JP6291343B2 - マルチパルスロケットモータ - Google Patents

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Description

本発明は、2以上の推進薬を有し、共通の噴射ノズルから推進ガスを噴射するマルチパルスロケットモータに関する。
マルチパルスロケットモータとは、複数の固体推進薬を内蔵し、各固体推進薬を異なるタイミングで燃焼させて推力を発生させるロケットモータである。かかるマルチパルスロケットモータは、例えば、特許文献1〜6に開示されている。
特表平11−503802号公報 特開2008−280967号公報 特開2012−255362号公報 特開2013−7327号公報 特開2013−29100号公報 特開2013−24034号公報
マルチパルスロケットモータは、複数の固体推進薬、複数の着火装置、単一の圧力容器、及び噴射ノズルを備える。
複数の固体推進薬は、耐熱性を有する隔膜部材により互いに仕切られ、同一の圧力容器内に隣接して内蔵されている。各固体推進薬は、それぞれに設けられた着火装置により、異なるタイミングで着火し燃焼する。
先に着火された固体推進薬(以下、第1推進薬)が燃焼中に、後で着火される固体推進薬(以下、第2推進薬)が着火しないことが必要である。
そのため、未着火の第2推進薬は、耐熱性の高い隔膜部材により第1推進薬の燃焼火炎から仕切られ、着火しないようになっている。
その後、未着火であった第2推進薬を異なるタイミングで着火させる。この際、第2推進薬を第1推進薬から仕切っていた隔膜部材を燃焼圧で破断し、燃焼ガスが噴射ノズルから噴射する。
第1推進薬の燃焼中に、その後で着火される第2推進薬が着火しないためには、第1推進薬の燃焼圧力と燃焼温度が第2推進薬を点火する第2イグナイタに伝達され、第2イグナイタを着火しないようにする必要がある。
そのため、例えば、特許文献4のパルスロケットモータでは、第2推進薬の前部の軸心側部分が、後方に凸の円錐状に切り欠かれており、この切り欠き部分を埋めるように推進薬支持体が設けられている。この推進薬支持体は、第1推進薬の燃焼圧力が第2イグナイタに伝達されないようにしている。
また、推進薬支持体の範囲にわたって凸部が延びている隔膜保持金具を有し、第1推進薬の燃焼圧力が推進薬支持体に作用しないようにしている。
なお、推進薬支持体は第2推進薬よりも密度が低く、燃えやすい素材(例えば、発泡材料)である。
この構成により、隔膜保持金具の凸部が推進薬支持体の範囲にわたって延びていることで、第1推進薬の半径方向からの燃焼圧力を隔膜保持金具で受け止めることができ、推進薬支持体及び隔膜部材の強度を確保できる。これにより、推進薬支持体の変形や破断を防ぐことができる。
しかし、隔膜保持金具の凸部は、機軸方向からの燃焼圧力を受け止めることができず、この部分の変形や破断が生じる可能性がある。また、推進薬支持体が存在することで、第2推進薬の実容量が減少し、その分、ロケットモータの性能が低下する。
さらに、推進薬支持体の燃焼温度と燃焼圧力は、第2イグナイタの着火火炎と比較して低いため、推進薬支持体の燃焼火炎では第2推進薬を効率よく着火できない。そのため、推進薬支持体が完全に燃焼して消失するまで、第2イグナイタと第2推進薬とを連通する流路ができず、第2推進薬の点火遅れが大きい。
また、推進薬支持体の燃焼に第2イグナイタの燃焼エネルギーの一部が費やされるので、第2推進薬の燃焼に必要な燃焼エネルギーが不足し、第2推進薬の燃焼に至らない可能性もあった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、第1推進薬の燃焼圧力と燃焼温度から、第2推進薬及び第2イグナイタの破損や着火を防止することができ、第2推進薬の実容量を増加し、第2イグナイタの燃焼エネルギーを有効に用いることができ、かつ第2推進薬の点火遅れを短縮できるマルチパルスロケットモータを提供することにある。
本発明によれば、外周面が第1断熱材で覆われ圧力容器内の後段に設けられた中空筒形状の第1推進薬と、
前面と外周面が第2断熱材で覆われ前記圧力容器内の前段に設けられた中空筒形状の第2推進薬と、
前記第2推進薬の内面と後端面を覆い第1推進薬及び第2推進薬の燃焼火炎に耐える耐熱性と気密性及び可撓性を有する隔膜部材と、
圧力容器の前端部に内蔵された第2イグナイタと、を備え、
前記隔膜部材は、前端部が圧力容器に固定され第2推進薬の内面に沿って前記内面との間に筒状隙間を隔てて後方に延びる中空円筒形の円筒膜部を有し、
圧力容器の前端部は、第2イグナイタを内蔵する中空円筒形の着火室と、着火室の燃焼圧力を保持し着火火炎を円筒膜部より外側に噴射する複数の点火孔と、前記着火火炎を前記筒状隙間に導く環状隙間とを有し、
前記円筒膜部は、第1推進薬の燃焼圧力により第2推進薬の内面に密着し、前記筒状隙間を閉鎖する可撓性を有する、ことを特徴とするマルチパルスロケットモータが提供される。
前記円筒膜部は、その前端部に一体加硫成型により取り付けられた中空円筒形の固定用リングを有し、
該固定用リングは、第2推進薬の内面に沿って前記環状隙間より後方に筒状隙間の一部まで延び、第1推進薬の燃焼圧力による前記環状隙間の閉鎖を防止する。
圧力容器の前端部は、圧力容器の前端に固定されたリング状の口金と、口金の内側に固定され口金との間に前記着火室を構成するリング状のクロージャと、を有し、
前記複数の点火孔は、クロージャに設けられ、周方向に間隔を隔て、着火室から軸方向に貫通する複数の貫通孔であり、
前記口金は、半径方向内方へ延びるフランジ部を有し、該フランジ部は、前記点火孔から噴射される着火火炎を前記環状隙間に導く。
前記隔膜部材は、前記円筒膜部の後端に一体的に連結され第2推進薬の後端面に沿って半径方向外方に延び、外方端が第1断熱材と第2断熱材の間に挟持された中空円板状のリング膜部を有し、
前記円筒膜部又はリング膜部の一部に、円筒膜部及びリング膜部より脆弱な脆弱部を有する。
上記本発明の構成によれば、第2推進薬の内面と後端面を覆う隔膜部材を備えているので、複数の固体推進薬(第1推進薬と第2推進薬)を異なるタイミングで燃焼させて推力を発生させることができる。
また、隔膜部材は、第1推進薬及び第2推進薬の燃焼火炎に耐える耐熱性と気密性を有するので、第1推進薬の燃焼温度の伝熱を抑制することができる。
また、円筒膜部が、第1推進薬の燃焼圧力により第2推進薬の内面に密着し、第2推進薬の内面との筒状隙間を閉鎖する可撓性を有するので、第1推進薬の燃焼圧力を第2推進薬の内面に密着した円筒膜部を介して第2推進薬自体で支持することができる。
さらに、円筒膜部が撓んで第2推進薬の内面に密着するので、第1推進薬の燃焼圧力が筒状隙間、環状隙間、点火孔を介して第2イグナイタまで伝わるのを防ぐことができる。
従って、先に着火された第1推進薬の燃焼中にその燃焼圧力と燃焼温度から、隔膜部材、第2推進薬、及び第2イグナイタの破損や着火を防止することができる。
また従来の推進薬支持体を無くすことができるので、第2推進薬の実容量を増加し、第2イグナイタの燃焼エネルギーを第2推進薬の燃焼に効率的に用いることができ、かつ第2推進薬の点火遅れを短縮できる。
以上より、従来の推進薬支持体が無くなることで、第2推進薬の充填率が増大し性能向上が達成できる。また、第2イグナイタの点火用の燃焼ガスが隔膜部材と第2推進薬の間の筒状隙間へ供給され、第2推進薬の内表面を流れることで、第2推進薬の燃焼が速やかに開始され、第2推進薬の点火遅れを短縮できる。
本発明によるマルチパルスロケットモータの全体構成図である。 図1の部分拡大図である。 図2の部分拡大図である。 隔膜部材の単体側面図である。 本発明によるマルチパルスロケットモータの作動説明図である。
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明によるマルチパルスロケットモータMの全体構成図である。
この図において、本発明のマルチパルスロケットモータMは、圧力容器10、第1推進薬20、第2推進薬22、及び隔膜部材30(サーマルバリア)を備える。
この図において、Z−ZはマルチパルスロケットモータMの中心軸である。
圧力容器10は、第1推進薬20及び第2推進薬22を内蔵する中空円筒形のモータケース12と、モータケース12の前部(図で左側)を閉鎖する頭部閉鎖体14と、モータケース12の後部(図で右側)に取り付けられた噴射ノズル18とを有する。
モータケース12は、この例では、フィラメント・ワインディング法(Filament Winding)によるCFRP(炭素繊維で強化したエポキシ樹脂)からなる。
頭部閉鎖体14は、この例ではチタン、マルエージング鋼、D6AC鋼、クロムモリブデン鋼等の金属製である。
頭部閉鎖体14の中心軸上には、第1イグナイタ15が取り付けられており、第1推進薬20を任意のタイミングで着火し、燃焼させる。第1推進薬20の燃焼ガスG1(図5参照)は、第1推進薬20の中央開口を介して噴射ノズル18から後方(図で右方)へ噴出され、推力を発生させる。
隔膜部材30は、第2推進薬22の内面と後端面を覆い、第1推進薬20の燃焼ガスG1による第2推進薬22の着火を防止する。隔膜部材30は、好ましくは、第1推進薬20及び第2推進薬22の燃焼火炎に耐える耐熱性と気密性及び可撓性を有するEPDMゴム(エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム:Rubber、Ethylene−Propylene−Diene)からなる。
第1推進薬20は中空筒形状であり、その外周面が第1断熱材21で覆われ、圧力容器10内の後段に設けられている。第1推進薬20は、先に燃焼するコンポジット推進薬である。第1推進薬20の内孔は全域を断面円形としてもよいし、星形等の光芒断面を前後方向中央部から後方等、任意の位置に形成してもよい。
また、第1推進薬20は、Z軸に沿って直列の連結された複数の推進薬で構成してもよい。
第2推進薬22は中空筒形状であり、その前面と外周面が第2断熱材23で覆われ、圧力容器10内の前段に設けられている。第2推進薬22は、第1推進薬20より後に燃焼するコンポジット推進薬である。第2推進薬22の内孔断面は円形であり、第1推進薬20の内孔と隔膜部材30を介して連通している。
第1推進薬20と第2推進薬22は、同じ種類のコンポジット推進薬であっても、異なってもよい。
第1断熱材21と第2断熱材23は、好ましくは、第1推進薬20及び第2推進薬22の燃焼火炎に耐える耐熱性と気密性を有するEPDMゴムからなる。
圧力容器10の前端部(頭部閉鎖体14)には、第2イグナイタ16が内蔵されており、第2推進薬22を任意のタイミングで着火し、燃焼させる。隔膜部材30は、第2推進薬22の燃焼ガスG2の燃焼圧により後述する脆弱部33が他の部分より先に破断するようになっている。
第2推進薬22の燃焼ガスG2は、隔膜部材30の破断部を通して噴射ノズル18から後方(図で右方)へ噴出され、推力を発生させる。
図2は、図1の部分拡大図であり、図3は、図2の部分拡大図である。
図2、図3において、モータケース12は、第1断熱材21と第2断熱材23のまわりに直接巻き付けられたCFRP製の内管12aと、内管12aの外側に巻き付けられたCFRP製の外管12bとからなる。
この構成により、第1推進薬20と第2推進薬22の燃焼圧に耐える圧力容器10を金属製よりも軽量化することができる。
隔膜部材30は、前端部が圧力容器10に固定され第2推進薬22の内面に沿ってその内面との間に筒状隙間19を隔てて後方に延びる中空円筒形の円筒膜部32を有する。
また圧力容器10の前端部は、中空円筒形の着火室Bと、複数の点火孔17aと、環状隙間17bとを有する。
中空円筒形の着火室Bは、第2イグナイタ16を内蔵する。複数の点火孔17aは、着火室Bの燃焼圧力を保持し着火火炎を円筒膜部32より外側に噴射する複数の貫通穴である。環状隙間17bは、第2イグナイタ16の着火火炎を筒状隙間19に導く。
図2、図3において、頭部閉鎖体14は、モータケース12の前端に固定されたリング状の口金14a(ボス)と、口金14aの内側に固定されたリング状のクロージャ14bと、クロージャ14bの中心孔に挿入された第1イグナイタ15とを有する。
また、クロージャ14bは、口金14aとの間に構成されたリング状空間である着火室B内に第2イグナイタ16を内蔵している。
なお、図3において、Oはシール材(例えばOリング)であり、口金14aとクロージャ14bの間、及びクロージャ14bと固定用リング31との間を気密にシールしている。
着火室Bと第2推進薬22とを仕切るクロージャ14bのリング状部分Cには、軸方向に貫通する点火孔17a(すなわち貫通孔)が周方向に間隔を隔てて複数設けられている。点火孔17aは、着火室Bの燃焼圧力を保持し第2イグナイタ16の着火火炎を環状隙間17bに向けて噴射する機能を有する。
また、口金14aは、フランジ部Dを有する。フランジ部Dは、第2推進薬22の前面に位置する第2断熱材23と点火孔17aとの間に半径方向内方へ延びる。またこのフランジ部Dの内方端は、テーパ内面又は円筒内面となっており、隔膜部材30の外面との間に環状隙間17bを形成する。
さらに、隔膜部材30の外面と第2推進薬22の内面との間には、上述した筒状隙間19が形成されている。
この構成により、第2イグナイタ16で発生する着火火炎を、点火孔17aと環状隙間17bを介して筒状隙間19に連通させ、第2推進薬22を内面から着火、燃焼させることができる。
図4は、隔膜部材30の単体側面図である。
図4において、隔膜部材30は、上述した中空円筒形の円筒膜部32と、中空円板状のリング膜部34とを有する。
中空円筒形の円筒膜部32の前端部には中空円筒形の固定用リング31が一体加硫成型により取り付けられている。固定用リング31の前面には複数のねじ穴が設けられ、このねじ穴と螺合する複数のボルトにより頭部閉鎖体14のクロージャ14bに固定されている。
中空円板状のリング膜部34は、円筒膜部32の後端に一体的に連結され第2推進薬22の後端面に沿って半径方向外方に延びる。この例において、リング膜部34は、Z軸に直交しているが斜めであってもよい。
また隔膜部材30は、その一部に他の部分よりも脆弱な脆弱部33を有する。脆弱部33は、円筒膜部32又はリング膜部34の一部であり、その他の部分(円筒膜部32及びリング膜部34)より脆弱であり、第2推進薬22を着火させた際の燃焼圧により、他の部分より先に破断するようになっている。
図2において、リング膜部34は、その外方端に第1断熱材21と第2断熱材23の間に挟持された後端保持部35を有する。
第1断熱材21及び第2断熱材23は、その境界面にそれぞれ軸方向内方に延びる円筒形の第1凹部21aと第2凹部23aを有する。また後端保持部35は、第1凹部21aと第2凹部23aにそれぞれ嵌合し接着された円筒形の第1凸部35aと第2凸部35bを有する。
第1凹部21aと第2凹部23aの深さ、及び第1凸部35aと第2凸部35bの長さは、後端保持部35に作用する燃焼圧力に耐える接着面積を有する。
後端保持部35の内部には、高張力クロス材36が一体加硫成型されている。高張力クロス材36は、第2推進薬22の燃焼圧によるリング膜部34の変形に追従可能な可撓性を有し、かつ第2推進薬22の燃焼圧により発生する引張力に耐える引張強さを有する。
高張力クロス材36は、好ましくは、炭素繊維、ケブラー繊維、又はガラス繊維である。
高張力クロス材36は、繊維が同一方向に並ぶ複数の単一方向クロス材である。
また各単一方向クロス材は、後端保持部35の内部に周方向に均等配置され、かつ繊維方向が半径方向に配向されている。
図2、図3において、円筒膜部32は、第1推進薬20の燃焼圧力により第2推進薬22の内面に密着し、筒状隙間19を閉鎖する可撓性を有する。
また、固定用リング31は、その先端31a(図で右端)が第2推進薬22の内面に沿って環状隙間17bより後方に筒状隙間19の一部まで延び、第1推進薬20の燃焼圧力による環状隙間17bの閉鎖を防止するようになっている。
固定用リング31は、円筒膜部32の前端部に作用する燃焼圧力に耐える接着面積を有する。
この構成により、第1推進薬20の燃焼時には、円筒膜部32が、第1推進薬20の燃焼圧力により第2推進薬22の内面に密着し、燃焼圧力を第2推進薬自体で支持することができる。
また、円筒膜部32が撓んで第2推進薬22の内面に密着するので、第1推進薬20の燃焼圧力が筒状隙間19、環状隙間17b、点火孔17aを介して第2イグナイタ16まで伝わるのを防ぐことができる。
さらに、図3に破線Eで示すように、円筒膜部32が撓んで第2推進薬22の内面に密着しても、固定用リング31により、環状隙間17b及び筒状隙間19の一部は閉鎖されない。従って、その後の第2イグナイタ16の着火時に、第2イグナイタ16の燃焼エネルギーを環状隙間17b及び筒状隙間19の一部を介して第2推進薬22に直接伝達することができ、第2推進薬22の点火遅れを短縮できる。
図5は、本発明によるマルチパルスロケットモータMの作動説明図である。
この図において、(A)(B)は第1推進薬20の燃焼中と燃焼後、(C)(D)は第2推進薬22の着火時と燃焼中を示している。
図5(A)において、第1イグナイタ15が点火されることで、第1推進薬20の燃焼が開始される。燃焼は第1推進薬20の内孔内周面から生じていき、燃焼ガスG1は噴射ノズル18を通って大気中に噴射される。これによりマルチパルスロケットモータMは第1パルスによる推力を得る。
このとき、第2推進薬22の内面と後端面は隔膜部材30により覆われていることで、第1イグナイタ15の点火時の着火火炎や第1推進薬20の燃焼ガスG1が侵入することはない。
また、円筒膜部32が、第1推進薬20の燃焼圧力により第2推進薬22の内面に密着し、燃焼圧力を円筒膜部32を介して第2推進薬自体で支持する。
さらに、円筒膜部32が撓んで筒状隙間19を閉鎖し、第1推進薬20の燃焼圧力が筒状隙間19、環状隙間17b、点火孔17aを介して第2イグナイタ16まで伝わるのを防ぐ。
なお、この際、固定用リング31により燃焼圧力を支持するので、環状隙間17b及び筒状隙間19の一部は閉鎖されない状態を保持する。
図5(B)に示すように、第1推進薬20の全てが燃焼し終えることで、第1パルスは終了する。
図5(C)において、任意のタイミングで第2イグナイタ16が点火されると、第2イグナイタ16で発生し点火孔17aから噴射した着火火炎が、固定用リング31により保持された環状隙間17bを介して筒状隙間19に流入する。筒状隙間19に流入した着火火炎は、第2推進薬22を内面から着火・燃焼させ、燃焼ガスG2を発生させる。この燃焼圧により、隔膜部材30の円筒膜部32は内側に変形し、リング膜部34は後方に変形する。
図5(D)において、脆弱部33(図4参照)は、第2推進薬22を着火させた際の燃焼圧により、他の部分より先に破断する。この破断後、燃焼ガスG2により円筒膜部32は軸心側に座屈し、リング膜部34は後方側に湾曲して、燃焼ガスG2が噴射ノズル18を通って大気中に噴射される。
この際、隔膜部材30は燃焼ガスG2によりその表面を焼失するが、脱落を防止するため燃焼しない層を一定量以上残すように厚さが設定されている。そのため、隔膜部材30が脱落すること無く、第2推進薬22が燃焼を継続し、第2推進薬22の全てが燃焼して、第2パルスは終了する。
上述した本発明の構成によれば、第2推進薬22の内面と後端面を覆う隔膜部材30を備えているので、複数の固体推進薬(第1推進薬20と第2推進薬22)を異なるタイミングで燃焼させて推力を発生させることができる。
また、隔膜部材30は、第1推進薬20及び第2推進薬22の燃焼火炎に耐える耐熱性と気密性を有するので、第1推進薬20の燃焼温度の伝熱を抑制することができる。
また、円筒膜部32が筒状隙間19を閉鎖する可撓性を有するので、第1推進薬20の燃焼圧力を第2推進薬22の内面に密着した円筒膜部32を介して第2推進薬自体で支持することができる。
さらに、円筒膜部32が撓んで第2推進薬22の内面に密着するので、第1推進薬20の燃焼圧力が筒状隙間19、環状隙間17b、点火孔17aを介して第2イグナイタ16まで伝わるのを防ぐことができる。
従って、先に着火された第1推進薬20の燃焼中にその燃焼圧力と燃焼温度から、隔膜部材30、第2推進薬22、及び第2イグナイタ16の破損や着火を防止することができる。
また従来の推進薬支持体を無くすことができるので、第2推進薬22の実容量を増加する。
さらに、円筒膜部32が撓んで第2推進薬22の内面に密着しても、固定用リング31により、環状隙間17b及び筒状隙間19の一部は閉鎖されない。従って、第2イグナイタ16の着火時に、第2イグナイタ16の燃焼エネルギーを環状隙間17b及び筒状隙間19の一部を介して第2推進薬22に直接伝達することができ、第2推進薬22の点火遅れを短縮できる。
以上より、従来の推進薬支持体が無くなることで、第2推進薬22の充填率が増大し性能向上が達成できる。また、第2イグナイタ16の点火用の燃焼ガスが隔膜部材30と第2推進薬22の間の筒状隙間19へ供給され、第2推進薬22の内表面を流れることで、第2推進薬22の燃焼が速やかに開始され、第2推進薬22の点火遅れを短縮できる。
なお本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
M マルチパルスロケットモータ、B 着火室、C リング状部分、
D フランジ部、G1、G2 燃焼ガス、O シール材(Oリング)、
10 圧力容器、12 モータケース、12a 内管、12b 外管、
14 頭部閉鎖体、14a 口金(ボス)、14b クロージャ、
15 第1イグナイタ、16 第2イグナイタ、17a 点火孔、
17b 環状隙間、18 噴射ノズル、19 筒状隙間、20 第1推進薬、
21 第1断熱材、21a 第1凹部、22 第2推進薬、23 第2断熱材、
23a 第2凹部、30 隔膜部材、31 固定用リング、32 円筒膜部、
33 脆弱部、34 リング膜部、35 後端保持部、35a 第1凸部、
35b 第2凸部、36 高張力クロス材

Claims (4)

  1. 外周面が第1断熱材で覆われ圧力容器内の後段に設けられた中空筒形状の第1推進薬と、
    前面と外周面が第2断熱材で覆われ前記圧力容器内の前段に設けられた中空筒形状の第2推進薬と、
    前記第2推進薬の内面と後端面を覆い第1推進薬及び第2推進薬の燃焼火炎に耐える耐熱性と気密性及び可撓性を有する隔膜部材と、
    圧力容器の前端部に内蔵された第2イグナイタと、を備え、
    前記隔膜部材は、前端部が圧力容器に固定され第2推進薬の内面に沿って前記内面との間に筒状隙間を隔てて後方に延びる中空円筒形の円筒膜部を有し、
    圧力容器の前端部は、第2イグナイタを内蔵する中空円筒形の着火室と、着火室の燃焼圧力を保持し着火火炎を円筒膜部より外側に噴射する複数の点火孔と、前記着火火炎を前記筒状隙間に導く環状隙間とを有し、
    前記円筒膜部は、第1推進薬の燃焼圧力により第2推進薬の内面に密着し、前記筒状隙間を閉鎖する可撓性を有する、ことを特徴とするマルチパルスロケットモータ。
  2. 前記円筒膜部は、その前端部に一体加硫成型により取り付けられた中空円筒形の固定用リングを有し、
    該固定用リングは、第2推進薬の内面に沿って前記環状隙間より後方に筒状隙間の一部まで延び、第1推進薬の燃焼圧力による前記環状隙間の閉鎖を防止する、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチパルスロケットモータ。
  3. 圧力容器の前端部は、圧力容器の前端に固定されたリング状の口金と、口金の内側に固定され口金との間に前記着火室を構成するリング状のクロージャと、を有し、
    前記複数の点火孔は、クロージャに設けられ、周方向に間隔を隔て、着火室から軸方向に貫通する複数の貫通孔であり、
    前記口金は、半径方向内方へ延びるフランジ部を有し、該フランジ部は、前記点火孔から噴射される着火火炎を前記環状隙間に導く、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチパルスロケットモータ。
  4. 前記隔膜部材は、前記円筒膜部の後端に一体的に連結され第2推進薬の後端面に沿って半径方向外方に延び、外方端が第1断熱材と第2断熱材の間に挟持された中空円板状のリング膜部を有し、
    前記円筒膜部又はリング膜部の一部に、円筒膜部及びリング膜部より脆弱な脆弱部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチパルスロケットモータ。
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