JP6293238B1 - ヒートパイプ - Google Patents

ヒートパイプ Download PDF

Info

Publication number
JP6293238B1
JP6293238B1 JP2016217898A JP2016217898A JP6293238B1 JP 6293238 B1 JP6293238 B1 JP 6293238B1 JP 2016217898 A JP2016217898 A JP 2016217898A JP 2016217898 A JP2016217898 A JP 2016217898A JP 6293238 B1 JP6293238 B1 JP 6293238B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
working fluid
wick
heat pipe
braided body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016217898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018076987A (ja
Inventor
シャヘッド アハメド モハマド
シャヘッド アハメド モハマド
祐士 齋藤
祐士 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2016217898A priority Critical patent/JP6293238B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6293238B1 publication Critical patent/JP6293238B1/ja
Publication of JP2018076987A publication Critical patent/JP2018076987A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】薄くても良好な熱輸送能力が得られるヒートパイプ及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係るヒートパイプ1は、作動流体が内部に封入された扁平状のコンテナ10と、コンテナ10の内部に設けられたウィック20と、を備え、ウィック20は、繊維を筒状に編んだ編組体21であり、編組体21の周囲に、作動流体の蒸気流路30が形成され、編組体21の内周面21aによって囲まれた空洞部212に、作動流体の液体流路31が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ヒートパイプに関するものである。
近年、スマートフォン、タブレットPC等の携帯機器の薄型化は著しく、その携帯機器に搭載されているCPU等の熱を放熱するために、薄型のヒートパイプが求められている。このような薄型のヒートパイプとして、下記特許文献1には、厚さ寸法1mm以下の扁平状のヒートパイプが開示されている。このヒートパイプは、第一のパイプと、第一のパイプに比べて比較的小径、かつ長さの短い第二のパイプ、上記第一のパイプの略中央部に第二のパイプが少なくとも一本挿入固定され、第一のパイプに作動液を入れて端部を封止したヒートパイプであって、上記第一と第二のパイプが扁平状に形成されている。
第一のパイプは、内部を空洞とする筒状の材料を扁平状に形成され、この軸方向端部をそれぞれ絞り加工部とプレス部とし、当該両端部の間がコンテナとなっている。この絞り加工部は、作動流体の注入口となっており、組立工程において封止部を形成し第一のパイプの内部を密封するものとなっている。上記の通り第一のパイプは扁平しており、この内部にはグルーブ(溝)が形成されていると共に、コンテナの有効長さに満たない長さ寸法としてある第二のパイプが埋設されており、当該第二のパイプは、内部空間を潰した形状となっている。
特開平11−183069号公報
上記構成のヒートパイプは、コンテナの内壁面の全周に亘って、グルーブが形成されているため、作動流体の蒸気流路に液溜まりが生じることがある。薄型のヒートパイプでは、蒸気流路の流路面積が小さくなっており、蒸気流路に液溜まりが生じると、その液体が作動流体の蒸気によって低温部に押し流され、作動流体の潜熱による熱輸送能力が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、薄くても良好な熱輸送能力が得られるヒートパイプの提供を目的とする。
(1)本発明の一態様に係るヒートパイプは、作動流体が内部に封入された扁平状のコンテナと、前記コンテナの内部に設けられたウィックと、を備え、前記ウィックは、繊維を筒状に編んだ編組体であり、前記編組体の周囲に、前記作動流体の蒸気流路が形成され、前記編組体の内周面によって囲まれた空洞部に、前記作動流体の液体流路が形成されている。
(2)上記(1)に記載されたヒートパイプであって、前記コンテナの内壁面は、平滑に形成されており、前記編組体は、前記コンテナの内壁面に接触する外周面を有し、前記編組体の外周面と前記コンテナの内壁面との間に、前記作動流体の第2の液体流路が形成されていてもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載されたヒートパイプであって、前記編組体の繊維間に、前記作動流体の第3の液体流路が形成されていてもよい。
(4)本発明の一態様に係るヒートパイプの製造方法は、作動流体が内部に封入された扁平状のコンテナと、前記コンテナの内部に設けられたウィックと、を備え、前記ウィックは、繊維を筒状に編んだ編組体であり、前記編組体の周囲に、前記作動流体の蒸気流路が形成され、前記編組体の内周面によって囲まれた空洞部に、前記作動流体の液体流路が形成されている、ヒートパイプの製造方法であって、前記ウィックを扁平状にプレスするウィックプレス工程と、扁平状になった前記ウィックを前記コンテナの内部に挿入するウィック挿入工程と、前記ウィックが挿入された前記コンテナに前記作動流体を導入する作動流体導入工程と、前記作動流体が導入された前記コンテナを封止するコンテナ封止工程と、封止された前記コンテナを扁平状にプレスするコンテナプレス工程と、を有する。
(5)上記(4)に記載されたヒートパイプの製造方法であって、前記ウィック挿入工程後、前記作動流体導入工程の前に、前記コンテナに挿入された前記ウィックを焼結させて前記コンテナに固定する焼結工程を有してもよい。
上記本発明の態様によれば、薄くても良好な熱輸送能力が得られるヒートパイプを提供できる。
一実施形態に係るヒートパイプの平面図である。 図1に示すヒートパイプの矢視A−A断面図である。 一実施形態に係るウィックの外観図である。 一実施形態に係るウィックを構成する編組体の模式図である。 一実施形態に係るヒートパイプの製造方法のフローチャートである。 一実施形態に係るヒートパイプの製造方法のウィック挿入工程を説明する説明図である。 一実施形態に係るヒートパイプの性能を評価する試験機の(a)平面図、(b)側面図である。 図7に示す試験機による試験結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係るヒートパイプ及びその製造方法を、図面を参照しながら説明する。図面において、説明の便宜上、いくつかの部分が拡大され又は省略されている。また、図面に表されている各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、一実施形態に係るヒートパイプ1の平面図である。図2は、図1に示すヒートパイプ1の矢視A−A断面図である。
ヒートパイプ1は、作動流体の潜熱を利用する熱輸送素子である。このヒートパイプ1は、作動流体が内部に封入されたコンテナ10と、コンテナ10の内部に設けられたウィック20と、を備える。
作動流体は、周知の相変化物質からなる熱輸送媒体であって、コンテナ10内で液相と気相とに相変化する。例えば、作動流体として、水(純水)やアルコールやアンモニア等を採用できる。なお、作動流体について、液相の場合を「液体」、気相の場合を「蒸気」と記載して説明することがある。また、液相と気相とを特に区別しない場合には作動流体と記載して説明することがある。なお、本実施形態のような薄型のヒートパイプ1においては、作動流体として、水を採用することが好ましい。
コンテナ10は、図1に示すように、一端部11と他端部12が閉塞された、気密性のある中空容器である。互いに離れた箇所の間で熱輸送を行う用途に供されるヒートパイプ1にあっては、中空の管(パイプ)がコンテナ10に使用される。コンテナ10は、その内部と外部との間で熱を伝達する必要があるため、熱伝導率の高い素材で構成されていることが好ましく、例えば銅管、アルミニウム管、ステンレス管などの金属管で構成されていることが好ましい。
コンテナ10は、図2に示すように、幅方向(図2における紙面左右方向)の寸法が、厚み方向(図2における紙面上下方向)の寸法よりも大きい扁平状に形成されている。コンテナ10の断面形状は、互いに平行な一対の平面部13と、それらの両端を接続する一対の曲面部14と、を有する長円形となっている。なお、曲面部14は、半円形に限らず、半楕円形、その他の湾曲凸形状などであってよい。
ウィック20は、コンテナ10の幅方向の中央部に固定されている。また、ウィック20は、コンテナ10の一対の平面部13に接触している。ウィック20と一対の曲面部14との間には隙間が形成されており、それらの隙間が作動流体の蒸気流路30となっている。このウィック20は、図1に示すように、コンテナ10の長手方向に延在しており、一端部11及び他端部12のいずれか一方側で蒸発し、他方側で凝縮した作動流体を、再び一方側に還流させる。
図3は、一実施形態に係るウィック20の外観図である。図4は、一実施形態に係るウィック20を構成する編組体21の模式図である。
ウィック20は、繊維210を筒状に編んだ編組体21である。本実施形態の編組体21は、図3に示すように、繊維210を束ねた繊維束211を筒状に編むことで形成されている。なお、繊維束211として束ねられた繊維210は、撚られていない。
繊維210としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属線や、カーボンファイバー、ガラス繊維などの非金属線を採用することができる。なお、金属線は、熱伝導率が高いため、繊維210として好適に採用し得る。なお、繊維210は、コンテナ10の内部に封入される作動流体との関係で濡れ性が優れているものを選択することが好ましい。本実施形態の繊維210は、例えば、直径が0.05mm程度の銅線を使用しており、それが数本束ねられて繊維束211となっている。
図2に示すように、編組体21の内周面21aによって囲まれた空洞部212には、作動流体の液体流路31(第1の液体流路)が形成されている。空洞部212の厚みt5は、作動流体の液体を移動させる毛細管力を発揮できる大きさになっている。空洞部212の厚みt5は、例えば、0.05mm程度のものであり、本実施形態では、繊維210の直径と同程度の大きさとなっている。また、編組体21の肉厚t4は、空洞部212の厚みt5よりも大きく、例えば、繊維210の直径の2〜3倍程度の大きさとなっている。
コンテナ10の内部空間の厚みt3は、空洞部212を有する編組体21を収容できる大きさとなっている。また、コンテナ10の肉厚t2は、編組体21の肉厚t4よりも小さく、例えば、繊維210の直径の1.5〜2.5倍程度の大きさとなっている。ヒートパイプ1の全体の厚みt1は、コンテナ10の肉厚t2とその内部空間の厚みt3を加算した大きさとなっており、本実施形態では、例えば、0.5mm程度となっている。
編組体21は、コンテナ10の内壁面10aに接触する外周面21bを有する。コンテナ10の内壁面10aは、グルーブ等の凹凸がなく、平滑に形成されている。編組体21の外周面21bとコンテナ10の内壁面10aとの間には、作動流体の第2の液体流路32が形成されている。本実施形態の編組体21は、一対の平面部13のそれぞれに接触しているため、それぞれの接触部に、第2の液体流路32が形成されている。この第2の液体流路32は、図3に示す繊維束211と繊維束211との交差によって形成される隙間(溝)によって形成されるものである。
また、編組体21の内部の繊維210間には、図2に示すように、作動流体の第3の液体流路33が形成されている。なお、第3の液体流路33は、繊維210間の隙間であるため、繊維束211間の隙間である第2の液体流路32よりも空間が小さい。このため、第2の液体流路32の方が、第3の液体流路33よりも液体の搬送能力は大きい。また、第2の液体流路32は、繊維束211がコンテナ10の内壁面10aに接触しているため、その接触部が液体の流れの抵抗となる。このため、空洞部212である第1の液体流路31の方が、第2の液体流路32よりも液体の搬送能力は大きい。
編組体21の繊維210(繊維束211)は、図4に示すように、作動流体の液体の流動方向に対して鋭角の角度αで編まれている。本実施形態の液体の流動方向は、編組体21の中心線Lに沿う長手方向である。角度αが大きいと、繊維210(繊維束211)の隙間を通って移動する液体が長手方向に移動し難くなる(液体の流れの抵抗が大きくなる)ため、角度αは0度に近い方が好ましい。しかしながら、角度αが0度になると編組体21を形成できないため、角度αは、5〜20度の範囲で設定されている。
次に、上記構成のヒートパイプ1の製造方法について説明する。
図5は、一実施形態に係るヒートパイプ1の製造方法のフローチャートである。図6は、一実施形態に係るヒートパイプ1の製造方法のウィック挿入工程S2を説明する説明図である。
本手法では、図5に示すように、ウィックプレス工程S1、ウィック挿入工程S2、焼結工程S3、作動流体導入工程S4、コンテナ封止工程S5、コンテナプレス工程S6を経て、ヒートパイプ1を製造する。
ウィックプレス工程S1は、ウィック20を扁平状にプレスする工程である。
この工程では、先ず、複数の繊維210を束ね、繊維束211を形成する。次に、この繊維束211を十数本用意して、それらを編組機にセットする。この編組機は、繊維束211を筒状に編んで編組体21を形成するためのものであり、その原理的な構成は従来知られている通りである。編組機によって筒状の編組体21が形成されたら、次に、その編組体21を所定の長さに切断して、筒状のウィック20を形成する。このウィック20をプレス機にかけて扁平状にプレスする。
ウィック挿入工程S2は、扁平状になったウィック20をコンテナ10の内部に挿入する工程である。
この工程では、先ず、脱脂などの洗浄を行った丸パイプを用意し、これを所定の長さに切断してコンテナ10とする。編組体21を銅線によって構成した場合には、コンテナ10として銅パイプを使用することが好ましい。次に、このコンテナ10の内部に、図6に示すように、固定具40を用いてウィック20を挿入する。固定具40は、外周面の一部をフラットに切り欠いた切欠部41を有し、ウィック20は半円弧形状に湾曲させた状態でコンテナ10に挿入される。
焼結工程S3は、コンテナ10に挿入されたウィック20を焼結させてコンテナ10に固定する工程である。
この工程では、図6に示すように、ウィック20を挿入したコンテナ10をほぼ水平に維持したまま加熱炉(図示せず)に送って加熱する。その加熱温度は、コンテナ10及びウィック20が銅製の場合、1000℃程度であり、こうすることによりウィック20がコンテナ10の内壁面10aに焼結されて固定される。
作動流体導入工程S4は、ウィック20が挿入されたコンテナ10に作動流体を導入する工程である。
この工程では、先ず、上記のコンテナ10を加熱炉から取り出して冷却する。次に、コンテナ10に挿入された固定具40を取り出し、図1に示すコンテナ10のボトム側の他端部12にスェージング加工を施すとともに、その端部を溶接して密閉する。いわゆるボトムスェージング加工およびボトム溶接を行う。また、コンテナ10のトップ側の一端部11にスェージング加工すなわちトップスェージング加工を行う。そして、トップスェージング加工により絞られたコンテナ10の一端部11から作動流体を導入する。
コンテナ封止工程S5は、作動流体が導入されたコンテナ10を封止する工程である。
この工程では、作動流体の導入するために開口していたコンテナ10の一端部11を圧潰した後、溶接して密閉する。いわゆるトップ溶接を行う。なお、コンテナ10の一端部11から作動流体を導入する場合、コンテナ10から空気などの非凝縮性ガスを脱気する必要があり、したがって注液は、真空脱気の後に作動流体を注入する方法、余分な量の作動流体を注入した後、これを沸騰させて非凝縮性ガスを追い出す方法など、従来知られている方法で行えばよい。
コンテナプレス工程S6は、封止されたコンテナ10を扁平状にプレスする工程である。
この工程では、作動流体が封入された丸パイプ型のコンテナ10をその半径方向に押し潰して扁平状にする。コンテナ10をその半径方向に押し潰して扁平化すると、半円弧形状に湾曲させた状態で挿入されたウィック20が、図2に示す扁平状になる。
以上により、上記構成のヒートパイプ1を製造することができる。
次に、ヒートパイプ1の動作(作用)について説明する。
図1に示すように、コンテナ10の一端部11と他端部12との間に温度差が生じたとき、高温部(例えば、一端部11)では作動流体が加熱されて蒸発し、コンテナ10の内部圧力も上昇する。高温部で生じた作動流体の蒸気は、温度及び圧力の低い低温部(他端部12)に向けて移動し、高温部の熱が、蒸気の潜熱として、低温部に輸送される。低温部において、作動流体の蒸気は、放熱により凝縮する。蒸気のすなわち気相の作動流体の蒸気流路30は、図2に示すように、ウィック20(編組体21)の周囲に確保される。
低温部で凝縮した作動流体は、ウィック20に浸透して、作動流体の蒸発が生じる箇所、すなわち高温部に向けて移動する。詳しくは、ウィック20に浸透した液体の一部は、編組体21の内周面21aによって囲まれた空洞部212に浸透し、空洞部212に形成された液体流路31を通って、高温部に向けて移動する。このように、本実施形態では、編組体21の内部空間に液体流路31が形成されており、液体流路31と蒸気流路30とが隔てられているため、液体が蒸気によって低温部に押し流されることがない。このため、ヒートパイプ1の熱輸送能力が良好になる。
また、ウィック20は、繊維210を筒状に編んだ編組体21であるため、扁平状にプレスしてもウィック20の断面における繊維210の分布が不均一になり難い。このため、ウィック20の内部に、液体流路31となる空洞部212を良好に形成することができ、ヒートパイプ1の熱輸送能力のばらつきを抑制することができる。また、本実施形態のように、ウィック20をコンテナ10に挿入する前に、予めウィック20を扁平状にプレスすることで、空洞部212の厚みt5を管理できるため、毛細管力が発揮し易くなる。また、本実施形態のように、焼結工程S3を経る場合、繊維210同士が固着するため、その後、コンテナ10と一緒に扁平状にプレスする場合よりも、予めウィック20のみをプレスしておいた方が、空洞部212の厚みt5を管理し易くなる。
ウィック20に浸透した液体の残部は、編組体21の外周面21bとコンテナ10の内壁面10aとの間に形成された第2の液体流路32と、編組体21の繊維210間に形成された作動流体の第3の液体流路33と、を通って、高温部に向けて移動する。このように、ヒートパイプ1には、作動流体の液体流路が3通りあるため、コンテナ10の内壁面10aにグルーブ(溝)を形成できない薄型のヒートパイプ1であっても、液体の搬送能力を十分に確保できる。また、第2の液体流路32及び第3の液体流路33は、図4に示すように、繊維210(繊維束211)が作動流体の液体の流動方向に対して小さい角度αで編まれているため、液体の流れの抵抗が小さく、良好な液体の搬送能力が得られる。
図7は、一実施形態に係るヒートパイプ1の性能を評価する試験機の(a)平面図、(b)側面図である。図8は、図7に示す試験機による試験結果を示すグラフである。
ヒートパイプ1の性能を評価するため、図7に示すような試験機を作成した。この試験機では、図7(a)に示すように、ヒートパイプ1を支持プレート50の表面の幅方向中央部に取り付け、支持プレート50の裏面でヒートパイプ1の一方の端部付近に対向する位置にヒーター100を取り付けた構成となっている。そして、ヒートパイプ1の高温部と低温部にセンサ51,52を設け、ヒートパイプ1の性能を熱抵抗によって評価した。
熱抵抗は、(Te−Tc)/Q[℃/W]により求められる。Q[W]は、ヒーター100によって単位時間に加えられる熱量(いわゆる入熱量)である。Te[℃]は、センサ51が検出した温度(ヒーター100の温度)である。Tc[℃]は、センサ52が検出した温度(外気温度)である。入熱量は、ヒーター100が電気ヒーターの場合、電力量である。温度Teは、ヒーター100からの入熱量が、ヒートパイプ1を通じた放熱量と釣り合い、平衡に達した状態において測定される。従って、ヒートパイプ1の熱輸送能力が高いほど、熱抵抗は小さくなる。
図8は、比較例として、ウィック20が、繊維210が相互にねじり合わされた状態で集束されたもの(所謂ツイストウィック)の試験結果も併せて示している。図8に示す本発明の実施例(ヒートパイプ1)と、比較例の試験結果を比較すると、実施例の方が、比較例よりも約30%程度、平均の熱抵抗が小さくなった。すなわち、実施例の方が比較例よりも、熱輸送能力が30%程度高くなっていることが分かる。
このように、上述の本実施形態によれば、作動流体が内部に封入された扁平状のコンテナ10と、コンテナ10の内部に設けられたウィック20と、を備え、ウィック20は、繊維210を筒状に編んだ編組体21であり、編組体21の周囲に、作動流体の蒸気流路30が形成され、編組体21の内周面21aによって囲まれた空洞部212に、作動流体の液体流路31が形成されているヒートパイプ1を採用することによって、薄くても良好な熱輸送能力を得ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
例えば、コンテナ10及びウィック20の断面形状は任意である。図2に示すコンテナ10及びウィック20の断面形状は長円形状であるが、例えば、四角形、その他の多角形、楕円形などであってもよい。
また、コンテナ10の長手方向の形状も任意であり、所定の形状に湾曲又は屈曲したコンテナ10であってもよい。
さらに、コンテナ10の構成は特に限定されず、継ぎ目なしで筒状に成形加工されたパイプ(チューブ)に限らず、板状、箱状、溝状等、各種の形状の部材を1又は2以上の組み合わせにより構成することが可能である。薄型化されたコンテナ10の厚さの例示としては、例えば0.3〜2.0mmが挙げられる。
また、例えば、ウィック20を構成する繊維210の本数、断面形状、寸法等は、適宜選択することが可能である。
また、コンテナ10に収容されるウィック20の個数は、1でも2以上でもよい。
また、図2に示すヒートパイプ1は、扁平形状のコンテナ10における幅方向の中央部にウィック20が配置されているが、ウィック20はコンテナ10の幅方向の片側の端部に配置されていても、コンテナ10の幅方向の両端部に配置されていてもよい。
また、本実施形態のヒートパイプ(熱輸送素子)の用途は特に限定されないが、例示として、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、サーバー、コピー機、ゲーム機、複合機、プロジェクター、電子機器、燃料電池、人工衛星等が挙げられる。
1…ヒートパイプ、10…コンテナ、10a…内壁面、20…ウィック、21…編組体、21a…内周面、21b…外周面、30…蒸気流路、31…液体流路(第1の液体流路)、32…第2の液体流路、33…第3の液体流路、210…繊維、211…繊維束、212…空洞部、S1…ウィックプレス工程、S2…ウィック挿入工程、S3…焼結工程、S4…作動流体導入工程、S5…コンテナ封止工程、S6…コンテナプレス工程

Claims (3)

  1. 作動流体が内部に封入された扁平状のコンテナと、
    前記コンテナの内部に設けられたウィックと、を備え、
    前記ウィックは、繊維を筒状に編んだ編組体であり、
    前記編組体の周囲に、前記作動流体の蒸気流路が形成され、
    前記編組体の内周面によって囲まれた空洞部に、前記作動流体の液体流路が形成されており、
    前記空洞部の厚みは、前記編組体の内周面から外周面までの厚みよりも小さい、ことを特徴とするヒートパイプ。
  2. 前記コンテナの内壁面は、平滑に形成されており、
    前記編組体は、前記コンテナの内壁面に接触する外周面を有し、
    前記編組体の外周面と前記コンテナの内壁面との間に、前記作動流体の第2の液体流路が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。
  3. 前記編組体の繊維間に、前記作動流体の第3の液体流路が形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のヒートパイプ。
JP2016217898A 2016-11-08 2016-11-08 ヒートパイプ Active JP6293238B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217898A JP6293238B1 (ja) 2016-11-08 2016-11-08 ヒートパイプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016217898A JP6293238B1 (ja) 2016-11-08 2016-11-08 ヒートパイプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6293238B1 true JP6293238B1 (ja) 2018-03-14
JP2018076987A JP2018076987A (ja) 2018-05-17

Family

ID=61628967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016217898A Active JP6293238B1 (ja) 2016-11-08 2016-11-08 ヒートパイプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6293238B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7132965B2 (ja) 2020-03-27 2022-09-07 本田技研工業株式会社 ミラー装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022190794A1 (ja) * 2021-03-09 2022-09-15 株式会社村田製作所 熱拡散デバイスおよび電子機器

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11183069A (ja) * 1997-12-24 1999-07-06 Diamond Electric Mfg Co Ltd ヒートパイプとこの加工方法
JP2000039276A (ja) * 1998-07-17 2000-02-08 Diamond Electric Mfg Co Ltd 扁平状ヒートパイプの加工方法
JP2002013887A (ja) * 2000-06-28 2002-01-18 Hitachi Cable Ltd フラットヒートパイプおよびその製造方法
JP2004198096A (ja) * 2002-10-25 2004-07-15 Furukawa Electric Co Ltd:The 優れた毛細管力を有する扁平型ヒートパイプおよびそれを用いた冷却装置
JP2008286454A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Furukawa Electric Co Ltd:The 高性能薄型ヒートパイプ
JP2013002641A (ja) * 2011-06-10 2013-01-07 Fujikura Ltd 扁平型ヒートパイプおよびその製造方法
US20140102671A1 (en) * 2010-05-14 2014-04-17 Foxconn Technology Co., Ltd. Flat heat pipe
JP2015210040A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 株式会社フジクラ 扁平型ヒートパイプの製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11183069A (ja) * 1997-12-24 1999-07-06 Diamond Electric Mfg Co Ltd ヒートパイプとこの加工方法
JP2000039276A (ja) * 1998-07-17 2000-02-08 Diamond Electric Mfg Co Ltd 扁平状ヒートパイプの加工方法
JP2002013887A (ja) * 2000-06-28 2002-01-18 Hitachi Cable Ltd フラットヒートパイプおよびその製造方法
JP2004198096A (ja) * 2002-10-25 2004-07-15 Furukawa Electric Co Ltd:The 優れた毛細管力を有する扁平型ヒートパイプおよびそれを用いた冷却装置
JP2008286454A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Furukawa Electric Co Ltd:The 高性能薄型ヒートパイプ
US20140102671A1 (en) * 2010-05-14 2014-04-17 Foxconn Technology Co., Ltd. Flat heat pipe
JP2013002641A (ja) * 2011-06-10 2013-01-07 Fujikura Ltd 扁平型ヒートパイプおよびその製造方法
JP2015210040A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 株式会社フジクラ 扁平型ヒートパイプの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7132965B2 (ja) 2020-03-27 2022-09-07 本田技研工業株式会社 ミラー装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018076987A (ja) 2018-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160018165A1 (en) Heat pipe
JP5075273B2 (ja) 扁平型ヒートパイプおよびその製造方法
US9933212B2 (en) Heat pipe
US20080142196A1 (en) Heat Pipe with Advanced Capillary Structure
US8667684B2 (en) Flat heat pipe and method for manufacturing the same
US20110174464A1 (en) Flat heat pipe and method for manufacturing the same
US20160018166A1 (en) Flat heat pipe
JP6293238B1 (ja) ヒートパイプ
US20100108297A1 (en) Heat Pipe and Making Method Thereof
US20120111539A1 (en) Flat heat pipe and method for manufacturing flat heat pipe
US20140054014A1 (en) Heat pipe and method for making the same
JP2013002640A (ja) 扁平型ヒートパイプおよびその製造方法
JPWO2018116951A1 (ja) 放熱モジュール
WO2012147217A1 (ja) 扁平型ヒートパイプおよびその製造方法
US20110174466A1 (en) Flat heat pipe
JP2013011363A (ja) 扁平型ヒートパイプ
JP2013002641A (ja) 扁平型ヒートパイプおよびその製造方法
JP5680872B2 (ja) 扁平型ヒートパイプ
JP5844843B2 (ja) 扁平型ヒートパイプの製造方法
WO2017015814A1 (zh) 板状均温装置
JP2014115052A (ja) 扁平型ヒートパイプ
JP6694799B2 (ja) ヒートパイプ及びその製造方法
JP3216275U (ja) 複合型毛細管材料を有する扁形ヒートパイプ
US20160010927A1 (en) Heat transport device
CN106403674B (zh) 板状均温装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6293238

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250