<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における検知装置100の外観構成について説明する。図1は、検知装置100の構成を示す図である。図1(a)は、検知装置100の構成を示す上面図である。図1(b)は、検知装置100の構成を示す断面図であって、図1(a)のA−A切断面における断面図である。図2は、検知装置100の構成を示す断面図であって、図1(a)のB−B切断面における断面図である。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、検知装置100には、PTPシート200が収容される。
例えば、PTPシート200は、図1に示されるように、複数の凸状の収容部211を有するトレー部210と、収容部211を密閉する薄箔シート220とから構成される。薄箔シート220は、バリアフィルムとも呼ばれている。トレー部210の材料には、例えば、薄い板状の樹脂部材が用いられる。すなわち、当該薄い板状の樹脂部材を収容部211の形状に合わせて型押し成型することにより、トレー部210を作成することができる。薄箔シート220の材料には、例えば、アルミニウムが用いられる。収容部211の薄箔シート220側には、開口部212が設けられる。
また、図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、収容部211には、例えば、薬等の錠剤300が収容される。このとき、錠剤300は、薄箔シート220で収容部211を密閉した空間内に収容される。凸状の収容部211を薄箔シート220へ向けて押圧すると、薄箔シート220のうちで開口部212に対応する領域が破られる。これにより、錠剤300を収容部211から取り出すことができる。
なお、PTPシート200は、本発明の収容シートに対応する。錠剤300は、本発明の被収容物に対応する。ただし、被収容物は、錠剤300に限定されない。例えば、被収容物に、文具等を適用してもよい。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、検知装置100は、センシングプレート110と、抑えプレート120と、加速度センサ130と、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144と、接続配線150と、電子部品収容部160と、ヒンジ170と、フック180とを備えている。センシングプレート110および抑えプレート120は、本発明の保持部を構成する。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、センシングプレート110は、矩形の平板状に形成されている。センシングプレート110は、抑えプレート120との間で、収容シート200を挟持するように保持する。センシングプレート110は、PTPシート200の面のうち、錠剤300を収容部211から取り出す側の面である錠剤取り出し面201を保持する。
また、センシングプレート110は、複数の錠剤取り出し用貫通孔111と、位置決め用突起部113を有する。複数の錠剤取り出し用貫通孔111は、複数の収容部211の位置に対応する位置に形成されている。また、錠剤取り出し用貫通孔111の大きさは、少なくとも錠剤300の大きさよりも大きく設定されており、収容部211の大きさに対応している。位置決め用突起部113は、図1(a)に示されるように、センシングプレート110の上面の4隅に突出するように形成されている。PTPシート200が4つの位置決め用突起部113の内側の領域内に配置されるように、PTPシート200をセンシングプレート110の上面上に取り付けることができる。これにより、PTPシート200をセンシングプレート110の上面上の正確な位置に簡単に取り付けることができる。なお、センシングプレート110の材料には、例えば、樹脂材料や金属材料が用いられる。
なお、センシングプレート110は、本発明の保持部、保持板および第1の保持板に対応している。錠剤取り出し用貫通孔111は、本発明の被収容物取り出し用貫通孔に対応している。
錠剤取り出し面201は、本発明の被収容物取り出し面に対応する。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、抑えプレート120は、矩形の平板状に形成されている。抑えプレート120は、センシングプレート110との間で、収容シート200を挟持するように保持する。抑えプレート120の主面の大きさは、センシングプレート110の主面の大きさに対応している。抑えプレート120は、PTPシート200の面のうち、錠剤取り出し面201と反対側の面202を保持する。
また、抑えプレート120は、複数の錠剤取り出し用貫通孔121が設けられている。この複数の錠剤取り出し用貫通孔121は、複数の収容部211の位置に対応する位置に形成されている。併せて、この複数の錠剤取り出し用貫通孔121は、複数の錠剤取り出し用貫通孔111の位置に対応する位置に形成されている。また、錠剤取り出し用貫通孔121の大きさは、少なくとも錠剤300の大きさよりも大きく設定されており、収容部211の大きさに対応している。また、錠剤取り出し用貫通孔121の大きさは、錠剤取り出し用貫通孔111の大きさにも対応している。抑えプレート120の材料には、例えば、樹脂材料や金属材料が用いられる。
なお、抑えプレート120は、本発明の保持部、保持板および第2の保持板に対応している。錠剤取り出し用貫通孔121は、本発明の被収容物取り出し用貫通孔に対応している。錠剤取り出し面と反対側の面202は、本発明の被収容物取り出し面と反対側の面に対応する。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、加速度センサ130は、センシングプレート110に取り付けられている。具体的には、図1(a)に示されるように、加速度センサ130は、センシングプレート110の上面に形成された凹状のセンサ収容部112内に収容される。この加速度センサ130は、接続配線150を介して、データ蓄積用IC141と電気的に接続される。加速度センサ130は、保持部を構成するセンシングプレート110または抑えプレート120の振動を検知する。なお、加速度センサ130は、本発明の振動検知部に対応する。加速度センサ130には、圧電素子を用いたセンサが用いられる。ただし、本発明の振動検知部は、加速度センサ130に限定されない。本発明の振動検知部を、角速度センサ、歪ゲージ、磁界センサまたはレーザ変位計のいずれかで構成してもよい。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、データ蓄積用IC141は、電子部品収容部160内に設けられた実装基板144上に、実装されている。データ蓄積用IC141は、接続配線150を介して、加速度センサ130と電気的に接続される。データ蓄積用IC141は、加速度センサ130の検知結果を蓄積する。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、制御用IC142は、電子部品収容部160内に設けられた実装基板144上に、実装されている。制御用IC142は、実装基板144上の様々な電子部品を制御する。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、電池143は、電子部品収容部160内に設けられた実装基板144上に、実装されている。電池143は、実装基板144上の様々な電子部品に電源を供給する。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、実装基板144は、電子部品収容部160内に取り付けられている。実装基板144の材料には、例えば、ガラスエポキシ樹脂等が用いられる。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、接続配線150は、センシングプレート110の上面に設けられている。接続配線150は、データ蓄積用IC141および加速度センサ130を電気的に接続する。接続配線150の材料には、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)が、用いられる。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、電子部品収容部160は、センシングプレート110の一端部側に取り付けられている。電子部品収容部160の内部は空洞になっている。電子部品収容部160の内部には、データ蓄積用IC141、制御用IC142、電池143および実装基板144等が、収容されている。電子部品収容部160の材料には、例えば、樹脂材料や金属材料が用いられる。
図1(a)および図1(b)に示されるように、ヒンジ170は、センシングプレート110および抑えプレート120を連結する。抑えプレート120は、ヒンジ170を中心に、センシングプレート110から離れる方向または近づく方向に回転することができる。
図1(a)、図1(b)および図2に示されるように、フック180は、電子部品収容部160に突出するように形成されている。フック180は、抑えプレート120の一端部を係止する。これにより、センシングプレート110および抑えプレート120の間にPTPシート200を配置した状態で、PTPシート200を挟持することができる。
ここで、収容シート200の収容部211の開口部と、センシングプレート110および抑えプレート120の錠剤取り出し用貫通孔111、121との配置関係との配置関係の別例を説明する。
図3は、収容シート200の収容部211の開口部212と、センシングプレート110および抑えプレート120の錠剤取り出し用貫通孔111a、121aとの配置関係との配置関係を示す図である。
図1(a)、図1(b)および図2では、収容シート200の収容部211の開口部212は、センシングプレート110および抑えプレート120の錠剤取り出し用貫通孔111、121の内壁に沿って形成されていた。これに対して、図3では、収容シート200の収容部211の開口部212は、センシングプレート110および抑えプレート120の錠剤取り出し用貫通孔111、121の内壁に沿って形成されていない。すなわち、図3に示されるように、収容シート200の収容部211の開口部212は、円形状に形成されている。これに対して、センシングプレート110および抑えプレート120の錠剤取り出し用貫通孔111a、121aは、楕円状に形成されている。これにより、収容シート200の収容部211の開口部212の外周部の一部が、センシングプレート110および抑えプレート120の錠剤取り出し用貫通孔111a、121a外周部と互いに重なるように配置される(図3の斜線領域)。これにより、凸状の収容部211を薄箔シート220へ向けて押圧した際に、収容部211の開口部212の外周部の一部が図3の斜線領域で保持される。このため、安定した状態で、凸状の収容部211の押圧により、薄箔シート220の開口部212に対応する領域を開封することができる。この結果、より安定した状態で、錠剤300を収容部211から取り出すことができる。
以上、検知装置100の外観構成について、説明した。
次に、検知装置100の電気回路構成について説明する。図4は、検知装置100の構成を示すブロック線図である。
図4に示されるように、検知装置100は、振動検知回路191と、記憶回路192と、電池193と、電源回路194と、通信回路195と、制御回路196とを備えている。
図4に示されるように、振動検知回路191は、制御回路169に電気的に接続されている。振動検知回路191は、保持部を構成するセンシングプレート110または抑えプレート120の振動を検知する。振動検知回路191は、加速度センサ130を含む。
図4に示されるように、記憶回路192は、制御回路196に接続されている。記憶回路192は、振動検知回路191により取得される検知結果を蓄積する。なお、記憶回路192は、データ蓄積用IC141を含む。
図4に示されるように、電池193は、電源回路194に電気的に接続されている。電池193は、振動検知回路191、記憶回路192、電源回路194および制御回路196等の様々な電子部品に電源を供給する。なお、電池193は、電池143に対応する。
図4に示されるように、電源回路194は、電池193および制御回路196に接続されている。電源回路194は、制御部196の制御に従って、電池193に電源を供給させる。
図4に示されるように、通信回路195は、制御回路196に電気的に接続されている。通信回路195は、振動検知回路191に含まれる加速度センサ130により検知された検知結果を検知装置100の外部へ送信する。通信回路195は、本発明の通信部に対応する。
図4に示されるように、制御回路196は、振動検知回路191、記憶回路192、電池193、電源回路194および通信回路195に、電気的に接続されている。制御部回路196は、振動検知回路191、記憶回路192、電池193、電源回路194および通信回路195を制御する。制御回路196は、制御用IC143を含む。
以上、検知装置100の電気回路構成について説明した。
次に、検知装置100の動作について説明する。
まず、検知装置100にPTPシートシート200を取り付ける。図5は、検知装置100に、PTPシート200を取り付ける工程を説明するための図である。
図5に示されるように、まず、抑えプレート120を、ヒンジ170を中心に、センシングプレート110から離れる方向α1に回転させる。これにより、センシングプレート110の上面が開放される。
次に、PTPシート200をセンシングプレート110の上面上に取り付ける。このとき、PTPシートシート200の錠剤取り出し面201およびセンシングプレート110の上面が互いに向かい合うように設定する。また、4つの位置決め用突起部113の内側の領域内に、PTPシート200が配置されるように設定する。これにより、PTPシート200をセンシングプレート110の上面上の正確な位置に簡単に取り付けることができる。
次に、図5に示されるように、抑えプレート120を、ヒンジ170を中心に、センシングプレート110に近づく方向α2に回転させる。そして、抑えプレート120の一端部をフック180に係止する。これにより、センシングプレート110および抑えプレート120の間でPTPシート200を挟持した状態で、PTPシート200を保持することができる。
次に、電源回路194を作動することにより、電源193を振動検知回路191等の各回路へ供給する。これにより、特に、振動検知回路191は、保持部を構成するセンシングプレート110または抑えプレート120の振動を検知できる状態となる。
次に、検知装置100の利用者が、錠剤300をPTPシート200の収容部211から取り出す。
ここで、PTPシート200の収容部211の開口部212の開封動作について、説明する。図6は、PTPシート200の収容部211の開口部212の開封動作を説明するための概念図である。図6(a)は、PTPシート200の収容部211の開口部212を開封する前の状態を示す図である。図6(b)は、PTPシート200の収容部211の開口部212を開封した後の状態を示す図である。
図6(a)に示されるように、PTPシート200の収容部211の突出側の先端部を指YBで押圧する。すると、図6(a)に示されるように、PTPシート200とセンシングシート110が、指YBの押圧力によって撓む。そして、図6(b)に示されるように、収容部211の突出側が指YBの押圧力によって潰されると、収容部211内の錠剤300が、PTPシート200の薄箔シート220を破って、収容部211の開口部212が開封される。この結果、収容部211内の錠剤300が、収容部211の開口部212から取り出される。なお、図6(a)および図6(b)には、抑えシート120を示していない。しかしながら、抑えシート120も、指YBの押圧力によって、センシングシート110と同じように撓む。
以上、PTPシート200の収容部211の開口部212の開封動作を、図6を用いて説明した。
次に、振動検知回路191の加速度センサ130が、保持部を構成するセンシングプレート110または抑えプレート120の振動を検知する。
図7は、PTPシート200の収容部211の開口部212を開封した際の振動に関するデータを示す図である。図7では、縦軸に加速度センサ130により測定された加速度、横軸に加速度センサ130の測定時間を設定している。
図7に示されるように、加速度センサ130は、P1〜P3の3点の加速度の測定値に基づいて、センシングプレート110または抑えプレート120に開封に伴う振動が生じたか否かを判断する。
P1は、「押し込み開始点」である。すなわち、この「押し込み開始点」は、指YBにより収容部211が押圧され始めた時点に対応する。図7に示されるように、「押し込み開始点」では、加速度の大きさがひげ状にわずかに大きくなっている。
P2は、「薄箔シート破断点」である。すなわち、この「薄箔シート破断点」は、指YBにより収容部211が押圧された結果、薄箔シート220が破断した瞬間を示す点である。「薄箔シート破断点」では、大きな加速度の変化が生じている。なお、薄箔シートは、前述の通り、バリアフィルムとも呼ばれる。このため、「薄箔シート破断点」はバリアフィルム破断点とも呼ばれている。
P3は、「開封動作終了点」である。すなわち、「開封封動作終了点」は、指YBによる収容部211の押圧が完了した時点である。図7に示されるように、「開封封動作終了点」では、加速度の変化がおさまり、平常状態になっている。
加速度センサ130は、前述の通り、P1〜P3の3点の加速度の測定値に基づいて、センシングプレート110または抑えプレート120に開封に伴う振動が生じたか否かを判断する。すなわち、例えば、P1点とP2点とP3点の加速度の測定値の関係に所定の条件を設定したりする。より具体的な例として、P2点での加速度の測定値が閾値である20m/s^2、よりも大きく、且つ、閾値を超える加速度が20ms以内に2回以上検出された場合。さらには、P2点の前後1秒以内に10Hz以下で振幅5m/s^2以上の振動が認められた場合に、加速度センサ130はセンシングプレート110または抑えプレート120に開封に伴う振動が生じたと判断する。
また、検知装置100は、センシングプレート110または抑えプレート120に振動が生じたことをもって、錠剤300がPTPシート200から取り出されたことを認識する。このように、加速度センサ130がセンシングプレート110または抑えプレート120に振動が生じたことを検知した結果、検知装置100は錠剤300がPTPシート200から取り出されたことを認識することができる。
このようにして、本発明の検知装置100では、加速度センサ130によりセンシングプレート110または抑えプレート120に開封に伴う振動が生じたか否かを検知する。そして、センシングプレート110または抑えプレート120に開封に伴う振動が生じたと、加速度センサ130により検知された場合、検知装置100は錠剤300がPTPシート200から取り出されたことを検出する。一方、センシングプレート110または抑えプレート120に開封に伴う振動が生じたと、加速度センサ130により検知されない間は、検知装置100は錠剤300がPTPシート200から取り出されていないと認識する。
また、必要に応じて、通信回路195は、振動検知回路191に含まれる加速度センサ130により検知された検知結果を検知装置100の外部へ送信する。これにより、錠剤300がPTPシート200から取り出されたか否かの情報を検知装置100の外部へ出力することができる。
そして、全ての錠剤300がPTPシート200から取り出された後、PTPシート200をセンシングプレート110の上面から取り外す。すなわち、抑えプレート120を、ヒンジ170を中心に、センシングプレート110から離れる方向α1に回転させる。これにより、センシングプレート110の上面側が開放される。センシングプレート110の上面側が開放された状態で、PTPシート200をセンシングプレート110の上面から取り外す。
次に、センシングプレート110の機械的特性について、PTPシート200の薄箔シート220および収容部211の潰れ量との関係で説明する。
図8は、センシングプレート110の機械的特性を示す図である。図8では、縦軸を応力、横軸を距離に設定している。図8に示されるように、センシングプレート110は、一定範囲内に弾性域を有する。すなわち、センシングプレート110は、距離0〜SAの間であって応力0〜σAの間で、弾性域を有する。
このとき、PTPシート200の薄箔シート220の破断応力範囲σB(min)〜σB(max)は、センシングプレート110の弾性域内に設けられている。併せて、PTPシート200の収容部211の潰れ量範囲SB(min)〜SB(max)も、センシングプレート110の弾性域内に設けられている。
このように、PTPシート200の薄箔シート220の破断応力範囲σB(min)〜σB(max)と、PTPシート200の収容部211の潰れ量範囲SB(min)〜SB(max)とが、センシングプレート110の弾性域内に設けられている。これにより、PTPシート200の収容部211から錠剤300を取り出す動作によって、センシングプレート110に塑性変形や破断等は生じない。
以上、検知装置100の動作について説明した。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における検知装置100は、保持部(センシングプレート110、抑えプレート120)と、振動検知部(加速度センサ130)とを備えている。保持部は、被収容物(錠剤300)を収容する収容部211を有する収容シート(PTPシート200)を保持する。振動検知部は、保持部の振動を検知する。
このように、振動検知部は、収容シートを保持する保持部の振動を検知する。この収容シートは被収容物を収容する収容部を有する。したがって、特許文献1に記載の技術のように、複雑な構造を採用することなく、簡素な構造で、被収容物の取り出しを検出できる。
また、本発明の第1の実施の形態における検知装置100において、保持部は、第1の保持板(センシングプレート110)と、第2の保持板(抑えプレート120)とを有する。第1の保持板は、平板状に形成されている。第1の保持板は、収容シート(PTPシート200)の面のうち、被収容物(錠剤300)を収容部211から取り出す側の面である被収容物取り出し面(錠剤取り出し面201)を保持する。第2の保持板は、平板状に形成されている。第2の保持板は、収容シートの面のうち、被収容物取り出し面と反対側の面(錠剤取り出し面と反対側の面202)を保持する。保持部は、第1および第2の保持板で、収容シートを挟持するように保持する。第1および第2の保持板の各々は、収容部に対応する位置に貫通するように形成された被収容物取り出し用貫通孔(錠剤取り出し用貫通孔111、111a、錠剤取り出し用貫通孔121、121a)を有する。
このように、保持部は、第1および第2の保持板で、収容シートを挟持するように保持する。このため、収容シートを安定して保持することができる。この結果、振動検知部は、被収容物を収容部から取り出す際に保持部に生じる振動を的確に検知することができる。また、第1および第2の保持板の各々は、被収容物取り出し用貫通孔を有する。そして、被収容物取り出し用貫通孔は、収容部に対応する位置に貫通するように形成されている。このような被収容物取り出し用貫通孔を第1および第2の保持板の各々の適正な位置に形成することにより、被収容物を収容部から取り出す動作を円滑にすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態における検知装置100は、通信部(通信回路195)を備えている。通信部は、振動検知部(加速度センサ130)により検知された検知結果を外部へ送信する。これにより、被収容物(錠剤300)が収容シート(PTPシート200)から取り出されたか否かの情報等を検知装置100の外部へ出力することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における検知装置100において、振動検知部は、加速度センサ、角速度センサ、歪ゲージ、磁界センサまたはレーザ変位計のいずれかを利用する。第1の実施の形態では、振動検知部を加速度センサ300として説明した。しかし、加速度センサ300に代えて、角速度センサ、歪ゲージ、磁界センサまたはレーザ変位計のいずれかを利用して、振動検知部を構成してもよい。角速度センサ、歪ゲージ、磁界センサまたはレーザ変位計によっても、第1の保持板(センシングプレート110)と、第2の保持板(抑えプレート120)により構成される保持部の振動を検知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における検知ユニットは、検知装置100に収容シート(PTPシート200)を追加したものである。すなわち、検知ユニットは、収容シート(PTPシート200)と、保持部(センシングプレート110、抑えプレート120)と、振動検知部(加速度センサ130)とを備えている。収容シートは、被収容物(錠剤300)を収容する収容部211を有する。保持部は、収容シートを保持する。振動検知部は、保持部の振動を検知する。この構成であっても、前述した検知装置100の効果と同様の効果を奏する。
次に、本発明の第1の実施の形態における検知システム1000の構成について説明する。図9は、検知システム1000の構成を示すブロック線図である。
なお、図9では、図4に示した各構成要素と同等の構成要素には、図4に示した符号と同等の符号を付している。
ここで、図9と、図4を比較する。図9では、検知システム1000の構成の一部として、サーバ装置900が追加されている。一方、図4では、検知装置100のみを構成要件としている。この点で両者は互いに相違する。
図9に示されるように、サーバ装置900は、通信回路901と、記憶回路902と、制御回路903とを備えている。
図9に示されるように、通信回路901は、制御回路903に接続されている。通信回路901は、検知装置100の通信回路195により送信される検知結果を受信する。なお、この検知結果は、前述の通り、振動検知回路191に含まれる加速度センサ130により検知された結果である。
図9に示されるように、記憶回路902は、制御回路903に接続されている。記憶回路902は、検知装置100の通信回路195により送信される検知結果を記憶する。
制御回路903は、通信回路901および記憶回路902に接続されている。制御回路は903、サーバ装置900内の電気回路の全て(通信回路901および記憶回路902を含む。)を制御する。
以上、本発明の第1の実施の形態における検知システム1000の構成を説明した。
次に、検知システム1000の動作について説明する。なお、検知装置100の動作は、前述した通りであるので、一部を省略する。
まず、図5を用いて説明した通り、検知装置100にPTPシートシート200を取り付ける。次に、電源回路194を作動することにより、電源193を振動検知回路191等の各回路へ供給する。
次に、検知装置100の利用者が、錠剤300をPTPシート200の収容部211から取り出す。
次に、振動検知回路191の加速度センサ130が、保持部を構成するセンシングプレート110または抑えプレート120の振動を検知する。
次に、通信回路195は、振動検知回路191に含まれる加速度センサ130により検知された検知結果を検知装置100の外部へ送信する。これにより、錠剤300がPTPシート200から取り出されたか否かの情報を検知装置100の外部へ出力することができる。
そして、全ての錠剤300がPTPシート200から取り出された後、PTPシート200をセンシングプレート110の上面から取り外す。
サーバ装置900側では、通信回路901が、検知装置100の通信回路195により送信される検知結果を受信する。
次に、記憶回路902が、検知装置100の通信回路195により送信される検知結果を記憶する。これにより、検知装置100の検知結果をサーバ装置900に保存することができる。
以上、検知システム1000の動作について説明した。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における検知システム1000は、検知装置100およびサーバ装置900を有する。検知装置100は、保持部(センシングプレート110、抑えプレート120)と、振動検知部(加速度センサ130)と、通信部(通信回路195)を備えている。保持部は、被収容物(錠剤300)を収容する収容部211を有する収容シート(PTPシート200)を保持する。振動検知部は、保持部の振動を検知する。通信部は、振動検知部により検知された検知結果をサーバ装置900へ送信する。サーバ装置900は、記憶部(記憶回路192)を備えている。この記憶部は、検知装置100の通信部により送信される検知結果を記憶する。
このように、サーバ装置900では、記憶回路902が、検知装置100の通信回路195により送信される検知結果を記憶する。これにより、検知装置100の検知結果をサーバ装置900に保存することができる。この結果、例えば、検知装置100以外の他の通信装置(不図示)であっても、サーバ装置900にアクセスすることにより、検知装置100の検知結果を取得することができる。したがって、検知結果の情報を様々な関係者(例えば、錠剤300を服用する本人以外の者として、病院関係者や、介護施設関係者や、親族や、その他の関係者)の間で容易に共有することできる。
次に、本発明の第1の実施の形態における検知装置の第1の変形例である検知装置100Aを説明する。図10は、検知装置100Aの構成を示す上面図である。
なお、図10では、図1〜9に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜9に示した符号と同等の符号を付している。
図10に示されるように、検知装置100Aは、センシングプレート110と、抑えプレート120と、加速度センサ130と、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144と、接続配線150と、電子部品収容部160と、ヒンジ170と、フック180とを備えている。センシングプレート110および抑えプレート120は、本発明の保持部を構成する。
ここで、図1(a)と図10とを対比する。図1(a)では、加速度センサ130は、センシングプレート110の略中央部に設けられている。これに対して、図10では、加速度センサ130は、センシングプレート110の一端部側に設けられている。この点で、図1(a)と図10は互い相違する。
このように、加速度センサ130は、センシングプレート110の一端部側に設けられている。これにより、加速度センサ130は、センシングプレート110の中央部の振動よりも、センシングプレート130の端部側の振動をより正確に検知することができる。
また、図10に示す例では、加速度センサ130および実装基板144の間の距離を、図1(a)に示す例と比較して、短くすることができる。この結果、図10に示す例では、図1(a)に示す例と比較して、接続配線150を短くすることができる。
次に、本発明の第1の実施の形態における検知装置の第2の変形例である検知装置100Aを説明する。図11は、検知装置100Bの構成を示す上面図である。
なお、図11では、図1〜10に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜10に示した符号と同等の符号を付している。
図11に示されるように、検知装置100Bは、センシングプレート110と、抑えプレート120と、加速度センサ130a、130bと、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144と、接続配線150と、電子部品収容部160と、ヒンジ170と、フック180とを備えている。センシングプレート110および抑えプレート120は、本発明の保持部を構成する。
ここで、図1(a)と図11とを対比する。図1(a)では、1つの加速度センサ130は、センシングプレート110の略中央部に設けられている。これに対して、図11では、2つの加速度センサ130a、130bは、センシングプレート110の両端部側にそれぞれ設けられている。また、2つのセンサ収容部112a、112bが2つの加速度センサ130a、130bの配置位置に合わせて、形成されている。これらの点で、図1(a)と図11は互い相違する。
なお、加速度センサ130aは、接続配線150aを介して、実装基板144上のデータ蓄積用IC141に接続されている。加速度センサ130bは、接続配線150bを介して、実装基板144上のデータ蓄積用IC141に接続されている。
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における検知装置の第2の変形例である検知装置100Aは、複数の振動検知部(加速度センサ130a、130b)を有している。複数の振動検知部の各々は、互いに離間して配置されている。
このように、複数の振動検知部が互いに離間して配置されているので、複数の振動検知部は、保持部(センシングプレート110)の複数個所で、当該保持部の振動を検知することができる。この結果、検知装置100Bは、小さな振動であっても、保持部の振動をより正確に検知することができる。
図11の具体例では、加速度センサ130は、センシングプレート110の両端部側に設けられている。これにより、加速度センサ130は、センシングプレート110の両端部側の2か所で、センシングプレート110の振動を検知することができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における検知装置100Cの外観構成について説明する。図12は、本発明の検知装置100Cの構成を示す断面図である。この図12は、図1(b)に相当する図である。
なお、図12では、図1〜11に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜11に示した符号と同等の符号を付している。
図12に示されるように、検知装置100Cは、センシングプレート110と、加速度センサ130と、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144と、接続配線150と、電子部品収容部160とを備えている。センシングプレート110は、本発明の保持部を構成する。
ここで、図1(b)と図12とを対比する。図1(b)では、抑えプレート120がセンシングプレート110と向かい合うように設けられている。これに対して、図12では、抑えプレート120は設けられていない。このため、図12では、ヒンジ170およびフック180も設けられていない。
図12に示されるように、検知装置100Cには、PTPシート200が収容される。このとき、PTPシート200の面のうち、錠剤取り出し面201は、センシングプレート110の上面と向かい合うように配置される。
両面粘着シート700は、PTPシート200の錠剤取り出し面201と、センシングプレート110の上面の間に、配置される。すなわち、PTPシート200の錠剤取り出し面201およびセンシングプレート110の上面は、両面粘着シート700によって接着される。これにより、PTPシート200が、センシングプレート110の上面に固定される。なお、両面粘着シート700には、複数の開口部が形成されている。これらの複数の開口部は、PTPシート200の収容部211およびセンシングプレート110の複数の錠剤取り出し用貫通孔111の位置に対応するように、形成されている。
図12に示されるように、センシングプレート110は、PTPシート200の面のうち、錠剤取り出し面201を保持する。
また、図12に示されるように、併せて第1の実施の形態と同様に、センシングプレート110の複数の錠剤取り出し用貫通孔111は、複数の収容部211の位置に対応する位置に形成されている。
以上、検知装置100Cの外観構成について、説明した。
次に、検知装置100Cの動作について説明する。
まず、検知装置100CにPTPシートシート200を取り付ける。このとき、PTPシート200の錠剤取り出し面201およびセンシングプレート110の上面を、両面粘着シート700によって接着する。これにより、PTPシート200が、センシングプレート110の上面に固定される。なお、取り付けの際には、4つの位置決め用突起部113(図12では不図示。図1(a)、(b)を参照。)の内側の領域内に、PTPシート200が配置されるように設定する。これにより、PTPシート200をセンシングプレート110の上面上の正確な位置に簡単に取り付けることができる。
次に、電源回路194を作動することにより、電源193を振動検知回路191等の各回路へ供給する。
次に、検知装置100の利用者が、錠剤300をPTPシート200の収容部211から取り出す。
次に、振動検知回路191の加速度センサ130が、保持部を構成するセンシングプレート110の振動を検知する。
そして、全ての錠剤300がPTPシート200から取り出された後、PTPシート200をセンシングプレート110の上面から取り外す。
以上、検知装置100Cの動作について説明した。
以上の通り、本発明の第2の実施の形態における検知装置100Cにおいて、保持部は、平板状に形成され、被収容物(錠剤300)を収容する収容部211を有する収容シート(PTPシート200)の面のうち、被収容物を収容部から取り出す側の面である被収容物取り出し面(錠剤取り出し面201)を保持する保持板(センシングプレート110)である。また、保持板(センシングプレート110)は、収容部に対応する位置に貫通するように形成された被収容物取り出し用貫通孔(錠剤取り出し用貫通孔111)を有する。
このように、1枚の保持板のみにより収容シートの被収容物取り出し面を保持することもできる。これにより、より簡素な構成で収容シートを保持することができ、より簡素な構成で被収容物の取り出しを検出できる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における検知装置100Dの外観構成について説明する。図13は、本発明の検知装置100Dの構成を示す断面図である。この図13は、図1(b)に相当する図である。
なお、図13では、図1〜12に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜12に示した符号と同等の符号を付している。
図13に示されるように、検知装置100Dは、抑えプレート120と、加速度センサ130と、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144と、接続配線150と、電子部品収容部160とを備えている。抑えプレート120は、本発明の保持部を構成する。
ここで、図1(b)と図13とを対比する。図1(b)では、抑えプレート120がセンシングプレート110と向かい合うように設けられている。これに対して、図13では、センシングプレート110は設けられていない。このため、図13では、ヒンジ170およびフック180も設けられていない。また、図1(b)では、センシングプレート110が電子部品収容部160に連結されていた。これに対して、図13では、抑えプレート120が電子部品収容部160に連結されている。
図13に示されるように、検知装置100Dには、PTPシート200が取り付けられる。このとき、PTPシート200の面のうち、錠剤取り出し面と反対側の面202は、抑えプレート120の下面と向かい合うように配置される。
両面粘着シート700は、PTPシート200の錠剤取り出し面と反対側の面202と、抑えプレート120の下面の間に、配置される。すなわち、PTPシート200の錠剤取り出し面と反対側の面202および抑えプレート120の下面は、両面粘着シート700によって接着される。これにより、PTPシート200が、抑えプレート120の下面に固定される。なお、前述と同様に、両面粘着シート700には、複数の開口部が形成されている。これらの複数の開口部は、PTPシート200の収容部211および抑えプレート120の複数の錠剤取り出し用貫通孔121の位置に対応するように、形成されている。
図13に示されるように、抑えプレート120は、PTPシート200の面のうち、錠剤取り出し面と反対側の面202を保持する。
また、図13に示されるように、併せて第1の実施の形態と同様に、抑えプレート120の複数の錠剤取り出し用貫通孔121は、複数の収容部211の位置に対応する位置に形成されている。複数の収容部211の各々は、複数の錠剤取り出し用貫通孔121の中に収容される。
以上、検知装置100Dの外観構成について、説明した。
次に、検知装置100Dの動作について説明する。
まず、検知装置100DにPTPシートシート200を取り付ける。このとき、PTPシート200の錠剤取り出し面と反対側の面202および抑えプレート120の下面を、両面粘着シート700によって接着する。これにより、PTPシート200が、抑えプレート120の下面に固定される。
次に、電源回路194を作動することにより、電源193を振動検知回路191等の各回路へ供給する。
次に、検知装置100の利用者が、錠剤300をPTPシート200の収容部211から取り出す。
次に、振動検知回路191の加速度センサ130が、保持部を構成する抑えプレート120の振動を検知する。
そして、全ての錠剤300がPTPシート200から取り出された後、PTPシート200を抑えプレート120の上面から取り外す。
以上、検知装置100Dの動作について説明した。
以上の通り、本発明の第3の実施の形態における検知装置100Dにおいて、保持部は、平板状に形成され、被収容物(錠剤300)を収容する収容部211を有する収容シート(PTPシート200)の面のうち、被収容物を収容部から取り出す側の面である被収容物取り出し面と反対側の面(錠剤取り出し面と反対側の面202)を保持する保持板(抑えプレート120)である。また、保持板(抑えプレート120)は、収容部に対応する位置に貫通するように形成された被収容物取り出し用貫通孔(錠剤取り出し用貫通孔121)を有する。
このように、1枚の保持板のみにより収容シートの被収容物取り出し面を保持することもできる。これにより、より簡素な構成で収容シートを保持することができ、より簡素な構成で、被収容物の取り出しを検出できる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態における検知装置100Eの外観構成について説明する。図14は、本発明の検知装置100Eの構成を示す断面図である。この図14は、図1(b)に相当する図である。
なお、図14では、図1〜13に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜13に示した符号と同等の符号を付している。
図14に示されるように、検知装置100Eは、センシングプレート110と、抑えプレート120と、加速度センサ130と、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144と、接続配線150と、電子部品収容部160と、ばね保持プレート410と、ばね500とを備えている。センシングプレート110と抑えプレート120は、本発明の保持部を構成する。ばね500は、本発明の弾性部材に対応する。なお、本発明の弾性部材は、ばね500に限定されない。
ここで、図1(b)と図14とを対比する。図14では、ばね保持プレート410およびばね500が更に設けられている点で、図1(b)と相違する。また、図1(b)では、センシングプレート110が電子部品収容部160に連結されていた。これに対して、図14では、ばね保持プレート410が電子部品収容部160に連結されている。
また、図14では、ヒンジ170およびフック180が設けられていない点で、図1(b)と異なる。PTPシート200は、センシングプレート110および抑えシート120の間に、例えば両面粘着材等で固定される。
図14に示されるように、ばね保持プレート410は、センシングプレート110の下面と、一定の距離で離間された状態で、向かい合うように設けられている。ばね保持プレート410の下面と、センシングプレート110の上面の四隅は、ばね500により接続されている。すなわち、ばね保持プレート410に取り付けられた4つのばね500が、鉛直方向で、センシングプレート110を保持している。センシングプレート110を鉛直方向の下方に押圧すると、ばね500が圧縮する。このばね500の圧縮によって、ばね500には鉛直方向の上方へ反力が生じる。このように、ばね500は、センシングプレート110の振動を助長する。
また、図14に示されるように、ばね保持プレート410の複数の錠剤取り出し用貫通孔411と、センシングプレート110の複数の錠剤取り出し用貫通孔111と、抑えプレート120の複数の錠剤取り出し用貫通孔121は、互いに対応する位置に設けられている。
図14では、ばね500は、4つ設けられている。すなわち、4つのばね500は、ばね保持プレート410の下面およびセンシングプレート110の上面の四隅に設けられ、これらを連結している。なお、ここでは、4つのばね500を設けると説明したが、これに限定されない。また、ここでは、ばね500を弦巻ばねを採用したが、ばね500を板ばね等で構成してもよい。
以上、検知装置100Eの外観構成について、説明した。
次に、検知装置100Eの動作について説明する。
まず、検知装置100EにPTPシートシート200を取り付ける。このとき、センシングシート110と抑えシート120の間でPTPシート200を挟持するように、例えば両面粘着材等(不図示)を用いて、PTPシート200を検知装置100Eに取り付ける。これにより、PTPシート200が、センシングシート110と抑えシート120とから構成される保持部に保持される。
次に、電源回路194を作動することにより、電源193を振動検知回路191等の各回路へ供給する。
次に、検知装置100Eの利用者が、錠剤300をPTPシート200の収容部211から取り出す。このとき、検知装置100の利用者の指により収容部211が押圧されると、センシングプレート110が鉛直方向下方へ移動し、ばね500が圧縮する。そして、このばね500の圧縮によって、ばね500には鉛直方向の上方へ反力が生じる。ばね500の弾性力によって、センシングプレート110が上下する。
次に、振動検知回路191の加速度センサ130が、センシングプレート110の振動を検知する。このとき、前述の通り、ばね500の弾性力によってセンシングプレート110の振動が助長されているので、振動検知回路191はより大きな信号でセンシングプレート110の振動を検知することができる。
そして、全ての錠剤300がPTPシート200から取り出された後、PTPシート200をセンシングプレート110および抑えプレート120から取り外す。
以上、検知装置100Eの動作について説明した。
以上の通り、本発明の第4の実施の形態における検知装置100Eにおいて、保持部(センシングプレート110)の振動を助長する弾性部材(ばね500)を有する。弾性部材の弾性力によって保持部の振動が助長されているので、振動検知部(加速度センサ300)はより大きな信号で保持部(センシングプレート110)の振動を検知することができる。
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態における検知装置100Fの外観構成について説明する。図15は、本発明の検知装置100Fの構成を示す断面図である。この図15(a)は、図2に相当する断面図である。図15(b)は、図15(a)のC−C切断面における断面図である。
なお、図15(a)、(b)では、図1〜14に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜14に示した符号と同等の符号を付している。
図15(a)および図15(b)に示されるように、検知装置100Fは、センシングプレート110Aと、抑えプレート120と、加速度センサ130と、電子部品収容部160とを備えている。なお、電子部品収容部160は、第1の実施の形態と同様に、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144とを収容する。センシングプレート110Aと抑えプレート120は、本発明の保持部を構成する。
ここで、図2と図15(a)とを対比する。図15(a)では、センシングプレート110Aが剛性増強部材600を有する点で、図2と相違する。
図15(a)および図15(b)に示されるように、センシングプレート110Aの両側部には、剛性増強部材用貫通孔114が形成されている。また、剛性増強部材600が剛性増強部材用貫通孔114に挿入されている。この剛性増強部材600には、センシングプレート600の剛性を高めるような特性を持つ材料を用いることができ、その中でも例えば弦巻ばね部材のような部材を用いることが好ましい。剛性増強部材600は、センシングプレート110Aの長手方向(図15(a)紙面に対して略垂直方向、図15(b)紙面に対して略平行方向)に延在するように、配置されている。このように、剛性増強部材600をセンシングプレート110A内に挿入することにより、センシングプレート110Aの剛性を増強することができる。
以上の通り、本発明の第5の実施の形態における検知装置100Fは、保持部(センシングプレート110A)の剛性を増強する剛性増強部材600を有する。これにより、保持部(センシングプレート110A)の剛性を増強することができる。この結果、保持部の弾性率を調整することができる。保持部の弾性率を調整することによって、加速度センサ130の検知頻度を調整できる。
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態における検知装置100Gの外観構成について説明する。図16は、本発明の検知装置100Gの構成を示す断面図である。この図16は、図1(b)に相当する図である。
なお、図16では、図1〜15に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜15に示した符号と同等の符号を付している。
図16に示されるように、検知装置100Gは、センシングプレート110と、抑えプレート120と、加速度センサ130と、電子部品収容部160Aとを備えている。センシングプレート110と抑えプレート120は、本発明の保持部を構成する。なお、電子部品収容部160Aは、本発明の連結部材に相当する。
ここで、図1(b)と図16とを対比する。図1(b)では、センシングプレート110と電子部品収容部160が一体になるように連結されていた。これに対して、図16では、センシングプレート110と電子部品収容部160Aは、分離可能に連結されている。また、図1(b)では、加速度センサ130は、センシングプレート110に取り付けられていた。これに対して、図16では、加速度センサ130は、電子部品収容部160A内に収容されている。これらの点で、図1(b)と図16は互いに相違する。
また、図16では、ヒンジ170およびフック180が設けられていない点で、図1(b)と異なる。PTPシート200は、センシングプレート110および抑えシート120の間に、例えば両面粘着材等で固定される。
図16に示されるように、電子部品収容部160Aは、加速度センサ130と、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、電池143と、実装基板144とを収容する。このように、電子部品収容部160Aは、少なくとも、加速度センサ130と、この加速度センサ130へ電源を供給する電池143とを収容する。すなわち、加速度センサ130はセンシングシート110または抑えシート120に取り付けられていない。このように、電子部品収容部160A内に電子部品の全てを収容することができる。このため、例えば電子部品収容部160A以外の部材を、簡素な構成で安価に構成することができる。これにより、例えば、センシングシート110、PTPシート200および抑えシート120の積層体を、消耗商品として扱うこともできる。
また、図16に示されるように、加速度センサ130とデータ蓄積用IC141は、電子部品収容部160A内で、接続配線150を介して、電気的に接続されている。
電子部品収容部160Aの加速度センサ130側には、センシングプレート110の一端部の下面が、取り付けまたは取り外しできるように、例えば、両面粘着材や磁石によって取り付けられる。
以上、検知装置100Gの構成を説明した。
次に、検知装置100Gの動作について説明する。
まず、センシングシート110および抑えシート120の間に、例えば両面粘着材(不図示)を用いて、PTPシートシート200を保持する。このとき、PTPシート200の錠剤取り出し面201およびセンシングプレート110の上面が、互いに向かい合うように設定する。また、PTPシート200の錠剤取り出し面と反対側の面202および抑えシート120の下面が、互いに向かい合うように設定する。これにより、センシングプレート110および抑えプレート120の間にPTPシート200を配置した状態で、PTPシート200を挟持することができる。
次に、図16に示されるように、センシングシート110、PTPシート200および抑えシート120の積層体の一端部側を、電子部品収容部160Aの加速度センサ130側に、例えば例えば両面粘着材(不図示)や磁石(不図示)を用いて取り付ける。
次に、電源回路194を作動することにより、電源193を振動検知回路191等の各回路へ供給する。これにより、特に、振動検知回路191は、保持部を構成するセンシングプレート110または抑えプレート120の振動を検知できる状態となる。
次に、検知装置100の利用者が、錠剤300をPTPシート200の収容部211から取り出す。
次に、振動検知回路191の加速度センサ130が、保持部を構成するセンシングプレート110または抑えプレート120の振動を検知する。このとき、加速度センサ130は、センシングプレート110または抑えプレート120の振動を、電子部品収容部160Aの筐体端部を介して、検知する。
そして、全ての錠剤300がPTPシート200から取り出された後、センシングシート110、PTPシート200および抑えシート120の積層体を、電子部品収容部160Aから取り外す。また、PTPシート200をセンシングプレート110および抑えシート120から取り外す。
なお、前述の通り、センシングシート110、PTPシート200および抑えシート120の積層体を、1つの消耗商品として扱うこともできる。この場合、センシングシート110、PTPシート200および抑えシート120の積層体の組み付けは不要となる。
以上、検知装置100Gの動作について説明した。
本発明の第6の実施の形態における検知装置100Gは、連結部材(電子部品収容部160A)を備えている。この連結部材は、保持部(センシングシート110、抑えシート120)に取り付けまたは取り外しできるように連結する。連結部材は、振動検知部(加速度センサ130)と、振動検知部に電源を供給する電源部(電池143)とを収容する。
このように、連結部材は、振動検知部と電源部とを収容し、保持部と分離されている。このため、検知装置100Gは、保持部に振動検知部を設けた場合(検知装置100等)と比較して、保持部側をより簡素な構成で安価に構成することができる。これにより、保持部側の構成(センシングシート110、PTPシート200および抑えシート120)を使い捨て商品として扱うこともできる。
<第7の実施の形態>
本発明の第7の実施の形態における検知装置100Hの外観構成について説明する。図17は、本発明の検知装置100Hの構成を示す断面図である。この図17は、図1(b)に相当する図である。
なお、図17では、図1〜16に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜16に示した符号と同等の符号を付している。
図17に示されるように、検知装置100Gは、センシングプレート110Cと、加速度センサ130と、電子部品収容部160Bとを備えている。センシングプレート110Cは、本発明の保持部を構成する。なお、電子部品収容部160Bは、本発明の連結部材に相当する。
ここで、図12と図17とを対比する。図12では、センシングプレート110と電子部品収容部160が一体になるように連結されていた。これに対して、図16では、センシングプレート110Cと電子部品収容部160Bは、分離可能に連結されている。また、図12では、加速度センサ130は、センシングプレート110に取り付けられていた。これに対して、図17では、加速度センサ130は、電子部品収容部160B内に収容されている。これらの点で、図12と図17は互いに相違する。
また、図16と図17を対比する。図16では、電子部品収容部160Aは、電池143も収容していた。これに対して、図17では、電子部品収容部160Bは、電池143を収容しない。また、図16では、抑えシート120を備えていた点で、図17と異なる。これらの点で、図16と図17は互いに相違する。
図17に示されるように、センシングプレート110Cは、複数の錠剤取り出し用貫通孔111に加えて、電池収容部118を有する。電池収容部118は、センシングプレート110Cの一端部側に設けられている。電池収容部118は、電池143を収容する。なお、PTPシート200は、センシングプレート110Cに、両面粘着材700で固定される。
図17に示されるように、電子部品収容部160Bは、加速度センサ130と、データ蓄積用IC141と、制御用IC142と、実装基板144とを収容する。
また、図17に示されるように、加速度センサ130とデータ蓄積用IC141は、電子部品収容部160B内で、接続配線150を介して、電気的に接続されている。
ここで、センシングプレート110Cの電池収容部118は、電子部品収容部160Bに、抜き差し可能に取り付けできる。図17に示されるように、センシングプレート110Cの電池収容部118が電池収容部160Bに挿入されると、電池143は実装基板144と向かい合う。そして、電池収容部118内の電池143の電源が、例えば短距離無線通信により、電子部品収容部160B内の実装基板144へ供給される。この場合、電池収容部118および実装基板144上には、短距離無線通信に対応する通信部品が設けられている。
このように、電子部品収容部160Bは、少なくとも、加速度センサ130を収容する。すなわち、加速度センサ130はセンシングシート110Cに取り付けられていない。このように、電子部品収容部160B内に主要な電子部品の全てを収容することができる。このため、例えば電子部品収容部160B内の搭載部品以外を、簡素な構成で安価に構成することができる。これにより、例えば、センシングシート110CおよびPTPシート200の積層体を、使い捨て商品として扱うこともできる。
以上、検知装置100Hの構成を説明した。
次に、検知装置100Hの動作について説明する。
まず、センシングシート110Cの上面上に、両面粘着材700を用いて、PTPシートシート200を保持する。
次に、図17に示されるように、センシングシート110Cの電池収容部118側を、電子部品収容部160Bに挿入する。これにより、センシングシート110Cと電子部品収容部160Bが一体となる。そして、電池143と実装基板144が互いに向かい合う。
次に、電源回路194を作動することにより、電源193を振動検知回路191等の各回路へ供給する。すなわち、電池収容部118内の電池143の電源が、例えば短距離無線通信により、電子部品収容部160B内の実装基板144へ供給される。これにより、特に、振動検知回路191は、保持部を構成するセンシングプレート110Cの振動を検知できる状態となる。
次に、検知装置100の利用者が、錠剤300をPTPシート200の収容部211から取り出す。
次に、振動検知回路191の加速度センサ130が、保持部を構成するセンシングプレート110Cの振動を検知する。このとき、加速度センサ130は、センシングプレート110Cの振動を、電子部品収容部160Bの筐体端部を介して、検知する。
そして、全ての錠剤300がPTPシート200から取り出された後、センシングシート110Cを、電子部品収容部160Bから抜き出す。また、PTPシート200をセンシングプレート110Cから取り外す。
なお、前述の通り、センシングシート110CおよびPTPシート200の積層体を、1つの使い捨て商品として扱うこともできる。この場合、センシングシート110CおよびPTPシート200積層体の組み付けは不要となる。
以上、検知装置100Hの動作について説明した。
本発明の第7の実施の形態における検知装置100Hは、連結部材(電子部品収容部160B)を備えている。この連結部材は、保持部(センシングシート110、抑えシート120)に取り付けまたは取り外しできるように連結する。保持部は、振動検知部(加速度センサ130)に電源を供給する電源部(電池143)を有する。また、連結部材は、振動検知部を収容する。
このように、連結部材は振動検知部を収容し、保持部は電池を有する。そして、連結部材および保持部は分離することができる。このため、検知装置100Hは、保持部に振動検知部を設けた場合(検知装置100等)と比較して、保持部側をより簡素な構成で安価に構成することができる。これにより、保持部側の構成(センシングシート110、PTPシート200および抑えシート120)を使い捨て商品として扱うこともできる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述各実施の形態に対して、さまざまな変更、増減、組合せを加えてもよい。これらの変更、増減、組合せが加えられた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。