JP2008186062A - 携帯型防犯用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】、子供と大人の区別なく携帯が容易でかつ不自然でなく、犯罪者に巻き込まれた場合であっても、確実に防犯ブザーを鳴動させることのできる、携帯型防犯用具を提供する。
【解決手段】本発明の携帯型防犯用具1は、電気的にブザー音を発する鳴動部を内蔵すると共に表面と裏面を有するブザー本体2と、ブザー本体2を人体の腕に装着可能な装着バンド4と、ブザー本体2の表面に設けられると共に、押し回されることにより鳴動部に電気信号を伝えて鳴動部を鳴動させるスイッチ3を備え、スイッチ3は、ブザー本体2の表面の表面積の3分の1以上の面積を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘拐、痴漢、泥棒などに遭遇した場合に、未然に被害を防止できる携帯型防犯用具に関するものである。
近年、子供、女性、お年寄りなどが、戸外において誘拐、痴漢、泥棒などの被害に遭う事件が多発している。これらの被害に遭いやすい子供、女性、お年寄りなどは体力や体格などにおいて、犯罪者よりも劣ることが多く、犯罪者に対して抵抗することは困難である。
このような状況から、従来から、ベルや防犯ブザーを携帯することで、犯罪の未然防止が図られている。犯罪に巻き込まれる前に、周囲の注意を引いて犯罪者を抑止できるからである。
しかし、現在市販されている防犯ブザーの類は、キーホルダーのようにして首から提げたり、かばんにつけたり、ポケットに入れたりされるものばかりである。このような防犯ブザーでは、使用者は、防犯ブザーの携帯を忘れがちである。
というのも、首から提げるタイプの防犯ブザーでは、携帯する不快感がぬぐえず、子供ならいざ知らず、大人にとっては、見た目上の問題からも好まれない。あるいは、かばんやポケットに入れるタイプの防犯ブザーでは、使用者が、着替えたりかばんを変えたりするたびに、防犯ブザーを入れ替えることを忘れがちである。
このように、市販品の防犯ブザー(首から提げたり、かばんなどに入れて携行したりするもの)は、十分に活用されているとは言えず、犯罪の未然防止という、防犯ブザーの目的が達成できていなかった。
この状況に、対して、携帯しやすい防犯ブザーの技術がいくつか提案されている(例えば、例えば特許文献1〜5参照)。
実用新案登録第3124596号公報 特開2000−81489号公報 特開2006−212382号公報 実用新案登録第3124960号公報 特開2006−72278号公報
しかしながら、従来技術には下記のような問題点があった。
まずは、従来の市販品の防犯ブザーおよび特許文献1〜5に開示される防犯ブザーは、いずれもブザー音を発生させるためには、引き抜きピンを引き抜くなどの動作が必要である。ということは、防犯ブザーがどこかに固定されていない限り、使用者は、一方の手で防犯ブザーを持ち、他方の手で引き抜きピンを引き抜く動作を必要とする。これでは、一方の手が使えない場合(犯罪者からの被害を受ける第1ステップは、被害者の手がつかまれることが殆どである。子供や女性が犯罪者に手をつかまれて、連れ去られる事件が非常に多い。)には、防犯ブザーを鳴動させることができず、犯罪の未然防止が実現できない。
すなわち、現実の犯罪発生現場では、被害者のいずれかの手がつかまれて、そのまま車で連れ去られることが多い。そして、最初に拉致された現場から離れた場所で、実際の犯罪行為が行われる。
特許文献1は、子供が防犯ブザーを携帯しやすい防犯ブザーケースを開示しているが、どのような理由で携帯しやすくなるのかは、具体的な開示がない。また、ケースに入れられているのでは、実際の犯罪に巻き込まれそうになった場合に、防犯ブザーを鳴動させることが困難である。
特許文献2は、防犯ベルを内蔵した腕時計を開示している。携帯がしやすくなって、防犯ブザーを自宅に置き忘れるなどの問題は解決できる。
しかし、具体的な実現方法が不明瞭である。また、防犯ベルのスイッチは、腕時計のムーブメントの上方に非常に小さな大きさで付けられているだけで、犯罪に巻き込まれそうになってパニックに陥っている被害者が、動作させることは困難である。
特許文献2に開示される防犯ベル内臓腕時計では、この防犯ベル内蔵腕時計をはめている手を、犯罪者につかまれた場合には、空いている手(防犯ベル内臓腕時計をはめていない手)で、スイッチを押すことができなくもない。その場合であっても、小さなボタンであると、動作させることに失敗し、鳴動させることができない可能性も高い。特に問題なのは、防犯ベル内蔵腕時計をはめていない手を犯罪者につかまれた場合に、防犯ベル内臓腕時計のボタンを押すことができず、防犯ベルを鳴動させることができないことである。このため、特許文献2に開示される防犯ベル内臓腕時計では、犯罪に巻き込まれかけてパニックを起こしている被害者が、現実の犯罪に巻き込まれた場合に、防犯ベルを動作させることはきわめて困難である。
また、特許文献2に開示されるボタンは、一定時間押し続けることにより鳴動が開始する。これは、通常の使用において誤作動を防止させるためであるが、一定時間であれば、ちょっとした弾みで押してしまうこともあり、実際の犯罪には巻き込まれていないにもかかわらず、ブザーを鳴動させる誤作動が生じやすい。
特許文献3は、市販品の防犯ブザーを腕に装着できるリストバンドを開示する。特許文献2と同じく、防犯ブザーを携帯しやすくなる。
しかし、市販品の防犯ブザーは、首から提げたり、かばんに入れたりして携行するものである。このため、腕に装着することを想定されている大きさや形状を有していない。このため、特許文献3に開示されるリストバンドを使用して、使用者が市販の防犯ブザーを装着しても、違和感や不快感を受ける問題がある。
加えて、市販品の防犯ブザーは、引き抜きピンを引き抜くタイプであり、犯罪に巻き込まれかけてパニックに陥っている被害者が、冷静に引き抜きピンを引き抜くことは困難である。特に、特許文献2の場合と同様に、装着していない側の手をつかまれた場合には、引き抜きピンを引き抜くことはできず、防犯ブザーを鳴動させることはできない。
特許文献4は、腕輪の一部を引きちぎることにより防犯ブザーとすることを開示しているが、特許文献2、3と同様に、装着していない側の手をつかまれた場合には、防犯ブザーを鳴動させることができない。そもそもミサンガのような装飾品に防犯ブザーの機能を埋め込んでいる場合には、防犯ブザーを持っていることを犯罪者にアピールできず、未然防止の抑止力に欠ける。
特許文献5は、名札に引き抜きピン型の防犯ブザーを装着する技術を開示している。児童であれば、名札を付けていることは多いが、大人であれば装着することは無いので、女性やお年寄りにとっては使い勝手がわるい。また、特許文献2〜4と同じく、引き抜きピンを引き抜く手間がある。
以上の様に、従来の技術では、(1)使用者にとって、携帯が面倒である、もしくは携帯が困難である、(2)犯罪に巻き込まれかけた場合に、実際には防犯ブザーを鳴動させることが困難である、という大きな問題を有していた。
本発明は、子供と大人の区別なく携帯が容易でかつ不自然でなく、犯罪者に巻き込まれた場合であっても、確実に防犯ブザーを鳴動させることのできる、携帯型防犯用具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の携帯型防犯用具は、電気的にブザー音を発する鳴動部を内蔵すると共に表面と裏面を有するブザー本体と、ブザー本体を人体の腕に装着可能な装着バンドと、ブザー本体の表面に設けられると共に、押し回されることにより鳴動部に電気信号を伝えて鳴動部を鳴動させるスイッチを備え、スイッチは、ブザー本体の表面の表面積の4分の1以上の面積を有する。
本発明によれば、腕時計のように腕に装着ができるので、使用者が容易に携帯できる。また、腕に装着するということで、日々、自宅を出るときに携帯することを忘れにくくなり、いざ、犯罪に巻き込まれたときに携帯していないという問題を生じさせにくくなる。
また、スイッチが腕時計型の本体表面に、十分な面積を有していることで子供やお年寄りでも作動させやすい。特に、携帯型防犯用具をはめていない手をつかまれた場合でも、自分の体にスイッチを当てて作動させることができ、いかなる場合でもブザーの鳴動が可能である。
加えて、スイッチの位置が本体の一方に偏在していることで、本体を傾けた状態で、スイッチを自分の体(例えばわき腹や背中)に押し当てることができ、力の弱い子供であっても、スイッチの作動に十分な圧力を与えることができる。
すなわち、犯罪に巻き込まれて、被害者の動作に制限がかかったとしても、確実に鳴動させることができ、犯罪の未然防止が実現できる。
また、スイッチが作動するために押し回しを必要とすることで、不必要な誤作動を生じさせることもない。
また、臭気発生部や音波発生部により、犯罪に巻き込まれた後において、救助を容易にすることもできる。
第1の発明に係る携帯型防犯用具は、電気的にブザー音を発する鳴動部を内蔵すると共に表面と裏面を有するブザー本体と、ブザー本体を人体の腕に装着可能な装着バンドと、ブザー本体の表面に設けられると共に、押し回されることにより鳴動部に電気信号を伝えて鳴動部を鳴動させるスイッチを備え、スイッチは、ブザー本体の表面の表面積の4分の1以上の面積を有する。
この構成により、抵抗感なく、また忘れることなく、使用者が容易に携帯型防犯用具を装着でき、携帯型防犯用具の携行率が高まる。また、身体の自由を奪われた使用者であっても、確実にブザー音を発することができ、犯罪の未然防止が高い確率で実現できる。
第2の発明に係る携帯型防犯用具では、第1の発明に加えて、ブザー本体は、腕時計のムーブメント状の形状を有し、スイッチは、その表面に突起物を有する。
この構成により、使用者は、体の一部などに押し当てられたスイッチを押しまわしやすくなる。
第3の発明に係る携帯型防犯用具では、第2の発明に加えて、スイッチは略円形を有しており、突起物は、スイッチの直径に沿って設けられたスポーク状を有し、素材表面は滑り止め加工を施している。
この構成により、使用者は、体の一部などに押し当てられたスイッチを押しまわしやすくなる。
第4の発明に係る携帯型防犯用具では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、スイッチの重心が、ブザー本体の重心を基準として、装着バンドの垂直方向のいずれかに偏在する。
この構成により、使用者は、スイッチを体の一部に対して角度を付けて押し当てることができる。このため、スイッチの押しまわしが容易となる。
第5の発明に係る携帯型防犯用具では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、ブザー本体は時計機能を有し、ブザー本体の表面に時刻を表示する時刻表示部を更に備える。
この構成により、携帯型防犯用具を腕時計としても利用できるので、使用者にとって、装着のモチベーションを高めることができる。
第6の発明に係る携帯型防犯用具では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、ブザー本体および装着バンドの少なくとも一部に、光を反射する反射板を更に備える。
この構成により、夜間などにおける安全対策も図れる。
第7の発明に係る携帯型防犯用具では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、ブザー本体および装着バンドの少なくとも一部に、使用者の氏名、住所、連絡先、年齢および血液型の少なくともひとつが記載できる記載欄を備える。
この構成により、犯罪に巻き込まれた使用者の身元特定などが容易にでき、初期捜査に役立つ。
第8の発明に係る携帯型防犯用具では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、鳴動部に電力を供給する電源の残量を表示する残量表示部を更に備える。
この構成により、電池切れによる、効力無発生を防止できる。
第9の発明に係る携帯型防犯用具では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、スイッチに連動して特定の匂いを発する臭気発生部を更に備える。
この構成により、犯罪に巻き込まれた使用者の追跡に役立ち、犯罪の初期捜査を確実なものにできる。
第10の発明に係る携帯型防犯用具では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、スイッチに連動して人間が識別不能であると共に犬が識別可能な周波数帯域の音波を発生する音波発生部を更に備える。
この構成により、犯罪に巻き込まれた使用者の追跡に役立ち、犯罪の初期捜査を確実なものにできる。
以下、図面を用いて実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1〜図6を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具の正面図であり、図2は、本発明の実施の形態1におけるブザー本体の拡大図である。
(全体概要)
携帯型防犯用具1は、基本的な要素として、電気的に音を発する鳴動部(内蔵のため図示せず)を内蔵するブザー本体2と、人体の腕に装着可能とする装着バンド4と、スイッチ3を備える。
鳴動部を内蔵するブザー本体2は、その両端に留め具が設けられ、留め具に装着バンド4が取り付けられる。装着バンド4により、使用者は、携帯型防犯用具1を、腕時計のような感覚で、簡単かつ抵抗感なく、腕に装着できる。
ブザー本体2は、腕時計のムーブメントのような形状を有しており、表面と裏面を有している。人体の腕に装着された場合には、表面が外部に露出し、スイッチ3は、表面に備えられている。
スイッチ3は、所定時間以上押し続けられるか、もしくは押し回されるか(一定量押し込んだ上で回す)によって、鳴動部に電気信号を伝えて、鳴動部の鳴動を作動させる。
スイッチ3は、図1、2に示されるように、ブザー本体2の表面の中で大きな領域を占めている。このことにより、犯罪に巻き込まれかけた使用者の肉体的状況の不便にもかかわらず、スイッチ3の作動を確実なものとできる。例えば、携帯型防犯用具1を装着していない腕を掴まれた場合に、使用者は装着していて自由のある手を背中やわき腹に押し付けて、十分な面積を有するスイッチ3を、押し付けた背中やわき腹で押しまわすことで、スイッチを作動状態にでき、鳴動部を作動させることができる。
もちろん、装着している腕を掴まれた場合には、使用者は、空いている手でスイッチ3を押しまわすことができるので、やはり確実に鳴動部を作動でき、ブザー音を周囲に発することができる。
また、スイッチ3は、押し回しされることで作動状態になるので、通常において、使用者が誤ってスイッチを押したりぶつけたりしただけでは、スイッチは作動状態とならない。このため、誤作動も殆ど無い。
なお、図1、図2に示されるように、携帯型防犯用具1は、種々のオプションを備えている。例えば、夜間に目立つようにする反射板5や点滅灯6、ブザー本体2に時計機能を持たせたことで必要となるリューズ7、スイッチ3の表面の突起物8、時刻表示部9などが備えられている。
以上のように、携帯型防犯用具1は、誤作動も起こしにくく、犯罪に巻き込まれた状態がいかなる不利な状態であっても、確実に鳴動部を作動させることができ、ブザー音を周囲に発することができる。結果として、犯罪の未然防止が高い確率で実現され、使用者が、犯罪に巻き込まれるのを防止できる。
次に各要素の詳細について説明する。
(ブザー本体)
まず、ブザー本体2について説明する。
ブザー本体2は、鳴動部を内蔵している、携帯型防犯用具1の核となる部分である。
鳴動部は、スイッチ3が作動状態になると、電源からの電気信号を受け、ブザー音を発生する。鳴動部は、電源や口述する時計機能と共に、ブザー本体2内部に内蔵される。
ブザー本体2は、腕時計のムーブメント形状を有しており、円形、楕円形、角形、角形の角部が面取りされた形状など、種々の形状を有している。また、当然ながら、表面と裏面を有している。厚みは、数mmから10数mm程度が好ましく、厚すぎず薄すぎずであればよい。無論、使用者の好みに応じて、形状、大きさ、厚みについては、種々のラインアップが揃えられればよい。
ブザー本体2は、金属、樹脂などで形成され、使用者の不快感低減のために、ラバー処理がされても良い。
また、ブザー本体2は、鳴動部に加えて時計機能(内蔵のため図示せず)を内蔵しても良い。時計機能が内蔵されると、時刻表示部9に時刻が表示されるので、携帯型防犯用具1は、腕時計としての役割も有する。このように腕時計としての機能を有していることで、使用者は、防犯ブザーとしてだけでなく、腕時計として、携帯型防犯用具1を腕に装着する意識を有する。このため、使用者が携帯型防犯用具1を抵抗感なく装着でき、犯罪未然防止の確率が高まる。
時刻表示部9は、図1、2においては、デジタル表示が示されているが、アナログ表示であっても良い。
時計機能を有する場合には、時計の時刻調整やアラーム機能の設定のために、リューズ7が設けられる。
(装着バンド)
装着バンド4は、ブザー本体2に取り付けられており、人体の腕に、ブザー本体2を装着可能とする。例えば、ブザー本体2の両端に留め具が設けられ、留め具のそれぞれに装着バンド4が取り付けられて、装着バンド4のそれぞれの先端には、マジックテープ(登録商標)、嵌合部材などが設けられる。これにより、人体の腕に、携帯型防犯用具1が装着可能となる。
装着バンド4は、布、皮、人工皮、ラバー、樹脂、金属などの素材で形成され、使用者の好みに応じて、取替え可能であってもよく、さまざまなラインアップが揃えられていることも好適である。
特に、使用者が、外出する際には、本発明の携帯型防犯用具1を必ず装着してもらうことが、犯罪の未然防止にとって重要なので、使用者が抵抗感なく装着しやすい状態を提供できることが重要である。ブザー本体2と装着バンド4は防犯ブザーとしての機能と装着という機能を有することももちろんであるが、携帯型防犯用具1の外観を形成するものである。このため、使用者にとって、装着への魅力を高める役割を有しており、形状、大きさ、色彩、デザイン、素材、肌触りなどの面で、使用者の好みに応じたラインアップが揃えられることが好適であるし、使用者のニーズに応えたブザー本体2や装着バンド4となることが好ましい。
(スイッチ)
次に、スイッチ3について説明する。
スイッチ3は、ON状態にすることで、鳴動部に電気信号を与えて鳴動部を動作させて、ブザー音を発生させる。すなわち、確実にスイッチ3を作動状態にすることが、ブザー音発生のための要件である。
スイッチ3は、ブザー本体2の表面に備えられており、押しまわされることにより、ON状態となる。単にちょっと押したり回したりしただけでは、ON状態とならないので、使用者が誤って壁や人にぶつけただけでは、ブザー音が発生しない。このため、不用意な誤作動が防止され、周囲への不必要な迷惑も低減できる。誤作動が少ないということは、防犯ブザーのブザー音がなったときには、高い確率で犯罪に巻き込まれていると、周囲の人に訴えることができ(偽の状態ではないので)犯罪の未然防止の確率も上がる。
スイッチ3は、ブザー本体2の表面において、大きな領域を占めることが好適であり、例えば、ブザー本体2の表面積の4分の1以上を占める領域を有していることが好適である。このように、非常に大きな領域を占めることにより、使用者が、犯罪者に手や体を掴まれて身体の自由が少ない状態になっていたとしても、容易にスイッチ3をON状態にできる。
また、押し回しすれば、ON状態となるので、例えば、携帯型防犯用具1を装着していない腕を掴まれた場合に、使用者は、携帯型防犯用具1を装着している腕を、背中やわき腹などに押し付けて、スイッチ3の部分をひねるように動かせば、簡単にスイッチ3をON状態とできる。このため、従来の技術で生じていた不具合もなく、確実にブザー音を発生でき、犯罪の未然防止の確率を上げることができる。もちろん、装着している腕を掴まれた場合には、空いている手で、スイッチ3を押しまわせばよい。
なお、表面積の4分の1は、一定の目安に過ぎず、厳密なものではない。
スイッチ3は、略円形や楕円形をしていることが好ましい。誤作動を防止するために、押し回しによりON状態とするために、回すことのできる形状を有している必要があるからである。
また、スイッチ3の表面には、突起物8が設けられていることが好適である。
突起物8の存在により、使用者がスイッチ3を体に押し付けた場合に、スイッチ3を回し易くできる。特に、図1、図2に示されるように、円形をしているスイッチ3の直径方向に放射状に、突起物8が設けられることが好ましい。このような構造を有していることで、回転方向に対しての力を、突起物8を基準として、掛け易くなるからである。
このような突起物8が設けられていることで、力の弱い子供やお年寄りであっても、携帯型防犯用具1を体に押し付けてスイッチ3を押し込み、突起物8の引っかかりを利用して、スイッチ3を回すことができる。結果として、確実に鳴動部を作動状態にでき、ブザー音を周囲に発することができる。
これは、犯罪者から携帯型防犯用具1を装着していない側の手を掴まれた場合のように、身体の自由が失われた場合にも、特に有効である。
また、スイッチ3は、ブザー本体2の重心を基準として、装着バンド4の垂直方向のいずれかに偏在することも好適である。こうすると、携帯型防犯用具1を腕に装着した場合に、腕の延伸方向において、スイッチ3の位置が右か左に偏ることになり、体の一部に押し当てるときに、スイッチ3が、体に斜めに押し当たることになる(平行に押し当たるわけではない)。この結果、スイッチ3部分に力が入りやすくなり、押し回しがより容易になる。
なお、突起物8の形状は、スイッチ3を押し回しやすいものであれば、いかなるものでもよく、図1、図2に示されるものに限られない。
図3は、本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具の側面図である。
図3に示されるとおり、携帯型防犯用具1は、腕時計のような形状をしており、装着バンド4でブザー本体2が、人体の腕に装着できる。
装着バンド4は、面ファスナーにより、ブザー本体2と連結されて、腕に装着可能となっても良い。
(使用状態について)
次に、使用状態について説明する。
図4、図5は、本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具の使用状態の説明図である。
図4には、犯罪者20が、使用者である子供21の携帯型防犯用具1を装着している手を掴んで連れ去ろうとしている状態が示されている。
この場合には、子供21は、掴まれていない手(携帯型防犯用具1を装着していない)で、スイッチ3を押し回す。スイッチ3は、ON状態となり、鳴動部が作動状態となる。結果として、ブザー音が響き渡り、犯罪が防止される。
図5には、犯罪者20が、使用者である子供21の携帯型防犯用具1を装着していない手を掴んで連れ去ろうとしている状態が示されている。
この場合には、一方の手で、スイッチ3を押し回すことができないので、子供21は、携帯型防犯用具1を、体に押し付けて、スイッチ3を押し回す。上述の通り、スイッチ3は、ブザー本体の表面の中で大きな領域を占め、突起物8により、力をかけやすい。このため、力の弱い子供であっても、十分な力を与えて、スイッチ3を押し回すことができる。
図5に示されるとおり、自由になる手が無い状態でも、こども21は、携帯型防犯用具1を自分の体に押し当てることで、スイッチ3をON状態とし、周囲にブザー音を発することができる。結果として、犯罪者20は逃げ去ることなり、犯罪が防止される。
以上のように、本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具1は、使用者に抵抗感なく(加えて、日々装着を忘れにくく)装着され、犯罪に巻き込まれたときに、身体的に不自由な状態にあっても、ブザー音を確実に発することができる。結果として、犯罪の未然防止が、高い確率で実現できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2における携帯型防犯用具1は、使用者の便宜となる種々のオプションを有している。
図6は、本発明の実施の形態2における携帯型防犯用具の正面図である。図7は、本発明の実施の形態2における使用状態を説明する説明図である。
(記載欄)
図6に示されるように、ブザー本体2の裏に、記載欄30が設けられる。
記載欄30は、使用者の氏名、住所、連絡先、年齢および血液型の少なくともひとつが記載できる。これらがあらかじめ記載されていることで、例えば、犯罪に巻き込まれた後に、携帯型防犯用具1が放置されているときに、追跡調査が容易となる。
あるいは、体調不良で動けなくなったお年寄りが本発明の携帯型防犯用具1を装着していた場合に、周囲からの手助けを受けやすくできる。
例えば、図7に示されるように、子供の場合には、名前、住所などに加えて、持病なども記載されていることで、具合の悪くなった子供が、スイッチ3をON状態にして、ブザー音を発し、周囲の人に助けを求めることもできる。
(反射板)
図1、図2に示されるように、ブザー本体2および装着バンド4の少なくとも一部に、光を反射する反射板5が更に設けられても良い。夜間の通行などにおいて、周囲に注意喚起できるので、犯罪の未然防止に更に役立つ。
(残量表示)
鳴動部は、電源からの電源供給を受けて動作する。電源は、ボタン電池などのバッテリーが用いられる。この電源の残量がなくなってしまうと、当然ながら鳴動部からのブザー音の発生ができなくなり、いざというときの役に立たない。
時刻表示部9は、時刻と共に電池の残量を表示する。例えば、マーク表示や音により、残量の少なくなった場合に警告を出す。残量表示の機能が設けられることで、使用者が安心して、携帯型防犯用具を使用できる。
特に、使用者が装着したくなるように、時計機能などを有している場合には、時計機能により、電池残量が減少することが考えられる。この場合には、残量表示機能は特に有効である。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。
実施の形態3では、お年寄りや病気になった使用者が、本発明の携帯型防犯用具1を活用する場合について説明する。図8は、本発明の実施の形態3における使用状態を説明する説明図である。
お年寄りや病気になった使用者は、図8に示されるように路上などに座り込んでしまう。この場合、携帯型防犯用具1を装着していない側の手で、スイッチ3をON状態にするのが困難な場合もある。このような場合には、図8に示されるように、使用者は、額や体の一部に携帯型防犯用具1を押し当てて、スイッチ3を押し回してON状態にする。ON状態になった場合には、鳴動部が作動し、ブザー音が発生する。
このブザー音を聞きつけた周囲の人間は、倒れている使用者の介護にあたるので、使用者の救護が実現される。無論、放置されることによって巻き込まれがちな犯罪も、未然に防止される。
このとき、記載欄30が設けられていることで、使用者の持病や名前などの基本的な上方が入手できるので、介護者は、適切な救護を行うことができる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。
実施の形態4では、犯罪に巻き込まれた場合(あるいは巻き込まれかけた)に、犯罪者を追跡しやすくする機能について説明する。
図9、図10は、本発明の実施の形態4における携帯型防犯用具の使用態様をしめす模式図である。また、図3も用いて説明する。
携帯型防犯用具1は、スイッチ3に連動して特定の匂いを発する臭気発生部40を更に備える。臭気発生部40は、図3に示されている。
臭気発生部40は、例えば、警察犬にとって追跡しやすいにおいであって、長時間持続するにおいを発生させる。運悪く、携帯型防犯用具1によるブザー音が発せられても、周囲からの助けを得られず、犯罪者に連れ去れた場合でも、スイッチ3は一旦ON状態になったのであるから臭気発生部40から特定の匂いが発生している。警察は、警察犬を使って、この匂いを追跡でき、この追跡によって、連れ去られた被害者を救助できる。
あるいは、連れ去られなかった場合でも、犯罪者を捜索する際に、やはりこの特定の匂いを利用して、追跡することができる。
図9には、携帯型防犯用具1のスイッチ3をON状態にすることで、臭気発生部40が作動状態となり、周囲に特定の匂いを発生させている状態が示されている。
図10には、この発生された匂いを使って、警察犬が犯罪者を追跡する様子が示されている。これらの図から明らかな通り、ブザー音による犯罪防止だけでなく、犯罪者や被害者の追跡や特定といった、初期捜査にも役立つ。このような状況が広まることにより、犯罪者の犯罪意欲を削ぎ、社会全体としての犯罪の未然防止が実現できる。
また、臭気発生部40ではなく、人間が識別不能であると共に犬が識別可能な周波数帯域の音波を発生する音波発生部41が設けられても良い。
この場合には、警察犬は、匂いでなく、この音波によって、犯罪者や被害者を追跡できる。この場合にも同様に、初期捜査と将来的な犯罪の未然防止が実現できる。
以上のように、本発明の携帯型防犯用具1は、犯罪者によって身体の自由を奪われた場合でも、高い確率でブザー音を発生させることができ、犯罪の未然防止が実現できる。
なお、携帯型防犯用具1の例としては、防犯ブザーや携帯できる防犯ベルなどが含まれる。要は、ブザー音の発生により犯罪を未然防止できるものであればよい。
本発明は、犯罪を未然に防止する防犯ブザーや防犯ベルなどの携帯型防犯用具などに公的に利用できる。
本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具の正面図 本発明の実施の形態1におけるブザー本体の拡大図 本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具の側面図 本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具の使用状態の説明図 本発明の実施の形態1における携帯型防犯用具の使用状態の説明図 本発明の実施の形態2における携帯型防犯用具の背面図 本発明の実施の形態2における使用状態を説明する説明図 本発明の実施の形態3における使用状態を説明する説明図 本発明の実施の形態4における携帯型防犯用具の使用態様をしめす模式図 本発明の実施の形態4における携帯型防犯用具の使用態様をしめす模式図
符号の説明
1 携帯型防犯用具
2 ブザー本体
3 スイッチ
4 装着バンド
5 反射板
6 点滅灯
7 リューズ
8 突起物
9 時刻表示部

Claims (11)

  1. 電気的にブザー音を発する鳴動部を内蔵すると共に表面と裏面を有するブザー本体と、
    前記ブザー本体を人体の腕に装着可能な装着バンドと、
    前記ブザー本体の表面に設けられると共に、押し回されることにより前記鳴動部に電気信号を伝えて前記鳴動部を鳴動させるスイッチを備え、
    前記スイッチは、前記ブザー本体の表面の表面積の4分の1以上の面積を有する携帯型防犯用具。
  2. 前記ブザー本体は、腕時計のムーブメント状の形状を有し、前記スイッチは、その表面に突起物を有する請求項1記載の携帯型防犯用具。
  3. 前記スイッチは略円形を有しており、前記突起物は、前記スイッチの直径に沿って設けられたスポーク状を有している請求項2記載の携帯型防犯用具。
  4. 前記スイッチの重心が、前記ブザー本体の重心を基準として、前記装着バンドの垂直方向のいずれかに偏在する請求項1から3のいずれか記載の携帯型防犯用具。
  5. 前記ブザー本体は時計機能を有し、前記ブザー本体の表面に時刻を表示する時刻表示部を更に備える請求項1から4のいずれか記載の携帯型防犯用具。
  6. 前記ブザー本体および前記装着バンドの少なくとも一部に、光を反射する反射板を更に備える請求項1から5のいずれか記載の携帯型防犯用具。
  7. 前記ブザー本体および前記装着バンドの少なくとも一部に、使用者の氏名、住所、連絡先、年齢および血液型の少なくともひとつが記載できる記載欄を備える請求項1から6のいずれか記載の携帯型防犯用具。
  8. 前記鳴動部に電力を供給する電源の残量を表示する残量表示部を更に備える請求項1から7のいずれか記載の携帯型防犯用具。
  9. 前記スイッチに連動して特定の匂いを発する臭気発生部を更に備える請求項1から8記載の携帯型防犯用具。
  10. 前記スイッチに連動して人間が識別不能であると共に犬が識別可能な周波数帯域の音波を発生する音波発生部を更に備える請求項1から9のいずれか記載の携帯型防犯用具。
  11. 前記携帯型防犯用具は、防犯ブザーである請求項1から10のいずれか記載の携帯型防犯用具。
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