以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るラベル作成装置について説明する。本実施形態のラベル作成装置は、例えばパソコンで構成される印刷データ作成装置に有線または無線で接続して使用され、印刷データ作成装置で作成・編集された印刷データを取得し、取得した印刷データに基づいて、ラベルテープの各ラベル部に印刷を行うものである。
図1および図2に示すように、ラベル作成装置1は、テープカートリッジ100と、テープカートリッジ100が着脱可能に装着される装置本体200とを備えている。テープカートリッジ100は、ラベルテープ101と、インクリボン102と、プラテンローラー103と、これらを収容したカートリッジケース104とを有している(図6参照)。ラベルテープ101は、テープ長さ方向に沿って設けられた複数のラベル部105を有している(図3参照)。
なお、装置本体200は、特許請求の範囲における「テープ印刷装置」の一例である。また、ラベルテープ101は、特許請求の範囲における「テープ状部材」の一例である。
ラベル作成装置1は、装着されたテープカートリッジ100からラベルテープ101を繰出して送りながら、図外の印刷データ作成装置から取得した印刷データに基づいて各ラベル部105に対して印刷を行い、印刷済みの各ラベル部105を切り離すことによって、所望の印刷が為されたラベルを作成する。
図3および図15(b)を参照して、ラベルテープ101について説明する。なお、以下の説明では、テープ幅方向を「上下」ともいう。もちろん、この方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、この方向に限定されることはない。
ラベルテープ101は、ラベルテープ101は、台紙テープ107と、台紙テープ107の台紙面107aに剥離可能に貼着された印刷テープ106と、台紙面107aが略「眼鏡の縁」状に露出した台紙面露出部153とを備えている。
台紙テープ107は、テープ幅方向の一方の端部、すなわち上端部に、部分的に突出した複数の台紙凸部108を有している。一方、印刷テープ106は、テープ長さ方向に沿って設けられた複数のラベル部105と、上下2つの非ラベル部120とを有している。
複数のラベル部105は、複数の台紙凸部108を除いた台紙テープ107の台紙面107aに、剥離可能に貼着されている。各ラベル部105の周囲には、台紙面107aが露出した環状露出部154が設けられている。複数の環状露出部154と、環状露出部154同士を接続する複数の接続露出部155とにより、上記の台紙面露出部153が構成されている。非ラベル部120は、台紙テープ107の台紙面107aに剥離可能に貼着されている。図示上側の非ラベル部120は、複数の台紙凸部108を含めて台紙面107aに貼着されており、複数の台紙凸部108と共に複数の検出凸部109を構成している。
図3に示すように、ラベルテープ101には、複数のラベル部105が、テープ長さ方向に沿って等ピッチで設けられている。また、ラベルテープ101は、テープ幅方向の両側辺部である第1側辺部151および第2側辺部152のうち、上側の第1側辺部151がテープ幅方向に凹凸状に形成されている。すなわち、ラベルテープ101には、凸状に形成された上記の検出凸部109と、凹状に形成された非検出凹部110とが、テープ長さ方向に交互に設けられている。
検出凸部109は、第1側辺部151を、部分的に、テープ幅方向の側方すなわち上側に略矩形状に突出させたものである。複数の検出凸部109は、複数のラベル部105に一対一で対応するように、複数のラベル部105と同ピッチでテープ長さ方向に沿って設けられている。
各検出凸部109のテープ繰出し先端側、すなわちラベルテープ101の繰出し方向下流側の端部である検出先端部109aは、各ラベル部105のテープ繰出し先端側、すなわちラベルテープ101の繰出し方向下流側の端部であるラベル先端部105aに対し、テープ長さ方向において繰出し方向下流側に位置している。
一方、各検出凸部109の繰出し終端側、すなわち繰出し方向上流側の端部である検出後端部109bは、各ラベル部105の繰出し終端側、すなわち繰出し方向上流側の端部であるラベル後端部105bに対し、テープ長さ方向において同じ位置にある。
ラベルテープ101は、台紙テープ107と、台紙テープ107の表裏一方の面、すなわち台紙面107a(図15参照)に、粘着剤を介して剥離可能に貼着された印刷テープ106と、で構成されている。台紙面107aには、印刷テープ106を剥がしやすいように、例えばシリコン加工がなされている。台紙テープ107や印刷テープ106の材質は、特に限定されるものでなく、例えば、紙、樹脂などを用いることができる。印刷テープ106は、台紙テープ107よりも透光性が低くなっている。
上述したように、台紙面露出部153は、テープ長さ方向に沿って設けられた複数の環状露出部154と、環状露出部154同士を接続する複数の接続露出部155とを有している。複数の環状露出部154は、テープ幅方向の両側方に余地を残して設けられている。
各環状露出部154の内側に設けられた印刷テープ106が、上記のラベル部105となる。また、複数の環状露出部154のテープ幅方向の両側方に設けられた印刷テープ106は、非ラベル部120となる。すなわち、印刷テープ106は、複数のラベル部105と、2つの非ラベル部120とを有している。
各ラベル部105の形状は特に限定されるものではなく、例えば、楕円形(図3(a)参照)、角丸矩形(図3(b)参照)、円形(図3(c)参照)など、種々の形状を取り得る。
非ラベル部120は、ラベルテープ101の第1側辺部151側および第2側辺部152側の双方に設けられている。また、各非ラベル部120は、テープ長さ方向に連続して設けられている。
台紙面露出部153は、例えば、印刷テープ106を台紙面露出部153の形状にダイカットし、ダイカットした部分の印刷テープ106を台紙テープ107から除去、すなわちカス上げすることで、形成される。なお、接続露出部155により環状露出部154同士が接続していることで、印刷テープ106のカス上げを連続的に行うことができる。
このように構成されたラベルテープ101の各部の寸法は、特に限定されるものではないが、その一例を、以下に示す。
・検出凸部109を含めたラベルテープ101のテープ幅(以下「第1テープ幅W1」ともいう):42mm
・検出凸部109を除いたラベルテープ101のテープ幅(以下「第2テープ幅W2」ともいう):36mm
・検出先端部109aからラベル先端部105aまでの、テープ長さ方向における繰出し方向上流側への距離を正とした距離(以下「第1距離S1」ともいう):2.5mm
・ラベル部105のテープ幅方向における寸法A:25mm
・ラベル部105の下端部とラベルテープ101の下端部との寸法B:5.5mm
・非検出凹部110のテープ長さ方向における寸法G:16.7mm
・環状露出部154の露出幅M1:2mm
・接続露出部155の露出幅M2:5mm
なお、ラベル部105のテープ長さ方向における寸法Cは、ラベル部105の形状により異なっている。これに伴い、検出凸部109のテープ長さ方向における寸法Eは、ラベル部105の形状により異なっている。
ラベル作成装置1は、各ラベル部105に対して、縁無し印刷、すなわちラベル部105の周縁部に余白を生じさせない印刷、を行うことができる(図12参照)。そのため、各ラベル部105に対して、テープ長さ方向の両側およびテープ幅方向の両側、にそれぞれ所定の寸法、例えば1mmはみ出た範囲が、印刷範囲156となっている。
また、詳細は後述するが、装置本体200は、各検出凸部109、すなわち検出先端部109aおよび検出後端部109bの通過検出に基づいて、ラベルテープ101の送りを制御している。装置本体200は、検出先端部109aの通過を検出すると、印刷余白幅Nだけラベルテープ101を送った後、各ラベル部105に対して印刷を開始する。また、装置本体200は、検出後端部109bの通過を検出すると、切断余白幅Qだけラベルテープ101を送った後、ラベルテープ101を切断するようになっている。すなわち、ラベルテープ101は、検出先端部109aよりも印刷余白幅Nだけ繰出し方向上流側の位置が、印刷開始箇所111となっており、検出後端部109bよりも切断余白幅Qだけ繰出し方向上流側の位置が、切断箇所112となっている。印刷余白幅Nは、例えば1.5mmであり、切断余白幅Qは、例えば2.5mmである。また、印刷余白幅Nや切断余白幅Qの値は、装置本体200の出荷時などに調整される。また、ユーザーが、印刷データ作成装置において、印刷余白幅Nや切断余白幅Qの値を調整することも可能である。
なお、本実施形態の検出凸部109の位置に非検出凹部110を設けると共に、非検出凹部110の位置に検出凸部109を設け、装置本体200が、検出後端部109bの通過検出に基づいて、各ラベル部105に対して印刷を開始し、検出先端部109aの通過検出に基づいて、各ラベル部105を切り離すようにしてもよい。
図4ないし図7を参照して、テープカートリッジ100について説明する。なお、以下の説明では、テープカートリッジ100の厚さ方向を「上下」、テープカートリッジ100の幅方向を「左右」、テープカートリッジ100の奥行き方向を「前後」ともいう。もちろん、これらの方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
図4ないし図7に示すように、カートリッジケース104は、上ケース113と下ケース114とを突き合わせて分離可能に接合されている。上ケース113は、天壁部115と、天壁部115の周縁部に突設した上周壁部116とから成る。下ケース114は、底壁部117と、底壁部117の周縁部に突設した下周壁部118とから成る。天壁部115と底壁部117とは互いに対向している。なお、上ケース113は、半透明の樹脂で構成されており、下ケース114は、遮光性(例えば黒色不透明)の樹脂で構成されている。
カートリッジケース104内には、後側にテープロール157が収容され、前側右方寄りにリボン繰出リール122およびリボン巻取リール123が収容され、左端部にプラテンローラー103が収容されている。
テープロール157は、ラベルテープ101が印刷テープ106側を外側にして、繰出し可能にロール状にテープコア121に巻かれたものである。テープロール157は、検出凸部109が設けられた第1側辺部151が天壁部115側となり、第2側辺部152が底壁部117側となるようにして、カートリッジケース104に収容されている。すなわち、ラベルテープ101の第1側辺部151側の端面が、上ケース113の天壁部115に覆われ、ラベルテープ101の第2側辺部152側の端面が、下ケース114の底壁部117に覆われている。
一方、リボン繰出リール122には、インクリボン102が繰出し可能に巻かれ、リボン巻取リール123には、リボン繰出リール122から繰出されたインクリボン102が巻き取られる。
カートリッジケース104の左側面、すなわち上周壁部116および下周壁部118の左側面には、ラベルテープ101をカートリッジケース104外に排出するために、上下に長いスリット状のテープ送出口124が形成されている。また、カートリッジケース104の左前隅部には、後述する印刷ヘッド225が挿通するヘッド開口125が上下に貫通形成されている。
上ケース113の天壁部115は、平面視において、テープロール157およびリボン繰出リール122が位置する領域に形成された高壁部126と、リボン巻取リール123およびプラテンローラー103が位置する領域において、高壁部126よりも一段低く、すなわち底壁部117寄りに形成された低壁部127と、略横「Γ」字状に延在し、高壁部126と低壁部127とを接続する垂直壁部128とで構成されている。
低壁部127は、リボン巻取リール123が設けられたリール壁部158と、プラテンローラー103が設けられたローラー壁部159とを有している。リール壁部158およびヘッド開口125の上方は、四周が上周壁部116の上端部および垂直壁部128により囲まれており、平面視略矩形状の凹状空間131となっている。ローラー壁部159は、上周壁部116の左側の前後略中間部と、垂直壁部128の左端部とを接続している。また、ローラー壁部159は、後述する光センサー206よりも下側の位置において、光センサー206と対向している(図11参照)。ローラー壁部159が、上周壁部116と垂直壁部128とを接続することで、上周壁部116および垂直壁部128の強度を高めることができる。
テープカートリッジ100は、高壁部126が形成された領域では、第1テープ幅W1に対応した厚さとなっている。なお、半透明の高壁部126を介して、テープコア121に巻かれたラベルテープ101の残量を視認することができる。
一方、テープカートリッジ100は、低壁部127が形成された領域では、第2テープ幅W2に対応した厚さとなっている。そのため、低壁部127のローラー壁部159には、ラベルテープ101の繰出しに伴って複数の検出凸部109が上方に順次露出するように、スリット状の露出開口133が形成されている。ローラー壁部159は、露出開口133を挟んで、ラベルテープ101の印刷テープ106側となる印刷テープ側壁部161と、台紙テープ107側となる台紙テープ側壁部162とを有している。
ローラー壁部159に露出開口133が設けられていることで、ラベルテープ101の表裏両面側にローラー壁部159、すなわち印刷テープ側壁部161および台紙テープ側壁部162を設けることができる。このため、ラベルテープ101の表裏一方の側のみにローラー壁部159を設けた場合に比べ、ローラー壁部159の面積が広くなり、上周壁部116および垂直壁部128の強度をさらに高めることができる。
垂直壁部128には、ラベルテープ101の繰出しに伴って、複数の検出凸部109が順次通過するための通過口132が形成されている。ローラー壁部159に形成された露出開口133は、通過口132とテープ送出口124とを接続している。露出開口133は、ラベルテープ101の残量、すなわちテープコア121へのラベルテープ101の巻き量に応じた送り経路の変動に対応させて、通過口132側、すなわち繰出し方向上流側が幅広に形成されている。
さらに、露出開口133の繰出し方向上流側端部には、通過口132の縁部から繰出し方向下流側にリブ状に延設するようにして、前後一対のテープカバー部134が形成されている。すなわち、一対のテープカバー部134は、露出開口133の繰出し方向上流側端部において、印刷テープ側壁部161の縁部および台紙テープ側壁部162の縁部からそれぞれ上方に突設されている。一対のテープカバー部134の高さは、垂直壁部128の高さよりも、僅かに低くなっている。このため、一対のテープカバー部134の上端部は、高壁部126の上端部よりも、下側に位置している。
露出開口133においてテープカバー部134の繰出し方向下流端、すなわちカバー部下流端134a(図12(a)参照)よりも上流側では、露出開口133から上方に突出した各検出凸部109は、一対のテープカバー部134により、印刷テープ106側および台紙テープ107側が覆われる。一方、露出開口133においてカバー部下流端134aよりも下流側では、露出開口133から上方に突出した各検出凸部109が、光センサー206により通過検出可能なように露出する。すなわち、カバー部下流端134aとテープ送出口124との間が、光センサー206により各検出凸部109の通過を検出するために、各検出凸部109を上方に露出させる露出エリア135となっている。露出エリア135は、繰出し方向においてプラテンローラー103と重複する位置に設けられている。露出エリア135の繰出し方向上流側には、上記の通過口132が設けられ、露出エリア135の繰出し方向下流側には、上記のテープ送出口124が設けられている。
なお、詳細は後述するが、テープカートリッジ100では、各検出凸部109の上端部、すなわち検出凸部109におけるテープ幅方向の側端部である凸部側端部109cが、ローラー壁部159よりも上側に位置している。また、各非検出凹部110の上端部、すなわち非検出凹部110におけるテープ幅方向の側端部である非検出側端部110cが、ローラー壁部159よりも下側に位置している(図13(a)参照)。
一方、下ケース114の底壁部117には、プラテンローラー103が印刷ヘッド225と対向する部分を除いてヘッド開口125の四周を囲むようにして、ガイド壁136が突設されている。ガイド壁136の上端面の複数箇所には、上ケース113に形成された係合ピン(図示省略)が係合するガイド係合孔137が形成されている。リボン繰出リール122から繰出されたインクリボン102は、ガイド壁136の外周面に沿って周回し、リボン巻取リール123に巻き取られる。なお、インクリボン102は、第2テープ幅W2と略同一の幅を有している。
さらに、底壁部117には、プラテンローラー103よりも繰出し方向上流側で、且つ、ラベルテープ101の印刷テープ106側に位置して、細長い板状の引込防止部138が突設されている。引込防止部138は、ラベルテープ101の送り経路を横断する横断方向、すなわち送り経路と直交する方向において、プラテンローラー103と重複する位置に突設されている(図7参照)。引込防止部138は、詳細は後述するが、プラテンローラー103と協働して、ラベルテープ101がカートリッジケース104内に引き込まれることを防止している。
引込防止部138の繰出し方向上流側の基端部には、テープ位置規制部163が突設されている(図13参照)。テープ位置規制部163の上面に、ラベルテープ101の下端面が接することで、ラベルテープ101が上下方向に位置規制される。
引込防止部138は、検出凸部109とは接しておらず、ラベルテープ101の第2側辺部152側の端部から、第2テープ幅W2の途中まで、の範囲で、ラベルテープ101と接している。テープ幅方向において、引込防止部138の長さFは、プラテンローラー103の長さRよりも、短くなっている。ここで、引込防止部138の長さFとは、テープ位置規制部163の上面から、引込防止部138の先端までの長さである。また、プラテンローラー103の長さRとは、ラベルテープ101と接しているプラテンゴム142の長さである。引込防止部138は、ラベルテープ101の下端から、第2テープ幅W2に対して、a%上方の位置までと接している。すなわち、引込防止部138の長さFは、第2テープ幅W2に対してa%となっている。aは、例えば50以上100以下の値であり、好ましくは60以上80以下の値である。
引込防止部138の先端は、上ケース113の天壁部115とは接していない。また、引込防止部138は、ラベルテープ101の表裏方向、すなわちラベルテープ101の送り経路を横断する横断方向、において薄肉に形成されている。そのため、引込防止部138は、先端部がラベルテープ101から離れる方向、すなわち横断方向においてプラテンローラー103とは反対側へ、弾性的に傾斜可能となっている。
引込防止部138の後面は、緩やかな円弧状に形成されており、ラベルテープ101の印刷テープ106側と接している。一方、引込防止部138の前面は、インクリボン102と接している。すなわち、印刷テープ106は、引込防止部138の後面と摺接しながら送られ、インクリボン102は、引込防止部138の前面と摺接しながら送られる。印刷テープ106とインクリボン102とは、引込防止部138の下流側近傍で合流した後、プラテンローラー103と印刷ヘッド225との間に挟み込まれるようになっている。
テープ送出口124は、第1テープ幅W1よりも僅かに長く形成されていると共に、全長に亘って略同一幅で且つラベルテープ101の厚さよりも僅かに幅広に形成されている。テープ送出口124の上端部は、上ケース113の上周壁部116の上端部によって構成されており、各検出凸部109が通過する凸部通過部124aとなる。凸部通過部124aの前後両縁部のカートリッジケース104内面側の角部に、C面取り部139がそれぞれ形成されている(図10参照)。
プラテンローラー103は、ヘッド開口125に挿通した印刷ヘッド225に対峙するように設けられており、装置本体200によって回転され、印刷ヘッド225との間に挟持したラベルテープ101およびインクリボン102を回転送りする。
プラテンローラー103は、円筒状のローラー本体141と、ローラー本体141に巻装されたプラテンゴム142とを有している。プラテンゴム142は、ラベルテープ101の台紙テープ107側に転接する。プラテンゴム142は、インクリボン102と同様に、第2テープ幅W2と略同一の長さを有している。
上ケース113の台紙テープ側壁部162には、ローラー本体141の上端部が係合する上プラテン係合孔143が形成され、同様に、下ケース114の底壁部117には、ローラー本体141の下端部が係合する下プラテン係合孔(図示省略)が形成されている。すなわち、上プラテン係合孔143は、露出エリア135において、台紙テープ側壁部162に形成されている。
上プラテン係合孔143および下プラテン係合孔は、プラテンローラー103の回転軸を軸支する。また、上プラテン係合孔143および下プラテン係合孔は、ぷそれぞれ繰出し方向に長い長孔に形成されている。これにより、プラテンローラー103は、カートリッジケース104に回転可能に収容されると共に、ラベルテープ101の繰出しおよび引込みに伴って、繰出し方向に所定範囲内で移動するようになっている。そのため、テープカートリッジ100が装置本体200に装着されていない状態で、テープコア121が振動で回転するなどして、ラベルテープ101が引き込まれたとしても、ラベルテープ101の引込みに伴ってプラテンローラー103が繰出し方向上流側に移動し、プラテンローラー103と上記の引込防止部138との間でラベルテープ101が挟持される。これにより、ラベルテープ101が、それ以上引き込まれることがなく、ラベルテープ101の先端がカートリッジケース104内に入り込んでしまうことが防止されている。
図1、図2、図8ないし図11を参照して、装置本体200について説明する。なお、以下の説明では、装置本体200の高さ方向を「上下」、装置本体200の幅方向を「左右」、装置本体200の奥行き方向を「前後」ともいう。もちろん、これらの方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
図1および図2に示すように、装置本体200は、略立方体状に形成された装置ケース201により外殻が形成されている。装置ケース201の上面には、開閉蓋202が設けられている。開閉蓋202は、テープカートリッジ100が装着されるカートリッジ装着部(図示省略)を開閉する。装置本体200の左前角部には、開閉蓋202を開放するための蓋開放ボタン203が設けられている。ユーザーが蓋開放ボタン203を押すと、開閉蓋202が、右端部に設けられたヒンジ部204を中心にして上方に回動する。
カートリッジ装着部には、テープカートリッジ100が、上ケース113を上側に且つ下ケース114を下側にした姿勢で装着される。このため、カートリッジ装着部にテープカートリッジ100が装着されると、上ケース113のローラー壁部159に形成された露出開口133から上方に露出する各検出凸部109が、閉塞された開閉蓋202の裏側と対向することになる。
図8ないし図11に示すように、開閉蓋202には、略中央部に、左右に長い角丸長方形状の覗き窓205が形成され、開閉蓋202の裏側には、覗き窓205の前方に位置して、各検出凸部109の通過を検出する光センサー206が取り付けられている。
なお、光センサー206は、特許請求の範囲における「検出部」の一例である。
覗き窓205は、透光性の樹脂で構成されており、覗き窓205を介して、カートリッジ装着部へのテープカートリッジ100の装着/非装着を視認できるようになっている。なお、覗き窓205を除き、装置ケース201は、開閉蓋202を含め、遮光性の樹脂で構成されている。開閉蓋202の裏側には、覗き窓205の周縁部に、リブ状の環状凸部207が突設されている。環状凸部207についても、遮光性の樹脂で構成されている。環状凸部207は、開閉蓋202を閉塞した状態で、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジ100の上面との間に、僅かな間隙が生じる程度の高さに形成されている。
光センサー206は、透過型のフォトインタラプターで構成されており、互いに対向した発光素子216および受光素子217と、発光素子216および受光素子217が収容されたセンサーケース208と、回路素子が実装されたセンサー基板209とを備えている。発光素子216は、例えば、赤外線発光ダイオードから成り、受光素子217は、例えば、赤外線フォトトランジスターから成る。センサー基板209は、開閉蓋202の裏面から下面視横「L」字状に低く突設された、基板収容部211に収容されている。
光センサー206は、検出凸部109の検出先端部109aが発光素子216と受光素子217との間を通過することで、出力電圧が変化し、検出先端部109aの通過を検出する。また、光センサー206は、検出凸部109の検出後端部109bが発光素子216と受光素子217との間を通過することで、出力電圧が変化し、検出後端部109bの通過を検出する。
光センサー206は、閉蓋状態では、カートリッジケース104の上面に設けられた露出エリア135に位置する。また、基板収容部211は、開閉蓋202を閉塞した際に、テープカートリッジ100に形成された凹状空間131内に収まるようになっており、基板収容部211がテープカートリッジ100の天壁部115と干渉しないようになっている(図10参照)。
センサーケース208は、側面視略逆「U」字形状を有し、発光素子216および受光素子217がそれぞれ収容された発光側収容部213および受光側収容部214が、送り経路となる溝部212を前後に挟んで形成されている。すなわち、光センサー206は、開閉蓋202を閉塞した状態で、発光側収容部213が前側で且つ受光側収容部214が後側、すなわち覗き窓205側となるようにして、開閉蓋202に取り付けられている。つまり、受光素子217は、覗き窓205に背向している。
さらに、図10に示すように、繰出し方向において、光センサー206の検出光の光軸の位置は、プラテンローラー103の軸の位置と一致している。すなわち、繰出し方向において、光センサー206による検出位置P1は、印刷ヘッド225による印刷位置P2(図12参照)と一致している。このため、光センサー206による検出位置P1から印刷ヘッド225による印刷位置P2までの、繰出し方向における上流側への距離を正とした第2距離S2は、0mmとなっている。
発光側収容部213および受光側収容部214は、互いに対向した発光側対向面213aおよび受光側対向面214aをそれぞれ有している。各検出凸部109は、発光側対向面213aと受光側対向面214aとの間、すなわち溝部212を通過する。発光側対向面213aと受光側対向面214aとの間隔である対向間隔D1(図9参照)、すなわち溝部212の幅は、例えば4mm程度である。また、発光側対向面213aおよび受光側対向面214aには、発光素子216から発せられた検出光が透過するためのスリットがそれぞれ形成されている。
さらに、基板収容部211の下面には、下面視逆「U」字状の発光側凸部218と、下面視横「C」字状の受光側凸部219とが突設されている。発光側凸部218および受光側凸部219は、それぞれ遮光性の樹脂で構成されている。なお、発光側凸部218の上流側角部および受光側凸部219の上流側角部は、それぞれ面取り加工されており、送られてきた各検出凸部109の検出先端部109aが、該角部に引っ掛かることを防止している。
発光側凸部218は、発光側収容部213の周面のうち、発光側対向面213aを除く周面を覆っている。一方、受光側凸部219は、溝部212の上流側開放部の受光側を塞ぐように、一方の先端部に形成された受光側上流ガイド部221と、溝部212の下流側開放部の受光側を塞ぐように、他方の先端部に形成された受光側下流ガイド部222と、受光側収容部214の周面のうち受光側対向面214aを除いた周面を覆った受光側カバー部223とで、一体に構成されている。
受光側上流ガイド部221および受光側下流ガイド部222は、受光側対向面214aに沿って、それぞれ受光素子217の手前まで内側に延びている。各検出凸部109は、受光側上流ガイド部221および受光側下流ガイド部222の前面と発光側対向面213aとによってガイドされながら、溝部212を通過する。すなわち、各検出凸部109は、受光側上流ガイド部221および受光側下流ガイド部222と発光側対向面213aの間を、上記の対向間隔D1よりも狭いガイド幅D2で送られていく(図9参照)。
図2に示すように、カートリッジ装着部の左前隅部には、サーマルタイプの印刷ヘッド225が突設されている。この印刷ヘッド225に、テープカートリッジ100のヘッド開口125が挿通するようにして、テープカートリッジ100がカートリッジ装着部に装着される。さらに、カートリッジ装着部には、印刷ヘッド225に対峙して、テープカートリッジ100内のプラテンローラー103に係合してこれを回転させるプラテン駆動軸226が立設されている。なお、図示省略したが、カートリッジ装着部の略中央部には、テープカートリッジ100の装着を案内するガイド突起が突設され、印刷ヘッド225の右側には、リボン巻取リール123に係合してこれを回転させるリボン巻取駆動軸が立設されている。
さらに、カートリッジ装着部の裏側には、プラテン駆動軸226およびリボン巻取駆動軸を回転させる送り部231が設けられている。送り部231は、動力源となる送りモーター232と、送りモーター232の動力をプラテン駆動軸226およびリボン巻取駆動軸に分岐して伝達するギア列等から成る送り動力伝達機構(図示省略)とを備えている(図12(a)参照)。送り部231がプラテン駆動軸226およびリボン巻取駆動軸を回転させることで、プラテンローラー103およびリボン巻取リール123が回転し、ラベルテープ101およびインクリボン102が送られる。
装置ケース201の左側部には、上下に長いスリット状のテープ排出口234が形成されている。テープ排出口234は、カートリッジ装着部に連なっており、カートリッジ装着部に装着されたテープカートリッジ100から送られてくるラベルテープ101が、テープ排出口234から装置外に排出される。
カートリッジ装着部とテープ排出口234との間には、ラベルテープ101を切断する切断部241が内蔵されている。切断部241は、ラベルテープ101の送り経路を挟んで設けられた固定刃242および可動刃243を有し、ハサミ形式でラベルテープ101を切断するカッター244と、可動刃243の動力源となるカッターモーター245と、カッターモーター245の動力を可動刃243に伝達するカッター動力伝達機構(図示省略)などで構成されている(図12(a)参照)。
繰出し方向において、固定刃242と可動刃243の相互の刃先(刃線)が擦り合う位置が、ラベルテープ101を切断するカット位置P3となる。そして、繰出し方向において、カット位置P3に対する上記のカバー部下流端134a、すなわち露出エリア135の上流端までの距離L1は、繰出し方向下流側から数えてn番目のラベル部105に対応した検出凸部109の検出先端部109aと、n−1番目のラベル部105の切断箇所112との距離L2よりも、短く(L1<L2)なっている(図12(a)参照)。
さらに、装置本体200は、CPU(Central Processing Unit)や各種記憶素子などで構成された制御部250(図12参照)を備えている。制御部250は、以下に述べるように、光センサー206による各検出凸部109の検出先端部109aや検出後端部109bの通過検出に基づいて、送りモーター232やカッターモーター245を駆動制御している。
図12を参照して、ラベル作成装置1における印刷・切断動作について説明する。なお、図12では、プラテンローラー103、印刷ヘッド225および可動刃243を、駆動時には黒塗りで、非駆動時には白塗りで示す。また、光センサー206を、各検出凸部109の検出先端部109aや検出後端部109bの通過検出時には黒塗りで、非検出時には白塗りで示す。
まず、前回の印刷・切断動作で、繰出し方向下流側から数えてn−1番目のラベル部105が切断箇所112で切り離されたものとする。このとき、ラベルテープ101に対する印刷・切断動作を開始するまでは、ラベルテープ101の先端が、カット位置P3と一致している。また、n番目のラベル部105に対応した検出凸部109の検出先端部109aは、光センサー206による検出位置P1よりも僅かに(例えば4mm)繰出し方向上流側に位置している(図12(a)参照)。
この状態で、ユーザーにより印刷実行の入力がなされると、制御部250が、送りモーター232を駆動し、プラテンローラー103が回転してラベルテープ101およびインクリボン102の送りが開始される。そして、n番目のラベル部105に対応した検出凸部109の検出先端部109aが検出位置P1に到達すると、光センサー206が、検出先端部109aの通過を検出し、その検出結果を制御部250に出力する(図12(b)参照)。
制御部250は、検出先端部109aが通過した旨の検出結果を取得すると、n番目のラベル部105の印刷開始箇所111が印刷位置P2に到達するように、ラベルテープ101を印刷余白幅N(図3参照)だけ送った後、印刷ヘッド225を駆動して、n番目のラベル部105に対して印刷開始箇所111、すなわち印刷範囲156の繰出し方向下流側の端部から印刷を開始する(図12(c)参照)。
その後、n番目のラベル部105に対応した検出凸部109の検出後端部109bが検出位置P1に到達すると、光センサー206が、検出後端部109bの通過を検出し、その検出結果を制御部250に出力する(図12(d)参照)。
制御部250は、検出後端部109bが通過した旨の検出結果を取得すると、n番目のラベル部105の切断箇所112がカット位置P3に到達するように、ラベルテープ101を切断余白幅Q(図3参照)だけ送った後、可動刃243を駆動して、当該切断箇所112でラベルテープ101を切断し、n番目のラベル部105を切り離す(図12(e)参照)。
このようにして、ラベル作成装置1により、所望の印刷が為されたラベルを作成することができる。なお、ここでは、1つのラベル部105に印刷を行った後、これを切り離す場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数のラベル部105に対して連続的に印刷を行った後、そのうちの最後尾のラベル部105の切断箇所112でラベルテープ101を切断し、複数のラベル部105をまとめて切り離すようにしてもよい。
以上、本実施形態のラベル作成装置1の概要について説明したが、(1)テープカートリッジ100におけるラベルテープ101と露出エリア135との位置関係、(2)ラベルテープ101における検出凸部109とラベル部105との位置関係、(3)ラベルテープ101の検出凸部109、(4)引込防止部138、について、さらに詳細に説明する。
<(1)テープカートリッジ100におけるラベルテープ101と露出エリア135との位置関係>
図13(a)に示すように、本実施形態のテープカートリッジ100では、露出エリア135には、検出凸部109部以外のラベルテープ101が露出しないようになっている。より具体的には、各非検出凹部110における非検出側端部110cが、ローラー壁部159よりも下側に位置している。このため、各非検出凹部110が、ローラー壁部159の上面よりも上側に位置することがない。したがって、ローラー壁部159よりも上側の位置においてローラー壁部159と対向する光センサー206によって、各非検出凹部110が誤検出されることを抑制することができる。ゆえに、ラベル作成装置1は、各ラベル部105に対して、適切な位置で、印刷および切断を行うことができる。
図13(b)に示すように、各非検出凹部110における非検出側端部110cが、上下方向においてローラー壁部159と同じ位置にあってもよい。この構成においても、各非検出凹部110が、ローラー壁部159の上面よりも上側に位置することがない。したがって、光センサー206によって、各非検出凹部110が誤検出されることを抑制することができる。
<(2)ラベルテープ101における検出凸部109とラベル部105との位置関係>
上述したように、検出凸部109の検出先端部109aは、対応するラベル部105のラベル先端部105aに対し、テープ長さ方向において繰出し方向下流側に位置している。そして、印刷時に、テープ長さ方向において、検出先端部109aとラベル先端部105aとの間の位置である印刷開始箇所111から印刷される。すなわち、検出凸部109とラベル部105とは、印刷時に、テープ長さ方向において、検出先端部109aとラベル先端部105aとの間の位置である印刷開始箇所111から印刷されるように配設されている。これにより、各ラベル部に対して縁無し印刷が確実に行われる。
なお、図14(a)に示すように、本実施形態のラベルテープ101とは異なり、検出先端部109aからラベル先端部105aまでの第1距離S1が、検出位置P1から印刷位置P2までの第2距離S2と同じ(例えば0mm)である場合、光センサー206が検出先端部109aを検出した時点では、対応するラベル部105のラベル先端部105aがすでに印刷位置P2に達していることになる。このため、光センサー206が印刷ヘッド225に対して設計値よりも繰出し方向下流側に少しでもずれて設けられていると、光センサー206が検出先端部109aを検出した時点では、ラベル先端部105aが印刷位置P2よりも繰出し方向下流側に達していることになる。したがって、各ラベル部105に対して、縁無し印刷を確実に行うことができない。
これに対し、図14(b)に示すように、本実施形態のラベルテープ101では、検出先端部109aからラベル先端部105aまでの第1距離S1(2.5mm)が、検出位置P1から印刷位置P2までの第2距離S2(0mm)よりも大きくなっている。このため、光センサー206が検出先端部109aを検出した時点で、対応するラベル部105のラベル先端部105aが、第1距離S1と第2距離S2との差分(2.5mm)だけ、印刷位置P2よりも繰出し方向上流側に位置することになる。したがって、光センサー206が、印刷ヘッド225に対して設計値よりも繰出し方向下流側に、第1距離S1と第2距離S2との差分の範囲内で、ずれて設けられていたとしても、ラベル部105に対し、ラベル先端部105aよりも繰出し方向下流側にはみ出た位置から印刷を開始することができ、各ラベル部105に対して縁無し印刷を確実に行うことができる。
この場合、第1距離S1は、印刷ヘッド225に対する光センサー206の位置ずれ量の最大値や、縁無し印刷時のはみ出し幅などに応じて、適宜設定すればよい。また、印刷余白幅Nは、印刷ヘッド225に対する光センサー206の位置ずれ量に応じて、装置本体200の出荷時やユーザーによる使用時などに、調整されることが好ましい。
なお、第1距離S1がゼロとなり、第2距離S2が負の値をとる場合も、光センサー206が検出先端部109aを検出した時点で、対応するラベル部105のラベル先端部105aが、印刷位置P2よりも繰出し方向上流側に位置することになるため、本実施形態と同様の効果を得られることができる。
<(3)ラベルテープ101の検出凸部109>
ラベルテープ101において、検出凸部109が、上述したように、台紙凸部108と、台紙凸部108に貼着された非ラベル部120とから構成されている。このため、検出凸部109が台紙凸部108のみから構成される場合に比べ、検出凸部109の強度を向上させることができる。これにより、検出凸部109が折れたり曲がったりすることが抑制される。したがって、検出凸部109は、カートリッジケース104に形成された通過口132およびテープ送出口124、並びに光センサー206の溝部212を良好に通過することができる。
さらに、検出凸部109が台紙凸部108と非ラベル部120とから構成されていることで、検出凸部109が台紙凸部108のみから構成される場合に比べ、検出凸部109の遮光性を高めることができる。このため、検出凸部109によって光センサー206の検出光が遮光される割合、すなわち遮光率を高めることができる。したがって、光センサー206により検出凸部109の通過を確実に検出することができる。
また、台紙テープ107に非ラベル部120が貼着されていることで、台紙テープ107に複数のラベル部105のみが貼着されている場合に比べ、ラベルテープ101全体の強度を向上させることができる。そのため、ラベルテープ101をテープコア121に巻く際などに、テープ長さ方向にテンションを掛けても、ラベルテープ101が破れることを抑制することができる。
図15(a)に示すように、本実施形態のテープカートリッジ100とは異なり、台紙テープ107の台紙面107aに複数のラベル部105のみが貼着されたラベルテープ101が、カートリッジケース104に収容されている場合には、ラベル部105とラベル部105との間の箇所がテープ送出口124を通過する際、テープ送出口124の出口側から見て、ラベル部105がテープ送出口124の縁部と重複した状態となる場合がある。この状態のままラベルテープ101が繰出されると、ラベル部105がテープ送出口124を通過する際には、ラベル先端部105aがテープ送出口124の縁部に引っ掛かりやすくなる。
これに対し、図15(b)に示すように、本実施形態のテープカートリッジ100では、印刷テープ106が、複数の環状露出部154に対してテープ幅方向の両側方に設けられた非ラベル部120を有することで、ラベルテープ101が繰出され、ラベル部105とラベル部105との間の箇所がテープ送出口124を通過する際、テープ送出口124の出口側から見て、ラベル部105がテープ送出口124の縁部と重複した状態となることが抑制される。このため、各ラベル部105がテープ送出口124を通過する際には、ラベル先端部105aがテープ送出口124の縁部に引っ掛かりにくくなる。したがって、複数のラベル部105を有するラベルテープ101が、テープ送出口124からスムースに送り出される。
なお、本実施形態では、複数の環状露出部154に対して第1側辺部151側および第2側辺部152側の双方に非ラベル部120が設けられているが、第1側辺部151側および第2側辺部152側の一方のみに非ラベル部120が設けられている場合にも、同様の効果を得ることができる。
なお、印刷テープ106に環状露出部154が形成されておらず、ラベル部105に接して非ラベル部120が設けられている場合には、ラベル部105の上下端部が非ラベル部120の内周縁部120aに乗り上げてしまう場合がある。すなわち、ラベル部105が例えば円形の場合、ラベルテープ101をテープコア121に巻く際などに、テープ長さ方向のテンションが掛かると、ラベル部105は円形からほとんど変形しないのに対し、非ラベル部120は全体としてテープ長さ方向に伸び、各内周縁部120aが円形からテープ長さ方向に長い略楕円形に変形するため、ラベル部105の上下端部が非ラベル部120の内周縁部120aに乗り上げてしまう(図16参照)。この場合、非ラベル部120に乗り上げたラベル部105の上下端部に対してインクが良好に転写されず、縁無し印刷を適切に行うことができない。これに対し、本実施形態のラベルテープ101では、印刷テープ106に環状露出部154が形成されていることで、テープ長さ方向のテンションが掛かった際にも、ラベル部105の上下端部が非ラベル部120の内周縁部120aに乗り上げてしまうことがなく、縁無し印刷を適切に行うことができる。
<(4)引込防止部138>
上記したように、テープカートリッジ100は、ラベルテープ101の台紙テープ107側と接するプラテンローラー103と、プラテンローラー103よりも繰出し方向上流側に設けられ、ラベルテープ101の印刷テープ106側と接する引込防止部138とを有している。さらに、複数の検出凸部109が設けられていない、通常のラベルテープ101を収容した従来のテープカートリッジ100では、引込防止部138が、上ケース113の天壁部115と係合する長さを有し、ラベルテープ101のテープ幅全体と接している(図17参照)。このため、従来のテープカートリッジ100では、引込防止部138からプラテンローラー103に至る送り経路において、ラベルテープ101がテープ幅全体に亘って表裏方向に「S」字状に湾曲することになる(図18参照)。
本実施形態のラベルテープ101を収容したテープカートリッジ100において、仮に、引込防止部138が各検出凸部109と接すると、各検出凸部109が、表裏方向に「S」字状に湾曲した状態で光センサー206に進入することになるため、各検出凸部109が直線状になった状態で光センサー206に進入する場合に比べ、各検出凸部109を光センサー206の発光素子216と受光素子217との間に適切に進入させることができないおそれがある。
これに対し、本実施形態のテープカートリッジ100では、ラベルテープ101のうち、引込防止部138と接する部分、すなわちラベルテープ101の第2側辺部152側は、表裏方向に「S」字状に湾曲するのに対し、各検出凸部109は、引込防止部138とは接しないため、略直線状、例えば緩やかな円弧状となる(図7参照)。
したがって、各検出凸部109は、略直線状となった状態で、光センサー206に進入することとなり、「S」字状に湾曲した状態で光センサー206に進入する場合に比べ、各検出凸部109の進入経路がその都度変わることなく、各検出凸部109を光センサー206の発光素子216と受光素子217との間に適切に進入させることができる。ゆえに、光センサー206の発光素子216と受光素子217との対向方向における検出凸部109の通過位置が安定するため、通過位置の変動より通過時の出力電圧が変動することもなく、光センサー206による検出凸部109の通過検出を適切に行うことができる。また、この場合も、ラベルテープ101の引込みに伴ってプラテンローラー103が繰出し方向上流側に移動した際には、プラテンローラー103と引込防止部138との間にラベルテープ101の第2側辺部152側が挟持されるため、ラベルテープ101の先端がカートリッジケース104内に入り込むことを防止できる。ゆえに、ラベルテープ101の先端がカートリッジケース104内に入り込むことを防止しつつ、光センサー206による検出凸部109の通過検出を適切に行うことができる。
なお、本実施形態では、引込防止部138が、ラベルテープ101の第2側辺部152側の端部から、第2テープ幅W2の途中まで、の範囲で、ラベルテープ101と接している。
さらに、底壁部117に突設された引込防止部138が、先端部がラベルテープ101から離れる方向へ弾性的に傾斜可能に構成されていることで、ラベルテープ101の送り時には、引込防止部138が、張った状態で送られていくラベルテープ101に押圧され、先端部がラベルテープ101から離れる方向へ傾斜する。したがって、この構成によっても、引込防止部138からプラテンローラー103に至る送り経路において、ラベルテープ101のうち、引込防止部138の基端側となる第2側辺部152側は、「S」字状に湾曲するが、引込防止部138の先端側となる第1側辺部151側は、略直線状、例えば緩やかな円弧状となる。このため、ラベルテープ101の上側を、より直線状にすることができる。したがって、各検出凸部109を、光センサー206の発光素子216と受光素子217との間に、より適切に進入させることができる。
また、本実施形態のテープカートリッジ100では、上述したように、ラベルテープ101のうち、引込防止部138と接する第2側辺部152側は、「S」字状に湾曲するが、複数の検出凸部109が設けられた第1側辺部151側は、略直線状、例えば緩やかな円弧状となる。これにより、ラベルテープ101がテープ幅方向の全体に亘って「S」字状に湾曲した場合に比べ、引込防止部138からプラテンローラー103に至る送り経路において、台紙テープ107からの印刷テープ106の部分的な剥がれが生じにくくなり、印刷テープ106に皺が生じることが防止される。
以上、本実施形態のテープカートリッジ100によれば、各ラベル部105に対して縁無し印刷を確実に行うことができる。