JP6298532B2 - Hcvのヌクレオシド阻害剤の結晶形 - Google Patents

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Description

本発明は、HCVのヌクレオシド阻害剤の結晶形に関する。
HCVは、ヘパシウィルス属のフラビウイルス科(Flaviviridae)ウイルスファミリーに属する一本鎖のプラスセンスRNAウイルスである。RNAポリジーンのNS5B領域は、ウイルス複製に必須のRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)をコードする。HCVは肝細胞内で優先的に複製するが、直接細胞壊死性ではないため、急性初期感染後、感染した個人の大多数が慢性肝炎を発症する。詳細には、活発なT−リンパ球応答が欠如し、ウイルスが突然変異する傾向が強いことにより、慢性感染症が高い率で促進されると思われる。慢性肝炎は肝線維症に進行して、肝硬変、末期肝疾患およびHCC(肝細胞癌)に至る可能性があり、肝臓移植の主要な原因となっている。6種の主なHCV遺伝子型および50を超えるサブタイプが存在し、これらは地理的に別々に分布している。HCV遺伝子型1は、欧州および米国で優勢な遺伝子型である。HCVの広範な遺伝子異質性は、重要な診断的および臨床的意味を有し、おそらくワクチン開発における困難さ、および現行の治療に対する応答の欠如を説明するものである。
HCVの伝播は、汚染された血液または血液製剤との接触、例えば輸血後または静脈内薬物使用を介して生じ得る。血液スクリーニングに用いられる診断試験の導入により、輸血後HCV発生率は低下傾向にある。しかしながら、末期肝疾患への進行が遅いことを考慮すると、現存する感染症は、重大な医学的および経済的負担を数十年間もたらし続けるであろう。
治療の可能性は、HCVプロテアーゼ阻害剤(例えばテラプレビルまたはボセプレビル)と(ペグ化)インターフェロン−α(IFN−α)/リバビリンとの併用の方向に拡大してきている。この併用治療には大きな副作用があり、多くの患者において忍容性が低い。主な副作用として、インフルエンザ様の症状、血液学的異常および神経精神症状が挙げられる。それ故、より有効で、より簡便で、より忍容性の高い処置が必要とされている。
NS5B RdRpは、一本鎖のプラスセンスHCV RNAゲノムの複製に必須である。この酵素は、医薬品化学者の間で大きな関心を集めている。NS5Bのヌクレオシド阻害剤と非ヌクレオシド阻害剤とはともに既知である。ヌクレオシド阻害剤は、連鎖停止剤として、もしくは競合阻害剤として、またはその両方として作用し得る。ヌクレオシド阻害剤が活性となるためには、細胞に吸収され、in vivoで三リン酸エステルに変換される必要がある。この三リン酸エステルへの変換は通常、細胞キナーゼにより仲介され、このため、潜在的なヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤に対して追加の構造的要求がなされる。加えて、このことはin situリン酸化が可能な細胞ベースのアッセイに対する、HCV複製の阻害剤としてのヌクレオシドの直接的な評価を制限する。
HCV RdRpの阻害剤としてのヌクレオシドを開発するいくつかの試みがなされており、少数の化合物が臨床開発に進んでいるが、いずれも登録には進んでいない。今日までHCVを標的とするヌクレオシドが直面した問題には、毒性、変異原性、選択性の欠如、効力の不足、バイオアベイラビリティの不十分さ、準最適な投与計画、および結果として生じる丸剤負荷量の高さ、ならびに製品の費用がある。
CAS−1375074−52−4を含む、スピロオキセタンヌクレオシド、特に1−(8−ヒドロキシ−7−(ヒドロキシ−メチル)−1,6−ジオキサスピロ[3.4]オクタン−5−イル)ピリミジン−2,4−ジオン誘導体、およびHCV阻害剤としてのその使用は、国際公開第2010/130726号パンフレットおよび国際公開第2012/062869号パンフレットにより既知である。
副作用、限定的な効力、耐性の出現および服薬率の不足など、現行のHCV治療の欠点の少なくとも1つを克服し、または持続的なウイルス応答を改善し得るHCV阻害剤が必要とされている。
本発明は、以下のパラメーター、即ち、以下の遺伝子型、1a、1b、2a、2b、3,4および6のうちの少なくとも1つに対する抗ウイルス効力、耐性発現の好ましいプロファイル、毒性および遺伝毒性がないこと、好ましい薬物動態および薬力学、ならびに製剤および投与の容易さのうちの1つ以上に関して有用な特性を有するHCV阻害ウラシルスピロオキセタン誘導体に関する。
このようなHCV阻害ウラシルスピロオキセタン誘導体は、式I

の化合物であり、任意のその薬学的に許容される塩または溶媒和物を含む。
今般、式(I)の化合物は結晶形態に変換することができ、有利には、抗HCV治療においてこれを活性成分として使用することができることが判明した。
非晶形態とは、三次元の長距離秩序が存在しない形態である。非晶形態において、分子の互いに対する位置は基本的にランダムであり、即ち格子構造中に分子の規則的配列はない。非晶質物質は興味深い特性を有し得るが、この状態を作り出し、安定させることには、一般に結晶状態の方がより安定な状態であるという点で、通常は困難を伴う。非晶形態の化合物は、経時で、または温度、湿気、環境中の微量の結晶物質などの外的因子の影響下で、部分的にまたは完全に結晶形態に変換することができる。医薬剤形の製造および保管においては、通常、活性成分の結晶形態が好ましい。
結晶形または結晶形態とは、分子の互いに対する位置が三次元格子構造によって構築されている形態である。結晶形態には、多形および擬似多形が含まれてもよい。多形とは固体状態において分子の配列が異なることから生じる、同じ化合物の異なる結晶形態である。
固体化学は、特に好適な剤形の開発に関して医薬品業界の関心を集めている。固体状態ヘの変換は、医薬品の安定性(有効期間)に重大な影響を及ぼし得る。医薬の準安定性の固体形態は、環境条件の変化、加工、または経時に応じて、結晶構造(例えば非晶質から結晶質へ)または溶媒和物/脱溶媒和物に変えることができる。
医薬品の臨床開発中に、固体形態が一定に維持されなければ、使用または試験される厳密な剤形のロット毎の比較が不可能になる恐れがある。化合物が臨床研究または商品に使用される場合、存在する不純物が不所望な毒性効果をもたらす恐れがあるため、選択された固体形態を高純度で有する化合物を製造する方法を備えることも望ましい。一定の形態は、熱力学的安定性が高く、または高純度で大量に生産することがより容易であり得、このため医薬製剤に含めるのにより好適である。
本発明の目的は、以下、即ち、安全性、製剤化され、保管され、および投与されてその抗ウイルス特性を効果的に発揮する能力のうちの1つ以上の観点から有益な特性を有する式(I)のHCV阻害剤を結晶形態で提供することである。
A形の粉末X線回折(XPRD)パターン表示である。 A形および非晶形態の粉末X線回折(XPRD)パターン表示である。 A形の示差走査熱量測定(DSC)曲線である。 A形の熱重量分析(TGA)曲線である。 A形のIRスペクトル表示である。
本発明は、結晶形態の式(I)の化合物であるHCV阻害剤に関する。このような結晶形態の形成は難易度が高いことが判明し、好適な形態は、従来のハイスループット結晶化スクリーニングから得られるものではなかった。
本発明は、特に、A形と命名した式(I)の化合物の結晶形態、即ち「A形」に関する。
A形は、11.4°±0.3°、13.1°±0.3°、14.8°±0.3°、15.9°±0.3°、16.5°±0.3°、18.8°±0.3°、19.8°±0.3°、20.7°±0.3°および21.6°±0.3°2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
本発明は、式(I)の化合物の結晶形態と、式(I)の化合物の非晶形態との混合物にも関する。
本発明は、さらに、式(I)の化合物の結晶形態を調製する方法に関する。
本発明は、医薬品として使用するための式(I)の化合物の結晶形態にも関する。本発明は、HCV阻害剤として使用するための、またはHCV関連の病態の処置に使用するための、式(I)の化合物の結晶形態にも関する。本発明は、HCVを阻害するための、またはHCV関連の病態を処置するための医薬品の製造における、式(I)の化合物の結晶形態の使用にも関する。本発明は、さらに、式(I)の化合物の各結晶形態、それらの混合物の有効量をHCV関連の病態に罹患している哺乳動物に投与するステップを含む、前記哺乳動物の処置方法を提供する。哺乳動物はヒトであるのが好ましい。
さらに、本発明は、式(I)の化合物の結晶形態、または特にA形から選択される形態と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。前記式(I)の化合物の結晶形態は、有効量、即ちHCV感染症またはHCV感染症に関連する病態を予防または処置するのに有効な量で存在するのが好ましい。
A形の詳細な説明
上記のとおり、本発明は、特に、A形と命名した式(I)の化合物の結晶形態、即ち「A形」に関する。
A形は、11.4°±0.3°、13.1°±0.3°、14.8°±0.3°、15.9°±0.3°、16.5°±0.3°、18.8°±0.3°、19.8°±0.3°、20.7°±0.3°および21.6°±0.3°2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを有する。A形の粉末X線回折パターンを大筋で図1に示す。式(I)の非晶質化合物の2つの異なるバッチを直接的に比較したものを図2に示す。結晶形AのXPRD強度ピーク位置(単位は度2−θ)の特徴を明らかにする完全概要を以下の表1に示す。
粉末X線回折パターン(図1)は、Rigaku Miniflex Diffraction System(Rigaku MSC Inc.)で取得した。粉末試料をゼロバックグラウンド研磨試料ホルダーに付着させた。3.00〜36.00度2−θを5度/分で走査するNi Kフィルターを備えた0.45kWのノーマルフォーカス銅X線管を、X線源として使用した。データ処理をJade 6.0ソフトウェアを使用して行った。XRDピークの相対強度は、試料調製技術、結晶サイズ分布、使用する様々なフィルター、試料装着手順、および使用する特定の器具に応じて変化し得る。また、機械および設定(フィルターを含む)の種類に応じて、いくつかの新たなピークが見られる場合もあり、いくつかのピークが消失する場合もある。XTDピークは2−θ±0.3°度でいずれの側にもシフトする場合があることは広く認められている。したがって、A形について得られるXPRDピーク位置の精度は、器具類および試料調製などの実験によるばらつきのため、±0.3°と定義される。
A形のDSC曲線を求めた。図3に大筋で示すとおりである。A形のDSC吸熱融解位置(endothermic melt positions)(単位℃)の特徴を明らかにするものを以下の表2に示す。
Q2000 DSC(TA instruments)を使用してDSCデータを収集した。通常どおり3mgの試料を半気密に封止したアルミニウム皿(ピンホールのない)に入れて使用した。試料を昇温速度(ramp rate)10℃/分で40℃から300℃まで加熱した。DSCピークの位置は、粒径分布、機械の種類および加熱速度に応じてわずかにシフトする場合がある。不純物の存在がピーク位置を変えることもある。
A形について得られたDSC曲線の許容誤差は、器具類および試料調製などの実験によるばらつきのため、3℃と定義される。
図5は、A形のIRスペクトル表示を示す。フーリエ変換赤外(FT−IR)分析を、Thermo Nexus 670 FT−IR分光計で行った。スペクトルをKBr錠剤法で分解能1cm−1にて記録し、32回の走査の合計を、バックグラウンドを減算して表している。
一実施形態では、本発明は、上記のとおり、不純物を実質的に含まない、式(I)の化合物のA形と命名した結晶形を提供する。特定の実施形態では、これらの形態は、10%以下の不純物、または5%以下の不純物、または1%以下の不純物、または0.5%以下の不純物、または0.1%以下の不純物を含有する。不純物は別の化合物であってもよく、または非晶形態であってもよい。
本発明は、さらに、式(I)の化合物の結晶形態と式(I)の化合物の非晶形態との混合物を提供する。一実施形態では、A形と式(I)の化合物の非晶形態との混合物を提供する。
本発明による方法の詳細な説明
式(I)の化合物の結晶形は、複数の仕方で調製することができる。
一実施形態では、式(I)の化合物の結晶形を調製する方法は、
a)式(I)の化合物を溶媒に溶解するステップと、
b)続いて、結晶形成が観察されるまで貧溶媒を添加するステップと
を含む。
溶媒とは、使用される温度で式(I)の化合物が高溶解度を有する溶媒と定義される。高溶解度とは、好ましくは200mg/ml溶媒を超える溶解度、より一層好ましくは室温で200mg/ml溶媒を超える溶解度を指す。
特定の実施形態では、溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフランもしくはエタノールまたはこれらの混合物を含む群から選択される。
貧溶媒とは、使用される温度で式1の化合物が低溶解度を有する溶媒と定義される。低溶解度とは、好ましくは、200mg/ml溶媒未満の溶解度、より一層好ましくは室温で150mg/ml溶媒未満の溶解度を指す。
特定の実施形態では、貧溶媒は、酢酸エチル、n−ヘプタン、酢酸イソプロピル、メチルtert−ブチルエーテルまたはこれらの混合物を含む群から選択される。
さらなる実施形態では、式(I)の化合物を最小5体積のジクロロメタンに溶解し、続いて、少なくとも20体積の酢酸エチル、n−ヘプタンまたは酢酸エチル/n−ヘプタン混合物を添加する。
別の実施形態では、式(I)の化合物の結晶形を調整する方法は、
a)式(I)の化合物の非晶形態の、酢酸エチル、n−ヘプタンまたは酢酸エチル/n−ヘプタン混合物中の懸濁液またはスラリーを調製するステップと、
b)懸濁液またはスラリーを少なくとも1時間撹拌するステップと
を含む。
さらに、このような懸濁液またはスラリーに、種晶、好ましくはA形の種を播種することができる。
本発明は、得られた結晶形態を、任意選択により洗浄および乾燥と組み合わせられる濾過または遠心分離によって、単離する方法も提供する。
本発明の方法に使用する出発物質は、式(I)の化合物の結晶形態でも非晶形態でもよい。結晶化方法については、通常、出発物質の結晶形態が最終結果に影響を及ぼすことはない。トリチュレーションでは、最終生成物が出発物質に応じて変化し得る。当業者には、トリチュレーションで所望の形態を得るために好都合な出発物質の処理がわかるであろう。本発明は、トリチュレーションに使用される出発形態が別の形態を得るために必須でない限り、そのような出発形態に限定されるものではない。
一実施形態では、本発明の結晶形態の調製に使用する溶媒は、薬学的に許容される溶媒または薬学的に許容されない溶媒であるが、前者が好ましい。薬学的に許容されない溶媒は、結晶形を医薬製剤に使用する前に除去しなければならなくなる。
結晶化に関する条件は、結晶化方法を改善するため、または析出を誘導するために、得られる多形の形態に影響を及ぼすことなく改変することができる。この条件には、式(I)の化合物と溶媒との溶液、分散体またはスラリーを所望の濃度にすること、それを所定の冷却/温度曲線に従って冷却すること、種晶を添加すること、前記溶液、分散体またはスラリーを所望の温度にすること、好適な圧力を付与すること、いかなる不所望の物質も不純物も除去および/または分離させること、固体状態が所望される場合、形成した結晶を乾燥して多形をそのような状態で得ることが含まれる。
析出を誘導する好ましい仕方は、式(I)の化合物の溶解度を低減することである。化合物の溶解度は、例えば溶液を冷却することによって低減してもよい。式(I)の化合物の溶解度は、貧溶媒を添加することによって低減してもよい。
式(I)の化合物と溶媒との溶液、分散体またはスラリーを所望の濃度にすることは、必ずしも式(I)の化合物の濃度を高めることを意味するものではない。場合によっては、式(I)の化合物の濃度を低減するまたは変えないのが好ましいことがあり得る。所望の濃度を得るために使用する技術には、例えば、常圧蒸留、真空蒸留、分別蒸留、共沸蒸留、膜蒸発、加熱、冷却、当技術分野において周知の他の技術およびこれらの組合せによる蒸発が含まれる。所望の濃度を得るための任意選択の方法として、例えば、十分な体積の貧溶媒を溶液に添加して飽和点に到達させることによる、式(I)の化合物と溶媒との溶液の飽和もあり得る。溶液を飽和させる他の好ましい技術には、例として、溶液に追加の式(I)の化合物を導入すること、および/または溶液から溶媒の一部を蒸発させることが含まれる。本明細書で言及する場合、飽和溶液とは、その飽和点である溶液、またはその飽和点を超えている、即ち過飽和の溶液を包含する。ほぼ飽和の溶液とは、飽和に近いがその飽和点には到達していない溶液のことである。
本発明の結晶化方法を改善する仕方、特に結晶化を加速させる仕方は、生成物の結晶を播種する、または結晶化容器の内表面をガラス棒で引っ掻くことによるものである。他の場合は、誘導が全くなくとも結晶化は自然に起こり得る。本発明は、式(I)の化合物の特定の形態の結晶化が自然に起こる、または式(I)の化合物の特定の形態の結晶化が、その誘導もしくは加速が特定の形態を得るために不可欠でない場合に、誘導もしくは加速される、両実施形態を包含する。
「播種する」という用語は、結晶化を容易にするために結晶物質を添加することを指す。「種晶」という用語は、式(I)の化合物の予め得られた結晶形態の粉末を意味する。
前記溶液、分散体またはスラリーを所望の温度にすることについては、加熱、冷却または周囲温度で放置するという行為と理解されるであろう。式(I)の化合物を完全に溶解するために、溶液、分散体またはスラリーの加温が必要となる場合がある。摂氏70度未満の温度が好ましい。
いかなる不所望の物質も不純物も除去および/または分離させることは、精製、濾過、洗浄、析出または類似の技術によって行うことができる。分離は、例えば既知の固液分離法によって行うことができる。濾過は、数ある方法の中でも特に、遠心分離によって、またはブフナー型フィルター、Rosenmundフィルターもしくはプレート、もしくはフレームプレスを使用して、溶液、分散体またはスラリーを、紙、ガラス濾過器または他の膜物質に通過させることによって行うことができる。好ましくは、得られる結晶形の純度を高めるために、インライン濾過または安全濾過を上記に開示した方法に入れ込むのが有利である場合がある。加えて、シリカゲル、Celite(登録商標)、Arbocel(登録商標)、またはダイカライト珪藻土などの濾過剤も使用して、目的の結晶から不純物を分離してもよい。
得られた結晶を乾燥することもでき、このような乾燥方法は、2種以上の結晶化経路を適用する場合、異なる結晶化経路で任意選択により使用してもよい。乾燥手順には、当業者に公知の全ての技術、例えば、加熱、真空の適用、空気またはガスの循環、乾燥剤の添加、凍結乾燥、噴霧乾燥もしくは蒸発など、またはこれらの任意の組合せが含まれる。
式(I)の化合物の多形を結晶化する方法は、技術の複数の組合せおよびその変形形態を包含してもよい。式(I)の化合物の結晶化は、式(I)の化合物を好適な温度で溶媒に溶解、分散またはスラリー化し、それにより、前記溶媒の一部を蒸発させて前記溶液、分散体またはスラリー中の式(I)の化合物の濃度を高め、前記混合物を冷却し、任意選択で洗浄および/または濾過し、得られた式(I)の化合物の結晶を乾燥することによって行うことができる。任意選択により、式(I)の化合物の結晶は、式(I)の化合物を溶媒媒体に溶解、分散またはスラリー化し、このようにして得られた溶液、分散体またはスラリーを冷却し、次いで濾過し、得られた多形を乾燥することによって調製してもよい。式(I)の化合物の結晶形の調製の別の例は、式(I)の化合物を溶媒媒体中に飽和させ、任意選択で濾過し、洗浄し、得られた結晶を乾燥することによるものであり得る。
結晶形成は、2つ以上の結晶化方法を要してもよい。場合によっては、様々な理由で、例えば得られる結晶形の質を高めるために、1つまたは2つ以上の追加の結晶化ステップを行うのが有利である場合がある。
式(I)の化合物を溶媒に溶解、分散またはスラリー化することによって、程度の異なる分散体、例えば、懸濁液、スラリーまたは混合物を得ることができ、または好ましくは均質な単相溶液を得ることができる。「懸濁液」という用語は、微粉化した固体、即ち非晶形態、結晶形態またはその混合形態の式(I)の化合物を液状媒体または分散媒体、通常は溶媒中に分散(懸濁)させてなる二相系を指す。「スラリー」という用語は、ある量の粉末を、固体がわずかしか溶解しない(または溶解しない)液体中に混合する場合に形成される懸濁液を指す。「スラリー化する」とはスラリーを作製することを指す。
任意選択により、溶媒媒体は、添加物、例えば、結晶懸濁液の調製に通常使用される種類の、分散剤、界面活性剤もしくは他の添加物、またはこれらの混合物を含有してもよい。添加物は、融通性(leniency)を高め、表面積を低減することによって結晶の形状を変更するのに使用するのが有利である場合がある。
固体を含有する溶媒媒体を、任意選択により、一定時間撹拌するか、または例えば、高剪断ミキサーもしくはホモジナイザーまたはこれらの組合せを使用して激しくかき混ぜて、有機化合物について所望の粒径を作り出してもよい。
結晶化方法の再生産性、粒径分布および生成物の形態を向上させるために、析出温度の制御および播種を追加で使用してもよい。このため、結晶化は、式(I)の化合物の結晶を播種せずに、または好ましくは、播種によって溶液に導入される式(I)の化合物の結晶の存在下で行うことができる。播種は様々な温度で数回行うこともできる。種物質の量は実験スケールに依存し、当業者が容易に判断することができる。通常、播種物質の量は、反応から予測される結晶物質の量の約0.1〜5重量%である。
各結晶化ステップにおける結晶化の時間は、適用する条件、使用する技術および/または使用する溶媒に依存するであろう。
所望の均質な粒径を得るために、結晶に変換した後で、大きな粒子または粒子の凝集体の解体を追加で行ってもよい。したがって、変換した後で、式(I)の化合物の結晶形の結晶、粉末凝集体および粗粉末を任意選択で粉砕し、サイズで分類してもよい。粉砕または磨砕とは、粉末の微粉化の技術分野において周知の方法および装置を使用して、大きな粒子または粒子の凝集体を物理的に解体することを指す。得られる粒径はミリメートルからナノメートルの範囲となり得、即ちナノ結晶、マイクロ結晶が得られる。粉砕または磨砕の好ましい装置は流体エネルギーミルまたはマイクロナイザーであるが、その理由は、小さなサイズの粒子を狭いサイズ分布で製造するその能力にある。
結晶形態の医薬での使用
本発明はさらに、医薬品として使用するための、式(I)の化合物の結晶形態、または式(I)の化合物の結晶形態と式(I)の化合物の非晶形態との混合物を提供する。一実施形態では、単独で、または上記の混合物のいずれかで医薬品として使用するための結晶形態は、A形から選択される。
本発明はさらに、HCV関連の病態を処置するための医薬品の製造における、式(I)の化合物の結晶形態、または式(I)の化合物の結晶形態と式(I)の化合物の非晶形態との混合物の使用を提供する。一実施形態では、単独で、または上記の混合物のいずれかで医薬品の製造に使用する結晶形態は、A形から選択される。
本発明は、式(I)の化合物の結晶形態、または式(I)の化合物の結晶形態と式(I)の化合物の非晶形態との混合物を、これらを必要とする哺乳動物に投与するステップを含む、HCV関連の病態に罹患している哺乳動物を処置する方法も提供する。一実施形態では、処置方法は、A形から選択される結晶形態を、単独で、または上記の混合物のいずれかで投与するステップを含む。
HCV関連の病態には、HCVならびに他の病原性フラビウイルス、例えば、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス(1〜4型)、セントルイス脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ウエストナイルウイルスおよびクンジンウイルスによってもたらされる病的状態が含まれる。HCV関連疾患には、進行性肝線維症、炎症および壊死が含まれ、これらは肝硬変、末期肝疾患および肝細胞癌(HCC)に進行し、他の病原性フラビウイルスの方では、疾患には黄熱、デング熱、出血熱および脳炎が含まれる。HCVおよび他の病原性フラビウイルスには、両方の野生型およびHCVの突然変異系統が含まれる。
「処置」という用語は、哺乳動物、特にヒトにおける病的状態の任意の処置を指し、以下の行為:
(i)病態になりやすい可能性があるが、まだその病態とは診断されていない対象において病的状態が起こるのを予防すること、したがって処置は疾患状態の予防処置で構成される;
(ii)病的状態を阻害すること、即ち、その発症を阻止すること;
(iii)病的状態を軽減すること、即ち、病的状態を退行させること;または
(iv)病的状態が仲介する症状を軽減すること
のうちの1つ以上を含む。
本発明は、さらに、式(I)の化合物の結晶形態または式(I)の化合物の結晶形態と式(I)の化合物の非晶形態との混合物と、薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、A形から選択される結晶形態を、単独で、または上記の混合物のいずれかで含む。
医薬組成物は、経口投与、非経口投与(皮下投与、筋肉内投与および静脈内投与を含む)、経直腸投与、経皮投与、バッカル投与、または経鼻投与される医薬品として調製することができる。経口投与に好適な形態としては、散剤、顆粒剤、凝集体剤、錠剤、圧縮丸剤または被覆丸剤、糖衣錠、サシェ剤、硬カプセル剤またはゼラチンカプセル剤、シロップ剤および懸濁剤が挙げられる。非経口投与に好適な形態としては、水性または非水性の溶液剤または乳剤が挙げられ、経直腸投与について投与に好適な形態としては、親水性または疎水性のビヒクルを有する坐剤が挙げられる。局所投与については、本発明は当技術分野において公知の好適な経皮送達システムを提供し、経鼻送達については、当技術分野において公知の好適なエアゾール送達システムを提供する。いずれの場合でも、最も好適な投与は処置される病態の性質および重症度に依存するであろうが、本発明の最も好ましい経路は経口である。
投与量は単位投与量形態で提供するのが好都合である場合があり、当技術分野において周知のいずれかの方法で調製することができる。または、投与量形態を、1日を通して適切な間隔を空けて投与される1回分、2回分、3回分、または4回分以上の部分用量として提供することができる。使用する単位投与量は、塩基当量で式(I)の化合物の約1mg〜約1000mg、または約5〜約800mg、または約5〜約600mg、または約100〜約600mg、または約200〜約500mgが好ましい。
本発明の医薬組成物は、上で開示されている式(I)の化合物の結晶形を含む。医薬組成物は、式(I)の化合物の単一の形態のみを含んでもよく、または式(I)の化合物の様々な形態の混合物を、非晶形態を伴ってまたは伴わずに含んでもよい。医薬組成物は、活性成分に加えて、1種以上の添加剤または助剤を含む。
好適な添加剤の例には、アラビアガム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、乳糖、ブドウ糖またはデンプン、特にトウモロコシデンプンがある。好適な油性の添加剤または溶媒には、植物油または動物油、例えばヒマワリ油またはタラ肝油がある。水性溶液またはアルコール溶液用の好適な溶媒には、水、エタノール、糖溶液またはこれらの混合物がある。ポリエチレングリコール類およびポリプロピレングリコール類も、他の投与形態のさらなる助剤として有用である。
特に上で挙げた成分に加えて、本発明の医薬組成物は、対象の製剤の種類に関して当技術分野で慣用の他の作用剤を含んでもよく、例えば経口投与に好適なものとして、香味剤または味マスキング剤を挙げてもよい。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、その通常の意味を有する。特定の実施形態では、ある数値に関する場合、それはその数値±10%、または±5%、または±2%、または±1%、または±0.5%、または±0.1%を意味するものと解釈することができる。他の実施形態では、正確な値は、即ち、「約」という用語を省くことにより意味される。
以下の実施例は本発明を説明することを目的とし、本発明をそれに限定しようとするものではない。
式(I)の化合物の調製
式(I)の化合物を以下のように調製した。
化合物(I)の合成
化合物(6a)の合成
イソプロピルアルコール(3.86mL、0.05mol)とトリエチルアミン(6.983mL、0.05mol)とのジクロロメタン(50mL)中溶液を、POCl(5)(5.0mL、0.0551mol)のDCM(50mL)中撹拌溶液に、−5℃で25分間にわたって滴加した。混合物を1時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残留物をエーテル(100mL)に懸濁させた。トリエチルアミン塩酸塩を濾過し、エーテル(20mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残留物を蒸留して、(6)を無色液体として得た(6.1g、収率69%)。
化合物(4)の合成:
CAS 1255860−33−3をピリジンに溶解し、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサンを添加する。反応液を、反応が完了するまで室温で撹拌する。溶媒を除去し、生成物をCHClに再溶解し、飽和NaHCO溶液で洗浄する。MgSOで脱水し、溶媒を除去して化合物(2)を得る。CHCN中、塩基としてDBUの存在下にて、化合物(2)をp−メトキシベンジルクロリドと反応させることによって化合物(3)を調製する。フッ化物源としてTBAFを使用して、化合物(3)のビス−シリル保護基を切断することによって、化合物(4)を調製する。
化合物(7a)の合成
(4)(2.0g、5.13mmol)のジクロロメタン(50mL)中撹拌懸濁液に、トリエチルアミン(2.07g、20.46mmol)を室温で添加した。反応混合物を−20℃まで冷却し、次いで(6a)(1.2g、6.78mmol)を10分間にわたって滴加した。この混合物をこの温度で15分間撹拌し、次いでNMI(0.84g、10.23mmol)を15分間にわたって滴加した。この混合物を−15℃で1時間撹拌し、次いで、20時間で室温までゆっくり加温した。溶媒を蒸発させ、混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより石油エーテル/EtOAc(勾配として10:1〜5:1)を使用して精製し、(7a)を白色固体として得た(0.8g、収率32%)。
化合物(I)の合成
(7a)のCHCN(30mL)およびHO(7mL)中溶液に、CANを20℃未満で少しずつ添加した。この混合物をN下にて15〜20℃で5時間撹拌した。NaSO(370mL)を反応混合物に15℃未満で滴加し、次いでNaCO(370mL)を添加した。この混合物を濾過し、濾液をCHCl(100mL*3)で抽出した。有機層を乾燥し、濃縮して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的化合物(8a)を白色固体として得た。(収率:55%)
H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.45(dd,J=7.53,6.27Hz,6H),2.65−2.84(m,2H),3.98(td,J=10.29,4.77Hz,1H),4.27(t,J=9.66Hz,1H),4.43(ddd,J=8.91,5.77,5.65Hz,1H),4.49−4.61(m,1H),4.65(td,J=7.78,5.77Hz,1H),4.73(d,J=7.78Hz,1H),4.87(dq,J=12.74,6.30Hz,1H),5.55(br.s.,1H),5.82(d,J=8.03Hz,1H),7.20(d,J=8.03Hz,1H),8.78(br.s.,1H);31P NMR(クロロホルム−d)δppm −7.13;LC−MS:375(M+1)+
実施例2:A形の調製および特徴解析
本発明は、結晶形態の式(I)の化合物であるHCV阻害剤に関する。
本発明は、特に、A形と命名した式(I)の化合物の結晶形態、即ち「A形」に関する。A形の2つの異なるバッチを調製した。使用した方法および得られた純度を下の表3に開示している。
A形について得られた典型的な粉末X線回折(XPRD)パターン表示を図1に開示している。結晶A形の典型的なDSC吸熱融解位置または範囲を図3に開示している。図4はA形の熱重量分析(TGA)を開示している。図5はA形のIRスペクトルを開示している。
粉末X線回折パターンは、Rigaku Miniflex Diffraction System(Rigaku MSC Inc.)で取得した。粉末試料をゼロバックグラウンド研磨試料ホルダーに付着させた。3.00〜36.00度2−θを5度/分で走査するNi Kフィルターを備えた0.45kWのノーマルフォーカス銅X線管を、X線源として使用した。データ処理をJade 6.0ソフトウェアを使用して行った。XRDピークの相対強度は、試料調製技術、結晶サイズ分布、使用する様々なフィルター、試料装着手順、および使用する特定の器具に応じて変化し得る。また、機械および設定(フィルターを含む)の種類に応じて、いくつかの新たなピークが見られる場合もあり、いくつかのピークが消失する場合もある。XTDピークは2−θ−/+0.3度でいずれの側にもシフトする場合があることは広く認められている。
Q2000 DSC(TA instruments)を使用してDSCデータを収集した。通常どおり3mgの試料を半気密に封止したアルミニウム皿(ピンホールのない)に入れて使用した。試料を昇温速度10℃/分で40℃から300℃まで加熱した。DSCピークの位置は、粒径分布、機械の種類および加熱速度に応じてわずかにシフトする場合がある。不純物の存在がピーク位置を変えることもある。
TGAデータ(図3)を、Q5000熱重量分析計(TA instruments)を使用して収集した。10mgの試料を清潔な白金の皿に付着させ、25ml/分のN流下にて、10℃/分で25℃から300℃まで加熱した。TGAピークの位置は、粒径分布、機械の種類、パージガスの種類および流速、ならびに加熱速度に応じてシフトする場合がある。不純物の存在がピーク位置を変えることもある。データは、A形が少なくとも摂氏38〜約140度で安定であることを示している。
IRデータを、Nicolet FT−IR分光光度計を用いる赤外分光法を使用して取得した。A形の走査パラメーターは以下のとおりとした:
− 走査数:32
− 分解能:4cm−1
− 波長帯:4000〜400cm−1
基線補正:有り。
実施例3:種結晶を使用するA形の調製
A形の第3および第4のバッチを以下の方法で調製した。異なるバッチ(3および4)から50mgの非晶質の式(I)の化合物出発物質を、少量のA形の種とともに10体積のDCMに添加した。次いで貧溶媒をA形の種とともに添加して、濁った外観を得た。続いて、結晶化が完了するまで貧溶媒を添加した。この方法は室温で行った。
A形の結晶形成は様々な貧溶媒で観察された。最良の結果は、酢酸エチル、n−ヘプタンおよび酢酸イソプロピルで得られた。試験結果から、酢酸エチルが好ましい貧溶媒であることが判明した。

本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1]
固体状態の式(I):

の化合物において、結晶形態であることを特徴とする、化合物。
[2]
上記[1]に記載の化合物であって、前記結晶形態が、11.4°±0.3°、13.1°±0.3°、14.8°±0.3°、15.9°±0.3°、16.5°±0.3°、18.8°±0.3°、19.8°±0.3°、20.7°±0.3°および21.6°±0.3°2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを有する(A形)ことを特徴とする、化合物。
[3]
a)式(I)の化合物を溶媒に溶解するステップと、
b)続いて、結晶形成が観察されるまで貧溶媒を添加するステップと
を含む、上記[1]または[2]に記載の結晶形態を調製する方法。
[4]
前記溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドロフランもしくはエタノールまたはこれらの混合物を含む群から選択され、および前記貧溶媒が、酢酸エチル、n−ヘプタン、酢酸イソプロピル、メチルtert−ブチルエーテルまたはこれらの混合物を含む群から選択される、上記[3]に記載の結晶形態を調製する方法。
[5]
前記式(I)の化合物が最小5体積のジクロロメタンに溶解され、続いて、少なくとも20体積の酢酸エチル、n−ヘプタンまたは酢酸エチル/n−ヘプタン混合物が添加される、上記[3]または[4]に記載の結晶形態を調製する方法。
[6]
a)前記式(I)の化合物の非晶形態の、酢酸エチル、n−ヘプタンまたは酢酸エチル/n−ヘプタン混合物中の懸濁液またはスラリーを調製するステップと、
b)前記懸濁液またはスラリーを少なくとも1時間撹拌するステップと
を含む、上記[1]または[2]に記載の結晶形態を調製する方法。
[7]
前記懸濁液にA形の種晶が播種される、上記[6]に記載の方法。
[8]
前記ステップが室温で行われる、上記[3]〜[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9]
前記式(I)の化合物の結晶形態を含む医薬組成物。
[10]
前記形態がA形である、上記[9]に記載の医薬組成物。
[11]
医薬品として使用するための、上記[1]または[2]に記載の式(I)の化合物の結晶形態、あるいは上記[9]または[10]に記載の医薬組成物。

Claims (10)

  1. (I):

    の化合物の結晶であって、11.4°±0.3°、13.1°±0.3°、14.8°±0.3°、15.9°±0.3°、16.5°±0.3°、18.8°±0.3°、19.8°±0.3°、20.7°±0.3°および21.6°±0.3°2θでのピークを含む粉末X線回折パターンを有する(A形)ことを特徴とする、結晶
  2. a)式(I)の化合物を溶媒に溶解するステップと、
    b)続いて、結晶形成が観察されるまで貧溶媒を添加するステップと
    を含む、請求項1に記載の結晶を調製する方法。
  3. 前記溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドロフランもしくはエタノールまたはこれらの混合物を含む群から選択され、および前記貧溶媒が、酢酸エチル、n−ヘプタン、酢酸イソプロピル、メチルtert−ブチルエーテルまたはこれらの混合物を含む群から選択される、請求項に記載の方法。
  4. 前記式(I)の化合物が最小5体積のジクロロメタンに溶解され、続いて、少なくとも20体積の酢酸エチル、n−ヘプタンまたは酢酸エチル/n−ヘプタン混合物が添加される、請求項2または3に記載の方法。
  5. a)前記式(I)の化合物の非晶形態の、酢酸エチル、n−ヘプタンまたは酢酸エチル/n−ヘプタン混合物中の懸濁液またはスラリーを調製するステップと、
    b)前記懸濁液またはスラリーを少なくとも1時間撹拌するステップと
    を含む、請求項1に記載の結晶を調製する方法。
  6. 前記懸濁液にA形の種晶が播種される、請求項に記載の方法。
  7. 前記ステップが室温で行われる、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 請求項1に記載の結晶を含む医薬組成物。
  9. 前記結晶がA形である、請求項に記載の医薬組成物。
  10. 医薬品として使用するための、請求項1に記載の結晶、あるいは請求項8または9に記載の医薬組成物。
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