JP6298794B2 - 粉末製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末製造装置に関する。
従来、円環状の燃焼炎を用いて金属粉末を製造する装置として、フレームジェットを噴射するための円環状の噴射口を有するジェットバーナーと、その噴射口から噴射されるフレームジェットの内側に溶融金属等を供給する供給手段とを有し、供給手段により供給される溶融金属等に対してフレームジェットを噴射することにより球状の金属粉末を得る装置が、本発明者等によって開発されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開WO2012/157733号
特許文献1に記載の金属粉末の製造装置は、球状で微細な金属粉末を得ることができるが、円環状のフレームジェットが溶融金属等の外周に当たるときのジェット圧を均等にするのが難しいという課題があった。このため、ジェット圧にムラが生じ、得られる金属粉末の品質にバラツキが生じるおそれがあるという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、円環状の燃焼炎を、常にほぼ均等な速度および圧力で溶融金属等の原料に当てることができ、均一な品質の粉末を得ることができる粉末製造装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る粉末製造装置は、燃焼炎を発生させる複数の燃焼炎発生部と、前記燃焼炎発生部で発生した燃焼炎が燃焼路を通じて流入する燃焼室と、前記燃焼室の中央部に配置され、前記燃焼室の壁部との間に円環状の噴射口を形成するセンターコーンと、前記センターコーンの中心を貫通して設けられ、原料を前記噴射口の中央に形成された供給口へ供給する供給路と、前記燃焼室内へ前記噴射口の周囲に間隔をあけて設けられた複数の整流板と、を備え、前記燃焼路は、前記燃焼炎発生部で発生した前記燃焼炎が前記燃焼室の側壁に沿って回転するように噴出させ、前記整流板は、前記噴射口の周囲を回転する前記燃焼炎の流れを前記噴射口に向かう方向に曲げることで、回転する前記燃焼炎の回転方向成分を抑える
本発明に係る粉末製造装置は、円環状の噴射口から噴射する円環状の燃焼炎を、供給口から供給される金属または非金属の原料の外周に衝突させることにより、粉末を得ることができる。このとき、燃焼室で、燃焼炎発生部で発生した燃焼炎の流れを整えつつ噴射口まで導くことにより、ほぼ均等な速度および圧力で、円環状の燃焼炎を噴射することができる。このため、円環状の燃焼炎を、常にほぼ均等な速度および圧力で金属または非金属の原料に当てることができ、均一な品質の粉末を得ることができる。
本発明に係る粉末製造装置で、供給口から供給される原料は、例えば、溶融金属、金属線材または金属粉末を含む金属原料や、ガラス組成の溶融原料を含む非金属の液体原料である。その液体原料に含まれるガラスの原料は、例えば、珪砂、ソーダ灰、炭酸カルシウムなど、ガラスの原料として使用可能なものであれば、いかなるものであってもよい。また、液体原料は、ガラス組成の溶融原料と、水やミネラルスピリット等の液体とを混合した溶解物であってもよく、ガラス組成の溶融原料のみで構成された溶融物であってもよい。
本発明に係る粉末製造装置は、原料として溶融金属を使用したとき、溶融金属に対して高温の燃焼炎を噴射することにより、溶融金属を粉砕することができる。また、原料として金属線材を使用したとき、金属線材に対して高温の燃焼炎を噴射することにより、金属線材を溶かしつつ、その溶融金属を粉砕することができる。このとき、燃焼炎が高温であるため、その流速を容易に上げることができる。また、燃焼炎が高温であるため、溶融金属を冷却することなくアトマイズすることができ、必要以上に溶融金属の温度を高くしておく必要もない。このような燃焼炎の高温下および高速化により、溶融金属を細かく粉砕することができる。こうして粉砕された溶融金属を、雰囲気中を落下または飛散するうちに静的に過冷却させてガラス化させることにより、球状で微細な金属粉末を容易に得ることができる。
また、原料として金属粉末を使用したとき、その金属粉末に対して高温の燃焼炎を噴射することにより、その金属粉末を溶融または軟化することができる。その溶融または軟化した金属粉末を物体表面に噴射することにより、物体表面に金属被膜を形成することができる。このように、本発明に係る粉末製造装置は、アトマイズ装置や溶射装置として使用することができる。
また、原料としてガラス組成の溶融原料を含む液体原料を使用したとき、高温の燃焼炎を液体原料に噴射することにより、噴射された液体原料がすぐには凝固せず、比較的長い時間および長い距離にわたって加速され、粉砕される。このとき、燃焼炎が高温であるため、液体原料を冷却することなく粉砕することができ、必要以上に液体原料の温度を高くしておく必要がない。これにより、液体原料を細かく粉砕することができる。こうして粉砕して得られた溶融ガラス粉末を、結晶化しないよう、雰囲気中を落下または飛散させて静的に急速に冷却したり、冷却媒体などを用いて急速に冷却したりすることにより、微細な固体のガラス粉末を得ることができる。また、燃焼炎により液体原料を粉砕するため、流動性に優れた球状のガラス粉末を得ることができる。このように、本発明に係る粉末製造装置を使用することにより、固体のガラスをボールミル等により粉砕する従来の製造方法等と比べて、燃焼炎の噴射と冷却という簡単な工程で、短時間で安価にガラス粉末を製造することができる。
本発明に係る粉末製造装置は、円環状の噴射口の内側に配置された供給口から、噴射口から噴射する円環状の燃焼炎による負圧下で、原料をアキシャル供給することができる。また、原料に対して、燃焼室や噴射口を通過してほぼ完全燃焼の状態にある燃焼炎を衝突させることができる。このため、得られる粉末の酸化を抑制することができる。また、溶射装置として利用する場合、噴射口の下流側で、燃焼炎と金属原料とが衝突するため、ノズル内部に金属粉末が付着するスピッティングが発生しない。このため、スピッティングにより溶射ができないとされていた材料を使用して溶射を行うことができる。
本発明に係る粉末製造装置をアトマイズ装置として利用する場合、燃焼炎の速度は、例えばマッハ3〜5程度の音速よりも早い速度であることが好ましい。この場合、燃焼炎の発する衝撃波により、溶融金属をさらに細かく粉砕することができ、より微細な金属粉末を得ることができる。また、溶射装置として利用する場合、燃焼炎の速度は、例えばマッハ3〜5程度であることが好ましい。
本発明に係る粉末製造装置では、前記燃焼室は、前記噴射口から周囲に向かって広がって、側壁で円形状に囲まれており、前記燃焼炎発生部で発生した燃焼炎は前記燃焼路を通って前記燃焼室に流入する。前記燃焼室流入した燃焼炎は、前記燃焼室の側壁に沿って前記噴射口の周囲を回転する。燃焼室の内部で燃焼炎を回転させることにより、燃焼炎の流れを均一に整えることができ、ほぼ均等な速度および圧力で、噴射口から円環状の燃焼炎を噴射することができる。前記燃焼室の内部には、回転する燃焼炎の流れを、前記噴射口に向かう方向に曲げるよう、前記噴射口の周囲に複数の整流板が設けられている。整流板により、回転していた燃焼炎の流れを噴射方向に変えることができ、円環状の燃焼炎の噴射方向成分の速度を上げることができる。また、円環状の燃焼炎の回転方向成分を抑え、原料が円環状の燃焼炎に沿って回転するのを抑制することができ、品質の良い粉末を得ることができる。
本発明に係る粉末製造装置は、前記燃焼室の壁部との間に円環状の噴射口を形成するセンターコーンを有しており、前記センターコーンにはセンターコーンの中心を貫通して原料を前記噴射口の中央に形成された供給口へ供給する供給路が設けられている。したがって、センターコーンの外面に沿って、燃焼室の内部から噴射口にスムーズに燃焼炎を導くことができる。また、供給路を通すことにより、円環状の燃焼炎の内側に、原料を容易に供給することができる。
本発明に係る粉末製造装置では、前記センターコーンの外周面は、前記供給口に向かって外径が細くなるように形成され、前記整流板の前記センターコーン側の端縁、及び前記壁部の端縁は、前記センターコーンの外周面に沿って傾斜していることが好ましい。
本発明に係る粉末製造装置では、前記燃焼室の壁部の内面と前記センターコーンの外周面に、サーマルバリアコーティングが施されていることが好ましい。サーマルバリアコーティングにより、燃焼室の外部に熱が逃げにくくなるため、燃焼室の内部での燃焼効率を高めることができる。また、燃焼室やその周辺、センターコーンの耐久性を高めることができる。
本発明に係る粉末製造装置では、前記センターコーンを冷却するように、前記センターコーンに冷却部が設けられていることが好ましい。冷却部を設けることにより、センターコーンの耐久性を高めることができる。
本発明に係る粉末製造装置は、前記燃焼室を冷却可能に前記燃焼室の周囲に設けられた熱交換手段を有していてもよい。この場合、熱交換手段により、燃焼室を冷却してその耐久性を高めるとともに、熱交換で燃焼室側から得られた熱を利用することができる。
本発明に係る粉末製造装置で、前記燃焼炎発生部は、液体燃料を気化する気化器を有し、前記燃焼路は、前記気化器で気化された燃料に点火する点火手段を有していることが好ましい。この場合、燃焼炎発生部で発生する燃焼炎の燃焼効率を高めることができる。また、燃料として灯油を用いることができ、燃料コストを低減することができる。これにより、安価に粉末を得ることができる。
また、この場合、前記燃焼炎発生部は、前記気化器で気化された燃料を通過させるとともに、その通過した燃料に前記点火手段で点火することにより発生した燃焼炎の逆流を防止するよう、前記気化器と前記点火手段との間に配置されたスタビライザを有することが好ましい。スタビライザにより、安定した燃焼炎を発生させることができるとともに、逆火を防ぐことができる。
本発明に係る粉末製造装置で、前記燃焼炎発生部は、燃焼炎として還元炎を発生するよう構成されていることが好ましい。この場合、得られる粉末が酸化するのを抑制することができる。
本発明によれば、円環状の燃焼炎を、常にほぼ均等な速度および圧力で溶融金属等の原料に当てることができ、均一な品質の粉末を得ることができる粉末製造装置を提供することができる。
本発明の実施の形態の粉末製造装置を示す縦断面図である。 図1に示す粉末製造装置の燃焼器本体を示す横断面図である。 参考例としての粉末製造装置の、溶射装置としての使用状態を示す縦断面図である。 粉末製造装置の、燃焼器本体の参考例を示す横断面図である。 粉末製造装置の、燃焼器本体の他の参考例を示す横断面図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態の粉末製造装置を示している。
図1および図2に示すように、粉末製造装置10は、燃焼器本体11とセンターコーン12とを有している。
燃焼器本体11は、厚みが小さい函状を成し、燃焼室21と円形口22と取付口23と燃焼炎発生部24と整流板25と熱交換手段26とを有している。燃焼室21は、燃焼器本体11の内部に形成されており、側壁21aで円形状に囲まれた円盤状の空間を成している。円形口22は、燃焼室21の1対の円形の内壁21b,21cのうち、一方の内壁21bの中央部を貫通して設けられている。円形口22は、円形を成し、燃焼室21から外部に向かって、径が徐々に小さくなるようテーパー状に形成されている。これにより、燃焼室21は、円形口22から周囲に向かって広がって、側壁21aで円形状に囲まれている。取付口23は、燃焼室21の他方の内壁21cの中央部を貫通して設けられている。取付口23は、円形を成し、円形口22の径より大きい径を有している。
図2に示すように、燃焼炎発生部24は、2つから成り、円形口22の中心を通る軸に対して回転対称の位置に配置されている。各燃焼炎発生部24は、それぞれ燃焼路24aと気化器24bと点火手段24cとスタビライザ24dとを有している。燃焼路24aは、燃焼室21の側壁21aの接線方向に沿って、燃焼器本体11の外壁から燃焼室21まで真っ直ぐ伸びるよう設けられている。気化器24bは、燃焼路24aに向かって供給される灯油などの液体燃料を気化するよう、燃焼器本体11の外壁側の燃焼路24aの入口に設けられている。点火手段24cは、点火プラグから成り、気化器24bで気化された燃料に点火するよう、燃焼路24aの中間付近の側壁に設けられている。
スタビライザ24dは、気化器24bと点火手段24cとの間の燃焼路24aの入口付近に、燃焼路24aを塞ぐよう設けられている。スタビライザ24dは、気化器24bで気化された燃料を通過させるよう、多数の孔が形成されている。また、スタビライザ24dは、通過した燃料に点火手段24cで点火することにより発生した燃焼炎の逆流を防止するよう構成されている。
燃焼炎発生部24は、気化器24bを通して燃料を燃焼路24aに向かって噴射し、その燃料に点火手段24cで点火することにより、燃焼室21の側壁21aの接線方向に沿って、燃焼室21に向かって流れる燃焼炎を発生可能に構成されている。また、これにより、発生した燃焼炎が燃焼室21の内部で、燃焼室21の側壁21aに沿って円形口22の周囲を回転するよう構成されている(図2中の矢印参照)。
また、燃焼炎発生部24は、燃焼炎として還元炎を発生するよう構成されている。なお、燃焼炎発生部24は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。3つ以上から成る場合、燃焼室21の内部を回転する燃焼炎の流れが均一になるよう、円形口22の中心を通る軸に対して回転対称の位置に配置されていることが好ましい。
図2に示すように、整流板25は、複数から成り、円形口22の周囲に設けられている。各整流板25は、円形口22の中心を通る軸に対して回転対称の位置に配置されている。図1に示すように、各整流板25は、燃焼室21の円形口22の側の内壁21bから取付口23の側の内壁21cに向かって立ち上がるよう設けられている。図2に示すように、各整流板25は、燃焼室21の内部で円形口22の周囲を回転する燃焼炎に対向する表面25aに、燃焼炎がやや鈍角を成して衝突するよう、燃焼炎の回転方向に対して斜交して取り付けられている。これにより、各整流板25は、円形口22の周囲を回転する燃焼炎の流れを、円形口22に向かう方向に曲げるよう構成されている。
図1に示すように、熱交換手段26は、燃焼室21の周囲に設けられた熱交換室26aと、その熱交換室26aに熱交換媒体を循環させるための熱交換循環装置(図示せず)とを有している。熱交換手段26は、熱交換循環装置により熱交換室26aに熱交換媒体を循環させることにより、燃焼室21と熱交換媒体との間で熱交換を行い、燃焼室21を冷却可能に構成されている。
センターコーン12は、燃焼器本体11の取付口23に、ナット27を使用して取り付けられている。センターコーン12は、円形口22の上流側の取付口23から円形口22の内側に向かって伸びるよう設けられ、燃焼室21の内部で円形口22に向かって徐々に外径が細くなるようテーパー状に形成されている。センターコーン12は、先端部が、円形口22との間に間隔をあけて円形口22の内側に配置されている。これにより、円形口22の縁が外側縁を成し、センターコーン12の先端部の外壁が内側縁を成す円環状の噴射口13が形成されている。
センターコーン12は、供給路12aと冷却部12bとを有している。供給路12aは、センターコーン12の中心軸に沿って貫通して設けられ、先端の開口が供給口12cを成している。供給路12aは、溶融金属、金属線材、金属粉末またはガラスの溶融原料を含む液体原料などの、液体状、線材状または粉末状の金属または非金属の原料を通過させて、供給口12cから噴射口13の内側に供給するよう構成されている。冷却部12bは、燃焼炎発生部24の取付口23付近から供給路12aの周囲に設けられた冷却室から成り、冷却部12bに液体または気体の冷却媒体を循環させることにより、センターコーン12を冷却可能に構成されている。
粉末製造装置10は、燃焼炎発生部24で発生した燃焼炎が、燃焼室21の内部で円形口22の周囲を回転してその流れを整えた後、円環状の噴射口13から噴射するよう構成されている。また、噴射口13から噴射する円環状の燃焼炎30が、ほぼ均等な速度および圧力で、供給口12cから供給される金属または非金属の原料の外周に衝突するよう構成されている。なお、粉末製造装置10は、燃焼器本体11の燃焼室21の内壁とセンターコーン12の燃焼室21の内部の外壁とに、サーマルバリアコーティング14が施されている。
次に、作用について説明する。
粉末製造装置10は、円環状の噴射口13から噴射する円環状の燃焼炎30を、供給口12cから供給される金属または非金属の原料の外周に衝突させることにより、粉末を得ることができる。このとき、燃焼炎発生部24で発生した燃焼炎を燃焼室21の内部で回転させることにより、燃焼炎の流れを均一に整えることができ、ほぼ均等な速度および圧力で、円環状の燃焼炎30を噴射することができる。また、円形口22およびセンターコーン12の先端部がテーパー状に形成されているため、円環状の燃焼炎30の径が徐々に小さくなるよう噴射することができる。このため、円環状の燃焼炎30を、常にほぼ均等な速度および圧力で溶融金属等の原料に当てることができ、均一な品質の粉末を得ることができる。
粉末製造装置10は、整流板25により、回転していた燃焼炎の流れを噴射方向に変えることができ、円環状の燃焼炎30の噴射方向成分の速度を上げることができる。このため、より粒径の小さい金属粒子を得ることができる。また、整流板25により、円環状の燃焼炎の回転方向成分を抑え、金属または非金属の原料が円環状の燃焼炎30に沿って回転するのを抑制することができ、品質の良い粉末を得ることができる。また、センターコーン12の外面に沿って、燃焼室21の内部から噴射口13にスムーズに燃焼炎を導くことができ、さらに品質の良い粉末を得ることができる。
粉末製造装置10は、円環状の噴射口13の内側に配置された供給口12cから、噴射口13から噴射する円環状の燃焼炎30による負圧下で、原料をアキシャル供給することができる。また、原料に対して、燃焼室21や噴射口13を通過してほぼ完全燃焼の状態にある円環状の燃焼炎30を衝突させることができる。このため、得られる粉末の酸化を抑制することができる。また、燃焼炎として還元炎を発生するため、得られる粉末の酸化抑制効果をさらに高めることができる。
粉末製造装置10は、供給路12aを通して原料を供給することにより、円環状の燃焼炎30の内側に、原料を容易に供給することができる。サーマルバリアコーティング14により、燃焼室21の外部に熱が逃げにくくなるため、燃焼室21の内部での燃焼効率を高めることができる。また、燃焼室21やその周辺、センターコーン12の耐久性を高めることができる。冷却部12bにより、センターコーン12の耐久性をさらに高めることができる。熱交換手段26により、燃焼室21を冷却してその耐久性をさらに高めるとともに、熱交換で燃焼室21の側から得られた熱を利用することができる。
粉末製造装置10は、燃焼炎発生部24で液体燃料を利用して燃焼炎を発生させることができるため、燃焼炎の燃焼効率を高めることができる。また、燃料として灯油を用いることができ、燃料コストを低減することができる。これにより、安価に粉末を得ることができる。また、スタビライザ24dにより、安定した燃焼炎を発生させることができるとともに、逆火を防ぐことができる。
粉末製造装置10は、アトマイズ装置や溶射装置、ガラス粉末の製造装置として使用することができる。アトマイズ装置として使用する場合、原料として溶融金属を使用し、その溶融金属に対して高温の円環状の燃焼炎30を噴射することにより、溶融金属を粉砕することができる。また、原料として金属線材を使用し、その金属線材に対して高温の円環状の燃焼炎30を噴射することにより、金属線材を溶かしつつ、その溶融金属を粉砕することができる。このとき、円環状の燃焼炎30が高温であるため、その流速を容易に上げることができる。また、円環状の燃焼炎30が高温であるため、溶融金属を冷却することなくアトマイズすることができ、必要以上に溶融金属の温度を高くしておく必要もない。また、円環状の燃焼炎30により、粉砕前の溶融金属の粘性を下げることができる。このような円環状の燃焼炎30の高温下および高速化により、溶融金属を細かく粉砕することができる。こうして粉砕された溶融金属を、雰囲気中を落下または飛散するうちに静的に過冷却させてガラス化させることにより、球状で微細な金属粉末を容易に得ることができる。
アトマイズ装置として使用する場合の具体的な一例では、燃料として灯油を用い、灯油を570ミリリットル/分、空気を4950リットル/分、酸素(O)を70リットル/分で供給しながら、燃焼炎発生部24で燃焼炎を発生させることにより、円環状の噴射口13から、マッハ3〜5程度の音速よりも早い速度の円環状の燃焼炎30を噴射して、アトマイズを行うことができる。この場合、円環状の燃焼炎30の発する衝撃波により、溶融金属をさらに細かく粉砕することができ、より微細な金属粉末を得ることができる。
図3には、参考例としての粉末製造装置10を溶射装置として使用した例が示されている。粉末製造装置10を溶射装置として使用する場合、図3に示すように、原料として金属粉末31を使用し、その金属粉末31に対して高温の円環状の燃焼炎30を噴射することにより、その金属粉末31を溶融または軟化することができる。その溶融または軟化した金属粉末(溶射粉末32)を物体表面に噴射することにより、物体表面に金属被膜を形成することができる。
従来の溶射装置では、燃焼室の手前から金属粉末を供給し、燃焼室の内部で金属粉末を溶融または軟化させ、ノズルを通してその溶射粉末を噴射するため、ノズル先端付近の内側に、その溶射粉末が付着するスピッティングが発生するという問題があった。これに対し、粉末製造装置10を溶射装置として使用する場合、噴射口13の下流側で、円環状の燃焼炎30と金属粉末31とが衝突するため、スピッティングが発生するのを防ぐことができる。このため、スピッティングにより溶射ができないとされていた材料を使用して溶射を行うことができる。
また、従来の溶射装置では、燃焼室の手前から金属粉末を供給するため、完全燃焼する前の雰囲気にさらされて溶射粉末が酸化されるという問題があった。これに対し、粉末製造装置10を溶射装置として使用する場合、金属粉末31に対して、燃焼室21や噴射口13を通過してほぼ完全燃焼の状態にある円環状の燃焼炎30を衝突させるため、得られる溶射粉末32の酸化を抑制することができる。
また、粉末製造装置10をガラス粉末の製造装置として使用する場合、原料としてガラス組成の溶融原料を含む液体原料を使用し、高温の円環状の燃焼炎30をその液体原料に噴射することにより、噴射された液体原料がすぐには凝固せず、比較的長い時間および長い距離にわたって加速され、粉砕される。このとき、円環状の燃焼炎30が高温であるため、液体原料を冷却することなく粉砕することができ、必要以上に液体原料の温度を高くしておく必要がない。これにより、液体原料を細かく粉砕することができる。こうして粉砕して得られた溶融ガラス粉末を、結晶化しないよう、雰囲気中を落下または飛散させて静的に急速に冷却したり、冷却媒体などを用いて急速に冷却したりすることにより、微細な固体のガラス粉末を得ることができる。また、円環状の燃焼炎30により液体原料を粉砕するため、流動性に優れた球状のガラス粉末を得ることができる。このように、粉末製造装置10を使用することにより、固体のガラスをボールミル等により粉砕する従来の製造方法等と比べて、円環状の燃焼炎30の噴射と冷却という簡単な工程で、短時間で安価にガラス粉末を製造することができる。
なお、図4に示すように、参考例としての粉末製造装置10は、燃焼室21が噴射口13から周囲に向かって放射状に伸びる複数の燃焼路24aを有し、燃焼炎発生部24が各燃焼路24aに対応して複数設けられ、それぞれ対応する燃焼路24aを通って噴射口13に向かって燃焼炎を発生するよう、各燃焼路24aの上流側に点火手段24c等が配置されている。この場合、各燃焼路24aから噴射口13に向かう複数の燃焼炎を、噴射口13の位置で衝突させることにより、燃焼炎の流れを均一に整えて、ほぼ均等な速度および圧力で、噴射口13から円環状の燃焼炎30を噴射することができる。
また、図5に示すように、参考例としての粉末製造装置10は、燃焼室21が、側壁21aで円形状に囲まれた円盤状の空間から周囲に向かって放射状に伸びる複数の燃焼路24aを有し、燃焼炎発生部24が各燃焼路24aに対応して複数設けられ、それぞれ対応する燃焼路24aを通って噴射口13に向かって燃焼炎を発生するよう、各燃焼路24aの上流側に点火手段24cやスタビライザ24dが配置されている。この場合、各燃焼路24aから噴射口13に向かう複数の燃焼炎を、噴射口13の位置で衝突させることにより、燃焼炎の流れを均一に整えて、ほぼ均等な速度および圧力で、噴射口13から円環状の燃焼炎30を噴射することができる。また、各燃焼炎発生部24で発生した燃焼炎が、燃焼室21の内部で噴射口13の周囲を回転したときでも、整流板25により、回転する燃焼炎の流れを噴射方向に変えることができ、品質の良い粉末を得ることができる。
10 粉末製造装置
11 燃焼器本体
21 燃焼室
21a 側壁
21b,21c 内壁
22 円形口
23 取付口
24 燃焼炎発生部
24a 燃焼路
24b 気化器
24c 点火手段
24d スタビライザ
25 整流板
25a 表面
26 熱交換手段
26a 熱交換室
27 ナット
12 センターコーン
12a 供給路
12b 冷却部
12c 供給口
13 噴射口
14 サーマルバリアコーティング
30 円環状の燃焼炎
31 金属粉末
32 溶射粉末

Claims (8)

  1. 燃焼炎を発生させる複数の燃焼炎発生部と、
    前記燃焼炎発生部で発生した燃焼炎が燃焼路を通じて流入する燃焼室と、
    前記燃焼室の中央部に配置され、前記燃焼室の壁部との間に円環状の噴射口を形成するセンターコーンと、
    前記センターコーンの中心を貫通して設けられ、原料を前記噴射口の中央に形成された供給口へ供給する供給路と、
    前記燃焼室内へ前記噴射口の周囲に間隔をあけて設けられた複数の整流板と、
    を備え、
    前記燃焼路は、前記燃焼炎発生部で発生した前記燃焼炎が前記燃焼室の側壁に沿って回転するように噴出させ、
    前記整流板は、前記噴射口の周囲を回転する前記燃焼炎の流れを前記噴射口に向かう方向に曲げることで、回転する前記燃焼炎の回転方向成分を抑える、粉末製造装置。
  2. 前記センターコーンの外周面は、前記供給口に向かって外径が細くなるように形成され、前記整流板の前記センターコーン側の端縁、及び前記壁部の端縁は、前記センターコーンの外周面に沿って傾斜している、請求項1に記載の粉末製造装置。
  3. 前記センターコーンには、前記センターコーンを冷却する冷却部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の粉末製造装置。
  4. 前記燃焼室の壁部の内面と前記センターコーンの外周面には、サーマルバリアコーティングが施されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の粉末製造装置。
  5. 前記燃焼室を冷却可能に前記燃焼室の周囲に設けられた熱交換手段を有する、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の粉末製造装置。
  6. 前記燃焼炎発生部は、液体燃料を気化する気化器を有し、
    前記燃焼路は、前記気化器で気化された燃料に点火する点火手段を有している、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の粉末製造装置。
  7. 前記燃焼路は、前記気化器で気化された燃料を通過させるとともに、その通過した燃料に前記点火手段で点火することにより発生した燃焼炎の逆流を防止するよう、前記気化器と前記点火手段との間に配置されたスタビライザを有する、請求項6に記載の粉末製造装置。
  8. 前記燃焼炎発生部は、燃焼炎として還元炎を発生するよう構成されている、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の粉末製造装置。
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