JP6290649B2 - 優れた植物病害防除効果を有する菌類用抗菌剤 - Google Patents

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Description

本発明は、シアノアクリレートナノ粒子を有効成分とする、植物病害防除効果に優れた菌類用の抗菌剤に関する。
糸状菌、細菌、ウイルス等の病原微生物による農園芸作物の病害はしばしば農業上深刻な問題となっている。特に、糸状菌による病害は植物病害のおよそ8割を占めており、植物病害の防除において最も重要視されている。各種病原微生物に対する防除剤が種々開発されているが、効果の高い薬剤は環境への負荷が小さくないことが多い。また、同一種類の防除剤の施用を繰り返すことで病原微生物が耐性を獲得してしまうことがあり、防除剤の使用が制限されることもある。人畜・魚類・鳥類に対する毒性がより低く、環境への負荷がより小さく、かつ効果も高い防除剤が常に求められている。
一方、主としてヒトの医薬に応用すべく、薬物のデリバリーシステム(DDS)や徐放化による薬物の効果向上を目的に、薬剤の微粒子化の研究が進んでおり、例えばシアノアクリレートポリマー粒子に薬剤を抱合させたDDSが公知である(特許文献1、2及び非特許文献1)。本願発明者らも、現在までに、粒径のばらつきが少ないシアノアクリレートポリマー粒子の製造方法、抗菌剤抱合粒子、及びプラスミド抱合粒子を開示している(特許文献3〜5)。従来のポリマー粒子合成法では、シアノアクリレートのアニオン重合反応の開始及び安定化の目的で、重合反応系内に糖類やポリソルベートを共存させる。これらの過去の研究は、薬物のDDSと徐放化が目的であった。
その後、本願発明者は、シアノアクリレートポリマー粒子そのものにグラム陽性細菌に対する抗菌活性があることを見出した(特許文献6)。さらに、アミノ酸を抱合したシアノアクリレートポリマー粒子が抗がん活性を有するほか、グラム染色性を問わず各種の細菌に対し抗菌力を発揮できることを見出した(特許文献7〜9)。ナノサイズのポリマー粒子は、細菌表面に特異的に接着し、細菌を溶菌に導く。シアノアクリレートナノ粒子は、抗生物質とは全く異なる作用機序で抗菌活性を発揮し、MRSAやVRE等の多剤耐性菌に対しても有効である。
しかしながら、シアノアクリレートナノ粒子の菌類に対する抗菌活性は知られていない。
特表平11−503148号公報 特表2002−504526号公報 特開2008−127538号公報 国際公開第2008/126846号公報 特開2008−208070号公報 国際公開第2009/084494号公報 国際公開第2010/101178号公報 国際公開第2012/133648号公報 国際公開第2013/108871号公報
Christine Vauthier et al., Adv. Drug Deliv. Rev., 55, 519-548 (2003)
本発明の目的は、病原真菌や植物病原糸状菌を包含する各種の菌類に対して有効な新規な抗菌手段を提供することにある。
本願発明者は、鋭意研究の結果、ナノサイズのシアノアクリレートポリマー粒子が菌類に対しても抗菌作用を発揮できることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、アスパラギン酸、グリシン及びデキストランからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、菌類に対する抗菌活性成分を含まず、かつ、平均粒径が1000nm未満であるシアノアクリレートポリマー粒子を有効成分として含有する、植物病原糸状菌に対する抗菌剤を提供する。また、本発明は、アスパラギン酸、グリシン及びデキストランからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、菌類に対する抗菌活性成分を含まず、かつ、平均粒径が1000nm未満であるシアノアクリレートポリマー粒子を有効成分として含有する、菌類に対する抗菌剤であって、前記菌類が、Alternaria属菌、Aspergillus属菌、Botrytis属菌、Cladosporium属菌、Cryptococcus属菌、Diaporthe属菌、Fusarium属菌、Magnaporthe属菌、Paecilomyces属菌、及びPenicillium属菌からなる群より選択される少なくとも1種の真菌又は糸状菌である、抗菌剤を提供する。

本発明により、シアノアクリレートナノ粒子を用いて菌類を抗菌する新規な抗菌剤が提供された。本発明の抗菌剤は、既存の抗生物質とは全く異なる新規な抗菌剤であるため、新たな耐性菌を生じるおそれがなく、また既存の抗生物質に耐性を有する菌が出現した場合でも使用可能である。本発明で用いるナノ粒子は特許文献8、9等に開示されている方法により製造できるが、そのようにして製造されたナノ粒子は正常な哺乳動物細胞を障害せず、in vivo毒性もないことが知られている(特許文献8、9参照)。従って、本発明の抗菌剤は、人畜・魚類・鳥類への毒性の不安がなく、環境への負荷が少ない。菌類による病害は特に農園芸分野において発生が多く、糸状菌による病害が植物病害のおよそ8割を占めているが、環境への負荷が少ない本発明の抗菌剤は糸状菌による植物病害の防除にも極めて有用である。
Aspergillus fumigatusに対するAsp(アスパラギン酸)含有ナノ粒子の抗菌活性(菌糸伸長の抑制)を調べた結果である。上段には37℃、48時間インキュベート後の代表的な画像を示した。下段はインキュベート24時間後及び48時間後のコロニーの直径の測定値である。 A. fumigatus、A. niger及びA. oryzaeに対するAsp含有ナノ粒子の抗菌活性(菌糸伸長の抑制)を調べた結果である。左には図示した温度で48時間インキュベート後の代表的な画像を示した。右のグラフはインキュベート48時間後のコロニーの直径の測定値である。 A. fumigatusに対するAsp含有ナノ粒子の抗菌活性(胞子発芽の抑制)を調べた結果である。ナノ粒子処理した胞子は7時間後も発芽が認められなかった。 Cryptococcus neoformansに対するAsp含有ナノ粒子の抗菌活性(コロニー形成及び生育の抑制)を調べた結果である。上段には30℃、90時間インキュベート後の代表的な画像を示した。下段はインキュベート90時間後に確認されたコロニー数のグラフである。 Fusarium oxysporum及びFusarium solaniに対するAsp含有ナノ粒子の抗菌活性(菌糸伸長の抑制)を調べた結果である。30℃、42時間インキュベート後の代表的な画像を示した。 Magnaporthe oryzae及びAlternaria alternataに対するAsp含有ナノ粒子の抗菌活性(菌糸伸長の抑制)を調べた結果である。25℃、72時間インキュベート後の代表的な画像を示した。 Botrytis cinereaに対するAsp含有ナノ粒子の抗菌活性(菌糸伸長の抑制)を調べた結果である。25℃、48時間インキュベート後の代表的な画像を示した。 Aspナノ粒子コロイド水溶液をカンキツ品種「せとか」の幼子実に噴霧してから6か月後の子実の写真である。
本発明の抗菌剤は、菌類に対して用いられる抗菌剤であり、シアノアクリレートモノマーをアニオン重合して得られるナノサイズ(平均粒径1000 nm未満)のポリマー粒子を有効成分とする。アニオン重合の重合開始及び安定化には、糖及びポリソルベートの他、アミノ酸、アミノ酸誘導体、それらのオリゴマー及びポリマー(以下、これらを総称して「アミノ酸系分子」ということがある)を用いることができる。これらの重合開始・安定剤は、いずれか1種のみを使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。すなわち、本発明で用いるナノ粒子は、アミノ酸、アミノ酸誘導体、それらのオリゴマー及びポリマー、糖並びにポリソルベートからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粒子である。
糖及び/又はポリソルベートを重合開始・安定剤として用いるナノ粒子製造法は、特許文献3、特許文献4(抗菌剤抱合粒子)、特許文献5(プラスミド抱合粒子)等に記載され公知である。アミノ酸系分子を重合開始・安定剤として用いるナノ粒子製造法は、特許文献8、9(アミノ酸系分子の単独使用)等に記載され公知である。また、特許文献7には、アミノ酸と糖類・ポリソルベートを併用する製造法が記載されている。
本発明において、「アミノ酸」とは、分子内にアミノ基とカルボキシ基とを持つ化合物をいい、一般的なアミノ酸の定義の通り、アミノ基の水素が分子内の他の部分と置換して二級アミンとなった環状化合物であるイミノ酸も包含する。本発明で使用できるアミノ酸の代表的な例としては、天然のタンパク質を構成する20種のα−アミノ酸が挙げられるが、これらに限定されず、β−、γ−及びδ−アミノ酸系分子も包含される。具体例を挙げると、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、グリシン、ロイシン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、シスチン又はシステイン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、メチオニン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸(GABA;神経伝達物質)、カルニチン、γ−アミノレブリン酸、γ−アミノ吉草酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アミノ酸誘導体」とは、上記定義によるアミノ酸においていずれかの基が修飾又は置換された構造を有する化合物をいう。生物体成分として天然に存在するアミノ酸誘導体は、通常、本発明で好ましく使用することができる。使用可能なアミノ酸誘導体の具体例を挙げると、クレアチン(アルギニン誘導体で1-メチルグアニジノ酢酸)、オルニチン(アルギニン誘導体で尿素サイクル産物)、サイロキシン(芳香族アミノ酸類であるトリヨウドサイロニン;T4)、デスモシン(角質エラスチンやコラーゲンの構成成分;3分子のアリシンの側鎖と1分子のリシンの側鎖が結合した構造)、ヒドロキシプロリン及びヒドロキシリジン(ゼラチンやコラーゲン構成成分)、ホスホセリン(セリンとリン酸のエステル;カゼイン構成成分)、テアニン(茶成分、グルタミン酸誘導体)、カイニン酸(海人草の虫下し成分)、トリコロミン酸(シメジの成分)やサルコシン(卵黄・ハム・豆類成分;Nメチルグリシン)等が挙げられるが、これらに限定されない。
アミノ酸の「オリゴマー」とは、10個以下のアミノ酸残基がペプチド結合により結合したオリゴペプチドをいい、アミノ酸の「ポリマー」とは、11個以上のアミノ酸残基がペプチド結合により結合したポリペプチドをいう。いずれも、アミノ酸だけではなくアミノ酸誘導体を残基として含んでいてよい。ポリペプチドの残基数の上限は特に限定されないが、例えば500残基以下であり得る。ポリペプチドとしては、11〜100残基、11〜50残基、11〜30残基、11〜20残基、あるいは11〜15残基のものが好ましく用いられ得る。
オリゴペプチドはポリペプチドよりも好ましく用いられ得る。中でも、2〜7残基、2〜5残基、あるいは2又は3残基のオリゴペプチドがより好ましく用いられ得る。
上記した特許文献8〜9に記載されている通り、天然のタンパク質を構成する20種のα−アミノ酸(すなわち、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、グリシン、ロイシン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、シスチン又はシステイン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、メチオニン)のいずれでも、糖類やポリソルベートを使用しない条件でナノサイズ(1000nm未満)のシアノアクリレートポリマー粒子を合成できる。中性・酸性・塩基性アミノ酸のいずれでも、そして直鎖・芳香族・イミノ・含硫黄構造のいずれでも、糖類もポリソルベートも使用せずにナノ粒子を製造できることが示されている。従って、20種のα−アミノ酸のみならず、上記したその他のアミノ酸及びアミノ酸誘導体もナノ粒子合成に使用することができるし、また、オリゴペプチドやポリペプチドも分子内にアミノ酸構造を有するので、やはりナノ粒子合成に使用することができる。
「糖」には、水酸基を有する単糖類(例えばグルコース、マンノース、リボース及びフルクトース等)、水酸基を有する二糖類(例えばマルトース、トレハロース、ラクトース及びスクロース等)及び水酸基を有する多糖類(例えばデキストランやマンナン等)が包含される。これらの糖は、環状、鎖状のいずれの形態であってもよく、また、環状の場合、ピラノース型やフラノース型等のいずれであってもよい。また、糖には種々の異性体が存在するがそれらのいずれでもよい。
「ポリソルベート」には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(商品名 Tween 20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(商品名 Tween 80)等の各種のTween系界面活性剤が包含される。
単糖類、二糖類及び多糖類並びにポリソルベートは、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記した糖及びポリソルベートのうち、グルコース、デキストラン、Tween 20(商品名)が安価に入手できコスト面で有利である。デキストランとしては、平均分子量5万程度以上の重合度であるデキストランが好ましい。デキストランの分子量の上限は特にないが、通常、分子量50万程度以下である。
シアノアクリレートモノマーとしては、アルキルシアノアクリレートモノマーが好ましい。アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは3〜5であり、直鎖でも分岐でもよい。またアルキル基を構成する炭素原子の少なくとも1つがハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)で置き換わっていてもよい。好ましいシアノアクリレートモノマーの具体例としては、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、n−プロピル−2−シアノアクリレート、i−プロピル−2−シアノアクリレート、n−ブチル−2−シアノアクリレート、i-ブチル-2-シアノアクリレート、n-ペンチル-2-シアノアクリレート、n−ヘキシル-2-シアノアクリレート、n−ヘプチル-2-シアノアクリレート、n-オクチル-2-シアノアクリレート等を挙げることができる。これらの中でも特に、外科領域において傷口の縫合のための接着剤として用いられている、下記式で表されるn-ブチル-2-シアノアクリレート(nBCA)を好ましく用いることができる。
Figure 0006290649
ナノ粒子の製造工程では、適当な溶媒中に少なくとも1種の重合開始・安定剤を溶解させた後、撹拌下にて少なくとも1種のシアノアクリレートモノマーを加え、適宜撹拌を続けて重合反応を進行させればよい。シアノアクリレートモノマーは、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
重合開始・安定剤として糖及び/又はポリソルベートを使用する場合、反応開始時の重合反応液中の糖及び/又はポリソルベートの濃度(複数種類用いる場合はその合計濃度)は、特に限定されないが、通常、0.5%〜10%程度、好ましくは0.75%〜7.5%程度である。なお、糖の濃度はw/v%、ポリソルベートの濃度はv/v%を意味し、例えば糖を単独で用いる場合には、上記した濃度範囲はそれぞれ「0.5w/v%〜10w/v%」、「0.75w/v%〜7.5w/v%」を意味する。また、糖を5w/v%、ポリソルベートを1v/v%で併せて用いる場合には、これらの合計濃度を6%というものとする。ただし、単糖類(例えばグルコース)のみを用いる場合には、2.5w/v%〜10w/v%程度で用いることが好ましい。
重合開始・安定剤としてアミノ酸系分子を使用する場合、反応開始時の重合反応液中のアミノ酸系分子の濃度(複数種類用いる場合はその合計濃度)は、特に限定されないが、通常0.1w/v%〜3w/v%程度である。糖及び/又はポリソルベートと併用する場合、アミノ酸系分子の使用濃度はこれより低い濃度であっても差し支えない。
重合反応の溶媒としては、水を主体とする水性溶媒(例えば水、低級アルコール水溶液など)を使用することができ、アミノ酸系分子含有粒子の製造の場合は、通常、水が好ましく用いられる。アニオン重合は水酸イオンにより開始されるので、反応液のpHは重合速度に影響する。反応液のpHが高い場合には、水酸イオンの濃度が高くなるので重合が速く、pHが低い場合には重合が遅くなる。アミノ酸系分子含有粒子を製造する場合には、通常、pHが1.5〜3.0程度の酸性下で適度な重合速度が得られる。反応液を酸性にするために添加する酸としては、特に限定されないが、反応に悪影響を与えず、反応後に揮散する塩酸を好ましく用いることができる。塩酸の濃度は、特に限定されないが、0.0005N〜0.5N程度の範囲で適宜選択可能である。
反応開始時の重合反応液中のシアノアクリレートモノマーの濃度は、特に限定されないが、通常、0.5v/v%〜2.0v/v%程度、好ましくは0.8v/v%〜1.2v/v%程度である。
反応温度は、特に限定されないが、室温で行なうことが簡便で好ましい。反応時間は、反応液のpH、溶媒の種類等に応じて反応速度が異なるため、これらの要素に応じて適宜選択される。特に限定されないが、通常、反応時間は10分〜5時間程度、好ましくは30分〜4時間程度である。得られたアミノ酸系分子含有粒子は、通常、中性の粒子として用いられるので、反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基を反応液に添加して中和することが好ましい。反応終了後の反応液をフィルター濾過し、適宜滅菌水で洗浄して粒子を回収すればよい。
上記の方法によれば、平均粒径が1000nm未満であるナノサイズのシアノアクリレートポリマー粒子を容易に製造することができる。粒子サイズの下限は特に限定されないが、上記の重合反応で製造される粒子の粒径は通常7nm程度以上となる。好ましくは、粒子の平均粒径は20nm〜600nm、より好ましくは50nm〜550nmである。粒子のサイズは、反応液中のシアノアクリレートモノマーの濃度やpH、反応時間を調節することによって調節することができる。また、重合開始・安定剤として糖及びポリソルベートから選択される少なくとも1種を用いる場合には、該重合開始・安定剤の濃度や種類を変えることによっても、粒子サイズを調節することができる(特許文献3、4等参照)。一般に、反応液のpHを高めた場合、反応時間を長くした場合、及び反応液の糖濃度を低くした場合には粒子サイズが大きくなり、重合開始・安定剤としてポリソルベートを用いた場合には粒子サイズが小さくなる。これらの反応条件を適宜組み合わせることで、所望のサイズの粒子を製造することができる。
ナノ粒子の電荷(ゼータ電位)は、特に限定されないが、通常-50mV〜0mV程度である。ゼータ電位とは、粒子表面の電荷を示すもので、粒子の分散性の指標となる。粒子サイズとゼータ電位は、例えばHe・Neレーザーを用いた市販の装置(例えばMalvern Inst.UK社製のゼータサイザー等)を用いて容易に測定することができる。
アミノ酸系分子を重合開始・安定剤として用いて製造されたナノ粒子では、アミノ酸系分子が単に粒子に付着して含有されるのみならず、アミノ酸構造中の-COO基がシアノアクリレートのエチレン末端の炭素に結合し、共有結合により粒子に含有されていると考えられる。共有結合によりポリマー部分に結合しているアミノ酸系分子の官能基を利用すれば、ナノ粒子を所望の資材に共有結合により固定化することができる。なお、上記方法で得られる粒子のアミノ酸系分子の含有率は、通常約20%〜約65%程度である。アミノ酸系分子の含有率は、重合後にフィルター洗浄したときのフィルター通過液の吸光度を適当な波長で測定し、フィルター通過液中のアミノ酸系分子の量(すなわち粒子に結合しなかったアミノ酸系分子の量)を吸光度法により求めた後、下記の式によって算出することができる。
アミノ酸系分子含有量=(アミノ酸系分子添加量)−(フィルター通過液中のアミノ酸系分子の量)
アミノ酸系分子含有率(%)=アミノ酸系分子含有量÷アミノ酸系分子添加量×100
本発明の抗菌剤は、菌類の胞子の発芽やコロニーの生育、菌糸の伸長を阻害する効果を有する。対象となる菌類は特に限定されず、各種の真菌及び糸状菌が包含される。例えば、ヒトを含む動物に感染して感染症を生じる真菌や、植物に感染して病害を生じる糸状菌に対して本発明の抗菌剤を好ましく用いることができる。具体例として、Alternaria属菌、Aspergillus属菌、Botrytis属菌、Cladosporium属菌、Cryptococcus属菌、Diaporthe属菌、Fusarium属菌、Magnaporthe属菌、Paecilomyces属菌、Penicillium属菌等を挙げることができるが、対象となる菌類はこれらに限定されない。
本発明で用いるナノ粒子は、抗菌対象となる菌類に対する抗菌活性成分を含まない。「抗菌活性成分」とは、菌類の代謝経路ないしは生理機能に生化学的に作用して該菌類の発育を阻止することができる化学物質成分をいい、具体的には、対象の菌類の抗菌に利用可能な抗生物質その他の化学物質成分を言う。ナノ粒子は、抗菌活性成分を全く含まない粒子に限定されず、その抗菌活性成分に対し感受性である菌類を抗菌することができない程度の微量にしか該抗菌活性成分を含んでいない粒子も、本発明で使用可能な「抗菌対象となる菌類に対する抗菌活性成分を含まない」ナノ粒子に包含される。「抗菌することができない程度の微量」とは、粒子単位体積当たりに含まれる粒子中の抗菌活性成分量を粒子中の含有濃度と定義し、この含有濃度と同濃度の抗菌活性成分を粒子に含有させず単独で感受性菌類に作用させた場合に、該感受性菌類の発育(菌体の増殖、あるいは菌糸の発育)を阻止できない量のことを意味する。本発明で用いられるナノ粒子は、抗生物質等の抗菌活性成分を全く含まない粒子であり得る。
ナノサイズのシアノアクリレートポリマー粒子が菌類に対して抗菌活性を発揮できる原理の詳細は不明であり、本発明の範囲は理論に拘束されるものではないが、以下のことが推察される。ナノ粒子は菌類の外壁や胞子の外膜に特異的に接合し、外壁あるいは外膜の機能に対して局部的な障害を与えて、菌糸の成長や胞子の発芽を抑制すると考えられる。
粒子合成の際に使用する重合開始・安定剤の種類(すなわち、粒子に含ませる重合開始・安定剤の種類)の選択により、菌類に対するナノ粒子の抗菌活性の強弱及び抗菌スペクトルを調整することができる。特に広い抗菌スペクトルを付与できる重合開始・安定剤の例として、アスパラギン酸を挙げることができる。グリシン含有ナノ粒子は、Alternaria属菌、Aspergillus terreus、Cladosporium属菌、Fusarium属菌、Paecilomyces属菌、及びPenicillium pinophilumに対して良好な抗菌活性を発揮し得る。デキストラン含有ナノ粒子は、Alternaria属菌、Aspergillus terreus、Cladosporium属菌、Fusarium属菌、Paecilomyces属菌、及びPenicillium属菌に対して良好な抗菌活性を発揮し得る。
また、本願の抗菌剤が特に効果を奏する菌類として、Alternaria属菌、Cladosporium属菌、Fusarium属菌、Paecilomyces属菌、Penicillium属菌を挙げることができる。これらの菌類に対しては、重合開始・安定剤の種類によらず、いずれのナノ粒子でも非常に高い抗菌活性を発揮できる。
本発明の抗菌剤は、ナノ粒子のみからなっていてもよいし、適当な溶媒中にナノ粒子を分散させた形態であってもよい。例えば、本発明の抗菌剤は、凍結乾燥した粒子の形態で、又は一般に使用される濃度よりも高い濃度で若しくは使用時の濃度でナノ粒子を含有する粒子分散液の形態で提供され得る。医薬として用いる場合には、賦形剤や希釈剤等の公知の担体をさらに含有させて投与形態に適した剤形に調製することもできる。抗菌剤は、単一種類のナノ粒子のみを含んでいてもよいし、また2種類以上のナノ粒子(すなわち、異なる重合開始・安定剤を含有する複数種類のナノ粒子)を含んでいてもよい。
本発明の抗菌剤をヒトの菌類感染症の治療や予防に用いる場合、投与量は、特に限定されないが、粒子をヒト成人(体重60kg程度)に対し1回当たり通常0.1g〜10g程度、例えば0.5g〜5g程度投与すればよい。ヒト以外の動物や魚類等に用いる場合は上記に準じた量を投与すればよい。
粒子の投与方法としては、皮下、筋肉内、腹腔内、動脈内、静脈内、直腸内等への非経口投与の他、経口投与が挙げられる。具体的には、例えば、生理緩衝食塩水にナノ粒子を懸濁し、注射等により非経口投与することができ、また、カプセル剤やシロップ剤などとして経口投与することができる。全身投与の他、経皮パッチや軟膏等による局所適用も可能である。家畜、家禽や養殖魚に投与する場合は、飼料に添加して経口投与することができる。医療器具等の殺菌に用いる場合には、例えば、水やアルコール溶媒等に粒子を分散させ、これに医療器具等を浸漬すればよい。ナノ粒子を生体に投与又は器具類等と接触させることにより、抗菌すべき菌類と該粒子を接触させることで、菌類を抗菌することができる。
本発明の抗菌剤は、糸状菌による植物病害の防除剤として特に有用である。栽培中の植物に対して施用するほか、植物病原糸状菌に汚染された又はそのおそれのある農機具類・家庭用園芸器具類の殺菌洗浄に用いることができる。植物への施用量は、病害の発生の程度に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば0.01g〜1g程度、又は0.001%〜1%程度の濃度の粒子分散液を、植物体(根、茎、葉、果実、花などの、植物個体のあらゆる部位を包含する)、土壌、鉢土、又は苗箱等に散布すればよい。粒子分散液に種子を浸漬し、種子消毒を行なうこともできる。農器具類の殺菌には、適当な濃度、例えば上記した程度の濃度で水又はアルコール溶媒等に粒子を分散させ、これに農機具類を浸漬するか、又は農機具類に散布すればよい。アミノ酸等含有粒子の抗菌活性の強さ(MIC値及びMBC値)は、植物病原細菌の種類に応じても異なり得るが、概ね上記した程度の濃度で抗菌活性を発揮できる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1.ナノ粒子の製造
特許文献8、9に記載されている方法に準じてアミノ酸又はデキストランを含有するナノ粒子を製造した。具体的な手順は以下の通りである。
(1) Amino acid合成系
10 mLの0.001N HClに、100mgのアミノ酸を溶解して、その液性pHを要時1N塩酸を用いてpH=3に調整した。アミノ酸としては、アスパラギン酸及びグリシンを使用した。
(2) デキストラン合成系
10 mLの0.01N HClに100mgのデキストラン60Kを溶解し、その液性pHを要時1N塩酸を用いてpH=2に調整した。
(1)及び(2)の各溶液を撹拌下、100μLのnBCAを加え、3時間撹拌し重合反応を実施した。1N NaOHを滴下して反応溶液を中和後(pH7.8)、さらに30分撹拌した。Centriprep(YM-10)フィルター(MILLIPORE社)を用いて反応溶液を3500rpm/15min遠心濾過した。フィルターを通過しなかった液に蒸留水を加えて再度遠心濾過することにより、重合粒子を洗浄した。この遠心洗浄操作を合計4回行ない、アミノ酸又はデキストランを含有するナノサイズのポリマー粒子を得た。
市販のゼータサイザー(Malvern Inst.UK社製)を用いて粒子の平均粒径及びゼータ電位を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0006290649
2.各種真菌類に対するナノ粒子の抗菌活性
動物の病原真菌および植物病原糸状菌を含む様々な菌類に対するナノ粒子の抗菌活性を調べた。ナノ粒子を含有する寒天培地は、YPG寒天培地(グルコース1%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、リン酸二水素カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.04%、寒天1.8%)の組成をオートクレーブ後、シャーレに分注する前に所定の終濃度になるようにナノ粒子を添加、混合して作製した。
(1) Aspergillus属菌に対するナノ粒子の抗菌活性試験(コロニー生育)
ナノ粒子を添加したYPG寒天培地上でA. fumigatusを培養し、ナノ粒子不含の培地との間でコロニー(菌糸)の生育を比較した。ナノ粒子は、Asp含有ナノ粒子を0.005w/v%又は0.05w/v%の終濃度で使用した。寒天培地の中央に一定量のA. fumigatusの菌糸を播種して37℃でインキュベートし、24時間後及び48時間後にコロニーの直径を計測した。結果を図1に示す。ナノ粒子の濃度に応じてA. fumigatusの菌糸の伸長は明らかに抑制されていた。
A. fumigatusに加え、A. niger及びA. oryzaeについても同様にしてコロニー生育に及ぼすナノ粒子の効果を調べた。ナノ粒子は、Asp含有ナノ粒子を終濃度0.1w/v%で用いた。A. niger及びA. oryzaeのインキュベートの温度は30℃とした。48時間インキュベート後のコロニーの直径を計測した。結果を図2に示す。いずれもナノ粒子を添加した培地上では明らかに菌糸の伸長が抑制された。
(2) Aspergillus属菌に対するナノ粒子の抗菌活性試験(胞子発芽)
A. fumigatusの胞子に直接0.1w/v%ナノ粒子を噴霧した後、YPG液体培地中で37℃でインキュベートして発芽率を確認した。その結果、図3に示す通り、ナノ粒子を噴霧した胞子では7時間インキュベート後も全く発芽が見られなかった。
(3) Cryptococcus属菌に対するナノ粒子の抗菌活性試験
0.1w/v%グリシン含有ナノ粒子を含むYPG寒天培地上に1プレート当たり100個のCryptococcus neoformans細胞を播種し、30℃で90時間インキュベートした後、プレート上に形成されたコロニー数を計測した。
結果を図4に示す。ナノ粒子を添加した培地上では明らかにコロニーの形成及び生育が抑制された。
(4) 各種植物病原糸状菌に対するナノ粒子の抗菌活性試験
Asp含有ナノ粒子を0.1w/v%で含むYPG寒天培地上で各種の植物病原糸状菌のコロニー生育を調べた。
供試菌:
Fusarium oxysporum(萎凋病菌)
Fusarium solani(ジャガイモ乾腐病等の病原菌)
Magnaporthe oryzae(イネいもち病菌)
Alternaria alternata(黒斑病菌)
Botrytis cinerea(灰色かび病菌)
結果を図5〜7に示す。いずれもナノ粒子により菌糸の伸長が明らかに抑制された。
(5) 各種菌株に対するナノ粒子の抗菌活性試験
NBRC (Biological Resource Center, NITE) に保存されている各種の菌株について、以下の手順でナノ粒子の胞子発芽抑制効果及び菌糸伸長抑制効果を調べた。
ナノ粒子を10〜12mg/mLの濃度で含む寒天培地を1倍希釈とし、2倍希釈〜2048倍希釈までの12段階の希釈系列で寒天培地を調製した。胞子発芽抑制効果については、各菌株の胞子を100個ずつプレートに蒔き、所定時間インキュベート後に胞子の発芽の有無を確認した。菌糸伸長抑制効果については、胞子懸濁液の適量(5あるいは10μl)を培地にスポットし、25℃の条件で培養した。対照として、ナノ粒子を含まない寒天培地における発芽から菌糸成長を測定し無処置群(100%)とした。ナノ粒子による菌糸成長抑制効果は、ナノ粒子含有培地における菌糸成長と対照とを比較して判定した。結果を下記表2に示す。
Figure 0006290649
(6) 圃場における糸状菌病害防除効果
カンキツ黒点病は糸状菌Diaporthe citriにより引き起こされる病害である。カンキツ品種「せとか」の圃場において、開花期後、子実肥大初期に0.01w/v% Aspナノ粒子コロイド水溶液スプレーを幼子実に10日おきに計8回噴霧し、黒点病の発生の有無を観察した。ナノ粒子噴霧の1か月後には、無処理区において黒点病の発生が観察されたが、ナノ粒子処理区では黒点病の発生は認められなかった。ナノ粒子噴霧処理の6か月後、通常の抗カビ展着剤散布区では一部に黒点病が発生したが、ナノ粒子処理区では黒点病の発生は全く確認されなかった(図8)。

Claims (6)

  1. アスパラギン酸、グリシン及びデキストランからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、菌類に対する抗菌活性成分を含まず、かつ、平均粒径が1000nm未満であるシアノアクリレートポリマー粒子を有効成分として含有する、植物病原糸状菌に対する抗菌剤。
  2. アスパラギン酸を含有する前記粒子を有効成分とする請求項記載の抗菌剤。
  3. 前記シアノアクリレートがn−ブチルシアノアクリレートである請求項1又は2記載の抗菌剤。
  4. 前記植物病原糸状菌が、Fusarium属菌、Magnaporthe属菌、Alternaria属菌、Botrytis属菌、及びDiaporthe属菌からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の抗菌剤。
  5. 糸状菌による植物病害の防除剤である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の抗菌剤。
  6. アスパラギン酸、グリシン及びデキストランからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、菌類に対する抗菌活性成分を含まず、かつ、平均粒径が1000nm未満であるシアノアクリレートポリマー粒子を有効成分として含有する、菌類に対する抗菌剤であって、前記菌類が、Alternaria属菌、Aspergillus属菌、Botrytis属菌、Cladosporium属菌、Cryptococcus属菌、Diaporthe属菌、Fusarium属菌、Magnaporthe属菌、Paecilomyces属菌、及びPenicillium属菌からなる群より選択される少なくとも1種の真菌又は糸状菌である、抗菌剤
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