JP6298050B2 - 補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、および補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体 - Google Patents

補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、および補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体 Download PDF

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Description

本発明の一側面は、補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、および補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体に関するものである。
特許文献1には、光波の波面を計測する波面センサに関する技術が記載されている。この波面センサでは、複数のレンズを通る光のそれぞれに特徴(例えば、光強度)を付加し、これらの光を受けたCCD等の受光素子から画像データを得る。そして、この画像データから計測スポット位置を演算するとともに、集光スポットの特徴を検出し、その特徴を有する集光スポットに対応する基準スポット位置と計測スポット位置とを対応付けし、対応付けされた基準スポット位置と計測スポット位置とから波面を演算する。
特開平9−15057号公報
補償光学技術は、波面センサを用いて光学的な収差(波面歪み)を計測し、その結果を基に波面変調素子(空間光変調器)を制御することで動的に収差を除去する技術である。この補償光学技術によって、結像特性や集光度、画像のSN比、計測精度を向上させることができる。従来、補償光学技術は、主として天体望遠鏡や大型レーザ装置に使われていた。近年になって、補償光学技術は、眼底カメラ、走査型レーザ検眼鏡、光干渉断層装置、レーザ顕微鏡などにも応用されつつある。このような補償光学技術を用いたイメージングは、従来にない高い分解能での観察を可能にする。例えば、眼の奥(眼底)を観察する眼底イメージング装置に補償光学技術を適用することによって、眼球による収差が除去され、例えば視細胞、神経繊維、毛細血管といった眼底の微細構造を鮮明に描出することができる。眼疾患だけでなく、循環器系疾病の早期診断にも応用することができる。
上記のような補償光学技術を実現するための補償光学システムは、空間光変調器、波面センサ、及びこれらを制御する制御装置によって主に構成される。そして、波面センサとして、例えば二次元状に配列された複数のレンズを備え、各レンズによって形成される集光スポットの基準位置からの位置ずれに基づいて、波面を計測する方式のもの(いわゆるシャックハルトマン型波面センサ)が用いられる。
このような補償光学システムでは、波面センサの複数のレンズと、検出された複数の集光スポットとの対応関係を正確に知ることが重要である。図31は、或る波面Wを有する光像が波面センサに入射したときの、複数のレンズ101と複数の集光スポットPとの対応関係について説明するための図である。図31(a)に示されるように、波面Wの収差が小さい場合、各集光スポットPの位置ずれ量が小さいため、複数のレンズ101と対向する検出面103上の複数の領域104の内部に、対応するレンズ101により形成された集光スポットPが位置することとなる。この場合、波面Wの収差がゼロであるときに形成されるべき集光スポットの位置、すなわち基準位置と、該基準位置と同じ領域104内に形成された集光スポットPの位置との距離(位置ずれ量)に基づいて、当該領域における収差が算出される。
しかしながら、図31(b)に示されるように、波面Wの収差が大きい場合、次の問題が生じる。すなわち、このような場合には集光スポットPの位置ずれ量が大きくなるので、該集光スポットPを形成しているレンズ101に対向する領域104の外に、該集光スポットPが位置する場合がある。したがって、或る領域104には集光スポットPが存在せず、また別の領域104には複数の集光スポットPが存在するといった状況が生じてしまう。また、図31(c)に示されるように、波面Wが大きく傾斜している場合には、各レンズ101により形成される集光スポットPが、各レンズ101に対向する領域104に隣接する領域104内に位置する場合がある。
図31(b)や図31(c)に例示されたような状況下では、集光スポットPとレンズ101との対応関係が不明確となるので、その集光スポットPの位置に基づいて制御されるべき空間光変調器の変調面上の領域を特定することが困難となる。したがって、波面歪み補償の精度が低下するか、或いは、補償可能な波面歪みの大きさが制限されてしまう。例えば眼底イメージング装置に補償光学システムを適用する場合には、眼球による収差が測定対象者毎に大きく異なる場合があり、また、眼球の位置や、近視若しくは遠視を補正するための光学系の位置によっては、収差が大きくなる場合がある。それらの場合には、上記の問題が顕在化することとなる。
なお、特許文献1に記載された方式では、次の問題がある。特許文献1には、波面センサの複数のレンズを通る光のそれぞれに特徴を付加する方式として、各レンズに対応する領域毎に厚さが異なる光学板をレンズの前方に配置する方式、各レンズに対応する領域毎に透過率が異なる光学板をレンズの前方に配置する方式、及び液晶シャッタをレンズの前方に配置する方式が示されている。しかし、これらの方式では、被計測光の光路上に光学板等を新たに配置することとなり、部品点数が増加してしまう。また、光学板等を通過する際に被計測光に損失が生じるため、波面検出精度が低下するおそれがある。また、仮に、光学板等を必要に応じて挿抜し得る機構を設けたとしても、レンズとの相対位置を調整することは難しく、装置も大型化してしまう。
本発明の一側面は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、被計測光の損失の増加を抑制しつつ、簡易な構成でもって、波面センサの集光スポットと、その位置に基づいて制御されるべき空間光変調器の変調面上の領域との対応関係を正確に特定して、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能な補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、および補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一側面に係る補償光学システムの対応関係特定方法は、二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)の集光スポットを含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、空間光変調器から変調後の光像を受ける波面センサとを備える補償光学システムにおいて、空間光変調器の領域と、波面センサに形成される集光スポットとの対応関係を特定する方法であって、空間光変調器のN個の領域のうちの少なくとも1個の領域を対象領域に設定し、対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、対象領域を囲む複数の領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、光検出素子により光強度分布を取得する光強度分布取得ステップを備える。
上記の方法では、空間光変調器及び波面センサを備える補償光学システムにおいて、光強度分布取得ステップとして、空間光変調器の対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、この対象領域を囲む(この対象領域に隣接する)複数の領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、波面センサの光検出素子により光強度分布を取得する。この光強度分布取得ステップでは、対象領域に対応する集光スポットが、光検出素子上に形成される。一方、対象領域を囲む複数の領域では非線形の位相パターンによって光が拡散するので、該複数の領域に対応する集光スポットは形成されないか、或いはその光強度が微弱となる。故に、対象領域に対応する集光スポットの周囲では、集光スポットが存在しないか、或いは集光スポットの明瞭さが対象領域に対応する集光スポットと比較して各段に劣ることとなる。したがって、対象領域に対応する集光スポットを容易に特定することが可能となる。
このように、上記の対応関係特定方法によれば、波面センサの集光スポットと、該集光スポットの位置から算出される収差に基づいて制御されるべき空間光変調器の変調面上の領域との対応関係を正確に特定することができる。したがって、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能となる。また、上記の対応関係特定方法によれば、特許文献1に記載された構成のように光学板等の新たな部品を追加する必要がないので、部品点数の増加を抑制できるとともに、被計測光の損失の増加を抑制して波面検出精度を維持することができる。
また、補償光学システムの対応関係特定方法では、空間光変調器のN個の領域を1個ずつ対象領域に設定しながら、光強度分布を取得してもよい。また、補償光学システムの対応関係特定方法では、空間光変調器のN個の領域を一個ずつ順に対象領域に設定しながら、光強度分布取得ステップをN回繰り返し行うことにより、N個の領域それぞれに対応するN個の光強度分布を取得してもよい。これにより、空間光変調器の全ての領域において、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能となる。
また、補償光学システムの対応関係特定方法では、空間光変調器のN個の領域のうち、互いに隣接しない複数の領域を対象領域に設定し、光強度分布を取得してもよい。また、対象領域に設定する複数の領域を変更しながら、光強度分布を取得してもよい。さらに、補償光学システムの対応関係特定方法では、空間光変調器のN個の領域を複数個ずつ順に対象領域に設定しながら、光強度分布取得ステップをM回(Mは2以上の整数)繰り返し行うことによりM個の光強度分布を取得するとともに、各光強度分布取得ステップにおいて、複数個の対象領域を互いに隣接しないように設定してもよい。これにより、空間光変調器の全ての領域において、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能となる。また、空間光変調器のN個の領域を複数個ずつ順に対象領域に設定することによって、一個ずつ順に設定する場合と比較して処理時間を短縮することができる。
また、補償光学システムの対応関係特定方法では、空間的に非線形な位相パターンが、位相の大きさの分布が不規則であるランダム分布を含んでもよい。或いは、補償光学システムの対応関係特定方法では、空間的に非線形な位相パターンが、集光スポットを拡径するデフォーカス分布を含んでもよい。これらのうち何れかの分布を位相パターンが含むことにより、空間的に非線形な位相パターンを実現することができる。
また、補償光学システムの対応関係特定方法では、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが、略均一な位相分布を含んでもよく、少なくとも一方向に傾斜した位相分布を含んでもよい。或いは、補償光学システムの対応関係特定方法では、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが、第1の方向においてシリンドリカルレンズ効果を有し(例えば第1の方向において2次関数の位相分布を有し)、該第1の方向と交差(例えば、直交)する第2の方向において略均一である位相分布を含んでもよく、或いは、第1の方向において回折格子を構成し、該第1の方向と交差(例えば、直交)する第2の方向において略均一である位相分布を含んでもよい。これらのうち何れかの分布を位相パターンが含むことにより、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを実現することができる。
また、本発明の一側面に係る波面歪み補償方法は、二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)を含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、空間光変調器から変調後の光像を受ける波面センサとを備える補償光学システムにおいて、空間光変調器に表示される位相パターンを、光強度分布から得られる光像の波面形状に基づいて制御することにより波面歪みを補償する波面歪み補償方法であって、空間光変調器のN個の領域のうちの少なくとも1個の領域を対象領域に設定し、対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、対象領域を囲む複数の領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、光検出素子により光強度分布を取得する光強度分布取得ステップと、光強度分布取得ステップにおいて検出された光強度分布に基づいて波面歪みを算出する波面歪み算出ステップと、波面歪み算出ステップにおいて算出された波面歪みを補正するための位相パターンを変調面に表示させる表示ステップと、を備える。
この波面歪み補償方法は、前述した補償光学システムの対応関係特定方法と同様の光強度分布取得ステップを備えている。したがって、対象領域に対応する集光スポットを正確に特定することができ、波面歪み補償の精度を向上させることが可能となる。また、光学板等の新たな部品を追加する必要がないので、部品点数の増加を抑制でき、また被計測光の損失の増加を抑制して波面検出精度を維持することができる。
また、本発明の一側面に係る補償光学システムは、二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)を含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、空間光変調器から変調後の光像を受ける波面センサと、空間光変調器に表示される位相パターンを、光強度分布から得られる光像の波面形状に基づいて制御することにより波面歪みを補償する制御部と、を備え、制御部が、空間光変調器のN個の領域のうちの少なくとも1個の領域を対象領域に設定し、対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、対象領域を囲む複数の領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、光検出素子により光強度分布を取得し、光強度分布取得ステップにおいて検出された光強度分布に基づいて波面歪みを算出し、波面歪み算出ステップにおいて算出された波面歪みを補正するための位相パターンを変調面に表示させる。
この補償光学システムによれば、制御部が、空間光変調器の対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、対象領域を囲む複数の領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、光強度分布を取得する。したがって、前述した対応関係特定方法と同様に、対象領域に対応する集光スポットを正確に特定することができ、波面歪み補償の精度を向上させることが可能となる。また、光学板等の新たな部品を追加する必要がないので、部品点数の増加を抑制でき、また被計測光の損失の増加を抑制して波面検出精度を維持することができる。
また、補償光学システム用プログラムは、二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)を含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、空間光変調器から変調後の光像を受ける波面センサと、空間光変調器に表示される位相パターンを、光強度分布から得られる光像の波面形状に基づいて制御することにより波面歪みを補償する制御部とを備える補償光学システムにおいて、制御部の動作を制御するためのプログラムであって、空間光変調器のN個の領域のうちの少なくとも1個の領域を対象領域に設定し、対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、対象領域を囲む複数の領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、光検出素子により光強度分布を取得する光強度分布取得ステップと、光強度分布取得ステップにおいて検出された光強度分布に基づいて波面歪みを算出する波面歪み算出ステップと、波面歪み算出ステップにおいて算出された波面歪みを補正するための位相パターンを変調面に表示させる表示ステップと、を制御部に実行させる。
また、本発明の一側面に係る補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体は、二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)の集光スポットを含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、空間光変調器から変調後の光像を受ける波面センサと、空間光変調器に表示される位相パターンを、光強度分布から得られる光像の波面形状に基づいて制御することにより波面歪みを補償する制御部とを備える補償光学システムにおいて、制御部の動作を制御するための補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体であって、補償光学システム用プログラムは、空間光変調器のN個の領域のうちの少なくとも1個の領域を対象領域に設定し、対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、対象領域を囲む複数の領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、光強度分布を取得する光強度分布取得ステップと、光強度分布に基づいて波面歪みを算出する波面歪み算出ステップと、波面歪みを補正するための位相パターンを変調面に表示させる表示ステップと、を制御部に実行させる。
この補償光学システム用プログラム及びそれを記憶する記録媒体は、前述した対応関係特定方法と同様の光強度分布取得ステップを備えている。したがって、対象領域に対応する集光スポットを正確に特定することができ、波面歪み補償の精度を向上させることが可能となる。また、光学板等の新たな部品を追加する必要がないので、部品点数の増加を抑制でき、また被計測光の損失の増加を抑制して波面検出精度を維持することができる。
本発明の一側面に係る補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、および補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体によれば、部品点数の増加および被計測光の損失の増加を抑制しつつ、波面センサの集光スポットと、その位置に基づいて制御されるべき空間光変調器の変調面上の領域との対応関係を正確に特定して、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能となる。
一実施形態に係る補償光学システムの構成を概略的に示す図である。 一実施形態の波面センサの構成を概略的に示す断面図であって、光像の光軸に沿った断面を示している。
波面センサが備えるレンズアレイを光像の光軸方向から見た図である。 一実施形態の空間光変調器の一例として、LCOS型の空間光変調器を概略的に示す断面図であって、光像の光軸に沿った断面を示している。 空間光変調器と波面センサとの関係を簡略化して示す図である。 空間光変調器の変調面の正面図である。 変調面上の領域と集光スポットとの対応関係を特定する方法の原理を説明するための概念図である。 変調面に表示される位相パターンを概念的に示す図である。 波面センサのイメージセンサによって検出される光強度分布データ(シャックハルトマングラム)を概念的に示す図である。 一実施形態の補償光学システムの動作および波面補償方法を示すフローチャートである。 制御部において実行される波面計測処理の一例を示すフローチャートである。 制御部において実行される通常の波面計測処理の一例を示すフローチャートである。 空間的に非線形な位相パターンの例として、位相の大きさの分布が不規則であるランダム分布を示す図である。 空間的に非線形な位相パターンの例として、集光スポットを拡径するデフォーカス分布を示す図である。 空間的に非線形な位相パターンの例として、光像に大きな球面収差を生じさせる分布を示す図である。 空間的に非線形な位相パターンの例として、光像に大きな高次収差を生じさせる分布を示す図である。 少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンの例として、変調面の全面に亘って位相値が略均一な位相分布を示す図である。 少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンの例として、第1の方向において位相値が傾斜しており、第1の方向と交差(例えば、直交)する第2の方向において位相値が略均一である位相分布を示す図である。 少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンの例として、第1の方向における位相分布がシリンドリカルレンズ効果を有し、第2の方向において位相値が略均一である位相分布を示す図である。 少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンの例として、第1の方向における位相分布が回折格子を構成し、第2の方向において位相値が略均一である位相分布を示す図である。 重ね合わせによって得られる合成パターンの例を示す図である。 対象領域の周囲の領域に含まれる変調面の各領域に、互いに共通する位相分布が配置された位相パターンを例示する図である。 対象領域の周囲の領域に含まれる変調面の各領域に、それぞれ異なる位相分布が配置された位相パターンを例示する図である。 対象領域が一度に複数個設定された例を示す図である。 第1変形例による波面計測処理を示すフローチャートである。 第2変形例による波面計測処理を示すフローチャートである。 第2変形例における、複数の対象領域の配置の例を示す図である。 第2変形例における、複数の対象領域の配置の例を示す図である。 第3変形例による補償光学システムの動作および波面歪み補償方法を示すフローチャートである。 レンズアレイの変形例を示す図である。 或る波面を有する光像が波面センサに入射したときの、複数のレンズと複数の集光スポットとの対応関係について説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一側面に係る補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、補償光学システム用プログラム、及び補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において、「位相分布」とは、二次元に分布する位相値を指し、「位相パターン」とは、位相分布(二次元の位相値)を、ある基準を基にコード化したものを指し、「位相プロファイル」とは、位相分布における或る方向(線)に沿った位相値の分布を指すものとする。
(第1の実施の形態)図1は、本実施形態に係る補償光学システム10の構成を概略的に示す図である。補償光学システム10は、例えば眼科検査装置、レーザ加工装置、顕微鏡装置、または補償光学装置などに組み込まれる。この補償光学システム10は、空間光変調器(Spatial Light Modulator;SLM)11、波面センサ12、制御部13、ビームスプリッタ14、リレーレンズ15及び16、並びに制御回路部17を備えている。
空間光変調器11は、位相パターンを表示する変調面11aに光像L1を受け、光像L1の波面形状を変調して出力する。空間光変調器11に入射する光像L1は、例えばレーザ光源やスーパールミネッセントダイオード(SLD)から発する光、或いは、光が照射された観察物から発生した反射光、散乱光、蛍光等である。波面センサ12は、空間光変調器11から到達した光像L1の波面形状(典型的には光学系の収差によって現れ、波面の歪み、すなわち基準波面からの波面のずれを表す)に関する情報を含むデータS1を制御部13に提供する。制御部13は、波面センサ12から得られたデータS1に基づいて、空間光変調器11に適切な位相パターンを表示させるための制御信号S2を生成する。一例では、制御部13は、波面センサ12からデータS1を入力する入力部、データS1から収差を算出する収差算出部、空間光変調器11に表示させる位相パターンを算出する位相パターン算出部、及び算出した位相パターンに応じて制御信号S2を生成する信号生成部を含む。制御回路部17は、制御部13から制御信号S2を受けて、この制御信号S2に基づく電圧V1を空間光変調器11の複数の電極に与える。
ビームスプリッタ14は、波面センサ12と空間光変調器11との間に配置され、光像L1を分岐する。ビームスプリッタ14は偏光方向非依存型、偏光方向依存型、或いは、波長依存型(ダイクロイックミラー)のビームスプリッタのいずれでもよい。ビームスプリッタ14によって分岐された一方の光像L1は、例えばCCDや光電子増倍管、アバランシェ・フォトダイオードといった光検出素子18に送られる。光検出素子18は、例えば走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope;SLO)、光断層撮影装置(Optical Coherence Tomography;OCT)、眼底カメラ、顕微鏡、望遠鏡等に組み込まれたものである。また、ビームスプリッタ14によって分岐された他方の光像L1は、波面センサ12に入射する。
リレーレンズ15及び16は、波面センサ12と空間光変調器11との間において光軸方向に並んで配置される。これらのリレーレンズ15,16によって、波面センサ12と空間光変調器11とが、互いに光学的な共役関係に保たれる。なお、波面センサ12と空間光変調器11との間には、光学結像レンズ及び/又は偏向ミラーなどが更に配置されてもよい。
図2は、本実施形態の波面センサ12の構成を概略的に示す断面図であって、光像L1の光軸に沿った断面を示している。また、図3は、波面センサ12が備えるレンズアレイ120を光像L1の光軸方向から見た図である。
波面センサ12には干渉型と非干渉型とがあるが、本実施形態では、波面センサ12として、レンズアレイ120及びイメージセンサ(光検出素子)122を有する非干渉型のシャックハルトマン型波面センサを用いる。このような非干渉型の波面センサを用いると、干渉型の波面センサを用いる場合と比較して、耐震性が優れており、また、波面センサの構成及び計測データの演算処理を簡易にできる利点がある。
図3に示されるように、レンズアレイ120は、N個(Nは自然数)のレンズ124を有する。N個のレンズ124は、例えばNa行Nb列(Na,Nbは2以上の整数)の二次元格子状に配置されている。
また、図2に示されるイメージセンサ122は、レンズアレイ120を構成するN個のレンズ124の後焦点面と重なる位置に受光面122aを有しており、N個のレンズ124によって形成されるK個(Kは自然数であり、K≦N)の集光スポットPを含む光強度分布を検出する。一般的には、レンズアレイ120に照射される光は、レンズアレイ120の一部のレンズ124に入力されるため、集光スポットPは入力光が照射されたレンズ124によって形成される。従って、レンズアレイ120を構成するN個のレンズ124のうち、入力光の照射範囲内に存在するレンズ124の個数N’は、集光スポットPの個数Kと等しい。もちろん、レンズアレイ120全体に入力光が照射される場合には、個数Nと個数N’とが等しくなり、N=Kとなる。後述する制御部13では、この光強度分布に基づいて、光像L1の波面形状(位相勾配の分布)が計測される。すなわち、レンズ124による集光スポットPの位置と基準位置とのずれの大きさは、レンズ124に入射する光像L1の局所的な波面の傾きに比例する。したがって、基準位置からの集光スポットPの位置ずれの大きさをレンズ124毎に算出し、この集光スポットPの位置ずれに基づいて、光像L1の波面形状を計測することができる。
なお、イメージセンサ122の受光面122aを構成する各画素も二次元格子状に配置されており、その水平方向および垂直方向はレンズアレイ120の水平方向および垂直方向とそれぞれ一致する。但し、イメージセンサ122の画素ピッチは、基準位置からの集光像位置のずれの大きさを高い精度で検出できるように、レンズアレイ120のピッチよりも十分に小さくなっている。
また、集光像位置のずれの大きさを計算する為に用いられる基準位置としては、複数のレンズ124それぞれの光軸と、イメージセンサ122の受光面122aとが交わる位置とすることができる。この位置は、平行平面波を各レンズ124に垂直入射させて得られる集光像を用いて、重心計算により容易に求められる。
空間光変調器11は、光源若しくは観察対象物からの光像L1を受け、その光像L1の波面を変調して出力する素子である。具体的には、空間光変調器11は、二次元格子状に配列された複数の画素(制御点)を有しており、制御部13から提供される制御信号S2に応じて各画素の変調量(例えば位相変調量)を変化させる。空間光変調器11には、例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)型空間光変調器、液晶表示素子と光アドレス式液晶空間光変調器とが結合されて成る電気アドレス式の空間光変調器、微小電気機械素子(Micro Electro Mechanical Systems;MEMS)、といったものがある。なお、図1には反射型の空間光変調器11が示されているが、空間光変調器11は透過型であってもよい。
図4は、本実施形態の空間光変調器11の一例として、LCOS型の空間光変調器を概略的に示す断面図であって、光像L1の光軸に沿った断面を示している。この空間光変調器11は、透明基板111、シリコン基板112、複数の画素電極113、液晶部(変調部)114、透明電極115、配向膜116a及び116b、誘電体ミラー117、並びにスペーサ118を備えている。
透明基板111は、光像L1を透過する材料からなり、シリコン基板112の主面に沿って配置される。複数の画素電極113は、シリコン基板112の主面上において二次元格子状に配列され、空間光変調器11の各画素を構成する。透明電極115は、複数の画素電極113と対向する透明基板111の面上に配置される。液晶部114は、複数の画素電極113と透明電極115との間に配置される。配向膜116aは液晶部114と透明電極115との間に配置され、配向膜116bは液晶部114と複数の画素電極113との間に配置される。誘電体ミラー117は配向膜116bと複数の画素電極113との間に配置される。誘電体ミラー117は、透明基板111から入射して液晶部114を透過した光像L1を反射して、再び透明基板111から出射させる。
また、空間光変調器11は、複数の画素電極113と透明電極115との間に印加される電圧を制御する画素電極回路(アクティブマトリクス駆動回路)119を更に備えている。画素電極回路119から何れかの画素電極113に電圧が印加されると、該画素電極113と透明電極115との間に生じた電界の大きさに応じて、該画素電極113上の液晶部114の屈折率が変化する。したがって、液晶部114の当該部分を透過する光像L1の光路長が変化し、ひいては、光像L1の位相が変化する。そして、複数の画素電極113に様々な大きさの電圧を印加することによって、位相変調量の空間的の分布を電気的に書き込むことができ、必要に応じて様々な波面形状を実現することができる。
再び図1を参照する。この補償光学システム10では、まず、図示しない光源若しくは観察対象物からの光像L1が、ほぼ平行な光として空間光変調器11に入射する。そして、空間光変調器11によって変調された光像L1は、リレーレンズ15及び16を経てビームスプリッタ14に入射し、2つの光像に分岐される。分岐後の一方の光像L1は、波面センサ12に入射する。そして、波面センサ12において光像L1の波面形状(例えば位相分布)を含むデータS1が生成され、データS1は制御部13に提供される。制御部13は、波面センサ12からのデータS1に基づいて、必要に応じて光像L1の波面形状(位相分布)を算出し、光像L1の波面歪みを適切に補償するための位相パターンを含む制御信号S2を空間光変調器11へ出力する。その後、空間光変調器11によって補償された歪みのない光像L1は、ビームスプリッタ14により分岐され、図示しない光学系を経て光検出素子18に入射し、撮像される。
ここで、図5は、空間光変調器11と波面センサ12との関係を簡略化して示す図である。上記の構成を備える補償光学システム10において、波面センサ12において光像L1の波面形状を正確に検出するためには、N個のレンズ124のそれぞれによって形成されるK個の集光スポットPと、K個の集光スポットPの位置ずれ情報に基づいてそれぞれ制御されるべき空間光変調器11の変調面11a上のN個の領域11bとの対応関係を正確に特定する必要がある。
なお、図6は、空間光変調器11の変調面11aの正面図である。図6に示されるように、変調面11a上に想定されるN個の領域11bは、N個のレンズ124と同様に二次元状(例えばNa行Nb列)に配列され、それぞれN個のレンズ124と一対一で対応している。また、各領域11bには、複数の画素が含まれている。なお、各領域11bの一辺の長さdは、d=G×mlaPitch/slmPitch(但し、Gは空間光変調器11と波面センサ12との間の光学結像倍率、mlaPitchはレンズアレイ120のピッチ、slmPitchは空間光変調器11の画素ピッチ)として算出される。
以下、本実施形態による補償光学システム10及び波面歪み補償方法において、K個の集光スポットPと、変調面11a上のN個の領域11bとの対応関係を特定する方法について詳細に説明する。なお、この特定方法は、例えば制御部13において、波面歪み補償動作に組み込まれる。
図7は、本実施形態における特定方法の原理を説明するための概念図である。図7には、空間光変調器11の変調面11a及び波面センサ12(レンズアレイ120及びイメージセンサ122)に加えて、リレーレンズ15及び16、変調面11aへ入射される光像の波面W1、変調面11aから出射される光像の波面W2、波面センサ12に入射される光像の波面W3が示されている。空間光変調器11からは、入射波面W1に、その位相パターンに応じた波面が加えられた波面W2が出射される。波面センサ12には、リレーレンズ15及び16を含む共役光学系を経た波面W3が入射される。また、図7には、変調面11a上の或る領域11bから出射して、当該領域11bに対応する波面センサ12のレンズ124に達する光像L1が示されている。
ここで、変調面11a上の或る領域11b(以下、対象領域と称する)において、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させる。このような位相パターンは、例えば略均一な位相分布、少なくとも一方向に傾斜した位相分布等を含むことによって実現される。または、このような位相パターンは、シリンドリカルレンズ効果を有する位相分布、すなわち第1の方向における位相分布が2次の関数を有し、該第1の方向と交差(例えば、直交)する第2の方向において略均一である位相分布、若しくは第1の方向において回折格子を構成し、該第1の方向と交差(例えば、直交)する第2の方向において略均一である位相分布を含むことによって実現される。
また、これと同時に、変調面11a上の対象領域を囲む複数の領域11bにおいて、空間的に非線形な位相パターン(例えば、位相の大きさの分布が不規則であるランダム分布や、集光スポットを拡径するデフォーカス分布など)を表示させる。すると、出射波面W2のうち該複数の領域11bに相当する部分の波面が乱れる(図7の部分A1)。そして、この波面の乱れは、波面センサ12への入射波面W3のうち、該複数の領域11bに対応するレンズ124に入射する部分にも生じることとなる(図7の部分A2)。これにより、当該レンズ124によって形成されていた集光スポットPが拡散し、集光スポットPが形成されないか、或いはその光強度が微弱となる。
一方、波面W2,W3における対象領域に相当する部分(図7の部分A3,A4)では、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンによって、該少なくとも一方向において波面が乱されることなくレンズ124に入射する。したがって、当該レンズ124によって集光スポットPが明瞭に形成される。
図8は、変調面11aに表示される位相パターンを概念的に示す図である。図8において、領域B1は、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが表示される領域(すなわち対象領域)であり、領域B2は、空間的に非線形な位相パターンが表示される領域である。このように、本実施形態では、N個の領域11bのうち或る一つの対象領域B1において、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが表示される。
図9は、波面センサ12のイメージセンサ122によって検出される光強度分布データ(シャックハルトマングラム)を概念的に示す図である。図9(a)は、対象領域B1において少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが表示され、他の領域B2において空間的に非線形な位相パターンが表示されている場合の光強度分布データD1を示している。図9(b)は、比較のため、全ての領域において線形性を有する位相パターンが表示されている場合の光強度分布データD2を示している。
図9(b)に示されるように、全ての領域において線形性を有する位相パターンが表示されている場合には、N個の領域11bに対応するK個の集光スポットPが光強度分布データに含まれる。これに対し、図9(a)に示されるように、対象領域B1において少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが表示され、他の領域B2において空間的に非線形な位相パターンが表示されている場合には、対象領域B1に対応する一個の集光スポットPは光強度分布データに含まれるが、他の領域B2に対応する集光スポットは、形成されないか、或いは形成されてもその最大強度が減少したものとなる。従って、図9(a)に示された光強度分布データD1に基づいて、対象領域B1に対応する集光スポットPを容易に特定することができる。
以上に説明した、変調面11aの各領域11bと集光スポットPとの対応関係を特定する方法を含む、補償光学システム10の動作および波面歪み補償方法について図10を参照しつつ説明する。図10は、本実施形態の補償光学システム10の動作および波面補償方法を示すフローチャートである。なお、図1に示された制御部13の記憶領域13aの内部にこの補償方法が補償光学システム用プログラムとして記憶され、制御部13がこのプログラムを読み出して実行する。なお、制御部13は、CPU、主記憶装置であるRAM及びROM、通信を行うための通信モジュール、並びに、ハードディスク等の補助記憶装置等のハードウェア資源を備えるコンピュータを主体として構成され得る。補償光学システム用プログラムは、そのコンピュータに挿入されてアクセスされる記録媒体、或いは、そのコンピュータが備える記録媒体に記憶されている。このような記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM、USBメモリ、コンピュータに内蔵されるメモリ(記憶領域13a)等が該当する。
補償光学システム10では、まず、制御部13の初期処理が行われる(ステップS11)。この初期処理ステップS11では、例えば計算処理に必要なメモリ領域の確保や、パラメータの初期設定などが行われる。
次に、制御部13は、波面計測(収差計測)を行う(ステップS12)。この波面計測ステップS12では、通常の波面計測方法に、前述した、K個の集光スポットPと変調面11a上のN個の領域11bとの対応関係を特定する方法を組み合わせた方法を用いることにより、ダイナミックレンジが拡大された波面計測を行う。
図11は、制御部13において実行される波面計測処理の一例を示すフローチャートである。図11に示されるように、制御部13は、先ず、繰り返し回数を示す変数nを1に設定する(ステップS21)。次に、制御部13は、変調面11a上の或る対象領域B1(n)に、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させる。同時に、制御部13は、変調面11a上の他の領域B2に、空間的に非線形な位相パターンを表示させる(ステップS22)。そして、この状態で、制御部13は、波面センサ12のイメージセンサ122によって作成される光強度分布データを取得する(ステップS23、本実施形態における光強度分布取得ステップ)。図9(a)に示されたように、この光強度分布データには、対象領域B1(n)に対応する一個のレンズ124によって形成された一個の集光スポットPが含まれている。
続いて、制御部13は、光強度分布データに含まれる集光スポットP(n)の重心を計算することによって、集光スポットP(n)の位置座標を特定する(ステップS24)。この重心計算の際、所定の閾値よりも小さいデータ値の排除や、ノイズ低減処理等を併せて行うことができる。続いて、集光スポットP(n)の評価値を算出する(ステップS25)。評価値とは、例えば集光スポットP(n)の光強度や拡がり具合(スポット径)などといった、集光スポットP(n)の信頼性を表す数値である。以降のステップでは、この評価値が所定の条件を満たす集光スポットP(n)に関する情報のみが計算に使用される。
続いて、制御部13は、繰り返し回数を示す変数nが最大値Nmaxに達したか否かを判断する(ステップS26)。最大値Nmaxは、例えば変調面11aに含まれる領域11bの個数(=N)に設定される。変数nが最大値Nmaxに達していない場合(ステップS26;No)、変数nに1を加えたのち(ステップS27)、すなわち異なる別の領域11bにおいて、ステップS22〜S26を再び繰り返す。また、変数nが最大値Nmaxに達した場合(ステップS26;Yes)、以下のステップS28及びS29を行う。
ステップS28では、各集光スポットPの位置座標と基準位置との距離(位置ずれ量)を集光スポットP毎に算出する。その後、ステップS29では、ステップS28において算出された各集光スポットPの位置ずれ量を波面方程式に適用することにより、波面歪み(収差)を算出する(波面歪み算出ステップ)。
なお、上記の波面計測処理において、ステップS25、若しくはステップS24及びS25の双方は、ステップS26においてnがNmaxに達した後に行われてもよい。或いは、ステップS28が、ステップS25とステップS26との間に行われてもよい。
再び図10を参照する。続いて、制御部13は、空間光変調器11の変調面11aに表示させるべき波面歪み補償用の位相パターン(制御パターン)の計算を行い、制御信号S2を更新する(ステップS13、表示ステップ)。このステップS13では、例えば、先の波面計測ステップS12において算出された波面歪み(収差)を補正する(例えばゼロに近づける)ための位相パターンが算出される。そして、算出された位相パターンに応じた制御信号S2が制御部13から制御回路部17へ出力される。制御回路部17は、この制御信号S2に応じた制御電圧V1を空間光変調器11に供給する。これにより、波面歪みを補正するための位相パターンが変調面11aに表示される。
続いて、制御部13は、再び波面計測(収差計測)を行う(ステップS14)。但し、この波面計測ステップS14では、前述した波面計測ステップS12とは異なり、通常の波面計測方法を用いて波面計測を行う。図12は、制御部13において実行される通常の波面計測処理の一例を示すフローチャートである。図12に示されるように、制御部13は、先ず、波面センサ12のイメージセンサ122によって作成される光強度分布データを取得する(ステップS31)。図9(b)に示されたように、この光強度分布データには、N個のレンズ124によって形成されたK個の集光スポットPが含まれている。次に、制御部13は、光強度分布データに含まれるK個の集光スポットPそれぞれの重心を計算することによって、K個の集光スポットPそれぞれの位置座標を特定する(ステップS32)。前述したステップS24と同様に、この重心計算の際にも、所定の閾値よりも小さいデータ値の排除や、ノイズ低減処理等を併せて行うことができる。続いて、K個の集光スポットPの評価値を算出する(ステップS33)。続いて、各集光スポットPの位置座標と基準位置との距離(位置ずれ量)を集光スポットP毎に算出する(ステップS34)。その後、ステップS34において算出された各集光スポットPの位置ずれ量を波面方程式に適用することにより、波面歪み(収差)を算出する(ステップS35)。
再び図10を参照する。制御部13は、波面補償動作を終了するか否かの指令信号を外部から受け付ける(ステップS16)。この指令信号は、例えば補償光学システム10を含む装置を操作する者から入力される。そして、終了指令があった場合には(ステップS16;Yes)、終了処理ステップS17を経て終了する。また、終了指令がない場合には(ステップS16;No)、前述したステップS14〜S16を繰り返し実行する。なお、終了処理ステップS17では、例えば制御部13のメモリ領域の開放などが行われる。
以上に説明した本実施形態の補償光学システム10、対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム用プログラム、及び補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体によって得られる効果について説明する。
本実施形態では、光強度分布取得ステップS23において、空間光変調器11の対象領域B1に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、この対象領域B1を囲む複数の領域(領域B2)に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、波面センサ12のイメージセンサ122により光強度分布を取得する。この光強度分布取得ステップS23では、対象領域B1に対応する集光スポットPがイメージセンサ122上に形成される。また、領域B2では非線形の位相パターンによって光が拡散するので、領域B2に対応する集光スポットPは形成されないか、或いはその光強度が微弱となる。故に、図9(a)に示されたように、対象領域B1に対応する集光スポットPの周囲では、集光スポットPが存在しないか、或いは集光スポットPの明瞭さが対象領域B1に対応する集光スポットPと比較して各段に劣ることとなる。したがって、対象領域B1に対応する集光スポットPを容易に特定することが可能となる。
このように、本実施形態の補償光学システム10、その対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム用プログラム、及び補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体によれば、波面センサ12の集光スポットPと、該集光スポットPの位置から算出される収差に基づいて制御されるべき空間光変調器11の変調面11a上の領域11bとの対応関係を正確に特定しながら、波面補償動作を行うことができる。したがって、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能となる。また、特許文献1に記載された構成のように光学板等の新たな部品を追加する必要がないので、部品点数の増加を抑制できるとともに、被計測光の損失の増加を抑制して波面検出精度を維持することができる。
また、本実施形態のように、空間光変調器11のN個の領域を一個ずつ順に対象領域B1に設定しながら、光強度分布取得ステップS23をN回繰り返し行うことにより、N個の領域それぞれに対応するN個の光強度分布を取得してもよい。これにより、空間光変調器11の全ての領域11bにおいて、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能となる。
ここで、ステップS22において変調面11aの領域B2に表示される「空間的に非線形な位相パターン」の例を示す。図13〜図16は、このような位相パターンの例を示す図であって、位相の大きさが明暗によって示されており、最も暗い部分の位相は0(rad)であり、最も明るい部分の位相は2π(rad)である。
図13は、位相の大きさの分布が不規則であるランダム分布を示している。このような位相パターンが領域B2に表示されると、当該部分の光像L1が拡散し、明瞭な集光スポットPが形成されなくなるか、最大の光強度が減少する。また、図14は、集光スポットPを拡径するデフォーカス分布を示している。このような位相パターンが領域B2に表示されると、当該部分の光像L1が集光されず逆に拡大されるので、明瞭な集光スポットPが形成されなくなるか、最大の光強度が減少する。また、図15は、光像L1に大きな球面収差を生じさせる分布を示している。球面収差を生じる位相パターンの代わりに、大きな非点収差やコマ収差を生じる位相パターンを用いてもよい。図16は、光像L1に球面収差・非点収差・コマ収差より大きな次数の高次収差を含む収差を生じさせる分布を示している。図15や図16に示された位相パターンが領域B2に表示された場合にも、明瞭な集光スポットPが形成されなくなる。空間的に非線形な位相パターンは、これらの分布のうち少なくとも一つを含んでもよく、或いは、これらの分布のうち少なくとも一つと、線形な位相パターンとを重ね合わせた合成パターンを含んでもよいし、或いは、これらの分布のうち少なくとも一つと、波面計測された波面歪みを補償するための位相パターンとを重ね合わせた合成パターンを含んでも良い。
また、ステップS22において変調面11aの対象領域B1に表示される「少なくとも一方向に線形性を有する位相パターン」の例は、次の通りである。図17〜図20は、このような位相パターンの例を示す図であって、図13〜図16と同様に、位相の大きさが明暗によって示されている。
図17は、変調面11aの全面に亘って位相値が略均一な位相分布を示している。また、図18は、第1の方向(図中の矢印E1)において位相値が傾斜しており、第1の方向と交差(例えば、直交)する第2の方向(図中の矢印E2)において位相値が略均一である位相分布を示している。図17又は図18に示されたような位相パターンが対象領域B1に表示されると、当該部分の光像L1の波面は平坦となるので、レンズ124によって明瞭な集光スポットPが形成される。また、図19は、第1の方向E1における位相分布がシリンドリカルレンズ効果を有し、第2の方向E2において位相値が略均一である位相分布を示している。また、図20は、第1の方向E1における位相分布が回折格子を構成し、第2の方向E2において位相値が略均一である位相分布を示している。図19や図20に示された位相パターンが対象領域B1に表示された場合、第1の方向E1においては光が拡散するが、第2の方向E2において集光されるので、集光スポットPの該当方向の形状が維持される。少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンは、これらの分布のうち少なくとも一つを含むことができる。或いは、これらの分布を互いに重ね合わせた合成プロファイルを含んでもよい。図21は、そのような重ね合わせによって得られる合成プロファイルの例を示す図である。図21(a)に示される位相パターンは図19に示されたものであり、図21(b)に示される位相パターンは、図18に示された位相パターンを90°回転させたものである。そして、図21(c)に示される位相パターンは、これらを重ね合わせた合成プロファイルである。図21(c)に示された合成プロファイルでは、第1の方向E1においては光が拡散するが、第2の方向E2において集光されるので、該当方向の形状が維持される。
また、対象領域B1の周囲の領域B2に表示される非線形な位相パターンは、変調面11aの各領域11bに互いに共通する位相分布が表示されてもよく、また、各領域11bにそれぞれ異なる位相分布が表示されてもよい。図22は、領域B2内の各領域11bに互いに共通する位相分布(例えばデフォーカス分布)が配置された位相パターンを例示している。また、図23は、領域B2内の各領域11bにそれぞれ異なる位相分布(例えばランダム分布)が配置された位相パターンを例示している。
(第1の変形例)上記第1実施形態では、図8に示されたように、変調面11aにおいて対象領域B1を一つだけ設定しているが、対象領域B1は、一度に複数個設定されてもよい。図24は、対象領域B1が一度に複数個設定された例を示す図である。なお、図24において、対象領域B1を空白で示し、その周囲の領域B2に並行斜線を付して対象領域B1と区別している。図24に示されるように、本変形例では、互いに隣接しない複数の領域11bが対象領域B1に設定され、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが表示される。また、他の領域B2には、空間的に非線形な位相パターンが表示される。なお、図24に示された例では、互いに隣接する対象領域B1の間に存在する領域B2の大きさが領域11b一個分なので、波面センサ12のイメージセンサ122上において、集光スポットPの検出可能範囲がレンズ124の直径の2倍に拡大される。
図25は、本変形例による波面計測処理(図10に示されたステップS12に相当)を示すフローチャートである。本変形例では、制御部13が、先ず、変調面11a上の複数の対象領域B1(図24を参照)に、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させる。同時に、制御部13は、変調面11a上の他の領域B2に、空間的に非線形な位相パターンを表示させる(ステップS41)。そして、この状態で、制御部13は、波面センサ12のイメージセンサ122によって作成される光強度分布データを取得する(ステップS42、本変形例における光強度分布取得ステップ)。この光強度分布データには、複数の対象領域B1に対応する複数のレンズ124によって形成された複数の集光スポットPが含まれている。
続いて、制御部13は、光強度分布データに含まれる複数の集光スポットPの重心を計算することによって、複数の集光スポットPの位置座標を特定する(ステップS43)。前述した第1実施形態と同様に、この重心計算の際、所定の閾値よりも小さいデータ値の排除や、ノイズ低減処理等を併せて行うことができる。続いて、複数の集光スポットPの評価値を算出する(ステップS44)。その後、各集光スポットPの位置座標と基準位置との距離(位置ずれ量)を集光スポットP毎に算出する(ステップS45)。そして、ステップS45において算出された各集光スポットPの位置ずれ量を波面方程式に適用することにより、波面歪み(収差)を算出する(ステップS46)。
なお、このステップS46では、複数の対象領域B1に対応する複数の集光スポットPのみの位置座標に基づいて波面歪みを算出し、領域B2に対応する集光スポットは使用されない。したがって、波面歪みを算出する際の精度は上記第1実施形態と比較して低くなるが、実用上問題とならない場合には、上記第1実施形態よりも処理時間が各段に短縮される。実用上問題とならない場合とは、(1)図10に示された後段の波面計測ステップS14において十分な計測精度が得られる場合、(2)計測対象である波面の低次収差成分が大きい場合、などである。(2)については、例えば、補償光学システムが眼底イメージング装置に適用される場合に、角膜、水晶体、或いは涙液などによって生じる眼球の収差は2次や3次といった低次収差を多く含む。したがって、対象領域B1の個数を例えば10個より多く設定すれば、収差を十分な精度で計測することが可能である。
以上の構成を備える本変形例によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。更に、本変形例では、空間光変調器11の複数の対象領域B1と複数の集光スポットPとの対応関係を一度に特定して補償動作を行うことができるので、処理時間を短縮することができる。
(第2の変形例)上記の第1変形例では、複数の対象領域B1を一度だけ設定し、得られた一つの光強度分布データに基づいて波面補償を行っているが、複数の対象領域B1を変更しながら二以上の光強度分布データを取得し、該二以上の光強度分布データに基づいて波面補償を行ってもよい。
図26は、本変形例による波面計測処理(図10に示されたステップS12に相当)を示すフローチャートである。本変形例において、制御部13は、先ず、繰り返し回数を示す変数mを1に設定する(ステップS51)。次に、制御部13は、変調面11a上の複数の対象領域B1(m)に、少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させる。同時に、制御部13は、変調面11a上の他の領域B2に、空間的に非線形な位相パターンを表示させる(ステップS52)。ここで、図27及び図28は、ステップS52において設定される複数の対象領域B1(m)の配置の例を示す図である。なお、これらの図は、変数mの最大値M(Mは2以上の整数)が4である場合の、変数m=1,2,3,4の各々における配置を示している。また、これらの図においても、対象領域B1を空白で示し、その周囲の領域B2に並行斜線を付して対象領域B1と区別している。
図27(a)及び図27(b)、並びに図28(a)及び図28(b)に示された4つの形態では、複数の対象領域B1が設定される点は共通しているが、対象領域B1に設定される領域11bの位置が互いに異なっている。具体的には、2行2列の領域11bからなる領域を一つの単位領域とすると、図27(a)では該単位領域内で第1行第1列の領域11bが対象領域B1(1)に設定され、図27(b)では第1行第2列の領域11bが対象領域B1(2)に設定され、図28(a)では第2行第1列の領域11bが対象領域B1(3)に設定され、図28(b)では第2行第2列の領域11bが対象領域B1(4)に設定されている。なお、図27及び図28に示された例においても、図24と同様、互いに隣接しない複数の領域11bが対象領域B1に設定される。また、互いに隣接する対象領域B1の間に存在する領域B2の大きさが領域11b一個分なので、波面センサ12のイメージセンサ122上において、集光スポットPの検出可能範囲がレンズ124の直径の2倍に拡大される。
再び図26を参照する。上述した位相パターンが表示された状態で、制御部13は、波面センサ12のイメージセンサ122によって作成される光強度分布データを取得する(ステップS53、本変形例における光強度分布取得ステップ)。この光強度分布データには、対象領域B1(m)に対応する複数のレンズ124によって形成された複数の集光スポットP(m)が含まれている。
続いて、制御部13は、光強度分布データに含まれる複数の集光スポットP(m)の重心を計算することによって、複数の集光スポットP(m)の位置座標を特定する(ステップS54)。上記の実施形態と同様に、この重心計算の際にも、所定の閾値よりも小さいデータ値の排除や、ノイズ低減処理等を併せて行うことができる。続いて、集光スポットP(m)の評価値を算出する(ステップS55)。
続いて、制御部13は、繰り返し回数を示す変数mが最大値Mに達したか否かを判断する(ステップS56)。最大値Mは、例えば変調面11aに含まれる領域11bの個数(=N)を、複数の対象領域B1の個数で除した値に設定される。変数mが最大値Mに達していない場合(ステップS56;No)、変数mに1を加えたのち(ステップS57)、ステップS52〜S56を再び繰り返す。また、変数mが最大値Mに達した場合(ステップS56;Yes)、以下のステップS58及びS59を行う。
ステップS58では、各集光スポットPの位置座標と基準位置との距離(位置ずれ量)を集光スポットP毎に算出する。その後、ステップS59では、ステップS58において算出された各集光スポットPの位置ずれ量を波面方程式に適用することにより、波面歪み(収差)を算出する。
なお、上記の波面計測処理において、ステップS55、若しくはステップS54及びS55の双方は、ステップS56においてmがMに達した後に行われてもよい。或いは、ステップS58が、ステップS55とステップS56との間に行われてもよい。
本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本変形例では、第1変形例とは異なり、空間光変調器11のN個の領域11bを複数個ずつ順に対象領域B1に設定しながら、光強度分布取得ステップS53をM回繰り返し行うことによりM個の光強度分布データを取得する。したがって、第1変形例と比較して波面歪みを算出する際の精度を向上させることができる。また、光強度分布取得ステップの繰り返し回数が前述した第1実施形態よりも少なくなるので、第1実施形態と比較して処理時間を短縮することができる。
(第3の変形例)図29は、本変形例による補償光学システム10の動作および波面歪み補償方法を示すフローチャートである。前述した第1実施形態では、図10に示されたように、ダイナミックレンジを拡大した波面計測ステップS12を最初に一回のみ行う。これに対し、本変形例では、必要に応じて波面計測ステップS12を行う。
本変形例では、図29に示されるように、制御部13の初期処理ステップS11、波面計測ステップS12、変調面11aに表示させるべき波面歪み補償用の位相パターンの計算および制御信号の更新(ステップS13)をこの順で行う。なお、これらのステップの内容は第1実施形態と同様である。
続いて、制御部13は、通常の波面計測を行う(ステップS14)。その後、制御部13は、波面計測ステップS14において計測された残留収差が所定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS18)。残留収差が大きい場合(ステップS18;Yes)、制御部13は、ダイナミックレンジが拡大された波面計測ステップS12およびステップS13を再び行う。また、残留収差が小さい場合(ステップS18;No)、制御部13は、通常の波面計測ステップS14において計測された波面形状に基づいて、変調面11aに表示させるべき波面歪み補償用の位相パターンを計算し、制御信号を更新する(ステップS15)。なお、ステップS14及びS15の内容は第1実施形態と同様である。
その後、制御部13は、波面補償動作を終了するか否かの指令信号を外部から受け付ける(ステップS16)。そして、終了指令があった場合には(ステップS16;Yes)、終了処理ステップS17を経て終了する。また、終了指令がない場合には(ステップS16;No)、前述したステップS14以降の動作(ステップS18からステップS12に戻る場合を含む)を繰り返し行う。
本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。更に、本変形例では、残留収差が大きい場合に波面計測ステップS12を行うので、ダイナミックレンジを自動的に拡大することができ、補償光学システム10の取り扱いをより簡易化できる。
本発明の一側面に係る補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、補償光学システム用プログラム、及び補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、前述した実施形態および各変形例では、波面センサ12のレンズアレイ120として、図3に示されたように、複数のレンズ124が二次元格子状に配列された形態を例示したが、波面センサ12のレンズアレイはこのような形態に限られない。例えば、図30に示されるように、レンズアレイ120は、正六角形の複数のレンズ128が隙間無く並んだハニカム構造を有していてもよい。また、空間光変調器としては、正六角形の複数の画素が隙間無く並んでいるようなものを用いても良い。また、上述した実施形態は、液晶を用いた空間光変調器を例に説明したが、液晶以外の電気光効果を有する材料を用いた空間光変調器や、画素が微小ミラーで形成されている空間光変調器、あるいは膜ミラーをアクチュエーターで変形させる可変鏡などを用いても良い。
本発明の一側面に係る補償光学システムの対応関係特定方法、波面歪み補償方法、補償光学システム、補償光学システム用プログラム、及び補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体によれば、部品点数の増加および被計測光の損失の増加を抑制しつつ、波面センサの集光スポットと、その位置に基づいて制御されるべき空間光変調器の変調面上の領域との対応関係を正確に特定して、より大きな波面歪みを精度良く補償することが可能となる。
10…補償光学システム、11…空間光変調器、11a…変調面、11b…領域、12…波面センサ、13…制御部、13a…記憶領域、14…ビームスプリッタ、15,16…リレーレンズ、17…制御回路部、18…光検出素子、120…レンズアレイ、122…イメージセンサ、124…レンズ、B1…対象領域、L1…光像、P…集光スポット。

Claims (13)

  1. 二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、前記N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)の集光スポットを含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、前記空間光変調器から変調後の前記光像を受ける波面センサとを備える補償光学システムにおいて、前記空間光変調器の前記領域と、前記波面センサに形成される前記集光スポットとの対応関係を特定する方法であって、
    前記空間光変調器の前記N個の領域のうちの少なくとも1個の前記領域を対象領域に設定し、前記対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、前記対象領域を囲む複数の前記領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、前記光検出素子により前記光強度分布を取得する、補償光学システムの対応関係特定方法。
  2. 前記空間光変調器の前記N個の領域を1個ずつ前記対象領域に設定しながら、前記光強度分布を取得する、請求項1に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  3. 前記空間光変調器の前記N個の領域のうち、互いに隣接しない複数の前記領域を前記対象領域に設定し、前記光強度分布を取得する、請求項1に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  4. 前記対象領域に設定する前記複数の領域を変更しながら、前記光強度分布を取得する、請求項3に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  5. 前記空間的に非線形な位相パターンが、位相の大きさの分布が不規則であるランダム分布を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  6. 前記空間的に非線形な位相パターンが、前記集光スポットを拡径するデフォーカス分布を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  7. 前記少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが、略均一な位相分布を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  8. 前記少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが、少なくとも一方向に傾斜した位相分布を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  9. 前記少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが、第1の方向においてシリンドリカルレンズ効果を有し、該第1の方向と交差する第2の方向において略均一である位相分布を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  10. 前記少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンが、第1の方向において回折格子を構成し、該第1の方向と交差する第2の方向において略均一である位相分布を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補償光学システムの対応関係特定方法。
  11. 二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、前記N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)の集光スポットを含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、前記空間光変調器から変調後の前記光像を受ける波面センサとを備える補償光学システムにおいて、前記空間光変調器に表示される位相パターンを、前記光強度分布から得られる前記光像の波面形状に基づいて制御することにより波面歪みを補償する波面歪み補償方法であって、
    前記空間光変調器の前記N個の領域のうちの少なくとも1個の領域を対象領域に設定し、前記対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、前記対象領域を囲む複数の前記領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、前記光検出素子により前記光強度分布を取得することにより、前記空間光変調器の前記領域と、前記波面センサに形成される前記集光スポットとの対応関係を特定し、
    前記光強度分布に基づいて波面歪みを算出し、
    前記波面歪みを補正するための位相パターンを前記変調面に表示させる、波面歪み補償方法。
  12. 二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、
    前記N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)の集光スポットを含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、前記空間光変調器から変調後の前記光像を受ける波面センサと、
    前記空間光変調器に表示される位相パターンを、前記光強度分布から得られる前記光像の波面形状に基づいて制御することにより波面歪みを補償する制御部と、
    を備え、
    前記制御部が、前記空間光変調器の前記N個の領域のうちの少なくとも1個の前記領域を対象領域に設定し、前記対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、前記対象領域を囲む複数の前記領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、前記光強度分布を取得することにより、前記空間光変調器の前記領域と、前記波面センサに形成される前記集光スポットとの対応関係を特定し、前記光強度分布に基づいて波面歪みを算出し、前記波面歪みを補正するための位相パターンを前記変調面に表示させる、補償光学システム。
  13. 二次元状に配列されたN個(Nは自然数)の領域を含む変調面に入射した光像の位相を空間的に変調する空間光変調器と、前記N個の領域に各々対応するN個のレンズが二次元状に配列されたレンズアレイ、並びに該レンズアレイによって形成されたK個(Kは自然数であり、K≦N)の集光スポットを含む光強度分布を検出する光検出素子を有し、前記空間光変調器から変調後の前記光像を受ける波面センサと、前記空間光変調器に表示される位相パターンを、前記光強度分布から得られる前記光像の波面形状に基づいて制御することにより波面歪みを補償する制御部とを備える補償光学システムにおいて、前記制御部の動作を制御するための補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体であって、
    前記補償光学システム用プログラムは、
    前記空間光変調器の前記N個の領域のうちの少なくとも1個の前記領域を対象領域に設定し、前記対象領域に少なくとも一方向に線形性を有する位相パターンを表示させ、前記対象領域を囲む複数の前記領域に空間的に非線形な位相パターンを表示させた状態で、前記光強度分布を取得することにより、前記空間光変調器の前記領域と、前記波面センサに形成される前記集光スポットとの対応関係を特定する光強度分布取得ステップと、
    前記光強度分布に基づいて波面歪みを算出する波面歪み算出ステップと、
    前記波面歪みを補正するための位相パターンを前記変調面に表示させる表示ステップと、
    を前記制御部に実行させる、
    補償光学システム用プログラムを記憶する記録媒体。
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