JP6301834B2 - ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリ - Google Patents

ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリ Download PDF

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Description

本発明はヒゲ玉に関する。本発明は、天真に嵌入されるようにした一体型アセンブリ、特に本発明によるヒゲ玉を備える、単一または二重ヒゲゼンマイ/スリットなしヒゲ玉一体型アセンブリにも関する。別の態様によれば、本発明は、少なくとも2つの段を備えるヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリ、およびかかるアセンブリの製造方法にも関係する。
時計の高精度ムーブメントにおけるヒゲゼンマイの利用で決定的に重要なポイントの1つとなるのは、天真およびテンプ受けに対するヒゲの締着部(嵌合部)の信頼性である。特に、天真に対するヒゲの締着は一般に、もともと、天真に嵌入されるようにしたスリット付き小型円筒であって、ヒゲゼンマイそのものの内端を受けるように側面に穴を明けた小型円筒であったヒゲ玉によって行われる。シリコン、石英およびダイヤモンドに対するDRIE法やNiおよびNiPに対するUV−Liga法のような微小製造技術の進歩は、使用する形態や幾何学形状で可能性を広げている。
シリコンは、時計のヒゲを製作する材料としてきわめて有利な材料であり、一方、微小製造技術は、ヒゲ玉をヒゲと一体構造をなすように一体的に製造することを可能にする。潜在的な問題は、シリコンが塑性変形領域を持たないことである。そのため、応力が材料の最大許容応力および/または弾性限界を超えると、ヒゲ玉はすぐに破損する可能性がある。そのため、振動体の動作時に天真にヒゲゼンマイが保持されるようにする(最低締付けトルク)一方で、ヒゲ玉を直径にばらつきのある天真と組み立てることができて、しかも、天真の直径が所与の許容差の範囲内に収まっている限りは、それによって破損したり、塑性変形を来したりすることがないように確実にヒゲ玉の寸法を定めなければならない。
そのため、幾つもの文献がヒゲ玉の幾何学形状について記している。
特許文献1は、その図4で、第3欄の34行目に関連して、曲線アームからなる弾性ゾーンを備えるヒゲ玉を提案している。この文献では、ヒゲを固定すべき場所が示されていない。
特許文献2および特許文献3は、三角形の開口部を有するヒゲ玉を提案している。ヒゲの固定は、三角形の頂点の1つに位置する結合点(両文献の図において符号3で示されているもの)で行われる。ヒゲ玉は、変形によって天真を受け入れる可撓性アームが外形剛性化構造に取り付けられたものよって形成されている。
特許文献4は、その図10Dで、円形の開口部を有するヒゲ玉を備えるテンプ共振体/ヒゲのヒゲを示している。この場合、テンプの固定は、丸みのあるアームによって行う。
さらに、特許文献5では、ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉アセンブリが教示されており、ヒゲ玉は天真を受ける4つの円形支持部分を具備する中ぐり部を備えている。支持部分は、ヒゲ玉の中ぐり部に施された長手方向溝によって画定されている。
これらの文献に記された幾何学形状では、ムーブメントに組み立てられる(シリコン、ダイヤモンド、石英製などの)ヒゲの多くは従来どおりのヒゲ玉を備えていて、そのヒゲ玉が天真に嵌入および/または接着される形が採られており、完全な満足を得ることはできない。
欧州特許出願公開第1826634号 欧州特許出願公開第1513029号 欧州特許出願公開第2003523号 欧州特許出願公開第1655642号 国際出願公開公報第2011026275号 国際出願公開公報第2011026725号 欧州特許出願公開第2151722A1号 欧州特許出願公開第1835339号 欧州特許出願公開第2104007号 欧州特許出願公開第1422436号
本発明は、完全な満足が与えられるヒゲ玉の新しい幾何学形状、すなわち、天真に対してできるだけ大きな締付けトルクが得られるようにする一方で、材料に生じる応力をできるだけ小さくできる幾何学形状を提案することを目的とする。さらに、このヒゲ玉は、ヒゲの時間測定特性を損なうことになる偏心を生じないように、可能な限りバランスの取れたものでなければならない。
かかる目的は、単一または二重ヒゲゼンマイ/スリットなしヒゲ玉一体型アセンブリであって、
ヒゲ玉の輪郭が閉じており、
天真を受けるようにしたヒゲ玉の中心開口部が非円形で、
ヒゲ玉の中心開口部の輪郭が少なくとも2つの天真支持面を備えている一体型アセンブリにおいて、
ヒゲ玉が、互いに(特に180°で)対向する位置にある少なくとも2つの天真受け部分であって、一方が天真支持面のうちの少なくとも第1の支持面とヒゲゼンマイの締着点または嵌合点とを備え、もう一方が天真支持面のうちの少なくとも第2の支持面を備える天真受け部分によって形成され、
その2つの天真受け部分が、それぞれの受け部分よりも剛性が低く、それによって天真の嵌入時に弾性変形できる2つの連結部分によって互いに連結されていることを特徴とする一体型アセンブリによって達成される。
それらの特徴には特に、ヒゲの締着点が、天真の嵌入後に天真との接触(支持)点に対して著しく移動するのを防ぐことができるという効果がある。その結果、ヒゲの位置決めおよびその嵌合点を正確に規定することができる。
別の態様によれば、本発明は、単一または二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリに関し、ヒゲ玉はスリット付きでも、なしでもよい。このアセンブリは、少なくとも2つの階層(または段もしくは部分)を備えている点が独特であり、ヒゲゼンマイは、ヒゲ玉の天真支持面がある階層とは異なる階層に位置する。この特徴は、ヒゲ面内でヒゲ玉の外形寸法を大きくすることなしに、天真に対するヒゲ玉の保持トルクを最大限最適化できるという点で、特に有利である。本発明の別の態様によれば、この特徴は、ヒゲ玉の周縁による制限を受けることなく、ヒゲゼンマイの締着点を天真に近づけることを可能にする。
本発明はさらに、ヒゲゼンマイ/スリット付きまたはなしヒゲ玉一体型アセンブリの製造方法において、ヒゲ玉の天真支持面がある階層とは異なる階層にヒゲを製作する方法にも関する。
本発明による一体型アセンブリは請求項によって定義される。
アセンブリの様々な実施形態は請求項から33によって定義される。
アセンブリの製造方法は請求項34によって定義される。
アセンブリの製造方法の実施形態は請求項35によって定義される。
本発明による一体型アセンブリは請求項36、52によって定義される。
アセンブリの様々な実施形態は請求項37から49によって定義される。
本発明による振動体は請求項50によって定義される。
本発明による時計ムーブメントまたは時計は請求項51によって定義される。
ここからは、本発明のその他の特徴および利点について、添付の図面を参照しながら行う以下の説明の中で詳細に記していく。
従来技術である特許文献2および特許文献3によるヒゲ玉の図である。 従来技術である特許文献4の図10Dによるヒゲ玉の図である。 従来技術の特許文献6によるヒゲ玉の図である。 本発明による二重ヒゲゼンマイ/閉輪郭ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明によるその他の二重ヒゲゼンマイ/閉輪郭ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明によるその他の二重ヒゲゼンマイ/閉輪郭ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明によるその他の二重ヒゲゼンマイ/閉輪郭ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明の第2の態様による二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの取得方法の主なステップの図である。 本発明の第2の態様による二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明の第2の態様による二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明の第2の態様による二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明の第2の態様によるその他の二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 本発明の第2の態様によるその他の二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 天真の直径に応じた図12、13および3のアセンブリのヒゲ玉の把持トルクMの変化を示したグラフである。 天真の直径に応じた図12、13および3のアセンブリのヒゲ玉の応力sの変化を示したグラフである。 天真を開口部に嵌入させた後の図12のアセンブリのヒゲ玉における応力を示した図である(黒は、ごくわずかな弾性変形で、応力が最大応力の半分未満である場合、灰色は、著しい弾性変形で、応力が最大応力の半分超である場合を示す)。 天真を開口部に嵌入させた後の13のアセンブリのヒゲ玉における応力を示した図である(黒は、ごくわずかな弾性変形で、応力が最大応力の半分未満である場合、灰色は、著しい弾性変形で、応力が最大応力の半分超である場合を示す)。 図12のヒゲ玉について剛性ゾーン(黒)とたわみゾーン(灰色)を示した図である。 本発明の第2の態様の有利な変形形態による二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体構造アセンブリにおいて、二重ヒゲの帯材の締着点が中心開口部に近接している一体型アセンブリの図である。 本発明の第2の態様の有利な変形形態によるヒゲ玉の断面図である。 嵌合点の位置を図示した本発明の第1の態様による二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。 嵌合点の位置を図示した本発明の第2の態様による二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの図である。
図1に、前掲の特許文献2および特許文献3で提案されているヒゲ玉を示す。
図2に、前掲の特許文献4の図10Dに記載されているヒゲ玉を示す。
図3には、特許文献6で提案されているヒゲ玉を示す。
本発明は、単一ヒゲのアセンブリにも、二重ヒゲのアセンブリにも適用される。しかし、本発明がより適しているのは二重ヒゲのアセンブリの方である。
「二重ヒゲ」とは、ここでは、特許文献7に記載されているように、180度ずらして同じ方向に巻かれた2つの帯材を備えるヒゲをいうものとする。それら帯材のそれぞれの内端はヒゲ玉と一体をなし、それぞれの締着点はヒゲ玉の周りの対向する辺に対称形に配置される。
ヒゲとは別の材料からなるヒゲ玉と組み立てられるヒゲの場合には、ヒゲの「締着点」または「嵌合点」は一般にはっきりと定義される。ヒゲとヒゲ玉がたとえばシリコンウエハーや「シリコン・オン・インシュレータ」から微小製造法などによって製作される一体製造によるヒゲ玉/ヒゲの一体型アセンブリの場合、嵌合点は、中立軸沿いの局所的剛性がヒゲの帯材の剛性の10倍の値に達する点として定義することができる。帯材の厚さが変わるヒゲの場合は、帯材沿いの局所的剛性の最低値を考える。局所的剛性は、所与の長さ、たとえば1μmの部分について帯材のたわみ時またはヒゲの動作時に測定した曲げ剛性に相当する。対応する嵌合点10、11を図21および22のヒゲ玉/ヒゲアセンブリの上に例として図示する。図21(図12のヒゲ玉の幾何学形状に対応)の場合、嵌合点はヒゲ玉の外側輪郭または外周32の延長線上にあることがわかる。図22(図19のヒゲ玉の幾何学形状に対応)の場合、嵌合点は天真の直近に位置しており、その位置は、ヒゲを含まないヒゲ玉レベルの輪郭33よりもヒゲ玉の中心開口部に近いことがわかる。
本発明によるヒゲ玉は、振動体の動作時にヒゲを天真に保持すると同時に、直径にある程度のばらつきが見られる天真に対して組み立てることができるように(一定の許容差の範囲内に収まる天真の直径に対して嵌入時に破損や塑性変形を生じないように)寸法が定められる。これらのヒゲ玉は通常、少なくとも2つ、好ましくは4つの天真支持面を有する。
本発明によれば、天真の嵌入時に連結部分が弾性変形、特にたわみ変形するときの連結部分の正確な形状はさほど重要なものではない。ヒゲ玉の通常の使用条件のもとでは、受け部分は剛体または変形しない部分であり、連結部分は変形可能な部分であり、特にたわみ変形が可能な、すなわち可撓性を有する部分である。連結部分の可撓性は、連結部分が受け部分よりも薄く作られていることに由来する。変形可能な部分は、変形しない部分よりも断面の面積が小さい。この薄形化は、本発明によれば、変形可能な部分の幅が受け部分よりも薄いものを想定して行う。ここで「幅」とは、ヒゲ玉の面で測定した厚さ、すなわち、ヒゲ玉の輪郭とその中心開口部の輪郭との距離をいうものとする(たとえば、図12および13における最小幅eもしくはe’、または剛性の両受け部分の中間における幅bもしくはb’)。
受け部分と連結部分の間の結合部は、一般に支持面のほぼ基部に位置する(下記、および例として図18、または膨出部分14の片側に毎回その位置を定めることができる図5を参照のこと)。好ましくは、連結部分の長さが最大化されるように、すなわち連結部分が占める角領域が最大化されるようにする。
図4は、本発明による二重ヒゲゼンマイ/スリットなしヒゲ玉一体型アセンブリの例の中心部分を示したものである。
図4から見て取れるように、ヒゲ玉1、特に受け部分17、18は、弾性でないほぼ平坦なアーム6、7および8、9であって、二重ヒゲの帯材12、13の締着点10、11の近傍に2つずつ配置されたアーム6、7および8、9の上に位置する2対の支持点2、3および4、5を備える。同じ対のそれぞれの非弾性アームは、ヒゲ玉の中心開口部に突き出て、それぞれの間に好ましくは170度未満、より好ましくは90度超にして170度未満、ここでは約120度である角度αを形成する。それぞれのアーム6、7、8または9は自由端を有する。
対の剛性アームのV字形状は、単一の支持点の場合よりも天真をしっかりと支える効果がある。実際、重要なことは、ヒゲ玉と天真との嵌合ができるだけ強固となるようにして、ヒゲ玉と天真の間の接点が、ムーブメントの動作時、すなわちヒゲゼンマイ/ヒゲ玉アセンブリが天真に嵌入され、または組み立てられた後のテンプ−ヒゲの振動時に、ヒゲによって生じるトルクの作用で移動しないようにすることである。互いに(特に互いに180°で)対向する2つの受け部分であって、それぞれが1対の支持面を有する受け部分を備える幾何学形状は、可撓性連結部分によって保持された万力のように働くことができる。連結部分は、その弾性変形により、それぞれの受け部分を互いに引き寄せ、それぞれが天真に押し当てられるようにする弾性戻し作用を及ぼす。それでも、平坦、凸状、または天真に見込まれる半径よりも大きな曲率半径の凹状である接触面などの単一の支持点を用いることも企図することができる(ただし、V字形状より好ましくない)。
図4では、アーム6、7、8および9と、それぞれに対応する支持面2、3、4および5は平坦であり、すなわち、それらの中心開口部26側の曲率半径は無限大である。支持面はまた、凸状、すなわちそれらの中心開口部26側の曲率半径が負であることも、または凹状、すなわちそれらの中心開口部26側の曲率半径が正であることもできる。
ただし、この最後の場合は、その正の曲率半径は、中心開口部の輪郭の内側に(ヒゲ玉が変形していないとき、特にヒゲ玉が天真に取り付けられていないときに)描くことができる最大円(以下の説明では「内接円」とも呼ぶ)の直径dmaxの0.51倍超である。好ましくは、この正の曲率半径は直径dmaxの0.62倍超であり、そうすることによって支持点と天真の間には接点が1つだけ定義されるようにすることができる。曲率半径が内接円の直径dmaxの0.75倍超、さらには1倍超の曲率半径も適合する。円形断面を有する天真の場合、天真の直径はdmaxよりもわずかに大きく、たとえば、1.01から1.02dmaxの許容差の範囲内である。
ヒゲ玉/天真の接点からヒゲの締着点までの間に可撓性部分が一切ないようにして、嵌合点または締着点から支持面までの距離ができるだけ変化しないように、特に嵌入によって大きく変化することがないようにすることが重要である。
ヒゲ玉1は2回回転対称性を有しており、角度αの二等分線からなる対称軸と、それに対して垂直をなし、アームの交点から等距離にある対称軸の2つの反射対称軸を有する。このヒゲ玉は、以下に詳述する図18に見ることができるように、2つの可撓性連結部分によってつながれた2つの剛性天真受け部分を備えると考えることができる。剛性部分17および18(図18の黒い部分)は、アーム6、7および8、9がそこから延びる部分でもあり、二重ヒゲの帯材12および13がそこから延びる部分でもある。可撓性部分15および16(図18の灰色の部分)は、剛性部分を対称形につないで中心開口部を有するヒゲ玉1を形成する連結部分である。この可撓性部分は剛性部分よりも薄く、その弾性、すなわち可撓性は、最低保持トルクを確保しながら、天真への嵌入時にヒゲ玉1の変形を果たすことを可能にする。さらに、非円形の中心開口部は、可撓性部分を偏心させ、その長さを最大化させることができる。
図4のヒゲ玉の幾何学形状の対称性は、偏心を生じないようにバランスを取ることを狙ったものである。ヒゲ玉の非円形の中心開口部は、4つの支持面2、3、4および5によってほぼ画定される天真受け中心空洞部26と、概ねアーム6、8および7、9と弾性部分15および16との間に対称形に形成される2つの周囲空洞部27、28とを備えるものとして定義することができる。空洞部27および28は角度αの二等分線に関して互いに対称形である。
そのため、その幾何学形状は支持点を、図4の場合であれば4つ、正確に定義することができる。アーム6からアーム9は、天真に対するヒゲ玉の支持点を、可撓性の弾性部分の長さを最大化しつつも、正確に定義することができる。その一方で、それらのアーム6からアーム9はたわまず、または無視できる程度にしかたわまず、弾性アームとみなすことはできない。
このことは、図16および17に取り上げたコンピュータシミュレーションによって確認することができ、図16および17は、呼び径0.503mmの天真を図12および13に示した幾何学形状の異なる2つのヒゲ玉に嵌入させた後に存在する応力レベルを示したものである(それらのヒゲ玉について様々な天真径の場合の保持トルクと最大応力を示した図14および15を参照することもできる)。図16および17では、弾性変形しない、またはほとんどしない部分であって、剛性であるとみなすことができる部分は黒で示されている(天真の嵌入によって達する最大応力の半分未満、すなわち、図16および17の場合で約500MPaの応力レベル)。同じ図中で、弾性的に変形する部分であって、可撓性であるとみなすことができる部分は灰色に表示されている(最大応力の半分超の応力レベル)。これらのコンピュータシミュレーションは、可撓性部分15、16とは異なり、支持面を有するアーム6からアーム9が弾性変形しないことを示している。そのため、支持点からヒゲの締着点までの距離は常に一定であり、完璧に規定される。
そのため、ヒゲ玉は、図18で黒で表した2つの剛性天真受け部分17、18が、図18で灰色で表した2つの可撓性の、すなわち弾性の連結部分15、16によって相互につながれたものによって形成される。このような構成の利点は、材料の最大許容応力を明らかに下回る応力レベルで、天真に対して十分な保持トルクを確保しつつ、可撓性連結部分の長さを最大化できることにある。シミュレーションでは、本発明によるヒゲ玉は、閉輪郭内にある可撓性アームの場合よりも(同じ外形寸法としたとき)高い把持トルク(M)を天真に対して得ることができることが示されている。小変形理論を可撓性梁の場合に適用すると、保持トルクMは可撓性部分の長さLに依存し、MはLに比例することを示すことができる。可撓性部分が長ければ長いほど、把持トルクは大きくなる。本発明によるヒゲ玉の利点は、可撓性部分の長さを最大化できるところにある。図18の例では、可撓性部分が輪郭の全長の約70%を占めている。好ましくは、可撓性部分は輪郭の全長の50%以上を占め、特に50%から90%、より好ましくは60%から80%を占める。あるいは、ヒゲ玉の中心(中心開口部に内接する円の中心に相当)から測定した角領域であって、それぞれ剛性受け部分と可撓性連結部分とが占める角領域は約54°と約126°である。好ましくは、ヒゲ玉の中心から測定した角領域であって、可撓性連結部分が占める角領域は50°以上、特に90°から160°の間、より好ましくは110°から145°の間である。この角領域は、たとえば、2つの受け部分の間にあって、材料内の応力が天真嵌入後の到達最大応力の50%超であるゾーンが存在する最も小さい連続角領域として定義される。
本発明の別の実施例を図5に示す。この図では、ヒゲ玉が備えるのは1対の非弾性アーム2、3のみである。それらのアームによって形成されるV字に対向して、非円形の中心開口部の反対側にあるのは、第3の天真支持面の役割を果たすための膨出部分14である。この場合の幾何学形状は、角度αの二等分線に関する反射対称性を有する(ただし、ヒゲの帯材の締着点を考慮しない場合)のみである。膨出部分14の形状および寸法は、ヒゲ玉を最大限バランスさせるように選ばれる。あるいは、第3の支持面は、平坦であっても、さらには、内接径dmaxの0.51倍超、好ましくは0.62倍、0.75倍または1倍超の曲率半径の凹状であってもよい。
本発明によるヒゲ玉は、二重ヒゲを天真に固定するものとして特に適している。実際、現在の技術で知られるヒゲ玉の大半は、締着点に対して対称形に変形しない。図1に示したようなヒゲ玉では、図示されている単一ヒゲの帯材と同じ点、すなわち剛性化構造によって形成される三角形の頂点に帯材の一方が固定されることになる。第2の帯材は、第1の帯材に対して180°の位置、すなわち三角形の一辺の中央に締着点を持たなければならない。そのため、ヒゲの中心および/または外側締着部に対する嵌入後の締着点の移動は2つの締着点について等価とはならず、そのために時間測定性能が低下しかねない。さらに、第2の帯材の嵌合点は、ヒゲの拡張および収縮時に変形しがちであり、そのため、それによっても時間測定性能が損なわれかねない。
本発明の第2の態様
別の態様によれば、本発明は、少なくとも2つの階層または段または部分を有するヒゲ玉に関する。その場合、ヒゲの締着点または碇着点(二重ヒゲの場合は複数の締着点)は、支持面の大部分、さらにはそのすべてがある階層とは異なる階層に位置する。これは特にヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリに適用される。
発明者らは、ヒゲと垂直な面内にヒゲ玉を引き伸ばすことにより、ヒゲ玉の寸法を最小化しながら、ヒゲ玉の耐トルク性能を最大化できることを発見した。そうすることで、弾性応力を可撓性部分に沿って可能な限りバランスさせるように振り分けながら、ヒゲ玉を介して天真にヒゲを締着する機能(第1の階層、ヒゲの面内)と、天真への保持機能、特に天真に対するヒゲ玉の保持機能(第1および第2の階層、好ましくは第2の階層のみで、ヒゲの面の外)とを切り離すことができる。
図4に示したものに相当する2階層構造のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリを、その前面および後面の斜視図で図9および10に示す。
これらの図で見て取ることができるように、両側面は完全に重なり合うわけではなく、第1の層と第2の層の間には数ミクロンのずれがある。
図11は、時計のムーブメントとつなぐための固定要素に二重ヒゲの帯材の両外端が固定された、図9および10によるヒゲゼンマイアセンブリの全体像を示したものである。
かかる2階層構造のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリが、その他のタイプのヒゲ玉、特にスリット付きヒゲ玉や、その他のタイプのヒゲ、特に単一ヒゲにも適用可能であることは明らかである。
製造方法
ヒゲ玉またはヒゲ/ヒゲ玉アセンブリは、特許文献4の対象となっているもののような周知の方法によって製造することができる。本発明の第2の態様によるヒゲ玉またはヒゲゼンマイ/ヒゲ玉アセンブリは、特許文献8または特許文献9の対象となっているもののような周知の方法によって製造することができる。
2階層、2段または2部分構造のヒゲ玉またはヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリの製造方法の基本ステップを図8に示す。
使用する出発基板は、「SOI」(「シリコン・オン・インシュレータ」)型のウエハー(英語で「wafer」)で、酸化ケイ素SiOの薄層によって隔てられた2つの単結晶Si部分によって構成される(図8a参照。単結晶Siは白で、SiOは斜線で網掛けして示してある)。最初の洗浄後、ウエハーを酸化して、反応性イオン深彫りエッチング(「ディープ・リアクティブ・イオン・エッチング」、英語略号で「DRIE」)のためのマスクの役割を果たすSiO層を基板の両面に形成する(図8b)。続いて、第1の面に対してフォトリソグラフィを実施して感光性樹脂で第1のパターンを画定し(図8c。樹脂は縦線の網掛けで示してある)、そのパターンをドライエッチングにより下の酸化物層に複製する(図8d)。洗浄後(図8e)、同じステップを第2の面に対して第2のパターンで繰り返す。すなわち、フォトリソグラフィによって感光性樹脂で第2のパターンが画定され(図8f)、そのパターンがドライエッチングによって下の酸化物層に複製される(図8g)。続いて、DRIEによる深彫りエッチングのステップを第2の面に対して実施し、第2のSi層にパターンをエッチングする(図8h)。次いで、第1の層に対して深彫りエッチングDRIEを実施する(図8i)。SiOの露出した部分(外側層および中心層)はBHF(バッファードHF。すなわちHFと、浸食速度を安定させる緩衝剤の役割を果たすNHFとの混合物)による浸食で最終的に溶解させる(図8j)。
上に記した工程には様々な追加ステップを設けることができる。たとえば(以下に限定されない)、
PVD、CVDまたはALDのタイプの技法を用いるなどして行う表面全体またはその一部への機能層(酸化物、窒化物、炭素主体の層)の堆積、
特許文献10によるテンプ振動体/ヒゲの熱補償用SiO酸化物層の堆積、
LiGAタイプの電鋳法による金属または合金による一部構造、たとえばアーム6、7、8および9の製作、が挙げられる。
本発明の第2の態様の有利な変形形態
本発明の第2の態様の有利な変形形態によれば、ヒゲ玉は少なくとも2つの階層を有しており、ヒゲの締着点または嵌合点(または、二重ヒゲの場合は複数の締着点)は、支持面がある階層とは異なる階層に、ヒゲ玉の中心からその輪郭または外周までの距離よりも短いヒゲ玉の中心からの距離で位置する。
図20に示すように、ヒゲ玉100は、天真を受けるようにした中ぐり部101と、少なくとも第1の部分102および第2の部分103とを備える。第1の部分と第2の部分とは、中ぐり部の中心軸107と垂直をなす面104によって分けられており、その中心軸はヒゲ玉の中心も表す。ヒゲ玉のヒゲゼンマイ締着要素105は、第1の部分のみに位置する。支持面などによって形成される1または複数のヒゲ玉の天真連結要素106は、基本的に第2の部分に、好ましくは第2の部分のみに位置する。「ヒゲ玉の天真連結要素は基本的に第2の部分に位置する」とは、天真に対するヒゲ玉の連結応力の半分超は第2の部分のレベルにかかることを意味する。中ぐり部101は天真を受けるようにした中心開口部を形成する。
好ましくは、かかるヒゲ玉またはかかるヒゲ玉を含むヒゲ玉/ヒゲの一体型アセンブリを製作するためにSOIウエハーを使用し、第1の部分および第2の部分はシリコン製であり、酸化ケイ素層によって互いに分けられている。実際、Siの2つの層を分けるSiOの内部層が厚い、さらには非常に厚い(たとえば、通常の2から3ミクロンに対して、好ましくは5ミクロン超、さらには10ミクロン超)SOIウエハーを使用すると、2階層構造の二重ヒゲ/ヒゲ玉一体型アセンブリを表した図である図19に示すように、巻きを重ね合わせた可撓性のヒゲ玉を製作することができる。可撓性ヒゲ玉は、あらゆる点において図4のヒゲ玉と似通ったものである。ただし、ヒゲの締着点は、図21のように輪郭上に位置するのではなく、図22の例のように、ヒゲ玉の中心開口部に、したがって天真にできるだけ近い位置に来る。そのため、ヒゲの帯材は部分的に、図19の例では180°弱(ヒゲの帯材の半回転弱の巻きに相当)にわたって、ヒゲ玉と重なり合う。2階層式の製造方法はこの種の構造の製作を可能にするが、これは、SiOの溶解浸食(図8)では、浸食時間が十分であれば、帯材をヒゲ玉と一体化させている酸化物も浸食し、それによって帯材を解き放すことができるためである。
そのため、ヒゲ玉へのヒゲの締着要素または嵌合点10、11は、第2の部分が内接する円筒の直径D2の半分未満である中ぐり部107の中心軸からの距離D1、特に、直径D2の半分と内接円dmaxの直径の半分の平均以下の距離D1に位置する。図22のヒゲ/ヒゲ玉アセンブリの場合がそれに当たり、その場合のD1は0.330mm、D2は1.180mmであり、直径D2の半分と内接円dmaxの直径の半分の平均は(1.180mm/2+0.495mm/2)/2=0.41875mmである。これは、嵌合点10、11を、図21の場合の中心軸から275ミクロンの距離に対して、図22の場合は85ミクロンの距離に置くことに相当する。別法では、嵌合点はヒゲ玉の輪郭33よりもさらに中心開口部に近い。
上述したようなヒゲ玉は、特にヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリに含めることができる。
天真の締着点を近づけることにより、時間測定特性を大幅に改善することができる。さらに、この種のアプローチは二重ヒゲだけに限られるものではなく、単一ヒゲに対しても完璧に適合するものであり、さらに、閉輪郭のヒゲ玉だけに限られるものではなく、スリット付きヒゲ玉にも適している。こうして、どのようなヒゲ玉とヒゲの組み合わせでも得ることができ、ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉アセンブリの時間測定特性はそれによって目に見えて改善する。
シミュレーション
図9および10に示すような2つの二重ヒゲゼンマイ/2部分式スリットなしヒゲ玉一体型アセンブリに対して有限要素法によるシミュレーションを行った。
これら2つの似通ったアセンブリAおよびBを図12および13に示す。両者の寸法は多くの点で似通ったものである。すなわち、外形寸法は長軸(両図の寸法d)沿いには1.17mm、距離cは0.550mm、開口部中央の内接径は0.495mm、角度αは120°に等しく、可撓性連結部分の頂部レベルの外側輪郭の曲率半径は0.538mmである。可撓性連結部分の厚さだけが顕著に異なる。すなわち、連結部分の頂部レベル(つまり連結部分の中間、両受け部分から等距離)における幅をbとし、連結部分の最小幅をeとすると、図12のヒゲ玉の場合、b=0.085mm、e=0.050mmであり、図13のヒゲ玉の場合、b’=0.070mm、e’=0.050mmである。剛性受け部分の最大幅aも異なる。すなわち、図12のヒゲ玉ではa=0.224mmであり、図13のヒゲ玉ではa’=0.200mmであるが、二重ヒゲの締着点同士の間隔は同じである。
ヒゲ(第1の部分)の層の高さは150ミクロンで、支持面(第2の部分)がある階層の層の高さは500ミクロンである。
天真は、許容される直径が0.5から0.506mmの間であり、呼び径の値で0.503mmである。
図14のグラフは、図12、13および3のヒゲ/ヒゲ玉アセンブリのそれぞれについて、天真の直径に応じたヒゲ玉の保持トルクMのシミュレーション結果の変化を示したものである。最低保持トルクは図14に破線で示されている。
どのアセンブリの場合も、たとえ許容最小値に満たない小さな直径であっても、保持トルクは必須とされる最低トルクを上回っていることがわかる。
図15のグラフは、図12、13および3のヒゲ/ヒゲ玉アセンブリのそれぞれについて、天真の直径に応じたヒゲ玉の応力sの変化を示したものである。当該材料に関する許容最大応力(安全係数を見込んだ弾性限度)は破線で示されている。
本発明におけるそれぞれのアセンブリに関しては、最大応力は許容最大値を十分に下回っていることがわかる。図13のヒゲ玉の利点は、図12のヒゲ玉と比べて、可撓性が高く、応力レベルが低く、天真の直径によるトルク勾配が小さいところにある。必然的に把持トルクは低い。
反対に、従来技術によるアセンブリでは、応力は最大許容値を急激に超える。そのため、この種のヒゲ玉は、嵌入による組立てには適していないことがわかる。実際、このような輪郭の幾何学形状では、天真の嵌入後、優れた保持と、破損しない範囲でのヒゲ玉の変形とを同時に果たすことはできない。さらに、許容差の下限で応力が許容最大応力を下回るように、内接径は許容差の下限をわずかに0.2ミクロン下回るのみであり、そのため、極端に精度の高い製造許容差が要求される。
同じ振る舞いは、特許文献4の図10Dに示されたような従来技術のその他のヒゲ玉についても予想される。天真の直径に伴う応力の増加は図3のヒゲ玉の場合ほどには大きくないが、それでも、許容差の上限に達する前に許容最大応力を大きく超えてしまう。
この例は、閉輪郭を持ち、剛性の受け部分が可撓性の連結部分によってつながれたヒゲ玉の利点を物語るものである。この剛性の違いは小変形梁理論の第一次近似によって推定することができる。すなわち、ある梁について、幅e、厚さhおよび長さLの要素の剛性kはe×h/Lに比例する。幅eは部分の長さに沿って一定であるものと近似すると、受け部分の剛性kと連結部分の剛性kの比はしたがって、厚さを同じとした場合、k/k=(e ×h×L )/(e ×h×L )=(e ×L )/(e ×L )となる。そのため、連結部分の平均厚さを受け部分よりも小さくするとともに、その同じ連結部分の長さを最大化することで、連結部分の剛性をかなり顕著に低下させることができる。k/k比は、好ましくは10超、より好ましくは50超、さらに好ましくは100超となるようにする。
剛性は幅の3乗に依存することから、連結部分の方が受け部分よりも剛性が低くなるようにするためには、剛性受け部分と可撓性連結部分とで幅に差があることが好ましい。
低めの剛性を得るには様々な可能性がある。すなわち、連結部分の平均幅は受け部分の平均幅より小さくできることが好ましく、受け部分の平均幅の2分の1未満であることがなお好ましい。
代替的または累加的に、2つの連結部分は、受け部分の最大幅に満たない最小幅および/または受け部分の中間距離における幅を有する。
その場合、連結部分の最小幅eは、aを受け部分の最大幅であるものとして、好ましくは0.5×a未満であり、より好ましくは0.3×a以下である。
代替的または累加的に、受け部分の中間距離に当たる連結部分の中間における幅は、好ましくは0.7×a未満であり、より好ましくは0.5×a以下である。
また、連結部分を受け部分よりも薄くするなど、受け部分と連結部分の厚さを変化させることができるが、厚さよりも幅を変化させることによって剛性を変化させる方が望ましい。
当然のことながら、当業者であれば、十分な耐トルク性能を確保する一方で、許容最大応力を遙かに下回る応力を維持して弾性変形領域を外れないように心がけながら、ヒゲの厚さや利用できる外形寸法に応じてケースバイケースでヒゲ玉の寸法を適合化することができよう。
少なくとも2つの階層を有するヒゲ/ヒゲ玉一体型アセンブリのメリットについては次のように説明することができる。単一層のみのヒゲ/ヒゲ玉アセンブリの場合、その高さはヒゲの寸法によって、特に所要トルクと外形寸法(直径)によって決まる。ヒゲ玉の高さ、したがって支持面を有するアームおよび可撓性部分の高さは、必然的にヒゲの高さによって固定され、自由に調整することはできない。高さ150ミクロンの単層アセンブリの場合、把持は500ミクロンではなく、150ミクロンで行われるため、把持トルクの値は、ヒゲの高さが同じ(150ミクロン)多層アセンブリと比較して500/150の比で小さなものとなる。そのため、それらの把持トルク値は、許容差の最低値(0.5ミクロン)に近い天真径の場合、要求される最低値(図14の破線)を下回ってしまう。
支持部分をヒゲを含む階層によっても持たせることを企図することも可能であり、そうすることで、上記の例では把持トルク値を単一階層のアセンブリと比較して650/150の比に高めることができるはずである。しかし、製造方法における許容差からして、2つの階層にわたって連続面を製作するのはきわめてデリケートな作業である。そのため、ヒゲの締着機能と天真へのヒゲ玉の連結機能とは異なる2つの階層に分離し、ヒゲゼンマイへのヒゲ玉の1または複数の締着要素を有する階層には支持部分を設けないことが好ましい。
したがって、単層または単段のヒゲ玉の保持トルクの増大手段の1つは、応力を高めることなく、可撓性部分によってもたらされるトルクを増大させることにあり、それにはヒゲ玉の直径をより大きなものとする必要がある。そのためには、ヒゲの帯材の締着点を天真から離さなければならなくなり、時間測定特性はそれによって低下する。
上記のことから、酸化ケイ素層によって分けられた2つのシリコン段など、少なくとも2つの階層を有するヒゲ/ヒゲ玉一体型アセンブリでは、その外形寸法を最適化しながら、すなわちヒゲ玉の直径の拡大を回避しながら、把持トルクを最大化する可能性がもたらされることがわかる。そのため、第2の部分103が中ぐり部107の中心軸に沿ってヒゲゼンマイの厚さEの1倍超、さらにはヒゲゼンマイの厚さEの3倍超の長さにわたって延びるヒゲ玉は、特にヒゲ/ヒゲ玉一体型アセンブリを形成するのに特に適している。
図6および7は、本発明によるヒゲ/ヒゲ玉一体型アセンブリの変形形態を示したものである。
図6では、弾性部分がその中央部30で周囲空洞の中に向かって膨らんでいることがわかる。
図7の2段式ヒゲ/ヒゲ玉一体型アセンブリは、対称形でない可撓性部分を有している。
単一または二重ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉アセンブリのヒゲの熱補償は周知の手段によって行う。たとえば、ベース材料のヤング率の第1温度係数を補償する材料層をヒゲの表面に使用することができる。Si製のヒゲの場合、その層の材料として適当なのはSiOである。
好ましくは、各変形形態および実施形態において、一体型アセンブリが天真に取り付けられた後、それぞれの連結部分が主としてたわみ応力を受ける。
「主としてたわみ応力を受ける」とは、各連結部分において、連結部分が延びる方向にほぼ沿った向きをなす中立軸であって、引張応力を受けるゾーンと圧縮応力を受けるゾーンとを分ける中立軸を特定できることをいう。
好ましくは、各変形形態および実施形態において、アセンブリが天真に取り付けられた後、それぞれの連結部分は、天真の半径の少なくとも0.5倍だけ、さらには天真の半径の少なくとも0.9倍だけ天真から離れた部位を有する。
好ましくは、各変形形態および実施形態において、受け部分および連結部分は、天真を連続的に包含する、すなわち、トポロジー的に切れ目なく天真を包含することができる要素を形成する。そして、それらの部分は、スリット付きヒゲ玉とは違って、閉じたヒゲ玉を形成する。
本明細書において、「変形しない部分」または「剛性部分」とは、動作時もしくは一体型アセンブリの天真への取付け時に変形しない、もしくはほとんど変形しない部分、または動作時もしくは一体型アセンブリの取付け時に変形することが求められていない、および/もしくは変形することで機能を果たすものでない部分をいう。
本明細書において、「変形可能な部分」とは、動作時もしくは一体型アセンブリの天真への取付け時に弾性的に変形する部分、または動作時もしくは一体型アセンブリの取付け時に弾性変形することが求められている、および/もしくは弾性変形することで機能を果たす部分をいう。
本発明の一態様によれば、ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリは、
天真に対してその支持を行うようにした第1の受け部分と、
天真に対してその支持を行うようにした第2の受け部分と、
第1の受け部分と第2の受け部分をつなぐようにした第1の連結部分と、
第1の受け部分と第2の受け部分をつなぐようにした第2の連結部分と
を備える。
これら各々の部分は好ましくは1つのヒゲ玉に含まれる。

Claims (52)

  1. 天真に対してその支持を行うようにした第1の受け部分と、
    前記天真に対してその支持を行うようにした第2の受け部分と、
    前記第1の受け部分と前記第2の受け部分とをつなぐようにした第1の連結部分と、
    前記第1の受け部分と前記第2の受け部分とをつなぐようにした第2の連結部分と、
    前記天真を連続的に包含することができる要素であって、前記受け部分および前記連結部分を備える要素と
    を備え、
    同一受け部分に少なくとも1対の天真支持面(2、3;4、5)を備え、その1対の支持点における前記支持面(2、3)に対する各接線がそれぞれの間に90度超170度未満の角度(α)を形成する、ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ
  2. 前記第1の受け部分は変形せず、
    前記第2の受け部分は変形せず、
    前記第1の連結部分は変形可能であり、
    前記第2の連結部分は変形可能である、請求項1に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ
  3. 前記連結部分が前記ヒゲ玉の外側輪郭の全長の50%以上を占める、請求項1または2に記載の一体型アセンブリ
  4. 前記連結部分が前記ヒゲ玉の外側輪郭の全長の50%から90%を占める、請求項1または2に記載の一体型アセンブリ。
  5. 前記連結部分が前記ヒゲ玉の外側輪郭の全長の60%から80%を占める、請求項1または2に記載の一体型アセンブリ。
  6. 前記連結部分のそれぞれが、前記ヒゲ玉の中心から測定した角度領域で90°以上を占める、請求項1から5のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  7. 前記連結部分のそれぞれが、前記ヒゲ玉の中心から測定した角度領域で90°から160°の間を占める、請求項1から5のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  8. 前記連結部分のそれぞれが、前記ヒゲ玉の中心から測定した角度領域で110°から145°の間を占める、請求項1から5のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  9. 前記アセンブリが前記天真に取り付けられた後、前記連結部分のそれぞれが、前記天真の半径の少なくとも0.5倍分前記天真から離れた部位を有する、請求項から8のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  10. 前記アセンブリが前記天真に取り付けられた後、前記連結部分のそれぞれが、前記天真の半径の少なくとも0.9倍分前記天真から離れた部位を有する、請求項から8のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  11. 前記一体型アセンブリが前記天真に取り付けられた後、前記連結部分のそれぞれが主としてたわみ応力を受ける、請求項から10のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  12. 前記受け部分が、前記ヒゲ玉の中心に対して互いに対向する、請求項から11のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  13. 前記受け部分が、前記ヒゲ玉の中心に対して互いに180°をなして、対向する、請求項から11のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  14. 前記ヒゲゼンマイの帯材が1つの受け部分に直接締着または連結されるアセンブリの場合は、それぞれの帯材が異なる受け部分に締着される、請求項から13のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  15. 前記ヒゲゼンマイの帯材が二重ヒゲを備えるアセンブリの場合は、それぞれの帯材が異なる受け部分に締着される、請求項から13のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  16. 前記天真を受けるようにした前記ヒゲ玉の中心開口部が非円形である、請求項から15のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  17. 前記ヒゲ玉(1)の前記中心開口部の輪郭が2対の支持面(2、3;4、5)を備える、請求項から16のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  18. 前記支持面(2、3;4、5)が、アーム(6、7;8、9)、または前記受け部分の本体から延びる延長部の上に少なくとも部分的に位置する、請求項から17のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  19. 前記支持面が平坦である、請求項17または18に記載の一体型アセンブリ。
  20. 前記支持面は前記ヒゲ玉の中心開口部の内接円の直径(dmax)の0.51倍超の半径の負の曲率もしくは正の曲率を有する、請求項17または18に記載の一体型アセンブリ。
  21. 前記第1及び第2の連結部分が同一の幾何学形状を有している、請求項1に記載の一体型アセンブリ。
  22. 前記第1及び第2の受け部分が同一の幾何学形状を有している、請求項に記載の一体型アセンブリ。
  23. 前記ヒゲ玉の幾何学形状が2回反射対称性を有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  24. 前記ヒゲ玉の幾何学形状が2回回転対称性を有する、請求項から23のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  25. 前記単一または二重ヒゲの締着点が前記ヒゲ玉の輪郭よりも前記ヒゲ玉の前記中心開口部に近接している、請求項から24のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  26. 前記アセンブリが脆性材料で製作される、請求項から25のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  27. 前記アセンブリが弾性変形領域を持たない材料で製作される、請求項1から26のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  28. それ自体はシリコン製である、請求項1から27のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  29. それ自体はシリコン製であり、酸化ケイ素の外部層および/または内部層を伴う、請求項から28のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  30. 天真を受けるようにした中ぐり部(101)と、前記中ぐり部の中心軸(107)に対して垂直な面(104)によって分けられた少なくとも1つの第1の部分(102)および1つの第2の部分(103)と、前記第1の部分に単独で位置するヒゲ玉のヒゲゼンマイに対する締着要素(105)と、前記第2の部分に位置するヒゲ玉の天真連結要素(106)とを備え、前記締着要素が、前記ヒゲ玉(107)の中心から、前記第2の部分が内接する円筒の直径(D2)の半分未満の距離(D1)のところにあるヒゲ玉(100)を備える、請求項から29のいずれか一項に記載の一体型アセンブリ。
  31. 前記締着要素が、前記第2の部分が内接する前記円筒の直径(D2)の半分と、前記ヒゲ玉の中心開口部の内接円の直径(dmax)の半分との平均以下の距離(D1)のところにある、請求項30に記載の一体型アセンブリ。
  32. 前記第2の部分が、前記中ぐり部の前記中心軸に沿って前記ヒゲゼンマイの厚さ(E)の1倍超の長さにわたって延びる、請求項30または31に記載の一体型アセンブリ。
  33. 前記第2の部分が、前記中ぐり部の前記中心軸に沿って前記ヒゲゼンマイの厚さ(E)の3倍超の長さにわたって延びる、請求項30または31に記載の一体型アセンブリ。
  34. 前記天真に対する前記ヒゲ玉の支持面がある部分とは異なる部分に前記ヒゲゼンマイを製作する、請求項30から33のいずれか一項に記載の一体型アセンブリを製造する方法。
  35. 3ミクロン超の厚さのSiO 層を有するSOIウエハーを出発材料として使用する、請求項34に記載の製造方法。
  36. 塑性変形領域を持たない材料で製作されたヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリであって、
    前記ヒゲ玉(1)の輪郭が閉じており、
    天真を受けるようにした前記ヒゲ玉(1)の中心開口部が非円形であり、
    前記ヒゲ玉の前記中心開口部の輪郭が少なくとも2つの天真支持面(2、3;4、5;14)を備えている一体型アセンブリにおいて、
    前記ヒゲ玉(1)が、互いに対向する位置にある2つの天真受け部分であって、一方が前記天真支持面(2または3)のうちの少なくとも第1の支持面と前記ヒゲゼンマイの締着点(10、11)とを備え、もう一方が前記天真支持面(4、5または14)のうちの少なくとも第2の支持面を備える天真受け部分によって形成されており、
    その2つの天真受け部分が、前記受け部分よりも剛性が低く、それによって前記天真の嵌入時に弾性変形できる2つの連結部によって互いに連結されていることを特徴とするヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  37. 前記2つの連結部分の平均幅が前記受け部分の平均幅未満である、請求項36に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  38. 2つの前記連結部分が、前記受け部分の最大幅未満である最小幅を有する、請求項36に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  39. 2つの前記連結部分が、前記受け部分の中間距離における幅を有する、請求項36に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  40. 前記ヒゲ玉(1)の前記中心開口部の輪郭が、同一受け部分に少なくとも1対の天真支持面(2、3;4、5)を備え、その1対の前記支持面(2、3;4、5)がそれぞれの間に90度超170度未満の角度(α)を形成する、請求項36から39のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ
  41. 前記ヒゲ玉(1)の前記中心開口部の輪郭が2対の支持面(2、3;4、5)を備える、請求項40に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ
  42. 前記支持面(2、3;4、5)が少なくとも部分的にアーム(6、7;8、9)上に位置する、請求項36から41のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  43. 前記連結部分が同一の幾何学形状を有する、請求項36から42のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  44. 前記ヒゲゼンマイが、第1の受け部分とつないだ前記ヒゲ玉(1)への締着点を有する第1の帯材(10)と、第2の受け部分とつないだ前記ヒゲ玉(1)への締着点を有する第2の帯材(11)とを備える二重ヒゲゼンマイである、請求項36から43のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  45. 前記ヒゲ玉の幾何学形状が2回反射対称性を有する、請求項36から44のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  46. 前記ヒゲ玉の幾何学形状が2回回転対称性を持つ、請求項36から45のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  47. それ自体はシリコン製である、請求項36から46のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリ。
  48. それ自体はシリコン製であり、酸化ケイ素の外部層および/または内部層を伴う、請求項36から47のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリ。
  49. 2つの階層からなり、前記ヒゲゼンマイが前記天真支持面(2、3;4、5;14)がある階層とは異なる階層に位置する、請求項36から48のいずれか一項に記載のヒゲゼンマイ/ヒゲ玉(1)一体型アセンブリ。
  50. 請求項1から33または36から49のいずれか一項に記載の一体型アセンブリと円形断面の天真とを備える振動体
  51. 請求項1から33または36から49のいずれか一項に記載の一体型アセンブリを備え、または請求項50に記載の振動体を備える時計ムーブメントまたは時計
  52. 少なくとも2つの階層を備え、ヒゲゼンマイがヒゲ玉の天真支持面がある階層とは異なる階層に位置し、前記ヒゲゼンマイのある階層と、前記ヒゲ玉の前記天真支持面がある階層の間には数ミクロンのずれがあり、前記単一または二重ヒゲの締着点が前記ヒゲ玉の輪郭よりも前記ヒゲ玉の前記中心開口部に近接している、ヒゲゼンマイ/ヒゲ玉一体型アセンブリ。
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