図1を参照して、この発明の一実施例の防犯システム100は、ウェアラブル端末10および携帯電話機(携帯通信端末)12を含む。ウェアラブル端末10および携帯電話機12は、共にGPS衛星からのGPS信号を受信することで現在地を測位することが可能である。また、ウェアラブル端末10と携帯電話機12とは、ネットワークを介して、通話を行ったり、データ通信を行ったりすることが可能である。
携帯電話機12は、第1携帯端末とも呼ばれ、実施例では、地図を表示したり、ルート案内におけるルートを入力したりすることも可能な携帯端末である。また、携帯電話機12は、親によって所持されることから親用携帯端末と呼ばれることもある。
ウェアラブル端末10は、第2携帯端末とも呼ばれ、ウェアラブル端末10が子どもから取り外されると警報処理を実行する。また、ウェアラブル端末10は、子ども腕(体)に装着されることから子ども用携帯端末と呼ばれることもある。そして、防犯システム100では、ウェアラブル端末10が取り外されたことが携帯電話機12に対して通知される。
また、携帯電話機12は、電話機能、メール機能、GPS機能、スケジュール機能、文章の入力/編集機能および電卓機能など様々な機能を実行することが可能であるため、高機能携帯端末とも呼ばれることもある。一方、ウェアラブル端末10は、電話機能、メール機能、文章の入力/編集機能および電卓機能などの機能が実行できなくてもよく、最小限、GPS機能、警報処理と対応する機能を有していればよいため、上述の高機能携帯端末に対して低機能携帯端末と呼ばれることもある。ただし、他の実施例では、携帯電話機12およびウェアラウル端末10が同じ機能を実行できるように、携帯電話機12とウェアラウル端末10とが同じ性能を有していてもよい。
図2(A)は、ウェアラブル端末10の通常形状の表面を示し、図2(B)はウェアラブル端末10の通常形状の裏面を示し、図2(C)はウェアラブル端末10の通常形状の左側面を示し、図2(D)はウェアラブル端末10の通常形状の右側面を示す。なお、ここで言う「通常形状」とは、後述する第1ベルト48aおよび第2ベルト48bが湾曲されずに延びた状態を言い、この形状のときウェアラブル端末10は装着されない。
図2(A)−図2(D)を参照して、ウェアラブル端末10は、シリコーン樹脂製の筐体20を有している。そして、実施例のウェアラブル端末10は、たとえばIPX5/7の防水機能を有している。
筐体20は一例として腕時計のような形状をしており、筐体20の表面の略中央には、たとえば液晶や有機ELなどで構成され、表示部とも呼ばれるディスプレイ22が設けられている。ディスプレイ22の上には、タッチパネル24が設けられている。また、ディスプレイ22の傍には防犯キー26が設けられている。
筐体20において、ディスプレイ22の両側には第1ベルト28aおよび第2ベルト28bが形成されている。また、第1ベルト28aおよび第2ベルト28bのそれぞれの先端には、第1LED30aおよび第2LED30bが設けられている。
なお、第1ベルト28aおよび第2ベルト28bを区別しない場合は、単に「ベルト28」と言う。同様に、第1LED30aおよび第2LED30bを区別しない場合は、単に「LED30」と言う。そして、ベルト28は装着部と呼ばれることもあり、LED30は発光部と呼ばれることもある。
筐体20の裏面には生体センサ32が設けられている。筐体20の左側面にはスピーカ34が設けられており、筐体20の右側面にはマイク36が設けられている。
たとえば、子ども(ユーザ)は、ディスプレイ42に表示されるGUIを利用して必要な設定を行うことで、ウェアラブル端末10を腕に装着したまま通話を行うことができる。たとえば、親用携帯端末に設定された電話番号などの発信先が子どもによって選択されると、音声通話が開始される。ウェアラブル端末10の通話はハンズフリーによって行われるため、子どもはウェアラブル端末10を顔に近づければ、スピーカ54から出力される音声を聞き取ることが可能であり、またマイク56に音声を入力することも可能である。そして、通話中に表示される終話用のGUIが操作されると、音声通話は終了する。なお、ハンズフリーの設定を変更することで、子どもはウェアラブル端末10を顔に近づけなくても、通話を行うことが可能である。
また、防犯キー26が押されると、防犯モード(特定状態)が設定される。この状態でウェアラブル端末10が子どもの腕から取り外されると警報処理が実行される。警報処理が実行されると、危険な状態であることを伝える画像がディスプレイ22に表示されるとともに、警報音(ブザー音)がスピーカ34から出力される。そして、ベルト28の先端に設けられたLED30は、警報色(たとえば、赤色)で発光する。
図3はウェアラブル端末10が装着されるときの形状(以下、装着形状と言う。)の一例を示す図解図であり、図3(A)はウェアラブル端末10の装着形状の表側を示し、図3(B)はウェアラブル端末10の装着形状の裏側を示し、図3(C)はウェアラブル端末10の装着形状の側面を示し、図3(D)はウェアラブル端末10の装着形状の他の側面を示し、図3(E)はウェアラブル端末10が装着された状態の一例を示す。
図3(A)−図3(D)を参照して、ウェアラブル端末10の装着形状では、第1ベルト28aおよび第2ベルト28bは、互いに重なり合うことなく、ウェアラブル端末10の裏側の方に曲がった形状となる。したがって、ウェアラブル端末10の装着形状において他の側面から見た場合、ウェアラブル端末10はリングのような形状となる。そして、ウェアラブル端末10が腕に装着された状態では、このリングのような形状となったウェアラブル端末10の内側に腕が通される。
図4(A)および図4(B)を参照して、第1ベルト28aおよび第2ベルト28bのそれぞれには、略先端部分から根元の部分に金属製の板38が内蔵されている。また、板38の周囲はシリコーン樹脂40によって覆われている。そして、バネステンとも呼ばれる板38によって第1ベルト28aおよび第2ベルト28bの通常形状と装着形状とが維持される。
具体的に説明すると、通常形状において板38の断面は、図4(A)に示すように、筐体20の裏側の方に湾曲した状態となる。この状態の板38は、全体として略平らな形状を維持するため、第1ベルト28aおよび第2ベルト28bのそれぞれは、図2(B)などに示すような通常形状を維持することが可能となる。
一方、装着形状において板38の断面は、図4(B)に示すように、中央部分が筐体20の表側の方、つまり図4(A)の状態とは逆に湾曲した状態となる。この状態の板38は、内側(筐体20の裏側)の方に曲がった形状を維持するため、第1ベルト28aおよび第2ベルト28bのそれぞれは、図3(C)などに示すような装着形状を維持することが可能となる。
そして、図4(A)に示す状態の板38に対して筐体20の裏側に曲げる力を加えると、板38は図4(B)に示す状態に変形する。つまり、板38は、略平らな状態から曲がった形状に変形する。これに合わせて、第1ベルト28aおよび第2ベルト28bが通常形状から装着形状に変形する。また、曲がった状態の板38には、曲がった形状を維持しようとする力が働く。そのため、装着形状の第1ベルト28aおよび第2ベルト28bを筐体20の表側の方に広げても、板38によって図3(D)に示すような形状に戻される。ただし、図4(B)に示す状態の板38に対して略水平となるように力を加えると、板38の断面は図4(A)に示す形状に変形する。
したがって、装着形状の第1ベルト28aおよび第2ベルト28bが互いに固定されていなくても、ウェアラブル端末10を子どもの腕に装着することが可能になる。特に、曲がった板38はその形状を維持しようとするため、子どもの腕の太さに関係なく安定して装着することが可能となる。また、筐体20は摩擦係数が高いシリコーン樹脂40によって形成されているため、装着されたウェアラブル端末10は腕からずれ落ちにくい。なお、他の実施例では、留め具などの機構を利用してウェアラブル端末10の第1ベルト28aおよび第2ベルト28bが固定されてもよい。また、その他の実施例では、装着形状の第1ベルト28aおよび第2ベルト28bが互いに重なり合うことなく、かつ第1ベルト28aの先端と第2ベルト28bの先端との間に隙間があってもよい。つまり、その他の実施例では、装着形状のウェアラブル端末10は、全体としてリングのような形状となるが、その一部が欠落しているような状態となる。
図5を参照して、携帯電話機12は、一例としてスマートフォン(smartphone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング50を含む。ただし、この発明は、タブレット端末、タブレットPC、ノートPCおよびPDAなど任意の携帯通信端末などに適用可能であることを予め指摘しておく。
ハウジング50の主面(表面)には、たとえば液晶や有機ELなどで構成され、表示部とも呼ばれるディスプレイ52が設けられる。ディスプレイ52の上には、タッチパネル54が設けられる。
ハウジング50の縦方向一端の主面側にスピーカ56が内蔵され、縦方向他端の主面側にマイク58が内蔵される。
ハウジング50の主面には、タッチパネル54と共に入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、通話キー60a、終話キー60bおよびメニューキー60cが設けられる。
たとえば、ディスプレイ52に表示されたダイヤルパッドに対して、タッチ操作が行われると電話番号が入力され、通話キー60aが操作されると音声通話が開始される。終話キー60bが操作されると音声通話が終了する。なお、終話キー60bを長押しすることによって、携帯電話機12の電源をオン/オフすることができる。
また、メニューキー60cが操作されると、ディスプレイ52にホーム画面が表示される。親は、その状態でディスプレイ52に表示されているオブジェクトなどに対して、タッチパネル54によるタッチ操作を行うことによってオブジェクトを選択し、その選択を確定させることができる。
なお、携帯電話機12は、電話機能以外に、現在位置を含む地図を表示することが可能な地図機能、メール機能およびブラウザ機能などを実行可能である。また、以下の説明では、ディスプレイ52に表示されるキーなどのGUIおよびアイコンなどは、まとめてオブジェクトと言うことがある。
図6を参照して、図1に示す実施例のウェアラブル端末10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ70などを含む。プロセッサ70には、防犯キー26、LED30、生体センサ32、無線通信回路72、A/D変換器76、D/A変換器78、表示ドライバ80、フラッシュメモリ82、RAM84、タッチパネル制御回路86、GPS回路88、方位センサ92、姿勢センサ94およびバイブレータ96などが接続される。また、無線通信回路72にはアンテナ74が接続され、表示ドライバ80にはディスプレイ22が接続され、タッチパネル制御回路86にはタッチパネル24が接続され、GPS回路88にはGPSアンテナ90が接続される。
プロセッサ70は、ウェアラブル端末10の全体制御を司る。RAM84には、フラッシュメモリ82に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ70はこのRAM84上のプログラムに従って動作する。また、RAM84はさらに、プロセッサ70のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。なお、RAM84は記憶部と呼ばれることもある。
防犯キー26は、指紋センサを含むハードキーである。防犯キー26に含まれる指紋センサは指全体を押し当てる平面型であり、指紋を読み取る手法は電界検知式である。この電界検知式とは、指の内部(真皮)とセンサの間に電界を発生させ、その電界の強さから指紋の起伏を読み取る手法である。指紋センサのセンサ面に指が押し当てられると、指の指紋が指紋情報として読み取られる。防犯キー26が受け付けたハードキーの情報(キーデータ)および読み取った指紋情報はプロセッサ70に入力される。そして、プロセッサ70は、読み取った指紋が登録されている指紋と一致するかの指紋認証処理を行うことがある。
なお、指紋センサに採用される手法は、電界検知式ではなく、静電容量式、光学式、感熱式および感圧式などであってもよい。また、指紋センサは指でなぞられるセンサ面を持つスイープ型であってもよい。また、指紋認証処理については、一般的な技術であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
無線通信回路72は、アンテナ74を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路72は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、登録された連絡先を選択する操作が行われると、無線通信回路72はプロセッサ70の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ74を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網を経て携帯電話機12などに送信される。たとえば、携帯電話機12において音声着信処理が行われると、携帯電話機12との通話可能状態が確立され、プロセッサ70は通話処理を実行する。このとき、子どもは、スピーカ34およびマイク36を利用して親と通話を行うことができる。
また、たとえば携帯電話機12が送信した音声発信信号がアンテナ74によって受信されると、無線通信回路72は着呼をプロセッサ70に通知し、プロセッサ70は着信処理を実行する。たとえば、着信処理が実行されると、スピーカ34から着信音が出力されるとともに、後述するバイブレータ96によってウェアラブル端末10が振動する。そして、ウェアラブル端末10に対して音声着信操作が行われると、たとえば携帯電話機12との通話可能状態が確立され、プロセッサ70は通話処理を実行する。
ディスプレイ22には、ウェアラブル端末10を操作するためのGUIが表示され、タッチパネル24を利用してそのGUIが操作される。たとえば、発呼を行うためのGUIが表示されているときに、子どもがタッチパネル24を利用して発呼操作を行うと、上述したように、音声発信信号が出力される。
A/D変換器76には図1に示すマイク36が接続され、上述のようにマイク36からの音声信号はこのA/D変換器76でディジタルの音声データに変換され、プロセッサ70に入力される。一方、D/A変換器78にはスピーカ34が接続される。D/A変換器78は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ34に与える。したがって、音声データに基づく音声がスピーカ34から出力される。そして、通話処理が実行されている状態では、マイク36によって集音された音声が相手の電話機に送信され、相手の電話機で集音された音声が、スピーカ34から出力される。
表示ドライバ80には図1に示すディスプレイ22が接続され、したがって、ディスプレイ22はプロセッサ70から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。表示ドライバ80は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含んでおり、プロセッサ70から出力されたデータはこのビデオメモリに記憶される。そして、表示ドライバ80は、ビデオメモリの内容に従って、ディスプレイ22に画像を表示する。つまり、表示ドライバ80は、プロセッサ70の指示の下、当該表示ドライバ80に接続されたディスプレイ22の表示を制御する。そのため、プロセッサ70は表示制御部と呼ばれることもある。なお、ディスプレイ22には、バックライトが設けられており、表示ドライバ80はプロセッサ70の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
タッチパネル制御回路86には、タッチパネル24が接続される。タッチパネル制御回路86は、タッチパネル24に必要な電圧などを付与すると共に、タッチパネル24に対するタッチの開始を示すタッチ開始信号、タッチの終了を示す終了信号、およびタッチされたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ70に入力する。したがって、プロセッサ70はこの座標データに基づいて、タッチされたオブジェクトを判断する。
実施例では、タッチパネル24は、その表面と指などの物体(以下、便宜上合わせて指と言う。)との間に生じる静電容量の変化を検出する静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル24は、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル24に触れたことを検出する。そのため、タッチパネル24はポインティングデバイスとも呼ばれる。タッチパネル制御回路86は、タッチパネル24のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ70に出力する。つまり、タッチパネル24の表面に対してタッチ操作が行われることによって、操作位置や、操作方向などをウェアラブル端末10に入力する。
本実施例のタッチ操作には、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作などが含まれる。
タップ操作は、タッチパネル24の表面に指を接触(タッチ)させた後、短時間のうちにタッチパネル24の表面から指を離す(リリースする)操作である。ロングタップ操作は、指をタッチパネル24の表面に接触させ続けた後、指をタッチパネル24の表面から離す操作である。フリック操作は、タッチパネル24の表面に指を接触させ、任意の方向へ所定速度以上で指を弾く操作である。スライド操作は、タッチパネル24の表面に指を接触させたまま任意の方向へ移動させた後、タッチパネル24の表面から指を離す操作である。
また、上記のスライド操作には、ディスプレイ22の表面に表示されたオブジェクトに指を触れ、オブジェクトを移動させるスライド操作、いわゆるドラッグ操作も含まれる。また、ドラッグ操作の後、タッチパネル24の表面から指を離す操作をドロップ操作と呼ぶ。
なお、以下の説明では、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作、ドラッグ操作およびドロップ操作は、それぞれ「操作」を省略して記述されることがある。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
LED30は、赤色、青色、緑色などの複数の色で発光することが可能であり、プロセッサ70によって発光色や、点滅周期などが制御される。上述したように、LED30は、警報処理が実行されると赤色に発光する。
生体センサ32は、ウェアラブル端末10が装着される人物(たとえば、子ども)の脈拍を計測するためのセンサである。プロセッサ70は、生体センサ32の出力を利用してウェアラブル端末10が子どもに装着されているかを判断する。つまり、生体センサ32によって脈拍が計測されている状態では、プロセッサ70はウェアラブル端末10が子どもに装着されていると判断する。一方、生体センサ32によって脈拍が計測されていない状態では、プロセッサ70はウェアラブル端末10が子どもに装着されていないと判断する。なお、生体センサ32は検出部と呼ばれることもある。
GPS回路88は、現在位置を測位するときに起動される。GPS回路88は、GPSアンテナ90によって受信されたGPS衛星の信号が入力されると、そのGPS信号に基づいて測位処理を実行する。その結果、GPS情報(位置情報)として、緯度、経度および標高(高度)が算出される。
また、図1では簡単のために1つのGPS衛星しか描画していないが、現在位置を三次元測位するためには、4つ以上のGPS衛星からGPS信号を受信する必要がある。ただし、4つ以上のGPS衛星からGPSを受信できなくても、3つのGPS衛星からGPS信号を受信できていれば、二次元測位によって経度および緯度を算出することは可能である。なお、ウェアラブル端末10によって測位された現在位置は、端末位置と呼ばれることもある。
方位センサ92は、電子コンパスまたは方向出力部とも呼ばれ、3つの地磁気センサおよび制御回路を含む。制御回路は、3つの地磁気センサによって検出された磁気データから地磁気データを抽出して、プロセッサ70に出力する。プロセッサ70は、制御回路から出力された地磁気データに基づいて、方位角(方位または方向)データを算出し、ウェアラブル端末10の方向としてRAM84のバッファに記憶させる。ここで、本実施例の方位角は、北(N)を0度として時計回りに、東(E)が90度、南(S)が180度および西(W)が270度とする。なお、各地磁気センサは、ホール素子が用いられているが、MR(Magnet−Resistive)素子やMI(Magnet−Impedance)素子が用いられてもよい。
姿勢センサ94はウェアラブル端末10の動きを検出するために用いられる。たとえば、姿勢センサ94は圧電型ジャイロであり、3軸(x,y、z)の角速度を検出し、その検出結果をプロセッサ70に出力する。プロセッサ70は姿勢センサ94が検出した各軸の角速度に基づいて、ウェアラブル端末10の動きや、傾きを検出する。
たとえば、プロセッサ70は、姿勢センサ94によって検出した姿勢に基づいて、子どもがウェアラブル端末10を確認している状態かを判断する。また、プロセッサ70は、子どもがウェアラブル端末10を確認している状態のときに、子どもが向いている方位、つまり子どもの進行方向を方位センサ92によって検出する。そして、ウェアラブル端末10は、現在位置(端末位置)、姿勢および方位を含む端末位置情報を、携帯電話機12に送信する。
バイブレータ96は、偏心重が回転軸に取り付けられたモータであり、プロセッサ70によってオン/オフが制御される。そして、バイブレータ96が動作(オン)すると、バイブレータ96の振動によってウェアラブル端末10も振動する。
図7を参照して、図1または図5に示す実施例の携帯電話機12は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ110などを含む。プロセッサ110には、無線通信回路112、A/D変換器116、D/A変換器118、入力装置120、表示ドライバ122、フラッシュメモリ124、RAM126、タッチパネル制御回路128およびGPS回路130などが接続される。
また、無線通信回路112にはアンテナ114が接続され、表示ドライバ122にはディスプレイ52が接続され、タッチパネル制御回路128にはタッチパネル54が接続され、GPS回路130にはGPSアンテナ132が接続される。なお、A/D変換器116、D/A変換器118、表示ドライバ122、フラッシュメモリ124、RAM126、タッチパネル制御回128およびGPS回路130は、ウェアラブル端末10のものと略同じであるため、重複する説明は簡単のため省略する。
プロセッサ110は、電話機能およびデータ通信機能などの機能実行するために携帯電話機12の全体制御を司る。
入力装置120は、図1に示すハードキー60を含むものである。そのため、ハードキー60に対するキー操作を受け付ける操作受付部を構成する。操作受付部が受け付けたハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ110に入力される。
無線通信回路112は、ウェアラブル端末10の無線通信回路72と略同じであり、CDMA方式での無線通信を行うことが可能である。
たとえば、タッチパネル54が受け付けた発呼(音声発信)の操作に基づき、無線通信回路112は、プロセッサ110の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ114を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において音声着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ110は通話処理を実行する。
また、無線通信回路112はアンテナ114を介して、ネットワーク(通信網、電話網)と無線接続される。したがって、携帯電話機12は、ネットワークを介してウェアラブル端末10とのデータ通信を確立することが出来る。
なお、RAM126には地図データが記憶されており、携帯電話機12はGPS回路130によって算出されたGPS情報に基づいて、現在位置に対応する地図がディスプレイ52に表示されることもある。
ここで、防犯モードについて詳しく説明する。上述したように、防犯キー26が押されると防犯モードが設定される。この状態で、生体センサ32を利用して、子どもの腕からウェアラブル端末10が取り外されたと判断されると。ウェアラブル端末10は警報処理を実行する。上述したように、この状態のウェアラブル端末10は、ディスプレイ22に危険な状態であることを伝える画像を表示し、スピーカ34からは警報音を出力する。また、各ベルト28の先端に設けられている各LED30は警報色で発光する。そして、ウェアラブル端末10は現在位置を測位し、ウェアラブル端末10の現在位置とウェアラブル端末10が子どもの腕から取り外されたこととを携帯電話機12に通知する。
このように、ウェアラブル端末10は、子どもが危険な状態であることを周囲に知らせるとともに、ウェアラブル端末10を装着している子どもの親などにその状況を通知することができる。特に、親はウェアラブル端末10が取り外された場所を知ることができるため、子どもの状況を把握する手がかりとするとともに、その後の対応に役立てることができる。
また、警報によって子どもの周囲にいる悪意を持つ第三者を撃退する効果も期待できる。また、警報されるとLED30が警報色で発光するため、ウェアラブル端末10が周囲の注意をひきやすくなる。そのため、仮に第三者によってウェアラブル端末が取り外されて捨てられとしても、捨てられたウェアラブル端末が発見されやすくなる。
また、実施例では、子どもは防犯キー26を操作することで、防犯モードを設定したり、解除したりすることができる。つまり、子どもは防犯モードを任意に設定することができる。たとえば、自宅などで子どもがウェアラブル端末10を装着する必要がない状態などでは、防犯モードを解除してウェアラブル端末10を子どもから取り外すことができる。このように、実施例では、防犯モードが設定されている状態でなければ取り外されたかが判断されない。つまり、防犯モードを設けることで、誤って通知されないようにすることができる。なお、他の実施例では、防犯モードを設けずに、ウェアラブル端末10が取り外されれば、そのことが通知されるようにしてもよい。
また、警報処理は、防犯キー26を操作することで停止することができる。ただし、警報処理の停止操作は、指紋認証が成功しなければ受け付けられない。つまり、登録されている指紋を持つ指で防犯キー26が操作されなければ、警報処理は停止されない。このようにすることで、第三者によって警報が停止されないようにすることができる。また、防犯モードを解除する際にも、指紋認証処理が実行されるようにしてもよい。
なお、他の実施例では、防犯キー26が長押しされた場合は、防犯モードの設定に関係なく、警報処理が実行される。つまり、防犯モードが設定されていない状態であっても、子どもは危険な状態であることを周囲および親に知らせることができる。また、子どもは、危険を感じたときに防犯モードが設定されたウェアラブル端末10を自ら取り外してもよい。そして、ウェアラブル端末10が装着されていない状態で防犯キー26が長押しされた場合も、警報処理が実行されてもよい。
また、その他の実施例では、指紋に代えてパスワードや、GPS信号(位置)および解除信号などを利用して警報処理を停止できるようにしてもよい。
図9を参照して、防犯モードが設定されていない状態で、生体センサ32によって生体情報が検出されなくなった場合、子どもが病気などによって倒れている可能性がある。そこで、実施例では、防犯モードが設定されていないときに生体情報が検出されなくなった場合は、緊急事態であることが報知される。
緊急事態であることを報知するウェアラブル端末10は、子どもが緊急事態であることおよび緊急時の連絡先などがディスプレイ22に表示される。また、スピーカ34から緊急事態であることを周囲に知らせる音声が出力されるとともに、LED30が赤色で発光する。そして、現在位置が測位され、現在位置および緊急事態であることを報知したことが携帯電話機12に通知される。
このように、子どもに緊急事態が発生した場合、子どもに代わって周囲に助けを求めることができる。なお、緊急状態が設定されているときに防犯キー26が操作されると、報知が停止される。
図10は携帯電話機12のディスプレイ52に表示される地図の一例を示す図解図である。図10を参照して、ディスプレイ52の表示範囲は状態表示領域150および機能表示領域152を含む。状態表示領域150には、アンテナ114による電波受信状態を示すピクト、二次電池の残電池容量を示すピクトおよび時刻が表示される。機能表示領域152には、地図が表示される。この地図は、登録されている自宅の位置(以下、自宅位置と言う。)を示す自宅位置アイコンHと、ウェアラブル端末10から受信した端末位置を含む端末位置アイコンCとが示されている。たとえば、親が携帯電話機12においてウェアラブル端末10を管理する機能(以下、管理機能と言う。)を実行すると、自宅位置および子ども現在位置(ウェアラブル端末10の端末位置)を含む地図データがRAM126から読み出され、これらの情報を含む地図がディスプレイ52に表示される。
このように地図が表示されているときに、携帯電話機12(親用携帯端末)で自宅(目的地)までのルートが入力されると、ウェアラブル端末10上でルート案内が行われる。
図11(A)−図11(D)を参照して、ルートを入力する操作について説明する。ウェアラブル端末10の端末位置アイコンCに対してタップされると、ルートが入力可能な状態となる。この状態で、端末位置アイコンCから自宅位置アイコンHまでのルートをスライドによって入力し、自宅位置アイコンHに対してタップを行うと、ルートを入力することができる。このとき、ディスプレイ52には、入力されたルートが確定されたことと、このルートでのルート案内を開始することとを伝えるメッセージが書かれたポップアップPが表示される。
このとき、携帯電話機12は、ルート案内が行われていることと伝えるメッセージとを含む案内情報を作成する。この案内情報がウェアラブル端末10に送信されると、ディスプレイ22にはルート案内が行われることを伝えるメッセージが表示される。また、ウェアラブル端末10は、バイブレータ96を動作せる。
なお、ルートを入力可能なときに無操作状態が続くと、ルートを入力可能な状態が解除(キャンセル)される。
図12(A)を参照して、ルート案内が行われているときの動作について説明する。まず、携帯電話機12は、ウェアラブル端末10の端末位置情報から端末位置および方位(子どもの向き)を読み出し、子どもが進み始めるべき方向を伝える案内情報を作成する。たとえば、子どもの向きがルートの進行方向と一致している場合は、そのまま進むことを促すメッセージとアイコンとを含む案内情報が作成される。この案内情報をウェアラブル端末10が受信すると、ウェアラブル端末10のディスプレイ22には、そのまま進むことを促すメッセージとアイコンとが表示される。
続いて、図12(B)を参照して、携帯電話機12では端末位置情報が変化する度に案内情報が作成され、ウェアラブル端末10に対して送信される。また、携帯電話機12のディスプレイ52には、ルート案内などによって変化した子どもの位置に対応して、端末位置アイコンCの位置が更新される。そして、ウェアラブル端末10を装着する子どもが交差点などの分岐点に近づくと、携帯電話機12は進むべき道を示す案内情報を作成する。たとえば、子どもの向きに対して左に曲がる場合、分岐点において左に曲がることを促すメッセージと、左を示すアイコンとを含む案内情報が作成される。案内情報を受信したウェアラブル端末10のディスプレイ22には、子どもの進行方向に対して左に曲がることを促すメッセージと、左を示すアイコンとが表示される。
続いて、図13(A)を参照して、ウェアラブル端末10の端末位置が自宅位置に近づくと、自宅が近いことを伝える案内情報が作成される。この案内情報をウェアラブル端末10が受信すると、ウェアラブル端末10のディスプレイ22には自宅が近いことを伝えるメッセージが表示される。
そして、図13(B)を参照して、端末位置および自宅位置に基づいてウェアラブル端末10(子ども)が自宅に到着したと判断されると、携帯電話機12は自宅に到着したことを伝える到着情報をウェアラブル端末10に送信する。この到着情報がウェアラブル端末10によって受信されると、ウェアラブル端末10のディスプレイ22には自宅に到着したことを伝えるメッセージが表示される。
このように、子どもの位置に合わせて、適切なルート案内を容易に行うことができる。また、子どもはルート案内に従って移動すれば、目的地に向かうことができる。
そして、実施例では、ルート案内が行われているときに、子どもがルートから外れた場合、携帯電話機12はウェアラブル端末10に防犯モードを設定するために、設定情報を送信する。そして、ウェアラブル端末10は、設定情報を受信すると、防犯モードを設定する。つまり、子どもが安全ではない場所に行ってしまった場合、子どもに危険が生じる可能性が高まるため、防犯モードを自動的に設定することができる。
なお、子どもがルートに戻ったことが確認された場合、携帯電話機12は解除情報をウェアラブル端末10に送信する。ウェアラブル端末10は、解除情報を受信すると、防犯モードを解除する。
また、親が事前に設定した安全範囲から出た場合に、防犯モードが設定されるようにしてもよい。また、自宅から所定距離の範囲が安全範囲とされてもよい。この場合、地図データを利用せずに、安全範囲の中心とその広さ(中心からの距離)とから、安全範囲の中かどうかを判断することができる。そのため、ウェアラブル端末10は自身の判断で防犯モードを設定してもよいし、携帯電話機12の指示に基づいて防犯モードを設定してもよい。
また、親は子どもの現在位置に関係なく、ウェアラブル端末10に対して防犯モードを設定したり、解除したりできてもよい。
また、他の実施例では、ルート案内中に、案内情報の内容がスピーカ54から出力されてもよい。また、その他の実施例では、ディスプレイ42の表示を利用せずに、スピーカ54から出力される音声によってルート案内が行われてもよい。
また、さらにその他の実施例では、ルート案内が行われているときに、ルートが変更できてもよい。また、親は危険な場所や道路をセキュリティ指定区域として登録できてもよい。さらに、任意の場所にその周辺の状況を伝える地点情報が登録されてもよい。
上述では実施例の特徴を概説した。以下では、図14に示すウェアラブル端末10のメモリ84のメモリマップ、図15に示す携帯電話機12のメモリ126のメモリマップおよび図16−図22に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
図14を参照して、ウェアラブル端末10のRAM84には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302には、フラッシュメモリ82(図6)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
プログラム記憶領域302には、防犯モードの設定または解除を行うための防犯モードプログラム310、警報処理および報知処理を実行したり、それらの処理を停止したりするための防犯制御プログラム312、端末位置情報を携帯電話機12に送信するための端末位置情報送信プログラム314および携帯電話機12から送信された情報を通知するための通知プログラム316などが記憶される。
続いて、RAM84のデータ記憶領域304には、通信バッファ330、生体情報バッファ332、指紋情報バッファ334および端末位置情報バッファ336などが設けられる。また、データ記憶領域304には、指紋情報データ338などが記憶されるとともに、防犯モードフラグ340などが設けられる。
通信バッファ330には、携帯電話機12から受信した、設定情報、解除情報および案内情報などが一時的に記憶されるバッファである。生体情報バッファ332には、生体センサ32によって検出された生体情報が一時的に記憶されるバッファである。指紋情報バッファ334は、防犯キー26に含まれる指紋センサによって読み取られた指紋情報が一時的に記憶されるバッファである。端末位置情報バッファ336には、ウェアラブル端末10が測位した現在位置、ウェアラブル端末10の姿勢および検出された方位を含む端末位置情報が一時的に記憶される。
指紋情報データ338は、事前に登録された指紋情報を含むデータである。たとえば、指紋認証処理が実行されると、指紋情報データ338に含まれる指紋情報と指紋情報バッファに記憶されている指紋情報とが読み出される。
防犯モードフラグ340は、防犯モードが設定されているかを判断するためのフラグである。たとえば、防犯モードフラグ340は、1ビットのレジスタで構成される。防犯モードフラグ340がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、防犯モードフラグ340がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、防犯モードフラグ340は、防犯モードプログラム310の処理に応じてオン/オフが切り換えられる。そして、防犯モードフラグ340は初期状態ではオフ、つまり防犯モードが解除された状態にされる。
なお、データ記憶領域304には、連絡先の情報を含むアドレス帳データなどが記憶されたり、プログラムの実行に必要な、他のフラグやタイマ(カウンタ)が設けられたりする。
図15を参照して、携帯電話機12のRAM126には、プログラム記憶領域402とデータ記憶領域404とが形成される。プログラム記憶領域402は、先に説明したように、フラッシュメモリ124(図7)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
プログラム記憶領域402には、ウェアラブル端末10が送信する端末位置情報を受信して記憶するための端末位置情報管理プログラム410、地図の表示およびルート案内を制御するための端末管理プログラム412およびウェアラブル端末10上でルート案内を行うためのルート案内プログラム414などが記憶される。なお、プログラム記憶領域402には、メール機能、ブラウザ機能などの機能を実行するためのプログラムも記憶される。
続いて、RAM126のデータ記憶領域404には、タッチバッファ430、端末位置情報バッファ432およびルートバッファ434などが設けられる。また、データ記憶領域404には、地図データ436および自宅位置データ438などが記憶されるとともに、タッチフラグ440などが設けられる。
タッチバッファ430には、タッチパネル制御回路128が出力するタッチ座標のデータ、タッチ操作の始点および終点のタッチ座標のデータなどが一時的に記憶される。端末位置情報バッファ432には、受信した端末位置情報が一時的に記憶される。ルートバッファ434には、入力されたルートが一時的に記憶される。
地図データ436には、ルート案内や情報を登録するときに表示される地図のデータである。自宅位置データ438は、登録された自宅の位置を示すデータである。
タッチフラグ440は、タッチパネル24に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。また、タッチフラグ440は、タッチパネル制御回路128の出力に基づいてオン/オフが切り換えられる。
なお、データ記憶領域404には、GUIなどのオブジェクトを表示するためのデータが記憶されたり、プログラムの実行に必要な、他のフラグやタイマ(カウンタ)が設けられたりする。
ウェアラブル端末10のプロセッサ70は、Android(登録商標)およびiOS(登録商標)などのLinux(登録商標)ベースのOSなどその他のOSの制御下で、図16に示す防犯モード処理、図17に示す防犯制御処理、図18に示す端末位置情報送信処理および図19に示す通知処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
図16は防犯モード処理のフロー図である。たとえば、ウェアラブル端末10の電源がオンにされると防犯モード処理が実行される。ステップS1でプロセッサ70は、防犯キー26が操作されたか否かを判断する。つまり、防犯モードを設定する操作がされたかが判断される。ステップS1で“YES”であれば、つまり防犯キー26が操作されると、プロセッサ70はステップS5の処理に進む。一方、ステップS1で“NO”であれば、つまり防犯キー26が操作されていなければ、ステップS3でプロセッサ70は、設定情報を受信したか否かを判断する。つまり、携帯電話機12から送信された設定情報が通信バッファ330に記憶されているかが判断される。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ70は場所判断部として機能する。ステップS3で“NO”であれば、つまり設定情報を受信していなければ、プロセッサ70はステップS1の処理に戻る。また、ステップS3で“YES”であれば、つまり設定情報を受信すると、ステップS5でプロセッサ70は、防犯モードフラグ340をオンにする。つまり、防犯モードが設定される。
続いて、ステップS7でプロセッサ70は、警報または報知されているか否かを判断する。つまり、警報処理または報知処理を停止するために防犯キー26が操作されたときに、防犯モードが解除されないようにするために、ステップS7の処理が実行される。ステップS7で“YES”であれば、つまり警報処理または報知処理が実行されていれば、防犯モードが解除されないようにするために、プロセッサ70はステップS7の処理を繰り返す。
一方、ステップS7で“NO”であれば、つまり警報処理または報知処理が実行されていなければ、ステップS9でプロセッサ70は、防犯キー26が操作されたか否かを判断する。つまり、防犯モードを解除する操作がされたかが判断される。ステップS9で“YES”であれば、つまり防犯モードが設定された状態で防犯キー26が操作されると、プロセッサ70はステップS13の処理に進む。また、ステップS9で“NO”であれば、つまり防犯キー26が操作されなければ、ステップS11でプロセッサ70は、解除情報を受信したか否かを判断する。つまり、通信バッファ330に解除情報が記憶されているかが判断される。ステップS11で“NO”であれば、つまり解除情報が受信されていなければ、プロセッサ70はステップS7の処理に戻る。また、ステップS11で“YES”であれば、つまり解除情報を受信すれば、ステップS13でプロセッサ70は、防犯モードフラグ340をオフにする。つまり、防犯モードが解除される。そして、ステップS13の処理が終了すると、プロセッサ70はステップS1の処理に戻る。
図17は防犯制御処理のフロー図である。たとえば、防犯制御処理の実行命令が出されると、防犯制御処理が実行される。なお、防犯制御処理の実行命令は所定時間(たとえば、1秒)毎に出される。防犯制御処理が実行されると、プロセッサ70はステップS31で、防犯モードか否かを判断する。つまり、防犯モードフラグ340がオンであるかが判断される。なお、ステップS31の処理を実行するプロセッサ70は特定状態判断部として機能する。
ステップS31で“NO”であれば、つまり防犯モードが設定されていなければ、プロセッサ70はステップS49の処理に進む。一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり防犯モードが設定されていれば、ステップS33でプロセッサ70は、取り外されたか否かを判断する。つまり、防犯モードが設定された状態で、子どもの腕に装着されたウェアラブル端末10が取り外されたかが判断される。具体的には、プロセッサ70は、生体情報バッファ332を参照して、生体センサ32によって生体情報が検出されなくなったかを判断する。なお、ステップS33の処理を実行するプロセッサ70は判断部として機能する。
ステップS33で“NO”であれば、つまりウェアラブル端末10が取り外されていなければ、プロセッサ70は防犯制御処理を終了する。一方、ステップS33で“YES”であれば、つまり子どもの腕からウェアラブル端末10が取り外されると、ステップS35でプロセッサ70は、警報処理を実行する。つまり、ウェアラブル端末10のディスプレイ22には危険な状態であることを伝える画像が表示され、スピーカ34から警報音が出力され、LED30が警報色で発光する。なお、ステップS35の処理を実行するプロセッサ70は警報部として機能する。
続いて、ステップS37でプロセッサ70は、現在位置を測位する。つまり、子どもの現在位置を示すGPS情報が算出される。なお、ステップS37の処理を実行するプロセッサ70は測位部として機能する。続いて、ステップS39でプロセッサ70は、警報情報を通知する。つまり、現在位置とウェアラブル端末10が取り外されたこととを含む警報情報が、携帯電話機12に送信される。なお、ステップS39の処理を実行するプロセッサ70は通知部として機能する。
続いて、ステップS41でプロセッサ70は、防犯キー26が操作されたか否かを判断する。つまり、警報処理を停止する操作がされたかが判断される。なお、ステップS41の処理を実行するプロセッサ70は入力判断部として機能する。ステップS41で“NO”であれば、つまり警報処理を停止する操作がされなければ、プロセッサ70はステップS37の処理に戻る。この場合、現在位置を測位する処理と警報情報を通知する処理とが繰り返される。たとえば、ウェアラブル端末10を装着する子どもが連れ去られた場合、親は携帯電話機12に通知された警報情報の通知の履歴を確認することで、子どもが移動する軌跡を把握することができる。
また、ステップS41で“YES”であれば、つまり警報処理を停止するために防犯キー26が操作されると、ステップS43でプロセッサ70は、指紋情報を読み取る。つまり、防犯キー26に含まれる指紋センサによって、キーを操作した指の指紋が読み取られる。続いて、ステップS45でプロセッサ70は、認証が成功したか否かを判断する。つまり、指紋認証処理が成功したかが判断される。具体的には、指紋情報データ338に含まれる「登録されている指紋情報(第1解除情報)」と指紋情報バッファ334に記憶されている「読み取られた指紋情報(第2解除情報)」とが一致しているかが判断される。なお、ステップS45の処理を実行するプロセッサ70は一致判断部として機能する。ステップS45で“NO”であれば、たとえば第三者によって防犯キー26が操作されて指紋認証処理が失敗すると、プロセッサ70はステップS37の処理に戻る。
また、ステップS45で“YES”であれば、たとえば子どもが防犯キー26を操作して指紋認証処理が成功すると、ステップS47でプロセッサ70は、警報処理を停止する。たとえば、警報音が出力されなくなり、警報色で発光するLED30が消灯される。そして、ディスプレイ22に表示される画像が消去される。そして、ステップS47の処理が終了すると、プロセッサ70は防犯制御処理を終了する。なお、ステップS47の処理を実行するプロセッサ70は停止部として機能する。
また、防犯モードが設定されていない場合、ステップS49でプロセッサ70は、生体情報が検出されているか否かを判断する。つまり、子どもに緊急事態が生じているかが判断される。ステップS49で“YES”であれば、つまり防犯モードが設定されておらず、かつ生体情報が検出されていれば、プロセッサ70は防犯制御処理を終了する。
ステップS49で“NO”であれば、つまり子どもの生体情報が検出されていなければ、ステップS51でプロセッサ70は、報知処理を実行する。たとえば、図9に示すように、子どもに緊急事態が発生していることおよび緊急時の連絡先などがディスプレイ22に表示される。そして、スピーカ34から緊急状態であることを周囲に知らせる音声が出力されるとともに、LED30が赤色で発光する。なお、ステップS51の処理を実行するプロセッサ70は報知部として機能する。続いて、プロセッサ70は、ステップS53で現在位置を測位し、ステップS55で報知情報を通知する。つまり、子どもの現在位置と緊急状態であることとを伝える報知情報が、携帯電話機12に送信される。
続いて、ステップS57でプロセッサ70は、防犯キー26が操作されたか否かを判断する。つまり、報知処理を停止する操作がされたかが判断される。ステップS57で“NO”であれば、つまり報知処理が実行されている状態で防犯キー26が操作されなければ、プロセッサ70はステップS57の処理を繰り返す。一方、ステップS57で“YES”であれば、つまり報知処理が実行されている状態で防犯キー26が操作されると、ステップS59でプロセッサ70は、報知処理を停止する。たとえば、緊急状態であること伝える音声の出力が停止される。そして、ステップS59の処理が終了すると、プロセッサ70は防犯制御処理を終了する。
なお、他の実施例では、報知処理を停止する際にも、指紋認証処理が実行されるようにしてもよい。
図18は端末位置情報送信処理のフロー図である。たとえば、ウェアラブル端末10の電源がオンにされると、端末位置情報送信処理が実行される。ステップS71でプロセッサ70は、現在位置を測位する。つまり、GPS衛星からのGPS信号を利用してウェアラブル端末10の現在位置が測位される。続いて、ステップS73でプロセッサ70は、姿勢を検出する。つまり、姿勢センサ94の出力に基づいて、ウェアラブル端末10の姿勢が検出される。続いて、ステップS75でプロセッサ70は、方位を検出する。つまり、方位センサ92の出力に基づいて、ウェアラブル端末10の方位(子どもの向き)が検出される。そして、端末位置、姿勢および方位は、端末位置情報バッファ336に記憶される。
続いて、ステップS77でプロセッサ70は、端末位置、姿勢および方位を含む端末位置情報を携帯電話機12に送信する。つまり、プロセッサ70は、端末位置情報バッファ336に記憶される端末位置、姿勢および方位を含む端末位置情報を作成し、その端末位置情報を携帯電話機12に送信する。そして、ステップS77の処理が終了すると、プロセッサ70はステップS71の処理に戻る。なお、端末位置情報送信処理は所定周期(たとえば5秒)毎に繰り返される。
図19は通知処理のフロー図である。たとえば、ウェアラブル端末10の電源がオンにされると、通知処理は実行される。ステップS91でプロセッサ70は、情報を受信したか否かを判断する。つまり、携帯電話機12から受信した、案内情報が通信バッファ330に記憶されているかが判断される。ステップS91で“NO”であれば、たとえば案内情報が受信されていなければ、プロセッサ70はステップS91の処理を繰り返す。一方、ステップS91で“YES”であれば、たとえば案内情報が受信されると、ステップS93でプロセッサ70は、受信した情報に基づいて通知する。たとえば、案内情報を受信していれば、図12(B)に示すように、子どもの進行方向に対して左に曲がることを促すメッセージと、左を示すアイコンとが、ウェアラブル端末10のディスプレイ22に表示される。また、プロセッサ70は、ディスプレイ22に情報を表示するとともに、バイブレータ96を動作させ、ウェアラブル端末10を振動させる。そして、ステップS93の処理が終了すれば、プロセッサ70はステップS91の処理に戻る。
携帯電話機12のプロセッサ110は、Windows(登録商標)ベースのOSや、Android(登録商標)およびiOS(登録商標)などのLinux(登録商標)ベースのOSなどその他のOSの制御下で、図20に示す端末位置情報管理処理、図21に示す端末管理処理および図22に示すルート案内処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
図20は端末位置情報管理処理のフロー図である。たとえば、端末位置管理処理は携帯電話機12の電源がオンにされると開始される。ステップS101でプロセッサ110は、端末位置情報を受信したか否かを判断する。つまり、プロセッサ110は、ウェアラブル端末10から、端末位置、姿勢および方位を含む端末位置情報を受信したかを判断する。ステップS101で“NO”であれば、つまりウェアラブル端末10から端末位置情報を受信していなければ、プロセッサ110はステップS101の処理を繰り返す。
また、ステップS101で“YES”であれば、つまりウェアラブル端末10から端末位置情報を受信すると、ステップS103でプロセッサ110は、端末位置情報を記憶する。つまり、受信した端末位置情報は、端末位置情報バッファ432に記憶される。そして、ステップS103の処理が終了すれば、プロセッサ110はステップS101の処理に戻る。つまり、プロセッサ110は端末位置情報を受信したかを再び判断する。また、端末位置情報管理処理は、端末位置情報送信処理と同じ所定周期毎に繰り返される。
図21は端末管理処理のフロー図である。たとえば、管理機能が実行されると、ステップS111でプロセッサ110は、端末位置情報を読み出す。つまり、端末位置情報バッファ432からウェアラブル端末10の端末位置情報が読み出される。続いて、ステップS113でプロセッサ110は、自宅位置および端末位置を含む地図を読み出す。つまり、読み出した端末位置情報に含まれる端末位置と自宅位置データ438とに基づいて、地図データ436が読み出される。
続いて、ステップS115でプロセッサ110は、地図を表示する。たとえば、図10に示すように、端末位置アイコンCおよび自宅位置アイコンHを含む地図がディスプレイ52に表示される。続いて、ステップS117でプロセッサ110は、端末位置情報を読み出す。つまり、端末位置情報バッファ432から端末位置情報が再び読み出される。続いて、ステップS119でプロセッサ110は、端末位置情報が変化したか否かを判断する。たとえば、子どもが移動したかが判断される。ステップS119で“NO”であれば、たとえば子どもが移動してなければ、プロセッサ110はステップS123の処理に進む。一方、ステップS119で“YES”であれば、たとえば子どもが移動していれば、ステップS121でプロセッサ110は、地図の表示を更新する。たとえば、地図上の端末位置アイコンCの表示が更新される。
続いて、ステップS123でプロセッサ110は、ルート案内か否かを判断する。たとえば、端末位置アイコンCに対してタップされたかが判断される。ステップS123で“YES”であれば、たとえば端末位置アイコンCに対してタップされると、ステップS125でプロセッサ110は、ルート案内処理を実行する。そして、ステップS125の処理が終了すると、プロセッサ110はステップS127の処理に進む。なお、このルート案内処理については、図22に示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、ステップS123で“NO”であれば、たとえば端末位置アイコンCに対してタップされていなければ、ステップS127でプロセッサ110は、終了か否かを判断する。たとえば、管理機能を終了させる操作がされたかが判断される。ステップS127で“NO”であれば、つまり管理機能を終了させる操作がされなければ、プロセッサ110はステップS115の処理に戻る。一方、ステップS127で“YES”であれば、たとえば管理機能を終了させる操作がされると、プロセッサ110は端末管理処理を終了する。
図22はルート案内処理のフロー図である。端末管理処理でステップS125の処理が実行されると、ルート案内処理が開始される。ステップS141でプロセッサ110は、ルートが確定されたか否かを判断する。たとえば、図11(A)−図11(D)に示すように、ルートを入力するスライド操作がされた後に、自宅位置アイコンHに対してタップされたかが判断される。ステップS141で“NO”であれば、つまりルートが確定されていなければ、ステップS143でプロセッサ110は、キャンセルか否かを判断する。たとえば、無操作状態が続いているかが判断される。ステップS143で“YES”であれば、たとえば無操作状態が続いていれば、プロセッサ110はルート案内処理を終了して、端末管理処理に戻る。ステップS143で“NO”であれば、たとえばタッチ操作がされると、プロセッサ110はステップS141の処理に戻る。
ステップS141で“YES”であれば、たとえばルートが入力され、自宅位置アイコンHに対してタップされると、ステップS145でプロセッサ110は、ルートを記憶する。たとえば、図11(D)に示すようにルートの入力が確定されると、そのルートがルートバッファ434に記憶される。なお、ルートが記憶されると、ディスプレイ52には入力されたルートが確定されたことを伝えるポップアップPが表示される。
続いて、ステップS147でプロセッサ110は、ルートから外れたか否かを判断する。つまり、子どもの現在位置がルートとは異なる位置にあるかが判断される。ステップS147で“YES”であれば、つまり子どもがルートから外れると、ステップS149でプロセッサ110は、設定情報を送信する。つまり、子どもがルートから外れたため、防犯モードを設定するために、ウェアラブル端末10に設定情報が送信される。
続いて、プロセッサ110は、ステップS151で端末位置情報を読み出し、ステップS153でルートに戻ったか否かを判断する。つまり、最新の子どもの現在位置を取得して、子どもがルートに戻ったかが判断される。ステップS153で“NO”であれば、つまり子どもがルートに戻っていなければ、プロセッサ110はステップS151の処理に戻る。一方、ステップS153で“YES”であれば、つまり子どもがルートに戻っていれば、ステップS155でプロセッサ110は、解除情報を送信する。つまり、防犯モードを解除するために、ウェアラブル端末10に解除情報が送信される。そして、ステップS155の処理が終了すると、プロセッサ110はステップS147の処理に戻る。
ステップS147で“NO”であれば、つまり子どもがルートから外れていなければ、ステップS157でプロセッサ110は、端末位置情報に基づいて自宅までの案内情報を作成する。たとえば、端末位置情報に含まれる端末位置およびルートバッファ434に記憶されるルートからルート上の位置を算出、端末位置情報に含まれる姿勢および方位に基づいて、ルート上で進むべき方向を算出する。そして、このようにして算出されたルート上の位置および進むべき方向に基づいて、案内情報が作成される。続いて、ステップS159でプロセッサ110は、案内情報をウェアラブル端末10に送信する。
続いて、プロセッサ110は、ステップS161で端末位置情報を読み出し、ステップS163で端末位置情報が変化したか否かを判断する。たとえば、子どもの位置が変化したかが判断される。ステップS163で“NO”であれば、たとえば子どもの位置が変化していなければ、プロセッサ110はステップS161の処理に戻る。一方、ステップS163で“YES”であれば、たとえば子どもの位置が変化すると、ステップS165でプロセッサ110は、地図の表示を更新する。たとえば、端末位置アイコンCの表示が更新される。
続いて、ステップS167でプロセッサ110は、自宅に到着したか否かを判断する。つまり、端末位置が自宅位置と略一致したかが判断される。具体的には、端末位置情報に含まれる端末位置と自宅位置データ438に基づいて、子どもが自宅に到着したかが判断される。ステップS167で“NO”であれば、つまり子どもが自宅に到着していなければ、プロセッサ110はステップS167の処理に戻る。
一方、ステップS167で“YES”であれば、つまり子どもが自宅に到着すると、ステップS169でプロセッサ110は、到着情報をウェアラブル端末10に送信する。つまり、自宅に到着したことを伝える到着情報が送信される。そして、ステップS169の処理が終了すると、プロセッサ110はルート案内処理を終了して、端末管理処理に戻る。
なお、到着情報の送信に合わせて、携帯電話機12のディスプレイ52には子どもが到着したことを伝えるポップアップPが表示されてもよい。
また、生体センサ32によって検出された生体情報を利用して、子どもの健康状態が管理されてもよい。この場合、子どもの健康状態を検出する生体センサを利用して、ウェアラブル端末10が取り外されたかを判断することができる。そのため、ウェアラブル端末10の構成を単純なものにすることができる。
ただし、他の実施例では、生体センサ32を利用せずにウェアラブル端末10が取り外されたかがを判断するようにしてもよい。たとえば、図23を参照して、他の実施例では、ウェアラブル端末10が装着形状の場合に、磁気センサ160が磁石162の磁気を検出できるように、第1ベルト28aには磁気センサ160が内蔵され、第2ベルト28bには磁石162が内蔵される。この場合、ウェアラブル端末10が装着形状ではなくなると、磁気センサ160によって磁石162の磁気が検出されなくなる。つまり、ウェアラブル端末10が取り外されると、磁気センサ160は磁石162の磁気を検出できなくなるため、プロセッサ70はウェアラブル端末10が取り外されたと判断することができる。
また、その他の実施例では、磁気センサ160および磁石162ではなく、メカニカルスイッチを各ベルト28の根元に内蔵することで、ウェアラブル端末10が取り外されたと判断できるようにしてもよい。たとえば、メカニカルスイッチは、装着形状ではオフにされ、装着形状でなくなったときにオンにされるよう、各ベルト28の根元に内蔵される。これにより、プロセッサ70は、メカニカルスイッチのオン/オフによって、ウェアラブル端末10が取り外されたかどうかを判断することができる。
また、さらにその他の実施例では、ウェアラブル端末10は、上述した磁気センサ160および磁石162(またはメカニカルスイッチ)と生体センサ32と同時に備えてもよい。この場合、報知処理をより適切に実行することができるようになる。たとえば、磁気センサ160および磁石162によってウェアラブル端末10が取り外されていないと判断されている状態で、生体情報が検出されなくなったときに、報知処理が実行される。
また、他の実施例では、防犯モードが設定されている状態では、LED30が任意の色で点滅発光するようにしてもよい。
また、その他の実施例では、子どもがルート上から外れた場合は、ルートに復帰するための案内情報が作成され、ウェアラブル端末10上で案内されてもよい。
また、さらにその他の実施例では、ウェアラブル端末10からの端末位置情報が受信できない場合は、子どもに対して危険が生じている可能性があるため、親に対してこのような状況が通知されてもよい。
また、実施例では、携帯電話機12において案内情報を作成して、その案内情報に基づくルート案内をウェアラブル端末10上で行った。これにより、ウェアラブル端末10の性能を低く抑えることができるため、ウェアラブル端末10の価格を抑えることができる。ただし、他の実施例では、ウェアラブル端末10に地図データを記憶させ、入力されたルートをウェアラブル端末10に送信し、ウェアラブル端末10が案内情報を作成して、ルート案内を行うようにしてもよい。この場合、携帯電話機12の処理の負担を軽減することができるとともに、通信量を減らすことができる。
また、実施例の自宅情報は、GPS信号を利用して登録されるが、その他の実施例では、親が表示された地図上で自宅位置を指定することで設定されてもよい。
また、さらにその他の実施例では、ルート案内を行うときに携帯電話機12には地図は表示されなくてもよい。この場合、自宅への到着などイベントが発生したときに、音や光などを利用して通知動作が行われる。
また、他の実施例では、ルート案内を行うときの目的地は自宅ではなく、携帯電話機12の現在位置であってもよいし、ルートを入力する際に任意の場所が目的地とされてもよい。
また、その他の実施例では、ウェアラブル端末10上でルート案内が行われているときは、携帯電話機12と同様、ウェアラブル端末10のディスプレイ22に地図が表示されてもよい。
また、さらにその他の実施例では、ルート案内が行われているときに、ウェアラブル端末10は、前方に注意しながら移動するよう通知してもよい。ウェアラブル端末10が加速度センサを有している場合は、ウェアラブル端末10が確認されている姿勢を姿勢センサ94が検出し、加速度センサによってウェアラブル端末10の移動が検出されているときは、ルート案内を一時的に中断するとともに、子どもに対して立ち止まるよう伝えるメッセージが表示されてもよい。この場合、ウェアラブル端末10の移動が検出されなくなったときに、ルート案内が再開される。
また、他の実施例では、警報情報または報知情報は、携帯電話機12だけでなく、タブレット端末およびPDAなどの携帯通信端末や、ノート型またはデスクトップ型のPCに対して通知(送信)されてもよい。
また、その他の実施例では、現在位置の測位には、GPS衛星から送信されるGPS信号に加えて、基地局から送信される信号が利用されてもよい。また、GPS信号に代えて無線LANのアクセスポイントから送信される信号が利用されてもよい。
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機12およびウェアラブル端末10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機およびウェアラブル端末にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。