JP6300423B1 - 保育器 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気の加湿を継続して行うことができ、衛生的な空気を児収容室に安定して供給できる保育器を提供する。【解決手段】保育器は、保育器本体に、外気から遮断可能な児収容室と、前記児収容室内に加湿された空気を供給するための水蒸気を生成する加湿器とを備え、前記加湿器には、前記保育器本体の外部に配置された給水容器から水蒸気を生成するための水を供給する給水ホースを接続可能な接続部が設けられている。また、前記加湿器は、水蒸気を生成するための水を貯留する加湿槽と、前記接続部と連通して前記加湿槽内に水を供給する給水口部と、前記加湿槽内に貯留された水の水位に応じて上下移動し前記給水口部を開閉するフロート弁とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、外気から遮断可能な児収容室内で児を保育できる保育器に関する。
児を外気から遮断された環境で保育する閉鎖型の保育器には、児を収容する児収容室の湿度を常にほぼ一定に維持するために、児収容室に供給する空気の湿度を調整する加湿器が備えられている。このような加湿器については、水の供給を容易にするなどの目的のため、保育器本体に対して着脱可能に構成することが提案されている。
例えば特許文献1又は特許文献2には、着脱可能な加湿器を備える保育器が記載されている。これらの保育器では、加湿器(加温式加湿器)の加湿槽(水槽)に貯水タンクが着脱可能に備えられており、貯水タンク内から加湿槽内に水が供給され、加湿槽内に設けられた加温部で水が加温されることにより水蒸気が生成され、空気が加湿されるようになっている。また、加湿槽には、その加湿槽内に供給された水の水位を検出する水位センサが設けられており、加湿槽内の水位が所定の深さで制御されるようになっている。また、このような加湿器を備える保育器においては、特許文献1に記載されるように、加湿器における水蒸気の生成が続き、貯水タンク内の水がなくなって加湿槽内の水位が水位センサの頂部よりも低くなった際に警報が発せられるようになっている。したがって、操作者は、警報を契機にして保育器本体から加湿器を離脱させ、貯水タンクに水を補給することにより空気の加湿を継続させたり、加湿器の加湿槽を清拭できる。
特開2001‐70367号公報 特許第5956257号公報
このように、保育器に備えられる加湿器としては、着脱式の貯水タンクを備える構成が採用されている。しかし、このような貯水タンクを備える加湿器においては、加湿器を保育器本体から離脱し、さらに貯水タンクを加湿槽から離脱させなければ、貯水タンクに水を補給することができないことから、水の補給に手間がかかり、作業が煩雑となる。また、貯水タンクへの水の補給の際に、加湿器が保育器本体から離脱されることで、一時的に加湿が停止され、児収容室の湿度に変動を生じさせるおそれがある。また、操作者は、水位センサによる警報が発せられるまでは、加湿槽内の水の量を把握できないため、対応が遅れた場合には、児収容室の湿度に変動を生じさせるおそれがある。さらに、貯水タンクへの水の補給の度に、加湿槽に複数の操作者が触れることにより、衛生状態を確保することも難しくなる。
また、加湿器を保育器本体に着脱する際に、動作音や衝撃が発生することで、児収容室に収容された児へのストレスにもなる。また、加湿器の着脱に際し、加湿槽内に残っている水が保育器周辺に零れるおそれがある。また、加湿槽では、加温された水により給水タンクのキャップが高温になりやすく、貯水タンクへの水の補給が必要となった際に直ちに水を供給することが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、空気の加湿を継続して行うことができ、衛生的な空気を児収容室に安定して供給できる保育器を提供することを目的とする。
本発明の保育器は、保育器本体に、外気から遮断可能な児収容室と、前記児収容室内に加湿された空気を供給するための水蒸気を生成する加湿器とを備え、前記加湿器には、前記保育器本体の外部に配置された給水容器から水蒸気を生成するための水を供給する給水ホースを接続可能な接続部が設けられており、前記加湿器は、水蒸気を生成するための水を貯留する加湿槽と、前記接続部と連通して前記加湿槽内に水を供給する給水口部と、前記加湿槽内に貯留された水の水位に応じて上下移動し前記給水口部を開閉するフロート弁とを備え、前記フロート弁は、ガイド軸部とアーム部とを備え、前記ガイド軸部は軸方向がほぼ垂直に設けられ、該ガイド軸部の上端部に前記給水口部と当接可能な弁体を有し、前記アーム部は、基端部を支点にして該基端部回りに回動可能に設けられ、先端部に前記加湿槽内の水の水位に応じて浮力により上下移動可能とされるフロートが形成され、前記フロートよりも前記基端部に近い位置に設けられた連結部を介して前記ガイド軸部の下端部に回動自在に接続されており、前記ガイド軸部は、前記連結部の上下移動に連動して上下移動可能に設けられ、前記フロートが上昇移動したときに、前記弁体が前記給水口部に当接して該給水口部が閉鎖され、前記フロートが下降移動したときに、前記弁体が前記給水口部から離れて該給水口部が開放される。
加湿器への水の補給を、保育器本体の外部に配置された給水容器から行えるようにしたので、操作者は、加湿器を保育器本体から離脱することなく、給水容器への水の補給や、水が貯留された別の給水容器への交換を容易に行える。したがって、加湿器への給水を継続して行うことができ、児収容室への加湿された空気の供給も安定して継続させることができる。
また、給水容器の交換等の際に、加湿器を保育器本体から着脱する必要がないことから、加湿器の加湿槽に操作者が触れることがないので、衛生状態を確保でき、衛生的な空気を児収容室に安定して供給できる。さらに、加湿器を保育器本体から着脱しなければ、加湿器の着脱に伴う動作音や衝撃が発生することもないので、児収容室に収容された児へのストレスも軽減できる。なお、加湿器は、清拭等の際にのみ保育器本体から着脱すればよく、加湿器を保育器本体から取り外すことにより、加湿槽を容易かつ確実に清拭および消毒することができる。
また、給水容器には、例えば透明な部材により形成された容器等、内部の水の残量を目視により確認可能に形成された容器を用いることで、操作者は容易に給水容器内の水の残量を確認できる。この場合には、操作者は、警報を待つことなく給水容器の交換時期を事前に把握でき、給水容器への水の補給や、水が貯留された別の給水容器への交換に対し、事前に準備しておくことができる。このような事前準備が可能であるから、円滑かつ迅速に給水容器への水の補給等を行え、加湿器への給水を停止させることなく、児収容室への加湿された空気の供給を継続して行うことが容易になる。
加湿器にフロート弁を設けフロート弁の上下移動に伴う給水口部の開閉により、加湿槽内への水の供給を自動的に行えるようにしたので、加湿槽内の水位を一定に保つことができる。したがって、給水容器から加湿器への給水を継続して行うことができ、児収容室への加湿された空気の供給も安定して継続できる。
なお、給水容器を加湿器の給水口部よりも高い位置に配置しておくことで、その高さによる重力を利用して加湿槽内に水を給水させることもできる(重力供給方式)。この場合、送水ポンプ等の強制的に水を送水する手段を設けることなく、簡単な構成で加湿器への給水を行うことができる。
また、本発明の好ましい実施態様として、前記アーム部は左右対称の形状とされ、前記基端部が左右方向に一対設けられているとよい。
本発明の保育器において、前記加湿器には、前記加湿槽内の水の水位を検出する水位センサが備えられるとよい。
加湿器への水の供給が適切になされない場合には、加湿効率が低下して空気を十分に加湿することができなくなるおそれがある。また、加湿槽内に水が無くなっている状態で加熱が行われる、いわゆる空焚き現象が生じるおそれがある。そこで、加湿槽内の水の水位を検出する水位センサを設けておくことで、所定水位よりも水位が低下した際には、加湿槽内の水位の異常を警告して加湿槽内に確実に水の供給が行われるようにしたり、加湿器による加熱を強制的に停止したりする等、各種の安全対策を講じることができる。これにより、空焚き現象の発生を防止でき、児収容室に加湿された空気を安定して供給できる。
本発明によれば、空気の加湿を継続して行うことができ、衛生的な空気を児収容室に安定して供給できる。
本発明の実施形態を示す保育器の外観斜視図である。 図1に示す保育器の側面図である。 図2の左方から見た保育器の要部を示す正面図である。 図3のA‐A線に沿う保育器の要部の断面図である。 児収容室の下部に配置された臥床台を取り出し、床板を露出させた状態の保育器を示す斜視図である。 児収容室の床板を取り外し、調和槽および空調装置を露出させた状態の保育器を示す斜視図である。 図3のB‐B線に沿う保育器の要部の断面図である。 この保育器の空調装置に装備される加湿器を示す平面図である。 加湿器の蓋部の分解斜視図である。 図8に示す加湿器のC‐C線に沿う断面図である。 基台への加湿器の着脱を説明する保育器の要部断面図である。 フロート弁の動作を説明する保育器の要部断面図であり、(a)が給水口部が閉鎖された状態、(b)が給水口部が開放された状態を示す。
以下、本発明の実施形態に係る保育器について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の保育器101は、図1に全体を示したように、キャスター11により移動自在な架台12と、架台12の上に垂直に立設された支柱13と、支柱13の上端に設けられたフレーム14と、フレーム14の上に設置された基台15と、基台15の上に設けられ児収容室16を囲むフード17と、フレーム14の一端部でフード17の側方位置に垂直に設けられた2本のガイド柱18,19と、ガイド柱18の上端に取り付けられフード17の天井を構成するキャノピー(天蓋)20と、ガイド柱19の上端に取り付けられた加熱器21とを備える。本実施形態の保育器101において、フレーム14の上に配設された基台15及びフード17の部分が、本発明の保育器本体に相当する。図3に保育器101の要部正面図、図4に保育器101の要部断面図を示す。
フード17は、児を寝かせる臥床台22が設置される床板23と、児の左右、足側および頭側に配置される各処置扉24と、これら処置扉24により囲まれた児収容室16の上方を閉塞するキャノピー20とにより、ほぼ直方体状に構成される。フード17を形成する床板23、各処置扉24およびキャノピー20のそれぞれの間にはシーリング部材が配置されており、これにより外気から遮断された児収容室16を形成することができる。また、各処置扉24およびキャノピー20はほぼ全体が透明樹脂によって形成されており、児収容室16内の児を外部から目視確認できる。
なお、図1〜4にはキャノピー20を下降させてフード17を閉じた状態の保育器101を示したが、この保育器101においては、キャノピー20を上昇させて児収容室16の上方を開放したり、さらに足側を除く各処置扉を開放したりできる。この場合、加熱器21を用いることにより児収容室16を加熱することができる。また、フード17を閉鎖した閉鎖型保育器の状態においては、操作者が各処置扉24に設けられた手入れ窓25を通じて児収容室16の内部に手を挿入し、各処置扉24を閉鎖したまま児の処置を行うことができる。
図7の基台15部分の断面図に示されるように、児収容室16の下部すなわち基台15の内部には、児収容室16に連通する調和槽26を備え、この調和槽26を通じて温度および湿度を調和させた空気を児収容室16に循環させる空調装置27が備えられている。空調装置27は、調和槽26中の空気を移動させるファン28と、調和槽26中の空気を加熱するヒータ29と、調和槽26を構成する調和槽底板(調和槽構成部材)30に対して着脱可能に設けられて調和槽26中の空気に水蒸気を供給する加湿器40とを備え、児収容室16に対して調温および調湿した空気を循環させることができる。
なお、基台15には、加湿器40を調和槽底板30から着脱する際に開閉される基台扉31が備えられており、図11に示されるように、基台扉31を閉じることで、加湿器40が基台15内に収容されるようになっている。また、保育器101には、図1及び図2に示すように、加湿器40が収容される基台15の外部に、加湿器40に水を供給する給水部70が取り付けられている。
図5に、臥床台22および各処置扉24を取り外して床板23を露出させた状態を示す。保育器101においてはこの床板23によって児収容室16と空調装置27とが隔てられている。床板23の下には調和槽26が形成されており、床板23において後方寄り(図2における右方寄り)に設けられた開口部23Aを通じて調和槽26に対して児収容室16からの空気が取り入れられるとともに、この調和槽26において調温・調湿された空気が床板23の両側部に設けられた開口部23Bを通じて調和槽26から児収容室16へ供給される。
図6に、さらに床板23を取り外した状態を示す。床板23の下部に配置された調和槽底板30には、床板23の下面との間に空間を形成するように設けられた第1凹部30Aと、この第1凹部30Aの底面からさらに陥没してファン28を収容する略円筒状の第2凹部30Bと、この第2凹部30Bに連続して保育器101の長手方向に沿って形成され、ヒータ29を収容する略矩形体状の第3凹部30Cとが設けられている。また、調和槽底板30の第2凹部30B近傍には、外気取入口30Dが設けられている。さらに、調和槽底板30の第3凹部30Cの前方(下流側)には、加湿器40に接続する水蒸気導入口32が、略水平方向に延びる調和槽底板30の略上下方向に貫通して設けられている。
この調和槽底板30と床板23との間に形成されている調和槽26において、ファン28によってガイド柱18,19側から吸引された児収容室16内の空気と外気取入口30Dからの外気は、第1凹部30Aを通じて第2凹部30Bに導入されると、第3凹部30Cに流れ込んでヒータ29によって加熱され、さらに水蒸気導入口32を通じて加湿器40から供給される水蒸気によって加湿された後、第1凹部30Aを通じて児収容室16の側方側の床板23と調和槽底板30との間から児収容室16内へ供給される。図7に、床板23および調和槽底板30によって形成される調和槽26、ヒータ29、および加湿器40によって構成される空調装置27における空気の流れを示す。
空調装置27の加湿器40を図8〜図10に示す。加湿器40は、水蒸気を生成するための水を貯留する加湿槽41と、この加湿槽41の上部を覆う蓋部51とを備える。また、加湿槽41は、図10に示すように、上方を開口した凹状の貯水部42を有しており、その貯水部42は、一側部(図10では下側)の深さが浅く形成され、他側部(図10では上側)の深さが深く形成され、一側部と他側部との間が傾斜面により形成されている。そして、貯水部42の底面部において最も深く形成された他側部の最深部42aに、加湿槽41(貯水部42)内に供給された水が集められるようになっている。そして、この貯水部42の最深部42aに、調和槽底板30の第3凹部30Cの下流側端部に形成された水蒸気導入口32に接続する水蒸気供給口40aを有する水蒸気塔43が取り付けられ、その水蒸気塔43の内部にカートリッジヒータ44が配設されている。
この加湿器40において、給水部70から加湿槽41内に供給された水が水蒸気塔43の内部に配置されたカートリッジヒータ44によって加熱されると、発生した水蒸気が水蒸気塔43の水蒸気供給口40aから排出されるようになっている。なお、加湿槽41の貯水部42の傾斜面には水位センサ45が取り付けられており、加湿槽41内に貯留されている水の水位と、カートリッジヒータ44に供給される水量のチェックが行われている。また、水位センサ45は、貯水部42の深さの異なる位置に2箇所取り付けられており、二段階の水位のチェックが行われている。そして、保育器101では、加湿槽41の水位が所定水位よりも低下した際には、加湿槽41内の水位の異常を警告したり、カートリッジヒータ44への給電を停止するなどの制御が行われるようになっている。
蓋部51は、加湿槽41の上部に着脱可能に設けられ、蓋部51を加湿槽41に装着することで貯水部42を閉鎖でき、蓋部51を加湿槽41から離脱することで貯水部42を開放できるようになっている。この場合、蓋部51は、図8〜図10に示すように、貯水部42の上部開口を覆う蓋体本体52を備えており、この蓋体本体52には、カバー部材53とフロート弁61とが備えられている。また、カバー部材53には、基台15の外部に配置された給水容器71から水蒸気を生成するための水を供給する給水ホース72を接続可能な接続部54と、この接続部54と連通して加湿槽41内に水を供給する給水口部55とが設けられており、フロート弁61は、加湿槽41内に貯留された水の水位に応じて上下移動し給水口部55を開閉する構成とされる。
蓋体本体52には、図9及び図10に示すように、フロート弁61の上下移動を案内するガイド孔部56と、ガイド孔部56の周囲に形成され蓋体本体52の上面側から下面側に連通する連通口部57とが設けられている。そして、カバー部材53は、蓋体本体52の上面に着脱可能に設けられ、図10に示すようにカバー部材53を蓋体本体52に装着した状態では、ガイド孔部56と連通口部57とがカバー部材53により覆われることで、蓋体本体52の上面とカバー部材53との間に小空間部58が形成されるようになっている。また、接続部54は、カバー部材53の上面側に形成されており、給水口部55は、この接続部54と連通するとともに、カバー部材53の下面側に開口して設けられている。また、図10に示すように、カバー部材53と蓋体本体52との間にはパッキン67が挟持されており、パッキン67によりカバー部材53と蓋体本体52との間が気密とされる。このため、給水口部55から供給される水が、カバー部材53と蓋体本体52との間から小空間部58の外部へ流出されることがなく、連通口部57を通じて加湿槽41(貯水部42)内に円滑に供給されるようになっている。
フロート弁61は、図9〜図12に示すように、蓋体本体52のガイド孔部56に係合するガイド軸部62と、先端部にフロート65が形成されたアーム部63とを備え、ガイド軸部62の下端部62aとアーム部63の連結部63aとが回動自在に接続されることにより、一体に設けられている。ガイド軸部62は、その軸方向がほぼ垂直に設けられており、中間部が蓋体本体52のガイド孔部56に係合する係合軸部62bとされる。なお、本実施形態では、図9に示すように、係合軸部62bの横断面がプラス形状(+)とされており、係合軸部62bが、外周縁部の4箇所でのみガイド孔部56と係合するようになっている。このため、係合軸部62bとガイド孔部56との間に比較的大きな隙間が形成され、給水口部55から供給される水が、連通口部57だけでなく、ガイド孔部56を通じても、貯水部42内に供給されるようになっている。また、ガイド軸部62の上端部62cは、蓋体本体52の上面から突出して設けられ、給水口部55と当接可能な弁体64が取り付けられている。一方、ガイド軸部62の下端部62aは、蓋体本体52の下面から突出して設けられ、前述したように、アーム部63の連結部63aと回動自在に接続されている。
アーム部63は、前述したように、先端部にフロート65が設けられ、連結部63aがガイド軸部62の下端部62aと回動自在に連結されている。また、アーム部63の基端部63bは、蓋体本体52に回動自在に支持されており、アーム部63は、基端部63bを支点にして、基端部63b回りに回動可能に設けられている。そして、フロート65は、中空に設けられており、図12(a)及び(b)に示すように、貯水部42内の水95の水位の上昇又は下降に応じて、浮力により上下移動するようになっている。
なお、アーム部63の先端部に設けられたフロート65が大きく上下移動するのに対し、フロート65よりも基端部63bに近い位置に設けられた連結部63aは、フロート65の移動量よりも小さく上下移動する。また、ガイド軸部62は、アーム部63の連結部63aに接続されているから、連結部63aの上下移動に連動して上下移動し、フロート65よりも小さく上下移動する。そして、ガイド軸部62の上端部には、弁体64が取り付けられているから、ガイド軸部62の上下移動に応じて、弁体64も上下移動されるようになっている。このため、図12(a)に示すように、フロート弁61が蓋体本体52に対して上昇移動し、弁体64が給水口部55に当接することで、給水口部55が閉鎖される。一方、図12(b)に示すように、フロート弁61が蓋体本体52に対して下降移動し、弁体64が給水口部55から離れることで、給水口部55が開放される。したがって、図12(a)に示すように、弁体64が給水口部55に当接した状態で、給水部70からの給水が停止された状態となり、図12(b)に示すように、弁体64が給水口部55から離れた状態でのみ、給水部70から給水が行われることになる。
なお、アーム部63は、図9に示すように左右対称の形状とされており、蓋体本体52に支持される基端部63bは、左右方向に一対設けられる。また、アーム部63の先端に設けられたフロート65は、左右方向の中央部分が前後方向に凹んで形成されており、その前後の凹み部分の内側に水位センサ45が突出して配設されている。
加湿器40に水を供給する給水部70は、図1及び図2に示されるように、水が貯留される給水容器71と、この給水容器71と加湿器40との間を接続する給水ホース72とを有する。給水容器71は、基台15の外部に配置され、目視により内部の水の残量を確認可能に形成されている。例えば、給水容器71は透明な部材により形成され、内部の様子を外部から観察可能とされる。給水容器71は、具体的にはポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等により形成される。
なお、給水ホース72は、一端が給水容器71と接続され、他端が加湿器40の蓋部51に設けられた接続部54に接続される。このため、給水ホース72の大部分は基台15の外部に配置されるが、一部(他端)は基台15の内部に配置された状態となる。なお、蓋部51には固定支持部68が設けられており、この固定支持部68により給水ホース72の他端部側が接続部54の近傍で固定されている。これにより、基台15の外部に配置された給水ホース72の一端部側が予期せずに動くことがあっても、給水ホース72が蓋部51から容易に外れることがないようにしている。そして、給水ホース72に接続される給水容器71は、加湿器40の給水口部55よりも高い位置に配置されており、その高さによる重力を利用する重力供給方式により、給水容器71から給水ホース72を通じて、加湿槽41内に水が供給されるようになっている。
本実施形態の保育器101には、図1及び図2に示すように、輸液バッグ等の医療容器を吊り下げるためのフック部82を有する支持ロッド部81が備えられており、支持ロッド部81は、ガイド柱18,19等と同様に垂直に設けられている。そして、給水容器71は、このフック部82に吊り下げられるようになっている。これにより、給水容器71は、加湿器40の給水口部55よりも高い位置であって、操作者から給水容器71の内部が容易に見えやすい位置に配置されている。なお、給水容器71は、保育器101とは別の器具(ガートル台等)に取り付けて使用することもできる。
また、加湿器40には、略トレイ状の下部容器48が備えられており、加湿槽41は、下部容器48上に取り付けられている。さらに下部容器48には、カートリッジヒータ44に給電するための給電コネクタ46と、加湿器40を基台15(調和槽底板30)に対して確実に装着するハンドル47とが設けられている。ハンドル47は、図7に示すように、取付軸47aを中心として回動可能に取り付けられ、また取付軸47aに取り付けられたねじりコイルバネ(図示略)によって下部容器48から離間する方向に回転付勢されている。
図7に示すように、基台15に加湿器40が内蔵された状態で基台扉31が閉じられると、ハンドル47は基台扉31に押されて回転し、加湿器40を調和槽底板30に向けて付勢するようになっている。なお、基台扉31の上部には、給水ホース72を挿通させることが可能な凹溝部31bが形成されており、給水ホース72の他端を加湿器40の接続部54に接続した状態で、その一端を基台扉31を介して外部に引き出すことが可能となっている。
なお、加湿器40を装着する際には、図10に示すように、基台15内部に挿入した加湿器40を、給電コネクタ46のコネクタピン46a先端が基台15内部に設けられたプラグ91に当接するまで、図の右方に向けて水平方向に押し込み、図に矢印で示すように基台扉31を閉める。この基台扉31を閉めることにより、ハンドル47が取付軸47aを中心として回動しながら基台扉31に押され、加湿器40が水平方向に移動してさらに押し込まれる。
加湿器40が押し込まれることにより、図7に示すように、給電コネクタ46とプラグ91とが接続されてカートリッジヒータ44が加熱可能となるとともに、水蒸気塔43の上端面43aが水蒸気供給路部材92の下に入り込んで水蒸気供給路部材92を押し上げ、さらにスチームキャップ(キャップ部材)34が押し上げられて開かれ、加湿器40の水蒸気供給口40aと調和槽26とが連通し、水蒸気を供給可能な状態となる。
一方、加湿器40を取り外す際には、図11に示すように、基台扉31を開くことにより、基台扉31の爪31a(図7及び図11参照)が加湿器40の溝(図示せず)に係合して回動し、この爪31aに押されて加湿器40が引き出されるとともに、プラグ91に対する給電コネクタ46の係合が解除される。また、基台扉31が開放されると、下部容器48から離間する方向に回転付勢されているハンドル47が回動して指を掛けるスペースが形成されるので、このハンドル47を掴んで加湿器40を水平方向に引き出すことができる。
加湿器40が引き出されることにより、水蒸気塔43が図11の左方に移動し、この水蒸気塔43によって下方から支えられていた水蒸気供給路部材92は下方からの支えを失って下方に移動する。これにより、水蒸気供給路部材92によって押し上げられていたスチームキャップ34も回動し、水蒸気導入口32が閉じられ、調和槽26は外気から遮断された状態に維持される。
そして、このように構成される保育器101においては、基台15に装着された加湿器40により水蒸気が生成されるに伴い、加湿槽41(貯水部42)内の水95が消費されて水位が低下するが、図12(b)に示すように、加湿槽41内の水95の水位の低下に伴いフロート弁61が蓋体本体52に対して下降移動すると、給水口部55が開放され、給水部70(給水容器71)から加湿槽41内に自動的に給水が行われる。一方、加湿槽41内の水95の水位の上昇に伴いフロート弁61が蓋体本体52に対して上昇移動すると、図12(a)に示すように、弁体64が給水口部55に当接して給水口部55が閉鎖されることで、給水が停止される。したがって、保育器101では、フロート弁61の上下移動に伴う給水口部55の開閉により、加湿槽41内への水の供給を自動的に行え、加湿槽41内の水位を一定に保つことができる。
また、加湿槽41内への給水により給水容器71内の水も消費されるが、給水容器71は基台15の外部に設置されているので、操作者は、給水容器71の内部の水の残量を目視により容易に確認できる。そして、給水容器71内の水の残量が少なくなったときには、給水容器71へ水を補給するか、水が貯留された別の給水容器71へ交換することにより、加湿器40への給水を継続して行うことができ、児収容室16への加湿された空気の供給も継続して行うことができる。
以上説明したように、本発明の保育器101によれば、加湿器40への水の補給を、基台15(保育器本体)の外部に配置された給水容器71から行えるようにしたので、操作者は、加湿器40を基台15から離脱することなく、給水容器71への水の補給や、水が貯留された別の給水容器71への交換を容易に行える。したがって、加湿器40への給水を継続して行うことができ、児収容室16への加湿された空気の供給も安定して継続させることができる。
また、給水容器71の交換等の際に、加湿器40を基台15から着脱する必要がないことから、加湿器40の加湿槽41に操作者が触れることがないので、衛生状態を確保でき、衛生的な空気を児収容室16に安定して供給できる。さらに、加湿器40を基台15から着脱しなければ、加湿器40の着脱に伴う動作音や衝撃が発生することもないので、児収容室16に収容された児へのストレスも軽減できる。なお、加湿器40は、清拭等の際にのみ基台15から着脱すればよく、加湿器40を基台15から取り外すことにより、加湿槽41等を容易かつ確実に清拭および消毒することができる。
また、本実施形態のように、内部の水の残量を目視により確認可能に形成された給水容器71を用いることで、操作者は容易に給水容器71内の水の残量を確認できる。このため、操作者は、警報を待つことなく給水容器71の交換時期を事前に把握でき、給水容器71への水の補給や、水が貯留された別の給水容器71への交換に対し、事前に準備しておくことができる。また、このような事前準備が可能であるから、円滑かつ迅速に給水容器71への水の補給等を行え、加湿器40への給水を停止させることなく、児収容室16への加湿された空気の供給を継続して行うことが容易になる。
また、本実施形態の保育器101では、給水容器71を加湿器40の給水口部55よりも高い位置に配置したので、その高さによる重力を利用した重力供給方式により加湿槽41内に水を給水でき、送水ポンプ等の強制的に水を送水する手段を設けることなく、給水部70を簡単に構成できる。また、加湿器40にフロート弁61を設けフロート弁61の上下移動に伴う給水口部55の開閉により、加湿槽41内への水の供給を自動的に行えるようにしたので、加湿槽41内の水位を一定に保つことができる。したがって、給水容器71から加湿器40への給水を継続して行うことができ、児収容室16への加湿された空気の供給も安定して継続できる。なお、給水部70は、送水ポンプを用いて構成することもできる。
また、加湿槽41内の水の水位を検出する水位センサ45を設けたので、所定水位よりも水位が低下した際には、加湿槽41内の水位の異常を警告して加湿槽41内に確実に水の供給が行われるようにしたり、加湿器40による加熱を強制的に停止したりする等、各種の安全対策を講じることができる。したがって、空焚き現象の発生を防止でき、児収容室16に加湿された空気を安定して供給できる。
なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
11 キャスター
12 架台
13 支柱
14 フレーム
15 基台
16 児収容室
17 フード
18,19 ガイド柱
20 キャノピ―(天蓋)
21 加熱器
22 臥床台
23 床板
23A,23B 開口部
24 処置扉
25 手入れ窓
26 調和槽
27 空調装置
28 ファン
29 ヒータ
30 調和槽構成部品(調和槽底板)
30A 第1凹部
30B 第2凹部
30C 第3凹部
30D 外気取入口
31 基台扉
31a 爪
31b 凹溝部
32 水蒸気導入口
34 スチームキャップ
40 加湿器
40a 水蒸気供給口
41 加湿槽
42 貯水部
42a 最深部
43 水蒸気塔
44 カートリッジヒータ
45 水位センサ
46 給電コネクタ
46a コネクタピン
47 ハンドル
47a 取付軸
48 下部容器
51 蓋部
52 蓋体本体
53 カバー部材
54 接続部
55 給水口部
56 ガイド孔部
57 連通口部
58 小空間部
61 フロート弁
62 ガイド軸部
62a 下端部
62b 係合軸部
62c 上端部
63 アーム部
63a 連結部
63b 基端部
64 弁体
65 フロート
67 パッキン
68 固定支持部
70 給水部
71 給水容器
72 給水ホース
81 支持ロッド部
82 フック部
91 プラグ
92 水蒸気供給路部材
95 水
101 保育器

Claims (3)

  1. 保育器本体に、外気から遮断可能な児収容室と、前記児収容室内に加湿された空気を供給するための水蒸気を生成する加湿器とを備え、
    前記加湿器には、前記保育器本体の外部に配置された給水容器から水蒸気を生成するための水を供給する給水ホースを接続可能な接続部が設けられており、
    前記加湿器は、水蒸気を生成するための水を貯留する加湿槽と、前記接続部と連通して前記加湿槽内に水を供給する給水口部と、前記加湿槽内に貯留された水の水位に応じて上下移動し前記給水口部を開閉するフロート弁とを備え、
    前記フロート弁は、ガイド軸部とアーム部とを備え、
    前記ガイド軸部は軸方向がほぼ垂直に設けられ、該ガイド軸部の上端部に前記給水口部と当接可能な弁体を有し、
    前記アーム部は、基端部を支点にして該基端部回りに回動可能に設けられ、先端部に前記加湿槽内の水の水位に応じて浮力により上下移動可能とされるフロートが形成され、前記フロートよりも前記基端部に近い位置に設けられた連結部を介して前記ガイド軸部の下端部に回動自在に接続されており、
    前記ガイド軸部は、前記連結部の上下移動に連動して上下移動可能に設けられ、
    前記フロートが上昇移動したときに、前記弁体が前記給水口部に当接して該給水口部が閉鎖され、
    前記フロートが下降移動したときに、前記弁体が前記給水口部から離れて該給水口部が開放されることを特徴とする保育器。
  2. 前記アーム部は左右対称の形状とされ、前記基端部が左右方向に一対設けられていることを特徴とする請求項1に記載の保育器。
  3. 前記加湿器には、前記加湿槽内の水の水位を検出する水位センサが備えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の保育器。
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