以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態を説明する。
図1は、実施形態に従った無線アクセスシステムの例示的な構成図である。図1に示すように、無線アクセスシステム1は、プロバイダ装置10、クラウドサーバ20、位置情報管理装置30、インターネット網40、及びコアネットワーク50を含む。また、無線アクセスシステム1は、輻輳抑制装置60、第1基地局装置70、第1基地局制御装置80、第2基地局装置90、アクセスポイント装置100、及び端末装置110−1〜110−6を含む。図1に示した無線アクセスシステム1の一例では、位置情報管理装置30、コアネットワーク50、第1基地局装置70、第1基地局制御装置80、第2基地局装置90、及びアクセスポイント装置100は、端末装置110−1〜110−6をインターネット網40へ接続する無線アクセスネットワークに含まれる。
以下の説明において複数の端末装置110−1〜110−6を特に区別しない場合には、端末装置110と記載する。また、以下の説明において第1基地局装置70、第2基地局装置90、及びアクセスポイント装置100を特に区別しない場合には、単に「基地局装置」と呼ぶ。
プロバイダ装置10は、セミナーやイベントの主催者といった利用者の情報処理装置(不図示)をインターネット網40と接続する装置である。プロバイダ装置10は、配信データ管理部11、アクセスポイント(Access Point、AP)制御部12、及びInternet Protocol Interface(IP−IF)部13を含む。
配信データ管理部11は、利用者の情報処理装置(不図示)から送信された配信データ11A及び配信データ情報11Bを受信し、受信された配信データ11A及び配信データ情報11Bを保持する。配信データ11Aは、利用者の情報処理装置により指定された端末装置110へ配信される対象データである。配信データ情報11Bは、配信データ11Aが配信される端末装置110の情報や、配信データ11Aのデータサイズを含む。配信データ管理部11は、保持された配信データ11AをIP−IF部13を介してクラウドサーバ20へ送信する。また、配信データ管理部11は、保持された配信データ情報11BをIP−IF部13を介して輻輳抑制装置60へ送信する。
アクセスポイント装置100は、アクセスポイント制御部12に対する制御を行う。プロバイダ装置10は、IP−IF部13を介してインターネット網40と接続する。
クラウドサーバ20は、プロバイダ装置10から送信された配信データ11Aを格納し、格納された配信データ11Aを所定の宛先装置へ配信するデータ配信サーバである。クラウドサーバ20は、配信データ格納部21及びIP−IF部22を含む。クラウドサーバ20は、IP−IF部22を介してインターネット網40と接続する。
配信データ格納部21は、プロバイダ装置10から送信された配信データ11AをIP−IF部22を介して受信し、受信された配信データ11Aを配信データデータベース(Database、DB)21Aに格納する。また、配信データ格納部21は、配信データデータベース21Aに格納された配信データ11Aを所定の端末装置110へ送信する依頼をIP−IF部22を介して輻輳抑制装置60から受信する。配信データ格納部21は、受信された依頼に従って配信データデータベース21Aに格納された配信データ11AをIP−IF部22を介して所定の端末装置110へ向けて送信する。
位置情報管理装置30は、無線アクセスシステム1に含まれる端末装置110が存在する位置を示す位置情報を管理する装置である。位置情報管理装置30は、位置情報管理部31、通信インタフェース(IF)部32、及びIP−IF部33を含む。
位置情報管理部31は、各端末装置110から送信された位置情報を通信インタフェース部32を介して受信し、受信された各位置情報を位置情報管理データベース(DB)31Aに記録する。位置情報管理装置30は、通信インタフェース部32を介してコアネットワーク50と接続し、IP−IF部33を介してインターネット網40と接続する。コアネットワーク50は、無線アクセスネットワークとインターネット網40とを接続するInternet Protocol(IP)コアネットワークである。
輻輳抑制装置60は、実施形態に従った制御装置の一例である。輻輳抑制装置60は、端末装置110の位置情報を位置情報管理装置30を介して取得する。輻輳抑制装置60は、配信データ11Aの配信指示をプロバイダ装置10から受信する。輻輳抑制装置60は、取得された位置情報を用いて、配信データ11Aの配信対象の端末装置110の内、特定エリアに地理的に集中して存在する端末装置110を特定する。輻輳抑制装置60は、特定された端末装置110を端末装置群としてグルーピングする。輻輳抑制装置60は、グルーピングされた各端末装置110を識別するために、ユニークな端末装置番号を各端末装置110に付ける。また、輻輳抑制装置60は、グルーピングされた端末装置群に含まれる端末装置110の中から代表サーバ端末装置を決定する。
代表サーバ端末装置は、端末装置群内の全ての端末装置110を代表して基地局装置を介してクラウドサーバ20から配信データ11Aを受信し、受信された配信データ11Aを端末装置群内の他の端末装置110へ送信する端末装置110である。端末装置群内の全ての端末装置110を代表して代表サーバ端末装置が基地局装置を介してクラウドサーバ20から配信データ11Aを受信することによって、無線アクセスネットワーク側から端末装置群内の各端末装置110へ配信データ11Aを配信する際の基地局装置等の通信インフラにおける輻輳を抑制できる。
輻輳抑制装置60は、配信データ11Aを複数の分割配信データに分割し、配信データ11A内における各分割配信データの位置を示すデータマップ情報を生成する。詳細を後述するように、代表サーバ端末装置が受信した配信データ11Aは、端末装置群内に含まれる端末装置110間の通信を通じて、端末装置群内の各端末装置110へ配信される。そこで、配信データ11Aが複数の分割配信データに分割されることによって、端末装置110間で配信データ11Aが送受信されるサイクルを短くし、配信データ11Aの送信待ちや受信待ちの時間を少なくする。こうした構成によって、代表サーバ端末装置から端末装置群内の各端末装置110への配信データ11Aの配信は、短時間で完了され得る。
輻輳抑制装置60は、グルーピングされた各端末装置110を含む端末装置群に関する情報をグループ情報として端末装置群に含まれる各端末装置110へ送信する。また、輻輳抑制装置60は、配信データ11Aのデータマップ情報に端末装置情報を付し、端末装置情報が付されたデータマップ情報を端末装置群に含まれる各端末装置110へ送信する。端末装置情報には、データマップ情報が送信される当該端末装置110の端末装置番号が含まれる。また、端末装置情報には、当該端末装置110が代表サーバ端末装置であるか否かを示す情報が更に含まれる。当該端末装置110が代表サーバ端末装置であるか否かは、端末装置番号を用いて識別され得る。
図2は、実施形態に従った輻輳抑制装置の例示的な機能構成図である。図2に示すように、輻輳抑制装置60は、位置情報管理部61、グルーピング部62、データマッピング部63、及びIP−IF部64を含む。輻輳抑制装置60は、IP−IF部64を介してインターネット網40と接続する。
位置情報管理部61は、位置情報管理装置30により保持されている各端末装置110の位置情報をIP−IF部64を介して取得し、取得された位置情報をその端末装置110の識別子と対応付けて位置情報管理データベース(DB)61Aに記録する。また、位置情報管理部61は、地図や建物といったエリア情報を地図データ提供サーバ(不図示)やエリア品質サーバ(不図示)から取得し、取得されたエリア情報を保持する。地図データ提供サーバは、例えば、Google Mapsといった地図データを提供するサーバであり、地図データ提供サーバは、インターネット網40と接続し得る。エリア品質サーバは、端末装置110が現在存在する位置とその位置における無線品質を収集するサーバであり、エリア品質サーバは、コアネットワーク50と接続し得る。
配信データ11Aに対する配信指示がIP−IF部64を介してプロバイダ装置10から受信されると、グルーピング部62は、配信データ11Aが配信される対象の端末装置110の位置情報を位置情報管理部61から取得する。また、グルーピング部62は、取得された位置情報により示される位置の周辺エリアに対するエリア情報を位置情報管理部61から取得する。グルーピング部62は、取得された位置情報と取得されたエリア情報とを照らし合わせて、配信対象の端末装置110の内、特定のエリアに地理的に集中して存在する端末装置110を特定する。特定のエリアは、例えば、イベント会場、コンサート会場、及び駅構内等である。グルーピング部62は、特定された端末装置110を端末装置群としてグルーピングする。
グルーピング部62は、グルーピングされた端末装置群に含まれる各端末装置110を識別するために、ユニークな端末装置番号を各端末装置110に付する。また、グルーピング部62は、グルーピングされた端末装置群に含まれる端末装置110の中から1つ以上の代表サーバ端末装置を決定する。グルーピング部62は、端末装置群に含まれる各端末装置110の端末装置番号や代表サーバ端末装置の情報といった端末装置群に関する情報をグループ情報としてグループ情報データベース62Aに記録する。図3は、実施形態に従ったグループ情報データベースの例図である。図3に示した一例では、6つのグループ情報がグループ情報データベース62Aに含まれる。各グループ情報は、エリア番号、端末総数、グループ識別子(Identifier、ID)、及び端末装置番号を含む。エリア番号は、当該端末装置群に対応する特定エリアを示す番号である。端末総数は、当該端末装置群に含まれる端末装置110の数である。グループ識別子は、各端末装置群を識別するためのユニーク番号である。代表サーバ端末装置は、端末装置番号によって識別され得る。グルーピング部62は、グループ情報をデータマッピング部63へ送信する。また、グルーピング部62は、グループ情報をIP−IF部64を介して端末装置群内の各端末装置110へ送信する。
データマッピング部63は、配信データ11Aの配信指示をIP−IF部64を介してプロバイダ装置10から受信する。プロバイダ装置10から受信される配信指示には、配信データ情報11Bが含まれる。配信データ情報11Bは、プロバイダ装置10が利用者の情報処理装置から配信を依頼された配信データ11Aに関する情報である。配信データ情報11Bには、利用者の情報処理装置により指定された配信対象の端末装置110の識別情報や、配信データ11Aのデータサイズが含まれる。データマッピング部63は、受信された配信データ情報11Bを配信データ情報データベース63Aに記録する。
データマッピング部63は、グループ情報をグルーピング部62から受信する。データマッピング部63は、受信された配信データ11Aのデータサイズと、受信されたグループ情報により示される端末装置群に含まれる端末装置110の数とを用いて、配信データ11Aの分割サイズを決定する。データマッピング部63は、決定された分割サイズで配信データ11Aを分割し、複数の分割配信データを生成する。データマッピング部63は、配信データ11A内における当該分割配信データの位置を示すアドレスを、生成された各分割配信データに付けて、配信データ11Aのデータマップ情報を作成する。図4は、実施形態に従ったデータマップ情報の例図である。図4に示した一例では、配信データ11Aは、1〜120のブロック番号で示される120個の分割配信データに分割される。また、図4に示した一例では、120個の分割配信データには、1〜30のXアドレスと1〜4のYアドレスにより構成される2次元アドレスがそれぞれ付される。配信データ11A内の各分割配信データの位置は、2次元アドレスにより特定される。
データマッピング部63は、作成されたデータマップ情報をIP−IF部64を介して端末装置群内の各端末装置110へ送信する。
図5は、実施形態に従った輻輳抑制装置の例示的なハードウェア構成図である。図5に示すように、輻輳抑制装置60Aは、Central Processing Unit(CPU)60A−1、メモリ60A−2、ストレージ60A−3、記憶媒体用ドライブ60A−4、入力装置60A−5、出力装置60A−6、通信インタフェース60A−7、及びバス60A−8を含む。CPU60A−1、メモリ60A−2、ストレージ60A−3、記憶媒体用ドライブ60A−4、入力装置60A−5、出力装置60A−6、及び通信インタフェース60A−7は、バス60A−8を介して相互に接続される。
CPU60A−1は、演算処理を行う論理回路である。メモリ60A−2は、CPU60A−1が直接アクセス可能な主記憶装置であり、CPU60A−1により実行中のプログラムや処理中のデータを一時的に記憶する。メモリ60A−1は、例えば、Synchronous Dynamic Random Access Memory(SDRAM)である。CPU60A−1及びメモリ60A−1は、位置情報管理部61、グルーピング部62、及びデータマッピング部63に対応し得る。
ストレージ60A−3は、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)及びフラッシュメモリである。ストレージ60A−3には、CPU60A−1により実行される各種プログラムやデータが格納される。ストレージ60A−3は、位置情報管理データベース61A、グループ情報データベース62A、及び配信データ情報データベース63Aに対応し得る。
記録媒体用ドライブ60A−4は、記録媒体に記録されたデータを読み込み、及び/又はCPU60A−1により処理されたデータを記録媒体へ書き込むための装置である。記録媒体は、例えば、例えば、Compact Disk Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、Universal Serial Bus(USB)メモリ、Secure Digital(SD)カード、及びフラッシュメモリ等である。
入力装置60A−5は、輻輳抑制装置60Aの利用者が輻輳抑制装置60Aへの命令を入力するための装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等である。出力装置60A−6は、CPU60A−1による処理結果を表示するための装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。通信インタフェース60A−7は、インターネット網といった外部パケット網と接続するための装置であり、IP−IF部64に対応し得る。
図1に示した第1基地局装置70は、第1の通信規格に準拠した通信機能を有する端末装置110と無線で接続する基地局装置である。第1の通信規格は、例えば、Third Generation Partnership Project(3GPP)の仕様書に規定される第3世代(Third Generation、3G)の通信規格である。第1基地局装置70は、無線通信部71及び通信インタフェース(IF)部72を含む。
第1基地局装置70は、第1の通信規格に準拠した端末装置110と無線通信部71を介して信号を送受信する。また、第1基地局装置70は、通信インタフェース部72を介して第1基地局制御装置80と信号を送受信する。なお、図1には、1つの第1基地局装置70が示されているが、任意の数の第1基地局装置70が無線アクセスシステム1に含まれてよい。
第1基地局制御装置80は、配下の第1基地局装置70を束ねる無線ネットワーク制御装置である。第1基地局制御装置80は、通信インタフェース(IF)部81を含み、通信インタフェース部81を介して第1基地局装置70及びコアネットワーク50と信号を送受信する。なお、図1には、1つの第1基地局制御装置80が示されているが、任意の数の第1基地局制御装置80が無線アクセスシステム1に含まれてよい。
第2基地局装置90は、第2の通信規格に準拠した通信機能を有する端末装置110と無線で接続する基地局装置である。第2の通信規格は、例えば、3GPPの仕様書に規定されるLong Term Evolution(LTE)である。第2基地局装置90は、無線通信部91及び通信インタフェース(IF)部92を含む。
第2基地局装置90は、第2の通信規格に準拠した端末装置110と無線通信部91を介して信号を送受信する。また、第2基地局装置90は、通信インタフェース部92を介してコアネットワーク50と信号を送受信する。なお、図1には、1つの第2基地局装置90が示されているが、任意の数の第2基地局装置90が無線アクセスシステム1に含まれてよい。
アクセスポイント装置100は、第3の通信規格に準拠した通信機能を有する端末装置110と無線で接続する通信装置である。第3の通信規格は、例えば、Wireless Fidelity(WiFi)といった無線Local Area Network(LAN)の規格である。第1又は第2の通信規格に準拠した通信機能を有する端末装置110は、第3の通信規格に準拠した通信機能も有し得る。アクセスポイント装置100は、無線通信部101及びIP−IF部102を含む。
アクセスポイント装置100は、第3の通信規格に準拠した端末装置110と無線通信部101を介して信号を送受信する。また、アクセスポイント装置100は、IP−IF部102を介してインターネット網40と接続する。なお、図1には、1つのアクセスポイント装置100が示されているが、任意の数のアクセスポイント装置100が無線アクセスシステム1に含まれてよい。
端末装置110−1〜110−6は、例えば、3GPPの仕様書に規定されるUser Equipment(UE)であり、スマートフォンと称される携帯電話、及びタブレット端末と称される情報通信端末装置を含む。
図1に示した一例では、端末装置110−1〜110−2は、第1の通信規格に従って第1基地局装置70と無線で接続し、第1基地局装置70を介して通信を行う。端末装置110−3〜110−4は、第2の通信規格に従って第2基地局装置90と無線で接続し、第2基地局装置90を介して通信を行う。端末装置110−5〜110−6は、第3の通信規格に従ってアクセスポイント装置100と無線で接続し、アクセスポイント装置100を介して通信を行う。なお、図1は、無線アクセスシステム1を説明するための例示であり、各基地局装置に接続し得る端末装置110の数は、任意であってよい。
また、図1に示した一例では、端末装置110−1と端末装置110−2の間は、第4の通信規格に従って無線で接続され、端末装置110−1と端末装置110−2の間で通信が行われる。端末装置110−3と端末装置110−4の間は、第4の通信規格に従って無線で接続され、端末装置110−3と端末装置110−4の間で通信が行われる。端末装置110−5と端末装置110−6の間は、第4の通信規格に従って無線で接続され、端末装置110−5と端末装置110−6の間で通信が行われる。第4の通信規格は、例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、及びNear Field Communication(NFC)といった近距離の無線通信規格である。なお、図1は、無線アクセスシステム1を説明するための例示であり、1つの端末装置110と複数の端末装置110との間が第4の通信規格に従って無線で接続され、1つの端末装置110と複数の端末装置110との間で通信が行われてよい。
図6は、実施形態に従った端末装置の例示的な機能構成図である。図6に示すように、端末装置110は、端末情報送信部111、配信情報受信部112、配信データ取得部113、配信データ格納部114、無線通信部115、及び端末間無線通信部116を含む。
端末情報送信部111は、当該端末装置110が存在する位置を示す位置情報を無線通信部115を介して位置情報管理装置30へ送信する。また、端末情報送信部111は、端末装置110の機種及び/又は電力情報を無線通信部115を介して輻輳抑制装置60へ送信し得る。端末装置110の電力情報は、例えば、端末装置110のバッテリの残量や、交流(Alternative Current、AC)電源といった外部電源との接続状態である。
配信情報受信部112は、グループ情報及びデータマップ情報を無線通信部115を介して輻輳抑制装置60から受信する。グループ情報は、配信データ11Aの配信対象の端末装置110が含まれる端末装置群に関する情報である。配信情報受信部112により受信されるグループ情報は、当該端末装置110が含まれる端末装置群に関するグループ情報である。データマップ情報は、配信データ11Aが分割された分割配信データのデータマップを表す情報である。配信情報受信部112により受信されるデータマップ情報は、当該端末装置110が配信対象の端末装置110として指定された配信データ11Aのデータマップ情報である。
配信情報受信部112は、クラウドサーバ20から送信された配信データ11Aを無線通信部115を介して受信し得る。例えば、当該端末装置110が代表サーバ端末装置である場合、クラウドサーバ20から送信された配信データ11Aを無線通信部115を介して受信する。配信情報受信部112は、受信された配信データ11Aを配信データ格納部114へ格納する。
配信データ取得部113は、端末装置110間の通信を介して配信データ11Aを取得するための処理を実行する。配信データ取得部113は、グループ情報及びデータマップ情報を配信情報受信部112から受信する。配信データ取得部113は、受信されたグループ情報をグループ情報データベース(DB)113Aに記録し、受信されたデータマップ情報をデータマップ情報データベース(DB)113Bに記録する。配信データ取得部113は、データマップ情報により特定される分割配信データを、グループ情報により示される端末装置群に含まれる端末装置110と端末間無線通信部116を介して送受信する。
配信データ取得部113が分割配信データを直接送受信する端末装置110は、第4の無線規格に従って通信し得る端末装置110であり、当該端末装置110の周辺に存在する端末装置110である。配信データ取得部113は、当該端末装置110の存在を周辺に存在する端末装置110に認識させるために、端末装置群内の各端末装置110に割り当てられたユニークな送信タイミングでビーコン信号を周辺の端末装置110へ端末間無線通信部116を介して送信し得る。
配信データ取得部113は、配信データ格納部114に格納されている分割配信データを端末間無線通信部116を介して周辺の端末装置110へ送信する。また、配信データ取得部113は、周辺の端末装置110から送信された分割配信データを端末間無線通信部116を介して受信し、受信された分割配信データを配信データ格納部114に格納する。
配信データ格納部114に格納された分割配信データは、配信データ取得部113により受信されたデータマップ情報に従って組み立てられる。配信データ11Aに含まれる全ての分割配信データが配信データ格納部114に格納されると、配信データ格納部114内の分割配信データは、1つの配信データ11Aに結合される。
無線通信部115は、第1〜第3の通信規格の内の何れか1つの通信規格に従って基地局装置と接続し、基地局装置と信号を送受信する。端末間無線通信部116は、第4の通信規格に従って当該端末装置110の周辺に存在する端末装置110と接続し、周辺の端末装置110と信号を送受信する。
図7は、実施形態に従った端末装置の例示的なハードウェア構成図である。図7に示すように、端末装置110Aは、CPU110A−1、メモリ110A−2、ストレージ110A−3、記憶媒体用ドライブ110A−4、入力装置110A−5、出力装置110A−6、無線モジュール110A−7、アンテナ110A−8、及びバス110A−9を含む。CPU110A−1、メモリ110A−2、ストレージ110A−3、記憶媒体用ドライブ110A−4、入力装置110A−5、出力装置110A−6、及び無線モジュール110A−7は、バス110A−9を介して相互に接続される。
CPU110A−1は、演算処理を行う論理回路である。メモリ110A−2は、CPU110A−1が直接アクセス可能な主記憶装置であり、CPU110A−1により実行中のプログラムや処理中のデータを一時的に記憶する。メモリ110A−1は、例えば、SDRAMである。CPU110A−1及びメモリ110A−1は、端末情報送信部111、配信情報受信部112、及び配信データ取得部113に対応し得る。
ストレージ110A−3は、例えば、ハードディスクドライブ及びフラッシュメモリである。ストレージ110A−3には、CPU110A−1により実行される各種プログラムやデータが格納される。ストレージ110A−3は、グループ情報データベース113A及びデータマップ情報データベース113Bに対応し得る。
記録媒体用ドライブ110A−4は、記録媒体に記録されたデータを読み込み、及び/又はCPU110A−1により処理されたデータを記録媒体へ書き込むための装置である。記録媒体は、例えば、例えば、CD−ROM、DVD、USBメモリ、SDカード、及びフラッシュメモリ等である。
入力装置110A−5は、端末装置110Aの利用者が端末装置110Aへの命令を入力するための装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等である。出力装置110A−6は、CPU110A−1による処理結果を表示するための装置であり、例えば、液晶ディスプレイである。無線モジュール110A−7は、第1〜第4の何れか通信規格に従ってアンテナ110−9を介して無線信号を送受信する装置であり、無線通信部115及び端末間無線通信部116に対応し得る。
以下に、無線アクセスシステム1が実行するデータ配信処理の一例を説明する。
まず、輻輳抑制装置60は、無線アクセスシステム1に含まれる端末装置110の位置情報を取得する。また、輻輳抑制装置60は、無線アクセスシステム1に含まれる端末装置110の機種情報及び/又は電力情報を取得し得る。図8は、実施形態に従った無線アクセスシステムが実行する位置情報の取得処理の例示的なシーケンス図である。
図8において、端末装置A及び端末装置Bは、無線アクセスシステム1に含まれる端末装置110の一例である。各端末装置110は、当該端末装置110が存在する位置の周辺の基地局装置の内、受信された報知信号の無線品質が良好な基地局装置にそれぞれ接続する。接続される基地局装置は、第1基地局装置70、第2基地局装置90、及びアクセスポイント装置100の何れかであり得る。なお、接続される基地局装置が第1基地局装置70である場合には、端末装置110とコアネットワーク50との間の信号の送受信は、接続された第1基地局装置70及び第1基地局制御装置80を介して行われる。
端末装置Aは、端末装置Aが接続した基地局装置及びコアネットワーク50を介して、端末装置Aの位置情報を位置情報管理装置30へ送信する(処理P1001〜P1003)。位置情報管理装置30は、受信された位置情報を位置情報管理データベース31Aに記録する。また、位置情報管理装置30は、受信された位置情報をコアネットワーク50及びインターネット網40を介して輻輳抑制装置60へ送信する(処理P1004〜P1006)。輻輳抑制装置60の位置情報管理部61は、位置情報管理装置30から送信された位置情報をIP−IF部64を介して受信し、受信された位置情報を位置情報管理データベース61Aに記録する。
また、端末装置Bは、端末装置Bが接続した基地局装置及びコアネットワーク50を介して、端末装置Bの位置情報を位置情報管理装置30へ送信する(処理P1007〜P1009)。位置情報管理装置30は、受信された位置情報を位置情報管理データベース31Aに記録する。また、位置情報管理装置30は、受信された位置情報をコアネットワーク50及びインターネット網40を介して輻輳抑制装置60へ送信する(処理P1010〜P1012)。輻輳抑制装置60の位置情報管理部61は、位置情報管理装置30から送信された位置情報をIP−IF部64を介して受信し、受信された位置情報を位置情報管理データベース61Aに記録する。
端末装置Aは、端末装置Aが接続した基地局装置、コアネットワーク50、及びインターネット網40を介して、端末装置Aの機種情報及び/又は電力情報を輻輳抑制装置60へ送信し得る(処理P1013〜P10116)。輻輳抑制装置60の位置情報管理部61は、端末装置Aから送信された機種情報及び/又は電力情報をIP−IF部64を介して受信し、受信された機種情報及び/又は電力情報を保持し得る。また、端末装置Bは、端末装置Bが接続した基地局装置、コアネットワーク50、及びインターネット網40を介して、端末装置Bの機種情報及び/又は電力情報を輻輳抑制装置60へ送信し得る(処理P1017〜P1020)。輻輳抑制装置60の位置情報管理部61は、端末装置Bから送信された機種情報及び/又は電力情報をIP−IF部64を介して受信し、受信された機種情報及び/又は電力情報を保持し得る。
なお、図8に示した位置情報の取得処理のシーケンスは、例示であることに留意すべきである。例えば、端末装置A及び端末装置Bといった端末装置110は、当該端末装置110の位置情報をMeasurement Reportといった無線品質測定信号に含ませて送信してもよい。また、端末装置110は、当該端末装置110の機種情報及び/又は電力情報を位置情報と一緒に送信してもよい。
上述したような位置情報取得が実行されることによって、位置情報管理部61は、無線アクセスシステム1に含まれる各端末装置110が現在存在する位置を示す位置情報を取得する。また、位置情報管理部61は、無線アクセスシステム1に含まれる各端末装置110の機種情報及び/又は電力情報を取得する。また、位置情報管理部61は、地図や建物といったエリア情報を地図データ提供サーバやエリア品質サーバから取得し、取得されたエリア情報を保持する。
図9A及び図9Bは、実施形態に従った無線アクセスシステムが実行するデータ配信の例示的なシーケンス図である。プロバイダ装置10は、利用者の情報処理装置から配信データ11A及び配信データ情報11Bを受信し、受信された配信データ11A及び配信データ情報11Bを保持する。プロバイダ装置10は、配信データ11Aをインターネット網40を介してクラウドサーバ20へ送信し、配信データ11Aをクラウドサーバ20にアップロードする(処理P2001〜P2002)。クラウドサーバ20は、受信された配信データ11Aを配信データデータベース21Aに記録する。
プロバイダ装置10は、インターネット網40を介して配信データ11Aの配信を輻輳抑制装置60に指示する(処理P2003〜P2004)。プロバイダ装置10から送信される配信指示には、配信データ情報11Bが含まれる。配信データ情報11Bは、配信データ11Aが配信される端末装置110の情報や、配信データ11Aのデータサイズを含む。
輻輳抑制装置60は、配信データ11Aの配信指示をプロバイダ装置10から受信する。そして、輻輳抑制装置60は、クラウドサーバ20から配信対象の端末装置110へ配信データ11Aを配信するための配信情報を生成する。生成される配信情報には、グループ情報及びデータマップ情報が含まれる。図10〜図12を参照しながら、輻輳抑制装置60が実行する配信情報の生成処理を説明する。
図10は、実施形態に従ったデータ配信が行われる例示的な端末装置群の説明図である。図10に示した一例では、端末装置番号1〜150の150個の端末装置110が特定エリアA内に存在する。特定エリアAは、例えば、イベント会場、特定の建物、駅構内等である。また、図10に示した一例では、特定エリアの通信は、基地局装置A及び基地局装置Bといった2つの基地局装置によりカバーされる。図10に示した一例のように、特定エリアの通信が2つの基地局装置によりカバーされる場合、ある端末装置110は、基地局装置Aと接続し得、別のある端末装置110は、基地局装置Bと接続し得る。或いは、基地局装置Aがカバーする通信エリアと基地局装置Bがカバーする通信エリアとが少なくとも一部重なる場合、ある端末装置110は、無線品質の良好な基地局装置Aと接続し得、別のある端末装置110は、無線品質の良好な基地局装置Bと接続し得る。第1及び第2の基地局装置はそれぞれ、第1基地局装置70、第2基地局装置90、及びアクセスポイント装置100の内の何れかの基地局装置であり得る。なお、図10は、例示であり、特定エリア内に存在する端末装置110の数は、任意の数であってよい。また、特定エリアの通信は、1つの基地局装置によりカバーされてよく、3つ以上の基地局装置によりカバーされてよい。
図11は、実施形態に従った輻輳抑制装置が実行するグループ情報の生成処理の例示的なフロー図である。配信情報を生成する一連の処理が開始されると(ステップS1001)、データマッピング部63は、プロバイダ装置10から送信された配信指示をIP−IF部64を介して受信する(ステップS1002)。図10に示した一例では、端末装置番号1〜150の端末装置110を含む端末装置110に対する配信指示が受信される。
データマッピング部63は、受信された配信指示に含まれる配信データ情報11Bを参照して、配信データ11Aの配信対象である端末装置110の識別情報を取得する。データマッピング部63は、取得された端末装置110の識別情報に基づいて、配信対象の端末装置110を特定する(ステップS1003)。図10に示した一例では、端末装置番号1〜150の端末装置110を含む端末装置110が特定される。
データマッピング部63は、配信対象の端末装置110の位置情報の送信依頼を位置情報管理部61へ送信する。送信依頼を受けた位置情報管理部61は、配信データ11Aの配信対象である端末装置110の位置情報を位置情報管理ベースから取得し、取得された位置情報をグルーピング部62及びデータマッピング部63へ送信する。グルーピング部62及びデータマッピング部63は、位置情報管理部61から送信された位置情報を受信し、配信対象の端末装置110の位置情報を取得する(ステップS1004)。図10に示した一例では、取得される位置情報は、端末装置番号1〜150の端末装置110を含む端末装置110の位置情報である。
グルーピング部62は、配信対象の端末装置110の位置情報により示される位置を含むエリア情報の送信依頼を位置情報管理部61へ送信する。位置情報管理部61は、配信対象の端末装置110の位置を含むエリア情報をグルーピング部62へ送信する。グルーピング部62は、位置情報管理部61から送信されたエリア情報を受信し、配信対象の端末装置110の位置を含むエリア情報を取得する(ステップS1005)。図10に示した一例では、特定エリアAに対するエリア情報が取得される。
グルーピング部62は、取得されたエリア情報を用いて、特定エリア内に存在する配信対象の端末装置110の数を特定する(ステップS1006)。図10に示した一例では、端末装置110の数は150に特定される。
グルーピング部62は、特定エリア内に存在する配信対象の端末装置110の通信をカバーする基地局装置を特定する。特定される基地局装置の数は、1つ以上であり得る。図10に示した一例では、基地局装置の数は2つ(基地局装置A及び基地局装置B)に特定される。
グルーピング部62は、特定された当該基地局装置の位置と、特定された当該基地局装置の通信エリア内に存在する端末装置110の数とを算出する(ステップS1007)。無線アクセスシステム1に含まれる各基地局装置の位置、カバーされる通信エリア、及び処理能力といった基地局装置の情報は、輻輳抑制装置60内に予め設定される。グルーピング部62は、設定された基地局装置の情報を取得し得る。各基地局装置の処理能力は、当該基地局装置が収容可能な端末装置110の数やメモリ容量に基づいて所定値が予め設定される。
グルーピング部62は、特定エリア内に存在する配信対象の端末装置110をグルーピングする端末装置群の数と、グルーピングされた各端末装置群に含まれる配信対象の端末装置110とを決定する(ステップS1008)。例えば、グルーピング部62は、特定エリアに存在する配信対象の端末装置110の数、特定された基地局装置の処理能力、及び要求配信速度を用いて、端末装置群の数と各端末装置群に含まれる端末装置110とを決定する。要求配信速度とは、特定エリア内に存在する配信対象の全ての端末装置110へ当該配信データ11Aが配信されるために要求される配信速度である。
例えば、当該特定エリア内に存在する配信対象の端末装置110の数が所定値よりも多い場合、グルーピング部62は、複数の端末装置群を決定し、決定された各端末装置群に含まれる端末装置110を決定する。また、特定エリアに存在する配信対象の端末装置110の数に対して特定された基地局装置の処理能力が低いと判定される場合、グルーピング部62は、複数の端末装置群を決定し、決定された各端末装置群に含まれる端末装置110を決定する。さらに、当該配信データ11Aに対する要求配信速度が高いと判定される場合、グルーピング部62は、複数の端末装置群を決定し、決定された各端末装置群に含まれる端末装置110を決定する。
図10に示した一例では、1つの端末装置群Gが決定され、端末装置群Gに含まれる150個の端末装置110が決定される。
グルーピング部62は、決定された各端末装置群にユニークなグループ識別子を付ける。また、グルーピング部62は、決定された端末装置群毎に、当該端末装置群に含まれる端末装置110にユニークな端末装置番号を付ける(ステップS1009)。
グルーピング部62は、決定された端末装置群毎に、当該端末装置群に含まれる端末装置110の中から1つ以上の代表サーバ端末装置を決定する(ステップS1010)。
例えば、グルーピング部62は、当該端末装置群の規模と当該配信データ11Aの要求配信速度とに従って、当該端末装置群に対する代表サーバ端末装置の数を決定する。当該配信データの要求配信速度が高い場合には、グルーピング部62は、当該端末装置群に対して複数の代表サーバ端末装置を決定する。一方、当該配信データ11Aの要求配信速度が低い場合には、グルーピング部62は、当該端末装置群に対して1つの代表サーバ端末装置を決定し得る。ただし、当該端末装置群に含まれる端末装置110の数が多いために配信速度が要求配信速度を下回ると判断される場合には、グルーピング部62は、当該端末装置群に対して複数の代表サーバ端末装置を決定し得る。
例えば、グルーピング部62は、特定された基地局装置の帯域利用状況を取得し、取得された基地局装置の帯域利用状況と当該端末装置群の規模とに従って、当該端末装置群に対する代表サーバ端末装置の数を決定する。当該端末装置群に含まれる端末装置110の数が少ない場合には、グルーピング部62は、当該端末装置群から1つの代表サーバ端末装置を決定する。一方、当該端末装置群に含まれる端末装置110の数が多い場合には、基地局装置の帯域を複数の端末装置110が利用することによって、基地局装置から複数の端末装置110への通信速度が低下し得る。しかしながら、複数の代表サーバ端末装置が用いられることによって当該端末装置群内における配信速度が向上し、全ての端末装置110が配信データ11Aをダウンロードするまでの時間が短縮できると判断される場合には、グルーピング部62は、当該端末装置群から複数の代表サーバ端末装置を決定する。
例えば、グルーピング部62は、各端末装置110の機種情報を用いて、当該端末装置群に含まれる端末装置110の内、高速通信が可能な機種の端末装置110を代表サーバ端末装置に決定し得る。グルーピング部62は、各端末装置110の電力情報を用いて、当該端末装置群に含まれる端末装置110の内、バッテリの消耗が少なかったり外部電源が接続されている端末装置110を代表サーバ端末装置に決定し得る。グルーピング部62は、端末装置110の位置情報を時間差でサンプリングし、当該端末装置群に含まれる端末装置110の内、位置の移動が小さくハンドオーバする可能性が少ない端末装置110を代表サーバ端末装置に決定し得る。
図10に示した一例では、端末装置番号1の端末装置110及び端末装置番号10の端末装置110が端末装置群Gの中から代表サーバ端末装置に決定される。
グルーピング部62は、端末装置群のエリア番号、端末総数、グループ識別子、及び端末装置番号を当該端末装置群のグループ情報として、各端末装置群のグループ情報をグループ情報管理データベース62Aに記録する。図10に示した一例では、特定エリアAの識別番号、端末装置110の総数150、端末装置群Gの識別子、及び端末装置番号1〜150が端末装置群Gのグループ情報として記録される。
グルーピング部62は、グループ情報をデータマッピング部63へ通知する(ステップS1011)。データマッピング部63は、通知されたグループ情報を当該グループ情報に対応する端末装置群に含まれる各端末装置110へIP−IF部64を介して送信し(ステップS1012)、グループ情報を生成する一連の処理は終了される(ステップS1013)。
上述したようなグループ情報の生成処理によって、輻輳抑制装置60は、端末装置Aを含む端末装置群に対応するグループ情報を、インターネット網40、コアネットワーク50、端末装置Aが接続する基地局装置を介して端末装置Aへ送信する(処理P2005〜P2008)。また、輻輳抑制装置60は、端末装置Bを含む端末装置群に対応するグループ情報を、インターネット網40、コアネットワーク50、端末装置Bが接続する基地局装置を介して端末装置Bへ送信する(処理P2009〜P2012)。図10に示した一例では、端末装置A及び端末装置Bは、同一の端末装置群(端末装置群G)に含まれる端末装置110である。
グループ情報の生成処理が実行されると、データマップ情報の生成処理が実行される。図12は、実施形態に従った輻輳抑制装置が実行するデータマップ情報の生成処理の例示的なフロー図である。
データマップ情報を生成する一連の処理が開始されると(ステップS2001)、データマッピング部63は、グルーピング部62から送信されたグループ情報を受信する(ステップS2002)。データマッピング部63は、配信データ11Aのデータサイズと、受信されたグループ情報により示される端末装置群に含まれる端末装置110の数とに基づいて、配信データ11Aの分割サイズを決定する(ステップS2003)。例えば、データマッピング部63は、配信データ11Aのデータサイズを端末装置110の数の倍数(1倍以上の任意の倍数)で割って、配信データ11Aの分割サイズを決定する。端末装置群内の端末装置110間で配信データ11Aが分割されて送受信されるように構成することで、端末装置110間の配信サイクルを短くすることができ、配信データ11Aの送信待ちや受信待ちの時間を短くできる。
データマッピング部63は、決定された分割サイズで配信データ11Aを分割して、複数の分割配信データを生成する。データマッピング部63は、ユニークなブロック番号を各分割配信データに付ける(ステップS2004)。ブロック番号は、配信データ11Aに含まれる各分割配信データを示す番号である。
データマッピング部63は、ブロック番号で識別される各分割配信データに配信データ11A内の位置を示すデータアドレスを付けて、配信データ11Aのデータマップ情報を作成する(ステップS2005)。輻輳抑制装置60は、作成されたデータマップ情報に端末装置情報を付ける。端末装置情報には、データマップ情報が送信される当該端末装置110の端末装置番号が含まれる。また、端末装置情報には、当該端末装置110が代表サーバ端末装置であるか否かを示す情報が含まれる。
データマッピング部63は、端末装置群に含まれる各端末装置110のビーコン信号の送信スケジュールを決定する(ステップS2006)。ビーコン信号は、当該端末装置110が配信データ11Aを受信可能であることを周辺の端末装置110に通知するために周期的に送信される信号である。データマッピング部63は、グループ情報に付属する時分割されたユニークなタイミングで各端末装置110がずらして送信できるようにビーコン信号の送信スケジュールを決定する。
データマッピング部63は、決定されたビーコン信号の送信スケジュールと共に、端末装置情報が付されたデータマップ情報をIP−IF部64を介して端末装置群内の各端末装置110へ送信する(ステップS2007)。そして、データマップ情報を生成する一連の処理は終了される(ステップS2008)。
上述したようなデータマップ情報の生成処理によって、輻輳抑制装置60は、端末装置Aを含む端末装置群に対応するデータマップ情報を、インターネット網40、コアネットワーク50、端末装置Aが接続する基地局装置を介して端末装置Aへ送信する(処理P2013〜P2016)。また、輻輳抑制装置60は、端末装置Bを含む端末装置群に対応するデータマップ情報を、インターネット網40、コアネットワーク50、端末装置Bが接続する基地局装置を介して端末装置Bへ送信する(処理P2017〜P2020)。
輻輳抑制装置60のデータマッピング部63は、端末装置群に含まれる代表サーバ端末装置へ配信データ11Aを配信するように、インターネット網40を介してクラウドサーバ20へ指示する。例えば、端末装置Aが代表サーバ端末装置であり、端末装置Bは代表サーバ端末装置ではないと仮定した場合、輻輳抑制装置60は、端末装置Aへ配信データ11Aを配信するようにクラウドサーバ20へ指示する(処理P2021〜P2022)。
クラウドサーバ20は、受信された配信指示に従って、インターネット網40、コアネットワーク50、及び当該サーバ端末装置が接続する基地局装置を介して、配信データデータベース21Aに格納された配信データ11Aを代表サーバ端末装置へ送信する。図9Bに示した一例では、クラウドサーバ20は、配信データ11Aを端末装置Aへ送信する(処理P2023〜P2026)。
端末装置群に含まれる代表サーバ端末装置が配信データ11Aを受信すると、受信された配信データ11Aは、代表サーバ端末装置から端末装置群内の各端末装置110へ配信される。具体的には、端末装置群内において、受信された配信データ11Aが分割された分割配信データが端末装置110間で送受信されることによって、端末装置群内の各端末装置110は、配信データ11Aをダウンロードする。図9Bに示した一例では、端末装置Aは、端末装置Aと同一の端末装置群内の他の端末装置110である端末装置Bへ分割配信データを送信する(処理P2027)。端末装置Bは、端末装置Aから送信された分割配信データを受信し、受信された分割配信データを結合することによって、配信データ11Aをダウンロードする。また、図10に示した一例では、端末装置番号1の端末装置110を基点として他の端末装置110へ拡散する矢印によって示されるように、端末装置番号1の端末装置110が受信した配信データ11Aは、分割配信データに分割されて近傍の端末装置110間で送受信される。また、端末装置番号10の端末装置110を基点として他の端末装置110へ拡散する矢印によって示されるように、端末装置番号10の端末装置110が受信した配信データ11Aは、分割配信データに分割されて近傍の端末装置110間で送受信される。こうして、端末装置番号1及び10の端末装置110がそれぞれ受信した配信データ11Aは、端末装置群G内の各端末装置110へ配信される。
図13〜図15を更に参照しながら、端末装置群に含まれる各端末装置110が実行する配信データの取得処理の一例を説明する。図13は、実施形態に従った端末装置が実行する配信データの取得処理の例示的なフロー図である。
一連の配信データ取得処理が開始されると(ステップS3001)、配信情報受信部112は、輻輳抑制装置60から送信されたデータマップ情報及びグループ情報の受信を待機し、データマップ情報及びグループ情報の受信の有無を判断する(ステップS3002)。なお、図9Aを参照しながら前述したように、データマップ情報及びグループ情報は、異なるタイミングで輻輳抑制装置60から端末装置110へ送信され得る。図12を参照しながら前述したように、データマップ情報には、端末装置情報が付され、端末装置情報には、データマップ情報が受信された当該端末装置110の端末装置番号や代表サーバ端末装置を示す情報が含まれる。また、当該端末装置110のビーコン信号のユニークな送信スケジュールは、データマップ情報と共に送信され得る。
データマップ情報及びグループ情報が無線通信部115を介して受信されたと判断されると(ステップS3002で“YES”)、配信情報受信部112は、受信されたデータマップ情報及びグループ情報を配信データ取得部113へ送信する。配信データ取得部113は、配信情報受信部112から送信されたグループ情報を受信し、受信されたグループ情報をグループ情報データベース113Aに格納する。また、配信データ取得部113は、配信情報受信部112から送信されたデータマップ情報を受信し、受信されたデータマップ情報をデータマップ情報データベース113Bに格納する(ステップS3003)。
データマップ情報データベース113Bに格納されるデータマップ情報は、例えば、図4に示されるテーブルの形式で格納される。また、テーブル形式で格納されるデータマップ情報において、アドレスにより特定される分割配信データに対応する各ブロックには、当該端末装置110が当該分割配信データを受信済みであるか否かを示すフラグが立てられる。
配信情報取得部113は、データマップ情報と共に受信されたビーコン信号の送信スケジュールを配信情報受信部112から取得する。そして、配信情報取得部113は、取得された送信スケジュールに従って、当該端末装置110の端末装置番号を含むビーコン信号を端末間無線通信部116を介して周辺の端末装置110へ向けて送信する(ステップS3004)。
配信情報取得部113は、周辺の端末装置110からユニークなタイミングで送信されたビーコン信号を端末間無線通信部116を介して受信する。配信情報取得部113は、受信されたビーコン信号に含まれる端末装置番号を参照し、当該端末装置110の周辺に存在する端末装置110を特定する(ステップS3005)。
配信情報取得部113は、受信されたデータマップ情報に付された端末装置情報に基づいて、一連の配信データ取得処理を実行している当該端末装置110が代表サーバ端末装置か否かを判断する(ステップS3006)。
当該端末装置110が代表サーバ端末装置ではないと判断される場合(ステップS3006で“NO”)、配信情報取得部113は、クライアント処理を実行する(ステップS3007)。クライアント処理とは、周辺の端末装置110が保有する分割配信データを当該端末装置110が周辺の端末装置110から取得する処理である。分割配信データとは、代表サーバ端末装置がダウンロードした配信データ11Aがデータマップ情報により示される配信規則に従って分割されたデータである。クライアント処理の詳細は、図15を参照しながら後述する。
当該端末装置110が代表サーバ端末装置であると判断される場合(ステップS3006で“YES”)、配信情報受信部112は、輻輳抑制装置60による送信指示に従ってクラウドサーバ20から送信された配信データ11Aのダウンロードを開始する(ステップS3008)。すなわち、配信情報受信部112は、クラウドサーバ20から送信された配信データ11Aを配信データ格納部114に格納する。
クラウドサーバ20から送信された配信データ11Aを配信データ格納部114に格納し、配信データ11Aのダウンロードが完了されると(S3009で“YES”)、配信情報受信部112は、配信データ11Aのダウンロード完了を配信データ取得部113に通知する。配信データ取得部113は、データマップ情報データベース113Bに記録されたデータマップ情報内の全てのブロックに、当該端末装置110が分割配信データを受信済みであることを示すフラグを立てる。そして、配信データ取得部113は、サーバ処理を実行する(ステップS3010)。サーバ処理とは、当該端末装置110が保有する分割配信データを当該端末装置110が周辺の端末装置110へ送信する処理である。サーバ処理の詳細は、図14を参照しながら説明する。
図14は、実施形態に従った端末装置が実行するサーバ処理の例示的なフロー図である。図15は、実施形態に従った端末装置が実行するクライアント処理の例示的なフロー図である。
図14に示されるサーバ処理は、代表サーバ端末装置により実行され得る。また、図14に示されるサーバ処理は、クライント処理を実行した端末装置110により実行され得る。図15に示されるクライアント処理は、代表サーバ端末装置以外の端末装置110により実行され得る。以下の説明において、サーバ処理を実行する端末装置110をサーバ端末装置と呼び、クライアント処理を実行する端末装置110をクライント端末装置と呼ぶ。代表サーバ端末装置以外の端末装置110は、図14に示されるサーバ処理を実行するサーバ端末装置であり得、図15に示されるクライアント処理を実行するクライアント端末装置であり得る。
まず、実施形態に従った端末装置110が実行するサーバ処理の一例を図14を参照しながら説明する。
端末装置110がサーバ端末装置として一連のサーバ処理を開始すると(ステップS4001)、当該端末装置110の配信データ取得部113は、端末間無線通信部116を介して周辺の端末装置110へ同報信号を送信し、周辺の端末装置110とのリンクを確立する(ステップS4002)。配信データ取得部113から送信される同報信号は、周辺の端末装置110の端末装置番号を含み、サーバ端末装置である当該端末装置110とのリンクを確立する指示を含む。リンクを確立した端末装置110は、クライアント端末装置になる。
配信データ取得部113は、リンクを確立したクライアント端末装置が未だ受信していない分割配信データに関する情報を端末間無線通信部116を介して受信する(ステップS4003)。未受信の分割配信データに関する情報は、リンクを確立した各クライアント端末装置から送信される。
図10を参照しながら前述したように、端末装置群に含まれる端末装置110の内、代表サーバ端末装置以外の端末装置110は、保有される分割配信データを周辺の端末装置110間で送受信することによって、配信データ11Aを取得する。したがって、当該端末装置110とリンクを確立したクライアント端末装置の中には、周辺のサーバ端末装置から未だ受信していない分割配信データがあるクライアント端末装置が存在し得る。クライアント端末装置が未受信の分割配信データに関する情報は、例えば、当該分割配信データにユニークに付けられたアドレスであってよく、当該分割配信データのブロック番号であってよい。
配信データ取得部113は、未受信の分割配信データに関する情報に基づいて、送信可能な分割配信データが配信データ格納部114にあるか否かを判断する(ステップS4004)。具体的には、配信データ取得部113は、データマップ情報データベース113Bに記録されたデータマップ情報を参照する。そして、配信データ取得部113は、リンクを確立したクライアント端末装置が未受信の分割配信データに対応するブロックに、当該端末装置110が当該分割配信データを受信済みであることを示すフラグが立っているか否かを判断する。
送信可能な分割配信データが配信データ格納部114にあると判断される場合(ステップS4004で“YES”)、配信データ取得部113は、送信可能な分割配信データを配信データ格納部114から取得する。そして、配信データ取得部113は、取得された分割配信データをリンクを確立したクライアント端末装置へ端末間無線通信部116を介して送信する(ステップS4005)。
送信可能な分割配信データの送信が完了すると(ステップS4006で“YES”)、配信データ取得部113は、当該端末装置110の周辺に存在する通信可能な端末装置110をサーチする(ステップS4007)。各端末装置110を保持する利用者は、移動する可能性があるため、当該端末装置110と通信し得る周辺の端末装置110は変更され得る。そこで、ステップS4007において、配信データ取得部113は、周辺の端末装置110から送信されたビーコン信号を再度受信して、周辺の端末装置110を再度特定する。そして、配信データ取得部113は、ステップS4002の処理に戻る。
送信可能な分割配信データが配信データ格納部114にないと判断される場合(ステップS4004で“NO”)、配信データ取得部113は、リンクを確立したクライアント端末装置へリンクの切断要求を送信する。そして、配信データ取得部113は、全ての分割配信データの受信が完了したか否かを判断する(ステップS4008)。具体的には、配信データ取得部113は、データマップ情報データベース113Bに記録されたデータマップ情報の全てのブロックに、当該端末装置110が当該ブロックに対応する分割配信データを受信済みであることを示すフラグが立っているか否かを確認する。例えば、一連のサーバ処理を実行する当該端末装置110が代表サーバ端末装置である場合、データマップ情報の全てのブロックには、当該端末装置110が当該ブロックの分割配信データを受信済みであることを示すフラグが立っている。
全ての分割配信データが受信済みであると判断される場合(ステップS4008で“YES”)、当該端末装置110は、ステップS3001で開始された一連の配信データ取得処理を終了する(ステップS4009)。一部の分割配信データが受信済みでないと判断される場合(ステップS4008で“NO”)、サーバ端末装置として一連のサーバ処理を実行している当該端末装置110は、クライアント処理へ移行する(ステップS4010)。
次に、実施形態に従った端末装置110が実行するクライアント処理の一例を図15を参照しながら説明する。
端末装置110がクライアント端末装置として一連のクライアント処理を開始すると(ステップS5001)、当該端末装置110の配信データ取得部113は、サーバ端末装置として動作する周辺の端末装置110からのアクセスを待機する(ステップS5002)。
配信データ取得部113は、サーバ端末装置から送信された同報信号を端末間無線通信部116を介して受信し、受信された同報信号に従って、サーバ端末装置とのリンクを端末間無線通信部116を介して確立する(ステップS5003)。配信データ取得部113は、データマップ情報データベース113B内に記録されたデータマップ情報内の各ブロックのフラグを参照して、未受信の分割配信データを確認する。そして、配信データ取得部113は、未受信の分割配信データに関する情報を端末間無線通信部116を介して、リンクを確立したサーバ端末装置へ送信する(ステップS5004)。送信される未受信の分割配信データに関する情報は、当該分割配信データにユニークに付けられたアドレスであってよく、当該分割配信データのブロック番号であってよい。
未受信の分割配信データがリンクを確立したサーバ端末装置に存在しない場合(ステップS5005で“NO”)、配信データ取得部113は、リンクを確立したサーバ端末装置から送信されたリンクの切断要求を受信する(ステップS5006)。配信データ取得部113は、サーバ端末装置と確立したリンクを端末間無線通信部116に切断させ(ステップS5007)、ステップS5002の処理に戻る。
未受信の分割配信データがリンクを確立したサーバ端末装置に存在する場合(ステップS5005で“YES”)、配信データ取得部113は、リンクを確立したサーバ端末装置から送信された未受信の分割配信データを端末間無線通信部116を介して受信する(ステップS5008)。
未受信の分割配信データの受信が完了すると(ステップS5009で“YES”)、配信データ取得部113は、受信された分割配信データを配信データ格納部114に格納する(ステップS5010)。また、配信データ取得部113は、データマップ情報データベース113Bに記録されたデータマップ情報を更新する(ステップS5011)。具体的には、配信データ取得部113は、受信された分割配信データに対応するブロックのフラグを、当該端末装置110が当該分割配信データを受信済みであるフラグに変更する。そして、配信データ処理部113は、周辺の端末装置110へ送信可能な分割配信データがないか否かを確認するためにサーバ処理へ移行する(ステップS5012)。前述したように、周辺の端末装置110へ送信可能な分割配信データがなく(ステップS4004で“NO”)、当該端末装置110が全ての分割配信データを受信済みである場合(ステップS4008で“YES”)、サーバ処理へ移行した当該端末装置110は、ステップS3001で開始された一連の配信データ取得処理を終了する(ステップS4009)。
以上の説明から理解し得るように、実施形態に従った無線アクセスシステム1では、クラウドサーバ20が端末装置群内の代表サーバ端末装置へ配信データ11Aを配信するように輻輳抑制装置60がデータ配信を制御する。また、実施形態に従った無線アクセスシステム1では、端末装置群内での端末装置110間の通信を通じて、配信データ11Aを受信した代表サーバ端末装置から各端末装置110へ配信データ11Aが配信されるように構成される。
したがって、実施形態に従った無線アクセスシステムによれば、特定エリアに地理的に集中して存在する端末装置110へデータを配信するために、基地局装置を含む無線アクセスネットワーク側に要する帯域は、代表サーバ端末装置へデータ配信するために要する最低限の帯域で足りる。また、実施形態に従った無線アクセスシステムによれば、地理的に集中して存在する複数の端末装置への通信要求が無線アクセスネットワーク内の特定の通信インフラに集中することを回避でき、特定の通信インフラでの輻輳を防止できる。
なお、上述の説明は、実施形態に従った無線アクセスシステムの一例にすぎず、上述した無線アクセスシステムに様々な変更を加え得ることに留意すべきである。
例えば、輻輳抑制装置60は、インターネット網40を介さずにコアネットワーク50と接続された装置であってよい。また、輻輳抑制装置60は、無線アクセスネットワーク内の他の構成要素と一体の装置であってよく、例えば、クラウドサーバ20や位置情報管理装置30と一体の装置であってよい。
また、輻輳抑制装置60の各構成要素により実行される前述した処理は、輻輳抑制プログラムといったソフトウェアの命令の形式で規律されてよく、輻輳抑制プログラムにより各種処理をコンピュータに実行させてもよい。例えば、輻輳抑制プログラムは、記録媒体に記録され、記憶媒体用ドライブ60A−4を介してストレージ60A−3に格納される。CPU60A−1は、格納された輻輳抑制プログラムをRAM60A−2に読み出し、輻輳抑制プログラムを実行する。
さらに、端末装置110の各構成要素により実行される前述した処理は、配信データ取得プログラムといったソフトウェアの命令の形式で規律されてよく、配信データ取得プログラムにより各種処理をコンピュータに実行させてもよい。例えば、配信データ取得プログラムは、記録媒体に記録され、記憶媒体用ドライブ110A−4を介してストレージ110A−3に格納される。CPU110A−1は、格納された配信データ取得プログラムをRAM110A−2に読み出し、配信データ取得プログラムを実行する。
実施形態に従った無線アクセスシステムにこれらの変更が加えられた場合でも、前述したような効果が得られる。
以上の実施形態を含む発明を実施するための形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
端末装置から送信された位置情報を受信し、受信された位置情報を格納し、格納された位置情報の中から、配信データが配信される対象端末装置の位置情報を取得し、取得された前記位置情報から前記対象端末装置が特定エリアに集中して存在すると判断される場合に、前記特定エリアに存在する前記対象端末装置を端末装置群にグルーピングし、グルーピングされた前記端末装置群に含まれる端末装置の中から代表サーバ端末装置を決定し、前記端末装置群に含まれる前記端末装置に関するグループ情報を前記端末装置群に含まれる各端末装置へ送信し、前記端末装置群内において前記代表サーバ端末装置から他の端末装置へ前記配信データが配信される配信規則を示すデータマップ情報を作成し、作成された前記データマップ情報に前記代表サーバ端末装置を識別する情報を付して、前記データマップ情報を前記端末装置群に含まれる各端末装置へ送信し、前記配信データを前記代表サーバ端末装置へ配信するように配信データサーバへ指示する制御装置と、
前記端末装置の位置情報を前記制御装置へ送信し、前記制御装置から送信された前記グループ情報及び前記データマップ情報を受信し、受信された前記グループ情報に含まれる前記端末装置群内の前記他の端末装置と、受信された前記データマップ情報に従って通信することによって、前記代表サーバ端末装置が配信データサーバから取得した前記配信データを取得する端末装置と
を含む無線アクセスシステム。
(付記2)
前記制御装置は、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の数と前記配信データのデータサイズとに従って前記配信データを複数の分割配信データに分割し、前記複数の分割配信データそれぞれにアドレスを付することによって、前記データマップ情報を作成し、
前記端末装置は、前記複数の分割配信データの内、未取得の分割配信データのアドレスを前記端末装置群内の前記他の端末装置へ送信し、送信されたアドレスに対応する分割配信データを前記他の端末装置から受信することにより、前記配信データを取得する、
する、付記1に記載の無線アクセスシステム。
(付記3)
前前記制御装置は、前記特定エリアに存在する前記対象配信対象の端末装置の数、前記特定エリアに存在する前記対象配信対象の端末装置の通信をカバーする基地局装置の処理能力、及び前記配信データの要求配信速度を用いて、前記端末装置群の数と前記端末装置群に含まれる各端末装置とを決定する、付記1または2に記載の無線アクセスシステム。
(付記4)
前記制御装置は、前記端末装置群に含まれる各端末装置の機種情報を用いて、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中から高速通信が可能な機種の端末装置を前記代表サーバ端末装置に決定する、付記1〜3の何れか一項に記載の無線アクセスシステム。
(付記5)
前記制御装置は、前記端末装置群に含まれる各端末装置の電力情報を用いて、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中からバッテリの消耗が少ない端末装置を前記代表サーバ端末装置に決定する、付記1〜3の何れか一項に記載の無線アクセスシステム。
(付記6)
前記制御装置は、前記端末装置群に含まれる各端末装置の位置情報を時間差でサンプリングし、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中から位置の移動が小さい端末装置を前記代表サーバ端末装置に決定する、付記1〜3の何れか一項に記載の無線アクセスシステム。
(付記7)
前記制御装置は、前記端末装置群の規模と当該配信データの要求配信速度とに従って、前記端末装置群に対する代表サーバ端末装置の数を決定する、付記1〜6の何れか一項に記載の無線アクセスシステム。
(付記8)
前記制御装置は、前記特定エリアに存在する前記対象端末装置の通信エリアをカバーする基地局装置の帯域利用状況を取得し、取得された前記帯域利用状況と当該端末装置群の規模とに従って、前記端末装置群に対する前記代表サーバ端末装置の数を決定する、付記1〜6の何れか一項に記載の無線アクセスシステム。
(付記9)
端末装置から送信された位置情報を受信し、受信された位置情報を格納する位置情報管理部と、
配信データが配信される対象端末装置の位置情報を前記位置情報管理部から取得し、取得された前記位置情報から前記対象端末装置が特定エリアに集中して存在すると判断される場合に、前記特定エリアに存在する前記対象端末装置を端末装置群にグルーピングし、グルーピングされた前記端末装置群に含まれる端末装置の中から代表サーバ端末装置を決定し、前記端末装置群に含まれる前記端末装置に関するグループ情報を前記端末装置群に含まれる各端末装置へ送信するグルーピング部と、
前記端末装置群内において前記代表サーバ端末装置から他の端末装置へ前記配信データが配信される配信規則を示すデータマップ情報を作成し、作成された前記データマップ情報に前記代表サーバ端末装置を識別する情報を付して、前記データマップ情報を前記端末装置群に含まれる各端末装置へ送信し、前記配信データを前記代表サーバ端末装置へ配信するように配信データサーバへ指示するデータマッピング部と
を含む制御装置。
(付記10)
前記データマッピング部は、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の数と前記配信データのデータサイズとに従って前記配信データを複数の分割配信データに分割し、前記複数の分割配信データそれぞれにアドレスを付することによって、前記データマップ情報を作成する、付記9に記載の制御装置。
(付記11)
前記グルーピング部は、前記特定エリアに存在する前記対象配信対象の端末装置の数、前記特定エリアに存在する前記対象配信対象の端末装置の通信をカバーする基地局装置の処理能力、及び前記配信データの要求配信速度を用いて、前記端末装置群の数と前記端末装置群に含まれる各端末装置とを決定する、付記9または10に記載の制御装置。
(付記12)
前記グルーピング部は、前記端末装置群に含まれる各端末装置の機種情報を用いて、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中から高速通信が可能な機種の端末装置を前記代表サーバ端末装置に決定する、付記9〜11の何れか一項に記載の制御装置。
(付記13)
前記グルーピング部は、前記端末装置群に含まれる各端末装置の電力情報を用いて、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中からバッテリの消耗が少ない端末装置を前記表サーバ端末装置に決定する、付記9〜11の何れか一項に記載の制御装置。
(付記14)
前記グルーピング部は、前記端末装置群に含まれる各端末装置の位置情報を時間差でサンプリングし、前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中から位置の移動が小さい端末装置を前記代表サーバ端末装置に決定する、付記9〜11の何れか一項に記載の制御装置。
(付記15)
前記グルーピング部は、前記端末装置群の規模と当該配信データの要求配信速度とに従って、前記端末装置群に対する代表サーバ端末装置の数を決定する、付記9〜14の何れか一項に記載の制御装置。
(付記16)
前記グルーピング部は、前記特定エリアに存在する前記対象端末装置の通信エリアをカバーする基地局装置の帯域利用状況を取得し、取得された前記帯域利用状況と当該端末装置群の規模とに従って、前記端末装置群に対する前記代表サーバ端末装置の数を決定する、付記9〜14の何れか一項に記載の制御装置。
(付記17)
端末装置の位置情報を制御装置へ送信する端末情報送信部と、
送信された前記位置情報と他の端末装置の位置情報とから配信データが配信される対象端末装置が特定エリアに集中して存在すると判断される場合に前記特定エリアに存在する前記対象端末装置がグルーピングされた端末装置群に含まれる複数の端末装置に関するグループ情報を前記制御装置から受信し、前記端末装置群に含まれる前記複数の端末装置の中から決定された前記代表サーバ端末装置を識別する情報が付されたデータマップ情報であって前記端末装置群内において前記代表サーバ端末装置から他の端末装置へ前記配信データが配信される配信規則を示す前記データマップ情報を受信する配信情報受信部と、
前記配信情報受信部により受信された前記グループ情報に含まれる前記端末装置群内の前記他の端末装置と、前記配信情報受信部により受信された前記データマップ情報に従って通信することによって、前記代表サーバ端末装置が配信データサーバから取得した前記配信データを取得する配信データ取得部と
を含む端末装置。
(付記18)
前記データマップ情報には、前記配信データが分割された複数の分割配信データそれぞれにアドレスが付された情報が含まれ、
前記配信データ取得部は、前記複数の分割配信データの内、未取得の分割配信データのアドレスを前記端末装置群内の前記他の端末装置へ送信し、送信されたアドレスに対応する分割配信データを前記他の端末装置から受信することにより、前記配信データを取得する、付記17に記載の端末装置。
(付記19)
前記端末装置群の数と前記端末装置群に含まれる各端末装置とは、前記特定エリアに存在する前記対象配信対象の端末装置の数、前記特定エリアに存在する前記対象配信対象の端末装置の通信をカバーする基地局装置の処理能力、及び前記配信データの要求配信速度に従って決定される、付記17または18に記載の端末装置。
(付記20)
前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中から高速通信が可能な機種の端末装置が前記代表サーバ端末装置に決定される、付記17〜19の何れか一項に記載の端末装置。
(付記21)
前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中からバッテリの消耗が少ない端末装置が前記代表サーバ端末装置に決定される、付記17〜19の何れか一項に記載の端末装置。
(付記22)
前記端末装置群に含まれる前記端末装置の中から位置の移動が小さい端末装置が前記代表サーバ端末装置に決定される、付記17〜19の何れか一項に記載の端末装置。
(付記23)
前記端末装置群に対する代表サーバ端末装置の数は、前記端末装置群の規模と当該配信データの要求配信速度とに従って決定される、付記17〜22の何れか一項に記載の端末装置。
(付記24)
前記端末装置群に対する前記代表サーバ端末装置の数は、前記特定エリアに存在する前記対象端末装置の通信エリアをカバーする基地局装置の帯域利用状況と当該端末装置群の規模とに従って決定される、付記17〜22の何れか一項に記載の端末装置。