JP6299084B2 - 細胞培養方法及びそれに用いるマイクロキャリア - Google Patents

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本発明は、細胞培養方法及びそれに用いるマイクロキャリアに関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織、微生物等を人工的な環境下で効率良く大量に培養することが求められている。このような要求に対して、合成樹脂からなる培養容器を用いて、細胞を自動的に大量培養することが行われている。
上記の細胞の大量培養技術として、マイクロキャリア培養法が知られている。マイクロキャリア培養法は、培養容器内に、細胞、培養液、及び細胞の接着足場となるマイクロキャリアを導入し、培養液を間欠的に攪拌して細胞とマイクロキャリアを浮遊させ、浮遊した細胞が下降しながらマイクロキャリアに接触することにより、マイクロキャリアの表面に接着して増殖する方法である(例えば、特許文献1)。マイクロキャリアは、体積比に対し、非常に大きい接着及び増殖表面積を提供することが可能であり、細胞の大量培養には有利である。
国際公開第2010/138702号
しかしながら、通常マイクロキャリアの大きさは細胞に比して数倍〜数十倍大きいものが用いられ、マイクロキャリアの質量は細胞に比べて極めて大きい。そのため、培養液中でのマイクロキャリアの沈降速度は細胞に比べて極端に速く、細胞とマイクロキャリアの接触確率が極めて低くなる。したがって、多くのマイクロキャリアは細胞と接触せずに培養容器の底に沈降してしまう。一方、細胞をマイクロキャリアに十分に接着させるには攪拌操作を多数回繰り返す必要があり、接着工程に長時間を要することになる。また、接着工程を長時間行うと、細胞へのダメージが懸念される。そこで、マイクロキャリアの大きさを小さくすることが考えられるが、そうするとマイクロキャリアの表面積が減少して細胞の増殖面積を低下させることにつながり、量産性が低下するといった問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、細胞の増殖面積を低下させることなく、マイクロキャリアへの接着工程を短縮することができる細胞培養方法と、それに用いるマイクロキャリアを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る細胞培養方法は、収容部を有する培養容器を準備する工程と、前記収容部に、細胞、培養液、及び前記細胞と略同じ大きさのマイクロキャリアを導入する工程と、前記細胞と前記マイクロキャリアとを接触させ、前記マイクロキャリアの表面に前記細胞を接着させる工程と、前記マイクロキャリアの表面積を増加させ、前記マイクロキャリアの表面に接着した前記細胞を増殖させる工程と、を含むことを特徴とする。
他の態様として、マイクロキャリアの表面積の増加が、前記マイクロキャリアに刺激を加えることにより、前記マイクロキャリアの水膨潤度を変化させ、前記マイクロキャリア自体の径を大きくすることで行われてもよい。
他の態様として、マイクロキャリアの表面積の増加が、前記マイクロキャリアに刺激を加えることにより、前記マイクロキャリアの水膨潤度を部分的に変化させ、前記マイクロキャリア自体の形状が非球形となるように径を大きくすることで行われてもよい。
他の態様として、マイクロキャリアの表面積の増加が、前記マイクロキャリアに刺激を加えることにより、前記マイクロキャリアを親水性から疎水性へと変化させ、複数の前記マイクロキャリア同士を凝集させることで行われてもよい。
他の態様として、前記マイクロキャリアが電荷を有し、前記マイクロキャリアの表面積の増加が、前記電荷とは逆の電荷を有するイオン又は粒子を前記マイクロキャリアに作用させ、複数の前記マイクロキャリア同士を凝集させることで行われてもよい。
本発明の一実施形態に係るマイクロキャリアは、上記の細胞培養方法に用いるマイクロキャリアであって、刺激応答性高分子と、水膨潤性粘土鉱物とを含む三次元網目の中に水が包含されている有機無機複合ゲルからなることを特徴とする。
本発明によれば、細胞の増殖面積を低下させることなく、マイクロキャリアへの接着工程を短縮することができる。
本発明に係る細胞培養方法を説明する図である。 本発明に係る細胞培養方法の一実施形態を説明する図である。 本発明に係る細胞培養方法の一実施形態を説明する図である。 本発明に係る細胞培養方法の一実施形態を説明する図である。 本発明に係る細胞培養方法の一実施形態を説明する図である。 本発明に係る細胞培養方法の一実施形態を説明する図である。
以下、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は種々の態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。便宜上、実際に比べて縮尺等を変更して説明していることに留意されたい。
まず、本発明に係る細胞培養方法の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明の細胞培養方法は、典型的には医薬品等の主原料となる物質を生産する細胞の培養に適用することができるが、これに限定されるものではない。生産する物質としては、例えば抗体や酵素等のタンパク質、低分子化合物、高分子化合物等の生理活性物質及びウイルスを挙げることができる。
(1)細胞等導入工程
図1は、本発明の細胞培養方法に用いる培養容器を示している。培養容器10は、容器本体11と攪拌手段とにより主に構成されている。この実施形態において、容器本体11は、合成樹脂からなる透明な軟包材で形成した袋である。容器本体11として軟包材を用いることで、培養容器10に可撓性や柔軟性を付与することができる。培養容器10は、さらに細胞の培養に必要とされる、ガス導入機構、温度調整機構、センサー機構等の種々の構成を備えるものであってもよい。
容器本体11の内側には袋状の収容部12が形成される。収容部12内には、容器本体11の上端と下端との間に延びる回転軸13と、回転軸13に接続された攪拌翼14と、回転軸13の上端及び下端をそれぞれ支持する上方軸受部15及び下方軸受部16とが配置される。回転軸13は、駆動装置(図示せず)による動力が伝達されることにより回転し、回転軸13が回転することにより回転軸13に接続された攪拌翼14を動作させる。攪拌翼14は、回転軸13の下方に接続されている。
医薬品等の主原料となる物質を生産する細胞を大量に培養する場合には、例えば、収容部12の内径が10cm〜100cm、高さが10cm〜100cmの筒状の容器本体11を準備し、その中に回転直径が10mm〜1000mmの攪拌翼14を配置するとよい。また、攪拌翼14は収容部12の底部に触れない程度の高さに配置するとよい。
培養容器10を使用して細胞培養を行うに当たり、まず、収容部12に細胞1、細胞1を培養するための培養液2、及び細胞1の接着足場となるマイクロキャリア3が導入される。導入の仕方は任意であり、細胞1、培養液2及びマイクロキャリアの混合物を収容部12に導入してもよいし、予め細胞1を懸濁した培養液2を導入した後、マイクロキャリア3を導入してもよい。培養する細胞1としては、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞等を挙げることができる。特に、接着依存性を有する動物細胞を用いることが好ましい。培養液2は、培養する細胞1の種類に合わせて適宜選択することができる。培養液2の量は適宜設定できるが、培養液2が収容部12の容積の80〜100%を占める程度の量とするとよい。
マイクロキャリア3は、細胞1の接着足場であり、かつ細胞1がその表面に接着した後に伸展して増殖するための微小な担体である。マイクロキャリア3の大きさは、培養する細胞1の大きさと略同じである。マイクロキャリア3の大きさが「培養する細胞の大きさと略同じ」であるとは、マイクロキャリア3の大きさと培養する細胞1の大きさとの差が100μm以下であることをいう。これにより、細胞1とマイクロキャリア3の培養液2中での沈降速度の差を小さくすることができ、細胞1とマイクロキャリア3の接触確率が高まる。より好ましくは、マイクロキャリア3の大きさと培養する細胞1の大きさとの差を50μm以下とするとよい。
マイクロキャリア3の形状は、特に制限はないが、例えば、球状や楕円状等の粒子状、平板状、管状のもの等を挙げることができる。この場合、マイクロキャリア3の大きさは、マイクロキャリア3の外形の最も大きい部分の幅を指し、例えば、球状であれば直径、楕円形であれば長径、矩形板状であれば対角線の長さを指す。
(2)細胞接着工程
回転軸13の下方に配置された攪拌翼14を回転させると、攪拌翼14によって培養液2が攪拌されて流動し、収容部12の下方から上方に向けた上昇流が発生する。この上昇流により細胞1及びマイクロキャリア3が上方に舞い上げられ、ともに浮遊した状態となる。攪拌速度は、培養液2の粘性等を考慮し、細胞1とマイクロキャリア3を上昇させるのに十分な速度に設定すればよく、例えば、10rpm〜2000rpmの範囲とすることができる。なお、攪拌手段は上記の態様に限られることはなく、電磁スターラー等の回転子により収容部12内の培養液2を攪拌するように構成してもよい。
攪拌翼14により生じた上昇流によって収容部12の上方に移動した、細胞1とマイクロキャリア3は培養液2中を浮遊しながら次第に下降する。この下降中に細胞1とマイクロキャリア3とが接触することにより、マイクロキャリア3の表面に細胞1が接着する。本発明の細胞培養方法においては、上記のように細胞1とマイクロキャリア3の大きさが略同程度であるため、両者の沈降速度が近接する。したがって、細胞1とマイクロキャリア3が接触する確率が従来に比べて上がり、所望の接着レベルに達する時間を短縮することが可能となる。また、従来はマイクロキャリアの沈降速度が極めて大きいものであるため、攪拌されてもなお下方近傍に存在するマイクロキャリアには細胞が接着することができず、上方寄りに存在するマイクロキャリアにしか細胞が接着しなかった。本発明の細胞培養方法によれば、マイクロキャリアの沈降速度を低下させることで細胞1とマイクロキャリア3とが接触する機会を増やし、より多くのマイクロキャリア3に細胞1を接着させることができる。このとき、細胞1とマイクロキャリア3とが効率的に接触するように、攪拌手段による培養液2の攪拌を停止したり、攪拌速度を低下させたりしてもよい。
(3)細胞増殖工程
続いて、マイクロキャリア3の表面積を増加させ、マイクロキャリア3の表面に接着した細胞1を増殖させる。ここで、「マイクロキャリアの表面積を増加させる」とは、各々のマイクロキャリアそれ自体の径が大きくなり表面積が増加する場合や、複数のマイクロキャリア同士が凝集し、その凝集体としての表面積が増加する場合を包含する趣旨である。
マイクロキャリア3の表面積を増加させる手段は、マイクロキャリアに刺激を加える等したときに、その応答として表面に細胞1を接着させたまま表面積を増加させ得る手段であればよく、特に限定はされない。好適な例として、以下の実施形態(3−a)〜(3−d)の方法を挙げることができる。すなわち、マイクロキャリア3の水膨潤度が刺激により変化する場合(3−a及び3−b)であれば、温度、光、pH等の刺激のうち所定の刺激を印加して表面積を増加させる。マイクロキャリア3が疎水性相互作用により凝集する場合(3−c)であれば、水に対する親和性を低下させて疎水性相互作用によるマイクロキャリア同士の凝集体を形成し表面積を増加させる。マイクロキャリア3が静電相互作用により凝集するもの(3−d)であれば、マイクロキャリア3の電荷の反対の電荷を有するイオンや粒子を導入して静電相互作用によるマイクロキャリア同士の凝集体を形成し表面積を増加させる。以下、それぞれの実施形態(3−a)〜(3−d)について詳述する。
(3−a)刺激により水膨潤度が変化するマイクロキャリア(1)
この実施形態では、図2に示すように、浮遊しながら次第に下降する細胞1とマイクロキャリア3とを互いに接着させた後、マイクロキャリア3に刺激を加えることにより、マイクロキャリアの水膨潤度を変化させ、マイクロキャリア3自体の径を大きくして表面積を増加させる。そして、その表面積が増加したマイクロキャリア3の表面上で細胞1を増殖させ、細胞培養を行う。刺激により水膨潤度が変化するマイクロキャリアとしては、水膨潤性を有し、温度、光、pH等の刺激によって水膨潤度が変化するものを用いることができる。このような材料としては、特開2010−241859号公報に記載されたものを用いることができる。特に、水膨潤性の粘土鉱物(クレイ)と、その粘土鉱物と水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合等を形成できる官能基を有する刺激応答性高分子とを複合化して形成された三次元網目の中に水が包含されている有機無機複合ゲルは好ましく用いられる。この有機無機複合ゲルを構成する水膨潤性粘土鉱物は、好ましくは水中で層状に剥離して均一分散する層状の粘土鉱物であり、具体的には水膨潤性スメクタイト、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性雲母等が挙げられる。また、刺激応答性高分子としては、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリルアミド等のアクリルアミド類、又はN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミド等のメタクリルアミド類の中から選択される一種又は複数種を重合して得られる水溶性有機高分子が挙げられる。有機無機複合ゲルは、上述の刺激応答性高分子の重合原料であるモノマーと粘土鉱物と水とを含む均一な溶液又は分散液を調製した後、ラジカル重合開始剤を加え、必要に応じて触媒を添加し、加熱(5℃〜90℃)するによりモノマーを重合させる方法によって得ることができる。
マイクロキャリアの水膨潤度は、膨潤したマイクロキャリアの質量(WG)を測定した後、マイクロキャリアを乾燥させてマイクロキャリアの乾燥質量(WD)を得ることにより、R=(WG−WD)/WDとして得ることができる。刺激を加えることによる水膨潤度の変化の割合は、最大膨潤度(Rmax)と最小膨潤度(Rmin)の比(Rmax/Rmin)が3以上、好ましくは5以上であることが好ましい。これにより、細胞の増殖面積を増加させることができる。なお、刺激により水膨潤度が変化するマイクロキャリアを用いる場合、導入する細胞の数をマイクロキャリアの数の5倍〜10倍程度とすることが好ましい。
(3−b)刺激により水膨潤度が変化するマイクロキャリア(2)
この実施形態を図3に基づき説明する。なお、図3〜6では、便宜上、マイクロキャリア3に接着している細胞は図示を省略し、マイクロキャリア3の表面積を増加させる過程のみを示している。図3の例では、マイクロキャリア3に刺激を加えることにより、マイクロキャリア3の水膨潤度を部分的に変化させている。具体的には、マイクロキャリア3の下部3bの水膨潤度の変化量よりも、マイクロキャリア3の上部3aの水膨潤度の変化量を大きくしている。これにより、マイクロキャリア3自体の径を大きくしつつ、形状が非球形(図3では、傘状)となるようにしている。なお、水膨潤度の部分的な変化は、例えば、浮遊しているマイクロキャリアに対し、容器本体の一方の面から光照射等を行い、光が照射される面と照射されない面とで水膨潤度が異なるようにすることで達成することができる。図3のようにマイクロキャリア3を非球形に膨潤させることによって、細胞の増殖面積を増加させるとともに、培養液中におけるマイクロキャリア3の流動抵抗を大きくして、下降する速度を細胞1と近接させ、細胞1とマイクロキャリア3が接触する確率を上げることができる。
(3−c)疎水性相互作用により凝集するマイクロキャリア
この実施形態では、図4に示すように、細胞が接着したマイクロキャリア3に刺激を加えることにより、マイクロキャリアを親水性から疎水性へと変化させ、複数のマイクロキャリア3同士を疎水性相互作用により凝集させることで表面積を増加させる。そして、その表面積が増加したマイクロキャリア3の凝集体の表面上で細胞を増殖させ、細胞培養を行う。疎水性相互作用により凝集するマイクロキャリアとしては、温度、光、pH等の刺激によって、周囲の水分子に対する親和性が変化するものを用いることができる。具体的には、マイクロキャリア自体が刺激応答性を有するものや、ビーズ表面に刺激応答性高分子が固定化されたものを挙げることができる。マイクロキャリア自体が刺激応答性を有する例としては、特開2006−280206号公報に記載される、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド等の水溶性有機モノマーの重合体と、水膨潤性粘土鉱物(クレイ)とを含んで構成される三次元網目構造を有し、温度により親水性と疎水性が可逆的に変化する高分子ヒドロゲルを挙げることができる。また、マイクロキャリア表面に刺激応答性高分子が固定化された例としては、ビーズ表面に温度により親水性と疎水性が可逆的に変化するポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、メチルセルロース等の温度応答性高分子が固定化されたもの等を挙げることができる。なお、疎水性相互作用により凝集するマイクロキャリアを用いる場合、導入する細胞とマイクロキャリアの質量比は、細胞及びマイクロキャリアの種類や攪拌条件等によっても異なるが、例えば細胞:マイクロキャリア=1:1〜1:200(質量比)とすることが好ましい。
(3−d)静電相互作用により凝集するマイクロキャリア
この実施形態では、図5及び6に示すように、細胞が接着したマイクロキャリア3が電荷(図5及び6では正電荷)を有しており、そのマイクロキャリア3に対して逆の電荷を有するイオン(図5)又は逆の電荷を有する粒子4(図6)を作用させ、複数のマイクロキャリア3同士を静電相互作用により凝集させることで表面積を増加させる。そして、その表面積が増加したマイクロキャリア3の凝集体の表面上で細胞を増殖させ、細胞培養を行う。静電相互作用により凝集するマイクロキャリアとしては、正又は負の電荷を有するものを用いることができる。具体的には、正の電荷を有するものとしてコラーゲン等を挙げることができ、負の電荷を有するものとしてはヒアルロン酸、ゼラチン、OH基で表面修飾したキャリア等を挙げることができる。なお、静電相互作用により凝集するマイクロキャリアを用いる場合、導入する細胞とマイクロキャリアの質量比は、細胞及びマイクロキャリアの種類や攪拌条件等によっても異なるが、例えば細胞:マイクロキャリア=1:1〜1:200(質量比)とすることが好ましい。
上記のようにして、マイクロキャリア3の表面積を増加させた後、培養する細胞1の増殖に適した条件に温度、CO濃度等を制御し、所定の時間培養を行って細胞を増殖させる。マイクロキャリア3の表面積が増加することにより、細胞1の増殖面積が増えるため、大量の細胞を得ることができる。特に、マイクロキャリア3が球状、楕円状等である場合には、表面積が増加するとともに曲率が小さくなるため、細胞の伸展が起こりやすくなり、細胞の増殖効果がより高くなる。
(4)細胞回収工程
次に、マイクロキャリア3の表面で増殖した細胞1を回収する。細胞1の回収は、培養容器外で行なってもよいし、培養容器内で行なってもよい。マイクロキャリア3の表面が刺激応答性を有する場合には、所定の刺激を加えて細胞1をマイクロキャリア3の表面から脱離させることができる。マイクロキャリア3の表面が刺激応答性を有しない場合には、トリプシン等を加えて細胞1をマイクロキャリア3の表面から脱離させる。脱離した細胞1とマイクロキャリア3との分離は公知の方法により行なわれるが、典型的には遠心分離法や、フィルタによるろ過を利用して行なわれる。その際、フィルタは培養容器10の外部に設置することもできるし、培養容器10の内部に設置することもできる。
1 細胞
2 培養液
3 マイクロキャリア
3a マイクロキャリアの上部
3b マイクロキャリアの下部
4 逆の電荷を有する粒子
10 培養容器
11 容器本体
12 収容部
13 回転軸
14 攪拌翼
15 上方軸受部
16 下方軸受部

Claims (3)

  1. 収容部を有する培養容器を準備する工程と、
    前記収容部に、細胞、培養液、及び前記細胞との大きさの差が100μm以下であるマイクロキャリアを導入する工程と、
    前記細胞と前記マイクロキャリアとを接触させ、前記マイクロキャリアの表面に前記細胞を接着させる工程と、
    前記マイクロキャリアの表面に前記細胞を接着させたまま前記マイクロキャリアに刺激を加えることにより、前記マイクロキャリアの水膨潤度を変化させ、前記マイクロキャリア自体の径を大きくすることで前記細胞が増殖可能な表面積を増加させ、前記マイクロキャリアの表面に接着した前記細胞を増殖させる工程と、
    を含む細胞培養方法。
  2. 収容部を有する培養容器を準備する工程と、
    前記収容部に、細胞、培養液、及び前記細胞との大きさの差が100μm以下であるマイクロキャリアを導入する工程と、
    前記細胞と前記マイクロキャリアとを接触させ、前記マイクロキャリアの表面に前記細胞を接着させる工程と、
    前記マイクロキャリアの表面に前記細胞を接着させたまま、前記マイクロキャリアに刺激を加えることにより、前記マイクロキャリアを親水性から疎水性へと変化させ、複数の前記マイクロキャリア同士を凝集させることで前記細胞が増殖可能な表面積を増加させ、前記マイクロキャリアの表面に接着した前記細胞を増殖させる工程と、
    を含む細胞培養方法。
  3. 収容部を有する培養容器を準備する工程と、
    前記収容部に、細胞、培養液、及び前記細胞との大きさの差が100μm以下であり且つ電荷を有するマイクロキャリアを導入する工程と、
    前記細胞と前記マイクロキャリアとを接触させ、前記マイクロキャリアの表面に前記細胞を接着させる工程と、
    前記マイクロキャリアの表面に前記細胞を接着させたまま、前記電荷とは逆の電荷を有するイオン又は粒子を前記マイクロキャリアに作用させ、複数の前記マイクロキャリア同士を凝集させることで前記細胞が増殖可能な表面積を増加させ、前記マイクロキャリアの表面に接着した前記細胞を増殖させる工程と、
    を含む細胞培養方法。
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