JP2020033968A - 固体ロケットモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力容器の中心軸方向における推進薬の寸法を増加させなくても、推進薬において広い燃焼面積を得ることができる固体ロケットモータを提供する。【解決手段】固体ロケットモータ10は、圧力容器1と、圧力容器1の内部に配置され圧力容器1の中心軸Cを回る周方向に延びる推進薬3と、を備える。推進薬3は、中心軸Cに近い側に配置された内側部7と、内側部7よりも中心軸Cから遠い側に配置された外側部9とを含む。内側部7と外側部9は、それぞれ、中心軸Cに対する径方向に互いに対向し燃焼面となる外周面7bと内周面9aを有する。外周面7bと内周面9aとの間には、両者を着火させるための隙間Sが存在している。【選択図】図1
Description
本発明は、固体推進薬を備える固体ロケットモータに関する。
固体ロケットモータは、固体推進薬が内部に配置された圧力容器を備える。圧力容器の内部は燃焼室になっており、固体推進薬が燃焼することにより燃焼ガスが生じる。燃焼ガスは、圧力容器の後端部に設けられたノズルを通して、固体ロケットモータの外部へ噴出される。これにより、推力を発生させる。
このような固体ロケットモータは、人工衛星を打ち上げるためのロケットのメインエンジン又はその補助ロケットブースターとして用いられる。あるいは、上記固体ロケットモータは、ミサイル又はロケット弾の推進装置として用いられる。あるいは、上記固体ロケットモータは、人工衛星やミサイルに搭載される姿勢制御用スラスタとして用いられる。上述した固体ロケットモータは、例えば特許文献1、2に記載されている。
燃焼面となる推進薬の露出面を増大させるために、推進薬の中心軸上に、断面が光芒状(星形)の空洞、又は、円筒形の空洞を設け、当該空洞を推進薬の外径側へ拡大させることができる。当該空洞を区画する燃焼面は、当該空洞の上記外径側への拡大により増大する。この場合、当該空洞の拡大により低下する推進薬量を補うために、推進薬を、その中心軸方向(すなわち圧力容器の中心軸方向)に伸ばすことになる。その結果、例えば、推進薬の寸法の増大に伴い他の構造(例えば圧力容器)の寸法や重量が増加してしまう。
そこで、本発明の目的は、圧力容器の中心軸方向における推進薬の寸法を抑えつつ、推進薬において広い燃焼面積を得ることができる固体ロケットモータを提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明による固体ロケットモータは、
圧力容器と、
圧力容器の内部に配置され、圧力容器の中心軸を回る周方向に延びる推進薬と、を備え、
推進薬は、中心軸に近い側に配置された内側部と、内側部よりも中心軸から遠い側に配置された外側部とを含み、
内側部と外側部は、それぞれ、中心軸に対する径方向に互いに対向し燃焼面となる外周面と内周面を有し、
当該外周面と当該内周面との間には、両者を着火させるための隙間が存在している。
圧力容器と、
圧力容器の内部に配置され、圧力容器の中心軸を回る周方向に延びる推進薬と、を備え、
推進薬は、中心軸に近い側に配置された内側部と、内側部よりも中心軸から遠い側に配置された外側部とを含み、
内側部と外側部は、それぞれ、中心軸に対する径方向に互いに対向し燃焼面となる外周面と内周面を有し、
当該外周面と当該内周面との間には、両者を着火させるための隙間が存在している。
本発明によると、推進薬において、内側部の外周面と外側部の内周面との間に隙間が存在することで、当該外周面と当該内周面のうち、一方ではなく、両方が燃焼面となる。そのため、推進薬量の低下を補うために、推進薬を、その中心軸方向に伸ばす量を抑えることができる。よって、圧力容器の中心軸方向における推進薬の寸法を抑えつつ、推進薬において広い燃焼面積を得ることができる
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(固体ロケットモータの構成)
図1(A)は、本発明の実施形態による固体ロケットモータ10の構成を示す。図1(B)は、図1(A)のB−B断面図である。固体ロケットモータ10は、例えば、人工衛星を打ち上げるためのロケットのメインエンジン又はその補助ロケットブースター、ミサイル又はロケット弾の推進装置、あるいは、人工衛星又はミサイルに搭載される姿勢制御用スラスタとして用いられるものであってよい。
図1(A)は、本発明の実施形態による固体ロケットモータ10の構成を示す。図1(B)は、図1(A)のB−B断面図である。固体ロケットモータ10は、例えば、人工衛星を打ち上げるためのロケットのメインエンジン又はその補助ロケットブースター、ミサイル又はロケット弾の推進装置、あるいは、人工衛星又はミサイルに搭載される姿勢制御用スラスタとして用いられるものであってよい。
固体ロケットモータ10は、圧力容器1と、推進薬3と、隔膜5とを備える。なお、以下において、軸方向は、圧力容器1の中心軸Cと平行な方向を意味し、周方向は、中心軸Cを回る方向を意味し、径方向は、中心軸Cに対する径方向(すなわち、中心軸Cと直交する方向に中心軸Cから放射状に延びる方向)を意味する。
圧力容器1は、その内部に燃焼室1aを区画している。燃焼室1aは、例えば円柱形に形成されている。圧力容器1は、その前端側に位置し軸方向後方側(図1(A)の右側)を向く内端面1bと、周方向に延びる内周面1cとを含む。
推進薬3は、圧力容器1の内部に配置された固体推進薬である。推進薬3は、周方向に延びている。推進薬3は、中心軸Cに近い側に配置された内側部7と、内側部7よりも中心軸Cから遠い側に配置された外側部9とを含む。
内側部7と外側部9は、それぞれ、互いに径方向に対向し燃焼面となる外周面7bと内周面9aを有する。外周面7bと内周面9aとの間には、外周面7bと内周面9aを着火させるための隙間Sが存在している。隙間Sは、推進薬3の後端面3aにおいて開口している。図1の例では、内側部7と外側部9と隙間Sは、それぞれ、円筒形に形成されている。本実施形態では、内側部7と外側部9は、隙間Sを介して径方向に重なっている内側層7と外側層9である。
内側部7と外側部9は、同じ推進薬材料で形成されていてよい。この場合、内側部7の燃焼面7bの進行速度は、外側部9の燃焼面9aの進行速度と同じになる。燃焼面の進行速度とは、燃焼面(外周面7b又は内周面9a)を形成する部分が、燃焼されることにより燃焼ガスとなって消えていくことにより、新たな燃焼面が露出されるように燃焼面が径方向に進行していく速度を意味する。
隔膜5は、推進薬3を覆う。隔膜5は、互いに結合された内側膜部11と後側膜部13を含む。内側膜部11には、内側部7の内周面7aが取り付けられており、内側膜部11は、内側部7の内周面7aの全体を覆っている。内側膜部11は、軸方向前端が圧力容器1の内端面1bに結合され、この内端面1bから後方へ軸方向に延びている。図1の例では、内側膜部11は円筒形に形成されている。
内側膜部11は、断熱材により形成された断熱層11aと、該断熱層11aに結合された剛性部材11bとを含む。図1では、剛性部材11bは、断熱層11aの内部に配置された状態で断熱層11aに結合されている。断熱層11aを形成する断熱材は、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)であってよいが、これに限定されない。剛性部材11bの剛性は、断熱層11aの剛性よりも高い。剛性部材11bは、金属(例えばステンレス鋼)により形成されたものであってよいが、これに限定されない。
剛性部材11bを介して、内側部7は圧力容器1に支持されている。剛性部材11bは、軸方向前端が圧力容器1の内端面1bに結合され、この内端面1bから後方へ(例えば内側部7の後端部まで)軸方向に延びている。なお、外側部9は、その外周面9bが圧力容器1の内周面1cに結合されていることにより、圧力容器1に直接支持される。
後側膜部13は、推進薬3の後端面3aに沿って延びており、圧力容器1に取り付けられている。また、後側膜部13は、推進薬3の後端面3aの全体、及び、内側部7と外側部9との隙間Sを覆っている。後側膜部13は、径方向内端が内側膜部11の後端に結合され、径方向外端が圧力容器1の内周面1cに結合され、内側膜部11の後端から圧力容器1の内周面1cまで径方向に延びている。
後側膜部13は、断熱材により形成されている。この断熱材は、EPDMであってよいが、これに限定されない。後側膜部13は、内側膜部11の断熱層11aと同じ断熱材で形成され、断熱層11aと一体化されていてよい。後側膜部13は、軸方向に隙間Sに対向し該隙間Sを閉じる脆弱部13aを含む。例えば、この脆弱部13aは、軸方向から見た場合に環状であり、円筒形の隙間Sを軸方向に覆う。脆弱部13aは、後側膜部13における他の部分よりも強度が低い。例えば、脆弱部13aは、後側膜部13において、他の部分よりも厚みが小さい部分、ノッチが施工された部分、又は、内部に配置した補強材の継ぎ目が存在する部分であってよい。
上述した推進薬3を前方側推進薬3として、固体ロケットモータ10は、更に後方側推進薬15を備えてよい。後方側推進薬15は、前方側推進薬3よりも後方において、圧力容器1の内部に配置された固体推進薬である。後方側推進薬15は、周方向に延びるとともに軸方向にも延びている。例えば、後方側推進薬15は、円筒形に形成されている。後方側推進薬15の外周面は、圧力容器1の内周面1cに取り付けられていることにより、圧力容器1に直接支持されてよい。
また、固体ロケットモータ10は、後方側推進薬15を点火する第1点火装置17と、前方側推進薬3を点火する第2点火装置19と、ノズル21を備える。第1点火装置17は、圧力容器1に取り付けられ、後方側推進薬15を点火する。第2点火装置19は、圧力容器1に取り付けられ、前方側推進薬3を点火する。第2点火装置19は、隙間Sに配置され、隙間Sを通して外周面7bと内周面9aを着火させる。ノズル21は、圧力容器1の後端に結合され、前方側推進薬3と後方側推進薬15の燃焼ガスを、固体ロケットモータ10の外部へ噴出して推力を発生させる。
(固体ロケットモータの動作)
上述した本実施形態による固体ロケットモータ10は、次のように動作する。固体ロケットモータ10の使用時に、最初に、第1点火装置17により後方側推進薬15が点火される。これにより、後方側推進薬15が燃焼させられ、その燃焼ガスがノズル21を通して固体ロケットモータ10の外部へ噴出される。
上述した本実施形態による固体ロケットモータ10は、次のように動作する。固体ロケットモータ10の使用時に、最初に、第1点火装置17により後方側推進薬15が点火される。これにより、後方側推進薬15が燃焼させられ、その燃焼ガスがノズル21を通して固体ロケットモータ10の外部へ噴出される。
後方側推進薬15の燃焼が終了したら、第2点火装置19により前方側推進薬3が点火されることにより、前方側推進薬3の燃焼が開始される。この時、内側部7の外周面7bと外側部9の内周面9aが着火されることにより、これら外周面7bと内周面9aが燃焼面になる。これにより、隙間Sに発生した燃焼ガスの圧力で、隔膜5の脆弱部13aが破壊され、後側膜部13において脆弱部13aの箇所に穴が形成され、前方側推進薬3の燃焼ガスは、隔膜5の当該穴を通して後方へ流れ、更にノズル21を通して固体ロケットモータ10の外部へ噴出される。
(本実施形態による効果)
推進薬3において、内側部7の外周面7bと外側部9の内周面9aの両方が燃焼面となるので、広い燃焼面積を得ることができる。例えば、1つの円筒形推進薬をその内周面から燃焼させる場合と比べて、同じ軸方向寸法を有する上述の推進薬3では、およそ2倍の燃焼面積を得ることができる。
推進薬3において、内側部7の外周面7bと外側部9の内周面9aの両方が燃焼面となるので、広い燃焼面積を得ることができる。例えば、1つの円筒形推進薬をその内周面から燃焼させる場合と比べて、同じ軸方向寸法を有する上述の推進薬3では、およそ2倍の燃焼面積を得ることができる。
図2は、前方側推進薬3の燃焼による圧力プロファイルの一例を示す概念図である。図2において、横軸は、経過時間を示し、縦軸は、圧力容器1の燃焼室1aの圧力を示す。
前方側推進薬3の内側部7と外側部9が、円筒形であり、同じ軸方向寸法Lを有し、燃焼面7b,9aが同じ進行速度Δrを有する場合には、前方側推進薬3により、次のように図2の実線で示すような矩形の圧力プロファイルが実現される。
第2点火装置19の点火により、内側部7は外周面7bから径方向内側へ燃焼されていき、外側部9は内周面9aから径方向外側へ燃焼されていく。内側部7における燃焼面(外周面7b)の進行速度Δrは、外側部9における燃焼面(内周面9a)の進行速度Δrと同じであるので、内側部7の燃焼面の面積の減少速度(2πΔrL)は、外側部9の燃焼面の面積の増加速度(2πΔrL)と同じになる。したがって、内側部7の燃焼面7bの面積と外側部9の燃焼面9aの面積の合計は、各燃焼面が進行しても変化しない。したがって、前方側推進薬3の燃焼による圧力プロファイルは、図2の実線で示すように矩形になる。
一方、図2の実線の矩形プロファイルと同等の推力を得るために、1つの円筒形の推進薬をその内周面から燃焼させ、且つ、燃焼による圧力の最大値を上記矩形の圧力プロファイルの最大値と同じにする場合、図2の破線で示すような圧力プロファイルとなる。図2の破線のプロファイルは、矩形プロファイルよりも燃焼時間が長くなる。したがって、矩形プロファイルの場合には、燃焼時間を短縮できるので、長い燃焼時間を考慮した耐熱性能や耐圧性能を圧力容器1に与えることが不要になり、余分な耐熱材等も不要となる。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1〜3のいずれかを単独で採用してもよいし、変更例1〜3の2つ以上を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で述べない点は、上述と同じである。
(変更例1)
上述では、内側部7と外側部9は、同じ推進薬材料で形成されていたが、互いに異なる推進薬材料で形成されていてもよい。例えば、内側部7を形成する推進薬材料と、外側部9を形成する推進薬材料とは、燃焼面の進行速度は同じになるが、性能(例えば、単位時間あたりの燃焼ガスの発生量)が異なっていてよい。このように異なる推進薬材料の組み合わせにより、図2の実線による矩形プロファイルにおける高さ(圧力)を調整することができる。
上述では、内側部7と外側部9は、同じ推進薬材料で形成されていたが、互いに異なる推進薬材料で形成されていてもよい。例えば、内側部7を形成する推進薬材料と、外側部9を形成する推進薬材料とは、燃焼面の進行速度は同じになるが、性能(例えば、単位時間あたりの燃焼ガスの発生量)が異なっていてよい。このように異なる推進薬材料の組み合わせにより、図2の実線による矩形プロファイルにおける高さ(圧力)を調整することができる。
別の例では、内側部7を形成する推進薬材料と、外側部9を形成する推進薬材料とでは、燃焼面の進行速度が異なる。これにより、推進薬3の燃焼による圧力プロファイルを、矩形から変化させることができる。
このように、内側部7と外側部9の推進薬材料の組み合わせを変えることにより、圧力プロファイルを調整することができる。
(変更例2)
固体ロケットモータ10は、図1ではパルスロケットモータであるが、パルスロケットモータでなくてもよい。例えば、図3に示すように、上述した後方側推進薬15と第1点火装置17と隔膜5は省略されてもよい。この場合、図3のように、内側部7は、内周面7aを有さず、中心軸C上の部分も中実に形成されてよい。
固体ロケットモータ10は、図1ではパルスロケットモータであるが、パルスロケットモータでなくてもよい。例えば、図3に示すように、上述した後方側推進薬15と第1点火装置17と隔膜5は省略されてもよい。この場合、図3のように、内側部7は、内周面7aを有さず、中心軸C上の部分も中実に形成されてよい。
(変更例3)
推進薬3は、上述した内側部7と外側部9に加えて、外側層9としての外側部9の径方向外側に1つ又は複数の追加層を有していてもよい。図4は、1つの追加層23が設けられた場合の固体ロケットモータ10を示す。
推進薬3は、上述した内側部7と外側部9に加えて、外側層9としての外側部9の径方向外側に1つ又は複数の追加層を有していてもよい。図4は、1つの追加層23が設けられた場合の固体ロケットモータ10を示す。
図4において、追加層23と外側層9との間には、隙間Sが形成されている。追加層23と当該隙間Sは、円筒形に形成されてよい。後側膜部13において、内側部7と外側層9との間の隙間Sに軸方向に対向する箇所と、外側層9と追加層23との間の隙間Sに軸方向に対向する箇所に、脆弱部13aが設けられている。また、各隙間Sには、第2点火装置19が配置されてよい。
図4では、追加層23は、その外周面が圧力容器1の内周面1cに取り付けられることにより内周面1cに支持される。径方向の中間に位置する外側層9は、その内部において外側層9の径方向中央に配置された補強部材25に支持される。補強部材25は、円筒形に形成されてよく、その前端部が圧力容器1の内端面1bに結合されている。補強部材25は、推進薬3の燃焼により燃え尽きなくてよく、例えば、剛性部材11bと同じ材料で形成されていてよい。
このような構成で、内側部7の外周面7bと、外側層9の内周面9a及び外周面9bと、追加層23の内周面が、第2点火装置19により着火されて燃焼面になるので、推進薬3の燃焼面積を更に増やすことができる。
複数の追加層が設けられる場合には、すなわち、図4において追加層23よりも径方向外側に更に1つ以上の追加層が設けられる場合には、以下のように構成されてよい。
径方向に隣接する追加層(例えば追加層23と別の追加層)同士の間には、隙間Sが形成される。後側膜部13において、当該隙間Sを含む各隙間Sに軸方向に対向する箇所に、脆弱部13aが設けられる。当該各隙間Sには、第2点火装置19が配置されてよい。
径方向において最も外側に位置する追加層は、その外周面が圧力容器1の内周面1cに取り付けられることにより内周面1cに支持される。径方向の中間に位置する追加層(例えば追加層23)は、その内部において当該追加層の径方向中央に配置された補強部材に支持される。当該補強部材は、円筒形に形成されてよく、その前端部が圧力容器の内端面1bに結合されている。
他の点は図4の場合と同じであってよい。このような構成で、内側部7の外周面7bと、外側層9の内周面9a及び外周面9bと、径方向の中間に位置する追加層(例えば追加層23)の内周面及び外周面と、径方向において最も外側に位置する追加層の内周面が、第2点火装置19により着火されて燃焼面になるので、推進薬3の燃焼面積を更に増やすことができる。
1 圧力容器、1a 燃焼室、1b 内端面、1c 内周面、3 推進薬(前方側推進薬)、3a 後端面、5 隔膜、7 内側部(内側層)、7a 内周面、7b 外周面(燃焼面)、9 外側部(外側層)、9a 内周面(燃焼面)、9b 外周面、10 固体ロケットモータ、11 内側膜部、11a 断熱層、11b 剛性部材、13 後側膜部、13a 脆弱部、13b 穴、15 後方側推進薬、17 第1点火装置、19 第2点火装置、21 ノズル、23 追加層、25 補強部材、C 中心軸、S 隙間
Claims (7)
- 圧力容器と、
該圧力容器の内部に配置され、前記圧力容器の中心軸を回る周方向に延びる推進薬と、を備え、
前記推進薬は、前記中心軸に近い側に配置された内側部と、該内側部よりも前記中心軸から遠い側に配置された外側部とを含み、
前記内側部と前記外側部は、それぞれ、前記中心軸に対する径方向に互いに対向し燃焼面となる外周面と内周面を有し、
前記外周面と前記内周面との間には、両者を着火させるための隙間が存在している、固体ロケットモータ。 - 前記推進薬を覆う隔膜を備え、
前記隔膜は、前記内側部の内周面が取り付けられた内側膜部を含み、該内側膜部は、前記内側部の前記内周面を覆い、
該内側膜部は、
断熱材により形成された断熱層と、
該断熱層に結合され、該断熱層よりも剛性が高い剛性部材とを含み、
前記内側部は、前記剛性部材を介して前記圧力容器に支持されている、請求項1に記載の固体ロケットモータ。 - 前記隔膜は、前記推進薬の後端面を覆う後側膜部を含み、
該後側膜部は、断熱材により形成されており、
前記後側膜部は、前記中心軸と平行な軸方向に前記隙間に対向し該隙間を閉じる脆弱部を含み、
該脆弱部は、前記後側膜部における他の部分よりも強度が低い、請求項2に記載の固体ロケットモータ。 - 前記内側部と前記外側部は、同じ推進薬材料で形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体ロケットモータ。
- 前記内側部と前記外側部は、互いに異なる推進薬材料で形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体ロケットモータ。
- 前記内側部と前記外側部は、円筒形に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体ロケットモータ。
- 前記推進薬を前方側推進薬として、該前方側推進薬よりも後方において、前記圧力容器の内部に配置された後方側推進薬を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体ロケットモータ。
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A02 | Decision of refusal |
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