JP6298728B2 - 磁気計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気計測装置に関し、特に、ダイヤモンド結晶の窒素−空孔対を用いて、常温大気中での磁界検出に有効な技術に関する。
医療機器である生体磁気計測システムとしては、例えば脳磁計測システムなどが知られている。この脳磁計測システムは、脳神経細胞の発する微弱な磁場を外部から測定し、脳内の活動部位や活動の程度を高精度に検査するシステムである。
この種の生体磁気計測システムは、高感度磁気計測装置を有している。高感度磁気計測装置として、脳磁などの微弱生体ベクトル磁場を検出可能なものには、SQUID(超伝導量子干渉素子)が用いられているが動作には極低温環境が必要である。
一方、常温大気中で動作可能な高感度磁場計測装置として、窒素−空孔対を含むダイヤモンド結晶が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
非特許文献1では、次のような内容が開示されている。磁場を計測するセンサであるダイヤモンド結晶に励起光を照射する青緑色光源として緑色レーザ光を用い、ダイヤモンド結晶からの赤色蛍光出力の検出にはCCDアレイを用いる。ダイヤモンド結晶に照射するマイクロ波の周波数を掃引して取得される赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性における、蛍光強度最小値から、磁場を計測する。
また、例えば非特許文献2には、SIP(Selective Imaging Protocol)技術による単一の窒素−空孔対の蛍光出力の観測技術が示されている。SIP技術は、窒素−空孔対の赤色蛍光のみを選択的に計測することにより、窒素−空孔対以外の蛍光を含む背景雑音を除去する技術である。
S. Steinert, F. Dolde, P. Neumann, A. Aird, B. Naydenov, G. Balasubramanian, F. Jelezko, and J. Wrachtrup;"High sensitivity magnetic imaging using an array of spins in diamond", Review of Scientific Instrument 81, 043705-1~5 (2010) R. Igarashi, Y. Yoshinari, H. Yokota, T. Sugi, F. Sugihara, K. Ikeda, H. Sumiya, S. Tsuji, I. Mori, H. Tochio, Y. Harada, M. Shirakawa;"Real-time background-free selective imaging of fluorescent nanodiamonds in vivo", Nano Letters nl302979, Oct 2012, pp5726-5732.
非特許文献1には、ダイヤモンド結晶に照射するマイクロ波の周波数を掃引して取得される赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性が示されている(fig2a)。そして、この波形は4種類の波形の重ね合わせとして計測されるものである。その4種類とは、各窒素−空孔対における窒素から見た空孔の方位が、ダイヤモンド結晶方位に対して4種類の方位を有し得るからであると示されている。
ここで、この波形における蛍光強度最小値の”谷”の位置変化として磁場を計測するため、”谷”は、幅が狭く深いほど計測精度が上がることになる。しかし、各窒素−空孔対の示す波形は、窒素から見た空孔の方位の4種類に対応して異なる位置に”谷”を有する。
このため、一般に、計測される波形は、これら4種類の異なる位置の”谷”を重ね合わせたものとなり、”谷”の深さに寄与する窒素−空孔対は、1種類のものよりも多くはあるが4種類の合計よりは少なく、全ての窒素−空孔対を計測に活用できるわけではなくなる。それによって、精密な磁気計測ができない恐れが生じる。
ここで、磁気感度は、有効な窒素−空孔対数Nに対して、√Nに比例することが非特許文献1に記されている。このため、4種類のうち、最も数が多いもののみでなく、全ての窒素−空孔対を利用できることが望ましい。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態による磁気計測装置は、複数の窒素−空孔対を有するダイヤモンド結晶と、複数の画素によってダイヤモンド結晶に照射された励起光によって発生する蛍光強度を検出するイメージセンサと、を備える。
ダイヤモンド結晶は、窒素−空孔対が画素に1:1にそれぞれ対応付けされ、1つの窒素−空孔対が発生した蛍光を、該窒素−空孔対に対応付けされた1つの画素によって受光する。
(1)磁場の検出精度を向上させることができる。
(2)磁場計測の効率を向上させることができる。
本実施の形態1による磁気計測装置における構成の一例を示す説明図である。 図1の磁気計測装置に設けられたダイヤモンド結晶およびイメージセンサにおける構成の一例を示した説明図である。 図1の磁気計測装置におけるイメージセンサの画素とダイヤモンド結晶の窒素−空孔対との1:1の対応付けの一例を示す説明図である。 図1の磁気計測装置におけるダイヤモンド結晶とイメージセンサとにおけるブロック単位での対応の一例を示す説明図である。 非特許文献1に記載されている窒素−空孔対の4種類の方位を模式的に示した説明図である。 図1の磁気計測装置による画素単位の空間分解能を実現する具体的な構成の一例を示す説明図である。 窒素−空孔対の蛍光強度のマイクロ波周波数スペクトルにおける蛍光強度低下点近傍の波形の一例を示した説明図である。 図1の磁気計測装置に設けられた信号処理回路、制御回路、およびマイクロ波源の接続構成の一例を示す説明図である。 図7に示した窒素−空孔対の蛍光強度のマイクロ波周波数スペクトルにおける蛍光強度低下点近傍の波形のうち、蛍光強度低下点に隣接する最も急峻な斜面の近傍の波形の一例を示した説明図である。 図8に示す制御回路およびマイクロ波源における各信号のタイミング例を示すタイミングチャートである。 実施の形態2による磁気計測装置における構成の一例を示す説明図である。 図11の磁気計測装置に用いられるイメージセンサにおける画素数とブロックサイズの構成の一例を示す説明図である。 実施の形態3による磁気計測装置における構成の一例を示す説明図である。 図13の磁気計測装置が有する信号処理部の接続例を示した説明図である。 図13の磁気計測装置に設けられる高周波回路チップの構成の一例を示す説明図である。 図15の高周波回路チップにおける各高周波回路部によるマイクロ波の印加順序の一例を示す説明図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
以下、実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
〈概要〉
本実施の形態の概要は、磁気計測装置10において、ダイヤモンド結晶15中の窒素−空孔対25の位置と、窒素−空孔対25からの蛍光出力を計測するイメージセンサ16の画素26の位置とが、1:1に対応付けられたものである。言い換えれば、ある1つの窒素−空孔対25が発生した蛍光は、窒素−空孔対25に対応付けされた1つの画素26によって受光するようにイメージセンサ16が設けられている。
また、磁気計測装置10は、各窒素−空孔対25における窒素から見た空孔の方位が、ダイヤモンド結晶方位に対してどのような方位であるかを、各窒素−空孔対毎の事前校正により特定されている。この磁気計測装置10によって、磁場を計測することにより、4種類の方位の窒素−空孔対の全てを活用して測定精度を向上させるものである。
さらに、窒素−空孔対位置と、窒素−空孔対25からの蛍光出力を計測するイメージセンサ16における画素位置とを1:1に対応付けしたことによって、同一方位の窒素−空孔対からの蛍光出力を抽出することが可能となる。これを利用し、ある一群の窒素−空孔対の出力を計測するイメージセンサ16の画素出力の、マイクロ波の照射時と非照射時との差分を積算してマイクロ波源に入力して該積算値が一定となるようにフィードバックすることにより、測定時間を全て磁場計測に有効に寄与させ、測定効率を向上させる。
〈磁気計測装置の構成例〉
図1は、本実施の形態1による磁気計測装置10における構成の一例を示す説明図である。
磁気計測装置10は、生体磁気計測装置である脳磁計、心磁計、あるいは筋磁計などの医療機器に用いられる生体磁気の検出装置である。例えば、脳磁計は、脳の神経活動に伴って発生する微弱磁場を頭皮上から非侵襲で計測、解析する。
磁気計測装置10は、図1に示すように、光源部11、ダイヤモンド結晶15、イメージセンサ16、制御部17、マイクロ波源20、コイル21とを含む。
光源部11は、青緑色光源12、レンズ13,13a,13b、およびダイクロイックミラー14から構成されている。青緑色光源12は、例えば530nmよりも短い波長の励起光を出力する。
レンズ13は、青緑色光源12から出力される励起光を集光する。ダイクロイックミラー14は、特定の波長の光のみを反射し、それ以外の波長の光を透過する光学素子であり、それによって、励起光と蛍光を分離する。
ダイクロイックミラー14は、入射光に対して、例えば45°程度の角度にて配置される。これによって、レンズ13から入射した励起光は、ダイクロイックミラー14により反射され、すなわち90°折り曲げられて下方向に導かれる。
ダイクロイックミラー14の下方には、レンズ13aが設けられている。レンズ13aの下方には、ダイヤモンド結晶15および測定対象である試料50が配置されている。レンズ13aは、ダイクロイックミラー14に反射された励起光を集光してダイヤモンド結晶15に照射する。また、ダイヤモンド結晶15から発せられた蛍光は、ダイクロイックミラー14を透過する。
ダイクロイックミラー14の上方には、レンズ13bが設けられており、該レンズ13bの上方には、イメージセンサ16が設けられている。レンズ13bは、ダイヤモンド結晶15から発せられた蛍光を集光し、イメージセンサ16に照射する。イメージセンサ16は、例えばCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などの半導体センサであり、ダイヤモンド結晶15から発せられた蛍光像を取り込む。
イメージセンサ16が取り込んだ蛍光像は、信号処理部となる制御部17に出力される。制御部17は、信号処理回路18および制御回路19を有する。これら信号処理回路18および制御回路19は、例えば半導体チップなどに形成される。
信号処理回路18は、入力された蛍光像の画像処理を行う。制御回路19は、イメージセンサ16、青緑色光源12、およびマイクロ波源20に接続されており、これらイメージセンサ16、青緑色光源12、およびマイクロ波源20にタイミング信号を供給する。また、制御回路19は、マイクロ波源20にマイクロ波周波数を設定する制御を行う。
マイクロ波源20には、コイル21が接続されている。マイクロ波源20およびコイル21を、マイクロ波部と称することとする。コイル21は、ダイヤモンド結晶15の周辺部をループ状に囲むように構成されている。マイクロ波源20は、コイル21にマイクロ波電流を通電させる。これによって、ダイヤモンド結晶15の周囲にマイクロ波の磁場を発生させる。なお、マイクロ波源20から出力されるマイクロ波の周波数は、前述したように制御回路19によって設定される。
〈ダイヤモンド結晶とイメージセンサとの構成例〉
図2は、図1の磁気計測装置10に設けられたダイヤモンド結晶15およびイメージセンサ16における構成の一例を示した説明図である。
なお、図2の右下方においては、ダイヤモンド結晶15の表面の一部分の拡大した例を示しており、図2の右上方においては、イメージセンサ16の表面の一部分の拡大した例を示している。
ダイヤモンド結晶15は、単結晶からなり、図2の右下方に示すように、その表面に微細加工を施すことにより、窒素−空孔対25が格子状に規則的に配置されている。この窒素−空孔対25の間隔は、例えば1μm程度である。
イメージセンサ16は、受光素子である画素26が格子状に規則的に配置された構成からなる。画素26の間隔は、例えば10μm程度である。
ダイヤモンド結晶15中の窒素−空孔対25と、窒素−空孔対25からの蛍光出力を計測するイメージセンサ16の画素26とがそれぞれ正方格子状に規則的に配置されている。このため、ダイヤモンド結晶15の表面から、イメージセンサ16に至る光学系を適切に設計することにより、各窒素−空孔対25の発生する蛍光出力をイメージセンサ16の各画素26に、1:1に対応付けすることが可能である。
1:1の対応とは、例えばN×Nの窒素−空孔対25から発生する蛍光点が、N×Nのイメージセンサ16の画素26にそれぞれ投影されるように、ダイヤモンド結晶15の縦横比、および窒素−空孔対25の座標の均一性、すなわちイメージセンサ16の画素26の配置間隔に見合った窒素−空孔対25の等間隔配置を実現することをいう。ダイヤモンド結晶15の縦横比は、典型的には1:1である。この1:1の対応付けについては、後述する。
前出の発明が解決しようとする課題において述べたように、各窒素−空孔対25における窒素から見た空孔の方位は、ダイヤモンド結晶15の方位に対して4種類の方位を有し、この方位を予め計測する処理を、以下、事前校正処理という。なお、図2の右上方に示すイメージセンサ16の各画素26に記載されている4種類の矢印は、窒素−空孔対25における窒素から見た空孔の4種類の方位のいずれかであることを示している。
各窒素−空孔対25における窒素から見た空孔の方位がダイヤモンド結晶方位に対して4種類のいずれであるかを計測する事前校正処理では、図1のマイクロ波源20による外部磁場を印加した状態で、ダイヤモンド結晶15に照射するマイクロ波の周波数を掃引して、該窒素−空孔対25の発する赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性を計測する。
そして、シミュレーション値と照合することにより、方位が判明する。このシミュレーション値は、例えば非特許文献2のFigure S2に示された技術によって求めることができる。
ここで、外部磁場は、ダイヤモンド結晶15に対して、まず1つの方向に、結晶全体に対して一様な大きさで印加する。外部磁場は、例えばダイヤモンド結晶15の周囲に近接して配置されたコイルに直流電流を流すか、または近接して永久磁石を配置することにより発生させる。
ダイヤモンド結晶自身の方位と、磁場の印加方向の相対的な関係から、前記した4種類の窒素−空孔対25の方位に対する赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性の”谷”の位置をシミュレーションすることができる。
そして、実測値と対比することにより、各窒素−空孔対25が4種類のどの方位であるかを確定することができる。なお、窒素−空孔対25の方位は、常温では変化しないので、上述した事前校正処理は、図1に示す磁気計測装置10の組み立て前に1度行うだけでよい。
先に述べたように、ダイヤモンド結晶15は単結晶である。ダイヤモンド結晶15が単結晶である場合には、後述する図5に示す4種類の方位以外は有り得ず、かつ4種類の方位の相対関係は、正四面体の中心から各頂点を見た方向として確定している。そのため、実際の各格子点の方位判定においては、4種類のどの方位に最も近いかを計測すればよく、精密な角度まで計測する必要はない。これにより、事前校正処理を容易に行うことが可能となる。
これに対して、ダイヤモンド結晶が単結晶ではなく、複数の結晶領域からなる多結晶である場合、各結晶領域内においては4種類の方位は確定しているものの、相異なる結晶領域相互間においては、それぞれの方位は任意の関係にある。このため、事前校正処理は、複雑になる。
図2の右上方に示す図においては、説明のためにダイヤモンド結晶15の表面のある一部分の領域31における窒素−空孔対25の4種類の方位が、イメージセンサ16のある一部分の領域32の画素26にそれぞれに結像されていることを示したものである。
なお、図2の例では、ダイヤモンド結晶15の領域31には、例えば縦10個×横10個の格子位置に窒素−空孔対25が形成されており、イメージセンサ16の領域32には、対応して画素26が、縦10個×横10個存在する。なお、領域31には、窒素−空孔対が形成されない格子が存在することも許容される。
図1の試料50における磁場を計測する前に、予め上述した事前校正処理を行うことによって、各窒素−空孔対25の方位を特定する。その後に、試料50の磁場を計測する時には、窒素−空孔対25の4種類の方位の差を補正可能である。
これによって、各々の窒素−空孔対25が有する4種類の方位の全てを磁場の計測に活用することができるので、測定精度を向上することができる。
ここで、窒素−空孔対25の発する赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性は、窒素から見た空孔の方位のスカラー磁場に対応して変化する。すなわち、横軸をマイクロ波周波数、縦軸を赤色蛍光強度とする波形において、2.87GHzの周波数を挟んで対称の位置に現れる2つの”谷”の周波数差が、そのスカラー磁場に比例する。
4種類の方位の窒素−空孔対25により、4方向のスカラー磁場を計測することが可能となるので、結果としてダイヤモンド結晶表面のベクトル磁場を計測することができる。
〈画素と窒素−空孔対との対応付け例〉
図3は、図1の磁気計測装置10におけるイメージセンサ16の画素26とダイヤモンド結晶15の窒素−空孔対25との1:1の対応付けの一例を示す説明図である。
図3の右下方には、ダイヤモンド結晶15の表面のある一部分を拡大した領域31を示しており、図3の右上方においては、領域31に対応するイメージセンサ16の表面の一部分の拡大した領域32を示している。
予め、ダイヤモンド結晶15の領域31にマーカ37を配置しておく。このマーカ37は、例えば微細加工技術により、光学的に識別可能なように、ダイヤモンド結晶15の表面に形成する。
以下、説明のため、ダイヤモンド結晶15の表面に窒素−空孔対25を配置するための微細加工が施されている格子をX軸、Y軸にとり、Z軸を表面に対して鉛直な方向とする。
このため、ダイヤモンド結晶15の表面からレンズ13a、ダイクロイックミラー14、およびレンズ13bを経てイメージセンサ16に至る光学系において、レンズ13a、レンズ13bは、Z軸方向に、イメージセンサ16は、X、Y、Zの3軸方向に微調可能とする。
まず、マーカ37がイメージセンサ16の1つの画素26aに結像されるように微調を行う。続いて、該マーカ37とN格子点離れて隣接するマーカ37aがN個の画素だけ離れた画素26bに結像されるように、再度微調を行う。
この操作を繰り返すことにより、格子状に設けられている各々の窒素−空孔対25をイメージセンサ16の各画素26に1:1に対応付けることができる。これにより、任意のある窒素−空孔対25が発生した蛍光は、該窒素−空孔対25に対応付けされた1つの画素26によって受光される。
〈ブロック単位の対応付け例〉
図4は、図1の磁気計測装置10におけるダイヤモンド結晶15とイメージセンサ16とにおけるブロック単位での対応の一例を示す説明図である。
一般に、イメージセンサの画像処理においては、複数の画素にまたがるブロック単位にて該イメージセンサの出力信号を平均化することにより、空間分解能とのトレードオフでノイズ低減を行うことができる。図1の磁気計測装置10においても、上記したブロック単位による平均化が有効である。
ここで、図4の右下方に示すブロック40は、図4の左下方に示すダイヤモンド結晶15における複数の窒素−空孔対25(図の例では、窒素−空孔対25の数が6×6)を有するブロックであり、図4の右上方に示すブロック41は、図4の左上方に示すイメージセンサ16におけるブロックである。なお、ブロック40は、ダイヤモンド結晶15上のブロックであり、ブロック41は、イメージセンサ16上のブロックである。
イメージセンサ16のブロック41は、ダイヤモンド結晶15のブロック40に対応するものであり、ダイヤモンド結晶15のブロック40における各々の窒素−空孔対25が、イメージセンサ16のブロック41における個々の画素26にそれぞれ対応する。
ただし、各画素26に対応する窒素−空孔対25は、4種類の方位(以下、図4の矢印にて示す)を有するので、4種類の方位毎にノイズ低減目的の平均化を行うことが有効である。
〈窒素−空孔対の方位について〉
図5は、非特許文献1に記載されている窒素−空孔対25の4種類の方位を模式的に示した説明図である。
ここで、説明のため窒素−空孔対25の4種類の方位を、図5に示したように、それぞれ方位NV1,NV2,NV3,NV4とする。ダイヤモンド結晶15は、立方晶系である。よって、4種類の方位NV1〜NV4とは、正四面体の重心から4個の頂点をそれぞれ向いたものとなる。図5においては、これら4方位をそれぞれ方位NV1〜NV4とする。また、4個の名前の付け方は任意である。
図5において、方位NV1を向いた窒素−空孔対25は、方位NV1の方位のスカラー磁場を検知する。このため、方位NV1を向いた窒素−空孔対25に対応した画素26にて検出される赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性からは、方位NV1のスカラー磁場が計測される。
方位NV1を向いた窒素−空孔対25に対応した画素26に関して、ブロック41内で赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性を平均化した波形からは、方位NV1のスカラー磁場がブロック41内での平均化により雑音を低減した数値として計測される。
同様に、方位NV2を向いた窒素−空孔対25に対応した画素26に関して、ブロック41内で赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性を平均化した波形からは、方位NV2のスカラー磁場がブロック41内での平均化により雑音を低減した数値として計測される。
また、方位NV3を向いた窒素−空孔対25に対応した画素26に関して、ブロック41内で赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性を平均化した波形からは、方位NV3のスカラー磁場がブロック41内での平均化により雑音を低減した数値として計測される。
さらに、方位NV4を向いた窒素−空孔対25に対応した画素26に関して、ブロック41内で赤色蛍光強度のマイクロ波周波数依存性を平均化した波形からは、方位NV4のスカラー磁場がブロック41内での平均化により雑音を低減した数値として計測される。
〈ノイズ低減例〉
続いて、磁気計測装置10によるノイズ低減技術について、図6および図7を用いて説明する。
図6は、図1の磁気計測装置10による画素単位の空間分解能を実現する具体的な構成の一例を示す説明図である。図7は、窒素−空孔対25の蛍光強度のマイクロ波周波数スペクトルにおける蛍光強度低下点近傍の波形の一例を示した説明図である。図7において、横軸は、マイクロ波源20から出力されるマイクロ波の周波数を示しており、縦軸は、蛍光強度を示している。また、図7において、蛍光強度低下点近傍の波形の最も急峻な斜面を斜面53とする。この斜面53は、磁場の値により、周波数軸方向に左右にシフトする。
図7に示す波形には、2つの”谷”が示されているが、磁場が存在しない場合には、2つの”谷”は、2.87GHz程度を中心として1つに重なる。磁場が存在すると2つの”谷”は分離してくるが、”谷”の周波数軸上のシフトと、窒素−正孔対の方位の磁場強度との間には、28.07GHz/T(テスラ)の関係があることが知られている(例えば、非特許文献 Y.Yoshinari et al., “Observing the rotational diffusion of nanodiamonds with arbitrary nitrogen vacancy center configurations”, PHYSICAL REVIEW B 88, 235206 (2013)参照)。
以下、イメージセンサ16の任意の1画素に関して、図6を用いて説明する。
図6において、信号処理回路18は、イメージセンサ16の画素において計測される、窒素−空孔対の蛍光強度のマイクロ波の照射時と非照射時の差分が一定となるように、差分の積算出力をマイクロ波源20が生成するマイクロ波の周波数補正値として帰還させる。
較正のために、磁場が印加されていない時の図7に示す斜面53の周波数位置を初期値として記録しておき、磁場が印加された後の周波数補正値を計測することにより、補正後の周波数と、初期値の差分として、イメージセンサ16の画素が検出している磁場の値を判読可能である。
上記した帰還が動作している状態では、磁場強度の変化がマイクロ波周波数変化として検出可能となる。
この帰還の動作に関して、以下、図8〜図10を用いて説明する。
〈制御部およびマイクロ波源の構成例〉
図8は、図1の磁気計測装置10に設けられた信号処理回路18、制御回路19、およびマイクロ波源20の接続構成の一例を示す説明図である。
信号処理回路18は、オフセットレジスタOFR、演算器OPA、レジスタREGを有する。演算器OPAは、第1〜第4の演算入力端子を有している。第1および第4の演算入力端子と第2および第3の演算入力端子とは、異なる極性である。この場合、第1および第4の演算入力端子は、正(+)極の入力端子であり、第2および第3の演算入力端子は、負(−)極の入力端子である。
第1の演算入力端子および第2の演算入力端子には、イメージセンサ16の画素からの出力信号が入力され、第3の演算入力端子には、オフセットレジスタOFRからの出力信号が入力され、第4の演算入力端子には、レジスタREGからの出力信号が入力される。
演算器OPAは、イメージセンサ16の画素からの出力信号およびレジスタREGからの出力信号を加算し、制御回路19から出力されるオン/オフ制御信号CTRおよびオフセットレジスタOFRからの出力信号を減算してレジスタREGに出力する。
オフセットレジスタOFRは、制御回路19から出力されるオフセット信号OSのタイミングにて、同じく制御回路19から出力されるオフセット値OSDを取り込み、演算器OPAの第3の演算入力端子に出力する。
イメージセンサ16の画素から出力される信号は、制御回路19から出力されるオン/オフ制御信号CTRに基づいて、信号の出力先が制御され、前述したように、演算器OPAの第1の演算入力端子または第2の演算入力端子のいずれかに出力される。
レジスタREGは、制御回路19から出力されるレジスタクロックRCKに基づいて、演算器OPAから出力される信号を取り込んで積算出力とするとともに、演算器OPAの第4の演算入力端子に出力する。また、レジスタREGは、制御回路19から出力されるリセット信号RTによってリセットされる。
マイクロ波源20は、利得調整器GCT、周波数加算器FAD、発振器OSC、増幅器AMPを有する。利得調整器GCTは、信号処理回路18からの積算出力を、例えば利得G倍して周波数補正値CORとして出力する。
周波数加算器FADは、制御回路19から出力される周波数初期値FINと利得調整器GCTから出力される周波数補正値CORとを加算し、その加算値を発振器OSCに出力する。
発振器OSCは、制御回路19から出力される周波数設定信号FSTに基づいて、周波数加算器FADの加算値にて指定される周波数値のマイクロ波を増幅器AMPに出力する。増幅器AMPは、発振器OSCから出力されるマイクロ波を増幅してダイヤモンド結晶15に照射する。マイクロ波の照射は、制御回路19から出力されるオン/オフ制御信号CTRによってオン/オフが制御される。
制御回路19は、青緑色光源12に光源オン信号LOSを供給し、イメージセンサ16に露光信号EXPおよび読み出し信号RDを供給する。また、制御回路19は、前述したように、オン/オフ制御信号CTR、レジスタクロックRCK、リセット信号RT、オフセット値OSD、オフセット信号OS、周波数初期値FIN、および周波数設定信号FSTをそれぞれ出力する。
図9は、図7に示した窒素−空孔対の蛍光強度のマイクロ波周波数スペクトルにおける蛍光強度低下点近傍の波形のうち、蛍光強度低下点に隣接する最も急峻な斜面の近傍の波形の一例を示した説明図である。
図9において、横軸は発振器OSCの出力周波数であり、縦軸は蛍光強度のマイクロ波オン時とオフ時との差分である。
図9に示す斜面53は、窒素−空孔対の蛍光強度のマイクロ波周波数スペクトルにおける最も急峻な斜面である。図9において、制御回路19から出力されるオフセット値OSDに対応する周波数値を周波数feとし、発振器OSCの出力周波数の初期値が周波数f0であったとすると、制御回路19から出力される周波数設定信号FSTのタイミングの度に、周波数f1、周波数f2と変化して、周波数feに収束していく。
〈制御回路およびマイクロ波源の動作〉
図10は、図8に示す制御回路19およびマイクロ波源20における各信号のタイミング例を示すタイミングチャートである。
図10において、上方から下方にかけては、光源オン信号LOS、オフセット信号OS、周波数設定信号FST、周波数補正値COR、オン/オフ制御信号CTR、露光信号EXP、読み出し信号RD、レジスタクロックRCK、およびリセット信号RTにおける各信号の出力タイミングを示している。なお、前述したように、周波数補正値CORは、利得調整器GCTから出力され、それ以外の各種信号は、制御回路19から出力される。
図10においては、光源オン信号LOSを印加して、レジスタREGの初期化を行った後、発振器OSCの出力周波数初期値が、図9に示すように、平衡値である周波数feに向けて収束していく過程を示すものである。
光源オン信号LOSの印加後、リセット信号RTにより、レジスタREGがリセットされ、信号処理回路18から出力される積算出力および利得調整器GCTから出力される周波数補正値CORは、ゼロ値となる。
その後、オフセットレジスタOFRは、制御回路19から出力されるオフセット信号OSに基づいて、オフセット値OSDを読み込む。続いて、制御回路19から出力される周波数設定信号FSTによって、発振器OSCの周波数がセットされるが、この時点では、制御回路19が供給する周波数初期値FINがそのままセットされる。そして、制御回路19のオン/オフ制御信号CTRが増幅器AMPに入力されることによって、マイクロ波の照射がオン/オフ制御される。
制御回路19の露光信号EXPは、オン/オフ制御信号CTRが安定して一定値を有している期間の中に印加される。制御回路19の読み出し信号RDは、次のオン/オフ制御信号CTRの変化タイミングにおいて印加され、このタイミングでイメージセンサ16の画素信号出力が演算器OPAに読み込まれる。
ここで、イメージセンサ16の画素信号出力は、マイクロ波のオン時とオフ時とで異なる極性の演算入力端子、すなわち第1の演算入力端子と第2の演算入力端子とにそれぞれ読み込まれる。
このため、オン/オフ制御信号CTRの1サイクル後には、イメージセンサ16の画素信号出力のマイクロ波オン時とオフ時の差分がレジスタREGに入力される。
レジスタREGの出力は、演算器OPAの第4の演算入力端子に帰還されているので、Nサイクルのオン/オフ制御信号CTRの後には、Nサイクル分積算した値が積算出力としてマイクロ波源20に出力される。これを反映して、次の周波数設定信号FSTの印加時には、利得調整器GCTから出力される周波数補正値CORが周波数f0となる。
以降、同様の処理が繰り返されることによって、利得調整器GCTが出力する周波数補正値CORは、周波数f1、周波数f2、と変化し、周波数feに収束していくことになる。
なお、イメージセンサ16において、空間分解能を実現する必要がない場合、すなわち、特定の画素の位置の磁場のみを計測すればよい場合、または一群の画素に対応した位置の平均の磁場のみを計測すればよい場合には、計測時間の全てを積算に用いることが可能であるので、ノイズ低減の効率がよいことになる。
画素単位にてイメージセンサ16の全画素分の磁場計測を行う場合には、時系列にシリアルに1つ1つの画素26に対して磁場を計測していく必要がある。イメージセンサの画素数が、例えばN×Nである場合には、1画素の積算の収束に要する時間をTとすると、全画素での磁場計測に必要な時間は、N×N×Tとなる。
ここで、信号処理回路18がイメージセンサ画素出力自身を積算するのではなく、マイクロ波の照射時と非照射時との差分の積算を行っているのは、窒素−空孔対以外の蛍光を含む背景雑音を除去するためである(例えば非特許文献2のSIP(Selective Imaging Protocol)技術参照)。
以上により、ダイヤモンド結晶15の窒素−空孔対25とイメージセンサ16の画素26とをそれぞれ1:1に対応付けして事前校正処理を行うことによって、窒素−空孔対25における4種類の方位をすべて活用することができるので、磁気計測の精度を向上させることができる。
また、信号処理回路18によって、画素単位の空間分解能を実現することができるので、磁気計測の効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
〈概要〉
前記実施の形態1の図6における磁気計測装置10では、イメージセンサ16の画素単位において、空間分解能を実現する構成について示したが、本実施の形態2においては、イメージセンサ16のブロック単位において空間分解能を実現する例ついて説明する。
〈磁気計測装置の構成例〉
図11は、実施の形態2による磁気計測装置10における構成の一例を示す説明図である。
図11の磁気計測装置10は、イメージセンサ16の画素出力をマイクロ波源20への周波数変調の入力として負帰還制御することによって、イメージセンサ16のブロック単位での空間分解能を実現する。
図11の磁気計測装置10は、図6と同様に、青緑色光源12、レンズ13、ダイクロイックミラー14、ダイヤモンド結晶15、イメージセンサ16、制御部17、マイクロ波源20、およびコイル21を有する。
また、制御部17については、信号処理回路18および制御回路19からなる図6の構成に、新たに演算器OPNが設けられている。この演算器OPNは、信号処理回路18とイメージセンサ16との間に設けられている。
図11において、演算器OPNは、等方向の窒素−空孔対25に対応するイメージセンサ16の画素出力を加算するという処理をシンボル的に示したものである。演算器OPNの実際の処理は、シリアルに読み出したイメージセンサ16の各画素の出力のうち、等方向の窒素−空孔対25に対応する部分の出力を加算する。
ここで、イメージセンサ16の各ブロック41においては、前記実施の形態1において述べた事前校正処理によって、ダイヤモンド結晶15の各窒素−空孔対25における方位がわかっている。よって、制御回路19は、同じ方位の窒素−空孔対25に対応する画素26を特定することができるので、ブロック41毎に特定した画素26からの信号のみを選択するように、制御信号を演算器OPNに出力する。
この演算器OPNから出力される信号は、信号処理回路18の演算器OPAに入力される。このように、信号処理回路18は、ブロック41内で等方向の窒素−空孔対25に対応するイメージセンサ16の画素出力を集めたものが入力されており、マイクロ波の照射時と非照射時との差分の積算値が一定となるようにマイクロ波源20への周波数変調入力にフィードバックを行う。なお、信号処理回路18の回路構成については、図8と同様であるので、説明は省略する。
イメージセンサ16の画素数が例えばN×N、イメージセンサ16のブロック41のサイズが例えばn×nであり、1つの画素26の積算の収束に要する時間をTとすると、全画素での磁場計測に必要な時間はN/n×N/n×T×4となる。ここで、×4は、ブロック41内で窒素−空孔対25の4つの方位の計測を独立に行うために必要となる。
〈ブロックサイズの構成例〉
図12は、図11の磁気計測装置10に用いられるイメージセンサ16における画素数とブロックサイズの構成の一例を示す説明図である。
図12に示すイメージセンサ16において、画素数、すなわちイメージセンサ16が有する画素26の数は、20×20である。これら画素26には、ダイヤモンド結晶が有する20×20個の窒素−空孔対25がそれぞれ対応していることになる。
イメージセンサ16のブロックサイズ、すなわちイメージセンサ16の個々のブロック41が有する画素26の数は、4×4であり、解像度5×5の2次元計測が行われる例を示している。
1つのブロック41における窒素−空孔対25の方位は、4種類であるので、1画素の積算の収束に要する時間をTとすると、図12のイメージセンサ16の場合、全画素での磁場計測に必要な時間は、5×5×T×4=100Tとなる。
以上のように、図11の磁気計測装置10では、イメージセンサ16のブロック単位での空間分解能を実現することができるので、磁気計測の効率をより向上させることができる。
(実施の形態3)
〈磁気計測装置の構成例〉
図13は、実施の形態3による磁気計測装置10における構成の一例を示す説明図である。
図13に示す磁気計測装置10は、前記実施の形態2の図11の構成において、マイクロ波源20の代わりに、照射部となる高周波回路チップ27が設けられた構成となっている。また、制御部17は、信号処理アレイ60および制御回路19から構成されている。
この信号処理アレイ60は、複数の信号処理部61を有する。信号処理部61は、図11に示す信号処理回路18および演算器OPNを有する構成からなる。なお、図13では、代表例として3つの信号処理部61における接続関係を示しているが、実際には、信号処理部61は、イメージセンサ16のブロック41毎にそれぞれ設けられている。
〈信号処理部の接続例〉
図14は、図13の磁気計測装置10が有する信号処理部61の接続例を示した説明図である。図14の左側には、磁気計測装置10の構成が示されている。また、図14の右側の上方から下方にかけては、イメージセンサ16のブロック41、およびブロック41に対応するダイヤモンド結晶15のブロック40およびブロック40に対応する後述する高周波回路部28の拡大図をそれぞれ示している。
信号処理部61は、信号処理回路18および演算器OPNを有する。演算器OPNは、等方向の窒素−空孔対25に対応するイメージセンサ16のブロック41毎の画素出力を加算するという処理をシンボル的に示したものである。よって、演算器OPNは、シリアルに読み出したイメージセンサ16のあるブロック41が有する各画素の出力のうち、等方向の窒素−空孔対25に対応する部分の出力を加算する。
演算器OPNによる加算値は、信号処理回路18に入力される。信号処理回路18における処理は、前記実施の形態2と同様である。信号処理回路18から出力された積算出力は、周波数設定信号として高周波回路チップ27に入力される。
この高周波回路チップ27は、例えば2.87GHz程度のマイクロ波をダイヤモンド結晶15に照射する。高周波回路チップ27は、ダイヤモンド結晶15の下方に近接して配置されている。
高周波回路チップ27は、複数の高周波回路部28が格子状に設けられた構成からなり、これら高周波回路部28は、ダイヤモンド結晶15が有するブロック40と同じ数だけ設けられている。言い換えれば、高周波回路部28は、ダイヤモンド結晶15におけるブロック40毎に、それぞれ対応するように設けられている。よって、イメージセンサ16のブロック41、ダイヤモンド結晶15のブロック40、および信号処理アレイ60の信号処理部61は、すべて1:1:1と対応する数を有する。
高周波回路部28は、ダイヤモンド結晶15のブロック40に、該ダイヤモンド結晶15の裏面側からマイクロ波を照射する。高周波回路部28が照射するマイクロ波は、各信号処理部61から出力される周波数設定信号によって周波数を変調させる。
高周波回路部28は、ループアンテナ28aおよびループアンテナ28aに高周波電流を印加する高周波回路28bを有する。
高周波回路チップ27を用いることにより、ダイヤモンド結晶15の複数のブロック40毎に、並行して独立したマイクロ波の照射を行うことが可能となり、磁気計測の効率をより向上させることができる。
図13に示した例では、イメージセンサ16の画素数が20×20であり、ダイヤモンド結晶15の窒素−空孔対数も20×20である。また、イメージセンサ16およびダイヤモンド結晶15が有するブロック数は、いずれも5×5である。よって、信号処理部61の数も、5×5となる。
〈高周波回路チップの構成例〉
図15は、図13の磁気計測装置10に設けられる高周波回路チップ27の構成の一例を示す説明図である。この図15では、図13に示したイメージセンサ16に対応する高周波回路チップ27を例として説明する。高周波回路チップ27においては、ノイズ低減のため、例えば双対配線が行われている。
高周波回路チップ27は、図15(a)に示すように、イメージセンサ16のブロック数に対応しており、高周波回路部28の数は、5×5となっている。高周波回路チップ27は、高周波回路部28を、例えば半導体チップCH上に形成して配列したものである。
高周波回路部28は、図15(b)に示すように、ループアンテナ28aおよび高周波回路28bを有している。先に述べたように、高周波回路28bが生成するマイクロ波は、該高周波回路部28に対応する信号処理部61から出力される周波数設定信号によってそれぞれ個別に独立して変調される。
半導体チップCHの2つの周辺部には、行アドレス線RLを選択する行デコーダRDCおよび列アドレス線CLを選択する列デコーダCDCがそれぞれ配置されている。行アドレス線RLおよび列アドレス線CLの終端には、終端抵抗RRがそれぞれ接続されている。これにより、配線終端における信号の反射を防止し、ノイズを低減することができる。
行デコーダRDCおよび列デコーダCDCには、図14の制御回路19から出力される選択信号がそれぞれ入力される。行デコーダRDCは、選択信号に基づいて、任意の行アドレス線RLを選択する。列デコーダCDCは、選択信号に基づいて、任意の列アドレス線CLを選択する。
行アドレス線RLは、アレイ状に配列された高周波回路部28のうち、行方向の高周波回路部28を選択する。列アドレス線CLは、列方向の高周波回路部28を選択する。
列デコーダCDCには、周波数設定信号が入力される。列デコーダCDCは、周波数設定信号線FSを介して列方向の高周波回路部28に周波数設定信号を出力する。行デコーダRDCは、選択信号に基づいて、任意の行アドレス線RLを選択する。列デコーダCDCは、選択信号に基づいて、任意の列アドレス線CLを選択するとともに、周波数設定信号を出力する。
選択された行アドレス線RLと列アドレス線CLとの交点に位置する高周波回路部28が選択されて活性化する。また、選択された高周波回路部28には、周波数設定信号線FSを介して周波数設定信号が入力される。
〈マイクロ波の照射例〉
図16は、図15の高周波回路チップ27における各高周波回路部28によるマイクロ波の照射順序の一例を示す説明図である。
図16では、図12と同様に、画素数が20×20のイメージセンサ16に、20×20の窒素−空孔対25のダイヤモンド結晶15が対応しているものとする。ブロックサイズは、4×4であり、解像度5×5の2次元計測を行う例である。また、図16において、25個のブロック40に対応する高周波回路部28を、高周波回路部281 〜2825と付番する。
高周波回路チップ27において、隣接する高周波回路部28から同時にマイクロ波を照射した場合、例えば高周波回路部281 と高周波回路部282 とによってマイクロ波を照射する場合について考える。
この場合、高周波回路部281 と高周波回路部282 とに対応するダイヤモンド結晶15におけるブロックの境界部分は、2つの高周波回路部から同時にマイクロ波の照射を受けることになり、マイクロ波の干渉などによって精度の高い計測が得られない恐れがある。
そのため、鋭敏な計測を行う場合、1回の計測時には、隣接するブロックにマイクロ波を照射しないように制御を行う。例えば、25個の高周波回路部281 〜2825を、隣接しない第1〜第4のグループの4群に分けて、各々のグループを4回に分けて計測を行うものとする。図16においては、第1グループを太線にて示し、第2グループを網掛けにて示し、第3グループを点線にて示し、第4グループを一点鎖線にて示す。各グループ内は、同時に計測する。各ブロック40に対応する高周波回路部28は、異なるマイクロ波にそれぞれ変調されている。
第1のグループは、図16の太線に示すように、高周波回路部281 ,283 ,285 ,2811,2813,2815,2821,2823,2825からなる。第2のグループは、図16の網掛けに示すように、高周波回路部282 ,284 ,2812,2814,2822,2824からなる。
また、第3のグループは、図16の点線に示すように、高周波回路部286 ,288 ,2810,2816,2818,2820からなる。第4のグループは、図16の一点鎖線に示すように、高周波回路部287 ,289 ,2817 ,2819からなる。このように、グループ分けすることによって、隣接したブロックにマイクロ波が照射されることを防止することができる。
上記したグループ毎によるマイクロ波の照射を行った場合、1画素の積算の収束に要する時間をTとすると、全画素での磁場計測に必要な時間は4×T×4=16Tとなる。
高周波回路チップ27を用いずに、25個のブロック40に対して、1個ずつ、マイクロ波の照射と、イメージセンサ出力のマイクロ波源への負帰還による計測を行う場合には、5×5×T×4=100Tの計測時間が必要となる。よって、高周波回路チップ27を用いることにより、6倍以上の高速化を実現することができる。
以上により、磁気計測の高速化を実現することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
10 磁気計測装置
11 光源部
12 青緑色光源
13 レンズ
13a レンズ
13b レンズ
14 ダイクロイックミラー
15 ダイヤモンド結晶
16 イメージセンサ
17 制御部
18 信号処理回路
19 制御回路
20 マイクロ波源
21 コイル
25 窒素−空孔対
26 画素
26a 画素
27 高周波回路チップ
28 高周波回路部
28a ループアンテナ
28b 高周波回路
31 領域
32 領域
37 マーカ
37a マーカ
40 ブロック
41 ブロック
50 試料
53 斜面
60 信号処理アレイ
61 信号処理部
OFR オフセットレジスタ
OPA 演算器
REG レジスタ
RCK レジスタクロック
GCT 利得調整器
FAD 周波数加算器
OSC 発振器
AMP 増幅器
OPN 演算器
CH 半導体チップ
RDC 行デコーダ
CDC 列デコーダ
RL 行アドレス線
CL 列アドレス線
RR 終端抵抗

Claims (8)

  1. 複数の窒素−空孔対を有するダイヤモンド結晶と、
    複数の画素によって前記ダイヤモンド結晶に照射された励起光によって発生する蛍光強度を検出するイメージセンサと、
    を備え、
    前記ダイヤモンド結晶は、前記窒素−空孔対が前記画素に1:1にそれぞれ対応付けされ、1つの前記窒素−空孔対が発生した蛍光を、前記窒素−空孔対に対応付けされた1つの前記画素によって受光する、磁気計測装置。
  2. 請求項1記載の磁気計測装置において、
    前記ダイヤモンド結晶が有する前記窒素−空孔対は、各々の前記窒素−空孔対の窒素から見た空孔の方位が、前記ダイヤモンド結晶の方位に対してどのような方位であるかが特定されている、磁気計測装置。
  3. 請求項2記載の磁気計測装置において、
    前記ダイヤモンド結晶は、単結晶である、磁気計測装置。
  4. 請求項2記載の磁気計測装置において、
    さらに、動作制御信号に基づいて、前記ダイヤモンド結晶にマイクロ波を照射するマイクロ波部と、
    方位が特定されている前記窒素−空孔対のうち、同じ方位を有する前記窒素−空孔対に対応する前記画素から出力される前記マイクロ波部によるマイクロ波の照射時と非照射時との蛍光強度の差分を積算し、その算出結果を周波数補正値として出力する信号処理部と、
    を有し、
    前記マイクロ波部は、前記信号処理部から出力される前記周波数補正値に基づいて、照射するマイクロ波の周波数を変調する、磁気計測装置。
  5. 請求項4記載の磁気計測装置において、
    前記信号処理部は、前記イメージセンサを複数の領域に分割したセンサブロック毎に前記周波数補正値を算出する、磁気計測装置。
  6. 請求項2記載の磁気計測装置において、
    さらに、前記ダイヤモンド結晶の裏面から、マイクロ波を照射する照射部と、
    方位が特定されている前記窒素−空孔対のうち、同じ方位を有する前記窒素−空孔対に対応する前記画素から出力されるマイクロ波の照射時と非照射時との蛍光強度の差分を積算し、その算出結果を周波数補正値として出力する信号処理部と、
    を有し、
    前記照射部は、前記信号処理部から出力される前記周波数補正値に基づいて、照射するマイクロ波の周波数を変調する、磁気計測装置。
  7. 請求項6記載の磁気計測装置において、
    前記照射部は、複数の高周波回路部からなり、
    前記高周波回路部は、前記ダイヤモンド結晶を複数の領域に分割したダイヤモンド結晶上のブロックにそれぞれ対応するように設けられ、前記信号処理部から出力される前記周波数補正値に基づいて、照射するマイクロ波の周波数をそれぞれ変調させ、
    前記信号処理部は、前記イメージセンサを複数の領域に分割した前記イメージセンサ上のブロック毎に差分を積算し、その算出結果を周波数補正値として、積算した前記イメージセンサのブロックに対応する前記ダイヤモンド結晶上のブロックに対して前記マイクロ波を照射する前記高周波回路部に出力する、磁気計測装置。
  8. 請求項7記載の磁気計測装置において、
    前記高周波回路部は、前記信号処理部から出力する動作制御信号に基づいて、動作が制御され、
    前記信号処理部は、隣り合う前記高周波回路部が同時に前記マイクロ波を照射しないように前記動作制御信号を制御する、磁気計測装置。
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