JP5709260B2 - パルスロケットモータ及び飛翔体 - Google Patents

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Description

本発明は、飛行制御の手段としてサイドスラスタを備えた飛翔体に搭載されるパルスロケットモータ及び当該パルスロケットモータを備える飛翔体に関する。
パルスロケットモータは、単一の圧力容器内に2以上の推進薬が隔膜又は隔壁により区画して設けられて構成されている。これは、容易に燃焼を停止、再着火することができない固体燃料ロケットにおいて、異なるタイミングでの燃焼を実現できるという利点がある。
飛翔体において、ロケットモータは主に飛翔体の推力を発生させるものであるのに対し、当該飛翔体の飛行制御を行うものとして、空力操舵や、ロケットモータの主推力方向を偏向させるTVC(Thrust Vector Control)、飛翔体の横方向に燃焼ガスを噴射するサイドスラスタ等がある。
応答性の面においてはサイドスラスタが優れており、例えば、スラスタノズルを飛翔体の胴体周方向に90°おきに4個、その中心軸が側面に垂直な方向から胴体周方向に角度θだけ傾けて配置し、機体のロール制御も可能としたサイドスラスタ装置が開発されている(特許文献1参照)。
特開2008−1624246号公報
上記特許文献1のサイドスラスタは、ガスジェネレータにて推進薬が燃焼し、発生した燃焼ガスを、スラスタノズルから噴射することで飛行制御のための推力を得ている。このようにサイドスラスタを備える飛翔体は、飛行制御の推力を得るためにロケットモータとは別に固体燃料または液体燃料を搭載し、その燃焼ガスを供給するための機構を設ける必要があり、飛翔体の大型化や重量の増加、レイアウトの複雑化等を招くという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、サイドスラスタへのガス供給機構を備えることで、飛翔体の小型化及び構成の簡略化を実現することのできるパルスロケットモータ及び飛翔体を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1のパルスロケットモータでは、サイドスラスタを有する飛翔体に搭載されるパルスロケットモータにおいて、前記パルスロケットモータの外殻をなし、内部に燃焼室を形成する圧力容器と、前記圧力容器の燃焼室内に設けられた第1推進薬と、前記圧力容器の燃焼室内に前記第1推進薬と区画されて設けられた第2推進薬と、前記第1推進薬を点火する第1イグナイタと、前記第2推進薬を点火する第2イグナイタと、を備え、前記第1イグナイタは、前記圧力容器に設けられ、前記燃焼室と前記サイドスラスタとを連通する連通路を形成するとともに、当該連通路を開閉する開閉手段を備えることを特徴としている。
請求項2のパルスロケットモータでは、請求項1において、前記開閉手段は、前記連通路内を摺動可能に設けられ、前記圧力容器の燃焼室内で発生した燃焼ガスにより移動することで前記連通路を開通させる介装部材と、当該介装部材の移動を任意の時期まで固定する固定部材とからなることを特徴としている。
請求項3のパルスロケットモータでは、請求項2において、前記第1イグナイタは、外殻をなし前記連通路を形成するイグナイタケース内部に主装薬が設けられており、前記介装部材は、前記イグナイタケース内に設けられ前記主装薬を着火する着火装置であることを特徴としている。
請求項4のパルスロケットモータでは、請求項2において、前記第1イグナイタは、外殻をなすイグナイタケースが、前記連通路を形成し内部に前記介装部材が設けられた中空筒形状の内壁部と、当該内壁部と間隔をあけて当該内壁部の外周を覆うことで環状穴を形成する中空筒形状の外壁部とを有し、前記環状穴の内部に主装薬が設けられ、前記環状穴の開口部に環状のノズルが形成され、前記連通路の外周に前記主装薬を着火する着火装置が設けられていることを特徴としている。
請求項5のパルスロケットモータでは、請求項2から4のいずれかにおいて、前記任意の時期は、前記第2推進薬を前記第2イグナイタにより点火するのと同時期であることを特徴としている。
請求項6の飛翔体では、請求項1から5のいずれかに記載のパルスロケットモータを搭載し、前記パルスロケットモータから供給される燃焼ガスを用いて飛行制御を行うサイドスラスタを備えることを特徴としている。
上記手段を用いる本発明によれば、サイドスラスタを備える飛翔体に搭載されるパルスロケットモータにおいて、第1推進薬に点火を行う第1イグナイタを圧力容器に設け、当該第1イグナイタに圧力容器の燃焼室の燃焼ガスをサイドスラスタへと供給可能な連通路を形成し、開閉手段により当該連通路の開閉を可能とする。
したがって、第1イグナイタの連通路を開閉手段により開放することで、飛翔体の推力を得るのに用いている燃焼室内の燃焼ガスの一部を、飛行制御を行うサイドスラスタに供給して飛行制御の推力として用いることができるようになる。
このようにパルスロケットモータがサイドスラスタへのガス供給機構を兼ねることで、サイドスラスタ専用の固体燃料または液体燃料をロケットモータと別に備える必要はなくなることから、その分飛翔体の小型軽量化及び構造の簡略化を実現することができる。
本発明の第1施形態に係る本発明の第1実施形態に係る飛翔体のロケットモータ部分及びサイドスラスタ部分を示す概略構成図である。 図1の要部拡大断面図である。 第1実施形態における第1イグナイタの連通路閉塞時の断面図である。 第1実施形態における第1イグナイタの連通路開放時の断面図である。 第2実施形態における第1イグナイタの連通路閉塞時の断面図である。 第2実施形態における第1イグナイタの連通路開放時の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
まず第1実施形態について説明する。
図1〜4を参照すると、図1には本発明の第1実施形態に係る飛翔体のロケットモータ部分及びサイドスラスタ部分を示す概略構成図、図2には要部拡大断面図、図3には第1イグナイタの連通路閉塞時の断面図、図4には第1イグナイタの連通路開放時の断面図がそれぞれ示されている。
図1に示す飛翔体2には、飛翔体2の後方にパルスロケットモータ4が設けられ、当該パルスロケットモータ4の前方にサイドスラスタユニット6が設けられている。サイドスラスタユニット6には図示しないスラスタノズルが設けられており、任意のスラスタノズルから燃焼ガスを噴射することで飛翔体2の飛行制御を行うものである。なお、スラスタノズルは例えば4個、6個、10個等、設計に応じた数設けられている。
パルスロケットモータ4は、ロケットモータの外殻をなす圧力容器10の後部に燃焼室10aと連通するロケットモータノズル12が設けられている。燃焼室10aには、固体燃料である第1推進薬14が後部に、第2推進薬16が前部に設けられており、当該該2推進薬16は隔膜部材18に覆われている当該パルスロケットモータ4は2パルスロケットモータである。また、燃焼室10aの前部には第1推進薬14を着火するための第1イグナイタ20、及び第2推進薬16を着火するための第2イグナイタ22がそれぞれ設けられている。
第1推進薬14は、先に燃焼する第1パルス用の推進薬であり、前後方向に延びた中空筒形状をなしている。当該第1推進薬14は燃焼室10aの後方に設けられている。当該第1推進薬14の前後方向中央部から前方は内孔断面が星形をなして燃焼面積が増大されており、当該内孔はロケットモータノズル12内部を介して外に連通している。当該第1推進薬14はコンポジット推進薬等である。なお、第1推進薬の内孔は全域を断面円形としてもよいし、星形等の光芒断面を前後方向中央部から後方等、任意の位置に形成して構わない。
第2推進薬16は、後に燃焼する第2パルス用の推進薬であり、前後方向に延びた中空円筒形状をなしている。図2に詳しく示すように、当該第2推進薬16は燃焼室10aの前方に設けられている。当該第2推進薬16の内孔断面は円形をなしており、第1推進薬14の内孔と隔膜部材10を介して連通している。当該第2推進薬16はコンポジット推進薬等である。
また、第2推進薬16の前部の軸心側部分は、後方に凸の円錐状に切り欠かれており、当該切り欠き部分を埋めるように推進薬支持体24が設けられている。推進薬支持体24は第2推進薬16よりも密度が低く、燃えやすい素材であり、例えば、発泡剤等から構成されている。
隔膜部材18は、断熱性を有するEPDMゴムからなる隔膜26が、両端に設けられた隔膜保持金具28a、28bを介して圧力容器10に取り付けられている。
第1イグナイタ20は、圧力容器10の前方圧力隔壁30の軸心部分に取り付けられ、第2推進薬16の内孔内、即ち隔膜部材18内側にて、後方に向けて突出している。前方圧力隔壁30には、推進薬支持体24まで延びる点火孔32が位相違いで複数穿設されており、当該複数の点火孔32と連接して第2イグナイタ22が設置されている。第2イグナイタは、リング状の空洞を有し、当該空洞へ点火薬が装填されており、第2パルスの点火に際しては全ての点火孔32へ点火薬の火炎を伝播させる機能を有するトロイダルイグナイタである。
ここで、第1イグナイタ20の構成について詳しく説明する。
図3には、第1イグナイタの断面図が示されており、同図に示すように、第1イグナイタ20の外殻は、前方圧力隔壁30から燃焼室10a内に突出している後部イグナイタケース40と、前方圧力隔壁30から前方に向けて突出している前部イグナイタケース42とから構成されている。
略円筒形状の後部イグナイタケース40は金属(例えばクロムモリブデン鋼、チタン等)からなり、当該後部イグナイタケース40の内周面及び外周面にはそれぞれEPDM等からなる断熱材44a、44bが設けられている。
後部イグナイタケース40の後部先端は内径を縮小して突出した開口部40aが形成されている。当該開口部40aの内周面にはGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)等からなる断熱材44cが設けられ、そのさらに内側には内径を絞るノズルスロート部46が形成されている。当該ノズルスロート部46はグラファイトからなる。また、開口部40aの外周には、GFRPからなり当該開口部40aを覆うノズルホルダ48がネジ結合または接着されている。
後部イグナイタケース40の内部には、軸方向に沿って後部から中央部分にかけて中空円筒形状の主装薬50が配設されている。当該主装薬50はコンポジット推進薬等からなり、上記第1推進薬14を点火するための燃焼ガスを発生させるものである。
そして、後部イグナイタケース40の前部外周面において前部イグナイタケース42とネジ結合されている。
前部イグナイタケース42は、前方有底の中空円筒形状をなしており、後部外周にて外方に突出したブラケット部42aを介して図示しないボルトにより前方圧力隔壁30に締結されている。
前部イグナイタケース42の前端壁部にはケース内部の空気が抜けるよう空気孔52が穿設され、側壁の前部にはサイドスラスタユニット6と連通するガス供給孔54が穿設されている。
前部イグナイタケース42の内部には、前後に摺動可能な着火装置56(開閉手段、介装部材)が内装されている。
着火装置56は、前部イグナイタケース42の内周面と前後摺動可能に当接している安全機構部58と、当該安全機構部58の軸心部分から後方に突出している着火薬部60から構成されている。安全機構部58は当該着火薬部60が意図しない着火を防止しつつ必要な時には確実に火をつける機能を有し、着火薬部60は安全機構部58により火がつけられて燃焼することで主装薬50を着火する機能を有している。なお、説明の簡略化のため図3、4では当該着火装置56は安全機構部58と着火薬部60が一体物として示している。
安全機構部58の外周面には軸方向に垂直に形成された固定穴58aがあいており、これに対応して前部イグナイタケース42の側壁には当該側壁を貫通し固定穴58aに係合するピンを備えたピンプラー62が設けられている。図3に示すように、ピンプラー62のピンが安全機構部58の固定穴58aに係合することで、着火装置56は固定されている。そして、当該着火装置56が前部イグナイタケース42の前部に固定されていることで、当該着火装置56によりガス供給孔54が塞がれている。また、前部イグナイタケース42内の前部においては安全機構部58が収まる程度の空間64が形成されている。なお、ピンプラー62は任意のタイミングでピンを収納可能であり、当該ピンを収納して固定穴58aから抜くことで、着火装置56の固定は解除されるよう構成されている。さらに、安全機構58の外周には、固定状態においてガス供給孔54より後方に後部Oリング58bが、ガス供給孔54より前方に前部Oリング58cが設けられている。後部Oリング58bは、着火装置56の固定が解除される以前において、当該Oリング58bより前方の前部イグナイタケース42内へ燃焼ガスが漏洩することを防止している。また、前部Oリング58cは、着火装置56の固定が解除された以後において、当該前部Oリングより前方の前部イグナイタケース42内へ燃焼ガスが漏洩することを防止している。
ここで図4を参照すると、ピンプラー62による固定が解除されて前部イグナイタケース42の空間64を埋めるように着火装置56が前方に移動した場合の状態が示されている。
同図に示すように、第1イグナイタ20は、着火装置56が前方に移動することで、ガス供給孔54が開放され、後部イグナイタケース40の開口部40aからガス供給孔54に至る連通路66が形成されることとなる。前方圧力隔壁30より前方の前部イグナイタケース42はサイドスラスタユニット6とガス供給孔54を介して連通していることから、当該第1イグナイタ20の連通路66を通って燃焼室10a内とサイドスラスタユニット6とが連通することとなる。
以下、このように構成された第1実施形態に係るパルスロケットモータの作用について、図2〜4に基づいて説明する。
まず、第1実施形態に係るパルスロケットモータ4は、図3に示す連通路閉塞状態の第1イグナイタ20により、第1推進薬14の点火を行う。これはまず第1イグナイタ20の安全機構58により着火薬部60が燃焼し、その燃焼ガスによって主装薬50の燃焼が生起され、後部イグナイタケース40内の燃焼ガスがノズルスロート部46を通って燃焼室10a内に噴射される。この噴射された燃焼ガスが第1推進薬14に到達することで、当該第1推進薬14が点火されて第1パルスが開始される。
このとき、第2推進薬16は隔膜部材18により区画されていることで第1パルスの燃焼ガスが侵入することはない。また、第1イグナイタ20の後部イグナイタケース40内にも第1パルスの燃焼ガスが流入するが、このときはガス供給孔54を塞いでいる着火装置56がピンプラー62により固定されていることから、流入した燃焼ガスがサイドスラスタユニット6に流れることはない。
そして、第1パルス終了後、任意のタイミングで第2イグナイタ22が点火されると、点火孔32を通って推進薬支持体24に点火用の火が到達し、推進薬支持体24が燃焼する。当該推進薬支持体24の燃焼を受けて、第2推進薬16が燃焼し、隔膜26が破断することで燃焼ガスがロケットモータノズル12から噴射されて第2パルスが開始される。
また、第2イグナイタ22が点火されるのと同時に、第1イグナイタ20では、ピンプラー62のピンが収納され、着火装置56の固定が解除される。固定が解除された着火装置56は、第1イグナイタ20の後部イグナイタケース40内に流入してきた第2パルスの燃焼ガスの圧力(燃焼圧)を受けて前部イグナイタケース42前部の空間64へと押し込まれるように前方へ摺動する。このとき前方空間64内の空気は空気孔52から抜けることから、当該着火装置56は円滑に前方へと摺動する。
これにより、図4に示すように、着火装置56は前部イグナイタケース42内の前部に収まり、当該着火装置56が塞いでいたガス供給孔54が開放されて第1イグナイタ20は連通状態となる。そして、後部イグナイタケース40内に流入してきた第2パルスの燃焼ガスは、連通路66を通りガス供給孔54からサイドスラスタユニット6へと供給される。当該サイドスラスタユニット6は供給された燃焼ガスを用いて、飛翔体2の飛行制御を行う。
以上のように、第1実施形態におけるパルスロケットモータは、第1推進薬14に点火を行う第1イグナイタ20を圧力容器10の前方圧力隔壁30に設け、当該第1イグナイタ20に燃焼室10a内で発生した燃焼ガスをサイドスラスタユニット6へ供給可能な連通路66を形成し、前部イグナイタケース42内に設けられる着火装置56により当該連通路66の開閉を可能としている。
したがって、第1イグナイタ20の連通路66を着火装置56により開放することで、飛翔体2の推力を得るのに用いている燃焼室10a内の燃焼ガスの一部を、飛行制御を行うサイドスラスタユニット6に供給して飛行制御の推力として用いることができるようになる。
このようにパルスロケットモータ4がサイドスラスタユニット6へのガス供給機構を兼ねることで、サイドスラスタユニット6専用の固体燃料または液体燃料をロケットモータと別に備える必要はなくなることから、その分飛翔体2の小型軽量化及び構造の簡略化を実現することができる。
また、第1実施形態における第1イグナイタ20の後部イグナイタケース開口部40aには内径を絞ったノズルスロート部46が設けられていることで、当該ノズルスロート部46で流れがチョークし、サイドスラスタユニット6のバルブ制御等に伴う圧力変動の影響が燃焼室10aに伝わることを防止し、ガス供給流量が安定する。これにより、特別に別部品としてチョーク部等を設ける必要がなくなり、部品点数の削減や構造の簡略化を図ることができる。
さらに、第2パルスのタイミングで、ピンプラー62による着火装置56の固定を解除することで、大型なアクチュエータ等を用いることなく第2パルスの燃焼ガスを利用して着火装置を摺動させ連通路66を開放することができ、そのまま当該燃焼ガスをサイドスラスタユニット6へと供給することができる。
このようにして、第1実施形態に係るパルスロケットモータ及び飛翔体は、パルスロケットモータ4にサイドスラスタユニット6へのガス供給機構を備えることで、飛翔体2の小型化及び構成の簡略化を実現することができる。
次に第2実施形態について説明する。
第2実施形態に係るパルスロケットモータを搭載する飛翔体は、第1イグナイタ以外の構成が上記第1実施形態の飛翔体2と同様であり、同じ構成については同様の符号を付して詳しい説明は省略する。
図5、6には第2実施形態におけるパルスロケットモータの第1イグナイタの断面図が示されており、以下これらの図に基づき説明する。
図5に示すように、第2実施形態における第1イグナイタ70の外殻は、前方圧力隔壁30から燃焼室10a内に突出している後部イグナイタケース72と、前方圧力隔壁30から前方に突出している前部イグナイターケース74とからなる。
後部イグナイタケース72は、軸方向に延びる2重の筒状をなしている。詳しくは、後部イグナイタケース72は、軸方向に貫通する内孔76を形成する中空筒形状の内壁部78と、当該内壁部78と間隔をあけて当該内壁部78の外周を覆う中空筒形状の外壁部80とが形成されている。つまり、内壁部78と外壁部80との間には後方に開口した環状穴82が形成されている。内壁部78の内孔76及び環状穴82の各周面、即ち内壁部78の内周面及び外周面、並びに内壁部78の内周面には、それぞれEPDM等からなる断熱材84a、84b、84cが設けられている。
また、環状穴82の内部には断熱材84bを介して内壁部78の外周面に沿って中空筒形状に主装薬86が配設されている。環状穴82の開口部には、環状に開口面積を絞るリングノズル88が形成されている。
後部イグナイタケース72の前部には外周側に突出しているブラケット部72aを介して圧力容器10の前方圧力隔壁30に図示しないボルトにより締結されている。また、後部イグナイタケース72のブラケット部72aには前方側から環状穴82の後端に向かって斜め内方に環状の着火薬90が設けられている。なお、当該着火薬90は環状一体型であってもよいし、分割されて配置されていても構わない。また図示しないが当該着火薬90の前端側には安全機構が設けられている。
一方、前部イグナイタケース74は、前方有底の中空筒形状をなしており、後方側が後部イグナイタケース72の内孔76前端にてネジ締結されている。当該前部イグナイタケース74の前端壁には空気孔92が穿設され、側壁の前部にはサイドスラスタユニット6と連通するガス供給孔94が穿設されている。
前部イグナイタケース74内部には、前後に摺動可能な、例えば金属またはFRPのブロック体である介装部材96(開閉手段)が設けられており、当該介装部材96の外周面には軸方向に垂直に形成された固定穴96aがあいている。固定穴96aに対応して前部イグナイタケース74の側壁には当該側壁を貫通し固定穴96aに係合するピンを備えたピンプラー98が設けられている。
図5に示すように、ピンプラー98のピンが介装部材96の固定穴96aに係合することで介装部材96は固定され、当該介装部材96によりガス供給孔94が塞がれている。また、前部イグナイタケース74内の前部においては介装部材96が収まる程度の空間100が形成されている。さらに、介装部材96の外周には、固定状態においてガス供給孔94より後方に後部Oリング96bが、ガス供給孔54より前方に前部Oリング96cが設けられている。後部Oリング96bは、介装部材96の固定が解除される以前において、当該Oリング96bより前方の前部イグナイタケース74内へ燃焼ガスが漏洩することを防止している。また、前部Oリング96cは、介装部材96の固定が解除された以後において、当該Oリング96cより前方の前部イグナイタケース74内へ燃焼ガスが漏洩することを防止している。
ここで図6を参照すると、ピンプラー98による固定が解除されて前部イグナイタケース74の空間100を埋めるように介装部材96が前方に移動した場合の状態が示されている。
同図に示すように、第1イグナイタ70は、介装部材96が前方に移動することで、ガス供給孔94が開放され、後部イグナイタケース72の内孔76からガス供給孔94に至る連通路102が形成されることとなる。したがって、第1実施形態と同様に、第1イグナイタ70の連通路102を通って燃焼室10a内とサイドスラスタユニット6とが連通することとなる。
ただし、第2実施形態における第1イグナイタ70は、第1実施形態の第1イグナイタ20と異なり、連通路102を形成する内孔76とは別に外周側の環状穴82に主装薬86やリングノズル88等の第1推進薬14を点火するための点火機構が設けられている。そして、主装薬86を着火するための着火薬90も外周側に配設されており、前方圧力隔壁30より前方側のスペースが有効に活用されている。
以下、このように構成された第1実施形態に係るパルスロケットモータの作用について、図2、5、6に基づいて説明する。
まず、第2実施形態に係るパルスロケットモータは、図5に示す連通路閉塞状態の第1イグナイタ70により、第1推進薬14に点火を行う。これはまず、図示しない安全機構により着火薬90が燃焼し、その燃焼ガスが環状穴82に流入することで主装薬86の燃焼が生起される。この噴射された燃焼ガスが第1推進薬14に到達することで、当該第1推進薬14が点火されて第1パルスが開始される。このとき、第1イグナイタ70の後部イグナイタケース72の内孔76にも第1パルスの燃焼ガスが流入するが、このときはガス供給孔94を塞いでいる介装部材96がピンプラー98により固定されていることから、流入した燃焼ガスがサイドスラスタユニット6に流れることはない。
そして、第1パルス終了後、任意のタイミングで第2イグナイタ22が点火されると、上記第1実施形態と同様に第2パルスが開始される。そして、第2イグナイタ22が点火されるのと同時に、第1イグナイタ70では、ピンプラー98のピンが収納され、介装部材96の固定が解除される。固定が解除された介装部材96は、第1イグナイタ70の内孔76内に流入してきた第2パルスの燃焼ガスの圧力(燃焼圧)を受けて前部イグナイタケース74内の空間100へと押し込まれるように前方に摺動する。このとき空間100内の空気は空気孔92から抜けることから、当該介装部材96は円滑に前方へと摺動する。
これにより、図6に示すように、介装部材96は前部イグナイタケース74内の前部に収まり、当該介装部材96が塞いでいたガス供給孔94が開放されて第1イグナイタ70は連通状態となる。そして、連通路102を構成する内孔76に流入してきた第2パルスの燃焼ガスは、ガス供給孔94からサイドスラスタユニット6へと供給される。当該サイドスラスタユニット6は供給された燃焼ガスを用いて、飛翔体2の飛行制御を行う。
以上のように、第2実施形態におけるパルスロケットモータは、第1イグナイタ70に、第2パルスの燃焼ガスをサイドスラスタユニット6へ供給可能な連通路102を形成し、着火装置とは別の介装部材96により当該連通路102の開閉を可能としている。これにより、第1実施形態と同様に、燃焼室10aの燃焼ガスの一部を、サイドスラスタユニット6の推力として用いることができ、飛翔体2の小型軽量化及び構造を簡略化することができる。
また、第1イグナイタ70における第1推進薬14の点火機構を連通路102の外周に環状に配置したことで、火炎を第1推進薬14の表面近くへ効率的に吹き付けることが可能になる。つまり、当該ケース先端のリングノズル88から第1推進薬14の円孔の内周面に沿った環状の燃焼ガスが噴射されることで、第1パルスの着火性を向上させることができる。
また主装薬86を着火させる着火薬90や安全機構について、比較的スペースのある連通路102の外周側で前方圧力隔壁30より前方側に配設することで、第1実施形態のように移動可能な着火装置とすることなく、構造の簡素化及び小型化を図ることができる。
このようにして、第2実施形態に係るパルスロケットモータ及び飛翔体においても、パルスロケットモータ4にサイドスラスタユニット6へのガス供給機構を備えることで、飛翔体2の小型化及び構成の簡略化を実現することができる。
以上で本発明に係るパルスロケットモータ及び飛翔体の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、移動可能な着火装置56または介装部材96をピンプラー62、98により固定と分離をしているが、固定と分離の手段はこれに限られるものではなく、例えば拘束バンド、その他の急速分離機構を用いても構わない。
また上記実施形態では、第1イグナイタ20、70の前部イグナイタケース42、74内の連通路66、102を摺動可能な着火装置56または介装部材96により開閉しているが、当該連通路の開閉手段はこれに限られるものではない。例えば、拘束バンドにより前部イグナイタケースと後部イグナイタケースとを連結しておき、第2パルス時に拘束バンドを解除することで前部イグナイタケース自体を前方に移動させて、当該前部イグナイタケースと後部イグナイタケースとの間に隙間を生じさせることで、連通路を開放させるものとしても構わない。
また、第1推進薬14及び第2推進薬16の搭載量等は上記実施形態で示したものに限られるものではなく、用途に応じて適宜設定されるものである。
2 飛翔体
4 パルスロケットモータ
6 サイドスラスタユニット
10 圧力容器
10a 燃焼室
14 第1推進薬
16 第2推進薬
20、70 第1イグナイタ
22 第2イグナイタ
40、72 後部イグナイタケース
42、74 前部イグナイタケース
46 ノズルスロート部
50、86 主装薬
54、94 ガス供給孔
56 着火装置(開閉手段、介装部材)
58 安全機構部
58a、96a 固定穴
60、90 着火薬部
62、98 ピンプラー(固定手段)
66、102 連通路
76 内孔
78 内壁部
80 外壁部
82 環状穴
88 リングノズル
96 介装部材(開閉手段)

Claims (6)

  1. サイドスラスタを有する飛翔体に搭載されるパルスロケットモータにおいて、
    前記パルスロケットモータの外殻をなし、内部に燃焼室を形成する圧力容器と、
    前記圧力容器の燃焼室内に設けられた第1推進薬と、
    前記圧力容器の燃焼室内に前記第1推進薬と区画されて設けられた第2推進薬と、
    前記第1推進薬を点火する第1イグナイタと、
    前記第2推進薬を点火する第2イグナイタと、を備え、
    前記第1イグナイタは、前記圧力容器に設けられ、前記燃焼室と前記サイドスラスタとを連通する連通路を形成するとともに、当該連通路を開閉する開閉手段を備えることを特徴とするパルスロケットモータ。
  2. 前記開閉手段は、前記連通路内を摺動可能に設けられ、前記圧力容器の燃焼室内で発生した燃焼ガスにより移動することで前記連通路を開通させる介装部材と、当該介装部材の移動を任意の時期まで固定する固定部材とからなることを特徴とする請求項1記載のパルスロケットモータ。
  3. 前記第1イグナイタは、外殻をなし前記連通路を形成するイグナイタケース内部に主装薬が設けられており、
    前記介装部材は、前記イグナイタケース内に設けられ前記主装薬を着火する着火装置であることを特徴とする請求項2記載のパルスロケットモータ。
  4. 前記第1イグナイタは、
    外殻をなすイグナイタケースが、前記連通路を形成し内部に前記介装部材が設けられた中空筒形状の内壁部と、当該内壁部と間隔をあけて当該内壁部の外周を覆うことで環状穴を形成する中空筒形状の外壁部とを有し、
    前記環状穴の内部に主装薬が設けられ、前記環状穴の開口部に環状のノズルが形成され、前記連通路の外周に前記主装薬を着火する着火装置が設けられていることを特徴とする請求項2記載のパルスロケットモータ。
  5. 前記任意の時期は、前記第2推進薬を前記第2イグナイタにより点火するのと同時期であることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のパルスロケットモータ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のパルスロケットモータを搭載し、
    前記パルスロケットモータから供給される燃焼ガスを用いて飛行制御を行うサイドスラスタを備えることを特徴とする飛翔体。
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