JP6288592B2 - 人工誘電体共振器及びそれを用いた人工誘電体フィルタ - Google Patents

人工誘電体共振器及びそれを用いた人工誘電体フィルタ Download PDF

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Description

本発明は、人工誘電体共振器及びそれを用いた人工誘電体フィルタに関する。
近年、マイクロ波帯域などで用いられる高周波フィルタは、小型化及びそれによる高性能化のために、高い比誘電率の誘電体を用いた誘電体共振器で構成される場合が少なくない。誘電体共振器は、誘電体を特定の大きさと形状のブロックにすることにより、それらと比誘電率によって定まる所望の周波数で共振させることができる。
誘電体共振器は、誘電体の材料に高い比誘電率のセラミックス(誘電体セラミックス)を使ったものが広く知られている。この誘電体セラミックスは、それを構成する分子に電界を印加したとき、分子中の束縛電子が移動し分極することによって高い比誘電率を示すこととなる。誘電体セラミックスの比誘電率は、高周波での損失の少なさや温度安定性を考慮すると、通常は、20から100までのものが実用化可能である。
誘電体共振器は、人工誘電体を用いたもの(人工誘電体共振器)も提案されている(例えば、特許文献1)。人工誘電体は、多数の金属片の集合から成るものである。この人工誘電体は、電界を印加したとき金属片に存在する自由電子が移動し分極することで誘電体として振る舞い、その自由電子の多さと移動距離の大きさにより、金属片の大きさや形状に応じて高い等価的な比誘電率を得ることが出来る。なお、人工誘電体は、各金属片の保持のため、何らかの母材中にそれらが配置される。
また、人工誘電体は、特許文献1に記載されているように、電界を金属片のどの向きに沿ってかけるかによって比誘電率が変化する異方性を有する。この異方性によって、人工誘電体共振器は、所望の周波数の共振(基本モード)では比誘電率が高くなり、その周波数に比較的近い他の共振(スプリアスモード)では比誘電率が低くなるように金属片を配置することで、それらの周波数を引き離すことができ、それによりスプリアスモードを抑圧することができる。
特開2003−133820号公報
このように、人工誘電体共振器は、金属片の大きさや形状及び配置によって、通常の誘電体セラミックスの共振器にはない優れた特性を得ることができる。しかし、人工誘電体共振器は、それを用いた高周波フィルタ(人工誘電体フィルタ)などへの今日の需要者の要求に対応するためには、まだ改善の余地がある。特に、小型化の要求に対応するためには、人工誘電体共振器は、基本モードでの比誘電率を更に高くする必要がある。
人工誘電体共振器を用いた人工誘電体フィルタは、通常、内部に人工誘電体共振器を複数個配置するとともに、この人工誘電体共振器と結合されて外部との信号のやり取りを行う入出力端子を配置している。そして、人工誘電体フィルタは、入出力端子と人工誘電体共振器との間の結合度(入出力結合度)及び2個の人工誘電体共振器の間の段間結合度を適切に制御することにより、所定の基本モードについて所望の帯域幅のフィルタ特性(例えば、チェビシェフ型など)が実現される。人工誘電体フィルタについては、入出力結合度が小さくて、フィルタ特性の帯域幅が狭くなる傾向にあり、この所望のフィルタ特性を得るのが困難な場合もある。
また、人工誘電体フィルタは、2個の人工誘電体共振器の間の段間結合度の制御のために、製造工程に多くの手間がかからないようにしつつ複数の人工誘電体共振器の正確な位置決めを実現することも望まれる。
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、基本モードでの比誘電率を更に高くできる人工誘電体共振器を提供することにあり、また、それを用いて、入出力結合度が大きく、人工誘電体共振器の正確な位置決めを実現するのが可能な人工誘電体フィルタを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の人工誘電体共振器は、薄板状の金属ストリップを複数個長手方向に微小な間隙を設けて配列して成る第1系列金属ストリップ群と、薄板状の金属ストリップを複数個長手方向に微小な間隙を設けて配列して成る第2系列金属ストリップ群と、を有しており、前記第1系列金属ストリップ群と前記第2系列金属ストリップ群とは、前記金属ストリップの厚さ方向に近接配置され、かつ、一方の金属ストリップ群の金属ストリップは他方の金属ストリップ群の前記間隙を跨ぐように対向して配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の人工誘電体共振器は、請求項1に記載の人工誘電体共振器において、前記第1系列金属ストリップ群と前記第2系列金属ストリップ群はそれぞれ、環状を成していることを特徴とする。
請求項3に記載の人工誘電体共振器は、請求項2に記載の人工誘電体共振器において、薄板状の金属ストリップを複数個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列して成るものであって、前記第1系列金属ストリップ群と同心状に金属ストリップの幅方向に近接配置される第3系列金属ストリップ群と、薄板状の金属ストリップを複数個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列して成るものであって、前記第2系列金属ストリップ群と同心状に金属ストリップの幅方向に近接配置される第4系列金属ストリップ群と、を更に有していることを特徴とする。
請求項4に記載の人工誘電体フィルタは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工誘電体共振器を複数個と、2個の入出力端子と、を具備し、隣接する前記人工誘電体共振器は互いに結合し、前記入出力端子はそれに隣接する前記人工誘電体共振器と結合していることを特徴とする。
請求項5に記載の人工誘電体フィルタは、請求項4に記載の人工誘電体フィルタにおいて、前記入出力端子の各々は、それに隣接する前記人工誘電体共振器の金属ストリップに直結されていることを特徴とする。
請求項6に記載の人工誘電体フィルタは、請求項4又は5に記載の人工誘電体フィルタにおいて、複数個の前記人工誘電体共振器の相対的な位置が固定されて所定の段間結合度になるように、複数個の前記人工誘電体共振器が一体の積層基板に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の人工誘電体フィルタは、請求項4〜6のいずれか1項に記載の人工誘電体フィルタにおいて、前記人工誘電体共振器は、基本モードをTE01δモードとして共振することを特徴とする。
本発明によれば、第1系列金属ストリップ群と第2系列金属ストリップ群とは、金属ストリップの厚さ方向に近接配置され、かつ、一方の金属ストリップ群の金属ストリップは他方の金属ストリップ群の間隙を跨ぐように対向して配置されるようにしているので、それらの間の大きな容量により、非常に高い非誘電率を示す人工誘電体共振器の提供が可能になる。また、この人工誘電体共振器を用いて、入出力端子を金属ストリップに直結させ、複数個の人工誘電体共振器を一体の積層基板に形成させることにより、入出力結合度が大きく、人工誘電体共振器の正確な位置決めを実現する人工誘電体フィルタを提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係る人工誘電体共振器の斜視図である。 同上の人工誘電体共振器の第1系列金属ストリップ群を示す平面図である。 同上の人工誘電体共振器の第2系列金属ストリップ群を示す平面図である。 同上の人工誘電体共振器の第1系列金属ストリップ群と第2系列金属ストリップ群に生じる電荷を説明する図である。 同上の人工誘電体共振器の変形例の斜視図である。 同上の人工誘電体共振器の変形例の第1系列金属ストリップ群と第3系列金属ストリップ群を示す平面図である。 同上の人工誘電体共振器の変形例の第2系列金属ストリップ群と第4系列金属ストリップ群を示す平面図である。 同上の人工誘電体フィルタの斜視図である。 同上の人工誘電体フィルタの内部の平面図である。 同上の人工誘電体フィルタの段間結合度の特性図である。 同上の人工誘電体フィルタの入出力結合度の特性図である。 同上の人工誘電体フィルタの入出力の方式を変更したものの内部の平面図である。 同上の人工誘電体フィルタの入出力の方式を変更したものの入出力結合度の特性図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る人工誘電体共振器1は、図1、図2、及び図3に示すように、薄板状の金属ストリップ20、20、・・・を複数個長手方向に微小な間隙20G、20G、・・・を設けて環状に配列して成る第1系列金属ストリップ群2と、薄板状の金属ストリップ30、30、・・・を複数個長手方向に微小な間隙30G、30G、・・・を設けて環状に配列して成る第2系列金属ストリップ群3と、を有している。これら第1系列金属ストリップ群2と第2系列金属ストリップ群3とは、金属ストリップ20、30の厚さ方向に近接配置され、かつ、一方の金属ストリップ群2又は3の金属ストリップ20又は30は、他方の金属ストリップ群3又は2の間隙30G又は20Gを跨ぐように対向して配置されている。
薄板状の金属ストリップ20及び30は、アスペクト比が大きい(幅が短く長さが長い)金属片である。また、人工誘電体共振器1において、第1系列金属ストリップ群2と第2系列金属ストリップ群3は、これらの保持のための母材(例えば、樹脂多層基板やLTCC(低温同時焼成セラミック)基板などの後述する積層基板)の中に配置される。
そして、人工誘電体共振器1は、適宜、第1系列金属ストリップ群2又は第2系列金属ストリップ群3と同様な金属ストリップ群を、第1系列金属ストリップ群2と第2系列金属ストリップ群3の位置関係と同様にして順に積層して設けている。図1では、第1系列金属ストリップ群2と同様な金属ストリップ群が3層、第2系列金属ストリップ群3と同様な金属ストリップ群が2層、計5層の金属ストリップ群が積層して設けられたものを示している。
このような人工誘電体共振器1は、金属ストリップ20及び30の中の自由電子が印加された電界によって移動し、金属ストリップ20及び30の一端側に正の電荷又は負の電荷、他端側に負の電荷又は正の電荷が表れる。この状態が、金属ストリップ20及び30が分極を起こした状態であり、これらの表れた正の電荷と負の電荷は、電気双極子を構成する。電気双極子における電荷の量と分極距離とを乗じて得られる双極子モーメントが大きいほど、高い比誘電率を得ることが出来る。
よって、環状を成す第1系列金属ストリップ群2と第2系列金属ストリップ群3は、環状の印加された電界に対して高い比誘電率を示す。それにより、第1系列金属ストリップ群2と第2系列金属ストリップ群3を有する人工誘電体共振器1は、共振の電界の向きが環状を成すTE01δモードを目的の基本モードとすることができる。TE01δモードは、損失が少ないために基本モードとして好んで用いられるものである。
また、第1系列金属ストリップ群2の金属ストリップ20と第2系列金属ストリップ群3の金属ストリップ30の位置関係は、金属ストリップ20と金属ストリップ30の間に大きな容量を生じさせる。それにより、図4に示すように、より多くの電荷(一端側の正の電荷又は負の電荷と他端側の負の電荷又は正の電荷)が蓄えられることにより、双極子モーメントが大きくなって、環状の方向では非常に高い比誘電率を得ることが出来るようになる。なお、隣接する金属ストリップ20、20の間及び隣接する金属ストリップ30、30の間の電界は強くなっている。また、金属ストリップ20と金属ストリップ30の間には電界が生じている。
なお、第1系列金属ストリップ群2における金属ストリップ20の幅や間隙20Gの距離及び第2系列金属ストリップ群3における金属ストリップ30の幅や間隙30Gの距離などを変えることにより、比誘電率を調整することも可能である。
そして、基本モードを所定の共振周波数のTE01δモードとすると、人工誘電体共振器1は小型化される。共振周波数がTE01δモードの共振周波数に比較的近いスプリアスモード(例えば、TM11δモードなど)が有った場合、人工誘電体共振器1の大きさが変わることにより、その大きさに応じてスプリアスモードの共振周波数は変わり、その結果、基本モードとスプリアスモードの共振周波数を引き離すこともできる。
次に、人工誘電体共振器1を変形した例を説明する。この人工誘電体共振器1’は、図5、図6、及び図7に示すように、人工誘電体共振器1の構成に加えて、第3系列金属ストリップ群4と第4系列金属ストリップ群5を更に有するものである。すなわち、第3系列金属ストリップ群4は、薄板状の金属ストリップ40を複数個長手方向に微小な間隙40Gを設けて環状に配列して成るものであって、第1系列金属ストリップ群2と同心状に金属ストリップ20の幅方向に近接配置される。第4系列金属ストリップ群5は、薄板状の金属ストリップ50を複数個長手方向に微小な間隙50Gを設けて環状に配列して成るものであって、第2系列金属ストリップ群3と同心状に金属ストリップ30の幅方向に近接配置される。
このような人工誘電体共振器1’は、金属ストリップ20と金属ストリップ40の間、金属ストリップ30と金属ストリップ50の間、にもそれぞれ容量を生じさせる。これらの容量は、金属ストリップ20と金属ストリップ30の間の容量の程には大きくないが、より多くの電荷(一端側の正の電荷又は負の電荷と他端側の負の電荷又は正の電荷)を蓄えることに寄与する。それにより、比誘電率をより高めることができる。
次に、人工誘電体フィルタ10について説明する。この人工誘電体フィルタ10は、図8及び図9に示すように、複数個の人工誘電体共振器1’、1’と、2個の入出力端子11、11と、を具備しているものである。人工誘電体共振器1’、1’の各々は、ケース12内の母材13に配置され保持されており、隣接する人工誘電体共振器1’、1’は、互いに電磁界によって結合している。入出力端子11、11の各々は、ケース12に固定され、入出力端子11はそれに隣接する前記人工誘電体共振器1’と結合している。なお、図8中の符号14は、母材13を支える支持材である。
なお、人工誘電体共振器1’、1’の数は限定されるものではなく、2個又は3個以上であってもよい。また、本実施形態では、図8及び図9に示すように、上述した人工誘電体共振器1’、1’を用いているが、上述した人工誘電体共振器1、1を用いてもよい。
人工誘電体共振器1’と入出力端子11との間の結合のために、人工誘電体フィルタ10の入出力端子11は、人工誘電体共振器1’の金属ストリップ20に直結されている。この直結は、人工誘電体共振器1’が分離した金属ストリップ20、20、・・・を有しているからこそ可能なことである。詳細には、入出力端子11を金属ストリップ20に直結する部分であるプローブ部11aが設けられ、プローブ部11aに接続される金属ストリップ20以外の金属ストリップ20を接地部Gに直結する部分であるプローブ部11a’が設けられる。プローブ部11a、11a’は、第1系列金属ストリップ群2及び第3系列金属ストリップ群4と同じ層(金属層)に形成される。
この直結により、入出力端子11と人工誘電体共振器1’との間の入出力結合度を上げて、人工誘電体共振器1’、1’の相互の段間結合度に近づけることができる。入出力結合度を段間結合度に近づけると、人工誘電体共振器1’、1’の間でのフィルタ特性の比帯域よりも人工誘電体フィルタ10全体のフィルタ特性の帯域幅が狭まるのを抑えることができる。また、直結により、入出力端子11と人工誘電体共振器1’との間の結合のための配線が固定され、入出力結合度が安定する。また、入出力端子11と人工誘電体共振器1’との間の結合のために、後述の参考例に示すような別の層を必要としたり結合のための大きな面積を必要としたりしないので、小型化にも寄与する。
また、人工誘電体フィルタ10の複数個の人工誘電体共振器1’、1’はともに、母材13である一体の積層基板に形成している。これにより、複数個の人工誘電体共振器1’、1’の相対的な位置が固定されて所定の段間結合度になる。積層基板としては、樹脂多層基板やLTCC(低温同時焼成セラミック)基板などを用いることができる。
この人工誘電体フィルタ10のシミュレーション解析結果を以下に示す。この解析には、3次元電磁界シミュレーションソフトHFSSを用いた。金属層は、その厚さは18μmであり、5層が積層されている。母材は、比誘電率2.4、誘電損失0.00114とした。人工誘電体共振器1’において、金属ストリップの幅は0.8mm、同じ層の2個の金属ストリップの間隙は、すべて、0.2mmとした。環状を成す第1系列金属ストリップ群2の外径は、8.4mmとした。プローブ部11a、11a’の幅は、0.5mmとした。なお、発明の要旨ではないので説明は省略するが、この解析での特性図において入出力結合度を示す数値は、いわゆる外部kと称される値であり、段間結合度を示す数値は、いわゆる結合係数と称される値である。
図10には、人工誘電体フィルタ10の段間結合度の特性を示している。図10の横軸は、2個の人工誘電体共振器1’、1’の間の距離Xである。人工誘電体共振器1’、1’の間の距離Xが短いところでは、段間結合度は10−2のオーダーとなっている。また、その範囲で、人工誘電体共振器1’、1’の間の距離が短くなると、段間結合度は比較的急激に増加している。これより、2個の人工誘電体共振器1’、1’は、一体の積層基板に形成して、それらの相対的な位置を固定するのが有効なことが分かる。
図11には、人工誘電体フィルタ10の入出力結合度の特性を示している。図11の横軸は、入出力端子11のプローブ部11aとプローブ部11a’の距離Yである。プローブ部11aとプローブ部11a’の距離Yが短いところでは、入出力結合度は、10−2のオーダーが達成でき、段間結合度に近い値となっている。これより、入出力端子11を人工誘電体共振器1’に直結させると、人工誘電体フィルタ10全体のフィルタ特性の帯域幅が狭まるのを抑えることができることがわかる。
なお、図12に、参考例として人工誘電体フィルタ10Aを示す。この人工誘電体フィルタ10Aは、入出力端子11を人工誘電体共振器1’の金属ストリップ20に直結せずに、入出力端子11のプローブ部11aにループ状部分11aaを設けて人工誘電体共振器1’に間隙を介して結合させたものである。これは、基本モードがTE01δモードとすると、人工誘電体共振器1’の周囲に磁界エネルギーが多く存在し、その磁界エネルギーを人工誘電体共振器1’とループ状部分11aaが互いに捉えることで結合(磁気結合)するようにしたものである。
図13には、人工誘電体フィルタ10Aの入出力結合度の特性を示している。入出力結合度は、10−2のオーダーが達成できていないことが分かる。これは、人工誘電体共振器1’とループ状部分11aaの間をいかに接近させようとも互いに捉えることができる磁界エネルギーには限界があるからである。なお、図13の横軸は、ループ状部分11aaの半径rと第1系列金属ストリップ群2の外周の半径Rとの比である。
以上、本発明の実施形態に係る人工誘電体共振器及びそれを用いた人工誘電体フィルタについて説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載する事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、上述した人工誘電体共振器1’の構成に加えて、第1系列金属ストリップ群2や第3系列金属ストリップ群4と同様なもので幅方向に近接する金属ストリップ群を適宜増加させることができる。また、人工誘電体フィルタ10の入出力端子11と第1系列金属ストリップ群2の金属ストリップ20とを直結したものを説明したが、この直結の技術は、人工誘電体共振器が上述した第1系列金属ストリップ群2さえ有していれば、人工誘電体共振器1’(又は1)の詳細な構成に限られることなく、適用可能である。
1 人工誘電体共振器
10 人工誘電体フィルタ
11 入出力端子
2 第1系列金属ストリップ群
20 第1系列金属ストリップ群の金属ストリップ
20G 第1系列金属ストリップ群の金属ストリップの間隙
3 第2系列金属ストリップ群
30 第2系列金属ストリップ群の金属ストリップ
30G 第2系列金属ストリップ群の金属ストリップの間隙
4 第3系列金属ストリップ群
40 第3系列金属ストリップ群の金属ストリップ
40G 第3系列金属ストリップ群の金属ストリップの間隙
5 第4系列金属ストリップ群
50 第4系列金属ストリップ群の金属ストリップ
50G 第4系列金属ストリップ群の金属ストリップの間隙

Claims (8)

  1. 平面内に1列の金属ストリップ群のみを含む人工誘電体共振器であって、
    前記1列の金属ストリップ群が、薄板状の金属ストリップを複数個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列して成る第1系列金属ストリップ群と、
    薄板状の金属ストリップを複数個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列して成る第2系列金属ストリップ群と、
    前記金属ストリップの1つに直結された入出力端子と、
    を有しており、
    前記第1系列金属ストリップ群と前記第2系列金属ストリップ群とは、前記金属ストリップの厚さ方向に近接配置され、かつ、一方の金属ストリップ群の金属ストリップは他方の金属ストリップ群の前記間隙を跨ぐように対向して配置されていることを特徴とする人工誘電体共振器。
  2. 請求項1に記載の人工誘電体共振器において、
    前記第1系列金属ストリップ群は、8つの金属ストリップを含み、前記第2系列金属ストリップ群は、8つの金属ストリップを含むことを特徴とする人工誘電体共振器。
  3. 平面内に2列の金属ストリップ群のみを含む人工誘電体共振器であって、
    前記2列の金属ストリップ群の一方が、薄板状の金属ストリップを8個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列してなる第1系列金属ストリップ群と、
    薄板状の金属ストリップを8個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列してなる第2系列金属ストリップ群と、を有し、
    前記2列の金属ストリップ群の他方が、薄板状の金属ストリップを8個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列して成るものであって、前記第1系列金属ストリップ群と同心状に金属ストリップの幅方向に近接配置される第3系列金属ストリップ群であって、前記第3系列金属ストリップ群の金属ストリップは前記第1系列金属ストリップ群の前記間隙を跨ぐように対向して配置された、第3系列金属ストリップ群と、
    薄板状の金属ストリップを8個長手方向に微小な間隙を設けて環状に配列して成るものであって、前記第2系列金属ストリップ群と同心状に金属ストリップの幅方向に近接配置される第4系列金属ストリップ群であって、前記第4系列金属ストリップ群の金属ストリップは前記第2系列金属ストリップ群の前記間隙を跨ぐように対向して配置された、第4系列金属ストリップ群と、を有し、
    前記第1系列金属ストリップ群と前記第2系列金属ストリップ群とは、前記金属ストリップの厚さ方向に近接配置され、かつ、一方の金属ストリップ群の金属ストリップは他方の金属ストリップ群の前記間隙を跨ぐように対向して配置され、
    前記第3系列金属ストリップ群と前記第4系列金属ストリップ群とは、前記金属ストリップの厚さ方向に近接配置され、かつ、一方の金属ストリップ群の金属ストリップは他方の金属ストリップ群の前記間隙を跨ぐように対向して配置されていることを特徴とする人工誘電体共振器。
  4. 請求項3に記載の人工誘電体共振器を複数個と、
    2個の入出力端子と、
    を具備し、
    隣接する前記人工誘電体共振器は互いに結合し、前記入出力端子はそれに隣接する前記人工誘電体共振器と結合していることを特徴とする人工誘電体フィルタ。
  5. 請求項4に記載の人工誘電体フィルタにおいて、
    前記入出力端子の各々は、それに隣接する前記人工誘電体共振器の金属ストリップに直結されていることを特徴とする人工誘電体フィルタ。
  6. 請求項1または2に記載の人工誘電体共振器を複数個具備し、
    隣接する前記人工誘電体共振器は互いに結合していることを特徴とする人工誘電体フィルタ。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の人工誘電体フィルタにおいて、
    複数個の前記人工誘電体共振器の相対的な位置が固定されて所定の段間結合度になるように、複数個の前記人工誘電体共振器が一体の積層基板に形成されていることを特徴とする人工誘電体フィルタ。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の人工誘電体フィルタにおいて、
    前記人工誘電体共振器は、基本モードをTE01δモードとして共振することを特徴とする人工誘電体フィルタ。
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