<第1実施例>
図1を参照して、この発明の一実施例のルート案内システム100は、携帯電話機10およびウェアラブル端末12を含む。携帯電話機10およびウェアラブル端末12は、共にGPS衛星からのGPS信号を受信することで現在地を測位することが可能である。また、携帯電話機10とウェアラブル端末12とは、ネットワークを介して、通話を行ったり、データ通信を行ったりすることが可能である。
実施例のルート案内システム100は、ネットワークを介した携帯電話機10とウェアラブル端末12とデータ通信などを利用して、ウェアラブル端末12上でルート案内を行う。
また、実施例のルート案内システム100では、携帯電話機10とウェアラブル端末12との間でスケジュールが同期されると、ウェアラブル端末12上でもスケジュールの通知が行われる。また、必要であれば、ウェアラブル端末12上でそのスケジュールの事前通知も行われる。そのため、ルート案内システム100は、事前通知システムと呼ばれることもある。
携帯電話機10は、第1携帯端末とも呼ばれ、実施例では、地図を表示したり、ルート案内におけるルートを入力したり、スケジュールを登録したりすることが可能な携帯端末である。また、携帯電話機10は、親によって所持されることから親用携帯端末と呼ばれることもある。
ウェアラブル端末12は、第2携帯端末とも呼ばれ、実施例では、上述のルート案内のための表示や他の必要な情報の表示を行うことができる。また、ウェアラブル端末12は、子ども腕(体)に装着されることから子ども用携帯端末と呼ばれることもある。
また、携帯電話機10は、電話機能、メール機能、GPS機能、スケジュール機能、文章の入力/編集機能および電卓機能など様々な機能を実行することが可能であるため、高機能携帯端末とも呼ばれることもある。一方、ウェアラブル端末12は、電話機能、メール機能、文章の入力/編集機能および電卓機能などの機能が実行できなくてもよく、最小限、GPS機能、スケジュール機能および上述のルート案内のための表示や他の必要な情報の表示をするための表示機能を有していればよいため、上述の高機能携帯端末に対して低機能携帯端末と呼ばれることもある。ただし、他の実施例では、第1携帯端末および第2携帯端末が、同じ携帯電話機10であってもよい。
図2を参照して、携帯電話機10は、一例としてスマートフォン(smartphone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング22を含む。ただし、この発明は、タブレット端末、タブレットPC、ノートPCおよびPDAなど任意の携帯通信端末などに適用可能であることを予め指摘しておく。
ハウジング22の主面(表面)には、たとえば液晶や有機ELなどで構成され、表示部とも呼ばれるディスプレイ24が設けられる。ディスプレイ24の上には、タッチパネル26が設けられる。
ハウジング22の縦方向一端の主面側にスピーカ28が内蔵され、縦方向他端の主面側にマイク30が内蔵される。
ハウジング22の主面には、タッチパネル26と共に入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、通話キー32a、終話キー32bおよびメニューキー32cが設けられる。
たとえば、ディスプレイ24に表示されたダイヤルパッドに対して、タッチ操作が行われると電話番号が入力され、通話キー32aが操作されると音声通話が開始される。終話キー32bが操作されると音声通話が終了する。なお、終話キー32bを長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることができる。
また、メニューキー32cが操作されると、ディスプレイ24にホーム画面が表示される。親は、その状態でディスプレイ24に表示されているオブジェクトなどに対して、タッチパネル26によるタッチ操作を行うことによってオブジェクトを選択し、その選択を確定させることができる。
なお、携帯電話機10は、電話機能以外に、現在位置を含む地図を表示することが可能な地図機能、メール機能およびブラウザ機能などを実行可能である。また、以下の説明では、ディスプレイ24に表示されるキーなどのGUIおよびアイコンなどは、まとめてオブジェクトと言うことがある。
図3(A)は、ウェアラブル端末12の通常形状の表面を示し、図3(B)はウェアラブル端末12の通常形状の裏面を示し、図3(C)はウェアラブル端末12の通常形状の左側面を示し、図3(D)はウェアラブル端末12の通常形状の右側面を示す。なお、ここで言う「通常形状」とは、後述する第1ベルト48aおよび第2ベルト48bが湾曲されずに延びた状態を言い、この形状のときウェアラブル端末12は装着されない。
図3(A)−図3(D)を参照して、ウェアラブル端末12はシリコーン樹脂製の筐体40を有している。そして、実施例のウェアラブル端末12は、たとえばIPX5/7の防水機能を有している。
筐体40は一例として腕時計のような形状をしており、筐体40の表面の略中央には、たとえば液晶や有機ELなどで構成され、表示部とも呼ばれるディスプレイ42が設けられている。ディスプレイ42の上には、タッチパネル44が設けられている。また、ディスプレイ42の傍には入力キー46が設けられている。
筐体40において、ディスプレイ42の両側には第1ベルト48aおよび第2ベルト48bが形成されている。また、第1ベルト48aおよび第2ベルト48bのそれぞれの先端には、第1LED50aおよび第2LED50bが設けられている。
筐体40の裏面には生体センサ52が設けられている。筐体40の左側面にはスピーカ54が設けられており、筐体40の右側面にはマイク56が設けられている。
たとえば、子ども(ユーザ)は、ディスプレイ42に表示されるGUIを利用して必要な設定を行うことで、ウェアラブル端末12を腕に装着したまま通話を行うことができる。たとえば、親用携帯端末に設定された電話番号などの発信先が子どもによって選択されると、音声通話が開始される。ウェアラブル端末12の通話はハンズフリーによって行われるため、子どもはウェアラブル端末12を顔に近づければ、スピーカ54から出力される音声を聞き取ることが可能であり、またマイク56に音声を入力することも可能である。そして、通話中に表示される終話用のGUIが操作されると、音声通話は終了する。なお、ハンズフリーの設定を変更することで、子どもはウェアラブル端末12を顔に近づけなくても、通話を行うことが可能である。
また、入力キー46が長押しされると、防犯ブザー機能が実行される。この状態では、2つのLED50が赤色に発光するとともに、スピーカ54から警報音が出力される。また、防犯ブザー機能が実行されるとウェアラブル端末12の現在位置が測位され、現在位置と共に防犯ブザー機能が実行されたことを伝えるメッセージが携帯電話機10に対して送信される。なお、ウェアラブル端末12によって測位された現在位置は、端末位置と呼ばれることもある。
また、防犯ブザー機能は、子どもの腕から取り外された状態が検出されると自動的に実行される。子どもの腕から取り外された状態は、生体センサ52から子どもの生体情報(たとえば、脈拍)が検出されなくなったときに検出される。ただし、取り外しモードが設定された状態でウェアラブル端末12が取り外された場合は、防犯ブザーモードは実行されない。なお、取り外しモードは、ディスプレイ42に表示されるGUIを利用して設定されてもよいし、携帯電話機10からの命令信号によって設定されてもよい。そして、取り外しモードが設定されてウェアラブル端末12が子どもの腕から取り外された状態であっても、入力キー46が長押しされると、防犯ブザー機能が実行される。
図4はウェアラブル端末12が装着されるときの形状(以下、装着形状と言う。)の一例を示す図解図であり、図4(A)はウェアラブル端末12の装着形状の表側を示し、図4(B)はウェアラブル端末12の装着形状の裏側を示し、図4(C)はウェアラブル端末12の装着形状の側面を示し、図4(D)はウェアラブル端末12の装着形状の他の側面を示し、図4(E)はウェアラブル端末12が装着された状態の一例を示す。
図4(A)−図4(D)を参照して、ウェアラブル端末12の装着形状では、第1ベルト48aおよび第2ベルト48bは、互いに重なり合うことなく、ウェアラブル端末12の裏側の方に曲がった形状となる。したがって、ウェアラブル端末12の装着形状において他の側面から見た場合、ウェアラブル端末12はリングのような形状となる。そして、ウェアラブル端末12が腕に装着された状態では、このリングのような形状となったウェアラブル端末12の内側に腕が通される。
図5(A)および図5(B)を参照して、第1ベルト48aおよび第2ベルト48bのそれぞれには、略先端部分から根元の部分に金属製の板58が内蔵されている。また、板58の周囲はシリコーン樹脂60によって覆われている。そして、バネステンとも呼ばれる板58によって第1ベルト48aおよび第2ベルト48bの通常形状と装着形状とが維持される。
具体的に説明すると、通常形状において板58の断面は、図5(A)に示すように、筐体40の裏側の方に湾曲した状態となる。この状態の板58は、全体として略平らな形状を維持するため、第1ベルト48aおよび第2ベルト48bのそれぞれは、図3(B)などに示すような通常形状を維持することが可能となる。
一方、装着形状において板58の断面は、図5(B)に示すように、中央部分が筐体40の表側の方、つまり図5(A)の状態とは逆に湾曲した状態となる。この状態の板58は、内側(筐体40の裏側)の方に曲がった形状を維持するため、第1ベルト48aおよび第2ベルト48bのそれぞれは、図4(C)などに示すような装着形状を維持することが可能となる。
そして、図5(A)に示す状態の板58に対して筐体40の裏側に曲げる力を加えると、板58は図5(B)に示す状態に変形する。つまり、板58は、略平らな状態から曲がった形状に変形する。これに合わせて、第1ベルト48aおよび第2ベルト48bが通常形状から装着形状に変形する。また、曲がった状態の板58には、曲がった形状を維持しようとする力が働く。そのため、装着形状の第1ベルト48aおよび第2ベルト48bを筐体40の表側の方に広げても、板58によって図4(D)に示すような形状に戻される。ただし、図5(B)に示す状態の板58に対して略水平となるように力を加えると、板58の断面は図5(A)に示す形状に変形する。
したがって、装着形状の第1ベルト48aおよび第2ベルト48bが互いに固定されていなくても、ウェアラブル端末12を子どもの腕に装着することが可能になる。特に、曲がった板58はその形状を維持しようとするため、子どもの腕の太さに関係なく安定して装着することが可能となる。また、筐体40は摩擦係数が高いシリコーン樹脂60によって形成されているため、装着されたウェアラブル端末12は腕からずれ落ちにくい。なお、他の実施例では、留め具などの機構を利用してウェアラブル端末12の第1ベルト48aおよび第2ベルト48bが固定されてもよい。また、その他の実施例では、装着形状の第1ベルト28aおよび第2ベルト28bが互いに重なり合うことなく、かつ第1ベルト28aの先端と第2ベルト28bの先端との間に隙間があってもよい。つまり、その他の実施例では、装着形状のウェアラブル端末12は、全体としてリングのような形状となるが、その一部が欠落しているような状態となる。
図6を参照して、図1または図2に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ70などを含む。プロセッサ70には、無線通信回路72、A/D変換器76、D/A変換器78、入力装置80、表示ドライバ82、フラッシュメモリ84、RAM86、タッチパネル制御回路88およびGPS回路90などが接続される。
プロセッサ70は、時刻情報を出力するRTC70aを含み、携帯電話機10の全体制御を司る。RAM86には、フラッシュメモリ84に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ70はこのRAM86上のプログラムに従って動作する。また、RAM86はさらに、プロセッサ70のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。なお、RAM86は記憶部と呼ばれることもある。
入力装置80は、図1に示すハードキー32を含むものである。そのため、ハードキー32に対するキー操作を受け付ける操作受付部を構成する。操作受付部が受け付けたハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ70に入力される。
無線通信回路72は、アンテナ74を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路72は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、タッチパネル26が受け付けた発呼(音声発信)の操作に基づき、無線通信回路72は、プロセッサ70の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ74を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において音声着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ70は通話処理を実行する。
また、無線通信回路72はアンテナ74を介して、ネットワーク(通信網、電話網)と無線接続される。したがって、携帯電話機10は、ネットワークを介してウェアラブル端末12とのデータ通信を確立することが出来る。
A/D変換器76には図1に示すマイク30が接続され、上述のようにマイク30からの音声信号はこのA/D変換器76でディジタルの音声データに変換され、プロセッサ70に入力される。一方、D/A変換器78にはスピーカ28が接続される。D/A変換器78は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ28に与える。したがって、音声データに基づく音声がスピーカ28から出力される。そして、通話処理が実行されている状態では、マイク30によって集音された音声が相手の電話機に送信され、相手の電話機で集音された音声が、スピーカ28から出力される。
表示ドライバ82には図1に示すディスプレイ24が接続され、したがって、ディスプレイ24はプロセッサ70から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。表示ドライバ82は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含んでおり、プロセッサ70から出力されたデータはこのビデオメモリに記憶される。そして、表示ドライバ82は、ビデオメモリの内容に従って、ディスプレイ24に画像を表示する。つまり、表示ドライバ82は、プロセッサ70の指示の下、当該表示ドライバ82に接続されたディスプレイ24の表示を制御する。そのため、プロセッサ70は表示制御部と呼ばれることもある。なお、ディスプレイ24には、バックライトが設けられており、表示ドライバ82はプロセッサ70の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
タッチパネル制御回路88には、タッチパネル26が接続される。タッチパネル制御回路88は、タッチパネル26に必要な電圧などを付与すると共に、タッチパネル26に対するタッチの開始を示すタッチ開始信号、タッチの終了を示す終了信号、およびタッチされたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ70に入力する。したがって、プロセッサ70はこの座標データに基づいて、タッチされたオブジェクトを判断する。
実施例では、タッチパネル26は、その表面と指などの物体(以下、便宜上合わせて指と言う。)との間に生じる静電容量の変化を検出する静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル26は、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル26に触れたことを検出する。そのため、タッチパネル26はポインティングデバイスとも呼ばれる。タッチパネル制御回路88は、タッチパネル26のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ70に出力する。つまり、タッチパネル26の表面に対してタッチ操作が行われることによって、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。
本実施例のタッチ操作には、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作などが含まれる。
タップ操作は、タッチパネル26の表面に指を接触(タッチ)させた後、短時間のうちにタッチパネル26の表面から指を離す(リリースする)操作である。ロングタップ操作は、指をタッチパネル26の表面に接触させ続けた後、指をタッチパネル26の表面から離す操作である。フリック操作は、タッチパネル26の表面に指を接触させ、任意の方向へ所定速度以上で指を弾く操作である。スライド操作は、タッチパネル26の表面に指を接触させたまま任意の方向へ移動させた後、タッチパネル26の表面から指を離す操作である。
また、上記のスライド操作には、ディスプレイ24の表面に表示されたオブジェクトに指を触れ、オブジェクトを移動させるスライド操作、いわゆるドラッグ操作も含まれる。また、ドラッグ操作の後、タッチパネル26の表面から指を離す操作をドロップ操作と呼ぶ。
なお、以下の説明では、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作、ドラッグ操作およびドロップ操作は、それぞれ「操作」を省略して記述されることがある。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
GPS回路90は、現在位置を測位するときに起動される。GPS回路90は、GPSアンテナ92によって受信されたGPS衛星の信号が入力されると、そのGPS信号に基づいて測位処理を実行する。その結果、GPS情報(位置情報)として、緯度、経度および標高(高度)が算出される。
また、図1では簡単のために1つのGPS衛星しか描画していないが、現在位置を三次元測位するためには、4つ以上のGPS衛星からGPS信号を受信する必要がある。ただし、4つ以上のGPS衛星からGPSを受信できなくても、3つのGPS衛星からGPS信号を受信できていれば、二次元測位によって経度および緯度を算出することは可能である。
なお、RAM86には地図データが記憶されており、携帯電話機10はGPS回路90によって算出されたGPS情報に基づいて、現在位置に対応する地図を表示することが可能である。
図7を参照して、図1に示す実施例のウェアラブル端末12は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ110などを含む。プロセッサ110には、入力キー46、LED50、生体センサ52、無線通信回路112、A/D変換器116、D/A変換器118、表示ドライバ120、フラッシュメモリ122、RAM124、タッチパネル制御回路126、GPS回路128、方位センサ132、姿勢センサ134およびバイブレータ136などが接続される。また、無線通信回路112にはアンテナ114が接続され、表示ドライバ120にはディスプレイ42が接続され、タッチパネル制御回路126にはタッチパネル44が接続され、GPS回路128にはGPSアンテナ130が接続される。なお、A/D変換器116、D/A変換器118、表示ドライバ120、フラッシュメモリ122、RAM124、タッチパネル制御回路126およびGPS回路128は、携帯電話機10のものと略同じであるため、重複する説明は簡単のため省略する。
プロセッサ110は、時刻情報を出力するRTC110aを含み、電話機能、防犯ブザー機能およびデータ通信機能などの機能実行するためにウェアラブル端末12の全体制御を司る。また、入力キー46が受け付けたハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ110に入力される。
無線通信回路112は、携帯電話機10の無線通信回路72と略同じであり、CDMA方式での無線通信を行うことが可能である。たとえば、登録された連絡先を選択する操作が行われると、無線通信回路112はプロセッサ110の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ114を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網を経て携帯電話機10などに送信される。たとえば、携帯電話機10において音声着信処理が行われると、携帯電話機10との通話可能状態が確立され、プロセッサ110は通話処理を実行する。このとき、子どもは、スピーカ54およびマイク56を利用して親と通話を行うことができる。
また、たとえば携帯電話機10が送信した音声発信信号がアンテナ114によって受信されると、無線通信回路112は着呼をプロセッサ110に通知し、プロセッサ110は着信処理を実行する。たとえば、着信処理が実行されると、スピーカ54から着信音が出力されるとともに、後述するバイブレータ136によってウェアラブル端末12が振動する。そして、ウェアラブル端末12に対して音声着信操作が行われると、たとえば携帯電話機10との通話可能状態が確立され、プロセッサ110は通話処理を実行する。
ディスプレイ42には、ウェアラブル端末12を操作するためのGUIが表示され、タッチパネル44を利用してそのGUIが操作される。たとえば、発呼を行うためのGUIが表示されているときに、子どもがタッチパネル44を利用して発呼操作を行うと、上述したように、音声発信信号が出力される。
LED50は、赤色、青色、緑色などの複数の色で発光することが可能であり、プロセッサ110によって発光色や、点滅周期などが制御される。上述したように、LED50は、防犯ブザー機能が実行されると赤色に発光する。
生体センサ52は、人(子ども)の脈拍を計測するためのセンサである。上述したように、プロセッサ110は、生体センサ52の出力を利用してウェアラブル端末12が子どもに装着されているかを判断する。つまり、生体センサ52によって脈拍が計測されている状態では、プロセッサ110はウェアラブル端末12が子どもに装着されていると判断する。一方、生体センサ52によって脈拍が計測されていない状態では、プロセッサ110はウェアラブル端末12が子どもに装着されていないと判断する。
方位センサ132は、電子コンパスまたは方向出力部とも呼ばれ、3つの地磁気センサおよび制御回路を含む。制御回路は、3つの地磁気センサによって検出された磁気データから地磁気データを抽出して、プロセッサ110に出力する。プロセッサ110は、制御回路から出力された地磁気データに基づいて、方位角(方位または方向)データを算出し、ウェアラブル端末12の方向としてRAM124のバッファに記憶させる。ここで、本実施例の方位角は、北(N)を0度として時計回りに、東(E)が90度、南(S)が180度および西(W)が270度とする。なお、各地磁気センサは、ホール素子が用いられているが、MR(Magnet−Resistive)素子やMI(Magnet−Impedance)素子が用いられてもよい。
姿勢センサ134はウェアラブル端末12の動きを検出するために用いられる。たとえば、姿勢センサ134は圧電型ジャイロであり、3軸(x,y、z)の角速度を検出し、その検出結果をプロセッサ110に出力する。プロセッサ110は姿勢センサ134が検出した各軸の角速度に基づいて、ウェアラブル端末12の動きや、傾きを検出する。
たとえば、プロセッサ110は、姿勢センサ134によって検出した姿勢に基づいて、子どもがウェアラブル端末12を確認している状態かを判断する。また、プロセッサ110は、子どもがウェアラブル端末12を確認している状態のときに、子どもが向いている方位、つまり子どもの進行方向を方位センサ132によって検出する。そして、ウェアラブル端末12は、現在位置(端末位置)、姿勢および方位を含む端末位置情報を、携帯電話機10に送信する。
バイブレータ136は、偏心重が回転軸に取り付けられたモータであり、プロセッサ110によってオン/オフが制御される。そして、バイブレータ136が動作(オン)すると、バイブレータ136の振動によってウェアラブル端末12も振動する。
図8は携帯電話機10のディスプレイ24に表示される地図の一例を示す図解図である。図8を参照して、ディスプレイ24の表示範囲は状態表示領域150および機能表示領域152を含む。状態表示領域150には、アンテナ74による電波受信状態を示すピクト、二次電池の残電池容量を示すピクトおよび時刻が表示される。機能表示領域152には、地図が表示される。この地図は、登録されている自宅の位置(以下、自宅位置と言う。)を示す自宅位置アイコンHと、ウェアラブル端末12から受信した端末位置を含む端末位置アイコンCとが示されている。たとえば、親が携帯電話機10においてウェアラブル端末12を管理する機能(以下、管理機能と言う。)を実行すると、自宅位置および子ども現在位置(ウェアラブル端末12の端末位置)を含む地図データがRAM86から読み出され、これらの情報を含む地図がディスプレイ24に表示される。
このように地図が表示されているときに、携帯電話機10(親用携帯端末)で自宅(目的地)までのルートが入力されると、ウェアラブル端末12(子ども用携帯端末)上でルート案内が行われる。
図9(A)−図9(D)を参照して、ルートを入力する操作について説明する。ウェアラブル端末12の端末位置アイコンCに対してタップされると、ルートが入力可能な状態となる。この状態で、端末位置アイコンCから自宅位置アイコンHまでのルートをスライドによって入力し、自宅位置アイコンHに対してタップを行うと、ルートを入力することができる。このとき、ディスプレイ24には、入力されたルートが確定されたことと、このルートでのルート案内を開始することとを伝えるメッセージが書かれたポップアップPが表示される。
このとき、携帯電話機10は、ルート案内が行われていることと伝えるメッセージとを含む案内情報を作成する。この案内情報がウェアラブル端末12に送信されると、ディスプレイ42にはルート案内が行われることを伝えるメッセージが表示される。また、ウェアラブル端末12は、バイブレータ136を動作せる。
なお、ルートを入力可能なときに無操作状態が続くと、ルートを入力可能な状態が解除(キャンセル)される。
図10(A)を参照して、ルート案内が行われているときの動作について説明する。まず、携帯電話機10は、ウェアラブル端末12の端末位置情報から端末位置および方位(子どもの向き)を読み出し、子どもが進み始めるべき方向を伝える案内情報を作成する。たとえば、子どもの向きがルートの進行方向と一致している場合は、そのまま進むことを促すメッセージとアイコンとを含む案内情報が作成される。この案内情報をウェアラブル端末12が受信すると、ウェアラブル端末12のディスプレイ42には、そのまま進むことを促すメッセージとアイコンとが表示される。
続いて、図10(B)を参照して、携帯電話機10では端末位置情報が変化する度に案内情報が作成され、ウェアラブル端末12に対して送信される。また、携帯電話機10のディスプレイ24には、ルート案内などによって変化した子どもの位置に対応して、端末位置アイコンCの位置が更新される。そして、ウェアラブル端末12を装着する子どもが交差点などの分岐点に近づくと、携帯電話機10は進むべき道を示す案内情報を作成する。たとえば、子どもの向きに対して左に曲がる場合、分岐点において左に曲がることを促すメッセージと、左を示すアイコンとを含む案内情報が作成される。案内情報を受信したウェアラブル端末12のディスプレイ42には、子どもの進行方向に対して左に曲がることを促すメッセージと、左を示すアイコンとが表示される。
続いて、図11(A)を参照して、ウェアラブル端末12の端末位置が自宅位置に近づくと、自宅が近いことを伝える案内情報が作成される。この案内情報をウェアラブル端末12が受信すると、ウェアラブル端末12のディスプレイ42には自宅が近いことを伝えるメッセージが表示される。
そして、図11(B)を参照して、端末位置および自宅位置に基づいてウェアラブル端末12(子ども)が自宅に到着したと判断されると、携帯電話機10は自宅に到着したことを伝える到着情報をウェアラブル端末12に送信する。この到着情報がウェアラブル端末12によって受信されると、ウェアラブル端末12のディスプレイ42には自宅に到着したことを伝えるメッセージが表示される。
このように、子どもの位置に合わせて、適切なルート案内を容易に行うことができる。また、子どもはルート案内に従って移動すれば、目的地に向かうことができる。
なお、他の実施例では、ルート案内中に、案内情報の内容がスピーカ54から出力されてもよい。また、その他の実施例では、ディスプレイ42の表示を利用せずに、スピーカ54から出力される音声によってルート案内が行われてもよい。
また、さらにその他の実施例では、ルート案内が行われているときに、ルートが変更できてもよい。また、親は危険な場所や道路をセキュリティ指定区域として登録できてもよい。さらに、任意の場所にその周辺の状況を伝える地点情報が登録されてもよい。
次に、スケジュール機能について説明する。携帯電話機10でスケジュール機能が実行されると、スケジュール画面が機能表示領域152に表示される。スケジュール画面には、スケジュール機能が実行された日、つまり当日のスケジュールが含まれる。たとえば、図12(A)に示すスケジュール画面において、左側には2014年1月9日の親(自分)のスケジュールとして、14時から「会社」で「MTG(ミーティング)」を行うスケジュールと、16時30分から「スーパー」で「買い物」に行くスケジュールと、18時から「自宅」で「晩ごはん」を食べ始めるスケジュールとが示されている。また、スケジュール画面の右側には2014年1月9日の子どものスケジュールとして、15時まで「学校」にいるスケジュールと、15時30分から「塾」で「勉強」をするスケジュールとが示されている。
また、子どものスケジュールは、親が携帯電話機10を利用して登録してもよいし、子どもがウェアラブル端末12を利用して登録してもよい。また、ウェアラブル端末12を利用して子どものスケジュールが登録された場合、登録されたスケジュールの詳細は携帯電話機10に送信される。したがって、子どもがスケジュールを登録したとしても、親は自身の携帯電話機10を利用して、子どもが登録したスケジュールを確認することができる。
日付の部分に対してタッチ操作が行われると、他の日付のスケジュールを確認する画面が表示される。また、右下の「+」が描かれたキーに対してタッチ操作がされると、新規スケジュールの登録画面が表示される。さらに、任意のスケジュールに対してタップされると、スケジュールを開始するスケジュール時刻およびそのスケジュールに基づいて行動を行うスケジュールの場所などを含む詳細画面が表示される。そして、実施例では、スケジュールの場所が「自宅」とされている親のスケジュールにタッチした後に子どもスケジュールの方へスライドすると、タッチされた親のスケジュールが子どものスケジュールと同期される。
図12(A)および図12(B)を参照して、たとえば18時からの「自宅」で「晩ごはん」のスケジュールに対してタッチされた後に子どものスケジュールの方へスライドされると、「晩ごはん」のスケジュールが同期され、子どものスケジュールとしても登録される。そして、現在時刻が「晩ごはん」のスケジュールにおけるスケジュール時刻、つまり18時に達すると、図13に示すようにウェアラブル端末12上でスケジュールの内容を伝えるスケジュール情報が通知される。
ここで、実施例では、スケジュールが携帯電話機10とウェアラブル端末12とで同期され、かつ子どもがスケジュールの場所(実施例では、「自宅」)から離れている場合、スケジュール時刻の所定時間前に事前通知を行う。
図14(A)および図14(B)を参照して、スケジュールが携帯電話機10とウェアラブル端末12とで同期され、かつ子ども(端末位置)が自宅から離れている場合、自宅位置Hを中心とする移動範囲Aが設定される。この移動範囲Aは所定範囲とも呼ばれ、子どもの移動速度に基づいて設定される。また、実施例の移動範囲Aには、第1移動範囲A1、第1移動範囲A1よりも内側に設けられる第2移動範囲A2および第2移動範囲A2よりも内側に設けられる第3移動範囲A3が含まれる。また、第1移動範囲A1内にいる子どもは帰宅するのに第1所定時間(たとえば、30分)かかると推定されるため、第1移動範囲A1には第1所定時間が対応している。同様に、第2移動範囲A2内にいる子どもは帰宅するのに第2所定時間(たとえば、20分)かかると推定されるため、第2移動範囲A2には第2所定時間が対応している。そして、第3移動範囲A3内にいる子どもは帰宅するのに第3所定時間(たとえば、10分)かかると推定されるため、第3移動範囲A3には第3所定時間が対応している。なお、第1所定時間、第2所定時間および第3所定時間は、一定時間(たとえば、10分)毎に短くなっている。
たとえば、子ども(端末位置アイコンC)が第1移動範囲A1内にいる状態でスケジュール時刻の第1所定時間前に達すると、ウェアラブル端末12上では、スケジュール時刻に対して第1所定時間前であることと、スケジュールの内容とを伝える事前通知情報が通知される。したがって、子どもはスケジュール通りに18時から「自宅」で「晩ごはん」を食べるためには帰宅しなければならないことに気づくことができる。つまり、事前通知によって、子どもに対してスケジュール通りの行動を促すことができる。そして、スケジュールの事前通知がされた子どもはスケジュール通りの行動を行うための事前行動を起こすことができる。
また、子どもが第2移動範囲A2内にいる状態でスケジュール時刻の第2所定時間前に達すると、ウェアラブル端末12上では、スケジュール時刻に対して第2所定時間前であることを伝える事前通知情報が通知される。そして、図示は省略するが、子どもが第3移動範囲A3にいる状態で第3所定時間前に達すると、ウェアラブル端末12上では、スケジュール時刻に対して第3所定時間前であることを伝える事前通知情報が通知される。
このように、第1実施例では、子どもがいる移動範囲Aに基づいて事前通知を行うかを判断できるため、事前通知を行う処理を単純化することができる。また、複数の移動範囲を利用することで、子どもの位置に合わせて適切な事前通知を行うことができる。
特に、親は携帯電話機10を利用してスケジュールして同期するだけで、子どもの行動を容易に管理することができる。
なお、実施例では、スケジュールの場所が「自宅」とされているスケジュールの同期について説明したが、他の実施例では、スケジュールの場所が「自宅」でなくても、そのスケジュールが同期できるようにしてもよい。この場合、様々な場所がスケジュールの場所として事前に登録される。
また、第1実施例の移動範囲Aは円で示されたが、他の実施例では多角形(凹多角形を含む)などによって移動範囲Aが示されてもよい。また、その他の実施例では、移動範囲Aの数は1または2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
上述では第1実施例の特徴を概説した。以下では、図15に示す携帯電話機10のメモリ86のメモリマップ、図16に示すウェアラブル端末12のメモリ124のメモリマップおよび図17−図24に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
図17を参照して、携帯電話機10のRAM86には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ84(図6)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
プログラム記憶領域302には、ウェアラブル端末12が送信する端末位置情報を受信して記憶するための端末位置情報管理プログラム310、地図の表示およびルート案内を制御するための端末管理プログラム312、ウェアラブル端末12上でルート案内を行うためのルート案内プログラム314、スケジュールを登録するためのスケジュール登録プログラム316および登録したスケジュールが同期されている場合に様々な情報を通知するスケジュール通知プログラム318などが記憶される。なお、プログラム記憶領域302には、メール機能、ブラウザ機能などの機能を実行するためのプログラムも記憶される。
続いて、RAM86のデータ記憶領域304には、タッチバッファ330、端末位置情報バッファ332、ルートバッファ334およびスケジュール情報バッファ336などが設けられる。また、データ記憶領域304には、地図データ338、自宅位置データ340、移動範囲データ342およびスケジュールデータ344などが記憶されるとともに、タッチフラグ346などが設けられる。
タッチバッファ330には、タッチパネル制御回路88が出力するタッチ座標のデータ、タッチ操作の始点および終点のタッチ座標のデータなどが一時的に記憶される。端末位置情報バッファ332には、受信した端末位置情報が一時的に記憶される。ルートバッファ334には、入力されたルートが一時的に記憶される。スケジュール情報バッファ336には、スケジュールが同期されたときに作成されるスケジュール情報が一時的に記憶される。
地図データ338には、ルート案内や情報を登録するときに表示される地図のデータである。自宅位置データ340は、登録された自宅の位置を示すデータである。移動範囲データ342は、図14(A)などに示される第1移動範囲A1−第3移動範囲A3を含むデータである。スケジュールデータ344は、携帯電話機10に登録されているスケジュールのデータである。
タッチフラグ346は、タッチパネル26に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ346は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ346がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ346がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、タッチフラグ346は、タッチパネル制御回路88の出力に基づいてオン/オフが切り換えられる。
なお、データ記憶領域304には、GUIなどのオブジェクトを表示するためのデータが記憶されたり、プログラムの実行に必要な、他のフラグやタイマ(カウンタ)が設けられたりする。
図16を参照して、ウェアラブル端末12のRAM124には、プログラム記憶領域402とデータ記憶領域404とが形成される。プログラム記憶領域402には、携帯電話機10と同様、フラッシュメモリ122(図7)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
プログラム記憶領域402には、端末位置情報を携帯電話機10に送信するための端末位置情報送信プログラム410および携帯電話機10から送信された情報を通知するための通知プログラム412などが記憶される。なお、プログラム記憶領域402には、電話機能および防犯ブザー機能などの機能を実行するためのプログラムも記憶される。
続いて、RAM124のデータ記憶領域404には、端末位置情報バッファ430および通信バッファ432などが設けられる。
端末位置情報バッファ430には、ウェアラブル端末12が測位した現在位置、ウェアラブル端末12の姿勢および検出された方位を含む端末位置情報が一時的に記憶される。通信バッファ432には、携帯電話機10から受信した、案内情報、スケジュール情報および事前通知情報などが一時的に記憶されるバッファである。なお、データ記憶領域404には、連絡先の情報を含むアドレス帳データなどが記憶されたり、プログラムの実行に必要な、他のフラグやタイマ(カウンタ)が設けられたりする。
携帯電話機10のプロセッサ70は、Windows(登録商標)ベースのOSや、Android(登録商標)およびiOS(登録商標)などのLinux(登録商標)ベースのOSなどその他のOSの制御下で、図17に示す端末位置情報管理処理、図18に示す端末管理処理、図19に示すルート案内処理、図20に示すスケジュール登録処理、図21に示すスケジュール通知処理および図22に示す事前通知処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
図17は端末位置情報管理処理のフロー図である。たとえば、端末位置管理処理は携帯電話機10の電源がオンにされると開始される。ステップS1でプロセッサ70は、端末位置情報を受信したか否かを判断する。つまり、プロセッサ70は、ウェアラブル端末12から、端末位置、姿勢および方位を含む端末位置情報を受信したかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまりウェアラブル端末12から端末位置情報を受信していなければ、プロセッサ70はステップS1の処理を繰り返す。
また、ステップS1で“YES”であれば、つまりウェアラブル端末12から端末位置情報を受信すると、ステップS3でプロセッサ70は、端末位置情報を記憶する。つまり、受信した端末位置情報は、端末位置情報バッファ332に記憶される。そして、ステップS3の処理が終了すれば、プロセッサ70はステップS1の処理に戻る。つまり、プロセッサ70は端末位置情報を受信したかを再び判断する。また、端末位置情報管理処理は、所定周期(たとえば、5秒)毎に繰り返される。
なお、他の実施例の端末位置情報管理処理では、端末位置情報を受信できない状態が続いた場合には、警報音を出力したりする警報モードを設定するステップが実行されてもよい。たとえば、ウェアラブル端末12からの端末位置情報が受信できない場合は、子どもに対して危険が生じている可能性があるため、親に対してこのような状況が通知される。
図18は端末管理処理のフロー図である。たとえば、管理機能が実行されると、ステップS21でプロセッサ70は、端末位置情報を読み出す。つまり、端末位置情報バッファ332からウェアラブル端末12の端末位置情報が読み出される。続いて、ステップS23でプロセッサ70は、自宅位置および端末位置を含む地図を読み出す。つまり、読み出した端末位置情報に含まれる端末位置と自宅位置データ340とに基づいて、地図データ338が読み出される。
続いて、ステップS25でプロセッサ70は、スケジュールが同期されているか否かを判断する。つまり、スケジュール情報バッファ336にスケジュール情報が記憶されているかが判断される。ステップS25で“YES”であれば、つまりスケジュールが同期されていれば、プロセッサ70は、ステップS27で移動範囲データ342を読み出し、ステップS29で地図を表示する。たとえば、図14(A)に示すように、第1移動範囲A1−第3移動範囲A3、端末位置アイコンCおよび自宅位置アイコンHを含む地図がディスプレイ24に表示される。一方、ステップS25で“NO”であれば、つまりスケジュールが同期されていなければ、たとえばプロセッサ70はステップS29で、図8に示すように、端末位置アイコンCおよび自宅位置アイコンHを含む地図を表示する。
続いて、ステップS31でプロセッサ70は、端末位置情報を読み出す。つまり、端末位置情報バッファ332から端末位置情報が再び読み出される。続いて、ステップS33でプロセッサ70は、端末位置情報が変化したか否かを判断する。たとえば、子どもが移動したかが判断される。ステップS33で“NO”であれば、たとえば子どもが移動してなければ、プロセッサ70はステップS37の処理に進む。一方、ステップS33で“YES”であれば、たとえば子どもが移動していれば、ステップS35でプロセッサ70は、地図の表示を更新する。たとえば、地図上の端末位置アイコンCの表示が更新される。
続いて、ステップS37でプロセッサ70は、ルート案内の操作か否かを判断する。たとえば、端末位置アイコンCに対してタップされたかが判断される。ステップS37で“YES”であれば、たとえば端末位置アイコンCに対してタップされると、ステップS39でプロセッサ70は、ルート案内処理を実行する。そして、ステップS39の処理が終了すると、プロセッサ70はステップS41の処理に進む。なお、このルート案内処理については、図19に示すフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、ステップS37で“NO”であれば、たとえば端末位置アイコンCに対してタップされていなければ、ステップS41でプロセッサ70は、終了か否かを判断する。たとえば、管理機能を終了させる操作がされたかが判断される。ステップS41で“NO”であれば、つまり管理機能を終了させる操作がされなければ、プロセッサ70はステップS25の処理に戻る。一方、ステップS41で“YES”であれば、たとえば管理機能を終了させる操作がされると、プロセッサ70は端末管理処理を終了する。
図19はルート案内処理のフロー図である。端末管理処理でステップS39の処理が実行されると、ルート案内処理が開始される。ステップS61でプロセッサ70は、ルートが確定されたか否かを判断する。たとえば、図9(A)−図9(D)に示すように、ルートを入力するスライド操作がされた後に、自宅位置アイコンHに対してタップされたかが判断される。ステップS61で“NO”であれば、つまりルートが確定されていなければ、ステップS63でプロセッサ70は、キャンセルか否かを判断する。たとえば、無操作状態が続いているかが判断される。ステップS63で“YES”であれば、たとえば無操作状態が続いていれば、プロセッサ70はルート案内処理を終了して、端末管理処理に戻る。ステップS63で“NO”であれば、たとえばタッチ操作がされると、プロセッサ70はステップS61の処理に戻る。
ステップS61で“YES”であれば、たとえばルートが入力され、自宅位置アイコンHに対してタップされると、ステップS65でプロセッサ70は、ルートを記憶する。たとえば、図9(D)に示すようにルートの入力が確定されると、そのルートがルートバッファ334に記憶される。なお、ルートが記憶されると、ディスプレイ24には入力されたルートが確定されたことを伝えるポップアップPが表示される。
続いて、ステップS67でプロセッサ70は、端末位置情報に基づいて自宅までの案内情報を作成する。たとえば、端末位置情報に含まれる端末位置およびルートバッファ334に記憶されるルートからルート上の位置を算出、端末位置情報に含まれる姿勢および方位に基づいて、ルート上で進むべき方向を算出する。そして、このようにして算出されたルート上の位置および進むべき方向に基づいて、案内情報が作成される。なお、ステップS67の処理を実行するプロセッサ70は作成部として機能する。続いて、ステップS69でプロセッサ70は、案内情報をウェアラブル端末12に送信する。
続いて、プロセッサ70は、ステップS71で端末位置情報を読み出し、ステップS73で端末位置情報が変化したか否かを判断する。たとえば、子どもの位置が変化したかが判断される。ステップS73で“NO”であれば、たとえば子どもの位置が変化していなければ、プロセッサ70はステップS71の処理に戻る。一方、ステップS73で“YES”であれば、たとえば子どもの位置が変化すると、ステップS75でプロセッサ70は、地図の表示を更新する。たとえば、端末位置アイコンCの表示が更新される。
続いて、ステップS77でプロセッサ70は、自宅に到着したか否かを判断する。つまり、端末位置が自宅位置と略一致したかが判断される。具体的には、端末位置情報に含まれる端末位置と自宅位置データ340に基づいて、子どもが自宅に到着したかが判断される。ステップS77で“NO”であれば、つまり子どもが自宅に到着していなければ、プロセッサ70はステップS67の処理に戻る。
一方、ステップS77で“YES”であれば、つまり子どもが自宅に到着すると、ステップS79でプロセッサ70は、到着情報をウェアラブル端末12に送信する。つまり、自宅に到着したことを伝える到着情報が送信される。そして、ステップS79の処理が終了すると、プロセッサ70はルート案内処理を終了して、端末管理処理に戻る。なお、他の実施例では、到着情報の送信に合わせて、携帯電話機10のディスプレイ24には子どもが到着したことを伝えるポップアップPが表示されてもよい。
図20はスケジュール登録処理のフロー図である。たとえば、スケジュール機能を実行する操作がされると、プロセッサ70はステップS91で、日時に基づいてスケジュールを表示する。つまり、RTC70aが出力する日時情報に基づいてスケジュールデータ344が読み出され、読み出した日時情報と対応する日付(当日)のスケジュールがディスプレイ24に表示される。
続いて、ステップS93でプロセッサ70は、登録か否かを判断する。つまり、新規スケジュールの登録操作がされたかが判断される。ステップS93で“YES”であれば、たとえば新規スケジュールの登録操作がされると、ステップS95でプロセッサ70は、スケジュールを登録する。つまり、入力されたスケジュールの詳細がスケジュールデータ344に追加される。そして、ステップS95の処理が終了すると、プロセッサ70はステップS101の処理に進む。
また、ステップS93で“NO”であれば、たとえばスケジュールの登録操作がされなければ、ステップS97でプロセッサ70は、同期か否かを判断する。たとえば、図12(A)および図12(B)に示すように、親のスケジュールに対してスケジュールを同期する操作がされたかが判断される。ステップS97で“NO”であれば、たとえば同期する操作がされなければ、プロセッサ70はステップS101の処理に進む。一方、ステップS97で“YES”であれば、たとえば同期する操作がされると、ステップS99でプロセッサ70は、スケジュール情報を作成する。つまり、同期された親のスケジュールに基づいて、ウェアラブル端末12上でスケジュールの内容を伝えるためのスケジュール情報が作成される。なお、作成されたスケジュール情報は、スケジュール情報バッファ336に記憶される。
続いて、ステップS101でプロセッサ70は、終了か否かを判断する。たとえば、スケジュール機能を終了させる操作がされたかが判断される。ステップS101で“NO”であれば、たとえばスケジュール機能を終了させる操作がされていなければ、プロセッサ70はステップS93の処理に戻る。一方、ステップS101で“YES”であれば、たとえばスケジュール機能を終了させる操作がされると、プロセッサ70はスケジュール登録機能を終了させる。
図21はスケジュール通知処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされスケジュール通知処理の実行命令が出されると、スケジュール通知処理が実行される。なお、スケジュール通知処理の実行命令は、一定周期(たとえば、60秒)毎に出される。
スケジュール通知処理が実行されると、プロセッサ70はステップS121で、スケジュールが同期されているか否かを判断する。つまり、スケジュール情報バッファ336にスケジュール情報が記憶されているかが判断される。ステップS121で“NO”であれば、つまりスケジュールが同期されていなければ、プロセッサ70はスケジュール通知処理を終了する。一方、ステップS121で“YES”であれば、つまりスケジュールが同期されていれば、ステップS123でプロセッサ70は、スケジュール情報を読み出す。つまり、スケジュール情報バッファ336から、同期されているスケジュールと対応するスケジュール情報が読み出される。
続いて、ステップS125でプロセッサ70は、スケジュールの場所に子どもがいるか否かを判断する。たとえば、子どもが「自宅」にいるかが判断される。また、具体的には、端末位置情報に含まれる端末位置と自宅位置データ340とに基づいて、子どもが自宅にいるかが判断される。ステップS125で“YES”であれば、たとえば子どもが自宅にいれば、プロセッサ70はステップS131の処理に進む。一方、ステップS125で“NO”であれば、たとえば子どもが外出していれば、ステップS127でプロセッサ70は、移動範囲データ342を読み出す。たとえば、図14(A)に示すような第1移動範囲A1−第3移動範囲A3のデータが読み出される。続いて、ステップS129でプロセッサ70は、事前通知処理を実行する。なお、事前通知処理については、図22のフロー図を用いて説明するため、ここでの詳細な説明は省略する。
続いて、ステップS131でプロセッサ70は、スケジュール時刻か否かを判断する。つまり、読み出されたスケジュール情報に含まれるスケジュール時刻とRTC70aから読み出した日時情報とに基づいて、現在時刻が同期されたスケジュールのスケジュール時刻に達したかが判断される。ステップS131で“NO”であれば、つまり現在時刻がそのスケジュール時刻に達していなければ、プロセッサ70はスケジュール通知処理を終了する。一方、ステップS131で“YES”であれば、つまり現在時刻がそのスケジュール時刻に達していれば、ステップS133でプロセッサ70は、スケジュール情報を送信する。つまり、スケジュール情報バッファ336に記憶されているスケジュール情報がウェアラブル端末12に送信される。そして、ステップS133の処理が終了すると、プロセッサ70はスケジュール通知処理を終了する。
図22は登録処理のフロー図である。事前通知処理でステップS129の処理が実行されると、ステップS151でプロセッサ70は、スケジュール時刻の第1所定時間前か否かを判断する。つまり、スケジュール情報に含まれるスケジュール時刻とRTC70aから読み出された日時情報とに基づいて、現在時刻がスケジュール時刻の第1所定時間前になったかが判断される。ステップS151で“YES”であれば、つまりスケジュール時刻の第1所定時間前であれば、ステップS153でプロセッサ70は、端末位置Cが第1移動範囲A1内か否かを判断する。たとえば、スケジュールの場所が「自宅」であれば、第1所定時間内に帰宅できる範囲に子どもがいるかが判断される。ステップS153で“YES”であれば、たとえば図14に示すように、端末位置が第1移動範囲A1内にあれば、ステップS155でプロセッサ70は、事前通知情報を送信する。たとえば、図14(A)に示すように、現在時刻とスケジュールの内容とを伝える事前通知情報がウェアラブル端末12に送信される。また、ステップS153で“NO”であれば、つまり第1移動範囲A1内に端末位置がいなければ、プロセッサ70は事前通知処理を終了して、スケジュール通知処理に戻る。
また、ステップS151で“NO”であれば、つまりスケジュール時刻の第1所定時間前でなければ、ステップS157でプロセッサ70は、スケジュール時刻の第2所定時間前か否かを判断する。ステップS157で“YES”であれば、つまりスケジュール時刻の第2所定時間前であれば、ステップS159でプロセッサ70は、端末位置が第2移動範囲A2内か否かを判断する。たとえば、スケジュールの場所が「自宅」であれば、第2所定時間内に帰宅できる範囲に子どもがいるかが判断される。ステップS159で“YES”であれば、たとえば図14(B)に示すように端末位置アイコンCが第2移動範囲A2内にあれば、ステップS161でプロセッサ70は、事前通知情報を送信する。たとえば、図14(B)に示すように、スケジュールの内容を伝える事前通知情報がウェアラブル端末12に送信される。そして、ステップS161の処理が終了すると、プロセッサ70は事前通知処理を終了して、スケジュール通知処理に戻る。一方、ステップS159で“NO”であれば、つまり子どもが第2移動範囲A2内にいなければ、プロセッサ70はステップS153の処理に戻る。つまり、スケジュール時刻の第2所定時間前であっても子どもが第1移動範囲A1内にいる可能性があるため、ステップS153の処理が再び実行される。
また、ステップS157で“NO”であれば、つまり現在時刻がスケジュール時刻の第2所定時間前でなければ、ステップS163でプロセッサ70は、スケジュール時刻の第3所定時間前か否かを判断する。ステップS163で“NO”であれば、つまり現在時刻がスケジュール時刻の第3所定時間前でなければ、プロセッサ70は事前通知処理を終了して、スケジュール通知処理に戻る。一方、ステップS163で“YES”であれば、つまり現在時刻がスケジュール時刻の第3所定時間前あれば、ステップS165でプロセッサ70は、端末位置が第3移動範囲A3内か否かを判断する。つまり、子どもが第3移動範囲A3内にいるかが判断される。ステップS165で“NO”であれば、つまり子どもが第3移動範囲A3内にいなければ、プロセッサ70はステップS159の処理に戻る。つまり、スケジュール時刻の第3所定時間前であっても、子どもが第2移動範囲A2内または第1移動範囲A1内にいる可能性があるため、ステップS159の処理が再び実行される。一方、ステップS165で“YES”であれば、つまり子どもが第3移動範囲A3内にいる場合は、ステップS167でプロセッサ70は、事前通知情報を送信する。つまり、現在時刻とスケジュールの内容を伝える事前通知情報がウェアラブル端末12に送信される。そして、ステップS167の処理が終了すれば、プロセッサ70は事前通知処理を終了して、スケジュール通知処理に戻る。
なお、ステップS151,S153,S157,S159,S163およびS165の処理を実行するプロセッサ70は判断部として機能する。
ウェアラブル端末12のプロセッサ110は、Android(登録商標)およびiOS(登録商標)などのLinux(登録商標)ベースのOSなどその他のOSの制御下で、図23に示す端末位置情報送信処理および図24に示す通知処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
図23は端末位置情報送信処理のフロー図である。たとえば、ウェアラブル端末12の電源がオンにされると、端末位置情報送信処理は実行される。ステップS181でプロセッサ110は、現在位置を測位する。つまり、GPS衛星からのGPS信号を利用してウェアラブル端末12の現在位置が測位される。続いて、ステップS183でプロセッサ110は、姿勢を検出する。つまり、姿勢センサ134の出力に基づいて、ウェアラブル端末12の姿勢が検出される。続いて、ステップS185でプロセッサ110は、方位を検出する。つまり、方位センサ132の出力に基づいて、ウェアラブル端末12の方位(子どもの向き)が検出される。そして、端末位置、姿勢および方位は、端末位置情報バッファ430に記憶される。
続いて、ステップS187でプロセッサ110は、端末位置、姿勢および方位を含む端末位置情報を携帯電話機10に送信する。つまり、プロセッサ110は、端末位置情報バッファ430に記憶される端末位置、姿勢および方位を含む端末位置情報を作成し、その端末位置情報を携帯電話機10に送信する。そして、ステップS187の処理が終了すると、プロセッサ110はステップS181の処理に戻る。なお、端末位置情報送信処理は、端末位置情報管理処理と同じ所定周期毎に繰り返される。
図24は通知処理のフロー図である。たとえば、ウェアラブル端末12の電源がオンにされると、通知処理は実行される。ステップS201でプロセッサ110は、情報を受信したか否かを判断する。つまり、携帯電話機10から受信した、案内情報、スケジュール情報および事前通知情報などが通信バッファ432に記憶されているかが判断される。ステップS201で“NO”であれば、つまりこれらの情報が受信されていなければ、プロセッサ110はステップS201の処理を繰り返す。一方、ステップS201で“YES”であれば、つまりいずれかの情報が受信されると、ステップS203でプロセッサ110は、受信した情報に基づいて通知する。たとえば、事前通知情報を受信していれば、図14(A)に示すように、スケジュールの事前通知を行うメッセージがウェアラブル端末12のディスプレイ42に表示される。また、プロセッサ110は、ディスプレイ42に情報を表示するとともに、バイブレータ136を動作させ、ウェアラブル端末12を振動させる。そして、ステップS203の処理が終了すれば、プロセッサ110はステップS201の処理に戻る。
なお、ステップS69およびステップS203の処理を実行するプロセッサ70およびプロセッサ110は案内部として機能する。また、ステップS155,S161,S167およびS203の処理を実行するプロセッサ70およびプロセッサ110は事前通知部として機能する。特に、ステップS155,S161およびS167の処理を実行するプロセッサ70は送信部として機能する。
また、第1実施例では、移動範囲Aの外側に子どもが出てしまった場合に、ウェアラブル端末12上で警告情報が通知されるようにし、移動範囲Aの中に戻るように子どもに対して促してもよい。ただし、このようにした場合、子どもの行動が移動範囲Aの中に制限される。このような問題が生じないようにするために、以下の第2実施例では移動範囲Aを用いずに事前通知を行う。
<第2実施例>
第2実施例では、子どもの現在位置(端末位置)からスケジュールの場所(自宅位置)までの案内ルートを設定し、そのルートを利用して同期されたスケジュールの事前通知を行う。なお、第2実施例のルート案内システム100は、第1実施例と略同じであるため、システムの構成、システムを構成する携帯電話機10およびウェアラブル端末12の詳細な説明は簡単のため省略する。
たとえば、一定周期(たとえば、60秒)毎に端末位置Cから自宅位置Hまでのルートが設定され、そのルートに従って移動する際にスケジュール時刻を到着時刻とした場合の出発時刻が算出される。そして、その出発時刻が現在時刻と一致したときに、ウェアラブル端末12上でスケジュールの事前通知が行われる。これにより、移動範囲Aに関係なく、スケジュールの事前通知を行うことができる。また、子どもの現在位置に基づいてルートを設定し、そのルートに基づいて事前通知が行われるため、適切なタイミングで事前通知が行われる。
また、第2実施例では、事前通知が行われると、設定されたルートに基づいてルート案内が行われる。これにより、子どもに対してスケジュール通りの行動をより強く促すことができる。なお、ルート案内の具体的な動作については、第1実施例と略同じであるため、詳細な説明は簡単のため省略する。
ここで、第2実施例では最短距離のルートが設定されるが、他の実施例では安全なルートが設定されるようにしてもよい。安全なルートとは、親などによって事前に設定された危険地域や道路などを通らず、夜間でも街頭などによって明るさが保たれている推奨道路を極力利用するルートである。また、日の入りおよび日の出の時間によって道路の明るさが変化するため、推奨道路は季節によって変化する。そのため、他の実施例では、日時情報に基づいて当日の日の入りおよび日の出の時間が取得され、読み出した時間に基づいて判断される推奨道路を利用して、安全なルートが設定される。
上述では第2実施例の特徴を概説した。以下では、図25に示すフロー図を用いて第2実施例について説明する。
図25は第2実施例のスケジュール通知処理のフロー図である。なお、第1実施例のスケジュール通知処理と重複するステップについては詳細な説明を省略する。
第2実施例のスケジュール通知処理が実行されると、ステップS121でプロセッサ70は、スケジュールが同期されているか否かを判断する。ステップS121で“NO”であれば、プロセッサ70はスケジュール通知処理を終了する。一方、ステップS121で“YES”であれば、つまりスケジュールが同期されていれば、ステップS123でプロセッサ70はスケジュール情報を読み出す。続いて、ステップS125でプロセッサ70は、スケジュールの場所に子どもがいるか否かを判断する。ステップS125で“YES”であれば、プロセッサ70はステップS131の処理に進む。
一方、ステップS125で“NO”であれば、たとえば子どもが自宅にいなければ、ステップS221でプロセッサ70は、端末位置からスケジュールの場所までのルートを設定する。たとえば、端末位置から自宅位置までのルートが設定される。続いて、ステップS223でプロセッサ70は、スケジュール時刻を到着時刻とする出発時刻を算出する。つまり、設定されたルートに従って移動する際にスケジュール時刻を到着時刻とした場合の出発時刻が算出される。続いて、ステップS225でプロセッサ70は、現在時刻と出発時刻とが一致するか否かを判断する。つまり、スケジュール通りに行動するために出発する必要があるかが判断される。ステップS225で“NO”であれば、つまり現在時刻と出発時刻とが一致していなければ、プロセッサ70はステップS131の処理に進む。一方、ステップS225で“YES”であれば、つまり現在時刻と出発時刻とが一致していれば、ステップS227でプロセッサ70は、事前通知情報を送信する。たとえば、現在時刻とスケジュールの内容を伝えるメッセージがウェアラブル端末12のディスプレイ42に表示される。
なお、ステップS221の処理を実行するプロセッサ70は設定部として機能する。また、ステップS223の処理を実行するプロセッサ70は算出部として機能する。また、ステップS225の処理を実行するプロセッサ70は判断部として機能する。そして、ステップS227の処理を実行するプロセッサ70は送信部として機能する。
続いて、ステップS131でプロセッサ70は、スケジュール時刻か否かを判断する。つまり、ステップS131で“NO”であれば、プロセッサ70はスケジュール通知処理を終了する。一方、ステップS131で“YES”であれば、つまり現在時刻がスケジュール時刻に達すると、ステップS133でプロセッサ70は、ステップS133でスケジュール情報を送信する。そして、ステップS133の処理が終了すると、プロセッサ70はスケジュール通知処理を終了する。
そして、ルートが設定された状態でスケジュール通知処理が終了すると、ルート案内処理が実行される。なお、スケジュール通知処理で設定されたルートに基づいてルート案内が行われているときには、スケジュール通知処理は実行されない。
なお、ステップS203およびS227の処理を実行するプロセッサ70およびプロセッサ110は事前通知部として機能する。
また、他の実施例では、第1実施例のモードと第2実施例のモードとをユーザが任意に切り替えることができてもよい。
また、その他の実施例では、スケジュール情報はスケジュールが同期されたときにウェアラブル端末12に送信されてもよい。この場合、ウェアラブル端末12は、現在時刻がスケジュール時刻に達したときにスケジュール情報を通知する。また、ウェアラブル端末12が地図データを有している場合、受信したスケジュール情報に基づいて、ウェアラブル端末12が事前通知を行うようにしてもよい。
また、携帯電話機10において案内情報を作成して、その案内情報に基づくルート案内をウェアラブル端末12上で行った。これにより、ウェアラブル端末12の性能を低く抑えることができるため、ウェアラブル端末12の価格を抑えることができる。ただし、さらにその他の実施例では、ウェアラブル端末12に地図データを記憶させ、入力されたルートをウェアラブル端末12に送信し、ウェアラブル端末12が案内情報を作成して、ルート案内を行うようにしてもよい。この場合、携帯電話機10の処理の負担を軽減することができるとともに、通信量を減らすことができる。
また、実施例の自宅情報は、GPS信号を利用して登録されるが、他の実施例では、親が表示された地図上で自宅位置を指定することで設定されてもよい。
また、子どもがルート上から外れた場合は、ルートに復帰するための案内情報が作成され、ウェアラブル端末12上で案内される。
また、その他の実施例では、ルート案内中およびスケジュールの事前通知を行うときに携帯電話機10には地図は表示されなくてもよい。この場合、自宅への到着などイベントが発生したときに、音や光などを利用して通知動作が行われる。
また、さらにその他の実施例では、ルート案内を行うときの目的地は自宅ではなく、携帯電話機10の現在位置であってもよいし、ルートを入力する際に任意の場所が目的地とされてもよい。
また、他の実施例では、ウェアラブル端末12上でルート案内が行われているときは、携帯電話機10と同様、ウェアラブル端末12のディスプレイ42に地図が表示されてもよい。
また、その他の実施例では、ルート案内が行われているときに、ウェアラブル端末12は、前方に注意しながら移動するよう通知してもよい。ウェアラブル端末12が加速度センサを有している場合は、ウェアラブル端末12が確認されている姿勢を姿勢センサ134が検出し、加速度センサによってウェアラブル端末12の移動が検出されているときは、ルート案内を一時的に中断するとともに、子どもに対して立ち止まるよう伝えるメッセージが表示されてもよい。この場合、ウェアラブル端末12の移動が検出されなくなったときに、ルート案内が再開される。
また、さらにその他の実施例では、子どもが自宅にいないと判断された場合、子どもの現在位置に関係なく、スケジュール時刻の所定時間前にスケジュールの事前通知が行われてもよい。
また、他の実施例では、親のスケジュールは複数の子どもが所持するウェアラブル端末12とそれぞれ同期されてもよい。
また、その他の実施例では、生体センサ52を利用せずにウェアラブル端末12が取り外されたかがを判断するようにしてもよい。たとえば、他の実施例では、ウェアラブル端末12が装着形状の場合に、磁気センサが磁石の磁気を検出できるように、第1ベルト48aには磁気センサが内蔵され、第2ベルト48bには磁石が内蔵される。この場合、ウェアラブル端末12が装着形状ではなくなると、磁気センサによって磁石の磁気が検出されなくなる。つまり、ウェアラブル端末12が取り外されると、磁気センサは磁石の磁気を検出できなくなるため、プロセッサ110はウェアラブル端末12が取り外されたと判断することができる。
また、さらにその他の実施例では、磁気センサおよび磁石ではなく、メカニカルスイッチを各ベルト48の根元に内蔵することで、ウェアラブル端末12が取り外されたと判断できるようにしてもよい。たとえば、メカニカルスイッチは、装着形状ではオフにされ、装着形状でなくなったときにオンにされるよう、各ベルト48の根元に内蔵される。これにより、プロセッサ110は、メカニカルスイッチのオン/オフによって、ウェアラブル端末12が取り外されたかどうかを判断することができる。
また、他の実施例では、現在位置の測位には、GPS衛星から送信されるGPS信号に加えて、基地局から送信される信号が利用されてもよい。また、GPS信号に代えて無線LANのアクセスポイントから送信される信号が利用されてもよい。
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10およびウェアラブル端末12に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機およびウェアラブル端末にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。