JP6296434B2 - 機能性核酸分子の構築法 - Google Patents

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Description

本発明は、機能性核酸分子を細胞内で構築する新規な方法、ならびに当該方法に用いる核酸組合せ物、新規な核酸分子およびその製造方法に関する。
核酸分子の中には、タンパク質をコードしないが、各種の生命現象に重要な機能を果たすものが知られている。このような核酸分子として、例えば、機能性のnon−coding RNA分子(非特許文献1)、RNA干渉作用を引き起こすRNAの小分子(非特許文献2)等が挙げられる。
例えば、RNA干渉作用は、細胞内で、標的RNAの作用を特異的に抑制する重要な手法(非特許文献3)として、試薬としては元より、医薬としての応用(非特許文献4)も盛んに研究されている。
また、光で開環可能な環状のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(asODNs)を用いて、in vitroで、相補的な配列を含むRNAを切断する方法が報告されている(非特許文献5)。
Ryan J Taft, Ken C Pang, Timothy R Mercer, Marcel Dinger1 and John S Mattick, J Pathol., 2010, 220, 126-139 Fire A, Xu S, Montgomery M, Kostas S, Driver S, Mello C; Nature, 1998, 391, 806-11. Sayda M. Elbashir, Javier Martinez, Agnieszka Patkaniowska, Winfried Lendeckel and Thomas Tuschl; EMBO J. 2001, 20, 6877-6888 John C. Burnett, John J. Rossi and Katrin Tiemann; Biotechnol. J. 2011, 6, 1130-1146. XinJing Tang, Meng Su, LiLi Yu, Cong Lv, Jie Wang and ZhongJin Li; Nucleic Acids Research, 2010, Vol. 38, No. 11, 3848-3855.
RNA干渉作用を引き起こすRNAは小分子であるにもかかわらず、その効果を最大限に引き出すために、細胞膜の透過性をさらに向上させる要求、および免疫系を賦活化することによる毒性発現を抑制するためのさらなる要求が存在する。
しかし、このような要求に対して、RNA分子をさらに小分子とするため、その機能発揮に必要最小限な配列に絞りこむ努力がなされているに過ぎないのが現状である。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、機能性核酸分子を細胞に取り込み容易な形状にして細胞内に導入し、細胞内で機能性核酸分子を構築する方法等を提供することにある。
本発明に係る方法は、上記課題を解決するために、以下の構成を採る。
1)2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子の構築法であって、少なくとも1本を、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として、2本の核酸鎖を細胞内に導入する導入工程と、上記細胞内で上記リンカーを切断して上記環状核酸分子を開環させ、上記2本の核酸鎖をハイブリダイズさせて、機能性核酸分子を生成する生成工程と、を含む方法。
2)上記2本の核酸鎖は、何れも、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として導入される、1)に記載の方法。
3)上記2本の核酸鎖は、何れも、RNA分子である、1)または2)に記載の方法。
4)上記機能性核酸分子は、細胞内でRNA干渉作用を有する、1)〜3)の何れかに記載の方法。
5)上記リンカーは、上記細胞中の内因性物質、または光照射によって切断される、1)〜4)の何れかに記載の方法。
6)上記リンカーは、ジスルフィド結合を有している、1)〜5)の何れかに記載の方法。
7)上記1)〜6)の何れかに記載の方法に用いる核酸組合せ物であって、機能性核酸分子を構成する上記2本の核酸鎖を備えてなり、当該2本の核酸鎖のうちの少なくとも1本が、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として含まれている、核酸組合せ物。
8)上記2本の核酸鎖は、何れも、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として含まれている、7)に記載の核酸組合せ物。
9)上記7)または8)に記載の核酸組合せ物が導入されている細胞。
10)ジスルフィド結合を介して閉環している一本鎖の核酸分子。
11)上記10)に記載の核酸分子の製造方法であって、一方の末端にホスホロチオエート基を有し、他方の末端にチオール基を有する1本の直鎖状の核酸分子を合成し、ジスルフィド化合物で処理して閉環させる製造方法。
2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子について、少なくとも一方の核酸鎖を細胞に取り込み容易な一本鎖の環状核酸分子として細胞内に導入し、細胞内で2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子を構築することができる。
一実施例におけるRNAの設計および合成を示す図である。 一実施例における光照射の解析の結果を示す図である。 一実施例におけるRNAiの評価の結果を示す図である。 一実施例におけるメカニズムの概略を示す図である。 一実施例における細胞膜透過性の評価の結果を示す図である。 他の実施例におけるRNAの設計および合成を示す図である。 他の実施例におけるRNAiの評価の結果を示す図である。 他の実施例におけるメカニズムの概略を示す図である。 他の実施例における細胞膜透過性の評価の結果を示す図である。
〔1.機能性核酸分子の構築法〕
(構築法の概要)
本発明に係る機能性核酸分子の構築法は、2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子の構築法であって、以下の工程(1)および(2)を含む。
(1)少なくとも1本を、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として、2本の核酸鎖を細胞内に導入する導入工程、
(2)上記細胞内で上記リンカーを切断して上記環状核酸分子を開環させ、上記2本の核酸鎖をハイブリダイズさせて、機能性核酸分子を生成する生成工程。
本発明の構築法は、2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子を、それぞれ一本鎖の状態でかつ少なくとも1本を環状核酸分子の形態で細胞内に導入し、細胞内で機能性核酸分子を構築させる。したがって、機能性核酸分子の細胞への取り込みが向上する。また、核酸鎖の少なくとも1本を環状核酸分子として用いるために、機能性核酸分子に起因する免疫毒性が抑制されうる。さらに、環状核酸分子はヌクレアーゼによって切断されにくいため、導入した細胞内において安定に存在することができる。
(機能性核酸分子)
本発明において、機能性核酸分子とは、複数個の核酸が鎖状に連結してなり(すなわち、オリゴまたはポリヌクレオチド)、タンパク質をコードせず、かつ発生・分化等の生命現象に対して所定の機能を発揮する核酸分子を指す。したがって、生命現象において特段の機能を発揮しない、単に標的特異的にハイブリダイズするだけのプライマーおよびプローブは、本発明における機能性核酸分子の範疇から除かれる。
本発明における機能性核酸分子は、2本の核酸鎖から構成されるものである。すなわち、本発明における機能性核酸分子は、2本の核酸鎖間でハイブリダイズしてなるハイブリダイズ領域を有する。機能性核酸分子は、DNA分子、RNA分子、またはDNA・RNAハイブリッド分子である。また、機能性核酸分子は、その一部に非天然の核酸を含んでいてもよい。
上記DNA分子としては、例えば、CpGモチーフ、DNAザイム、DNAアプタマー等が挙げられる。なお、本明細書において、ベースがDNA鎖であり、一部にRNA、非天然の核酸等が導入されているものは、DNA分子に分類する。
上記RNA分子としては、例えば、siRNA等のRNA干渉作用を示すRNA分子(RNAi用核酸分子)、RNAリボザイム、RNAアプタマー等が挙げられる。なお、本明細書において、ベースがRNA鎖であり、一部にDNA、非天然の核酸等が導入されているものは、RNA分子に分類する。
機能性核酸分子は、好ましくは、細胞内でRNA干渉作用を有する核酸分子(RNAi用核酸分子)である。RNAi用核酸分子を構成する2本の核酸鎖のそれぞれの長さ(mer)は、例えば、15〜40merであり、好ましくは15〜35merであり、より好ましくは18〜30merであり、さらに好ましくは20〜26merであり、特に好ましくは20〜22merである。
(環状核酸分子)
本発明における「環状核酸分子」は、機能性核酸分子を構成する2本の核酸鎖のうちの1本を、リンカーを介して閉環した核酸分子に相当する。「環状核酸分子」は、1本の核酸鎖の3’末端と5’末端とが1つのリンカーに結合し、それによって閉環している核酸分子である。したがって、「環状核酸分子」はリンカーにおいて切断されて開環すると、機能性核酸分子を構成する2本の核酸鎖のうちの1本と同じ核酸配列を有する核酸分子となる。開環後の生成する核酸分子は、切断されたリンカーの一部を末端に有していてもよい。
なお、「環状」とは、閉環している構造を意図しており、それゆえ、「環状核酸分子」は、当該核酸分子内で一部がハイブリダイズしていてもよい。また、「リンカーを介して閉環している」とは、「環状核酸分子」がそのような状態にあることを指しており、「環状核酸分子」の作製方法を指すものではない(後述の(環状核酸分子の作製方法)欄を参照)。
「リンカー」は、機能性核酸分子を構成する核酸鎖の5’末端と3’末端とを連結する部分の全体、すなわち、環状核酸分子のうちの機能性核酸分子を構成する核酸鎖以外の全ての部分を指す。したがって、切断される官能基の部分だけでなく、切断に関係しない他の構造を含んでいてもよいし、機能性核酸分子を構成しない核酸を含んでいてもよい。「リンカー」は特に限定されないが、細胞外で開環する環状核酸分子の割合をより低減する(実質的になくす)ために、「リンカー」は、所望のタイミングで切断することが可能なものが好ましい。また、「リンカー」の結合位置は、ホスホジエステル結合の代わりに核酸鎖の5’末端と3’末端とを連結するものとなる位置であることが好ましい。なお、1本の核酸鎖の3’末端と5’末端とが単にホスホジエステル結合によって閉環している、すなわち天然の結合様式で閉環している環状核酸分子は、本発明における「環状核酸分子」から除外される。
リンカーは所定の条件下で選択的に切断される。リンカーが選択的に切断されるとは、所定の条件下で天然の核酸結合(ホスホジエステル結合)と比較してより切断されやすいことを意味する。なお、「切断する」とは、リンカー内の一部分の化学結合を切ることを指しており、リンカー全体を核酸鎖から切り離すことを指すものではない。
リンカーとしては、例えば、細胞中の内因性物質の作用によって切断されるものが挙げられる。細胞中の内因性物質とは、後述の「細胞外から導入される物質」と対をなすものであり、その細胞が元々保持している物質を意図している。細胞中の内因性物質としては、例えば、酵素およびペプチド等が挙げられる。遺伝子導入により細胞で発現させた酵素およびペプチド等は、それ自体が「細胞外から導入される」ものではないため、細胞中の内因性物質の範疇である。細胞中の内因性物質の作用によって切断されるリンカーとしては、例えば、ジスルフィド結合を有するものが挙げられる。ジスルフィド結合は、細胞内のGSH(グルタチオン)等の生体内チオール源によって還元されて、切断される。ジスルフィド結合を有するものとしては、例えば、下記の構造を有するものが挙げられる。下記の構造では、例えば、ホスホロチオエート基側が、核酸の5’末端を構成する糖の5’位の炭素原子に結合し、チオール基側が、核酸の3’末端を構成する糖の3’位の炭素原子またはそれに結合する酸素原子に結合すればよい。
また、光照射によって切断されるものとして、さらに、下記の構造を有するものが挙げられる。
(a)は、細胞内のcathepsin Bによって切断される。(b)は、細胞内のglutathione transferaseによって切断される。(c)は、細胞内のpenicillin-G-amidaseによって切断される。(d)は、細胞内のβ-galactosidaseによって切断される。
リンカーとして、上記の他に、光照射によって切断されるものが挙げられる。光照射によって切断されるリンカーとしては、例えば、下記の構造を有するものが挙げられる。下記の構造を有するリンカーは、365nmの波長の光照射によって切断される。下記の構造では、例えば、一方のリン酸基が、核酸の5’末端を構成する糖の5’位の炭素原子に結合し、他方のリン酸基が、核酸の3’末端を構成する糖の3’位の炭素原子に結合すればよい。
また、光照射によって切断されるものとして、さらに、下記の構造を有するものが挙げられる。なお、下記の構造中の破線は、光照射によって切断される部位を示す。
リンカーとして、上記の他に、細胞外から導入される物質の作用によって切断されるものが挙げられる。細胞外から導入される物質としては、例えば、還元剤、酸化剤、求核剤および求電子剤等が挙げられる。細胞外から導入される物質の作用によって切断されるリンカーとしては、例えば、下記の構造を有するものが挙げられる。
(e)は、Ru(ルテニウム)を有する有機金属によって切断される。
リンカーとして、さらに、文献:Geoffray L. et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry 20 (2012) 571-582 に記載されているものが挙げられる。
光照射によって切断されるものは、光照射のタイミングを制御することによって、所望のタイミングで開環させることができる観点から好ましい。一方、細胞中の内因性物質の作用によって切断されるものは、特に臨床等に用いる場合に光照射が困難な体表面以外の細胞内でも開環させることができる観点から好ましい。
なお、2本の核酸鎖のうちの少なくとも1本を環状核酸分子として細胞内に導入すればよいが、2本とも環状核酸分子として細胞内に導入することが好ましい。より効率的に細胞内に導入することができるからである。
2本の核酸鎖の何れもが環状核酸分子として細胞内に導入される場合、2本の核酸鎖が有しているリンカーは互いに異なっていてもよい。互いにリンカーが異なっている場合、切断される条件およびタイミングを異なるものとすることができる。そのため、機能性核酸分子を働かせる細胞の選択性を高めることができる。
(環状核酸分子の作製方法)
リンカーを介して閉環している「環状核酸分子」の作製方法は特に限定されない。5’末端と3’末端とに相互作用可能な官能基対を付した1本の直鎖の核酸鎖を作製し、当該官能基どうしを結合させて、閉環してもよい(例えば、後述の実施例2)。この場合、官能基どうしが結合することによりリンカーが生成する。あるいは、リンカーが内部に配置された1本の直鎖の核酸鎖を作製し、当該核酸鎖の末端どうしをリガーゼ等の酵素によって結合させてもよい(例えば、後述の実施例1)。この際、鋳型を用いてもよいし、用いなくてもよい。このように、環状核酸分子を作製する際に閉環させる箇所は、生成工程において開環させる箇所と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
環状核酸分子のオリゴヌクレオチドの部分は、例えば、in vitro transcription合成方法、プラスミドまたはウイルスベクターを用いる方法、PCRカセットによる方法等によって合成することができる。純度の高さ、大量合成可能、in vivoでの使用安全性の高さ、化学修飾可能等の観点から、化学合成方法が好ましい。化学合成方法としては、ホスホロアミダイト法、H−ホスホネート法等が挙げられ、市販の核酸合成機を使用することができる。
リンカーの合成方法、オリゴヌクレオチドにリンカーを付する方法等は、リンカーの種類に応じた公知の方法に従い行えばよい。
環状核酸分子の作製方法の一例として、ジスルフィド結合を介して閉環している環状核酸分子の作製方法を説明する。まず、5’末端にホスホロチオエート基、3’末端にチオール基を有する1本の直鎖状の核酸分子を化学合成する。次いで、溶媒中においてジスルフィド化合物で処理する。ジスルフィド化合物は分子内にジスルフィド結合を有する化合物であればよい。閉環のメカニズムは必ずしも明らかではないが、直鎖状の核酸分子が有するチオール基とジスルフィド化合物との間のジスルフィド交換反応と、この交換反応により直鎖の核酸分子に移転したジスルフィド結合に対するホスホロチオエート基の求核反応(S−Sの還元)による自己閉環と推定される。ジスルフィド化合物としては、2,2-dithiodipyridine(2PDS)、4,4-dithiodipyridine(4PDS)、5,5-dithionitrobenzoic acid(DTNB)、dithiobis nitrobenzoic acid等が挙げられる。溶媒としては、例えば、メタノールと水の混合物、Tris-HCl (pH7-8)、またはDMF等を用いることができる。反応温度は、例えば20〜37℃とすればよい。反応時間は、例えば1〜6時間とすればよい。これにより、ホスホロチオエート基とチオール基とが結合し、核酸分子が閉環する。ホスホロチオエート基との反応性を高める観点からは、3’末端の核酸とチオール基との間にアルキル基を導入することが好ましい。アルキル基の炭素数は、例えば1〜12であり、2〜6であることが好ましい。このように酵素を用いずに化学的に核酸鎖の環化を行う場合には、安価で環状核酸分子を作製し得る。
このように作製した環状核酸分子は、in vivoでの使用安全性等の観点から、用途によっては、導入工程前に精製されることが好ましい。また、環状核酸分子の細胞膜透過性を高めるために、環状核酸分子に細胞膜透過性分子を結合させてもよい。このような分子としては、例えば、TATペプチド、オリゴアルギニン、PENETRATIN、TP-10等の膜透過性ペプチド;コレステロール;ビタミンA等が挙げられる。
(導入工程)
導入工程は、少なくとも1本を、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として、2本の核酸鎖を細胞内に導入する工程である。すなわち、導入工程は、機能性核酸分子を構成する2本の核酸鎖のうちの少なくとも1本を上述の環状核酸分子の形態とした上で、この2本の核酸鎖を細胞に導入する工程である。
より具体的には、導入工程では、例えば、以下の(1)または(2)の「核酸組合せ物」が細胞内に導入される。なお、核酸組合せ物とは、2本の核酸鎖を組み合わせたものを指し、これらは混合された組成物の形態をとっていてもよく、あるいは、別々の保存容器に保管されるなどして互いに隔離された(混合されていない)形態をとっていてもよい。
(1)機能性核酸分子を構成する2本の核酸鎖のうちの1本の核酸鎖に対応する「環状核酸分子」と、他の1本の直鎖状の核酸鎖。2つの核酸鎖が略等量(個数)で含まれていることが好ましい。
(2)機能性核酸分子を構成する2本の核酸鎖のうちの1本の核酸鎖に対応する「環状核酸分子」と、他の1本の核酸鎖に対応する「環状核酸分子」。2つの核酸鎖が略等量(個数)で含まれていることが好ましい。
核酸組合せ物の導入対象となる細胞は、特に限定されない。対象となる細胞は、原核細胞および真核細胞の何れでもよい。真核細胞としては、菌類、植物および動物等に由来する細胞が挙げられる。動物細胞としては、昆虫細胞等の非哺乳類細胞および哺乳類細胞が挙げられる。哺乳類細胞としては、マウス、ラット、モルモット等のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ等の非ヒト動物の細胞またはヒトの細胞が挙げられる。また、細胞は、培養細胞でもよいし、生体細胞(生体内にある単離されていない細胞)でもよい。細胞の好ましい一例は、ヒトの培養細胞、ヒトの生体細胞、非ヒト病態モデル動物の培養細胞、非ヒト病態モデル動物の生体細胞である。
核酸組合せ物の導入方法は特に限定されない。in vitroにおける導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、マイクロインジェクション法、リポフェクション法、リン酸カルシウム法等が挙げられる。in vivoにおける導入方法としては、例えば、局所投与、静脈内投与、遺伝子銃を用いる方法等が挙げられる。ヒトまたは非ヒト動物の生体に適用する場合、安全性の観点から微生物等を用いない方法が好ましい。また、in vivoにおける導入前に核酸組合せ物を含む試料を、透析、pH調節等を行うことによって生体に適合するように調製することが好ましい。また、in vivoに適用する場合、必要に応じて、薬学的に許容される担体と組み合わせて薬学的組成物(例えば、リポソーム製剤等)を製造してもよい。
また、核酸組合せ物を構成する2本の核酸鎖(少なくとも1本は上述の環状核酸分子の形態である)は、混合して核酸組成物として一度の操作で細胞内に導入してもよいし、別々に細胞内に導入してもよい。
(生成工程)
生成工程では、導入工程において核酸組合せ物を導入した細胞内で、リンカーを切断して、環状核酸分子を開環させる。すなわち、細胞内に導入した環状核酸分子をリンカーにおいて切断して、当該環状核酸分子を開環させる。次いで、2本の核酸鎖間で相互作用してハイブリダイズし、機能性核酸分子を生成する。
リンカーにおける開環は、上述のとおり、リンカーの種類に応じて行えばよい。
〔2.核酸組合せ物〕
(核酸組合せ物の概要)
本発明に係る機能性核酸分子の構築法に用いる核酸組合せ物は、機能性核酸分子を構成する上記2本の核酸鎖を備えてなり、当該2本の核酸鎖のうちの少なくとも1本が、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として含まれているものである。なお、「核酸組合せ物」の例示は、上記(導入工程)欄で説明したとおりのものである。
(核酸組合せ物の応用)
本発明に係る核酸組合せ物は、その使用手順が記載された使用説明書(ただし、紙媒体はもとより、電子媒体に格納されたものも含み記録媒体は特に限定されない)とともにパッケージ化されていてもよい。当該使用説明書には、例えば、上記(導入工程)欄、(生成工程)欄で説明したような核酸組合せ物の使用説明が記載される。核酸組合せ物はその用途に応じて、医薬、試薬キットであり得る。
〔3.その他〕
(機能性核酸分子の構築法の応用)
核酸組合せ物は、マウス、ラット、モルモット等のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ等の非ヒト動物の個体またはヒトの個体を治療するために用いてもよい。すなわち、非ヒト動物の個体またはヒトの個体に、核酸組合せ物を投与してもよい。投与方法は、上述のin vivoにおける導入方法として挙げたとおりである。
また、マウス、ラット、モルモット等のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ等の非ヒト動物の個体またはヒトの個体に対する核酸組合せ物の使用が提供される。また、核酸組合せ物が導入されている細胞が提供される。核酸組合せ物が導入されている細胞は、上述の核酸組合せ物を内部に保持している。核酸組合せ物が導入されている細胞は、その使用手順が記載された使用説明書(ただし、紙媒体はもとより、電子媒体に格納されたものも含み記録媒体は特に限定されない)とともにパッケージ化されていてもよい。当該使用説明書には、例えば、(生成工程)欄で説明したような細胞の使用説明が記載される。細胞はその用途に応じて、医薬、試薬キットであり得る。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
〔実施例1〕光切断リンカー導入1本鎖環状RNA
(RNAの設計と合成)
図1の(a)に示されるホタルのルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNA(配列番号1および配列番号2)に基づき、センス鎖およびアンチセンス鎖のそれぞれについて、光切断リンカー修飾RNAの合成を行った。各RNAの配列は図1の(b)に示すとおりである。なお、図1中の「PC」は光切断リンカーを表しており、一方のリン酸基が、核酸の5’末端を構成する糖の5’位の炭素原子に結合し、他方のリン酸基が、核酸の3’末端を構成する糖の3’位の炭素原子に結合している。
光切断リンカー修飾RNAは、核酸合成の方法であるアミダイト法で合成した。市販されているRNAアミダイトおよびPCLinker(メーカー名:グレンリサーチ社、品番:10-4920-90)を用いて、DNA自動合成機(メーカー名:ジーンワールド株式会社、型番:H-8-SE)により直鎖の光切断リンカー修飾RNAを合成した。
次いで、1μM 光切断リンカー修飾RNA(25% PEG6000, 1×ligase bufferおよび0.1 % BSA)に、0.5 U/μL T4 RNA ligaseを加え、16℃で16時間インキュベートし、環化反応を行った(図1の(c))。RNA混合溶液をクロロホルムで分液し、PEG6000を除去した。次いで、イソプロパノール沈殿によって、RNAを回収した。10%PAGEを行って、目的の環状RNAのバンドを切り出し、ゲル抽出後、脱塩をして精製した(収率26%)。
(相補鎖形成の解析)
直鎖のセンス鎖と直鎖のアンチセンス鎖との混合物、直鎖のセンス鎖のみ、直鎖のアンチセンス鎖のみ、環状のセンス鎖と環状のアンチセンス鎖との混合物、環状のセンス鎖のみ、および環状のアンチセンス鎖のみ(何れも21mer)について、20%未変性PAGEを行い、CYBR Green IIで染色した。なお、直鎖のセンス鎖および直鎖のアンチセンス鎖は、図1の(a)のsiRNAと同じ配列を有する光切断リンカーを含まないRNAであり、アミダイト法で合成したものである。
その結果、直鎖のセンス鎖と直鎖のアンチセンス鎖との混合物では、二本鎖を形成するのに対し、環状のセンス鎖と環状のアンチセンス鎖との混合物では、二本鎖を形成せず、それぞれ環状の一本鎖のまま存在することがわかった。
(光照射の解析)
合成した21merの環状のセンス鎖に365nmの光を、0分、5分、10分、または15分照射した。それぞれの照射時間におけるRNAについて、10%PAGEを行い、CYBR Green IIで染色した。また、光切断リンカーを含まない直鎖のRNAおよび光切断リンカー付きの直鎖のRNAを比較として泳動した。
その結果、図2に示すように、光の照射時間が長くなるにつれて、直鎖のRNAの量が増加した。すなわち、環状のRNAは、光が照射されることによってリンカー部分で切断され、直鎖状になることが確認された。
(RNAiの評価)
HeLa細胞(ATCCから購入)を、37℃、5%CO2条件下、10%FBSを含むDMEM中で培養した。細胞は、RNAをトランスフェクションする際に80%コンフルエントの状態になるように、前日に96wellプレートに10000cell/well播種した。トランスフェクション前に、細胞をPBSで2回洗浄し、opti-MEMで置換した。20ng GL3-Control、20ng pRL-TK、0.25 μl/well Lipofectamine2000および10 nM RNAを総量50μlになるように調製し、トランスフェクションした。トランスフェクション4時間後、培地をDMEM (10% FBS)で置換した。UVランプを用いて細胞に光(365nm)を15分照射し、24時間培養した。ルシフェラーゼの発現量は、Dual-Luciferase Reporter Assay Systemを用いて測定した。
21merの環状のセンス鎖および環状のアンチセンス鎖をトランスフェクションしたもの(C21 RNA)、23merの環状のセンス鎖および環状のアンチセンス鎖をトランスフェクションしたもの(C23 RNA)、および27merの環状のセンス鎖および環状のアンチセンス鎖をトランスフェクションしたもの(C27 RNA)の他に、比較として、RNAなしでトランスフェクション操作したもの(no RNA)、および二本鎖の直鎖RNAをトランスフェクションしたもの(ds RNA)における発現量を測定した。
結果を、図3に示す。C21 RNA、C23 RNA、およびC27 RNAの何れにおいても、光照射後の発現量が少なく、十分な阻害活性が観察された。この結果は、細胞内で環状RNAの光切断が起きて、環状RNAが開環し、二本鎖の直鎖RNAが生成し、遺伝子発現を抑制したことを示唆している。また、C21 RNAでは、C23 RNAおよびC27 RNAと比較して、光照射前におけるRNAiがほとんど見られず、より効果的にRNAiの作用のオン・オフを行えることがわかった。
このように、二本鎖の機能性RNAを一本鎖の環状RNAとして細胞内に導入し、細胞内で機能性RNAを構築することが可能であることが明らかとなった。そのメカニズムの概略を図4に示す。
(細胞膜透過性の評価)
HeLa細胞を、37℃、5%CO2条件下、10%FBSを含むDMEM中で培養した。細胞は、ベクターをトランスフェクションする際に80%コンフルエントの状態になるように、前日に24wellプレートに42000cell/well播種した。トランスフェクション前に、細胞をPBSで2回洗浄し、opti-MEMで置換した。84ng GL3-Control、84ng pRL-TK、1.05μl/well Lipofectamine2000を総量210μlになるように調製し、トランスフェクションした。トランスフェクション4時間後、培地をDMEM(10% FBS)に交換し、24時間培養した。hypertonic solution(1.4M スクロース, 10 % PEG1000, 100mM HEPES, DMEM)で0.5μM RNAなるように混合溶液を調整(総量10μl)した。細胞に混合液を添加し、37℃、10分間インキュベートした。10分後、滅菌水を52.9uL加え、37℃、10分間インキュベートした。10分後、細胞をDMEM(10% FBS)で置換した。UVランプ(365nm)で細胞を15分照射し、24時間培養した。ルシフェラーゼの発現量は、Dual-Luciferase Reporter Assay Systemを用いて測定した。
C21 RNAの他に、比較として、no RNA、スクランブルRNA(scramble RNA)、およびds RNAにおける発現量を測定した。
結果を、図5に示す。C21 RNAを細胞内に導入した場合、ds RNAを細胞内に導入した場合と比較して、光照射した後におけるルシフェラーゼの発現量が少なく、より阻害されていることがわかった。この結果は、ds RNAを2つの一本鎖の環状RNA(C21 RNA)として導入することによって、細胞膜透過性が向上することを示唆している。
〔実施例2〕ジスルフィドリンカー導入1本鎖環状RNA
(RNAの設計と合成)
図6の(a)に示されるホタルのルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNA(配列番号1および配列番号2)に基づき、センス鎖およびアンチセンス鎖(21mer)について直鎖RNAの合成を行った(図6の(b))。なお、図6中、ホスホロチオエート基は、核酸の5’末端を構成する糖の5’位の炭素原子に結合し、−O−(CH−SHは、核酸の3’末端を構成する糖の3’位の炭素原子に結合している。
ジスルフィドリンカー修飾RNAは、実施例1と同様にアミダイト法で合成した。市販されているRNAアミダイトおよび3'-Thiol-Modifier C3 S-S CPG(メーカー名:グレンリサーチ社、品番:20-2938-42)を用いて、DNA自動合成機により直鎖のジスルフィドリンカー修飾RNAを合成した。
次いで、MeOH/H2O=1:1 (15 mL) に溶解した5 μM 2,2-dithiodipyridine (2PDS) に0.5 μM 直鎖RNAを加え、37℃で20時間インキュベートし、環化反応を行った(図6の(c))。20時間後、MeOHを除去し、イソプロパノール沈殿によってRNAを回収した。10%PAGEを行って、目的の環状RNAのバンドを切り出し、ゲル抽出後、脱塩をして精製した(収率6%)。
(還元化反応の評価)
合成した環状のセンス鎖およびアンチセンス鎖のそれぞれについて、還元化反応を評価した。0.25μM 環状RNAに10mM GSHを加え、37℃で30分間インキュベートした。また、0.25μM 環状RNAに10mM DTT(dithiothreitol)を加え、37℃で30分間インキュベートした。10%PAGEを行い、CYBR Green IIで染色した。
その結果、センス鎖およびアンチセンス鎖のそれぞれにおいて、GSHおよびDTTの何れによっても環状RNAのジスルフィドリンカーが還元され、直鎖RNAが生成した。
(RNAiの評価)
HeLa細胞を、37℃、5%CO2条件下、10%FBSを含むDMEM中で培養した。細胞は、RNAをトランスフェクションする際に80%コンフルエントの状態になるように、前日に96wellプレートに10000cell/well播種した。トランスフェクション前に、細胞をHBSSで2回洗浄した。細胞をHBSSで置換し、20 ng GL3-Control、20 ng pRL-TK、0.25 μl/well Lipofectamine2000および5 nM RNAを総量50 μlになるように調製し、トランスフェクションした。トランスフェクション4時間後、培地をDMEM (10% FBS)で置換し、24時間培養した。ルシフェラーゼの発現量は、Dual-Luciferase Reporter Assay Systemを用いて測定した。
環状のセンス鎖および環状のアンチセンス鎖をトランスフェクションしたもの(C21 RNA)の他に、比較として、RNAなしでトランスフェクション操作したもの(no RNA)、および二本鎖の直鎖RNAをトランスフェクションしたもの(ds RNA)における発現量を測定した。
結果を、図7に示す。C21 RNAでは、ds RNAと同様に発現量が少なく、十分な阻害活性が観察された。この結果は、細胞内で環状RNAのジスルフィドリンカーが還元されて、環状RNAが開環し、二本鎖の直鎖RNAが生成し、遺伝子発現を抑制したことを示唆している。
このように、二本鎖の機能性RNAを一本鎖の環状RNAとして細胞内に導入し、細胞内で機能性RNAを構築することが可能であることが明らかとなった。そのメカニズムの概略を図8に示す。
(細胞膜透過性の評価)
HeLa細胞は、37℃、5%CO2条件下、10%FBSを含むDMEM中で培養した。細胞は、ベクターをトランスフェクションする際に80%コンフルエントの状態になるように、前日に24wellプレートに42000cell/well播種した。トランスフェクション前に、細胞をPBSで2回洗浄し、opti-MEMで置換した。84ng GL3-Control、84ng pRL-TK、1.05μl/well Lipofectamine2000を総量210μlになるように調製し、トランスフェクションした。トランスフェクション4時間後、培地をDMEM(10% FBS)に交換し、24時間培養した。hypertonic solution(1.4M スクロース, 10 % PEG1000, 100mM HEPES, HBSS)で0.5μM RNAなるように混合溶液を調整(総量10μl)した。細胞に混合液を添加し、37℃、10分間インキュベートした。10分後、滅菌水を52.9uL加え、37℃、10分間インキュベートした。細胞を2回HBSSで洗浄した後、細胞をDMEM(10% FBS)で置換し、24時間培養した。ルシフェラーゼの発現量は、Dual-Luciferase Reporter Assay Systemを用いて測定した。
C21 RNAの他に、比較として、no RNA、スクランブルRNA(scramble RNA)、およびds RNAにおける発現量を測定した。
結果を、図9に示す。C21 RNAを細胞内に導入した場合、ds RNAを細胞内に導入した場合と比較して、ルシフェラーゼの発現量が少なく、より阻害されていることがわかった。この結果は、ds RNAを2つの一本鎖の環状RNA(C21 RNA)として導入することによって、細胞膜透過性が向上することを示唆している。
本発明は、機能性核酸分子を用いた医薬、試薬等の分野に利用することができる。

Claims (11)

  1. 2本の核酸鎖からなる機能性核酸分子の構築法であって、
    少なくとも1本を、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として、2本の核酸鎖をそれぞれ一本鎖の状態で細胞内に導入する導入工程と、
    上記細胞内で上記リンカーを切断して上記環状核酸分子を開環させ、上記2本の核酸鎖をハイブリダイズさせて、機能性核酸分子を生成する生成工程と、を含む方法。
  2. 上記2本の核酸鎖は、何れも、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として導入される、請求項1に記載の方法。
  3. 上記2本の核酸鎖は、何れも、RNA分子である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記機能性核酸分子は、細胞内でRNA干渉作用を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 上記リンカーは、上記細胞中の内因性物質、または光照射によって切断される、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 上記リンカーは、ジスルフィド結合を有している、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の方法に用いる核酸組合せ物であって、
    機能性核酸分子を構成する上記2本の核酸鎖をそれぞれ一本鎖の状態で備えてなり、当該2本の核酸鎖のうちの少なくとも1本が、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として含まれている、核酸組合せ物。
  8. 上記2本の核酸鎖は、何れも、両末端に結合したリンカーを介して閉環している環状核酸分子として含まれている、請求項7に記載の核酸組合せ物。
  9. 請求項7または8に記載の核酸組合せ物が導入されている細胞。
  10. 下記の結合を介して閉環している一本鎖のRNA分子またはDNA・RNAハイブリッド分子。
  11. ジスルフィド結合を介して閉環している一本鎖の核酸分子の製造方法であって、
    一方の末端にホスホロチオエート基を有し、他方の末端にチオール基を有する1本の直鎖状の核酸分子を合成し、ジスルフィド化合物で処理して閉環させる製造方法。
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