JP6305717B2 - 着色高強度セメントモルタル及びコンクリート、並びにその製造方法 - Google Patents

着色高強度セメントモルタル及びコンクリート、並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、着色超高強度セメントモルタル及びコンクリートに関し、特に、建築物の外壁、内壁、柱、梁、天井、L型断面の階段、ルーバー(遮光よろい戸)、リクライニングチェアーなどの内装什器、歩道用コンクリート平板、視覚障害者用案内表示部材、人工大理石、建築仕上げ材、耐火被覆部材等に使用される、着色超高強度セメントモルタル及びコンクリートに関するものである。
従来の着色セメントモルタル及び着色コンクリートとしては、混練前のモルタル又はコンクリート中に着色顔料を混合するものがある(特許文献1)。例えば、顔料に対して、低温プラズマ処理等を施し、水硬性のセメント硬化体原料に混合し、さらに水を加えてそれを硬化させたものが挙げられる。
また、顔料を合成樹脂エマルジョン中に分散混合して着色エマルジョンとしておき、これを粉末モルタルに添加して着色モルタルを得る方法もある(特許文献2)。さらに、少なくとも着色剤が樹脂中に分散されている樹脂粒子からなるセメント着色用樹脂粒子をセメント中に混合する方法もある(特許文献3)。
このほか、モルタル若しくはコンクリートを硬化させた後に、その表面に、塗料を塗装して着色する方法もある。例えば、合成樹脂に酸化カルシウムを混ぜ合わせ、水分中に分散させた顔料若しくは染料を添加して着色材料とし、これを型枠に吹付け等した後、この型枠にセメント系硬化材を打設して硬化させ、セメント系硬化材表面に着色層を形成してなるセメント系硬化物の着色・装飾工法が挙げられる(特許文献4)。
ところが、混練前のモルタル又はコンクリート中に直接、着色顔料を混合した場合には、いずれも、水硬性結合材としてのセメント等の白華によってモルタル又はコンクリートの表面に不均一な白っぽい部分が生じてしまい、このままでは、均一な着色を行うことが困難であった。
加えて、従来例での、上記着色モルタル又はコンクリートは、混練り製造時と硬化後で、色合いが大きく変化した。また、硬化後であっても、その水濡れ等の付着水と硬化体表面性状との関係で色合いが大きく変化した。例えば、混練り製造時の色は鮮やかであったものが、硬化後その彩度が落ち、薄めの色合いとなる現象があった。また、硬化体に水が付着すると、その部分だけ製造時の練り色に近い色に変化し、色合いが不均一になるという現象があった。
特開平9−301759号公報 特開平10−310462号公報 特開2004−91248号公報
そこで、製品である硬化体の色合いを、製造時に予想可能で、多彩な色合いの設計を容易にすることを可能とするセメントモルタル及びコンクリートを得ることを課題とした。また、水硬性結合材と骨材とを含有する着色モルタル又は着色コンクリートにおいて、発色が均一で、且つ、水濡れによって、色合いが変化しにくい着色セメントモルタル又は着色コンクリートの実現を可能とすることである。
即ち、セメントモルタル又はコンクリート製造時の色合いに極めて近い色合いが、製品に反映される着色超高強度セメントモルタル及びコンクリートを得るものである。また、外装として用いても、水濡れによって、色合いが変化しにくく、長期間の退色がなく、耐候性に優れ、美観にも優れたセメントモルタル及びコンクリートを得ることを課題とした。
そこで、ハンター白色度が65以上の白色ポルトランドセメント、無機顔料、ハンター白色度が65以上のポゾラン質微粉末、ブレーン比表面積15000cm2/g以上で、ハンター白色度が65以上の無機粉末、粒径3mm以下で、ハンター白色度が60以上の珪砂骨材、水、減水剤と、を含む配合物の硬化体を研磨して得られることを特徴とする超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート、を提供する。ここで、ハンター白色度(W)とは、W=100−{(100-L*)2+a*2+b*2}1/2であり、以下同じである。
前記セメントモルタル又はコンクリートに、さらに有機繊維を含むことを特徴とする超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート、を提供する。
白色ポルトランドセメント100質量部に対して、無機顔料0〜5重量部、ポゾラン質微粉末22〜35重量部、ブレーン比表面積15000cm2/g以上の無機粉末50重量部以下、粒径が3mm以下の珪砂骨材110〜145重量部、水10〜35重量部、減水剤(固形分換算)0.5〜6.0重量部であることを特徴とする前記超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート、を提供する。
直径0.1〜1.0mm、長さ2〜30mmの有機繊維を、白色ポルトランドセメント100質量部に対して、2〜5重量部、さらに含む前記超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート、を提供する。
前記のいずれかの超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート部材を用いた、案内表示部材、を提供する。
本発明において用いられるセメントの種類は、色差計でのハンター白色度が65以上の白色ポルトランドセメントである。そして、色差計でのハンター白色度が70以上であることが好ましい。ハンター白色度が65未満では、明度が不十分で、顔料の色相、彩度が、十分反映されないからである。
通常のポルトランドセメントモルタル、コンクリートの本来の色は、俗にいわれるセメント色であり、その他の材料も有色なため硬化後の色はかなり濃い目の灰色となる。それに着色すると、添加した色が再現されず、濁った色合いとなり鮮明な発色は困難である。
無機顔料としては、日本工業規格で規定されている顔料で、白色顔料:亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウムおよびバライト粉、赤色顔料:鉛丹、酸化鉄赤、黄色顔料:黄鉛、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、青色顔料:ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)、黒色顔料:カーボンブラック、その他、酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、酸化銅のそれぞれ微粉末を用いる。
ポゾラン質微粉末としては、シリカヒューム、シリカダスト、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられるが、色差計でのハンター白色度が65以上が好ましい。一般に、シリカヒュームやシリカダストでは、その平均粒径は、1.0μm以下であり、粉砕等をする必要がなく、色差計のハンター白色度が80以上であるので本発明のポゾラン質微粉末として好的である。
ポゾラン質微粉末を配合することにより、そのマイクロフィラー効果およびセメント分散
効果によりコンクリートが緻密化し、圧縮強度が向上する。一方、ポゾラン質微粉末の添
加量が多くなると単位水量が増大するので、ポゾラン質微粉末の添加量はセメント100
重量部に対して22〜35重量部が好ましい。
本発明においては、硬化体の充填密度を高め、強度向上並びにクリープを低減する観点か
ら、無機粉末を含ませることが好ましい。無機粉末としては、ハンター白色度が65以上の石英粉末、石灰石粉末、Al2O3等の酸化物粉末、が挙げられるが、中でも、石灰石粉末は、コストや硬化体の白色度(ハンター白色度が80以上)等の品質安定性の点から好ましいものである。なお、石灰石粉末としては、ブレーン比表面積が15000cm2/g以上であることが好ましい。無機粉末の配合量は、コンクリートの流動性、硬化体の強度等から、セメント100重量部に対して50重量部以下が好ましく、20〜40重量部がより好ましい。
本発明においては粒径3mm以下の細骨材が必須成分として用いられる。この粒径3mm以下の骨材とは、85%(重量)累積粒径が3mm以下であることを指し、3mmより大きな骨材成分が含まれていることを妨げない。細骨材の配合量は、コンクリートの作業性や分離抵抗性、硬化後の強度やクラックに対する抵抗性等から、セメント100重量部に対して80〜180重量部が好ましく、120〜150重量部がより好ましい。また、細骨材は、配合量が多く、顔料を隠蔽しない透明性と白色度が必要であり、具体的には、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂及びこれらの混合物を使用することができるが、ハンター白色度65以上の珪砂が好ましく、平均粒径0.6mmと粒径が小さい6号珪砂が特に好ましい。
また、上述の粒径3mm以下の骨材の他に、通常の超高強度コンクリートに用いられる粗骨材を配合しても良い。具体的には、方解石、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利等の砂利、硬質砂岩、石灰石等の砕石等が例示できるが、色差計でのハンター白色度が65以上であることが好ましい。
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系
の減水剤、高性能減水剤を使用することができる。高性能AE減水剤又はAE減水剤は、気泡を混入させるので不可である。減水剤の添加量は、コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化後の強度、さらにはコスト等から、セメントに対して、固形分換算で、1.0〜6.0重量%が好ましい。1.5〜2.0重量%が更に好ましい。
本発明において、水/セメント比は、コンクリートの流動性や分離抵抗性、硬化体の強度
や耐久性、クリープの低減等から、10〜35重量%が好ましく、15〜30重量%が、更に好ましい。
本発明においては、硬化体の曲げ強度を高める観点から、配合物に有機繊維を含ませることが好ましい。有機質繊維としては、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。有機質繊維又は、径0.01〜0.35mm、長さ10〜20mmのものが好ましい。有機質繊維の含有量は、2〜5重量部が好ましい。
また、本発明においては、消泡剤を白色ポルトランドセメント100重量部に対して、0.1〜0.25重量部加えると、脱泡時間が短縮でき、表面の緻密性にも良好である。
そして、以上の原料を、次ぎの順で段階的に混練した。第1混練は、高性能減水剤+消泡剤+水の混合であり、第2混練は、細骨材+顔料の混合であり、第3混練は、第2混練物に白色セメント+シリカヒューム+微粉末を加えた混合であり、第4混練は、第1混練物と第3混練物の混合である。更に、有機繊維を加える場合は、この後に添加して混合し、混練する。ここで、細骨材は、混練時の攪拌媒体としても、無機顔料とその他原料との十分な均等混合に役立つものである。
本発明においては、コンクリートの混練方法は特に限定するものではない。また、混練に
用いる装置も特に限定するものではなく、オムニミキサー、パン型ミキサー、二軸練りミキサー、傾胴ミキサー等の慣用のミキサーを使用することができる。
こうして得られた混練物の色値を、色差計で測定をした。製品の色値とから、色差ΔE*を算出し、普通セメントを用いた従来の着色セメントモルタルの混練物とその硬化体の色差との比較をするときの式1を次ぎに示した。
上記混練物を、型枠中に充填して成形し、養生・硬化させることで、本発明のコンクリート部材の粗製品を製造することができる。なお、成形方法は特に限定するものではなく、流し込み成形等慣用の成形方法で行うことができる。このとき、混練物の脱泡を、真空脱泡機で行うことが特に好ましい。真空脱泡機は、通常の真空ポンプと連結させた攪拌機付容器を用いることができる。脱泡により、後の成形がスムーズになり成形体の仕上がりも良くなる。また、コンクリートの養生方法は、蒸気養生が好ましい。
硬化後の表面は、特に打ちっぱなしとなった表面は、硬化途上に発生する白華、汚れの付着で変色を起こしている。この変色部分は水洗いまたは薬品、洗剤等の洗浄では除去出来ない。そこで、表面の固化した物質を除去するために、砥石、サンドペーパー、サンドプラスト等による少量の研磨を施すことにより、大きな効果を得て、目的とする色彩を得る。
表面の平滑なプラスチック型枠を用いると、プラスチック型枠に接している打設面は、研磨仕上げが不要となる場合がある。プラスチック型枠も用いたときも、打ちっぱなしとなった表面は、研磨することが好ましい。研磨機の砥石の最終番手は、工業用ダイヤモンドで200番以上が好ましい。
こうして得られた研磨面を、色差計で色値を測定し、混練物との色差を式1で算出し、普通セメントを用いた従来の着色セメントモルタルの混練物とその硬化体の色差との比較をした。
更に、こうして得られた研磨面を、水で湿潤させ、色差計で色値を測定し、湿潤状態と乾燥状態での色差を式2で算出し、普通セメントを用いた従来の着色セメントモルタルの混練物とその硬化体の色差との比較をした。
本発明の素材性能は石材の性能と同等以上であり。自然の石材にない色彩、風合いを補うこともできる。
さらに、発色の均一性に優れる着色セメントモルタル又は着色コンクリートが得られる。さらに、肉薄の部材、の強度を増強できる。さらに、表面が波打つ形状等のやや複雑形状の薄型部材が製造できる。
さらに、これを応用すると、鮮明で、輝度の差が大きく、且つ彩度が持続出来ることから、視認性を旨とする各種案内表示品が得られる。光にも退色がすくなく、気温変化にも強く、耐薬品性、耐磨耗性、耐汚性も認められる。堅牢性を必要とする視覚障害者用案内表示版にも好適である。
具体的には、前記セメントモルタル、コンクリートは、次の通り調製することができる。
本発明において、水/セメント比は、流動性や分離抵抗性、硬化体の強度や耐久性、クリープの低減等から、10〜35重量%が好ましく、22〜26重量%がより好ましい。フロー値250〜300cm程度のモルタルとすることができる。モルタルのフロー値は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法(11.フロー試験)」を準用し、落下なしのフロー値測定をした。
本発明で用いるセメントモルタルは、フロー値250〜300mmのモルタルに調製して、流し込みによる型枠成形することが好ましい。コンクリートとするときは、フロー値500〜750mmの高流動とすることが好ましい。
本発明においてコンクリートを使用する場合のセメント量は、単位セメント量で500〜850kg/mが好ましい。単位セメント量が500kg/mに満たないと、緻密性と強度が不足する場合がある。単位セメント量が850kg/mを超えても、強度上のメリットがない。
骨材の単位量は、コンクリートが、実用的強度を十分確保しつつ、成形に必要な流動性や硬化体の表面性状が良好となるように配合できればよい。
本発明で用いるセメントとしては、白色ポルトランドセメントを用いることができるが、 ハンター白色度が一定以上であれば良く、65以上であることが好ましく、特に好ましいのは80以上である。
骨材としては、川砂、川砂利、砕石、砕砂等の天然骨材等を用いることができる。ハンター白色度が一定以上で、65以上であることが、好ましく、特に好ましいのは65以上の細骨材である。また、細骨材は、配合量が多く、顔料を隠蔽しない透明性と白色度が必要であり、具体的には、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂及びこれらの混合物を使用することができるが、ハンター白色度65以上の珪砂で、平均粒径0.6mmと粒径が小さい6号珪砂が特に好ましい。また、酸化アルミニウム粒子も好ましい。
混練水としては、水道水、回収水、地下水、工業用水等があるが、ブロックの品質を妨げない水であれば使用できる。
ポゾラン質微粉末としては、平均粒径が1.0μm以下、色差計でのハンター白色度が90以上のシリカフュームが好ましい。無機粉末としては、セメントとシリカフュームとの相容性の良い白色度の大きな石灰石粉末が好ましい。特に、ブレーン比表面積15000cm2/g以上で、ハンター白色度90以上のものが特に好ましい。
モルタルを調製するときは、セメント100重量部、5〜50重量部のポゾラン質微粉末(平均粒径10μm以下)、無機粉末20〜40重量部、粒径2mm以下の細骨材80〜180重量部、減水剤を固形分換算で1.5〜2.0重量部、及び22〜26重量部の水を含む配合物を金属型枠に流し込むことが好ましい。得られた硬化体は、石材用(平面・曲面)研磨機、ハンドポリッシャー、手持ち研磨シート等で研磨することができる。流し込み成形の打ちっ放し面は、白華や、汚れが付着しやすいが、研磨により、均一発色の緻密表面に仕上げることができる。しかし、耐熱プラスチック型枠を用いると、得られた硬化体は、流し込み成形の型枠形状を正確に反映して、溝部等の細部にわたり成形の寸法安定性に優れ、型枠に接触した硬化体の表面は、研磨しなくとも、緻密で発色は均一であった。
また、さらに、直径が0.01〜0.35mm、長さ10〜20mm程度の有機繊維を用いて、堅牢性を更に高めることができる。有機繊維は、水を除く配合物全体に対して、2〜5重量部以下を加えて、溝部の靭性を上げることができる。有機繊維は、3〜4重量部がさらに好ましい。有機繊維の材質は、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、等が好ましい。得られた配合物を金属型枠に流し込み、得られた硬化体は、石材用(平面・曲面)研磨機、ハンドポリッシャー、手持ち研磨シート等で研磨することができる。しかし、耐熱プラスチック型枠を用いると、得られた硬化体は、流し込み成形の型枠形状を正確に反映して、溝部等の細部にわたり成形の寸法安定性に優れ、型枠に接触した硬化体の表面は、研磨しなくとも、緻密で発色は均一であった。こうして、堅牢、緻密質で、表面の汚れの付着の少ないセメント硬化体質の着色超高強度モルタルを調製することができる。
その他、高性能減水剤、消泡剤、収縮低減剤、強度増進剤、急結剤等の化学混和剤を添加してもよい。
製造方法は、ミキサー等で混練した混練物を型枠に流し込み、成形する。その際、型枠面に気泡が残らないよう適度な振動を加えることができる。
養生は、所定の強度が得られるよう蒸気養生を行なうことが好ましい。呼び強度27〜35N/mmの白色ポルトランドセメントを用いて、適宜設定できるが、繊維強化セメントモルタルの場合は、1次養生を5〜40℃で、12〜48時間、2次養生を60〜90℃で、24〜48時間、保持して行うことができる。
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
1)セメント ;白色ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)ハンター白色度89
2)ポゾラン質微粉末;シリカフューム(平均粒径0.7μm)ハンター白色度84
3)細骨材 ;珪砂6号相当品 ハンター白色度65
4)高性能減水剤 ;ポリカルボン酸系高性能減水剤(BFSCポゾリス社製)
5)水 ;水道水
6)無機粉末 ;石灰石粉末(ブレーン比表面積18000cm2/g)ハンター白色度90
7)有機繊維 ;ビニロン有機繊維(平均長さ10mm、直径0.02mm)
8)顔料 ;日本工業規格で規定されている顔料である、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、茶色顔料、黒色顔料を適宜混合して、古来より染料、焼き付等に用いられた色名として、珊瑚色、白緑、栗皮色、梅鼠、山葵色、浅緑色、一斤色、青朽葉、欝金色、柿渋色、空色、利休鼠、山鳩色、藤鼠を調合した。
9)消泡剤 ;サンノプコ SNデフォーマー14HP
2.型枠
以下に示す型枠を使用した。
金属製型枠
耐熱プラスチック型枠
;ポリプロピレン製薄型ルーバー(遮光よろい戸)用型枠
3.色差計
以下の色差計を使用し、測定値は、5回測定の平均値とした。
簡易型分光色差計NF333(日本電色工業社)で、測定孔直径8.5mmとした。
実施例1
白色ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム29重量部、石灰石粉末35重量部に、高性能減水剤2重量部(セメントに対する固形分)、消泡剤を溶かし込んだ水25重量部を二軸練りミキサーに投入し、混練した。ついで、顔料(欝金色用)2重量部と細骨材128重量部の均斉混合物を、後添加し、全体を攪拌混練した。ついで、脱泡機で、真空度0.04〜0.07MPaにて10分間の真空脱法を行った。このとき、混練物の色値は、表1に示した。
該配合物のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。その結果、フロー値は270mmであった。テストピースとして調製した前記配合物の一部をφ50×100mmの型枠(鋼製)に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。該硬化体の圧縮強度(3本の平均値)は160MPaであった。また、前記配合物を4×4×16cmの型枠(鋼製)に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。該硬化体の曲げ強度(3本の平均値)は23MPaであった。また、前記配合物をよろい戸形状の型枠(金属製)に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。該硬化体の表面を、石材用研磨機で研磨した。
このとき、硬化体表面の色値は、表1に示した。そして、表面粗さ(Rmax)を「JIS B 0651」に基づいて表面粗さ計を使用して測定した。その結果、表面粗さ(Rmax)は5.0μmの緻密質硬化体であった。また、該硬化体は、付着汚れも少なく、優れた色彩効果を示した。また、硬化体表面に水を滴下して、湿潤させ、水を拭き取った後の色値は、表2に示した。
実施例2
白色ポルトランドセメント100重量部、シリカフューム33重量部、高性能減水剤1.5重量部(セメントに対する固形分)、水22重量部、石灰石粉末30重量部を、二軸練りミキサーに投入し、混練した。顔料(藤鼠色用)2重量部と細骨材120重量部の均斉混合物を、後添加し、攪拌混練した。ついで、ビニロン有機繊維(2重量部)を添加し、脱泡機で、真空度0.04〜0.07MPaにて10分間の真空脱泡攪拌を行った。該配合物のフロー値を実施例1と同様に測定した。その結果、フロー値は255mmであった。このとき、混練物の色値は、表1に示した。
また、前記配合物を型枠(耐熱プラスチック製)に流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。
また、圧縮強度と曲げ強度も実施例1と同様に測定した。その結果、圧縮強度は185MPa、曲げ強度は29MPaであった。また、表面粗さ(Rmax)も実施例1と同様に測定した。その結果、プラスチック型枠に接した面のRmaxは5.5μmであった。その表面は、緻密であり、付着汚れも少なく、色彩効果も良好であった。また、打ちっ放し面については、研磨を行い、その研磨硬化体表面と、ここに水を滴下して、湿潤させ、水を拭き取った後の色値は、表2に示した。
比較例として、普通セメントを用いた着色セメントモルタル硬化体を作成した。その組成は、白色ポルトランドセメントを同量の普通ポルトランドセメントと置換し、他は、実施例1、実施例2と全く同様の原料組成と製造条件で行った。比較例についても、実施例に対応する色値を測定し、その結果を表1、表2に示した。
表1において、混合時の混練物と研磨製品とのΔE*は、普通セメントを用いた着色モルタルに比べて、比較的小さいことが判る。こうして、混練時に、製品の色合予想が可能となり、混練過程で、顔料の調合の成否が判断でき、原料調合へのフィードバックが迅速となる。
表2において、研磨製品の湿潤時とのΔE*は、普通セメントを用いた着色モルタルに比べて、小さいことが判る。こうして、研磨製品は、湿潤による色合変化がほとんど生じないので、屋外の使用に耐え、その美観に変化が生じない。
実施例1、2において、他の製造条件を同一として、型枠(金属製)を用いず、耐熱性プラスチック型枠に配合物を流し込み、20℃で48時間前置き後、90℃で48時間蒸気養生した。このとき、脱型後、型枠に接触していた硬化体表面の色値は、表1に示した研磨後の値とほぼ同等であり、表面粗さもほぼ同等であった。すると、耐熱性プラスチック型枠(複雑形状を含む)を用いると、研磨なしで、複雑形状の非研磨製品が完成した。強度面でもテストピースの値から、薄型でも、十分に強度が確保でき、形状の設計の余地も広がった。
また、珊瑚色、白緑、栗皮色、梅鼠、山葵色、浅緑色、一斤色、青朽葉、欝金色、柿渋色、空色、利休鼠、山鳩色、藤鼠の各色配合について、さらなる実験の結果、顔料の種類による上記効果(混合時の混練物と研磨製品とのΔE*、研磨製品の湿潤時とのΔE*、混合時の混練物とプラスチック型枠非研磨製品とのΔE*、プラスチック型枠非研磨製品の湿潤時とのΔE*)は、顔料が所定粒度で、所定量(5重量部以下)であれば、ほとんど一定値におさまり、変動が小さいことが判った。本発明の汎用性が確認できた。従って、製品の色彩設計の余地を広げるものである。
本願は、無機顔料を添加した、緻密性、耐久性に優れた超高強度コンクリートで、表面の肌理細かさと美しい色合いを有する。素材が超高強度コンクリートであることから、耐候性(太陽光、寒暖の繰り返し)、超高強度、耐燃性、耐薬品性と鮮やかな発色を同時に可能とし、自由な造形で小型部材から大型部材まで、什器から舗装材まで構造物の内外装材として提供できる。
自然石の色彩形態は単色から複合色とさまざまであり、更に複雑な模様を持つ。しかし、従来の人工モルタル、人工コンクリートでは、その色合いを十分発揮できていなかった。本願は、自然に近い均一な発色を可能としつつ、三次元造形と薄型部材を実現した。例えば、厚さ2mmで波型したリクライニングチェアーとかルーパー等の内装什器に自由な着色をもたせることが出来る。

Claims (5)

  1. ハンター白色度が65以上の白色ポルトランドセメント100質量部に対して、無機顔料0.1〜5重量部、ハンター白色度が65以上のポゾラン質微粉末22〜35重量部、ブレーン比表面積15000cm2/g以上、ハンター白色度が65以上の無機粉末50重量部以下、径0.01〜0.35mm、長さ10〜20mmの有機繊維を2〜5重量部、粒径が3mm以下でハンター白色度が60以上の珪砂骨材120〜150重量部、水22〜26重量部、減水剤(固形分換算)0.5〜6.0重量部の配合物の硬化体表面粗さRmax5.5μm以下であることを特徴とする超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート。
  2. 請求項1記載の超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート部材であって、前記硬化体の研磨面を、水で湿潤させ、色差計で色値を測定し、湿潤状態と乾燥状態での色差を次式で算出したとき、ΔE が1.33以下であることを特徴とする超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート。
  3. 請求項1又は2の超高強度着色セメントモルタル又はコンクリート部材を用いた、案内表示部材。
  4. ハンター白色度が65以上の白色ポルトランドセメント100質量部に対して、無機顔料0.1〜5重量部、ハンター白色度が65以上のポゾラン質微粉末22〜35重量部、ブレーン比表面積15000cm2/g以上、ハンター白色度が65以上の無機粉末50重量部以下、径0.01〜0.35mm、長さ10〜20mmの有機繊維を2〜5重量部、粒径が3mm以下でハンター白色度が60以上の珪砂骨材120〜150重量部、水22〜26重量部、減水剤(固形分換算)0.5〜6.0重量部を配合し、
    蒸気養生して硬化体とし、硬化体の表面粗さRmax5.5μm以下とすることを特徴とする超高強度着色セメントモルタル又はコンクリートの製造方法。
  5. さらに、前記硬化体を研磨して、研磨面を、水で湿潤させ、色差計で色値を測定したとき、湿潤状態と乾燥状態での色差を次式で算出し、ΔE が1.33以下であることを特徴とする請求項4記載の超高強度着色セメントモルタル又はコンクリートの製造方法。
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