵌まり込む凹溝が形成されており、前記ピストン部において前記凹溝が形成された部位よりも前記被当接部側には、前記凹溝と連通されていると共に前記ガス発生装置のガスが通過する連通部が設けられている
請求項3記載のウェビング巻取装置は、請求項1又は請求項2記載のウェビング巻取装置において、前記ピストン部の外周部には、該ピストン部と前記第1筒状部との間をシールすると共に弾性を有する材料を用いて形成されたシール部材が取付けられており、前記ピストン部において前記シール部材が取付けられた部分よりも前記被当接部側の部位が窄まっている。
請求項1記載のウェビング巻取装置では、乗員に装着されるウェビングがスプールに巻取られており、このウェビングがスプールから引出されることで、当該ウェビングが乗員に装着されるようになっている。また、車両の緊急時には、スプールの引出方向への回転がロック部によりロックされる。この状態で、ウェビングが引出される方向へ引張られて、スプールに作用する荷重がフォースリミッタ荷重以上となると、スプールの引出方向への回転が許容される。
また、本発明のウェビング巻取装置では、ガス発生装置が作動されて、当該ガス発生装置が発生したガスがピストン部の第2筒状部内に供給されると、第2筒状部内及び当該第2筒状部と連通された第1筒状部内の圧力が高まる。これにより、第1筒状部内に設けられたピストン部が、第1筒状部内に沿って移動される。そして、移動されたピストン部が切替部材を押圧して変位させることで、フォースリミッタ荷重が切替えられる。
ここで、本発明のウェビング巻取装置では、ピストン部が、シリンダ部における第1筒状部と第2筒状部との境界部に設けられた被当接部に当接された状態で当該第1筒状部内に配置されている。当該配置とすることにより、シリンダ部内におけるピストン部とガス発生装置との間の空間の容積が安定し、ガス発生装置が作動された際のシリンダ部内の圧力上昇特性が安定する。これにより、ピストン部の作動力を安定させることができる。
請求項2記載のウェビング巻取装置では、第2筒状部内から第1筒状部内に流れ込んだガス発生装置のガスをピストン部に設けられた連通部を通じてシール部材が嵌まり込む凹溝内に速やかに流すことができる。これにより、シール部材周辺の圧力上昇速度を速めることができる。その結果、ガス発生装置が作動された際に、シール部材を速やかに変形させることが可能となり、シール部材によるガスのシール性を高めることができる。
請求項3記載のウェビング巻取装置では、ピストン部においてシール部材が取付けられた部分よりもシリンダ部の被当接部側の部位が、当該被当接部側に向かうにつれて窄まるように形成されている。これにより、第2筒状部から第1筒状部内に流れ込んだガス発生装置のガスをシール部材側に向けて速やかに流すことができ、シール部材周辺の圧力上昇速度を速めることができる。その結果、ガス発生装置が作動された際に、シール部材を速やかに変形させることが可能となり、シール部材によるガスのシール性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るウェビング巻取装置の主要部の構成を示す分解斜視図である。 図1に示されるウェビング巻取装置のクラッチ機構の構成を示す分解斜視図である。 図1に示されるウェビング巻取装置のクラッチ機構をスプールとは反対側から見た分解斜視図である。 図2及び図3に示されるウェビング巻取装置のクラッチ機構をスプールとは反対側から見た正面図である。 (A)は、図4に示されるクラッチ機構のクラッチプレートがロックリング側へ回動し始めた状態を示す図であり、(B)は、クラッチプレートがロックリングに噛合った状態を示す図である。 図1に示されるウェビング巻取装置のフォースリミッタ荷重切替機構を示す分解斜視図である。 図6に示されたフォースリミッタ荷重切替機構の組立完了時の状態を示す斜視図である。 (A)(B)(C)及び(D)は、フォースリミッタ荷重切替機構の一部を構成するピストン部をそれぞれ示す左側面図、底面図、右側面図及び背面図である。 (A)(B)及び(C)は、フォースリミッタ荷重切替機構の一部を構成するシリンダ部をそれぞれ示す右側面図、正面図、及び右側面図であり、(D)は、(B)に示された9D−9D線に沿って切断したシリンダ部の断面を示す断面図である。 シリンダ部の第1筒状部内に挿入されることで当該シリンダ部の被当接部に当接されたピストン部を示す拡大断面図である。 組立完了時のクラッチ機構を示す正面図である。 (A)は、図11に示された組立完了時のクラッチ機構を示す側面図であり、(B)は、クラッチプレートがクラッチプレート収容部内に収容された状態に仮保持がなされた状態のクラッチ機構を示す側面図である。
図1〜図12を用いて、本発明の実施形態に係るウェビング巻取装置について説明する。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係るウェビング巻取装置10は、フレーム12と、スプール20と、ウェビング22と、ロック部としてのロックギヤ24と、フォースリミッタ機構31を構成するメイントーションシャフト32、トリガワイヤ40、サブトーションシャフト44及びクラッチ機構52と、を備えている。また、図6に示されるように、ウェビング巻取装置10は、フォースリミッタ荷重切替機構120を備えている。以下、先ずフレーム12について説明し、次いでスプール20、ウェビング22、ロックギヤ24、メイントーションシャフト32、トリガワイヤ40、サブトーションシャフト44、クラッチ機構52及びフォースリミッタ荷重切替機構120についてこの順で説明する。
図1に示されるように、フレーム12は、平面視で略凹形状に形成されていると共に、車体に固定される板状の背板14を備えている。また、背板14の幅方向両端部からは脚片16,18が略直角に延出されている。なお、脚片18の外側には、周知のロック機構(図示省略)が取付けられている。
スプール20は、軸方向に貫通する貫通孔21を有する円筒状に形成されており、フレーム12の脚片16と脚片18との間に配置されている。スプール20は、軸線方向が脚片16と脚片18との対向方向に沿う状態で配置されており、後述するメイントーションシャフト32、サブトーションシャフト44等を介してフレーム12に回転可能に支持されている。
ウェビング22は、乗員の身体に装着されるものであり、その長手方向一端部である基端部がスプール20に係止されている。スプール20は、一方の回転方向である巻取方向(図1等の矢印Aの方向)へ回転することでウェビング22を基端側から巻取って収納する構成となっている。
ロックギヤ24は、スプール20の軸方向一方側にスプール20と同軸上に配置されている。このロックギヤ24の外周部にはギヤ部26が形成されている。また、このロックギヤ24の軸心部には、軸方向に貫通する貫通孔28が形成されており、当該貫通孔28の内周部には、スプライン状の被係合部30が形成されている。
ロックギヤ24は、車両の急減速時及びスプール20が急激に引出方向へ回転した際に、ロック部材(図示省略)と係合する。その結果、ロックギヤ24の引出方向(図1等の矢印Bの方向)への回転が規制(ロック)され、スプール20の引出方向への回転が規制される。
メイントーションシャフト32は、スプール20及びロックギヤ24と同軸上に配置されていると共に、スプール20の貫通孔21及びロックギヤ24の貫通孔28にそれぞれ挿入されている。このメイントーションシャフト32には、その長手方向中央部にスプライン状の第一係合部34が形成されると共に、その先端部に同じくスプライン状の第二係合部36が形成されている。そして、この第一係合部34がロックギヤ24の被係合部30と係合されることにより、メイントーションシャフト32は、ロックギヤ24に一体回転可能に固定されている。また、第二係合部36が、スプール20の内周部における軸線方向中間部に形成された図示しない被係合部と係合されることにより、メイントーションシャフト32がスプール20に一体回転可能に固定されている。このメイントーションシャフト32における第一係合部34と第二係合部36との間の部分は、後述する如くウェビング22の引張りに供される乗員の運動エネルギを吸収するための第一エネルギ吸収部38として構成されている。
トリガワイヤ40の基端部40Aは、ロックギヤ24における貫通孔28よりも径方向外側の位置に形成された孔部29に挿入されて、ロックギヤ24に係止されている。一方、トリガワイヤ40における基端部40Aよりも先端側は、貫通孔21と並行してスプール20に形成された孔部42に挿入されており、その先端部40Bは、スプール20から軸方向他方側に突出されている。
サブトーションシャフト44は、メイントーションシャフト32と同軸上に配置されており、その長手方向中央部よりも基端側は、スプール20の貫通孔21に挿入されている。一方、このサブトーションシャフト44の長手方向中央部よりも先端側は、スプール20から軸方向他方側に突出されている。このサブトーションシャフト44には、その基端部に少なくとも一部がスプライン状の第一係合部46が形成されると共に、その先端部には、同じくスプライン状の第二係合部48が形成されている。また、第一係合部46は、スプール20の内周部における軸線方向中間部に形成された図示しない被係合部と係合されており、これにより、サブトーションシャフト44は、スプール20に一体回転可能に固定されている。さらに、このサブトーションシャフト44における第一係合部46と第二係合部48との間の部分は、後述する如くウェビング22の引張りに供される乗員の運動エネルギを吸収するための第二エネルギ吸収部50として構成されている。
図2及び図3に示されるように、クラッチ機構52は、スリーブ54と、クラッチガイド64と、クラッチベース82と、クラッチカバー88と、一対のクラッチプレート100と、スクリュー108と、一対のコイルスプリング98とを備えている。なお、図5(A)には、このクラッチ機構52の作動途中の状態が示されており、図5(B)には、このクラッチ機構52の作動が完了した状態が示されている。
図3に示されるように、スリーブ54は、サブトーションシャフト44と同軸上に配置されている。このスリーブ54の軸心部には、軸方向に貫通する貫通孔56が形成されており、この貫通孔56には、上述のサブトーションシャフト44が遊挿されている。また図2に示されるように、このスリーブ54の内周部における先端側には、スプライン状の被係合部58が形成されている。そして、この被係合部58にサブトーションシャフト44の第二係合部48(図3参照)が係合されることにより、スリーブ54は、サブトーションシャフト44に一体回転可能に固定されている。また、このスリーブ54における基端側は、円形状の外形を有する支持部60とされており、このスリーブ54における支持部60よりも先端側は、六角形状の外形を有する嵌合部62とされている。
クラッチガイド64は、樹脂製とされており、軸方向に貫通する貫通孔66を有する環状に形成されている。この貫通孔66には、上述の支持部60が挿入されており、これにより、クラッチガイド64は、スリーブ54に相対回転可能に支持されている。このクラッチガイド64における周方向の二箇所の位置には、コイルスプリング98を収容する一対のコイルスプリング収容部68が形成されている。これらのコイルスプリング収容部68は、クラッチガイド64の中央部を中心とする点対称状に配置されており、それぞれ、クラッチガイド64の周方向に延びる外側壁部70及び内側壁部72と、クラッチガイド64の径方向に延びて外側壁部70と内側壁部72の各端部を連結する連結壁部74とを有する略J字形状に形成されている。また、外側壁部70には、周方向を長手方向とする長孔状のガイド孔70Aが形成されている。
また、このクラッチガイド64には、クラッチプレート100を収容する一対のクラッチプレート収容部76が各コイルスプリング収容部68に隣接して形成されている。これらのクラッチプレート収容部76には、連結壁部74から内側壁部72と反対側に向けて延びる第一支持壁部78と、連結壁部74に対する外側壁部70とは反対側に連結壁部74と離間して第二支持壁部80と、が立設されている。
クラッチベース82は、環状の被嵌合部84を有して構成されている。この被嵌合部84の内側には、スリーブ54の嵌合部62が嵌合(圧入)されており、これにより、クラッチベース82は、スリーブ54に一体回転可能に固定されている。なお、他の実施形態では、スリーブ54とクラッチベース82を一体に形成してもよい。また、このクラッチベース82には、被嵌合部84から外側に突出する一対の係止部86が形成されている。これらの係止部86は、後述するクラッチプレート100に形成されたアーム部102の基端部と係止されている。
クラッチカバー88は、スリーブ54と同軸上に配置されると共に、クラッチガイド64に対してスプール20とは反対側に配置され、かつクラッチガイド64と対向して配置されている。このクラッチカバー88は、軸方向に貫通する貫通孔90を有する環状に形成されており、その内周部には、径方向内側に突出する嵌合爪92が複数形成されている。そして、貫通孔90にスリーブ54の嵌合部62が挿入されると共に、複数の嵌合爪92が嵌合部62と嵌合されることにより、クラッチカバー88は、スリーブ54、ひいては、サブトーションシャフト44に一体回転可能に固定されている。
また、このクラッチカバー88における周方向の二箇所の位置には、一対のスプリング係止爪部94が設けられており、これら一対のスプリング係止爪部94は、クラッチカバー88の中央部を中心とする点対称状に配置されている。そして、これら一対のスプリング係止爪部94には、クラッチガイド64のコイルスプリング収容部68に配置されたコイルスプリング98の一端部がそれぞれ係止されている。また、一方のスプリング係止爪部94の外周部には、ガイド爪部96が設けられている。そして、このガイド爪部96が、クラッチガイド64に設けられたガイド孔70A内に配置されると共に当該ガイド孔70Aに沿って移動されることにより、クラッチガイド64が、クラッチカバー88に対して、図5(B)に示される作動位置と、図4に示される非作動位置との間で相対回転可能とされている。
図2に示されるように、クラッチプレート100は、クラッチカバー88とクラッチガイド64との間に配置されている。このクラッチプレート100は、アーム部102と、このアーム部102の先端部に形成された円弧部104とを有している。アーム部102の基端部には、クラッチカバー88側に突出すると共にサブトーションシャフト44の軸方向に沿って延びる回動軸106が形成されている。そして、この回動軸106がクラッチカバー88に形成された孔部89に挿入されることにより、クラッチプレート100は、クラッチカバー88に回動可能に支持されている。また、円弧部104の外周部(クラッチプレート100の先端部)には、平歯状のローレット歯104Aが形成されている。
図3に示されるように、スクリュー108は、ネジ部110と、このネジ部110よりも大径の押え部112とを有して構成されている。ネジ部110は、サブトーションシャフト44の先端部に形成されたネジ孔45(図1参照)に螺合されており、これにより、スクリュー108は、サブトーションシャフト44の先端部に固定されている。また、このように、スクリュー108がサブトーションシャフト44の先端部に固定された状態では、スリーブ54の先端部に押え部112が当接される。そして、これにより、スリーブ54のサブトーションシャフト44に対する抜き方向への移動が制限されている。なお、この状態では、クラッチガイド64は、クラッチカバー88とスプール20とによって軸方向の移動を制限されている。
また、図2及び図3に示されるように、上述のクラッチガイド64及びクラッチカバー88には、孔部65,91がそれぞれ形成されている。これらの孔部65,91は、クラッチガイド64がクラッチカバー88に対して非作動位置に配置された状態で互いに対向するように形成されており、これらの孔部65,91には、トリガワイヤ40の先端部40B(図1参照)がそれぞれ挿入されている。これにより、クラッチガイド64は、非作動位置に配置された状態でスプール20及びクラッチカバー88に対する相対回転を制限されている(クラッチガイド64が非作動位置に拘束されている)。
またさらに、上述の如くクラッチガイド64が非作動位置に拘束された状態では、コイルスプリング98が、クラッチガイド64のコイルスプリング収容部68(連結壁部74)とクラッチカバー88のスプリング係止爪部94との間で圧縮されている。
一方、この状態では、クラッチカバー88の孔部89(クラッチプレート100の回動軸106)と連結壁部74との間隔が十分に確保された状態となり、クラッチプレート100は、ローレット歯104Aがクラッチガイド64の外周部よりも内側に納まるように、クラッチプレート収容部76に収容される。また、この状態では、円弧部104の先端に連結壁部74が当接されている。
次に、本実施形態の要部であるフォースリミッタ荷重切替機構120について説明する。
図6及び図7に示されるように、フォースリミッタ荷重切替機構120は、箱状に形成されたボディ122と、ガス発生装置としてのガスジェネレータ194と、このガスジェネレータ194によって発生したガスの圧力を受けて作動するピストン部160と、ピストン部160の一部を内部に収容するシリンダ部204と、を備えている。また、フォースリミッタ荷重切替機構120は、ピストン部160に押圧されることで変位される切替部材としてのパウル150と、このパウル150によって回転が規制され又はこの規制が解除されるロックリング190と、を備えている。
ボディ122は、樹脂材料を用いて形成されていると共に、フレーム12の脚片16側(図1参照)へ開口するように形成されている。具体的には、ボディ122は、後述するパウル150、ピストン部160の一部が収容される第1収容部124と、ロックリング190が収容される第2収容部125と、を備えている。
第1収容部124には、ピストン部160を移動可能に収容する収容溝130がフレーム12の脚片16側(図1参照)へ開口するように形成されている。さらに、第1収容部124には、パウル150が収容されると共に、上記の収容溝130と接続された凹部132がフレーム12の脚片16側(図1参照)へ開口するように形成されている。また、凹部132には、パウル150の軸部152を回転可能に支持する軸支部132Aが立設置されていると共にパウル150の支持部132A回りの回転を規制するシェアピン132Bが立設されている。
第2収容部125には、ロックリング190が収容される凹部138がフレーム12の脚片16側(図1参照)へ開口するように形成されている。また、この凹部138には、スプール20(図1参照)の軸芯と同芯となる円形の開口140が形成されている。また、第2収容部125には、凹部138内に配置されたロックリング190に係合することで当該ロックリング190の脚片16側への移動を規制する3つのロックリング係合爪部139が設けられている。
以上説明したボディ122は、脚片16外側(図1参照)に固定されている。
ガスジェネレータ194は、略円柱状に形成されていると共に、一端部はガスが噴出するガス噴出部194Aとされていると共に、他端部は配線が接続される配線接続部194Bとされている。このガスジェネレータ194は、ガス噴出部194A側から後述するシリンダ部204の第2筒状部204Bに挿入されると共に、固定部材195を用いてシリンダ部204に固定されている。
パウル150は、金属製の材料を用いてブロック状に形成されていると共に、断面略円形状の軸部152と、この軸部152の径方向外側へ延出するように形成されたアーム部154及び係合部156と、を備えている。また、軸部152は、ボディ122の第1収容部124に設けられた軸支部132Aに回転可能に支持されている。また、パウル150には、断面円形状の係止孔158が形成されている。そして、ボディ122の第1収容部124に設けられたシェアピン132Bが係止孔158に挿入されることで、パウル150の支持部132A回りの回転が規制されるようになっている。また、シェアピン132Bが係止孔158に挿入された状態では、係合部156が後述するロックリング190の切欠部192に係合している。なお、この状態のパウル150の位置を「ロック位置」というものとする。また、パウル150がロック位置に位置している状態では、アーム部154が後述するピストン部160の押圧部160Cと近接して配置されるようになっている。
図4に示されるように、ロックリング190は、金属製の材料を用いて略環状に形成されており、このロックリング190は、クラッチ機構52の外周側において、クラッチ機構52と同軸上に配置されている。また、図6に示されるように、ロックリング190の内周部には、平歯状のローレット歯190Aが形成されている。さらに、ロックリング190の外周部には、断面略三角形状の切欠部192が形成されており、この切欠部192はロックリング190の径方向外側へ開口されている。また、ロックリング190の外周部には、縁部が略U字状とされた3つの被係合凹部193が形成されており、この被係合凹部193はロックリング190の径方向外側へ開口されている。また、3つの被係合凹部193は、ロックリング190の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。そして、ボディ122の第2収容部125に設けられた3つのロックリング係合爪部139が3つの被係合凹部193にそれぞれ係合されることで、ロックリング190の脚片16(図1参照)側への移動が規制されるようになっている。なお、以上説明したロックリング190は、ボディ122の第2収容部125に形成された凹部138に収容された状態で、当該ボディ122に対して回転可能に支持されている。
図8(A)〜(C)に示されるように、ピストン部160は、樹脂材料を用いて形成されており、このピストン部160の基端側は、略円柱状に形成されていると共に後述するシリンダ部204の第1筒状部204Aに挿入される挿入部160Aとされている。また、挿入部160Aの軸方向の中間部の外周部には、その周方向に沿って凹溝としてのOリング取付溝160Bが形成されている。このOリング取付溝160Bは、底壁K1と、一対の側壁K2,K3とを有することにより挿入部160Aの径方向外側が開放された凹状に形成されている。そして、ゴム等の粘弾性を有する材料を用いて形成されたシール部材としてのOリング208が、Oリング取付溝160Bの底壁K1及び一対の側壁K2,K3に囲まれた領域に配置されることで、Oリング208がピストン部160に取付けられている。このOリング208によって、ガスジェネレータ194が発生したガスが挿入部160Aと後述する第1筒状部204Aとの間から漏出すことが防止されている。
また、挿入部160Aにおいて後述する押圧部160Cが設けられた側とは反対側の端部は、すなわち、挿入部160AにおいてOリング取付溝160Bが形成された部位よりも基端側の部位は、押圧部160Cとは反対側に向かうにつれて次第に窄まるように形成された窄み部160Dとされている。また、窄み部160Dには、縁部が略V字状とされた連通部としての4つのV字溝160Eが形成されており、このV字溝160Eの一端部は、Oリング取付溝160Bに接続されている。換言すると、図8(D)に示されるように、挿入部160Aを基端側から見て、V字溝160Eが形成された部位は、Oリング208とOリング取付溝160Bの側壁K3とがオーバーラップしないようになっている。また、窄み部160Dにおける押圧部160Cとは反対側の端面は、後述する第1筒状部204A内に設けられた被当接部204Eに当接する当接部160Fとされている。
また、ピストン部160の先端側には、パウル150のアーム部154(図6参照)を押圧する押圧部160Cが設けられている。さらに、ピストン部160の先端側には、ボディ122の第1収容部124に設けられた収容溝130(図6参照)内に配置されると共に当該収容溝130に沿って移動するガイドブロック部160Gが押圧部160Cと隣合って設けられている。
図9(A)〜(D)に示されるように、シリンダ部204は、金属製の材料を用いて形成されている。具体的には、シリンダ部204は、筒状に形成されていると共に前述のピストン部160の挿入部160A(図8参照)が挿入される第1筒状部204Aと、当該第1筒状部204Aに連通されていると共に内部にガスジェネレータ194のガスが供給される第2筒状部204Bと、を備えている。第1筒状部204Aの内周面は、前述のOリング208の形状に対応して円筒面状に形成されている。また、第1筒状部204Aの第2筒状部204B側の部位204Cは、第2筒状部204Bにおける第1筒状部204A側の部位204Dと径方向に重なっている。
第2筒状部204Bの中心軸L2は、第1筒状部204Aの中心軸L1に対して当該第1筒状部204Aの径方向にオフセットして配置されている。これにより、第2筒状部204Bから第1筒状部204Aに掛けてのシリンダ部204内のガスの経路がクランク状に曲がっている。また、シリンダ部204内のガスの経路がクランク状に形成されていることにより、第1筒状部204Aと第2筒状部204Bとの境界部には、すなわち、第1筒状部204Aにおける第2筒状部204B側の端部には、ピストン部160の当接部160Fが当接する被当接部204Eが形成されている。そして、図10に示されるように、ピストン部160の当接部160Fが被当接部204Eに当接された状態が、ピストン部160のシリンダ部204への組付け完了状態となるように設定されている。
また、図9(A)〜(D)に示されるように、第2筒状部204Bにおける第1筒状部204Aとは反対側の端部は、ガスジェネレータ194が係合される被係合部204Fとされている。さらに第2筒状部204Bにおいて被係合部204Fよりも第1筒状部204A側の部位には、2箇所の段差部204Gが形成されている。これにより、第2筒状部204Bの流路面積が、第1筒状部204A側に向かうにつれて狭くなるように設定されている。
図9(A)〜(C)に示されるように、シリンダ部204は、舌片状に形成された固定フランジ部204Hを備えている。そして、このフランジ部204Hがボディ122に固定されることで、シリンダ部204がボディ122に取付けられるようになっている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係るウェビング巻取装置10では、スプール20、ロックギヤ24、メイントーションシャフト32、サブトーションシャフト44、及びクラッチ機構52(スリーブ54、クラッチベース82、クラッチプレート100及びスクリュー108を含む)が一体に巻取方向及び引出方向へ回転可能に構成されている。そのため、ウェビング22がスプール20から引出されることで、ウェビング22が車両の乗員の身体に装着されるようになっている。また、ウェビング22が車両の乗員の身体に装着された状態で、例えば、車両が急減速状態になり、ロック機構が作動すると、ロックギヤ24の引出方向への回転が阻止される。その結果、このロックギヤ24にメイントーションシャフト32を介して連結されたスプール20の引出方向への回転が制限されて、スプール20からのウェビング22の引出しが制限される。したがって、車両前方へ移動しようとする乗員の身体がウェビング22によって拘束される。
また、ロックギヤ24の引出方向への回転が阻止された状態で、更に大きな力で乗員の身体がウェビング22を引張り、この引張力に基づく引出方向へのスプール20の回転力がメイントーションシャフト32の第一エネルギ吸収部38の耐捩れ荷重(耐変形荷重)を上回ると、フォースリミッタ機構31が作動されて、第一エネルギ吸収部38の捩れ(変形)により、スプール20のフォースリミッタ荷重(第一エネルギ吸収部38の耐捩れ荷重)以上での引出方向への回転が許容される。
したがって、第一エネルギ吸収部38の捩れによりスプール20が引出方向へ回転されてスプール20からウェビング22が引出されることで、ウェビング22による乗員の胸部への負荷(負担)が軽減される。また第一エネルギ吸収部38の捩れ分だけウェビング22の引張りに供される乗員の運動エネルギが吸収される。
一方、上述のように、ロックギヤ24に対してスプール20が引出方向に回転されるということは、ロックギヤ24がスプール20に対して相対的に巻取方向へ回転されると言うことである。したがって、ロックギヤ24がスプール20に対して巻取方向へ相対回転されると、トリガワイヤ40における基端部40Aよりも先端側がスプール20の孔部42に挿入されたまま、このトリガワイヤ40の基端部40Aがメイントーションシャフト32の周方向に移動されるので、このトリガワイヤ40における基端部40Aよりも先端側が孔部42に対してロックギヤ24側に引張られる。
これにより、トリガワイヤ40の先端部40Bがクラッチガイド64の孔部65とクラッチカバー88の孔部91から引抜かれて、スプール20及びクラッチカバー88に対するクラッチガイド64の相対回転の阻止状態が解消される。
そして、コイルスプリング98の付勢力により、クラッチガイド64が非作動位置から作動位置へと回転されると、クラッチカバー88の孔部89(クラッチプレート100の回動軸106)とクラッチガイド64の連結壁部74との間隔が短くなり、クラッチプレート100の円弧部104の先端が連結壁部74によってクラッチガイド64の接線方向に押圧(案内)される。これにより、クラッチプレート100がロックリング190側へ回動され(図5(A)の矢印R参照)、クラッチプレート100のローレット歯104Aがロックリング190のローレット歯190Aと噛合う(図5(B)図示状態)。これにより、クラッチプレート100とロックリング190とが結合される。また、このときには、クラッチベース82に形成された係止部86がクラッチプレート100のアーム部102の基端部を引出方向へ押すことにより、クラッチプレート100がロックリング190に押付けられ、両者の結合状態が維持される。これにより、クラッチ機構52(スリーブ54、クラッチベース82及びクラッチプレート100)の引出方向への回転と一体に、ロックリング190が引出方向へ回転しようとする。
また、図示しない制御装置は、体格検出手段からの信号に基づいて、乗員の体格が予め定められた基準値以上であるか否かを判定すると共に、衝突検出手段からの信号に基づいて、車両が衝突したか否かを判定している。そして、制御装置が、乗員の体格が予め定められた基準値以上であると判定した場合では、図6及び図7に示されたガスジェネレータ194が作動されないため、パウル150の係合部156が、ロック位置に配置されて、ロックリング190の切欠部192に係合している。このため、ロックリング190の引出方向への回転がロック(阻止)されることで、クラッチ機構52(スリーブ54、クラッチベース82及びクラッチプレート100)の引出方向への回転が阻止される。
そして、図1に示されるように、スリーブ54の引出方向への回転が阻止された状態で、更に大きな力で乗員の身体がウェビング22を引張り、この引張力に基づく引出方向へのスプール20の回転力がメイントーションシャフト32の第一エネルギ吸収部38の耐捩れ荷重(耐変形荷重)とサブトーションシャフト44の第二エネルギ吸収部50の耐捩れ荷重(耐変形荷重)との合計を上回ると、第一エネルギ吸収部38及び第二エネルギ吸収部50の捩れ(変形)により、スプール20のフォースリミッタ荷重(第一エネルギ吸収部38の耐捩れ荷重と第二エネルギ吸収部50の耐捩れ荷重との合計)以上での引出方向への回転が許容される。
したがって、第一エネルギ吸収部38及び第二エネルギ吸収部50の捩れによりスプール20が引出方向へ回転されてスプール20からウェビング22が引出されることで、ウェビング22による乗員の胸部への負荷(負担)が軽減されると共に、第一エネルギ吸収部38及び第二エネルギ吸収部50の捩れ分だけウェビング22の引張りに供される乗員の運動エネルギが吸収される。
一方、制御装置が、体格検出手段からの信号に基づいて、乗員の体格が予め定められた基準値未満であると判定すると共に、衝突検出手段の信号に基づいて、車両が衝突したと判定した場合には、制御装置の制御により図6及び図7に示されたガスジェネレータ194が作動される。
ガスジェネレータ194が作動されると、ガスジェネレータ194のガス噴出部194Aから噴出したガスが、シリンダ部204の第2筒状部204B内に供給され、第2筒状部204B内及び当該第2筒状部204Bと連通された第1筒状部204A内の圧力が高まる。これにより、第1筒状部204A内に設けられたピストン部160が、第1筒状部204A内に沿って移動される。そして、移動されたピストン部160の押圧部160Cがパウル150のアーム部154を押圧する。その結果、パウル150の係止孔158に挿通されたシェアピン132Bがせん断され、パウル150が軸支部132Aを軸中心として回転される。そして、パウル150の係合部156とロックリング190の切欠部192との係合が外れる(この状態のパウル150の位置を「解除位置」という)。その結果、ロックリング190の引出方向への回転が許容されることで、クラッチ機構52(スリーブ54、クラッチベース82及びクラッチプレート100)及びスプール20と共にロックリング190が引出方向へ回転可能にされる。このため、第二エネルギ吸収部50に捩れは生じないため、第一エネルギ吸収部38の捩れ(変形)により、スプール20のフォースリミッタ荷重(第一エネルギ吸収部38の耐捩れ荷重)以上での引出方向への回転が許容される。
すなわち、乗員の体格が予め定められた基準値以上である場合では、フォースリミッタ荷重が第一エネルギ吸収部38の耐捩れ荷重と第二エネルギ吸収部50の耐捩れ荷重との合計にされて、フォースリミッタ荷重の荷重値が高荷重にされる。一方、乗員の体格が予め定められた基準値未満であり、車両の衝突が検出された場合には、フォースリミッタ荷重が第一エネルギ吸収部38の耐捩れ荷重にされて、フォースリミッタ荷重の荷重値が低荷重にされる。このため、乗員を体格に応じて適切に保護することができる。
ここで、本実施形態では、図10に示されるように、ピストン部160の当接部160Fがシリンダ部204に設けられた被当接部204Eに当接された状態が、ピストン部160のシリンダ部204への組付け完了状態となるように設定されている。当該設定とすることにより、シリンダ部204内におけるピストン部160とガスジェネレータ194との間の空間の容積が安定し、ガスジェネレータ194が作動された際のシリンダ部204内の圧力上昇特性を安定させることができる。これにより、ピストン部160の作動力(ピストン部160からパウル150に入力される荷重)を安定させることができる。
また、本実施形態では、シリンダ部204内におけるピストン部160とガスジェネレータ194との間の空間の容積に過度なバラつきが生じないため、当該過度な容積のバラつきを考慮してガスジェネレータ194の出力を設定しなくてもよい。すなわち、当該過度な容積のバラつきを考慮してガスジェネレータ194の出力を高めなくてもよい。これにより、ガスジェネレータ194の体格の大型化を抑制することができ、ひいては、フォースリミッタ荷重切替機構120の体格の大型化を抑制することができる。
また、本実施形態では、ピストン部160の挿入部160AにおいてOリング取付溝160Bが形成された部位よりも基端側の部位が、押圧部160Cとは反対側に向かうにつれて次第に窄まるように形成された窄み部160Dとされている。これにより、第2筒状部204Bから第1筒状部204A内に流れ込んだガスジェネレータ194のガスをOリング208側に向けて速やかに流すことができ、Oリング208周辺の圧力上昇速度を速めることができる。その結果、ガスジェネレータ194が作動された際に、Oリング208を速やかに変形させる(Oリング208をピストン部160の挿入部160Aの軸方向に潰れるように変形させる)ことが可能となり、Oリング208によるガスのシール性を高めることができる。
さらに、本実施形態では、4つのV字溝160Eが窄み部160Dに形成されている。これにより、第2筒状部204Bから第1筒状部204A内に流れ込んだガスジェネレータ194のガスを窄み部160Dに形成された4つのV字溝160Eを通じてOリング208が嵌まり込むOリング取付溝160B内に速やかに流すことができ、Oリング208周辺の圧力上昇速度を速めることができる。その結果、ガスジェネレータ194が作動された際に、Oリング208を速やかに変形させる(Oリング208をピストン部160の挿入部160Aの軸方向に潰れるように変形させる)ことが可能となり、Oリング208によるガスのシール性を高めることができる。
また、本実施形態では、ガスジェネレータ194のガスが供給される第2筒状部204Bの流路面積が、第1筒状部204A側に向かうにつれて狭くなるように設定されている。これにより、ガスジェネレータ194のガスを第1筒状部204Aに速やかに流すことが可能となる。その結果、ガスジェネレータ194の作動開始からピストン部160の移動開始までの時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施形態では、ガスジェネレータ194のガスが供給される第2筒状部204Bの流路面積を第1筒状部204A側に向かうにつれて狭くなるように設定した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。第2筒状部204Bの流路面積を上記のように設定するか否かについては、シリンダ部204内におけるピストン部160とガスジェネレータ194との間の空間の容積等を考慮して適宜設定すればよい。
また、本実施形態では、ピストン部160に窄み部160Dを設けると共に当該窄み部160DにV字溝160Eを設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ピストン部160に窄み部160D及びV字溝160Eを設けるか否かについてはOリング208のシール性等を考慮して適宜設定すればよい。
(クラッチ機構52の仮保持構造)
次に、図11及び図12を用いて、本実施形態のクラッチ機構52の仮保持構造について説明する。
図11に示されるように、本実施形態のクラッチ機構52では、クラッチカバー88のガイド爪部96が、クラッチガイド64に設けられたガイド孔70A内に配置されると共に当該ガイド孔70Aに沿って移動されることにより、クラッチガイド64が、クラッチカバー88に対して、図5(B)に示された作動位置と、図4に示された非作動位置との間で相対回転可能とされている。
また、ウェビング巻取装置10の組立工程においては、トリガワイヤ40の先端部40B(図1参照)が、クラッチガイド64及びクラッチカバー88に形成された孔部65,91(図1参照)にそれぞれ挿入される(トリガワイヤ挿入工程)。これにより、クラッチガイド64が非作動位置に拘束されるようになっている。
ところで、図11に示されるように、クラッチ機構52が組立てられた状態では、一対のコイルスプリング98の付勢力により、クラッチガイド64が作動位置に配置される。これにより、クラッチプレート100のローレット歯104Aがクラッチガイド64の外周部よりも外側に飛出した状態となっている。
しかしながら、上記のトリガワイヤ挿入工程の作業性等を考慮すると、クラッチガイド64が非作動位置に位置された状態のクラッチ機構52が、トリガワイヤ挿入工程を行う製造ラインに搬入されることが望ましい。
そこで、本実施形態では、図12(A)及び(B)に示されるように、クラッチガイド64に設けられたガイド孔70A内の一部に、クラッチカバー88のガイド爪部96が係止される係止部70Bを設けている。そして、クラッチカバー88のガイド爪部96が係止部70Bに係止されることで、クラッチガイド64が非作動位置に配置された状態が保たれるようになっている。なお、トリガワイヤ挿入工程を経た後においては、ガイド爪部96を移動させて、当該ガイド爪部96と係止部70Bとの係合を解除すればよい。
以上説明したように、本実施形態では、上記仮保持構造を備えていることにより、トリガワイヤ挿入工程の作業性を向上させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 ウェビング巻取装置
20 スプール
22 ウェビング
24 ロックギヤ(ロック部)
31 フォースリミッタ機構
150 パウル(切替部材)
160 ピストン部
160B Oリング取付溝(凹溝)
160E V字溝(連通部)
194 ガスジェネレータ(ガス発生装置)
204 シリンダ部
204A 第1筒状部
204B 第2筒状部
204E 被当接部
208 Oリング(シール部材)
L1 第1筒状部の中心軸
L2 第2筒状部の中心軸

Claims (3)

  1. 乗員に装着されるウェビングが巻取られ、前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転されるスプールと、
    車両の緊急時に前記スプールの引出方向への回転を規制するロック部と、
    前記ロック部が前記スプールの引出方向への回転を規制した際に前記スプールのフォースリミッタ荷重以上での引出方向への回転を許容するフォースリミッタ機構と、
    変位されることで前記フォースリミッタ荷重を切替える切替部材と、
    筒状に形成された第1筒状部と、中心軸が前記第1筒状部の中心軸に対してオフセットして配置されていると共に前記第1筒状部に連通された第2筒状部と、前記第1筒状部と前記第2筒状部との境界部に設けられた被当接部と、を有するシリンダ部と、
    作動されて前記第2筒状部内にガスを供給するガス発生装置と、
    前記被当接部に当接された状態で前記第1筒状部内に配置されており、前記ガス発生装置が作動されて前記第2筒状部内及び前記第1筒状部内の圧力が上昇することで、前記第1筒状部に沿って移動されて、前記切替部材を押圧して変位させるピストン部と、
    を備え
    前記第2筒状部から前記第1筒状部に掛けての前記シリンダ部内のガスの経路がクランク状に曲がっており、
    前記第1筒状部の前記第2筒状部側の部位は、前記第2筒状部における前記第1筒状部側の部位と径方向に重なっているウェビング巻取装置。
  2. 乗員に装着されるウェビングが巻取られ、前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転されるスプールと、
    車両の緊急時に前記スプールの引出方向への回転を規制するロック部と、
    前記ロック部が前記スプールの引出方向への回転を規制した際に前記スプールのフォースリミッタ荷重以上での引出方向への回転を許容するフォースリミッタ機構と、
    変位されることで前記フォースリミッタ荷重を切替える切替部材と、
    筒状に形成された第1筒状部と、中心軸が前記第1筒状部の中心軸に対してオフセットして配置されていると共に前記第1筒状部に連通された第2筒状部と、前記第1筒状部と前記第2筒状部との境界部に設けられた被当接部と、を有するシリンダ部と、
    作動されて前記第2筒状部内にガスを供給するガス発生装置と、
    前記被当接部に当接された状態で前記第1筒状部内に配置されており、前記ガス発生装置が作動されて前記第2筒状部内及び前記第1筒状部内の圧力が上昇することで、前記第1筒状部に沿って移動されて、前記切替部材を押圧して変位させるピストン部と、
    を備え、
    前記ピストン部の外周部には、該ピストン部と前記第1筒状部との間をシールすると共に弾性を有する材料を用いて形成されたシール部材が嵌まり込む凹溝が形成されており、
    前記ピストン部において前記凹溝が形成された部位よりも前記被当接部側には、前記凹溝と連通されていると共に前記ガス発生装置のガスが通過する連通部が設けられているウェビング巻取装置。
  3. 前記ピストン部の外周部には、該ピストン部と前記第1筒状部との間をシールすると共に弾性を有する材料を用いて形成されたシール部材が取付けられており、
    前記ピストン部において前記シール部材が取付けられた部分よりも前記被当接部側の部位が窄まっている請求項1又は請求項2記載のウェビング巻取装置。
JP2015077660A 2015-04-06 2015-04-06 ウェビング巻取装置 Active JP6306534B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077660A JP6306534B2 (ja) 2015-04-06 2015-04-06 ウェビング巻取装置
PCT/JP2016/059982 WO2016163265A1 (ja) 2015-04-06 2016-03-28 ウェビング巻取装置
US15/561,811 US10518744B2 (en) 2015-04-06 2016-03-28 Webbing take-up device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015077660A JP6306534B2 (ja) 2015-04-06 2015-04-06 ウェビング巻取装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016196264A JP2016196264A (ja) 2016-11-24
JP6306534B2 true JP6306534B2 (ja) 2018-04-04

Family

ID=57072510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015077660A Active JP6306534B2 (ja) 2015-04-06 2015-04-06 ウェビング巻取装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10518744B2 (ja)
JP (1) JP6306534B2 (ja)
WO (1) WO2016163265A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017174641A1 (de) * 2016-04-06 2017-10-12 Trw Automotive Gmbh Gurtaufroller mit zweitem kraftbegrenzer
JP7201158B2 (ja) * 2018-08-08 2023-01-10 株式会社東海理化電機製作所 ウェビング巻取装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19927427C2 (de) * 1999-06-16 2002-11-14 Autoliv Dev Gurtaufroller mit schaltbarem Kraftbegrenzer
JP4908927B2 (ja) * 2005-08-22 2012-04-04 株式会社東海理化電機製作所 ウエビング巻取装置
US7410114B2 (en) * 2006-09-12 2008-08-12 Delphi Technologies, Inc. Compact dual-level load limiting seat belt retractor
JP4885764B2 (ja) * 2007-02-28 2012-02-29 株式会社東海理化電機製作所 ウエビング巻取装置
JP5528940B2 (ja) * 2010-07-30 2014-06-25 株式会社東海理化電機製作所 ガス流通構造及びウェビング巻取装置
DE102010050696A1 (de) * 2010-11-06 2012-05-10 Trw Automotive Gmbh Kraftbegrenzungsvorrichtung, Gurtaufroller mit Kraftbegrenzungsvorrichtung und Verfahren zum Umschalten einer Kraftbegrenzungsvorrichtung
JP5792110B2 (ja) * 2012-04-05 2015-10-07 株式会社東海理化電機製作所 ウェビング巻取装置
WO2015076377A1 (ja) * 2013-11-25 2015-05-28 タカタ株式会社 シートベルトリトラクタ及びこれを備えるシートベルト装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20180118157A1 (en) 2018-05-03
US10518744B2 (en) 2019-12-31
JP2016196264A (ja) 2016-11-24
WO2016163265A1 (ja) 2016-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4819645B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP4885764B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP6498478B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5676283B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5587142B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP6126986B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP2013001313A (ja) ウェビング巻取装置
JP5792110B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP6306534B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5763006B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5384436B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP2012035643A (ja) ウェビング巻取装置
JP2009184520A (ja) ウエビング巻取装置
JP5990481B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5539042B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5528940B2 (ja) ガス流通構造及びウェビング巻取装置
JP5641882B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5961570B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP5529076B2 (ja) ウエビング巻取装置
JP2009113551A (ja) ウエビング巻取装置
JP6694777B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP2018177031A (ja) ウェビング巻取装置及びその製造方法
JP2013001314A (ja) ウェビング巻取装置
JP2016222015A (ja) ウェビング巻取装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171121

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20171121

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20171208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6306534

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150