JP6294314B2 - ホスフィン配位パラジウムスルホナートパラダサイクル - Google Patents

ホスフィン配位パラジウムスルホナートパラダサイクル Download PDF

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    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds

Description

関連出願
本出願は、2012年6月8日に出願された米国仮出願第61/657,377号の優先権の利益を主張し、その内容が参照により本明細書に援用される。
(政府出資)
本発明は、米国国立衛生研究所によって与えられた助成番号GM046059およびGM058160に基づく米国政府の支援により行われた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、ホスフィン配位パラジウムスルホナートパラダサイクルに関する。
遷移金属触媒錯体は化学の多くの分野で重要な役割を担っている。触媒錯体は、遷移金属の特徴および結合した配位子の特徴によって影響を受けると認識されている。例えば、配位子の構造的特徴は、触媒錯体が関与する反応において、反応速度、位置選択性および立体選択性に影響を及ぼすことがある。例えば、カップリング反応では、電子求引性配位子は、金属中心への酸化的付加を遅らせ、金属中心からの還元的脱離を加速させることが予測され、反対に、電子豊富な配位子は、金属中心への酸化的付加を加速させ、金属中心からの還元的脱離を遅らせることが予測される。
ホスフィン配位Pd(0)錯体は多くの反応で活性触媒となるが、そのような錯体は通常調製するのが難しく、非常に空気の影響を受けやすい。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))は、Pd(0)の安定した供給源として働くように開発され、実際の活性触媒錯体の形成を著しく遅らせ、かつ/またはその最終的反応性を低減できる配位性ベンジリデンアセトン配位子を備えている。前触媒の不安定性の問題を回避するPd(OAc)などのPd(II)塩を使用する場合、活性Pd(0)錯体を生成するためにその場で還元が必要となる。ホスフィン配位Pd(0)錯体を形成する際の複雑性に鑑みて、Pd源とホスフィン配位子を構成する前触媒骨格(precatalyst scaffold)が開発された。図1を参照のこと。これらの前触媒は、穏和な条件下で、かつ外因性添加剤を必要とせずに、活性で、一配位子を有するPd錯体を形成した。
しかし、公知の前触媒の使用は問題となり得る。例えば、前触媒1(図1)を3工程で調製する際には、変化しやすい有機金属中間体を取り扱うことになり、大規模生産には適していない。さらに、前触媒1は、溶液中で数時間で分解する傾向があり、tBuBrettPhos、RockPhos、AdBrettPhosおよびMetBuXPhosなどの大きな配位子と適合しない。図10を参照のこと。前触媒2は、比較的簡単に調製できるが、あまり広く適しておらず、例えば、BrettPhos、tBuXPhos、tBuBrettPhos、RockPhos、AdBrettPhosおよびMetBuXPhosなどの大きな配位子と形成することができず、さらに、溶液中で長期安定性を示さない。
標準反応条件下で活性化することができ、様々な配位子と活性錯体LPd(0)を確実に形成する、空気安定性、水分安定性、かつ溶液安定性のある、新たなクラスの一成分Pd前触媒が必要とされている。
ある実施形態では、本発明は、式I
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式II
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式III
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンであり、
は、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式VII
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xが、四フッ化ホウ素、テトラアリールホウ酸イオン(例えば、B(C および(B[3,5−(CF)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、四フッ化リン、六フッ化リン、アルキルスルホン酸イオン、ハロアルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、ビス(アルキルスルホニル)アミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)アミド、ビス(アリールスルホニル)アミド、(フルオロアルキルスルホニル)(フルオロアルキルカルボニル)アミド、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アルキル硫酸イオン、アリール硫酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、カルボン酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、ホスフィン酸イオンおよび次亜塩素酸イオンからなる群から選択される、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、式IX
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式X
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XI
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
は、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XV
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
は、H、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xが、四フッ化ホウ素、テトラアリールホウ酸イオン(例えば、B(C および(B[3,5−(CF)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、四フッ化リン、六フッ化リン、アルキルスルホン酸イオン、ハロアルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、ビス(アルキルスルホニル)アミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)アミド、ビス(アリールスルホニル)アミド、(フルオロアルキルスルホニル)(フルオロアルキルカルボニル)アミド、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アルキル硫酸イオン、アリール硫酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、カルボン酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、ホスフィン酸イオンおよび次亜塩素酸イオンからなる群から選択される、上記二量体のいずれか1種に関する。
二種の公知の前触媒を表す。前触媒中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明のパラジウムスルホナート二量体を表す。二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明のパラジウムスルホナート二量体を表す。二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明のパラジウムスルホナート二量体を表す。二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明のパラジウムスルホナート二量体を表す。二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明のパラジウムスルホナート二量体から本発明の2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒を合成する一般的な手順を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明のパラジウムスルホナート二量体からの2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒の合成例を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 該当のパラジウムスルホナート二量体から形成された本発明の種々の2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒の収率を、使用した配位子に対応させて表にしたものである。 本発明のパラジウムトリフラート二量体からの2−アミノビフェニルパラジウムトリフラート前触媒の合成例を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明の前触媒を調製するために使用され得る種々の配位子を表す(tBuBrettPhos=L15;AdBrettPhos=L16;RockPhos=L17)。 本発明の前触媒を調製するために使用され得る種々の配位子を表す。 本発明の二種のパラジウムスルホナート二量体を表す。二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 [1,1’−ビフェニル]−2−アミンからの2−アミノビフェニルパラジウムスルホナート前触媒の合成例を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明の前触媒を使用した第一級アミンのアリール化を表す。反応条件:塩化アリール(1ミリモル)、アミン(1.2ミリモル)、NaOt−Bu(1.2ミリモル)、OMsBrettPhos前触媒(0.01〜0.5%)、BrettPhos配位子(0.01〜0.5%)、ジオキサン(1mL)100℃;ヨウ化アリール(1ミリモル)、アミン(1.4ミリモル)、NaOt−Bu(1.4ミリモル)、トルエン(1mL)100℃;CsCOを塩基として使用し;t−BuOHを溶媒として使用した。収率は少なくとも二反復に基づく平均単離収率を表す。 本発明の前触媒を使用した第二級アミンのアリール化を表す。反応条件:塩化アリール(1ミリモル)、アミン(1.2ミリモル)、NaOt−Bu(1.2ミリモル)、THF(1mL)85℃;OMsXPhos前触媒およびXPhosを使用し;ArBrを使用した。収率は二反復に基づく平均単離収率を表す。 本発明の前触媒を使用した不安定なボロン酸の鈴木・宮浦カップリングを表す。反応条件:塩化アリール(1ミリモル)、ボロン酸(1.5ミリモル)、前触媒(2%)、THF(2mL)、0.5M KPO(4mL)。収率は二反復に基づく平均単離収率を表す。 本発明の前触媒を使用した第一級アミンのアリール化を表す。反応条件:塩化アリール(1ミリモル)、アミド(1.2ミリモル)、KPO(1.4ミリモル)、前触媒(1モル%)、tBuOH(2mL)、110℃、1.5時間。収率は二反復に基づく平均単離収率を表す。 本発明の前触媒を使用したアリールトリフラートのフッ素化を表す。反応条件:アリールトリフラート(1ミリモル)、フッ化セシウム(2ミリモル)、トルエン(5mL)130℃;シクロヘキサン(5mL)、120℃。収率は二反復に基づく平均単離収率を表す。 二量体からの2−アミノビフェニルパラジウムヘキサフルオロホスファート前触媒の合成例を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 二量体からの2−アミノビフェニルパラジウムテトラフルオロボラート前触媒の合成例を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 N−フェニル−[1,1’−ビフェニル]−2−アミンからの前触媒の合成例を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明の種々の前触媒の合成例を表す。前触媒および二量体中のPdの立体化学はシスまたはトランスである。 本発明の前触媒を使用した塩化アリールのアミド化を表す。反応条件:110℃でtBuOH中、KPOおよび1%前触媒。 本発明の前触媒を使用したアリールトリフラートのフッ素化を表す。 本発明の前触媒を使用したフェノールのアリール化を表す。 本発明の前触媒を使用したアルコールのアリール化を表す。 本発明の前触媒を使用したアリールトリフラートおよび塩化アリールのトリフルオロメチル化を表す。
概要
ある実施形態では、本発明はパラジウムスルホナート前触媒に関する。ある実施形態では、前触媒の合成は、市販の出発物質から容易に行うことができる。ある実施形態では、前触媒は、様々なホスフィン配位子のいずれかを組み込んでいる。ある実施形態では、前触媒は、溶液中で著しく安定である。ある実施形態では、前触媒は、約1か月より長い間、溶液中で安定である。
本発明の前触媒
ある実施形態では、本発明は、式I
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式II
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式III
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンであり、
は、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式IV
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式V
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式VI
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンであり、
は、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式VII
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、式VIII
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、ビス(ホスフィン)、ホスホルアミド、アミン、ビス(アミン)またはN−複素環式カルベンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、Lが米国特許第7,858,784号明細書(本文献の全体が参照により本明細書に援用される)に記載の配位子である、式I、II、III、IV、V、VI、VIIまたはVIIIのいずれか1式の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、Lが米国特許出願公開第2011/0015401号明細書(本文献の全体が参照により本明細書に援用される)に記載の配位子である、式I、II、III、IV、V、VI、VIIまたはVIIIのいずれか1式の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、Lが、
Figure 0006294314
およびテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)からなる群から選択される、式I、II、III、IV、V、VI、VIIまたはVIIIのいずれか1式の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、Lが、
Figure 0006294314
であり、RがHまたはアルキルである、式I、II、III、IV、V、VI、VIIまたはVIIIのいずれか1式の前触媒に関する。
ある実施形態では、本発明は、Lが、PPh、PhP−CH、PhP(CH、P(o−tol)、PCy、P(tBu)、BINAP、dppb、dppe、dppf、dppp、
Figure 0006294314
Figure 0006294314
からなる群から選択され、
が、アルキル、アラルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、
が、CHまたはNであり、
が、Hまたはアルキルであり、
が、H、アルコキシまたはアルキルであり、
が、アルキルまたはアリールであり、
nが、1、2、3または4である、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xが、四フッ化ホウ素、テトラアリールホウ酸イオン(例えば、B(C および(B[3,5−(CF)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、四フッ化リン、六フッ化リン、アルキルスルホン酸イオン、ハロアルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、ビス(アルキルスルホニル)アミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)アミド、ビス(アリールスルホニル)アミド、(フルオロアルキルスルホニル)(フルオロアルキルカルボニル)アミド、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アルキル硫酸イオン、アリール硫酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、カルボン酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、ホスフィン酸イオンおよび次亜塩素酸イオンからなる群から選択される、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルが置換アルキルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルが非置換アルキルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルがメチルまたはエチルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがハロアルキルスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがフルオロアルキルスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがフルオロメチルスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがトリフルオロメチルスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがシクロアルキルアルキルスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xが
Figure 0006294314
またはその鏡像異性体である、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがアリールスルホン酸イオンであり、アリールが置換アリールである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがアリールスルホン酸イオンであり、アリールが非置換アリールである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがフェニルスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがメチルフェニルスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがp−トルエンスルホン酸イオンである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、RがHまたはアルキルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、RがHである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rが置換アルキルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Rが非置換アルキルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rが置換アリールである、上記前触媒のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Rが非置換アリールである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rがフェニルである、上記前触媒のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、
Figure 0006294314
(式中、Lは、PPh、P(o−tol)、PCy、P(tBu)、BINAP、dppf、dppp、
Figure 0006294314
からなる群から選択される)からなる群から選択される化合物に関する。
ある実施形態では、本発明は、以下の構造:
Figure 0006294314
(式中、Lは、PPh、P(o−tol)、PCy、P(tBu)、BINAP、dppf、dppp、
Figure 0006294314
からなる群から選択される)の化合物に関する。
ある実施形態では、本発明は、以下の構造:
Figure 0006294314
(式中、Lは、
Figure 0006294314
からなる群から選択される)の化合物に関する。
ある実施形態では、本発明は、以下の構造:
Figure 0006294314
(式中、Rは、H、アルキルまたはアリールであり、
Lは、上記の配位子のいずれか1種である)のいずれか1種の化合物に関する。
ある実施形態では、本発明は、以下の構造:
Figure 0006294314
(式中、Rは、H、アルキルまたはアリールであり、
Lは、上記の配位子のいずれか1種である)のいずれか1種の化合物に関する。
ある実施形態では、本発明は、以下の構造:
Figure 0006294314
(式中、Rは、H、アルキルまたはアリールであり、
Lは、上記の配位子のいずれか1種である)のいずれか1種の化合物に関する。
本発明の二量体
ある実施形態では、本発明は、式IX
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式X
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XI
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
は、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XII
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XIII
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XIV
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンであり、
は、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XV
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、
は、H、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、式XVI
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンであり、
は、H、アルキル、ハロアルキルまたはアリールである)の二量体に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xが、四フッ化ホウ素、テトラアリールホウ酸イオン(例えば、B(C および(B[3,5−(CF)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、四フッ化リン、六フッ化リン、アルキルスルホン酸イオン、ハロアルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、ビス(アルキルスルホニル)アミド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)アミド、ビス(アリールスルホニル)アミド、(フルオロアルキルスルホニル)(フルオロアルキルカルボニル)アミド、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アルキル硫酸イオン、アリール硫酸イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、カルボン酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、ホスフィン酸イオンおよび次亜塩素酸イオンからなる群から選択される、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルが置換アルキルである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルが非置換アルキルである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがアルキルスルホン酸イオンであり、アルキルがメチルまたはエチルである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがハロアルキルスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがフルオロアルキルスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがフルオロメチルスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがトリフルオロメチルスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがシクロアルキルアルキルスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xが、
Figure 0006294314
またはその鏡像異性体である、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがアリールスルホン酸イオンであり、アリールが置換アリールである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがアリールスルホン酸イオンであり、アリールが非置換アリールである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Xがフェニルスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがメチルフェニルスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Xがp−トルエンスルホン酸イオンである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、RがHまたはアルキルである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、RがHである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rが置換アルキルである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Rが非置換アルキルである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rが置換アリールである、上記二量体のいずれか1種に関する。ある実施形態では、本発明は、Rが非置換アリールである、上記二量体のいずれか1種に関する。
ある実施形態では、本発明は、Rがフェニルである、上記二量体のいずれか1種に関する。
本発明の方法
ある実施形態では、本発明は、スキーム1:
Figure 0006294314
(式中、前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
Lは、上記定義と同じであり、
Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルであり、
は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキル、シクロアルキルである)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度1が約50℃〜約150℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度1が約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃または約145℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム2:
Figure 0006294314
(式中、前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
Lは、上記定義と同じであり、
Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルであり、
は、アルキル、アラルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、
は、アルキル、アラルキル、アリールまたはヘテロアリールであるか、もしくはRとRは互いに結合してシクロアルキル環またはヘテロシクロアルキル環を形成する)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度2が約40℃〜約120℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度2が約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃または約115℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム3:
Figure 0006294314
(式中、前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルであり、
Arは、アリールまたはヘテロアリールである)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度3が約10℃〜約60℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度3が約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃または約50℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム4:
Figure 0006294314
(式中、前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルであり、
は、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルである)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度4が約60℃〜約160℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度4が約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、約150℃または約155℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム5:
Figure 0006294314
(式中、前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルである)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度5が約70℃〜約190℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度5が約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、約150℃、約155℃、約160℃、約165℃、約170℃、約175℃または約180℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム8:
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
はハロであり、
Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、
Arは、1個、2個、3個または4個のR11で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルであり、
11は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルキルチオまたはシアノアルキルである)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度8が約10℃〜約90℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度8が約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃または約90℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム9:
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
はハロであり、
Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルであり、
12は、アルキルまたは置換アルキル(アラルキル、フルオロアルキルアルキルまたはシクロアルキルアルキルを含むが、これらに限定されない)である)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度9が約50℃〜約160℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度9が約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、約150℃、約155℃または約160℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム10:
Figure 0006294314
(式中、各々独立して、
前触媒は、上記前触媒のいずれか1種であり、
は、ハロ、トリフラートまたはメシラートであり、
Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、
qは、0、1、2、3または4であり、
は、アルコキシ、アルキルエステル、アルキルカルボニル、ヒドロキシアルキル、シアノ、ハロ、アミノ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキルである)の方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、温度10が約50℃〜約160℃である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、温度10が約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、約150℃、約155℃または約160℃である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、塩基1、塩基2、塩基3、塩基4、塩基8または塩基9が、t−ブトキシ、炭酸イオンまたはリン酸イオンを含む、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、塩基1、塩基2、塩基3、塩基4、塩基8または塩基9が、NaOt−Bu、CsCO、KCOまたはKPOである、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒1、溶媒2、溶媒3または溶媒4が無極性溶媒または極性非プロトン性溶媒である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒1、溶媒2、溶媒3または溶媒4がエーテルまたはアルコールである、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒1、溶媒2、溶媒3または溶媒4が、ジオキサン、テトラヒドロフラン、水またはtBuOHを含む、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒5または溶媒9が無極性溶媒である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒5または溶媒9がトルエンを含む、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒8が無極性溶媒である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒8がトルエンを含む、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、溶媒8がトルエンおよびジメトキシエーテルを含む、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒10がジオキサンおよびトルエンを含む、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、溶媒10がジオキサンとトルエンを1:1の比率で含む、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、前触媒が約0.005モル%〜約10モル%の量で存在する、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、前触媒が約0.005モル%、約0.01モル%、約0.05モル%、約0.1モル%、約0.5モル%、約1モル%、約2モル%、約3モル%、約4モル%または約5モル%で存在する、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、Lが約0.005モル%〜約10モル%で存在する、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、Lが約0.005モル%、約0.01モル%、約0.05モル%、約0.1モル%、約0.5モル%、約1モル%、約2モル%、約3モル%、約4モル%または約5モル%で存在する、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム6a
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンである)に従い、上記二量体のいずれか1種を製造する方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム6b
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンである)に従い、上記二量体のいずれか1種を製造する方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム6c
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンである)に従い、上記二量体のいずれか1種を製造する方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、Pd(II)源がPd(OAc)である、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒が無極性溶媒または極性非プロトン性溶媒である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、溶媒がトルエンである、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、溶媒がTHFである、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、約25℃〜約75℃で反応が起こる、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃または約75℃で反応が起こる、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、反応が約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分または約60分で実質的に終了する、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、スキーム7
Figure 0006294314
(式中、Xは非配位性アニオンであり、Lは上記定義の配位子である)に従い、上記前触媒のいずれか1種を製造する方法に関する。
ある実施形態では、本発明は、溶媒が極性非プロトン性溶媒である、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、溶媒がTHFまたはCHClである、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、約10℃〜約40℃で反応が起こる、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃または約35℃で反応が起こる、上記方法のいずれか1つに関する。
ある実施形態では、本発明は、反応が約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分、約65分、約70分、約75分、約80分、約85分または約90分で実質的に終了する、上記方法のいずれか1つに関する。ある実施形態では、本発明は、反応が約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間または約12時間で実質的に終了する、上記方法のいずれか1つに関する。
本発明の反応は様々な条件下で行うことができ、本明細書に記載された溶媒および温度範囲が限定的ではなく、単に本発明の方法の態様例に相当することが理解されよう。
一般的に、反応は、反応物質、前触媒または生成物に悪影響を及ぼさない穏和な条件を使用して行うことが望ましい。例えば、反応温度は、反応速度と同様に反応物質および触媒の安定性にも影響を及ぼす。通常、反応は、25℃〜300℃の範囲、より好ましくは25℃〜150℃の範囲で行われる。
一般的に、目的の反応は液体反応媒体中で行われる。反応は溶媒を添加せずに行ってもよい。あるいは、反応は、不活性溶媒中、好ましくは触媒などの反応成分が実質的に溶解されるものの中で行ってもよい。適切な溶媒として、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、水などのエーテル;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化溶媒;ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、ペンタンなどの脂肪族または芳香族炭化水素溶媒;酢酸エチル、アセトンおよび2−ブタノンなどのエステルおよびケトン;アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒;または2種以上の溶媒を組み合わせたものが挙げられる。
本発明は、溶媒の二相混合物中、乳濁液もしくは懸濁液中の反応、または脂質小胞もしくは二重層中の反応も検討する。ある実施形態では、反応物質または配位子の一方を固体担体に固定して、固相で触媒反応を行うことが好ましい場合がある。
ある実施形態では、窒素またはアルゴンなどのガスの不活性雰囲気下で反応を行うことが好ましい。
本発明の反応プロセスは、連続式、半連続式またはバッチ式で行うことができ、必要に応じて、液体再利用操作を行ってもよい。本発明のプロセスはバッチ式で行われることが好ましい。同様に、反応成分、前触媒および溶媒の添加の方法または順番は、通常、反応の成功に重要ではなく、任意の従来の様式で行うことができる。ある場合には、反応速度を向上させ得る事象の順では、t−BuONaなどの塩基は反応混合物に最後に添加される成分である。
反応は、単一の反応領域、もしくは連続または並列の複数の反応領域で行ってもよく、細長い管状領域または連続したそのような領域でバッチ式または連続的に行ってもよい。使用する構成材料は、反応中に出発物質に対して不活性であるべきであり、装置の製造は、反応温度および圧力に耐えられるべきである。反応の途中で反応領域にバッチ式または連続的に導入される出発物質または成分の量を導入および/または調節する手段を、特に、出発物質の所望のモル比を維持するために、本プロセスで従来通り使用することができる。反応工程は、出発物質を1種ずつ順に添加することにより行ってもよい。また、反応工程は、出発物質をまとめて金属触媒に添加することにより行ってもよい。完全な変換が望ましくない場合または達成できない場合、出発物質を生成物から分離し、その後、反応領域に戻して再利用してもよい。
本プロセスは、ガラスを裏打ちしたステンレス鋼製または同様のタイプのいずれの反応装置で行ってもよい。反応領域には、過度の温度変動を抑制するか、あらゆる起こりうる「制御不能(runaway)の」反応温度を防ぐために、1つ以上の内部および/または外部熱交換器を取り付けてもよい。
さらに、1種類以上の反応物質を、例えば、アリール基の1つ以上の置換基で誘導体化することによって、ポリマーなどの不溶性マトリックスに固定しても、組み込んでもよい。
定義
便宜上、本発明をさらに説明する前に、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲において使用される特定の用語をここにまとめる。
用語「アルキル」とは、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換アルキル基などの飽和脂肪族基をいう。好ましい実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、主鎖に30個以下の炭素原子(例えば、直鎖の場合C〜C30、分岐鎖の場合C〜C30)、より好ましくは20個以下の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、環構造に、3個〜10個の炭素原子、より好ましくは環構造に5個、6個または7個の炭素を有する。
本明細書に使用される用語「アラルキル」とは、アリール基(例えば、芳香族基または複素芳香族基)で置換されたアルキル基をいう。
炭素数について特に記載がない限り、本明細書に使用される「低級アルキル」とは、上記するようなアルキル基であるが、主鎖構造に1個〜10個の炭素原子、より好ましくは1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有するが、炭素原子は少なくとも2個である。好ましいアルキル基は低級アルキルである。好ましい実施形態では、本明細書でアルキルと呼ぶ置換基は低級アルキルである。
本明細書に使用される用語「アリール」として、0〜4個のヘテロ原子を含み得る5員、6員および7員の芳香族基、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが挙げられる。環構造にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「アリール複素環」または「複素芳香族」と呼ばれることもある。芳香環は、一箇所以上の環の位置において、上記のような置換基、例えばハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族部分、−CF、−CNなどで置換されていてもよい。用語「アリール」はまた、2個以上の炭素が2個の接合環に共通している(この環は「縮合環」である)2個以上の環式環を有し、これらの環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリルである、多環式環系を含む。
Me、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、Msおよびdbaの略語は、それぞれメチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p−トルエンスルホニル、メタンスルホニルおよびジベンジリデンアセトンを表す。また、「DCM」はジクロロメタンを表し、「rt」は室温を表し、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃または約26℃を意味することがあり、「THF」はテトラヒドロフランを表し、「BINAP」は2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを表し、「dppf」は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを表し、「dppb」は1,4−ビス(ジフェニルホスフィノブタン)を表し、「dppp」は1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを表し、「dppe」は1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンを表す。当業者の有機化学者により用いられる略語のより包括的なリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の第1号に記載されており、このリストは、典型的には、Standard List of Abbreviationsという題の表に示されている。上記のリストに含まれる略語および当業者の有機化学者により用いられる全ての略語が参照により本明細書に援用されている。
オルト、メタおよびパラという用語は、それぞれ1,2−、1,3−および1,4−二置換ベンゼンに該当する。例えば、1,2−ジメチルベンゼンとオルト−ジメチルベンゼンという名称は同義である。
用語「ヘテロシクリル」または「複素環基」とは、環構造が1個〜4個のヘテロ原子を含む、3〜10員環構造、より好ましくは3〜7員環をいう。複素環は多環であってもよい。ヘテロシクリル基として、例えば、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム(例えばアゼチジノンおよびピロリジノン)、スルタム、スルトンなどが挙げられる。複素環は、一箇所以上の位置において、上記のような置換基、例えばハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族部分、−CF、−CNなどで置換されていてもよい。
用語「非配位性アニオン」とは、カチオンと弱く相互作用し、負に帯電した部分をいう。非配位性アニオンは、求電子性カチオンの反応性の研究に有用であり、通常、不飽和配位圏を備えたカチオン金属錯体の対イオンとして存在する。非配位性アニオンには、複数の電気陰性原子全体にわたりに対称的に分布した負電荷がある場合が多い。これらのアニオンの塩は、ジクロロメタン、トルエンまたはアルカンなどの溶解性の無極性有機溶媒である場合が多い。
用語「ポリシクリル」または「多環基」とは、2個以上の炭素が2個の隣接した環に共通している、例えば、その環が「縮合環」である、2個以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)をいう。隣接していない原子を介して結合した環は「架橋」環と称する。多環の各環は、上記のような置換基、例えばハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族または複素芳香族部分、CF、−CNなどで置換されていてもよい。
本明細書に使用される用語「ヘテロ原子」とは、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄およびリンである。
本明細書中に使用される用語「ニトロ」は−NOを意味し、用語「ハロゲン」は−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味し、用語「スルフヒドリル」は−SHを意味し、用語「ヒドロキシル」は−OHを意味し、用語「スルホニル」は−SO−を意味する。
用語「アミン」および「アミノ」は当該技術分野で認識されており、非置換アミンと置換アミンの双方、例えば、一般式:
Figure 0006294314
(式中、R、R10およびR’10は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−Rを表すか、もしくはRとR10はそれらが結合するN原子と共に互いに結合し、環構造に原子数4〜8の複素環を形成し、Rは、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環または多環を表し、mは、0または1〜8の範囲の整数である)で表される部分をいう。好ましい実施形態では、RまたはR10の一方のみがカルボニルであってもよく、例えば、R、R10および窒素が一体となってイミドを形成しない。さらにより好ましい実施形態では、RおよびR10(必要に応じてR’10)は、各々独立して、水素、アルキル、アルケニルまたは−(CH−Rを表す。したがって、本明細書に使用される用語「アルキルアミン」は、置換または非置換アルキルが結合した、上述したようなアミン基を意味し、すなわち、RおよびR10の少なくとも一方がアルキル基である。
用語トリフリル、トシル、メシルおよびノナフリルは、当該技術分野で認識されており、それぞれ、トリフルオロメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基およびノナフルオロブタンスルホニル基をいう。用語トリフラート、トシラート、メシラートおよびノナフラートは、当該技術分野において認識されており、それぞれ、トリフルオロメタンスルホン酸エステル官能基、p−トルエンスルホン酸エステル官能基、メタンスルホン酸エステル官能基およびノナフルオロブタンスルホン酸エステル官能基ならびにそれらの基を含有する分子をいう。
本明細書に使用される語句「保護基」は、潜在的に反応性の官能基を所望でない化学変換から保護する官能基の一時的な修飾を意味する。そのような保護基の例として、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにアルデヒドおよびケトンのアセタールおよびケタールがそれぞれ挙げられる。保護基化学の分野は概説されている(Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed.; Wiley: New York, 1991)。
「置換」または「で置換された」は、このような置換が、置換された原子および置換基の許容される原子価に従っており、置換によって、例えば転位、環化、除去などによる変換が自発的に生じない安定な化合物が得られるという暗黙の条件を含むことが理解されよう。
本明細書で使用される用語「置換された」は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むと考えられる。広い観点において、許容される置換基として、有機化合物の非環式および環式、分枝鎖および非分枝鎖、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基が挙げられる。例示的な置換基として、例えば上記のものが挙げられる。許容される置換基は、適切な有機化合物に、1つでも複数でも、同一でも異種でもよい。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす本明細書に記載された有機化合物の任意の許容される置換基を有していてもよい。
本発明の目的のために、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 67th Ed., 1986−87の裏表紙に記載されるCAS版のPeriodic Table of the Elementsに従って確認する。
本発明は以下の実施例を参照して理解され得るが、これらの実施例は例示目的のみで示すものであり、非限定的である。これらの実施例で使用する基質は市販のものであるか、市販の試薬から調製した。
実施例1 − パラジウムスルホナート二量体の合成
2−アミノビフェニルパラジウムメシラート二量体:磁気撹拌子を備え、ゴム栓が取り付けられた300mLの丸底フラスコに、2−アンモニウムビフェニルメシラート(7.89g、30.0ミリモル、1.00当量)および酢酸パラジウム(6.72g、30.0ミリモル、1.00当量)を入れた。フラスコを真空にし、アルゴンを充填し(この操作を3回繰り返す)、その後120mLの無水トルエンを添加した。混合液を50℃で45分間、すなわち外観がオフホワイトの乳状になるまで撹拌した。室温まで冷却した後、懸濁液を濾過し、トルエン(25mL)およびジエチルエーテル(3×25mL)で洗浄し、24時間真空乾燥し、オフホワイトから黄褐色の固体として表題化合物を得た。収率:10.2g(92%)。図2。
2−アミノビフェニルパラジウムエタンスルホナート二量体:磁気撹拌子を備え、ゴム栓が取り付けられた50mLの丸底フラスコに、2−アンモニウムビフェニルエタンスルホナート(1.20g、4.30ミリモル、1.00当量)および酢酸パラジウム(963mg、4.30ミリモル、1.00当量)を入れた。その後、トルエン(25mL)を注射器で添加し、混合液を50℃で45分間、すなわちオフホワイトの乳状懸濁液になるまで加熱した。室温まで冷却した後、懸濁液を濾過し、ジエチルエーテル(3×10mL)で洗浄し、真空乾燥し、濃いベージュ色の固体として表題化合物を得た。収率:1.61g、98%。図3。
2−アミノビフェニルパラジウムカンファースルホナート二量体:磁気撹拌子を備え、ゴム栓が取り付けられた50mLの丸底フラスコに、2−アミノビフェニル(338mg、2.00ミリモル、1.00当量)、(±)−10−カンファースルホン酸(464mg、2.00ミリモル、1.00当量)および酢酸パラジウム(448mg、2.00ミリモル、1.00当量)を入れた。その後、トルエン(20mL)を注射器で添加し、混合液を50℃で45分間、すなわち外観がオフホワイトの乳状になるまで撹拌した。室温まで冷却した後、懸濁液を濾過し、ジエチルエーテル(3×10mL)で洗浄し、真空乾燥し、黄褐色の固体として表題化合物を得た。収率:677mg、67%。図4。
2−アミノビフェニルパラジウムトシラート二量体:磁気撹拌子を備え、テフロン(登録商標)栓が取り付けられた24mLの試験管に、2−アミノビフェニル(169mg、1.00ミリモル、1.00当量)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(192mg、1.00ミリモル、1.00当量)を入れた。この管を密閉した後真空にし、アルゴンを充填し、次いでTHF(5mL)を添加した。得られた懸濁液を室温で10分間撹拌した。その後、酢酸パラジウム(224mg、1.00ミリモル、1.00当量)を添加し、追加のTHF(2mL)を使用してフラスコ壁をすすいだ。その後、混合液を50℃で30分間、すなわち均質な黄色の溶液になるまで加熱した。室温まで冷却した後、ロータリーエバポレーターによって溶液の量を75%減少させ、その後、生成物をヘキサンで沈殿させた。得られた固体を濾過し、24時間真空乾燥し、ベージュ色の固体として表題化合物を得た。収率:355mg、80%。図5。
実施例2 − 2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒の合成
2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒の一般的な手順:磁気撹拌子を備え、「テフロン」製ねじ蓋が取り付けられた試験管に、2−アミノビフェニルパラジウムメシラート二量体(370mg、0.50ミリモル、0.50当量)および配位子(1.00ミリモル、1.00当量)を入れた。THFまたはDCM(5mL)を注射器で添加し、反応液を15分〜1時間撹拌した。反応の進行は31P NMRによりモニターし、遊離配位子シグナルの消失および低磁場での前触媒シグナルの出現を観察した。終了後、反応混合液をシンチレーションバイアルに移し、溶媒の約10%が残るまで室温で真空下で溶媒を除去した。その後、残留物をペンタンで研和(triturate)した。得られた固体を濾過により分離し、さらに真空乾燥した。図6。
2−アミノビフェニルパラジウムメシラートXPhos前触媒(代表的な手順):撹拌子を備え、ゴム栓が取り付けられた300mLの丸底フラスコに、μ−OMs二量体3(11.92g、15.25ミリモル、0.50当量)およびXPhos(14.52g、30.5ミリモル、1.00当量)を入れた。フラスコを真空下で排気し、アルゴンを充填し(この操作を2回繰り返す)、その後THF(120mL)を添加した。反応混合液を室温で45分間撹拌した。溶媒の90%を真空下で除去した後、生成物をペンタンから沈殿させ、1:1THF錯体として、オフホワイトの固体として表題化合物を得た。THFは、固体をDCMに溶解し、ペンタンで再沈殿させることで除去できた。収率:25.5g、92%。図7。
図8は、上記の手順を用いて形成した種々の前触媒の%収率を表にしたものである。
実施例3 − 2−アミノビフェニルパラジウムトリフラート前触媒の合成
2−アミノビフェニルパラジウムトリフラートtBuBrettPhos前触媒:撹拌子を備えた250mLの丸底フラスコに、2−アミノビフェニルパラジウムクロリド二量体(3.41g、5.5ミリモル、0.50当量)および銀トリフラート(2.82g、11ミリモル、1.00当量)を入れ、遮光した。その後、ジクロロメタン(100mL)を添加し、混合液を30分間室温で撹拌した。懸濁液は、その後、セライトの濡れたパッドを通して濾過し、tBuBrettPhos(5.33g、11ミリモル、1.00当量)を含む撹拌子を備えた500mLの丸底フラスコに入れた。追加分のジクロロメタン(50mL)を用いて、最初のフラスコをすすぎ、セライトプラグ(Celite plug)を通して混合物を溶出した。得られた混合液は、室温で2時間、深紅色になるまで撹拌した。回転蒸発によって溶媒の約90%を除去した後、ペンタン(200mL)を添加し前触媒を沈殿させた。懸濁液を30分間超音波処理し、スパチュラで破砕し、濾過した。得られた固体を一晩真空乾燥し、濃いオレンジ色の固体として表題化合を得た。収率:9.59g、96%。図9。
実施例4 − 第一級アミンの触媒アリール化の一般的な手順
磁気撹拌子および「テフロン」栓を備えた、乾燥器で乾燥させた再封可能な管に、OMsBrettPhos前触媒(0.01〜0.5モル%)、BrettPhos(0.01〜0.5モル%)、NaOt−Bu(115mg、1.20ミリモル、1.20当量)、ハロゲン化アリール(1.00ミリモル、1.00当量)およびアミン(1.20ミリモル、1.20当量)を固体の場合に入れた。この管を真空にし、アルゴンを充填した。この操作を3回繰り返した。その後、ハロゲン化アリールおよびアミンが液体の場合添加し、次いでジオキサン(1mL)を添加した。反応液を100℃で加熱し、薄層クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィーでモニターし、ハロゲン化アリールの消失を観察した。終了後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトのプラグを通して濾過した。回転蒸発によって溶媒を除去し、その後フラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物を精製した。図14を参照のこと。
実施例5 − 第二級アミンの触媒アリール化の一般的な手順
撹拌子および「テフロン」栓を備えた、乾燥器で乾燥させた再封可能な管に、OMsRuPhos前触媒(0.01〜1モル%)、RuPhos(0.01〜1モル%)、NaOtBu(115mg、1.20ミリモル、1.20当量)、ハロゲン化アリール(1.00ミリモル)およびアミン(1.20ミリモル、1.20当量)を固体の場合入れた。この管を真空にし、アルゴンを充填した。これを3回繰り返した。その後、ハロゲン化アリールおよびアミンが液体の場合添加し、次いでTHF(1mL)を添加した。反応液を85℃で加熱し、薄層クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィーによってモニターし、ハロゲン化アリールの消失を観察した。終了後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、セライトのプラグを通して濾過した。回転蒸発によって溶媒を除去し、その後フラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物を精製した。図15を参照のこと。
実施例6 − 不安定なボロン酸の鈴木・宮浦カップリングの一般的な手順
磁気撹拌子および「テフロン」栓を備えた再封可能な管に、OMsXPhos前触媒(2モル%)、ハロゲン化アリール(1ミリモル)(固体の場合)およびボロン酸(1.5ミリモル)を入れた。その後、この管を真空にし、アルゴンを充填した。この操作を3回繰り返した。その後、ハロゲン化アリール(液体の場合)を添加し、次いでTHF(2mL)および脱気した0.5MのKPO溶液(4mL)を添加した。その後、反応液を室温または40℃で30分撹拌した。反応混合液を水(10mL)および酢酸エチル(10mL)で希釈し、層を分離させた。水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製した。図16を参照のこと。
実施例7 − 第一級アミンのアリール化の一般的な手順
磁気撹拌子および「テフロン」栓を備えた、乾燥器で乾燥させた再封可能な管に、OTf−tBuBrettPhos前触媒(9.1mg、1モル%)、KPO(297mg、1.40ミリモル、1.40当量)、ハロゲン化アリール(1.00ミリモル、1.00当量)およびアミド(1.20ミリモル、1.20当量)を固体の場合入れた。この管を密閉して真空にし、アルゴンを充填した。この操作を3回繰り返した。その後、ハロゲン化アリールおよびアミドが液体の場合添加し、次いでtBuOH(2mL)を添加した。反応液を110℃で加熱し、薄層クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィーでモニターし、ハロゲン化アリールの消失を観察した。終了後、反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルと水で希釈した。相を分離させ、水相を再び酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、回転蒸発により濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。図17を参照のこと。
実施例8 − アリールトリフラートのフッ素化の一般的な手順
窒素を充填したグローブボックス内で、撹拌子を備え、乾燥器で乾燥させた再封可能な管に、CsF(2.0ミリモル、2.0当量)、OTf−tBuBrettPhos前触媒(1〜5%)、アリールトリフラート(1.0ミリモル、1.0当量)およびトルエン(5mL)を(この順に)入れた。この管を「テフロン」栓で密閉してグローブボックスから取り出し、反応混合液を120〜130℃で一晩撹拌した。その後、反応混合液を室温まで冷却し、セライトを通してEtOで溶出することで濾過し、回転蒸発により濃縮した。粗生成物はフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。図18を参照のこと。
実施例9 − 2−アミノビフェニルパラジウムヘキサフルオロホスファート前触媒の合成
磁気撹拌子を備え、「テフロン」製ねじ蓋が取り付けられた試験管に、μ−Cl二量体(78mg、0.125ミリモル、0.50当量)およびKPF(276mg、1.50ミリモル、3.00当量)を入れた。この管を密閉して真空にし、アルゴンを充填し(この操作を2回繰り返す)、その後アセトニトリル(3mL)およびメタノール(1mL)を添加した。30分間撹拌した後、XPhos(238mg、0.50ミリモル、1.00当量)を添加し、追加のアセトニトリルで管の側面をすすぎ、混合液を一晩撹拌した。終了後、反応混合液はセライトを通して溶出し、回転蒸発により溶媒を除去した。その後、残留物をペンタンで研和した。得られた固体を濾過により分離し、さらに真空乾燥した。図19を参照のこと。
実施例10 − 2−アミノビフェニルパラジウムテトラフルオロボラート前触媒の合成
磁気撹拌子を備え、「テフロン」製ねじ蓋が取り付けられた試験管に、μ−Cl二量体(78mg、0.125ミリモル、0.50当量)およびNaBF(165mg、1.50ミリモル、3.00当量)を入れた。この管を密閉して真空にし、アルゴンを充填し(この操作を2回繰り返す)、その後アセトニトリル(3mL)およびメタノール(1mL)を添加した。30分間撹拌した後、XPhos(238mg、0.50ミリモル、1.00当量)を添加し、追加のアセトニトリルで管の側面をすすぎ、混合液を一晩撹拌した。終了後、反応混合液はセライトを通して溶出し、回転蒸発により溶媒を除去した。その後、残留物をペンタンで研和した。得られた固体を濾過により分離し、さらに真空乾燥した。図20を参照のこと。
実施例11 − N−フェニル−2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒の合成
N−フェニル−[1,1’−ビフェニル]−2−アンモニウムメシラート:撹拌子を備えた50mLの丸底フラスコに、2−(N−フェニル)アミノビフェニル(1.09g、4.4ミリモル、1.00当量)およびジエチルエーテル(25mL)を入れた。メタンスルホン酸(285μL、4.4ミリモル、1.00当量)を滴加し、反応混合液を30分間撹拌した。その後、回転蒸発により溶媒を除去し、さらに生成物を真空乾燥し、緑色の油として表題化合物を得た。
N−フェニル−2−アミノビフェニルパラジウムメシラート二量体:撹拌子を備えた24mLのねじ蓋付き管に、酢酸パラジウム(1.00g、4.48ミリモル、1.00当量)、およびN−フェニル−[1,1’−ビフェニル]−2−アンモニウムメシラート(1.48g、4.48ミリモル、1.00当量)のTHF溶液(10mL)を入れた。反応混合液を50℃で15分間、黄色の沈殿物が生成するまで撹拌した。室温まで冷却した後、固体を濾過し、ジエチルエーテル(2×10mL)およびペンタン(2×10mL)で洗浄し、さらに真空乾燥し、黄色の固体として表題化合物を得た。収率:1.4g、65%。
N−フェニル−2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒(XPhosを用いた代表的な手順):磁気撹拌子を備え、「テフロン」製ねじ蓋が取り付けられた試験管に、N−フェニル−2−アミノビフェニルパラジウムメシラート二量体(446mg、0.50ミリモル、0.50当量)およびXPhos(476mg、1.00ミリモル、1.00当量)を入れ、次いでDCM(5mL)を入れた。反応液を室温で1時間撹拌した。終了後、反応混合液をシンチレーションバイアルに移し、室温で真空下で溶媒を除去した。その後、残留物をペンタンで研和した。得られた固体を濾過により分離し、さらに真空乾燥し、黄色の固体として表題化合物を得た。図21を参照のこと。
実施例12 − N−メチル−2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒の合成
N−メチル−[1,1’−ビフェニル]−2−アンモニウムメシラート:撹拌子を備えた50mLの丸底フラスコに、2−(N−メチル)アミノビフェニル(600mg、3.25ミリモル、1.00当量)およびジエチルエーテル(25mL)を入れた。メタンスルホン酸(212μL、3.25ミリモル、1.00当量)を滴加し、反応混合液を30分間超音波処理し、その後、30分間撹拌した。得られた固体を濾過し、さらに真空乾燥し、白色の固体として表題化合物を得た。収率:578mg、61%。
N−メチル−2−アミノビフェニルパラジウムメシラート二量体:撹拌子を備えた24mLのねじ蓋付き管に、酢酸パラジウム(448mg、2.00ミリモル、1.00当量)、およびN−メチル−[1,1’−ビフェニル]−2−アンモニウムメシラート(578mg、2.00ミリモル、1.00当量)のTHF溶液(10mL)を入れた。反応混合液を50℃で15分間、溶液が黄色くなるまで撹拌した。室温まで冷却した後、回転蒸発により溶媒を除去し、得られた残留物をジエチルエーテル(25mL)で処理してベージュ色の固体を沈殿させた。得られた固体を濾過し、さらに真空乾燥した。収率:530mg、69%。
N−メチル−2−アミノビフェニルパラジウムメシラート前触媒−XPhosを用いた代表的な手順:磁気撹拌子を備え、「テフロン」製ねじ蓋が取り付けられた試験管に、N−メチル2−アミノビフェニルパラジウムメシラート二量体(96mg、0.125ミリモル、0.50当量)およびXPhos(119mg、0.25ミリモル、1.00当量)を入れ、次いでDCM(5mL)を入れた。反応液を室温で1時間撹拌した。終了後、反応混合液をシンチレーションバイアルに移し、室温で真空下で溶媒を除去した。その後、残留物をペンタンで研和した。得られた固体を濾過により分離し、さらに真空乾燥し、オフホワイトの固体として表題化合物を得た。
参照による援用
本明細書で引用した米国特許および米国特許出願公開公報の全てが参照により本明細書に援用される。
均等物
当業者は、通常の実験を使用するだけで、本明細書に記載された本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識または確認できるであろう。このような均等物は以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (32)

  1. 下記式Iの前触媒:
    Figure 0006294314
    式中、各々独立して、
    Xはアルキルスルホン酸イオンであり、前記アルキルが置換または未置換アルキルであり、
    は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであり、および
    Lは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、またはビス(ホスフィン)である。
  2. Lが、PPh、PhP−CH、PhP(CH、P(o−tol)、PCy、P(tBu)、BINAP、dppf、
    Figure 0006294314
    Figure 0006294314
    からなる群より選択され、
    が、アルキル、アラルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、
    が、CHまたはNであり、
    が、Hまたはアルキルであり、
    が、H、アルコキシまたはアルキルであり、
    が、アルキルまたはアリールであり、
    nが、1、2、3または4である、請求項1記載の前触媒。
  3. Lが、PPh、P(o−tol)、PCy、P(tBu)、BINAP、dppf、
    Figure 0006294314
    から成る群より選択される、請求項2記載の前触媒。
  4. Xがアルキルスルホン酸イオンであり、前記アルキルが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、請求項1〜3いずれか1項記載の前触媒。
  5. Xがアルキルスルホン酸イオンであり、前記アルキルがメチルまたはエチルである、請求項1〜3いずれか1項記載の前触媒。
  6. Xがハロアルキルスルホン酸イオンである、請求項1〜3いずれか1項記載の前触媒。
  7. Xがフルオロアルキルスルホン酸イオンである、請求項1〜3いずれか1項記載の前触媒。
  8. Xがフルオロメチルスルホン酸イオンである、請求項1〜3いずれか1項記載の前触媒。
  9. Xがトリフルオロメチルスルホン酸イオンである、請求項1〜3いずれか1項記載の前触媒。
  10. Xがシクロアルキルアルキルスルホン酸イオンである、請求項1〜3いずれか1項記載の前触媒。
  11. がHまたはアルキルである、請求項1〜10いずれか1項記載の前触媒。
  12. がHである、請求項11記載の前触媒。
  13. 下記よりなる群から選択される前触媒:
    Figure 0006294314
    式中、Lは、PPh、P(o−tol)、PCy、P(tBu)、BINAP、dppf、
    Figure 0006294314
    からなる群より選択される。
  14. 下記構造の前触媒:
    Figure 0006294314
    式中、Lは、PPh、P(o−tol)、PCy、P(tBu)、BINAP、dppf、
    Figure 0006294314
    からなる群より選択される。
  15. 下記構造の前触媒:
    Figure 0006294314
    式中、Lは、
    Figure 0006294314
    からなる群より選択される。
  16. 下記式IXの二量体:
    Figure 0006294314
    式中、各々独立して、
    Xは、アルキルスルホン酸イオン、ハロアルキルスルホン酸イオン、およびアリールスルホン酸イオンからなる群より選択され、および
    は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールまたはハロであ
  17. Xは、アルキルスルホン酸イオン、およびアリールスルホン酸イオンからなる群より選択され、前記アルキルが置換または未置換アルキルであり、および前記アリールが置換または未置換アリールである、請求項16記載の二量体。
  18. Xがアルキルスルホン酸イオンであり、前記アルキルが置換または未置換アルキルである、請求項16記載の二量体。
  19. Xがアルキルスルホン酸イオンであり、前記アルキルが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、請求項16記載の二量体。
  20. Xがアルキルスルホン酸イオンであり、前記アルキルがメチルまたはエチルである、請求項16記載の二量体。
  21. Xがハロアルキルスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  22. Xがフルオロアルキルスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  23. Xがフルオロメチルスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  24. Xがトリフルオロメチルスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  25. Xがシクロアルキルアルキルスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  26. Xが
    Figure 0006294314
    である、請求項16記載の二量体。
  27. Xがアリールスルホン酸イオンであり、前記アリールが置換または未置換アリールである、請求項16記載の二量体。
  28. Xがフェニルスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  29. Xがメチルフェニルスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  30. Xがp−トルエンスルホン酸イオンである、請求項16記載の二量体。
  31. がHまたはアルキルである、請求項1630いずれか1項記載の二量体。
  32. がHである、請求項31記載の二量体。
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