JP6303459B2 - 免震構造物 - Google Patents
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Description
前記構造体は、アクティブ免震装置により免震されるアクティブ免震空間を含み、
前記アクティブ免震空間は、備蓄庫及び貯水槽のうちの少なくどちらか一方の貯蔵設備を備えることを特徴とする免震構造物である。
前記構造体は、アクティブ免震装置により免震されるアクティブ免震空間を含むことを特徴とする免震構造物。
前記アクティブ免震装置は、
前記下部構造体と前記アクティブ免震空間の間に位置し、前記アクティブ免震空間を免震支持するための免震部材と、
前記アクティブ免震空間に対して外力を付与するためのアクチュエーターと、
振動を計測するセンサーと、
前記センサーの計測結果に基づいて前記アクチュエーターを制御するコントローラーと、
を有することとしてもよい。
前記コントローラーは、前記下部構造体計測センサーの計測結果から得られた前記下部構造体の絶対変位及び絶対速度に基づいて、前記アクチュエーターを以下の制御式により制御することとしてもよい。
(f:付与外力、k2:アクティブ免震空間剛性、x1+y:下部構造体絶対変位、c2:アクティブ免震空間減衰係数、x1’+y’:下部構造体絶対速度)
かかる場合には、アクティブ免震空間の絶対応答をほぼ0とすることができる。
前記コントローラーは、
前記下部構造体計測センサーの計測結果から得られた前記下部構造体の絶対変位及び絶対速度と、前記アクティブ免震空間計測センサーの計測結果から得られた前記アクティブ免震空間の絶対速度と、に基づいて、
前記アクチュエーターを以下の制御式により制御することとしてもよい。
(f:付与外力、k2:アクティブ免震空間剛性、x1+y:下部構造体絶対変位、c2:アクティブ免震空間減衰係数、x1’+y’:下部構造体絶対速度、cs:スカイフックダンパー減衰係数、x2’+y’:アクティブ免震空間絶対速度)
かかる場合には、アクティブ免震空間の絶対応答をほぼ0とすることができる。
前記アクティブ免震空間は、患者を前記ヘリポートから前記手術室へ搬送するためのエレベーターを備えることとしてもよい。
前記アクティブ免震空間は、細胞を前記ヘリポートから前記細胞培養設備へ搬送するためのエレベーターを備えることとしてもよい。
図1は、本実施の形態に係る免震構造物10の概略断面図である。なお、本実施の形態においては、免震構造物10を病院に適用した例を示す。
図2は、変形例に係る免震構造物10の概略断面図である。この変形例も、上記実施形態(第一実施形態と呼ぶ)と同様、免震構造物10を病院に適用した例である。
次に、アクティブ制御について、4つの例(それぞれを、第一例、第一例に係る変形例、第二例、第二例に係る変形例とする)を挙げて説明する。
図3のモデル図に基づいて、下部構造体22の運動方程式を求めると、(1)式のようになる。なお、「’」は1階微分を、「”」は2階微分を、それぞれ表している。
同様に、上部構造体24の運動方程式を求めると、(2)式のようになる。
下部構造体22の絶対変位x1+yと上部構造体24の絶対変位x2+yとを用いて、(1)(2)式を変換すると(3)(4)式となる。
m2(x2”+y”)+c2 (x2’+y’)+k2(x2+y)=c2(x1’+y’)+k2(x1+y)+f・・・(4)
ここで、制御力fを、(5)式のようにする。
そして、(5)式を(3)(4)式に代入すると、(6)(7)式となる。
m2(x2”+y”)+c2 (x2’+y’)+k2(x2+y)=0・・・(7)
上述したとおり、制御力fを(5)式のようにすれば、(7)式に示されるように、理論上、上部構造体24への入力は0となり、上部構造体24の絶対応答は0となる(絶対座標系において、上部構造体24は静止する)。つまり、(5)式の制御力fが上部構造体24に正確に付与されれば、絶対制震が完全に実現されることとなる。
上述したとおり、(5)式の外力(制御力)fが上部構造体24に正確に付与されれば、絶対制震が完全に実現されることとなるが、実際には、誤差が存在する。例えば、センサー52には測定誤差が生ずるため、絶対制震に必要な外力(制御力)fをコントローラー54が誤差無く算出することは難しいし、また、例え当該外力(制御力)fが誤差無く算出されたとしても、アクチュエーター56がコントローラー54の指令通りに寸分の狂いも無く動作することは難しい。
(すなわち、スカイフックダンパーに係る項−cs(x2’+y’)を、(5)式に追加する。なお、csは、スカイフックダンパーの減衰係数)
そして、このような制御力fの上部構造体24に対する付与を実現するために、第一例の変形例に係るアクティブ制御機器50は、以下の構成を備えている。
図6は、第二例に係るアクティブ制御機器50を説明するための概略説明図である。
この(9)式を(3)(4)式に代入してまとめると、(10)(11)式となる。
m2(x2”+y”)+c2 (x2’+y’)+(k2+ks)(x2+y)=c2(x1’+y’)+(k2+ks)(x1+y)+ksz・・・(11)
ここで、制御変位量zを、(12)式のようにする。
そして、(12)式を(10)(11)式に代入すると、(13)(14)式となる。
m2(x2”+y”)+c2 (x2’+y’)+(k2+ks)(x2+y)=0・・・(14)
上述したとおり、制御変位量zを(12)式のようにすれば(図6参照)、(14)式に示されるように、理論上、上部構造体24への入力は0となり、上部構造体24の絶対応答は0となる(絶対座標系において、上部構造体24は静止する)。つまり、(12)式の制御変位量zで正確に制御されれば、絶対制震が完全に実現されることとなる。
上述したとおり、(12)式の制御変位量zで正確に制御されれば、絶対制震が完全に実現されることとなるが、実際には、誤差が存在する。例えば、センサー52には測定誤差が生ずるため、絶対制震に必要な制御変位量zをコントローラー54が誤差無く算出することは難しいし、また、例え当該制御変位量zが誤差無く算出されたとしても、アクチュエーター56がコントローラー54の指令通りに寸分の狂いも無く動作することは難しい。
(すなわち、スカイフックダンパーに係る項−cs(x2’+y’)/ksを、(12)式に追加する)
図7は、第二例の変形例に係るアクティブ制御機器50を説明するための概略説明図である。図7に示すように、第二例に係る変形例の第一例に係る変形例に対する構成上の相違点は、アクチュエーター56と上部構造体24との間にバネ58が設けられている点である。そして、アクチュエーター56は、バネ58を介して、上部構造体24に対して外力(制御力)を付与する。
上述したとおり、本実施の形態に係る免震構造物10は、パッシブ免震装置30により免震される構造体20を有している。そして、当該構造体20は、アクティブ免震装置40により免震されるアクティブ免震空間(上部構造体24)を含んでいる。そのため、経済的、かつ、適切に免震された免震構造物を提供することが可能となる。
(f:付与外力、k2:アクティブ免震空間剛性、x1+y:下部構造体絶対変位、c2:アクティブ免震空間減衰係数、x1’+y’:下部構造体絶対速度)
そのため、前述したとおり、上部構造体24の絶対応答をほぼ0とすることができる(絶対座標系において、上部構造体24をほぼ静止させることが可能となる)。特に、誤差が比較的小さい場合には、本例は特に有効であり、また、センサー52に関して下部構造体計測センサー52aの使用のみ(上部構造体計測センサー52bは不要)で目的が達成できるため、コストメリットも生ずる。
また、(16)式を(6)式に代入すると、(17)式となる。
そして、(17)式は、仮に上部構造体24が存在せず下部構造体22のみがパッシブ免震装置30により免震されているときの構造体20の運動方程式と一致する。つまり、制御力fを(5)式のようにすれば、上部構造体24をほぼ静止させ、上部構造体24の振動を下部構造体22へほぼ伝わらないようにすることが可能となる(換言すれば、上部構造体24が振動することによる力が下部構造体22へほぼ伝わらないようにすることが可能となる)。したがって、下部構造体22を設計する際に当該力を殆ど考慮する必要がなくなり設計の自由度が向上することとなる。
(f:付与外力、k2:アクティブ免震空間剛性、x1+y:下部構造体絶対変位、c2:アクティブ免震空間減衰係数、x1’+y’:下部構造体絶対速度、cs:スカイフックダンパー減衰係数、x2’+y’:アクティブ免震空間絶対速度)
そのため、前述したとおり、上部構造体24の絶対応答をほぼ0とすることができる(絶対座標系において、上部構造体24をほぼ静止させることが可能となる)。特に、誤差が比較的大きい場合には、本例は特に有効である。
また、(16)式を(6)式に代入すると、(17)式となる。
そして、(17)式は、仮に上部構造体24が存在せず下部構造体22のみがパッシブ免震装置30により免震されているときの構造体20の運動方程式と一致する。つまり、制御力fを(8)式のようにすれば、上部構造体24をほぼ静止させ、上部構造体24の振動を下部構造体22へほぼ伝わらないようにすることが可能となる(換言すれば、上部構造体24が振動することによる力が下部構造体22へほぼ伝わらないようにすることが可能となる)。したがって、下部構造体22を設計する際に当該力を殆ど考慮する必要がなくなり設計の自由度が向上することとなる。
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
20 構造体
20a 屋上部
22 下部構造体
22a 外壁部
22b 天井部
22c 設置台
24 上部構造体
24a 外壁部
24b 天井部
30 パッシブ免震装置
32 積層ゴム
40 アクティブ免震装置
42 積層ゴム
50 アクティブ制御機器
52 センサー
52a 下部構造体計測センサー
52b 上部構造体計測センサー
54 コントローラー
56 アクチュエーター
58 バネ
102 第一上部構造体
104 第二上部構造体
EV1 エレベーター
EV2 エレベーター
G 地面
S 空間
Claims (12)
- パッシブ免震装置により免震される構造体を有する免震構造物であって、
前記構造体は、アクティブ免震装置により免震されるアクティブ免震空間を含み、
前記アクティブ免震空間は、備蓄庫及び貯水槽のうちの少なくどちらか一方の貯蔵設備を備えることを特徴とする免震構造物。 - 請求項1に記載の免震構造物であって、
前記構造体は、下部構造体を有し、
前記アクティブ免震装置は、
前記下部構造体と前記アクティブ免震空間の間に位置し、前記アクティブ免震空間を免震支持するための免震部材と、
前記アクティブ免震空間に対して外力を付与するためのアクチュエーターと、
振動を計測するセンサーと、
前記センサーの計測結果に基づいて前記アクチュエーターを制御するコントローラーと、
を有することを特徴とする免震構造物。 - 請求項2に記載の免震構造物であって、
前記センサーは、前記下部構造体の前記振動を計測する下部構造体計測センサーであり、
前記コントローラーは、前記下部構造体計測センサーの計測結果から得られた前記下部構造体の絶対変位及び絶対速度に基づいて、前記アクチュエーターを以下の制御式により制御することを特徴とする免震構造物。
f=−k2(x1+y)−c2(x1’+y’)
(f:付与外力、k2:アクティブ免震空間剛性、x1+y:下部構造体絶対変位、c2:アクティブ免震空間減衰係数、x1’+y’:下部構造体絶対速度) - 請求項2に記載の免震構造物であって、
前記センサーは、前記下部構造体の前記振動を計測する下部構造体計測センサー及び前記アクティブ免震空間の前記振動を計測するアクティブ免震空間計測センサーであり、
前記コントローラーは、
前記下部構造体計測センサーの計測結果から得られた前記下部構造体の絶対変位及び絶対速度と、前記アクティブ免震空間計測センサーの計測結果から得られた前記アクティブ免震空間の絶対速度と、に基づいて、
前記アクチュエーターを以下の制御式により制御することを特徴とする免震構造物。
f=−k2(x1+y)−c2(x1’+y’)−cs(x2’+y’)
(f:付与外力、k2:アクティブ免震空間剛性、x1+y:下部構造体絶対変位、c2:アクティブ免震空間減衰係数、x1’+y’:下部構造体絶対速度、cs:スカイフックダンパー減衰係数、x2’+y’:アクティブ免震空間絶対速度) - 請求項2に記載の免震構造物であって、
前記アクチュエーターと前記アクティブ免震空間との間にバネが設けられており、前記アクチュエーターは前記バネを介して前記アクティブ免震空間に対して外力を付与することを特徴とする免震構造物。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の免震構造物であって、
前記構造体の屋上部には、ヘリポートが設けられていることを特徴とする免震構造物。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の免震構造物であって、
前記アクティブ免震空間は、手術室を備えることを特徴とする免震構造物。 - 請求項7に記載の免震構造物であって、
前記構造体の屋上部には、ヘリポートが設けられており、
前記アクティブ免震空間は、患者を前記ヘリポートから前記手術室へ搬送するためのエレベーターを備えることを特徴とする免震構造物。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の免震構造物であって、
前記アクティブ免震空間は、細胞培養設備を備えることを特徴とする免震構造物。 - 請求項9に記載の免震構造物であって、
前記構造体の屋上部には、ヘリポートが設けられており、
前記アクティブ免震空間は、細胞を前記ヘリポートから前記細胞培養設備へ搬送するためのエレベーターを備えることを特徴とする免震構造物。 - 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の免震構造物であって、
前記アクティブ免震空間は、発電設備及び蓄電設備のうちの少なくともどちらか一方の設備を備えることを特徴とする免震構造物。 - 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の免震構造物であって、
前記アクティブ免震空間は、前記構造体の既存部に付加して、あるいは、該既存部を置換して、設置されることを特徴とする免震構造物。
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