以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明はスロットマシンに限ることなく、パチンコ等の遊技機に適用してもよい。
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1および図2はスロットマシンMを示す正面図および斜視図である。このスロットマシンMは、筐体1(図2に図示)を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置(図示略)を内蔵した電源ユニット等が設けられている。
また、前記筐体1の左右の側板には、筐体1の高さ方向略中央で水平となるように中板(図示略)が設けられており、この中板によって筐体1内は上下に分割されている。したがって、筐体1の前記正面開口部は、その上部を開口する開口上部とその下部を開口する開口下部との2つに区画されている。
筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
前記筐体1内には前記中板の上面に、交換ユニット2が着脱可能に設けられている。この交換ユニット2は、図3に示すように、略直方体状に組まれた金属枠である枠体21と、枠体21に支持されたリールユニット22と、枠体21に固定された基板ユニット(図示略)とを備えている。
リールユニット22は、枠体21に設けられた3個のステッピングモータ(図示略)と、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール23とを備えている。また、基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
図4に示すように、前記上扉30は、外枠(キャビネット上ユニット)30bに中枠(バリア上ユニット)30aを嵌め込んで構成されている。
上扉30にはその一方の縦方向の側縁部に上扉側蝶番(図示略)が設けられている。一方、前記交換ユニット2の枠体21には枠体側蝶番(図示略)が設けられており、この枠体側蝶番に前記上扉側蝶番を係合させることによって、上扉30は、交換ユニット2の枠体21に回動自在に取り付けられている。なお、上扉30は、筐体1の側板に取り付けるように形成してもよい。
また、上扉30は、略中央部に回転リール23の図柄を正面から見ることができる図柄表示窓31を備えている。図柄表示窓31は、各回転リール23の図柄が3個ずつ表示可能に形成されている。
図柄表示窓31の上方には、中枠30aに設けられるとともに液晶表示装置で構成された画像表示部34(図4に図示)を正面から見ることができる画像表示窓37が設けられている。この画像表示部34は、各当選役の図柄配列や遊技履歴等の情報の画像や、遊技の状態や当選役の抽選結果を報知する画像等を表示するためのものである。また、上扉30の上部の左右には、種々のサウンドを出力するためのスピーカ35,36(図46参照)を覆うスピーカーカバー713,713が画像表示部34を覆うように画像表示窓37に嵌め込まれた透明なカバー部材500を挟んで設けられている。また図1に示すように、カバー部材500の周囲には、報知などを行うためのランプ33が設けられている。
下扉40は筐体1の開口下部を開閉可能に閉塞するための扉である。下扉40は、外枠46に図示しない中枠を嵌め込んで構成されている。
下扉40の一方の縦方向の側縁部に下扉側蝶番(図示略)が設けられている。そして、この下扉側蝶番を、筐体1の一方の側板に設けられた筐体側蝶番(図示略)と係合させることで、下扉40は、筐体1の一方の側板に回動自在に取り付けられている。また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
また、下扉40の上部には、図1および図2に示すように、スロットマシンMを操作するための操作部50が設けられている。操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ52、ゲームを開始させるためのスタートスイッチ53、回転リール23の回転を停止させるためのストップスイッチ54が設けられている。
また、下扉40の上部右側には、メダルを投入するためのメダル投入口42が設けられている。また、下扉40の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口41と、メダル払い出し口41から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、操作部50とメダル受け皿43との間には透明の前パネル45が取り付けられている。
次に、この実施の形態の遊技機の可動役物100,101およびその移動機構110,111について説明する。
図4に示すように、上扉30の外枠30bの内部に嵌め込まれる中枠30aの正面側に可動役物100,101およびその移動機構110,111が設けられている。
可動役物100,101は、通常時に、上扉30の外枠30bに設けられ、液晶表示装置からなる画像表示部34を視認可能とする画像表示窓37から視認できないように、外枠30bの画像表示窓37より左側の側部137の背面側と、画像表示窓37より右側の側部138の背面側とに隠れた状態となっている。ここで、外枠30bは、移動する可動役物100,101を遊技者から視認可能とする窓である画像表示窓37を備える窓枠となっている。
すなわち、図5に示すように、可動役物100,101が見えない状態となっており、この状態では、可動役物100,101は、図7に示すように中枠30aの画像表示部34が配置される開口部620の左右の側部103,104にそれぞれ左右の移動機構110,111を介して支持されている。
この状態から、左の可動役物100が右側に移動し、右の可動役物101が左側に移動することにより、左右の可動役物100,101が、画像表示窓37の中央側に移動し、図6および図8に示すように、画像表示窓37から可動役物100,101が視認可能になる。この際には、左右の可動役物100,101が画像表示部34の前に互いに近接して配置されることになり、画像表示部34の表示が見難い状態となるが、それにより可動役物100,101の演出が際だつことになる。
可動役物100,101およびその移動機構110,111は、上述のように可動役物100を画像表示窓37に対して隠れた位置から視認可能な位置へ左右方向に移動可能とするとともに再び隠れた位置に戻るように移動可能としている。すなわち、移動機構110,111は、可動役物100,101を左右に往復移動可能とするものであり、図5および図7に示すように移動前の上扉30の画像表示窓37から隠れた位置にある原点から、図6および図8に示すように、画像表示窓37の左右の中央より少し原点側の最終移動位置まで可動役物100,101が移動可能になっている。
ここで、左右の可動役物100,101と、これら左右の可動役物100,101をそれぞれ移動させる左右の移動機構110,111は、構造上左右が逆になっている以外は、基本的に同様の構造を有するものであり、この実施の形態では、左側の可動役物100および移動機構110について説明し、右側の可動役物101および移動機構111の説明を省略する。なお、左右の可動役物100,101は、表面に描かれる漢字が左右で異なるものとなっているが、可動役物100,101の移動機構110,111の一部としての構造部分は、略同様の構造で左右が逆になった構造となっている。
図9から図14に示すように、可動役物100は、最も背面側に配置されるベース板105と、最も正面側に配置され、上述の漢字が彫られた形状のレンズ部材106と、レンズ部材106の背面側で、ベース板105より正面側に配置されたLED基板122(図12)と、レンズ部材106とLED基板122との間に配置されるインナーレンズ部材(図示略)と、LED基板122とベース板105との間に配置された保護板121(図13に図示)とを備える。また、ベース板105の正面側には、後述の拡幅部材117を付勢する付勢手段としてのばねであるねじりばね119(図11,図14に図示、なお、図14には、圧縮状態と伸長状態のばねが図示されている)が配置されている。この場合に、金属製(導体)であるねじりばね119がLED基板122の背面に接触すると、LED基板122に損傷が生じたり、配線のショート等の電気的な悪影響が生じたりする虞がある。
そこで、LED基板122と、ねじりばね119との間には、保護板121が配置され、ねじりばね119が直接、LED基板122に接触しないようになっている。
また、ベース板105の正面側には、拡幅部材117を左右方向にガイドするガイド部材としての左右に2個ずつ並んだ2列のボス118が設けられている。また、ベース板105には、ねじりばね119の一方の端部が係止されるばね係止部123が設けられ、拡幅部材117には、ねじりばね119の他方の端部の係止部124が設けられている。
拡幅部材117は、可動役物100の移動に対応して出没するものであり、可動役物100が画像表示窓37から視認できるように移動した際に、その移動方向と逆側に移動して突出するようになっている。また、可動役物100が画像表示窓37から視認できない状態に戻る際に、拡幅部材117がベース部113の図11中の左側縁部に設けられた当接板125(所定位置の可動役物100に隣り合う部材)に当たり、可動役物100が移動前の原点位置(所定位置)に戻る間に拡幅部材11が当接板125により押し戻されて可動役物100に収容された状態になる。当接板125は、ベース部113において、可動役物100に対して、上述の所定方向の反対方向側の側縁部に設けられる。
この拡幅部材117は、可動役物100が原点位置から最も離れた所定位置まで移動する際に、移動機構110の後述の中間部材115が可動役物100の背面から移動方向反対側に露出した際に、この中間部材115が遊技者から画像表示窓37を介して見えてしまうのを防止するものである。
拡幅部材117には、上下2列の水平なスリット部120が設けられ、このスリット部120が前記ベース板105のボス118に左右に移動自在に嵌合している。これにより拡幅部材117は、ボス118により、可動役物100のベース板105に所定方向としての左右方向に移動自在に支持されている。また、ベース板105のボス118が拡幅部材117のスリット部120に嵌合した状態で、ベース板105に上述の保護板121が取り付けられ、保護板121とLED基板122により拡幅部材117がベース板105から外れるのが防止されている。
拡幅部材117は、スリット部120内のボス118の移動可能範囲内で可動役物100から原点側に突出した状態となっているが、上述のように可動役物100が原点位置にある場合には、当接板125に押えられて可動役物100に収容されている。したがって、拡幅部材117を可動役物100の一部と考えた場合に、可動役物101が上扉30の側部137に隠れた状態では、可動役物100に拡幅部材117が収容された状態となって、拡幅部材117を含む可動役物100の幅が上扉30の側部137より狭くなり、側部137に隠れることが可能な左右幅となっている。
それに対して、可動役物100が画像表示窓37側に移動した際には、拡幅部材117が可動役物100の移動方向逆側に突出することにより、拡幅部材117を含む可動役物100の幅が広くなる。したがって、上扉30の側部137の左右幅が狭くとも拡幅部材117を含む大きな可動役物100を遊技者に見せることが可能になる。また、上述のように移動機構110の中間部材115を隠すことが可能になる。
移動機構110は、中枠30aの左側部103に固定されるベース部113と、ベース部113に対して所定方向としての左右方向に移動自在に支持された中間部材115とを備え、この中間部材115に可動役物100が左右方向に移動自在に支持されている。
図4、図15および図16に示すように、前記ベース部113は、中枠30aの側部103に固定される。ベース部113には、中間部材115を左右方向に移動自在に支持するための略水平な固定側レール131と、この固定側レール131の上側に隣接して歯が上を向いた状態で水平に延在する固定ラック135とを備える。
また、前記ベース部113は、中間部材115を左右方向に移動させるための回転アーム132と、回転アーム132を回転させるモータ(駆動源)133と、モータ133の回転軸に設けられる駆動歯車(図示略)と、2段歯車機構を構成するための駆動歯車に噛み合う大歯車141と、大歯車141と一体に回転する小歯車142と、小歯車142に噛み合うとともに、回転アーム132と一体に成形されて、回転アーム132の回転中心を回転中心とする扇型歯車(セクタギヤ)143とを備える。
これら歯車141,142,143等により、モータ133の回転に基づいて所定角度範囲内で回転アーム132が左右に移動する。すなわち、回転アーム132は、図15に示す状態と図16に示す状態との間となる角度範囲で、モータ133に駆動されて回転移動する。
前記回転アーム132は、基端部側に回転中心を備え、回転中心から一方向に延びるアームであり、回転中心を中心とする扇型歯車143を備えるとともに、アーム先端側にアームの軸方向に沿う長孔145が形成されている。
前記中間部材115には、ベース部113の固定側レール131に左右に移動自在に嵌合する第1ガイド部151と、前記回転アーム132の長孔145に挿入されるピン152と、5つの歯車161,162,163,164,165からなる歯車群166と、後述する可動役物100のベース板105に設けられた可動側レール171に左右に移動自在に嵌合する第2ガイド部153とを備える。
中間部材115は、前記第1ガイド部151がベース部113に左右に移動自在に嵌合していることにより、ベース部113に対して左右に移動自在に支持されている。また、中間部材115は、ピン152が回転アーム132の先端部の長孔145に挿入されていることで、回転アーム132先端部の左右への回転移動に対応してピン152が固定された中間部材115を左右方向に移動させるようになっている。
また、歯車群166の最も右側の歯車(固定側歯車)161は、固定ラック135に噛み合うピニオンである。回転アーム132により中間部材115が左右に移動した際に、固定ラック135に噛み合った歯車161が左右に移動することにより、歯車161は回転させられる。
この固定ラック135に噛み合う正面から見て左端の歯車161の回転は、アイドルギヤとしての3つの歯車162,163,164を介して正面から見て右端の歯車(移動側歯車)165に伝動される。右端の歯車165は、後述の可動役物100の移動ラック172と噛み合っており、右端の歯車165が回転すると、移動ラック172が左右方向に移動する。なお、図15および図16は、可動役物100および移動機構110の背面図であり、左右が逆になっている。また、以後の説明において、可動役物100や移動機構110の左右は、可動役物100や移動機構110を正面から見た場合の左右である。
前記可動役物のベース板105の背面には、左右方向に延在する可動側レール171と、可動側レール171に沿って延在するとともに歯を下に向けた移動ラック172とが備えられている。可動役物100は、中間部材115の第2ガイド部153に可動側レール171が移動自在に嵌合することにより、中間部材115に左右に移動自在に支持されている。また、ベース部113の固定ラック135に対して中間部材115が左右に移動することにより、固定ラック135に噛み合うピニオンとしての歯車161が回転した場合に、この回転が移動ラック172に噛み合うピニオンとしての歯車165に伝動されて歯車165が回転する。この歯車165の回転により、移動ラック172が可動役物100とともに左右に移動する。
すなわち、中間部材115の左右への直線運動が固定側歯車161の回転運動に変換され、この回転運動が歯車群166のアイドルギヤとしての3つの歯車162,163,164を介して左端の歯車165に伝動される。この歯車165の回転は、移動ラック172に伝動されることで直線運動に変換され、移動ラック172を備える可動役物100を左右に移動させることになる。なお、上述のように右側の可動役物101およびその移動機構111は、左側の可動役物100およびその移動機構110の構造を左右逆にした構造を有するものである。
図17に示すのは、可動役物100に接続されるフラットケーブル185であり、このフラットケーブル185は、例えばLED基板122の各LEDに電力を供給する。したがって、フラットケーブル185の一端部は、LED基板122に接続され、他端部は中枠30aの図示しない制御基板または中継基板に接続されている。
図示されたフラットケーブル185は、可動役物100が原点位置にある場合のものであり、このフラットケーブル185は、2箇所で水平面に沿った状態でU字状に曲げられるとともに、これら2箇所のU字状部分の間で垂直面に沿った状態でU字状に曲げられている。
この状態から可動役物100が移動すると、フラットケーブル185が図中斜め右下方向に引っ張られることにより、フラットケーブル185の水平面に沿ってU字状にされた2箇所が斜め右下方向に移動する。可動役物100が戻る場合には、フラットケーブル185の水平面に沿ってU字状にされた2箇所が斜め左上方向に移動する。
この際に、フラットケーブル185の撓み方や折れ曲がり方に異常が発生すると、一方のU字状の部分が中枠30aの左端から外枠30b側に延びてしまう虞がある。その場合に、フラットケーブル185が30b側の部材に引っ掛かるなどして、フラットケーブル185が傷ついたり、フラットケーブル185が引っ掛かることにより、可動役物100の移動が妨げられたりする虞がある。
そこで、この実施の形態の遊技機では、中枠30aに、フラットケーブル185の水平面に対してU字状に曲がる部分に対向して、接触防止片186が設けられている。したがって、フラットケーブル185のU字状に曲げられた部分が常時より外枠30b側に延びるような場合に、フラットケーブル185が接触防止片186に当たる。この場合に、フラットケーブル185のさらなる外枠側への移動が遮られ、上述のような問題が発生するのを防止できる。また、スロットマシンMの外装には、金属メッキが用いられる場合が多く、フラットケーブル185が外枠の金属メッキ部分に近づきすぎると、電気的不具合が発生する虞があるが、接触防止片186により、フラットケーブル185の移動を規制することにより、このような電気的不具合の発生を防止できる。
このような可動役物100およびその移動機構110の動作を説明する。なお、ここでも左側の可動役物100およびその移動機構110を例に取って説明するが、右側の可動役物101およびその移動機構111は、左右が逆になる以外は、左側の可動役物100およびその移動機構110と同様に動作するとともに、同様の作用効果を奏する。
通常時、すなわち、可動役物100が原点位置で上扉30の外枠30bの側部137に隠れている状態では、ベース部113の回転アーム132が正面から見て斜め左上を向き(図15に図示:但し背面図)、ベース部113に対して中間部材115が最も左側にある状態となる。この場合に、移動機構110のベース部113と中間部材115は、可動役物100の背面側に重なった状態となっている。また、拡幅部材117は、可動役物100内に収容された状態となっている。
この状態からモータを作動させて回転アーム132を斜め左上から斜め右上に移動すると、回転アーム132の長孔145に挿入された中間部材115のピン152が左から右に移動する。この際には、ベース部113の固定側レール131に左右に移動自在に嵌合している中間部材115の第1ガイド部151により、固定側レール131に沿って、中間部材115が移動開始する。
この場合に、ベース部113の固定ラック135に噛み合っている左端の歯車161が固定ラック135に対して中間部材115と一体に移動することで、歯車161が回転する。この際に、歯車161は、固定ラック135の左端から右端に移動する。
歯車161の回転は、3つのアイドルギヤとしての歯車162,163,164により伝動されて中間部材115の右端の歯車165が回転する。歯車165は、可動役物100のベース板105の背面に設けられた移動ラック172に噛み合っており、移動ラック172を右側に移動させる。
また、可動役物100は、ベース板105の背面の可動側レール171が中間部材115の第2ガイド部153に左右方向に移動自在に嵌合しており、移動ラック172とともに、右側に移動する。
この際に、可動役物100は、回転アーム132によるベース部113に対する中間部材115の移動の際の移動量に、歯車165の回転による移動ラック172の移動に基づく、中間部材115に対する可動役物100の移動の際の移動量を加えた移動量だけ移動する。したがって、固定ラック135と移動ラック172との形状が同じで、歯車群166におけるギヤ比が1ならば、ベース部113に対する中間部材115の移動量と、中間部材115に対する可動役物100の移動量とが同じになり、回転アーム132だけの場合の移動量に対して移動量が2倍になる。なお、例えば、ラック135,172や歯車群166のギヤ比を変えることにより、移動量を2倍以下にしたり2倍以上にしたりすることが可能である。
また、可動役物100が右側に移動することにより、可動役物100が当接板125から離れる。この際に、可動役物100からねじりばね119に付勢されている拡幅部材117が可動役物100の移動方向と逆方向に移動する。これにより可動役物100の幅が左側に拡がり、可動役物100の左側に配置される移動機構110の中間部材115が隠されることになる。
なお、画像表示窓37の左右幅が、上扉30の外枠30bの側部137の2倍より広いと、左の側部137に隠すことが可能な最大幅の可動役物100を画像表示窓37の左右の中心近傍まで移動する場合に、可動役物100の左側縁が画像表示窓37の左側縁から離れ、可動役物100を移動させる移動機構110の一部が画像表示窓37から露出することになり、上述の拡幅部材117が必要となる。すなわち、可動役物100が画像表示窓37を備える外枠30bから画像表示窓37内に移動することにより、外枠30bの画像表示窓37側の内側縁から可動役物100が離れた際に、外枠30bと可動役物100との間に露出する移動機構110の一部が拡幅部材117により隠され、移動機構110が遊技者に見られてしまうのを防止できる。
そして、回転アーム132がその所定の回転移動範囲の最も右側に移動することにより、可動役物100の右側縁部が画像表示窓37の左右の中央の近傍に至る設定となっている。
次に、移動した可動役物100を元に戻す際には、回転アーム132がその移動範囲の最も右側から左側に移動する。この場合には、回転アーム132の移動に伴って、中間部材115が右から左に移動開始する。
この際に、中間部材115の歯車群116の最も左側の歯車161がベース部113の固定ラック135に噛み合った状態で固定ラック135の右端部から左端部に向かって移動する。この際に歯車161と固定ラック135とにより、回転アーム132による中間部材115の直線運動が歯車161の回転運動に変換される。
この歯車161の回転運動は、歯車群166内で伝動され、最も右端の歯車165まで伝動される。最も右側の歯車165は、可動役物100の背面の移動ラック172の左端部に噛み合っており、歯車165の回転により移動ラック172が左側に移動し、可動役物100が左側に移動する。
これにより可動役物100の往復動の往路の場合と同様に、復路においても、可動役物100は、ベース部113に対する中間部材115の移動量に、中間部材115に対する可動役物100の移動量を加えた移動量で移動することになる。したがって、復路においては、往路の開始位置(原点位置)まで、可動役物100を戻すことが可能になる。
上述のように移動する可動役物100には、上述のフラットケーブル185が接続されている。
このフラットケーブル185は、可動役物100の移動の往路において、移動する可動役物100に引っ張られるのに対して、復路では、フラットケーブル185が押し戻される状態となる。この際にフラットケーブル185がフレキシブルな状態なので、折れ曲がり方が変わってしまった場合に、フラットケーブル185の湾曲部が元の場合より上扉30の外枠30b方向に延びてしまう虞があるが、そのような場合に、フラットケーブル185が接触防止片186に当たり、フラットケーブル185が、外枠30bの部材に接触して傷ついたり、引っ掛かったりするのを防止できる。
次に、このスロットマシンMの上扉30(外枠30b)の正面の右側部138側に設けられるサーチライトを模した演出用の照明装置201,202について説明する。
図1、図2、図4、図5、図6等に示すように、演出のためのランプ33の一部として、上扉30の右側の側部138に、上下に3つ並んで照明装置201,202が設けられている。
照明装置201,202には、2種類あり、サイズが大きい照明装置201と、この大きい照明装置202に対して、一回り小さな照明装置202とがあり、大きい照明装置201の下に小さな照明装置202が上下に2個配置されている。これら照明装置201と照明装置202は、大きさを除いて同様の構成を有するものであり、以下の説明では大きい照明装置201について説明し、小さい照明装置202の説明を省略する。
照明装置201は、図18〜図23、特に、図20に示すように、シャッタ機構211を開閉する駆動機構271を有するとともに、照明装置201の光源となるLED基板231を備えるベース部230と、ベース部230のLED基板231上を覆う透光性のレンズ部材232とを有する。
また、照明装置201は、シャッタ機構211の後述の遮蔽部材212〜217の軸部218,219を受ける軸保持板部(軸保持部)242および軸保持筒部243を有する筒状基部241と、筒状基部241の軸保持板部242および軸保持筒部243と合わせて軸受部252,253(図19に図示)の主要部を構成する軸受構成部254、255を有する軸受筒部材256とを備える。
さらに照明装置201は、上述の駆動機構271の一部として、シャッタ機構211の遮蔽部材212〜217に直線運動を伝達する直動部材272を備える。また、照明装置201は、主に前側を覆うカバーとして機能するとともに、LED基板231のLEDの光を透光する透光板262を有する装飾カバー261を備える。
ベース部230は、略鉛直方向に沿って配置されるLED基板231の背面側に複数のボス233が設けられ、このボスを介して上扉30の側部138の正面側にねじ止めされるようになっている。また、LED基板231の背面側に駆動機構271が設けられている。LED基板231の正面側には、LED基板231のLEDの光の方向の変更や光の拡散や光の集光等を行うための略円板状のレンズ部材232が配置されている。
レンズ部材232が取り付けられた状態のベース部230の正面側には、筒状基部241が取り付けられる。この筒状基部241は、軸方向に短い略円筒状の部材であり、その背面寄りの部分の内側に上述の円板状のレンズ部材232が入り込んだ状態になっている。すなわち、筒状基部241は、LED基板231に搭載されたLEDの周囲を囲む円筒状の部材であり、筒状基部241の内部で、LED基板231のLEDより前側にレンズ部材232が配置される。筒状基部241内をLEDの光が通過する。
筒状基部241の略円筒状の本体の右側には、軸保持板部242が右に向かって延出している。この軸保持板部242は、板状の部材であるが、遮蔽部材212〜217の右側の軸部218を回転自在に保持する軸受部252の一部として機能する。軸保持板部242の筒状基部241側(基端側)は、筒状基部241の円筒形状に対応して略円弧状とされ、先端側は、中央部分が長く突出しているのに対して端側が短くなっており、略凸字状の形状となっている。すなわち、後述のように短い上下の端側の遮蔽部材212,217に対応する部分が短く、これら上下の端側の遮蔽部材212,217を除く4本の遮蔽部材213〜216を保持する部分が長くなっている。
また、略円筒状の筒状基部241の左側の正面側の端面が軸保持筒部243になっている。この軸保持筒部243は、遮蔽部材212〜217の左側の軸部219を回転自在に保持する軸受部253の一部として機能する。
筒状基部241の正面側には、シャッタ機構211が配置されている。シャッタ機構211は、上下6つの遮蔽部材212〜217により構成されている。各遮蔽部材212〜217の本体は、こられを合わせると略円板状になる板体となっている。すなわち、各遮蔽部材212〜217は、鉛直方向に面方向を沿わせた円板を水平方向の線分で略均等な上下幅に切断した際の、各切断部分に対応する形状を有する。
すなわち、一番上の遮蔽部材212の本体は、上側縁が円弧状にされ下側縁が直線状で、一番下の遮蔽部材217は、一番上の遮蔽部材212の上下を逆にした形状である。また、2番目および3番目の遮蔽部材213,214は、上下側縁が水平な直線状で左右側縁が下に行くほど幅が広くなる円弧状になっている。また、4番目および5番目の遮蔽部材215,216は、2番目および3番目の遮蔽部材213,214を上下逆にしたものである。また、各遮蔽部材212〜217の長さ(左右方向の長さ)は、最も上の遮蔽部材212と最も下の遮蔽部材217が最も短く、上下の略中央に配置される上から3番目の遮蔽部材214と、下から3番目の遮蔽部材215が最も長く、上から2番目および下から2番目の遮蔽部材213,216が上述の遮蔽部材212,217と、遮蔽部材214,215との間の長さになる。
各遮蔽部材212〜217の右端部には、本体から水平方向に沿って右に延出する軸部218が設けられている。また、遮蔽部材212〜217の左端部には、本体から水平方向に沿って左に延出する軸部219が設けられている。軸部218の端部には、クランク部(偏心軸部)220が設けられている。クランク部220は、軸部218の先端部(右側の端部)から軸部218の軸方向に直交する方向に延出する板状の延出部221と、この延出部221を介して軸部218の先端部に接続され、かつ、軸部218の軸方向に沿うとともに軸部218に対して延出部221の延出方向に偏心している偏心軸222とを備える。
延出部221は、軸部218の径よりも幅、長さとも長く、軸部218の外周からフランジ状に突出するとともに、軸部218の軸方向に直交する一方向に延出している。したがって、延出部221は、軸受部252の先端側の端面に当接可能になっている。なお、後述のように軸受部252の一部を構成する軸受構成部254の先端側の端面にだけ接触可能であり、軸受構成部254とともに、軸受部252を構成する軸保持板部242の先端側の端面には、接触しないようになっている。この延出部221が軸受部252の軸受構成部254の端面に当接することにより、延出部221が軸部218の軸受部252に対する抜け止めとして機能する。
偏心軸222は、軸部218と略同様の径を有するとともに、軸部218の軸心に対して偏心軸222の軸心が偏心軸222の径と略同じ長さ程度ずれている。
この偏心軸222を軸受筒部材256の軸方向に平行な方向に円弧移動させることにより、遮蔽部材212〜217を略90度回転させるようになっている。これにより、遮蔽部材212〜217は、鉛直方向に沿って配置されて、照明装置201の光を遮光する閉状態と、水平方向に沿って配置されて、照明装置201の光を透光する開状態とに変動可能になっている。
遮蔽部材212〜217の左側の軸部219の端部には、軸部219より径の大きな大径部223が設けられている。この大径部223が左側の軸受部253の軸受構成部255の先端側の端面に当接可能となっており、大径部223が軸部219の軸受部253に対する抜け止めとして機能する。
軸受筒部材256は、筒状基部241と略同径の軸方向に短い略円筒状の部材であり、本体の背面の右側に上述の軸受構成部254を6つの遮蔽部材212〜217に対応して6つ備えるとともに、本体の背面の左側に上述の軸受構成部255を6つ備える。
これら軸受構成部254,255は、本体の背面側端部から右または左に略水平に延出し、各軸受構成部254,255は、上下に6つずつ並んだ状態に設けられている。
また、軸受筒部材256の背面側の端面は、軸受構成部254,255の部分で円弧状に凹部が形成されている。また、各軸受構成部254,255は、断面略半円状に形成されており、軸部218または軸部219を回転自在に保持するようになっている。なお、各軸受構成部254、255の内径は、軸部218,219の外径より少し大きく、軸部218,219が余裕を持って回転自在に保持されている。
筒状基部241の正面に遮蔽部材212〜217を上下に並べて配置した状態で、筒状基部241の正面側に軸受筒部材256を配置して、筒状基部241に取り付けることにより、遮蔽部材212〜217の左右の軸部218、219が、軸受構成部254,255と、軸保持板部242または軸保持筒部243とからなる軸受部252,253に保持された状態となる。
この際に上述のように左側の軸受部253に対して左側の軸部219の端部の大径部223が左の軸部219の抜け止めとして機能し、右側の軸受部252に対して右側の軸部218の延出部221が右の軸部218の抜け止めとして機能する。したがって、左の軸受部253の端面に大径部223が接触した状態か、もしくは、右の軸受部252の端面に延出部221が接触した状態で、遮蔽部材212〜217が回転する状態となる可能性が高い。
この場合に左の軸受部253では、軸受構成部255が軸受筒部材256の円筒状の本体から左方向に突出しているのに対して、軸保持筒部243は、筒状基部241の円筒状の本体の正面の左側部分となっている。したがって、軸受部253を構成する左側の軸受構成部255の左側(先端側)の端面に対して、軸保持筒部243が右側にあり、軸受構成部255の端面と、軸保持筒部243の間には、軸受構成部255の軸方向に大きな間隔があけられている。したがって、大径部223は、軸受構成部255の端面だけに接触し、軸保持筒部243には接触しない。したがって、軸受構成部255の半円状の端面に対して、軸保持筒部243の部材が突出することがないので、軸受構成部255の端面に大径部223が接触した状態でも円滑に遮蔽部材212〜217が回転することができる。
また、同様に右の軸受部252では、軸受構成部254が、軸受筒部材256の円筒状の本体から右方向に延出する長さが、軸保持板部242の筒状基部241の円筒状の本体から右方向に延出する長さより長くなっている。これにより、図23(b)に示すように、軸受筒部材256から右側に延出する軸受構成部254の先端となる端面に対して、筒状基部241から右側に延出する軸保持板部242の先端となる端面が大きく左側に配置されている。なお、軸受構成部254の先端からはクランク部220を備える軸部218(図20に図示)が突出し、軸部218の軸受構成部254から突出する部分にクランク部220が設けられている。したがって、軸受構成部254(軸受部252の先端側の端面は、クランク部220を臨む位置に配置される。この軸受構成部254の先端となる端面にクランク部220の延出部221を当接させた場合に、クランク部220の延出部221と、軸保持板部242との間に広い間隙が生じることになる。
ここで、以下の説明において図24を参照するが、図24は、図23に示す本実施の形態の照明装置201の要部に対して、説明を分かり易くするための比較例となる照明装置の要部を示すものである。図23と図24の違いは、図23の軸保持板部242と、図24の軸保持板部242aの形状(延出長さ)だけであり、他の構成要素は図23と図24とで同様の構成となっている。
各構成部材の製造誤差や組立誤差がない理想的状態であれば、図24(b)に示すように、軸受構成部254の先端となる端面に対して、僅かに軸保持板部242aの先端となる端面が左にあれば、延出部221は、軸受構成部254だけに当接することが可能になる。
しかし、実際には、各部材の製造誤差や組立誤差により、図24に示す状態では、軸保持板部242aの右端面がさらに右側に配置される虞がある。この場合に、略半円状の軸受構成部254の先端の端面に対して、軸保持板部242aの先端部が突出することにより、延出部221に軸受部253の主要な構成要素ではない板状の軸保持板部242aの端面だけが接触する虞がある。この場合に、延出部221が軸保持板部242aに十分に案内される状態とならず、軸部218の円滑な回転が妨げられる虞がある。
それに対して、図23に示すように、この実施の形態では、上述のような誤差に対して大きな安全率を取って、軸保持板部242の先端が、軸受構成部254の先端より後退した状態(図中左側に配置された状態)で、軸受構成部254の端面から十分に離れているので、誤差によって、軸保持板部242の先端が突出する方向に移動しても、軸受構成部254の端面より右に突出することがない。
装飾カバー261は、サーチライトを模したデザインを有するカバーであり、照明装置201をサーチライトに見立てたデザインとするために、照明装置201を覆った状態となっている。また、サーチライトの光を透光する部分に対応して、透光板262を備える。透光板262は、例えば、透明でかつ色がついた部材で、遊技者からシャッタ機構211が視認可能になっており、シャッタ機構211の開閉が光の明るさの変化だけではなく、シャッタ機構211の遮蔽部材212〜217の動きで分かるようになっている。
駆動機構271は、図23に示すように駆動軸273を進退するソレノイド274と、駆動軸273に回転自在に設けられた第1リンク部材275と、第1リンク部材275に回転自在に連結されるとともに、支点279を中心に回転自在な第2リンク部材276と、第2リンク部材276とともに回転自在な一対の連結部材278と、連結部材278に連結される直動部材272とを備える。
直動部材272は、ベース部230に設けられた一対のガイド部281に前後方向に直線移動自在に嵌合するレール部282と、レール部282の正面側に略上下に設けられる軸係合部283と、連結部材278の先端部のU字状の部分が連結される一対の連結棒284とを備える。
軸係合部283は、上下方向に沿う2つの長孔が設けられており、上側の長孔に上側の3つの遮蔽部材212,213,214の偏心軸222が係合し、下側の長孔に下側の3つの遮蔽部材215,216,217の偏心軸222が係合している。なお、軸係合部283は、上述の各遮蔽部材212〜217の長さに対応して、最も上の遮蔽部材212の偏心軸222と最も下の遮蔽部材217の偏心軸222が係合する部分が左側に斜めになるように形成されている。一対の連結棒284は、前後に延在する上下のレール部282からそれぞれ反対のレール部282に向かって延出するとともに、互いに対向した状態となっている。
図23に示す駆動機構271は、例えば、シャッタ機構211を閉とした状態である。また、第1リンク部材275および第2リンク部材276は、水平で駆動軸273の軸方向に直交する軸回りに回転するようになっている。この状態から駆動軸273を後退させると、第1リンク部材275は、駆動軸273とともに後退しながら駆動軸273に設けられた回転軸を回転中心として図中時計回りに回転する。それに対応して、第2リンク部材276は、支点279を中心に図中反時計回りに回転するようになっている。連結部材278は、先端部が直動部材272の連結棒284に係合し、直動部材272を前側(正面側)に移動させる。
すなわち、駆動機構271では、ソレノイド274の駆動軸273の直線運動を回転運動に変換した後に、駆動軸273と直交する方向の直線運動に変換するようになっている。
直動部材272が前進すると直動部材272の軸係合部283に係合されている6つの遮蔽部材212〜217の偏心軸222が前側に移動させられる。この際に、偏心軸222は、遮蔽部材212〜217の左右の軸部218,219を回転軸として円弧移動する。これにより、偏心軸222に延出部221を介して接続される軸部218が回転し、軸部218とともに、遮蔽部材212〜217が略90度回転するまで、直動部材272が移動させられる。
これにより、遮蔽部材212の板状の部分が略鉛直方向に沿って配置されて閉じた状態のシャッタ機構211において、遮蔽部材212が略90度回転して、その板状の部分が略水平方向に沿って配置される。これによりシャッタ機構211が開放状態となる。
また、ソレノイド274において、駆動軸273を後退させた状態から前進させると、第1リンク部材275が駆動軸273にある回転軸回りに図中反時計回りに回転するとともに前進する。それに応じて、第2リンク部材276が支点279を回転軸として図中時計回りに回転する。これにより連結部材278が第2リンク部材276と一体に回転することで、直動部材272を後退させる。なお、上述のように直動部材272の進退方向と、ソレノイド274の駆動軸273の進退方向は、90度異なり、直動部材272の進退方向が照明装置201の背面から正面に向かう前後方向に一致する。
直動部材272が後退することにより、軸係合部283に係合した偏心軸222が円弧移動して後退する。これにより、直動部材272が前進した場合と逆に遮蔽部材212〜217が略90度回転し、シャッタ機構211が開放状態から遮蔽状態に戻る。以上のことからソレノイド274をオン・オフすることにより、サーチライト状の照明装置201のシャッタ機構211を開閉することが可能になる。
ここで、遮蔽部材212〜217が回転する際には、遮蔽部材212〜217の左側の軸部219が軸受部253に回転自在に支持され、右側の軸部218が軸受部252に回転自在に支持される。また、上述のように軸受部253を構成する軸受構成部255および軸保持筒部243のうちの軸受構成部255だけが左側の軸部219の末端の大径部223に当接可能とされている。また、上述のように軸受部252を構成する軸受構成部254および軸保持板部242のうちの軸受構成部254だけが右側の軸部218の末端の延出部221に当接可能とされている。
以上のことから、遮蔽部材212〜217の左右方向の移動範囲は、左右の軸受部252,253と、左側の軸部219の大径部223と、右の軸部218の延出部221とにより規制される。
遮蔽部材212〜217の上述の回転時には、左の軸受構成部255の端面に大径部223が当接するか、もしくは、右の軸受構成部254の端面に延出部221が当接した状態となる可能性が高く、いずれかの状態で遮蔽部材212〜217が回転する。この際に、大径部223に軸受部253の一部を構成する軸保持筒部243が当接することがなく、延出部221に軸受部252の一部を構成する軸保持板部242が当接することがない。特に、軸保持板部242の端面が軸受構成部254の端面より突出した状態となることがないので、遮蔽部材212〜217が円滑に回転できる。
ここで、軸保持板部242の端面は、軸受構成部254の端面より誤差範囲を越えて後退した状態(引っ込んだ状態)となっているので、成形誤差や組立誤差で、軸保持板部242の端面が、軸受構成部254の端面より突出することがない。
なお、上述の誤差の範囲は、周知の方法により算出される誤差の範囲か、実験的に求められる誤差の範囲であり、実際の軸保持板部242の端面と、軸受構成部254の端面との距離(間隙の長さ)は、前記誤差範囲に安全率をかけた値となる。また、実際の軸保持板部242の端面と、軸受構成部254の端面との距離は、上述のように求められる誤差の範囲の最大値を所定距離とした場合に、所定距離以上となっている必要がある。
したがって、誤差があっても、軸受構成部254の端面に当接した状態の延出部221と、軸保持板部242の端面との間には、間隙が形成されることになる。
また、本発明の実施の形態では、図3および図25に示すように、回転リール23の近傍(図3および図25において、回転リール23の近傍でかつ、当該回転リール23の左側斜め下方)に演出用の可動役物400が設けられている。この可動役物400は、円筒状の回転リールで構成され、その外周面には適宜の図柄が表示されている。
このような円筒状の可動役物400は、図26〜図28に示すように、当該可動役物400を周方向に3分割して形成された3枚のリール片400a,400b,400cを円筒状に接合することによって構成されている。これらリール片400a,400b,400cの外周面にはそれぞれ別の図柄が表示されている。
前記可動役物400の内部には、矩形板状のLED基板401が設けられており、このLED基板401に複数のLED401aが設けられている。これらLED401aは可動役物400を内側から照らす光源となるものである。LED401aは円筒状の可動役物400の軸方向に沿ってLED基板401上に所定間隔で複数配置されており、当該LED基板401の長手方向の両端部においては短手方向に離間して配置されている。LED基板401は、そのLED401aが設けられている表面を可動役物400の内周面に向けて配置されており、可動役物400が軸回りに回転して停止した際に、その3枚のリール片400a,400b,400cのいずれかがLED基板401に対向するようになっている。
前記円筒状の可動役物400の一端部にはフランジドラム402が可動役物400と同軸に固定され、他端部にはギヤドラム403が可動役物400と同軸に固定されている。
フランジドラム402とギヤドラム403とは可動役物400を支持する支持部材405に回転自在に設けられている。
支持部材405は、土台部406と土台部407とによって構成されている。
土台部406は、湾曲した板状の外周壁部406aと、この外周壁部406aの端部に設けられた端板部406bと、この端板部406bに設けられた取付部406cとによって構成されている。
そして、端板部406bに前記フランジドラム402が軸回りに回転可能に設けられている。また、外周壁部406aの内側に前記可動役物400が所定の隙間をもって設けられている。外周壁部406aの軸方向の長さは可動役物400の軸方向の長さとほぼ等しいか若干短くなっており、外周壁部406aの周方向の長さは、可動役物400を構成する一つのリール片400a(400b,400c)の周方向の長さより若干長くなっている。
また、前記土台部406は、図29および図30に示すように、取付部406cを中枠(バリア上ユニット)30aの下端部に設けられた取付台に固定することで、中枠30aの下端部に取付けられている。
前記土台部407は、図28に示すように、前記ギヤドラム403を軸回りに回転可能に収容する収容部407aと、この収容部407aに一体的に設けられてステッピングモータ等のモータ409に取付けられたギヤ410を軸回りに回転可能に収容する収容部407bと、収容部407bに前記土台部406の外周壁部406a側に向けて延出して形成された2つの延出片407c,407cと、収容部407aの外面に設けられた取付部407d,407eとによって構成されている。
そして、この延出片407c,407cの先端部が前記外周壁部406aの端部に重なるように内側から挿入されている。これによって、土台部406と土台部407とが一体化されている。
また、前記土台部407は、図27および図30に示すように、取付部407d,407eをバリア上ユニット(中枠)30aの下端部に設けられた取付台に固定することで、バリア上ユニット30aの下端部に取付けられている。
また、前記収容部407bには、図28に示すように、当該収容部407bを覆うようにしてモータ取付ベース板408が固定されており、このモータ取付ベース板408にステッピングモータ等のモータ409が取り付けられている。このモータ409の駆動軸はモータ取付ベース板408を貫通して前記収容部407bに突出しており、この駆動軸にギヤ410が結合されたうえで、収容部407bに軸回りに回転可能に収容されている。
そして、このギヤ410が前記ギヤドラム403の外周部のギヤに噛合している。したがって、モータ409が駆動することによって、ギヤ410、ギヤドラム403を介して可動役物400が軸回りに回転するようになっている。
また、可動役物400の内部には、図28および図31に示すように、光源となるLED401aからの光の照射範囲を規制する遮光部材420が設けられている。この遮光部材420は略半円筒状に形成された本体部421と、この本体部421の一方の端部に設けられた軸部422と他方の端部に設けられた軸部423とを備えている。
本体部421は前記LED基板401の裏面側を覆っており、当該LED基板401は、半円筒状の本体部421の正面開口部における軸方向に沿う左右に細長い当接面420a,420aに当接された状態で固定されている。
また、遮光部材420の軸部422は前記土台部406の端板部406bに固定され、軸部423は前記土台部407の収容部407aの底面部に固定されている。
また、遮光部材420には、光源となるLED401aから回転リール23方向へ向かう光を遮光する遮光部425,425が設けられている。
上方の遮光部425は前記本体部421の正面開口部の長手方向に沿う上縁部から前方に庇状に延出するものであり、LED基板401の長手方向に沿って長尺な板状に形成されている。下方の遮光部425は前記本体部421の正面開口部の長手方向に沿う下縁部から前方に庇状に延出するものであり、LED基板401の長手方向に沿って長尺な板状に形成されている。
これら遮光部425,425は平行に設けられ、この遮光部425,425の奥側に前記LED基板401が配置されている。遮光部425,425の先端縁部は円筒状の可動役物400の内周面に所定の隙間をもって近接するとともに、当該可動役物400を構成するリール片400a,400b,400cのいずれかがLED基板401の前方側に位置した際におけるいずれかのリール片の周方向の縁部に近接している。
したがって、LED基板401上のLED401aからの光は、遮光部材420によって遮光されるとともに、遮光部425,425によって、LED401aからの光の照射範囲Aが規制される。したがって、LED401aからの光は、回転リール方向へ向かうものが遮光されるとともに、可動役物400を構成するリール片400a,400b,400cのうち、当該可動役物400が回転して停止した際の、LED基板401の前方側に位置するリール片に照射されるようになっている。
また、支持部材405は、可動役物400の一部を前記照射範囲Aを除いて覆う外周壁部(壁部)406aと、前記LED(光源)401aと回転リール23との間に設けられた開口部430を備えている。すなわち、図25および図31に示すように、支持部材405を構成する土台部406は外周壁部406aを備えており、この外周壁部(壁部)406aは、前記照射範囲Aを除いて、可動役物400の下側において、当該可動役物400を、その周方向の略1/3に相当する長さより若干長い範囲を覆うようにして設けられている。
また、可動役物400の上側においては、前記外周壁部406aは設けられておらず、空間となっており、この空間の一部が前記開口部430を構成している。
さらに、可動役物400の上側においては、LED401aと遮光部425,425とを結ぶ線分の延長線間で前記外周壁部406aが設けられておらず、空間となっている。
このように、外周壁部406aは、可動役物400の下側において、当該可動役物400の周方向の略1/3に相当する長さより若干長い範囲の外周面を覆っているだけで、その他の可動役物400の外周面は覆っていない。
なお、可動役物400の端面側は、前記土台部406,407によって覆われている。
このような、可動役物400を支持部材405によって、バリア上ユニット30aの下端部に取り付けた状態において、当該可動役物400の上側でかつ前記外周壁部406aが設けられていない部分は、図25、図29および図30に示すように、中枠(バリア上ユニット)30aに設けられた略水平な壁部30dによって覆われている。したがって、この壁部30dの先端縁部と前記外周壁部406aの上端縁部と土台部406,407(図30参照)との間に矩形の前記開口部430が形成されている。この開口部430は、上述したように、LED(光源)401aと回転リール23との間に設けられており、当該回転リール23側に向けて開口している。
また、矩形の開口部430は可動役物400を構成するリール片400a,400b,400cのうちのいずれかを視認できるような大きさとなっている。
本実施の形態によれば、可動役物400の内部に、光源となるLED401aから回転リール方向へ向かう光を遮光する遮光部材420が設けられているので、回転リール方向へ向かう光を確実に遮光できるとともに、遮光部材420に、LED401aからの光の照射範囲Aを規制する遮光部425,425が設けられているので、当該光を確実に可動役物400に照射できる。
また、支持部材405は、可動役物400を照射範囲Aを除いて覆う外周壁部406aと、LED(光源)401aと回転リール23との間に設けられた開口部430とを備えているので、この開口部430の分、支持部材405の占める体積が小さくなる。このため、支持部材405を含む役物全体を省スペースで筐体内に設置できる。
さらに、支持部材405は、前記開口部430を備えているので、この開口部430を通して可動役物400のメンテナンスを容易に行える。
なお、本実施の形態では、円筒状の回転リールで構成された可動役物400を例にあげて説明したが、可動役物は回転リールに限ることはなく、例えば、上下または/および左右方向に移動する可動役物であってもよい。
また、本実施の形態では、可動役物400を、図3および図25において、回転リール23の近傍でかつ、当該回転リール23の左側斜め下方に配置したが、この可動役物400は回転リール23の近傍で、かつ遊技者が外部から視認可能な位置であれば、回転リール23の上方、側方等いずれに配置してもよい。
さらに、本実施の形態では、遮光部425によって、LED401aの光が、回転リール23に届くことがなく、当該回転リール23の視認性を損なうことを防止できるため、遮光部425の外側に位置する支持部材405の部分に、開口部430を形成可能である。つまり、LED401aから回転リール23への光路で、かつ遮光部425によって遮蔽されている支持部材405の部分であれば、開口部430を形成可能である。
また、本発明の実施の形態では、図32および図33に示すように、前面扉(上扉)30に開口部(画像表示窓37)501が設けられており、この開口部501は前記カバー部材500によって前面扉30の裏側から覆われている。
なお、前面扉30は、上述したように、中枠30aと外枠30bとから構成され、当該外枠30bは後述するように、キャビネット上前部700と、キャビネット上部701とから構成されている。そして、前記開口部501はキャビネット上部701に設けられている。
前記開口部501は、前面扉30に形成された矩形状の正面開口部501aと、この正面開口部501aの下縁に当該正面開口部501aと連続して形成された下面開口部501bとで構成されている。前面扉30はその正面側において上部が下部より前方に突出しており、この上部と下部との境界部において前記下面開口部501bが設けられている。
このような開口部501が前記カバー部材500によって前面扉30の裏面側から覆われている。
カバー部材500は透明なアクリル板によって断面L形に形成されており、正面カバー部材500aとこの正面カバー部材500aの下縁に当該正面カバー部材500aと直角より若干大き目の鈍角に一体的に形成された下面カバー部材500bとから構成されている。
正面カバー部材500aの上縁には、複数の切欠部500cが所定間隔で形成されている。また、正面カバー部材500aには側方に延出する耳部500d,500dが形成されており、この耳部500dの下端部近傍に切欠部500cが形成されている。正面カバー部材500aの長辺方向および短辺方向の長さは前記正面開口部501aの長辺方向および短辺方向より若干長くなっている。
また、下面カバー部材500bの長辺方向の長さは前記下面開口部501bの長辺方向の長さをほぼ等しく、下面カバー部材500bの短辺方向の長さは下面開口部501bの短辺方向の長さより若干長くなっている。
また、前面扉30の裏面には、図35に示すように、前記正面開口部501aの上縁部と両側縁部に沿って枠材502が設けられている。この枠材502には、複数のボス(係合部)505が所定間隔で複数突出して形成されている。このボス505の位置は、前記正面カバー部材500aに形成された切欠部500cの位置および正面カバー部材500aと耳部500dとの隅部の位置と対応している。
したがって、図36に示すように、カバー部材500を前面扉30の裏側から開口部501に向けて配置するとともに、正面カバー部材500aの上縁部および側縁部を、前記枠材502に当接するとともに、ボス(係合部)505に、前記切欠部500cおよび正面カバー部材500aと耳部500dとの隅部を係合することによって、当該正面カバー部材500aは位置決めされている。なお、このようにして正面カバー部材500aに係合しているボス505は正面カバー部材500aの裏面より突出した状態となっている。
また、下面カバー部材500bは、その短辺方向に沿う両側縁部が下面開口部501bの短辺方向に沿う縁部に当接されることによって、位置決めされている。
このようにして、カバー部材500が位置決めされ、当該カバー部材500によって開口部501が覆われている。
そして、前記カバー部材500は、その外周縁部に、前面扉30の裏側から押え部材510が重ねられたうえで、当該押え部材510によって前面扉30の裏面に固定されている。
すなわちまず、図33および図34に示すように、押え部材510はポリカーボネイトによって形成され、上押え部材511と、左右一対の側押え部材512,512と、下押え部材513とで構成されている。
上押え部材511は断面L形に形成された左右に長尺な部材であって、前記正面カバー部材500aの上縁部とほぼ等しい長さとなっている。また、上押え部材511は、カバー部材500の裏面に当接する当接部511aと、この当接部511aに対して突出して設けられた突出部511bとを備えており、突出部511bの突出長さはカバー部材500の厚さとほぼ等しいか若干短くなっている。
また、上押え部材511の当接部511aの表面には、2つの円柱状の凸部511c,511cが上押え部材511の長手方向の中央部と左端部に形成されており、この凸部511cには、当該凸部511cおよび当接部511aを貫通する貫通孔511dが形成されている。また、上押え部材511の左端部にはプレート511fが上押え部材511から上方に延出するようにして設けられており、このプレート511fには、当該プレート511fおよび当接部511aを貫通する貫通孔511dが形成されている。
貫通孔511dは前記ボス(係合部)505に対応した位置に形成されており、当該貫通孔511dは、当接部511aの裏面側からボス505が挿入可能な大きさとなっている。
側押え部材512は、全体的に略L形に形成されており、前記正面カバー部材500aの側縁部を押える第1側縁部押え部512aと、下面カバー部材500bの短辺方向に沿う側縁部を押える第2側縁部押え部512bと、下面カバー部材500bの長辺方向に沿う縁部の両端部に当接される当接部512cとを備えており、第1側縁部押え部512aと第2側縁部押え部512bとの間には三角形状の補強リブ512dが設けられている。
第1側縁部押え部512aは、断面L形に形成されており、カバー部材500の裏面に当接する当接部512eと、この当接部512eに対して突出して設けられた突出部512fとを備えており、突出部512fの突出長さはカバー部材500の厚さとほぼ等しいか若干短くなっている。
前記当接部512eの表面には、2つの円柱状の凸部512g,512gが第1側縁部押え部512aの上端部と下端部とに形成されており、この凸部512gには、当該凸部512gおよび当接部512eを貫通する貫通孔512hが形成されている。
貫通孔512hは前記ボス(係合部)505に対応した位置に形成されており、当該貫通孔512hは、当接部512eの裏面側からボス505が挿入可能な大きさとなっている。
前記第2側縁部押え部512bは、帯板状に形成されており、その長さは前記下面カバー部材500bの短辺方向の長さとほぼ等しくなっている。
前記当接部512cは、矩形板状に形成されており、第2側縁部押え部512bの先端部に設けられている。また、当接部512cの表面には、円柱状の凸部512gが形成されており、この凸部512gには、当該凸部512gおよび当接部512cを貫通する貫通孔512hが形成されている。
前記下押え部材513は、断面L形に形成された左右に長尺な部材であって、前記下面カバー部材500bの長辺方向に沿う縁部より前記当接部512cの分だけ短く形成されている。
また、下押え部材513は、下面カバー部材500bの表面に当接する当接部513aと、この当接部513aに対して下方に突出して設けられた突出部513bとを備えており、突出部513bの突出長さは下面カバー部材500bの厚さより十分に長くなっている。
また、突出部513bの表面には、円柱状の凸部513gが左右に離間して形成されており、この凸部513gには、当該凸部513gおよび突出部513bを貫通する貫通孔513hが形成されている。
なお、図35に示すように、前面扉30の裏面には、前記開口部501の下方に位置する壁部に複数のボス505が左右に所定間隔で形成されている。このボス505は、当接部512cに形成されている貫通孔512hおよび前記下押え部材513に形成されている貫通孔513hに対応する位置に配置されている。また、貫通孔512h,513hは、裏面側から前記ボス505が挿入可能な大きさとなっている。
また、図32、図35、図38および図39に示すように、前面扉30の裏面において前記開口部501の周囲の一部に、前面扉30の裏面に対して直角に立ち上がる立壁515,516が前記開口部501の周囲に沿って設けられている。
立壁515は、前記開口部501の上縁部に沿って配置されており、当該上縁部に設けられた前記枠材502に形成されている。また、立壁516は、開口部501の側縁部に沿って配置されており、当該側縁部に設けられた前記枠材502に形成されている。
そして、前記上押え部材511、左右一対の側押え部材512,512、下押え部材513は以下のようにして、カバー部材500の上縁部、両側縁部、下縁部に重ねられたうえで、前面扉30の裏面にねじ(止着材)520によって固定されている。
すなわちまず、前記上押え部材511は、その当接部511aが正面カバー部材500aの裏面の上縁部に当接されるとともに、貫通孔511dに開口部501の上縁部側に位置している前記ボス505が挿入されることによって、正面カバー部材500aの上縁部に重ねられている。
また、当接部511aに設けられた貫通孔511dにねじ520を挿入し、前記ボス505に形成されているねじ孔にねじ込むことによって、上押え部材511は前面扉30の裏面に固定されている。
また、上押え部材511の突出部511bは正面カバー部材500aの上端面に当接または近接されるともに、前記立壁515と正面カバー部材500aとの間に配置されている。
前記側押え部材512の第1側縁部押え部512aは、その当接部512eが正面カバー部材500aの裏面の側縁部に当接されるとともに、貫通孔512hに開口部501の側縁部側に位置している前記ボス505が挿入されることによって、正面カバー部材500aの側縁部に重ねられている。
また、当接部512eに設けられた貫通孔512hにねじ520を挿入し、前記ボス505に形成されているねじ孔にねじ込むことによって、第1側縁部押え部512aは前面扉30の裏面に固定されている。
また、第1側縁部押え部512aの突出部512fは正面カバー部材500aの側端面に当接または近接されるともに、前記立壁515と正面カバー部材500aとの間に配置されている。
前記側押え部材512,512の第2側縁部押え部512b,512bは、その側端面が下面カバー部材500bの短辺側の両側端面にそれぞれ当接されることによって、下面カバー部材500bの左右方向の位置ずれを防止している。
前記側押え部材512の当接部512cは、下面カバー部材500bの長辺側の側端面の端部に当接されることによって、下面カバー部材の後方向への位置ずれを防止している。また、当接部512cに設けられた貫通孔512hに、前面扉30の裏面の壁部に設けられたボス505が挿入されたうえで、貫通孔512hにねじ520を挿入し、前記ボス505に形成されているねじ孔にねじ込むことによって、当接部512cは前面扉30の裏面の壁部に固定されている。
前記下押え部材513は、その当接部513aが下面カバー部材500bの裏面の上縁部に当接されることによって、下面カバー部材500bの下縁部に重ねられている。なお、下面カバー部材500bは正面カバー部材500aに対して直角より若干大きめの鈍角に設けられることで、水平に対して若干傾いて配置されているが、ここでは当該下面カバー部材500bの手前側の縁部を下縁部と称する。
また、下押え部材513の突出部513bは、下面カバー部材500bの手前側の側端面に当接されるとともに、前面扉30の裏面に設けられた壁部に当接されている。さらに突出部513bは、当該突出部513bに設けられた貫通孔513hに、前面扉30の裏面の壁部に設けられたボス505が挿入されたうえで、貫通孔513hにねじ520を挿入し、前記ボス505に形成されているねじ孔にねじ込むことによって、前面扉30の裏面の壁部に固定されている。
なお、本実施の形態では、前面扉30に設けられた開口部501が正面開口部501aと下面開口部501bとから構成されていることから、当該開口部501を覆うカバー部材500を、正面開口部501aを覆う正面カバー部材500aと、下面開口部501bを覆う下面カバー部材500bとからなる断面L形に形成したが、前面扉30に設けられる開口部が矩形の正面開口部だけで構成される場合、カバー部材500も正面カバー部材500aだけで構成すればよい。
この場合、正面カバー部材500aの下縁部は上縁部を押える上押え部材511を上下反転してなる押え部材を使用するとともに、正面開口部501aの下縁部に沿って立壁を形成し、上押え部材511と同様にして固定すればよい。
本実施の形態によれば、カバー部材500の正面カバー部材500aが、前面扉30の裏面に、正面開口部501aの周囲に配置されたボス(係合部)505に係合されて位置決めされ、下面カバー部材500bは、その短辺方向に沿う両側縁部が下面開口部501bの短辺方向に沿う縁部に当接されて位置決めされているので、カバー部材500を前面扉30の裏面に正確に位置決めできる。
そのうえで、カバー部材500の外周縁部に、前面扉30の裏側から押え部材510(上押え部材511、側押え部材512、下押え部材513)が重ねられたうえで、当該押え部材510が前面扉30の裏面に設けられたボス(係合部)505のねじ孔にねじ520を押え部材510を貫通してねじ込むことで、固定されているので、カバー部材500を押え部材510と前面扉30の裏面とで挟み込んで固定できるとともに、当該カバー部材500には、ねじ(止着材)520がねじ込まれることがないので、当該カバー部材500の破損を防止できる。
また、前面扉30の裏面に、開口部501の周囲のうちの上縁部と側縁部に沿って、立壁515,516が設けられ、上押え部材511の当接部511aと側押え部材512の当接部512eがカバー部材500の裏面に当接され、上押え部材511の突出部511bと側押え部材512の突出部512fがカバー部材500の外周面に当接または近接されるとともに立壁515,516とカバー部材500との間に配置されている。
したがって、当接部511a,512eによってカバー部材500の厚さ方向へのガタツキを防止でき、また、突出部511b,512fがカバー部材500の外周面に当接されていることによって、当該突出部511b,512fによってカバー部材500の面方向へのガタツキを防止できる。
また、突出部511b,512fが立壁515,516とカバー部材500との間に配置されているので、突出部511b,512fと立壁515,516とがカバー部材500の面方向において重なる。したがって、カバー部材500の表面においてその面方向からのピアノ線等による侵入による不正行為を防止できる。
また、下面カバー部材500bの内側を向く側端面は下押え部材513の突出部513bに当接されているので、下面カバー部材500bの下面においてその面方向からのピアノ線等による侵入による不正行為を防止できる。
さらに、押え部材510が、上押え部材511と、左右一対の側押え部材512,512と、下押え部材513とを備えているので、カバー部材500の上縁部、左右側縁部、下縁部を、それぞれ上押え部材511、左右一対の側押え部材512,512、下押え部材513によって確実に固定できる。
なお、本実施の形態では、押え部材510をボス505にねじ520によってねじ止めすることによって、前面扉30の裏面に固定したが、これに限ることなく、例えば、押え部材510をねじ等の止着材によって直接前面扉30の裏面に固定してもよい。
また、本発明の実施の形態では、図4に示すように、前面扉(上扉)30は、外枠(キャビネット上ユニット)30bに、中枠(バリア上ユニット)30aを嵌め込んで構成されており、図40および図42に示すように、前記中枠(バリア上ユニット)30aの下半分に、矩形状の開口部601が設けられている。
一方、図4に示すように、前記前面扉30の外枠30bに、矩形状の開口部(画像表示窓37)501と開口部(図柄表示窓31)501Aが設けられており、開口部501は前記カバー部材500によって覆われている。また、開口部501Aには、カバー部材等は設けられておらず、当該開口部500Aには、中枠30aに設けられた開口部601が臨んでいる。
前記中枠30aには、図7および図42に示すように、開口部601を覆う透明なカバーパネル600が設けられている。このカバーパネル600は、筐体内に設けられたリール23と前記円筒状の可動役物400を前面扉30の外側から目視するためのものであり、中枠30aの前面に以下のようにして取り付けられている。
すなわちまず、カバーパネル600は透明なアクリル板等によって矩形板状に形成されており、その下縁部の中央部には切欠部600aが形成されている。
一方、中枠30aの前面には、図7および図40に示すように、当該前面から立ち上がる左右一対の立壁602,602が開口部601の縦方向に沿う短辺に沿って当該短辺より若干外側に互いに平行に形成されている。立壁602は開口部601の上端部から中枠30aの下端部まで延びるようにして形成されている。また、中枠30aの下縁部の中央部には、凸部603と鈎状の係止爪604が設けられている。
そして、立壁602,602間にカバーパネル600を配置するとともに、その切欠部600aを前記凸部603に係合したうえで、カバーパネル600の下縁部の表面に係止爪604を係止することによって、当該カバーパネル600の下縁部が中枠30aに固定されている。
一方、カバーパネル600の上縁部は以下のようにして中枠30aに固定されている。
すなわちまず、中枠30aには、図7および図40に示すように、リフレクタ605が開口部601の上縁部に沿って設けられている。
リフレクタ605は、図41に示すように、前面と背面が開口した筐体605aと、この筐体605a内に設けられた複数の隔壁605bと、筐体605aの上面に当該筐体605aの長手方向に沿って設けられた2つのレール部605c,605dと、筐体605aの下面に当該筐体605aの長手方向に沿って設けられた凸条部605e(図40参照)と、筐体605aの両端部に設けられた取付部605f,605fと、略中央部に設けられた取付部605fを備えている。
筐体605aは前記開口部601の長辺の長さより若干短くなっており、当該開口部601の上縁部に沿って、当該開口部601より若干上側に配置されている。
隔壁605bは筐体605aの長手方向に沿って所定間隔で6個形成されており、これら隔壁605bと筐体605aの端面壁とによって、筐体605aの内部が7つの部屋606a〜606gに仕切られている。6個の隔壁605bはそれぞれ水平面に対して傾斜するとともに、折れ壁状に形成されている。このように隔壁605bを形成することによって、光源607からの光を所望の方向に反射させることができる。
リフレクタ605の各部屋の後方には、図7に示すように、少なくとも1個の光源(LED)607が配置され、当該光源607は中枠30aに設けられている。
前記部屋606b,606d,606fは、他の部屋606a,606c,606e,606gより横方向の長さが長くなっており、部屋606b,606d,606fの後方にそれぞれ光源607が2個ずつ、部屋606a,606c,606e,606gの後方にそれぞれ光源607が1個ずつ配置されている。
中枠30aの開口部601の後方に横方向に並んで配置されている3個のリール23…の前記開口部601に臨む外周面の上方に、それぞれ部屋606b,606d,606fが対応して配置されている。
前記複数の光源607はLED基板に取り付けられている。一方、中枠30aの前記リフレクタ605を取付ける壁部には、各光源607を臨ませる矩形状の複数の開口部が形成されている。そして、前記LED基板を保持する保持部材608(図42参照)を前記壁部の裏面に取り付けるとともに、光源607をそれぞれ開口部に挿入して臨ませることによって、当該光源607がリフレクタ605の前記各部屋606a〜606gの後方に配置されている。
リフレクタ605は、その取付部605f,605fと、部屋606fに設けられた取付部605fを中枠30aの前記壁部にねじ止めすることによって当該中枠30aに固定されている。
また、図43および図44に示すように、リフレクタ605の下面に設けられている凸条部605eは、前記カバーパネル600の上縁部の表面に当接している。したがって、この凸条部605eと前記壁部との間でカバーパネル600の上縁部が挟み込まれ、これによって、当該上縁部が中枠30aの壁部に固定されている。
また、リフレクタ605の上面に設けられている2つのレール部605c,605dには、それぞれ前記可動役物100,101が左右に移動可能に設けられている。
すなわちまず、レール部605cはリフレクタ605の上面において手前側に設けられた2つの凸条部605g,605g間に設けられている。
また、レール部605dは、奥側の凸条部605gと、前記リフレクタ605を取り付ける壁部に水平に突出して設けられた凸条部605hとの間に設けられている。また、レール部605dの方がレール部605cに比してレール幅が大きくなっている。
前記レール部605cには可動役物100,101の下部にそれぞれ設けられたスライダ610a,610aが摺動可能に設けられている。左右一対の可動役物100,101のスライダ610a,610aがレール部605cを左右に摺動することによって、可動役物100,101が左右に接離移動するようになっている。
このような可動役物100,101は、上述した移動機構110,111によって左右に移動されるようになっている。
また、前記レール部605dには可動役物611の下部に一体的に設けられたスライダ部611aが摺動可能に設けられている。可動役物611は左右一対あり、それらのスライダ部611aがレール部605dを左右に摺動することによって、可動役物611,611が左右に接離移動するようになっている。
また、このような可動役物611を移動させる機構は以下のとおりである。
すなわちまず、中枠30aの開口部620の上縁部には、左右一対の役物ユニット621,621が設けられている。この役物ユニット621は、前記可動役物611と、この可動役物611を左右に移動させる移動機構622とから構成されている。
なお、中枠30aの裏面には液晶表示装置34が設けられており、この液晶表示装置34の画面が前記開口部620に臨んでいる。また画面には透明な保護シートが設けられている。
可動役物611は半円弧状に形成されており、その下端部に前記スライダ部611aが設けられている。
移動機構622は、図40および図42に示すように、中枠30aの開口部620の上縁部に左右に延在して固定されたベース部622aと、このベース部622aに沿って移動可能なスライダ622bと、このスライダ622bに設けられたラック622cと、前記ベース部622aに設けられたモータ622dと、このモータ622dの駆動軸に取り付けられて、前記ラックに噛合するピニオンギヤ622eを備えている。
そして、このような構成の移動機構622では、モータ622dの駆動軸が正逆方向に回転すると、ピニオンギヤ622eが正逆方向に回転し、これによって、ラック622cが左右に移動する。したがって、このラック622cが取り付けられているスライダ622bがベース部622aに沿って左右に移動し、この結果、可動役物611が左右に移動するようになっている。
また、前記中枠30aの両側部には、図42に示すように、当該両側部を矩形状に切り欠いてなる切欠部630,630が形成されている。この切欠部630は中枠30aの下半分側に設けられた前記開口部601を挟んで対称的に配置されており、中枠30aの側部を開口部601の縦辺付近まで切り欠くことによって形成されている。
このような切欠部630,630には図示しないハーネス等の配線が横方向から挿入されて通されたうえで、中枠30aの裏側に引き出され、所定の回路基板等に接続されている。また、前記中枠30aの表側に引き出されているハーネス等配線は、前記可動役物100,101,611やスピーカ35,36、その他各種電装部品に接続されている。
このように中枠30aの両側部に切欠部630,630を形成することによって、各種配線が容易となる。すなわち、従来は例えば、中枠30aの所定の位置に所定形状の貫通孔を形成し、この貫通孔に配線を通すようにしていたが、この場合、配線を前記可動役物やスピーカ35,36、その他各種電装部品に接続したうえで、当該配線を貫通孔に通さなければならないため、中枠を立てた状態で保持しなければ配線を貫通孔に通し難い。
これに対し、本実施の形態では、中枠30aの両側部に切欠部630,630が形成されているので、中枠30aや外枠30bを横に寝かした状態で、配線を前記可動役物やスピーカ35,36、その他各種電装部品に接続したうえで横方向に引き出し、切欠部630,630に横方向から挿入して通すことで、中枠30aの裏側に容易に配線を引き出すことができる。したがって、従来に比して各種配線が容易となる。
本実施の形態によれば、前面扉30を構成する中枠30aにリフレクタ605が中枠30aに設けられた開口部601の上縁部に沿って設けられ、このリフレクタ605に、中枠30aに設けられた各光源607からの光の相互の干渉を防止するための隔壁605bが設けられ、当該リフレクタ605の上面に可動役物100,101,611を移動させるためのレール部605c,605dが設けられるとともに、カバーパネル600の上縁部が当該リフレクタ605の凸条部605eによって中枠30aの前面に固定されているので、光源607からの光の相互干渉防止機能、可動役物610,611の左右方向への移動案内機能、カバーパネル600の上縁部を中枠30aに固定する機能をまとめてリフレクタ605に備えることができる。したがって、部品点数の削減、取付スペースの縮小化を図ることができる。
なお、本実施の形態では、前記前面扉30を、外枠(キャビネット上ユニット)30bと、この外枠30bに嵌め込んだ中枠(バリア上ユニット)30aとによって構成したものを例にとって説明したが、本発明は、中枠がなく、外枠だけで構成された前面扉30にも適用できる。
また、本発明の実施の形態では、図45および図46に示すように、前記上扉30の外枠(キャビネット上ユニット)30bは、キャビネット上前部700と、このキャビネット上前部700の前面上部に接合されたキャビネット上部701とから構成されている。
キャビネット上前部700はその内部に前記中枠30aが設けられるもので、その上半分の開口縁部には、前方に突出するフランジ部700aが設けられている。そして、このフランジ部700aと、キャビネット上前部700の上面および両側面との間に前記キャビネット上部701の背面側の端面が当接する当接面が設けられている。
キャビネット上部701は、前記スピーカ35,36が設けられるもので、前記カバー部材500が設けられる開口部501を有しており、背面側は大きく開口している。また、キャビネット上部701はキャビネット上前部700の上下の高さの略半分程度の高さとなっている。
そして、キャビネット上部701はその背面側の開口部縁部をキャビネット上前部700のフランジ部700aに外側から重ね合わせるとともに、キャビネット上前部700の前面の開口の上縁部、側縁部等に設けられた係止爪をキャビネット上部701に係止し、さらに所定の位置でねじ止めすることによって、キャビネット上前部700に接合されて一体化されている。
このように、外枠(キャビネット上ユニット)30bを、キャビネット上前部700と、このキャビネット上前部700の前面上部に接合されたキャビネット上部701とから構成することによって、外枠(キャビネット上ユニット)30bの上半部を前方に容易に突出させることができる。したがって、この上半分の内部空間を容易に大きくすることができるので、この内部空間に上述した役物ユニット100,101,611を容易に設けることができる。
また、キャビネット上部701の開口部縁部をキャビネット上前部700のフランジ部700aに外側から重ね合わせているので、キャビネット上部701とをキャビネット上前部700との接合部からの不正侵入を防止できる。
また、前記キャビネット上部701には、略同形同大の左右一対のスピーカ35,36が設けられている。
すなわち、キャビネット上部701の上部の両隅部には、それぞれ開口部が設けられており、両開口部の縁部にキャビネット上部701の裏側からスピーカ35,36が取り付けられている。これらスピーカ35,36はキャビネット上部701の正面において、上部の開口部に臨んでおり、正面には当該開口部とスピーカ35,36を覆うスピーカーカバー713,713が設けられている。
なお、図47に示すように、キャビネット上部701の裏面側において、左側にスピーカ36が設けられ、右側にスピーカ35が設けられているので、ここでは、スピーカ36を左側のスピーカ、スピーカ35を右側のスピーカとする。ただし、キャビネット上部701の正面においては、スピーカ35,36の左右が逆になるのはいうまでもない。
左右一対のスピーカ36,35は、キャビネット上部701の裏面の上部において、左右両側部に位置決めして取り付けられるが、スピーカとしては略同形同大で同構造のものとなっている。
スピーカ36,35は全体形状が左右に長い略長方形状に形成されており、互いに左右対称となるようにして配置されている。
左側(一方)のスピーカ36の右側(他方)のスピーカ35に近い部位には、つまり、スピーカ36の右側部には、右側(他方)のスピーカ35側に向けて延びる配線接続部715が設けられている。
また、右側(他方)のスピーカ35の左側(一方)のスピーカ36に近い部位には、つまり、スピーカ35の左側部には、左側(一方)のスピーカ36側に向けて延びる配線接続部716が設けられている。
配線接続部715,716は、スピーカ36,35のボイスコイル等を有する中央部からキャビネット上部701の左右中央部側に向けて延びており、キャビネット上部701の裏面から見て、その先端はスピーカ36,35の右側部および左側部とほぼ等しい位置にある。
一方、キャビネット上部701には、左右一対のスピーカ36,35を左右逆にセットしようとした場合に配線接続部715,716に干渉する干渉部材717,718が設けられている。
すなわち、キャビネット上部701の裏面側から見て左側壁には、干渉部材717が前記左側のスピーカ35の左側部に向けて突出している。この干渉部材717は略矩形板状となっており、キャビネット上部701と一体的に形成されている。干渉部材717の先端部は、キャビネット上部701の裏面側から見て、スピーカ36の左側部に重なっているが、当該スピーカ36の左側部と干渉部材717との間にはスピーカ36の厚さ方向において所定の隙間が設けられている。また、干渉部材717と前記配線接続部715とのスピーカ36の厚さ方向(キャビネット上部701の厚さ方向)の位置はほぼ等しくなっている。
したがって、配線接続部715を干渉部材717の方向に向けてスピーカ36をセットしようとした場合、配線接続部715が干渉部材717に干渉してセットできない。
同様に、キャビネット上部701の裏面側から見て右側壁には、干渉部材718が前記右側のスピーカ35の右側部に向けて突出している。この干渉部材718は干渉部材717と左右対称に配置され、略矩形板状となっており、キャビネット上部701と一体的に形成されている。干渉部材718の先端部は、キャビネット上部701の裏面側から見て、スピーカ35の右側部に重なっているが、当該スピーカ35の右側部と干渉部材718との間にはスピーカ35の厚さ方向において所定の隙間が設けられている。また、干渉部材718と前記配線接続部716とのスピーカ35の厚さ方向(キャビネット上部701の厚さ方向)の位置はほぼ等しくなっている。
したがって、配線接続部716を干渉部材718の方向に向けてスピーカ35をセットしようとした場合、配線接続部716が干渉部材718に干渉してセットできない。
また、前記左側のスピーカ36をキャビネット上部701の右側に配置するとともに、配線接続部715を干渉部材718側に向けてセットしようとすると、当該配線接続部715が干渉部材718に干渉してセットできないし、右側のスピーカ35をキャビネット上部701の左側に配置するとともに、配線接続部716を干渉部材717側に向けてセットしようとすると、当該配線接続部716が干渉部材717に干渉してセットできない。
このように本実施の形態では、キャビネット上部701に干渉部材717,718が設けられているので、左右のスピーカ36,35のそれぞれの配線接続部715,716を逆方向に向けてスピーカ35,36をセットしようとした場合、当該配線接続部715,716が干渉部材717,718に干渉するため、配線接続部715,716を逆方向に向けてスピーカ35,36をセットすることができない。つまり、配線接続部715,716が正しい向きに向いていないと、スピーカ36,35をセットすることができない。このため、作業者のスピーカ36,35の取付け間違いを確実に防止できる。
また、左右のスピーカ36,35の配線接続部715,716には、スピーカ36,35に音声信号を伝達するためのハーネス720,720がそれぞれ接続される。このハーネス720,720は配線接続部715,716と逆側から這い回されて、当該配線接続部715,716に接続されるが、その際当該ハーネス720,720を干渉部材717,718によって押えることができる。つまり、干渉部材717,718とスピーカ36,35が設置されている部分との間には隙間があるので、この隙間にハーネス720,720を通して干渉部材717,718によって押えることができる。したがって、当該干渉部材717,718をハーネス押えとしても利用できる。
なお、本実施の形態では、上扉30の外枠(キャビネット上ユニット)30bを、キャビネット上前部700と、キャビネット上部701とから構成し、このキャビネット上部701にスピーカ35,36を取り付ける場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限ることなく、キャビネット上前部とキャビネット上部が一体的に構成された外枠にスピーカ35,36を取り付ける場合にも適用できるのは勿論である。
また、本実施の形態では、キャビネット上部701に略同形同大の左右一対のスピーカ36,35を設ける場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、略同形同大の上下一対のスピーカを設ける場合も適用できるのは言うまでもない。