JP6295744B2 - 車両用ホイールインナーカバー - Google Patents
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Description
そこで、車両用ホイールのリム部およびディスク部で囲まれた空間を、ディスク部よりも車幅方向内側に離れたリム部の端部において車両用ホイールインナーカバーで閉塞することによって、空気がスポークの間の複数の開口部から流出することを抑制する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、車両用ホイールインナーカバーが車両用ホイールのリム部の端部に一体的に取り付けられるものが開示されている。また、特許文献2には、車両用ホイールインナーカバーが車体側の非回転部であるナックルに取り付けられるものが開示されている。
したがって、車両用ホイールのハブ部に連結されるサスペンションを構成するサスペンションアームなどの車体側の部材と、車両用ホイールインナーカバーとの干渉を避けるために、車両用ホイールインナーカバーの中央に大きな開口を形成する必要がある。
そのため、この開口を通って空気が車幅方向内側から車幅方向外側に流出するため、空気抵抗を抑制する上で改善の余地がある。
また、サスペンションアームなどの車体側の部材の形状の如何によっては、車両用ホイールインナーカバーを設けること自体が困難な場合もある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、車体側の部材の影響を受けることなく、ディスク部の複数の開口部を通って車幅方向内側から車幅方向外側に向かって空気の流出を阻止でき、空気抵抗を抑制して省燃費化を実現する上で有利な車両用ホイールインナーカバーを提供することを目的とする。
請求項2記載の発明は、前記車両用ホイールインナーカバーは、前記ディスク部の前記内面に当接可能な均一の断面形状で前記内面の全周にわたって延在する環板状に形成されている、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記車両用ホイールインナーカバーは環板状を呈し、前記ディスク部の前記内面に当接可能な当接板部と、前記当接板部から突設され前記複数の開口部にそれぞれ嵌め込まれて前記開口部を閉塞し前記ディスク部の車両非装着側である外面と同一面上に位置する頂面を有する複数の凸部とを含んで構成されている、ことを特徴とする。
また、車両用ホイールインナーカバーは、ディスク部の内面に取り付けられているため、ナックルアームなどの車体側の部材の影響を受けることなく、ディスク部の開口部を閉塞できる。
また、車両用ホイールインナーカバーは、ディスク部の内面に取り付けられているため、車両用ホイールのデザイン性を損なうことなく省燃費化を実現する上で有利となる。
本発明によれば、車両用ホイールインナーカバーのディスク部の内面への取り付けを簡単に行なう上で有利となる。
本発明によれば、車両用ホイールインナーカバーのディスク部の内面への取り付けを簡単に行なう上でより一層有利となる。
本発明によれば、車両用ホイールインナーカバーの製造コストの低減を図る上で有利となり、また、車両用ホイールインナーカバーの取り付け作業の効率化を図る上で有利となる。
本発明によれば、頂面がディスク部の外面と同一面上に位置し、ディスク部の外面が単一の面で構成されるため、ディスク部の外面の凹凸で発生する空気抵抗を低減し、低燃費化を図る上でより一層有利となる。
以下、本発明の車両用ホイールインナーカバーの実施の形態について図面を参照して説明する。
図1、図2に示すように、車両用ホイール10は、空気入りタイヤ2が装着されるリム部12と、ディスク部14とを備えている。
リム部12は、筒状のウェル部1202と、ウェル部1202の車幅方向内側端すなわち車両装着側の端部に設けられた内側リムフランジ部1204Aと、ウェル部1202の車幅方向外側端すなわち車両非装着側の端部に設けられた外側リムフランジ部1204Bとを備えている。
空気入りタイヤ2は、両側のビード部2Aが内側リムフランジ部1204Aおよび外側リムフランジ部1204Bを介して車両用ホイール10に装着されている。
ディスク部14の内周部には、ハブ部16が設けられている。
ハブ部16には、不図示の車軸(ハブ)が挿入されるハブ孔1602と、ハブ孔1602の周囲に設けられハブ部16を車軸に取り付けるためのボルト挿通孔1604とが設けられている。
車両用ホイール10は、車両装着側から上記車軸がハブ孔1602に挿通され、各ボルト挿通孔1604に挿通されたボルトによりハブ部16が車軸に締結されることで車軸と連結される。
この円柱状空間Sは、車軸や、サスペンションを構成するナックルアーム、サスペンションアームの先部、あるいは、ブレーキロータやブレーキキャリパなどの車体側の部材、あるいは、それら部材の部分が配置される空間となっている。
ディスク部14は、車両装着側である内面1402と、車両非装着側である外面1404とを有している。
本実施の形態では、内面1402の断面形状は、内周部寄りの箇所が外面1404に向かって凸状をなすように形成されている。
ディスク部14の内面1402の外周部に、ディスク部14の半径方向内側に開放状で外周部の全周にわたって延在する環状凹部22が設けられている。本実施の形態では、ディスク部14の外周部はリム部12を含んで構成されていることから、環状凹部22はリム部12に設けられている。
図4に示すように、環状凹部22は、ディスク部14寄りに位置する内側面2202と、内側面2202に対してディスク部14から離れた側に位置して内側面2202に対向する外側面2204とを有している。
外側面2204は、環状凹部22の底部2210から離れるにつれて内側面2202から離れる方向に変位する傾斜面2204Aで形成されている。また、環状凹部22は底部2210に向かって先細り形状ともいえる。
車両用ホイールインナーカバー24は、燃費の抑制を図る観点から軽量であることが望ましく、本実施の形態では、車両用ホイールインナーカバー24は、合成樹脂材料で形成されている。
このような合成樹脂材料として、ポリプロピレンやアクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを重合させてつくられるABS樹脂など、従来公知の様々な合成樹脂材料が使用可能である。
車両用ホイールインナーカバー24は、図3(B)に示すように、内面1402の断面形状に合わせ、ハブ孔1602よりも大きな開口を形成する内周部2402寄りの箇所が外面1404に向かって凸状をなすように形成されている。
車両用ホイールインナーカバー24は、図4に示すように、その外周部2404が環状凹部22に嵌め込まれることでディスク部14の内面1402に取り付けられている。
この取り付けは、図3(A)に示すように、車両用ホイールインナーカバー24の断面形状を内面1402の断面形状とは反対の向きの凸状に形成しておき、外周部2404を環状凹部22に嵌め込んだのち、図3(B)に示すように、力を加えることで凸状の向きを反転させるようにすると、取り付けを簡単に行なう上で有利となる。なお、図3のいずれの場合も、取り付け時に撓りで反転しやすいように外周部2404よりも内周部2404が突出するような形となっている。
また、車両用ホイールインナーカバー24は、ディスク部14の内面1402に取り付けられているため、車両用ホイールインナーカバー24は、サスペンションを構成するナックルアームやサスペンションアーム、あるいは、ブレーキロータやブレーキキャリパなどの車体側の部材と干渉しない。
したがって、車両用ホイールインナーカバー24に開口を設ける必要がなくなることは無論のこと、車体側の部材の影響を受けることなく、ディスク部14の開口部20を閉塞でき、空気抵抗を抑制し省燃費化を実現する上で有利となる。
また、車両用ホイールインナーカバー24は、ディスク部14の内面1402に取り付けられているため、車両用ホイール10のデザイン性を損なうことなく省燃費化を実現する上で有利となる。
したがって、車両用ホイールインナーカバー24の取り付け作業の効率化を図る上で有利となる。
特に、環状凹部22の底部2210の幅が車両用ホイールインナーカバー24の厚さ(断面幅)と同じ寸法であると、取り付け時に車両用ホイールインナーカバー24の外周部2404がまず位置決めされる。
さらに環状凹部22はテーパ状となっているため、傾斜面2204Aにより環状凹部22の底部2210から車両用ホイール中心方向に至るにつれて、環状凹部22の底部2210の幅、つまり車両用ホイールインナーカバー24の外周部2404の厚さ(断面幅)から広がっていくため、取り付け時に反転させるための隙間が傾斜面2204Aとディスク部14の内面1402(内面部2204)との間に構成されている。
なお、本実施の形態では、環状凹部22をディスク部14の内面1402の外周部に設けた場合について説明したが、環状凹部22をディスク部14の内面1402の内周部に半径方向外側に開放状に形成した場合にも上記と同様の効果が得られる。
次に、図5、図6を参照して第2の実施の形態について説明する。
なお、第1の実施の形態と同様の箇所、部材について同一の符号を付して説明する。
車両用ホイールインナーカバー24は環板状を呈し、ディスク部14の内面1402に当接可能な当接板部2410と、当接板部2410からスポーク部18の軸方向長さに相当する突設された複数の凸部2412とを含んで構成されている。
車両用ホイールインナーカバー24は、第1の実施の形態と同様に、その外周部2404が環状凹部22に嵌め込まれることでディスク部14の内面1402に取り付けられている。
各凸部2412は開口部20に合致した形状で形成され、当接板部2410がディスク部14の内面1402に当接した状態で、複数の開口部20にそれぞれ嵌め込まれて開口部20を閉塞しディスク部14の外面1404と同一面上に位置する頂面2414を有している。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果が奏される他、次の効果が奏される。
すなわち、頂面2414がディスク部14の外面1404と同一面上に位置し、ディスク部14の外面1404が単一の面で構成されるため、ディスク部14の外面1404の凹凸で発生する空気抵抗を低減し、低燃費化を図る上でより一層有利となる。
しかしながら、車両用ホイール10の車軸への締結構造はこれに限定されるものではなく、例えば、ハブ部16にねじ孔を形成し、車軸側にボルト挿通孔を形成し、ホイール外側からボルト挿通孔を挿通したボルトをハブ部16のねじ孔に螺合することで車両用ホイール10を車軸に締結するなど、従来公知の様々な構造が使用可能である。
また、本実施の形態では、車両用ホイールインナーカバー24が車両用ホイール10の全周にわたって複数の開口部20を全て閉塞する場合について説明したが、車両用ホイールインナーカバー24は、開口部20の一部を閉塞し、残りの開口部20を開放するように構成されていてもよい。このように開口部20の残りを開放するようにすると、ブレーキの冷却を図る上で有利となる。
14 ディスク部
1402 内面
1404 外面
16 ハブ部
1602 ハブ孔
1604 ボルト挿通孔
20 開口部
22 環状凹部
2202 内側面
2204 外側面
2204A 傾斜面
2210 底部
24 車両用ホイールインナーカバー
2402 内周部
2404 外周部
2410 当接板部
2412 凸部
2414 頂面
Claims (3)
- 複数の開口部が設けられたディスク部を有する車両用ホイールに取着される車両用ホイールインナーカバーであって、
前記車両用ホイールインナーカバーは、車両装着側である前記ディスク部の内面に取り付けられ、前記複数の開口部を閉塞し、
前記ディスク部の前記内面の外周部または内周部に全周にわたって延在する環状凹部が設けられ、
前記環状凹部は、前記ディスク部側寄りに位置する内側面と、前記内側面に対向する外側面とを有し、
前記外側面は、前記車両用ホイールの径方向において前記環状凹部の底部から離れるにつれて前記内側面から離れる方向に変位する傾斜面で形成されており、
前記車両用ホイールインナーカバーの前記ディスク部の前記内面への取り付けは、前記車両用ホイールインナーカバーの前記外周部または前記内周部が前記環状凹部に嵌め込まれることでなされている、
ことを特徴とする車両用ホイールインナーカバー。 - 前記車両用ホイールインナーカバーは、前記ディスク部の前記内面に当接可能な均一の断面形状で前記内面の全周にわたって延在する環板状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ホイールインナーカバー。 - 前記車両用ホイールインナーカバーは環板状を呈し、前記ディスク部の前記内面に当接可能な当接板部と、前記当接板部から突設され前記複数の開口部にそれぞれ嵌め込まれて前記開口部を閉塞し前記ディスク部の車両非装着側である外面と同一面上に位置する頂面を有する複数の凸部とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1項記載の車両用ホイールインナーカバー。
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