JP6287971B2 - 絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法および絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法および絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法に関するものであり、特に、実際に溶接を行うことなしに、簡便に精度良く絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を評価できる溶接性評価方法に関するものである。
また、本発明は、上記絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法を利用した、絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法に関するものである。
モーターやトランスなどに使用される電磁鋼板の表面には、該電磁鋼板を積層した際の層間の短絡を防止するための絶縁被膜が形成される。前記絶縁被膜には、層間抵抗だけでなく、用途に応じて溶接性、耐熱性、打抜き性等、種々の特性が要求される。
例えば、電磁鋼板をモーターやトランスの積層鉄心に使用する場合には、電磁鋼板を連続的に打抜き、700〜800℃程度の温度で歪取り焼鈍を施した後、積層し、さらにエッジ部を溶接、かしめ、または接着することによって積層鉄心が製造される。そのため、上記用途に使用される電磁鋼板の絶縁被膜には、絶縁性に加えて、耐食性、溶接性、耐熱性、および打抜き性に優れることが求められる。そこで、そのような性質を兼ね備えた絶縁被膜として、半有機絶縁被膜の開発が行われている。半有機絶縁被膜とは、無機有機混合系の絶縁被膜であり、溶接性、耐熱性に優れる無機絶縁被膜の特長と、打抜き性やすべり性に優れる有機系絶縁被膜の特長とをあわせもつものである。
例えば、特許文献1には、すべり性に優れた電磁鋼板を得るために、固形分換算で、Alの第一リン酸塩を100重量部と、粒子径0.5〜3.0μmの有機樹脂エマルジョン1〜300重量部とを主成分として含有する処理液を用いて、前記電磁鋼板上に半有機絶縁被膜を形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、無機成分としてのB化合物およびSi化合物と、有機樹脂とからなる半有機絶縁被膜を備え、耐食性、耐水性、スティッキング性、溶接性および打抜き性に優れ、しかも歪取り焼鈍後の外観にも優れた電磁鋼板が記載されている。
特許文献3には、トリアルコキシシランおよび/またはジアルコキシシラン(A)と、シランカップリング剤(B)が、質量比(A/B):0.05〜1.0で含まれる表面処理剤を、電磁鋼板に塗布・乾燥し、打抜き性、被膜密着性、焼鈍後の被膜特性に優れた絶縁被膜を形成する技術が記載されている。
引用文献1〜3に記載された技術は、いずれも環境調和型のクロメートフリーの半有機絶縁被膜に関する技術である。これらの半有機絶縁被膜に含まれる有機成分は、すべり性と耐食性を向上させる重要な働きをしている。
特許第2944849号公報 特開2012−001807号公報 特開2013−64195号公報
ところで、絶縁被膜中の有機成分は、積層鉄心に溶接を行う際の熱により分解してガス化する。このガスが凝固前の溶接ビード内部に侵入して閉じ込められると、ブローホールといわれる空洞欠陥(引け巣)となる。溶接部にブローホールが多数存在すると、十分な溶接強度が得られなくなる。よって、電磁鋼板の絶縁被膜には、溶接部にブローホールを生じさせない性質(溶接性)を有することが求められる。
ブローホールの生じやすさは、溶接時の熱分解ガスの抜けにくさに依存しており、積層鉄心の占積率が大きいほど、溶接時の締付圧力、入熱量、溶接速度が大きいほど発生し易い。近年、溶接工程の自動化、高速化が進み、その結果、従来に比べてブローホールが発生しやすい条件で溶接が行われるようになってきている。そのため、溶接時にブローホールが発生しない、溶接性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板の開発が急務となっている。
そこで、特許文献1では、所定の条件でTIG溶接を行い、溶接ビード部に発生したブローホールを目視判定して溶接性を評価している。しかし、この方法では目視により判定を行っているため、客観性および定量性に乏しく、溶接性を正しく評価しているとはいえなかった。
特許文献2および3では、溶接速度以外の条件を一定とし、溶接速度のみを10水準に変化させてTIG溶接を行い、1ビード当たりのブローホールの発生個数が5個以下となる最大の溶接速度から溶接性を評価している。この方法では、1試料当たり最低10回の試験を行う必要があるため、試験片を多量に準備する必要があり、時間と労力を要していた。また、被膜の種類によって様々なサイズのブローホールが生じるが、小さいサイズのブローホールを目視で計数する際に計数ミスが生じやすく、評価結果のばらつきの原因となっていた。
本発明は、上記の実情に鑑み開発されたものであり、TIG溶接試験を行わずとも、絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を、簡便に、精度よく評価できる方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記溶接性評価方法による評価結果に基づいて、溶接性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板を製造する方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法であって、
前記絶縁被膜が少なくとも一つの有機化合物を含有するものであり、
前記絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱し、
前記加熱時のガス発生量を測定し、
前記ガス発生量を用いて前記絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を評価する、絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法。
2.前記評価において、前記ガス発生量を、TIG溶接試験を行った際の1ビード当たりのブローホールの個数が0個である絶縁被膜付き電磁鋼板を用いて同条件で測定を行って得たガス発生量で除した値に基づいて溶接性を評価する、前記1に記載の絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法。
3.絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法であって、
前記1または2のいずれか一項に記載の溶接性評価方法を用いて少なくとも1つの絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を予め評価し、
前記評価結果に基づいて絶縁被膜の形成条件を決定し、
前記条件で電磁鋼板の表面に絶縁被膜を形成する、絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法。
本発明の溶接性評価方法によれば、TIG溶接試験を行わずとも、少量の試験片で絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を、簡便に精度よく評価することができる。また、前記溶接性評価方法を用いて評価した結果に基づいて製造条件を決定することにより、溶接性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板を製造することが可能となる。
絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱した際に検出された発生ガス強度を温度に対してプロットしたグラフである。 ガス発生量を、従来法によって測定したブローホールの個数に対してプロットしたグラフである。
溶接時にブローホールが生じる主な原因は、絶縁被膜に含まれる成分が加熱されて気化または分解することによって発生するガスであり、中でも絶縁被膜中に存在する有機化合物が前記ガスの主な発生源であると考えられる。絶縁被膜に含まれる有機化合物としては、被膜形成成分としての有機樹脂、有機金属化合物、ワックス等の潤滑剤、およびpH調製剤、消泡剤、界面活性剤等の添加剤など、様々なものが存在し、その熱分解温度や、分解時に生じるガスの種類や量は、有機化合物の種類によって異なる。
そこでまず予備実験として、絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱した際のガス発生挙動を、熱分解−ガスクロマトグラフ/質量分析(Pyrolysis-Gas Chromatograph/Mass Spectrometry、Py−GC/MS)法(以下、「熱分解GC/MS法」という)を用いて分析した。熱分解GC/MS法においては、試料導入部に熱分解装置を接続したガスクロマトグラフ質量分析装置を使用し、試料を前記熱分解装置で加熱した際に発生するガスを、ガスクロマトグラフ質量分析装置により分析する。
ここでは、絶縁被膜付き電磁鋼板を直径3.2mmに打抜き、5枚分を積層したものを試料とした。前記絶縁被膜としては、有機化合物として、トリアルコキシシラン、シランカップリング剤、およびpH調整剤を含有するものを用いた。
図1は、前記絶縁被膜付き電磁鋼板を、10℃/minの昇温速度で、50℃から1000℃まで加熱しながら連続的にガスの検出を行い、測定された発生ガスの強度を、温度に対してプロットしたものである。図1中、100〜250℃および250〜650℃の温度域でガスの発生が観測され、特に300〜650℃の間に顕著なピークが観察された。なお、50〜100℃の範囲においてはバックグラウンド由来のNなどが検出されたため、図1では省略している。
別途、発生したガスの定性分析を行った結果、100〜250℃で発生した成分は主としてHOと酢酸であり、250〜650℃で発生した成分は、トリアルコキシシランとシランカップリング剤が熱分解して生成した炭化水素類であることが分かった。このように、絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱した際に発生するガスをモニターすることにより、絶縁被膜に含まれる有機化合物が分解して発生する、ブローホールの原因となるガスを検出できることが分かった。
次に、加熱した際に測定されるガス発生量に基づいて、絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を評価できるか検討した。試料としては、同一の電磁鋼板上に、組成の異なる絶縁被膜を設けた絶縁被膜付き電磁鋼板を8種類用意した。前記絶縁被膜は、いずれも有機化合物として、トリアルコキシシラン、シランカップリング剤、およびpH調整剤を含むが、各成分の含有量が異なるため、当該絶縁被膜を備える電磁鋼板のTIG溶接性は異なるものとなっている。
まず、以下のようにして、従来法に基づく溶接性の評価を行った。試料としての絶縁被膜付き電磁鋼板を30mmの厚みに積層し、締付圧力100kgf/cm、溶接電流120A、Arガス流量6リットル/min、および溶接速度40cm/minの条件でTIG溶接を行った。その後、1ビード当たりのブローホールの個数を目視で計数した。
次に、同じ絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱した際のガス発生量の測定を、以下の手順で行った。まず、試料としての絶縁被膜付き電磁鋼板を直径3.2mmに打抜き、5枚分を積層した。積層された前記絶縁被膜付き電磁鋼板を、10℃/minの昇温速度で50℃から1000℃まで加熱した。前記昇温中に発生したガスを、GC/MS法によって連続的にモニタリングし、検出強度を積分してガス発生量を求めた。
上記のようにして測定されたガス発生量を、従来法によって測定したブローホールの個数に対してプロットしたものを図2として示す。なお、ここでガス発生量は、従来法による試験において1ビード当たりのブローホールの個数が0個であった試料(以下、「標準試料」という)におけるガス発生量を1としたときの相対値で示している。図2より、ガス発生量とブローホールの個数との間には良好な直線関係があることが分かる。また、さらに検討した結果、成分の異なる絶縁被膜を用いた場合においても同様の直線関係が得られることが分かった。したがって、絶縁被膜付き電磁鋼板を昇温加熱した際のガス発生量を測定すれば、該ガス発生量に基づいて、絶縁皮膜付き電磁鋼板の溶接性を予測することが可能である。
次に、ガス発生量に基づく溶接性評価の妥当性を、特許文献2、3等において用いられている従来の溶接性評価方法を比較対象として検証した。試料としては、同一の電磁鋼板上に、組成の異なる絶縁被膜を設けた絶縁被膜付き電磁鋼板を10種類用意した。前記絶縁被膜は、いずれも有機化合物として、トリアルコキシシラン、シランカップリング剤、およびpH調整剤を含むが、各成分の含有量が異なるため、当該絶縁被膜を備える電磁鋼板のTIG溶接性は異なるものとなっている。
従来法による溶接性の評価においては、前記絶縁被膜付き電磁鋼板を130×30mmに切断したものを、厚さ30mmとなるように積層し、積層された絶縁被膜付き電磁鋼板の端面を、以下の条件でTIG溶接した。
・溶接電流:120A
・Arガス流量:6リットル/min
・溶接速度:10、20、30、40、50、60、70、80、90、100cm/min
・締付圧力:50、100kgf/cm
溶接後、1ビードあたりのブローホールの数が5個以下であった溶接速度に基づいて溶接性を評価した。評価基準は次の通りである。
◎:60cm/min以上
○:40cm/min以上、60cm/min未満、
△:20cm/min以上、40cm/min未満、および
×:20cm/min未満。
ガス発生量に基づく溶接性評価においては、試料としての絶縁被膜付き電磁鋼板を直径3.2mmに打抜き、5枚分を積層した。積層された前記絶縁被膜付き電磁鋼板を、電気炉内に装入し、10℃/minの昇温速度で50℃から1000℃まで加熱した。前記昇温過程で発生したガスを、GC/MS法によって連続的にモニタリングし、検出強度を積分してガス発生量を求めた。なお、この試験においては、検出されたガスのうちプロペンの強度が最も高かったため、プロペンの強度を選択的に抽出して、プロペンの発生量を測定した。ガス発生量の相対値を計算するための標準試料としては、締付圧力100kgf/cmまたは50kgf/cmにおいて、1ビード当たりのブローホールが0個である最大溶接速度が40cm/minであった絶縁被膜付き電磁鋼板を用いた。
上記の方法によって得た、従来法に基づく溶接性評価結果と、ガス発生量の相対値とを表1に示す。この試験においては、従来法による評価結果と、ガス発生量の相対値との間には、以下のような対応関係があった。
従来法:◎、ガス発生量:0.7以下、
従来法:○、ガス発生量:0.7超、1.0以下、
従来法:△、ガス発生量:1.0超、1.6以下、および
従来法:×、ガス発生量:1.6超。
このように、絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱した際に測定されるガス発生量と、特許文献2、3等において用いられている従来の方法による溶接性の評価結果との間には、良好な対応関係があることが分かった。なお、上記の検討では、ガス発生量としてプロペンの発生量を用いたが、発生したガスの総量を用いても同様の対応関係が得られた。また、さらに検討した結果、成分の異なる絶縁被膜を用いた場合においても同様の対応関係が得られることが分かった。
以上の結果より、加熱時に発生するガスの量に基づいて、絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を定量的に評価できることが分かる。また、前記発生するガスの量の値は、従来法による溶接性評価の代替指標として利用することができる。
次に、本発明の実施形態について、具体的に説明する。本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法においては、前記絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱し、前記加熱時のガス発生量を測定し、前記ガス発生量を用いて前記絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を評価する。
<電磁鋼板>
本発明において、素材である電磁鋼板としては、特に制限されることなく、任意の電磁鋼板を用いることができる。すなわち、磁束密度の高い、いわゆる軟鉄板(電気鋼板)や、SPCCなどの一般冷延鋼板、比抵抗を上げるためにSiやAlを含有させた無方向性電磁鋼板など、いずれもが有利に適合する。
<絶縁被膜>
本発明の溶接性評価方法は、少なくとも1つの有機化合物を含有する絶縁被膜が表面に形成されている電磁鋼板を対象とする。絶縁被膜中に含まれている有機化合物が、溶接時の加熱により気化または分解し、ブローホールの原因となるガスを発生させるためである。前記有機化合物の種類は特に限定されることなく、被膜形成成分としての有機樹脂、有機金属化合物、潤滑剤、およびpH調製剤、消泡剤、界面活性剤等の添加剤など、様々なものを対象とすることができる。前記絶縁被膜は、1つの有機化合物のみを含有するものであってもよく、複数の有機化合物を含有するものであってもよい。また、前記絶縁被膜は、有機化合物以外に、任意の成分を含有するものであってよく、有機化合物のみからなる有機絶縁被膜であってもよいし、有機化合物と無機化合物とを含む半有機絶縁被膜であってもよい。絶縁被膜に含まれる各成分の含有割合は特に限定されず、任意に調整することができる。
上記絶縁被膜の形成方法は特に限定されず、任意の方法で形成されたものを対象とすることができるが、一般的には、各成分を含有する表面処理剤を電磁鋼板の表面に塗布した後、加熱乾燥することにより絶縁被膜を形成することができる。
本発明においては、上記絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を評価するために、加熱と、前記加熱時に発生するガス量の測定を行う。これにより、溶接時の加熱によって発生し、ブローホールの原因となるガスの量を、実際に溶接を行うことなく、定量的に評価することができる。以下、前記加熱と測定の両工程について説明する。
<加熱>
上記加熱の方法は特に限定されず、試料としての絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱してガスを発生させることのできる方法であれば任意のものを用いることができる。ガス発生量の測定にGC/MS法を用いる場合には、ガスクロマトグラフ質量分析装置の試料導入部に接続した熱分解装置(パイロライザー)を用いて試料を加熱することが好ましい。加熱の方式は特に限定されないが、例えば、電気炉などを用いることができる。加熱時の雰囲気は、使用する測定法等に応じて選択すればよく、例えば、ガス発生量の測定にGC/MS法を用いる場合には、He雰囲気とすることが好ましい。
加熱に供される試料としての絶縁被膜付き電磁鋼板は、どのような形態であってもよいが、必要に応じて適当なサイズに切断または打ち抜いたものを用いることが好ましい。使用する絶縁被膜付き電磁鋼板の枚数は1枚であってもよいが、加熱時に発生するガスの量は、試料の量に依存するため、測定精度を向上させるという観点からは、複数枚とすることが好ましい。
加熱時の昇温は任意の態様で行うことができるが、一定の速度で温度を上昇させることが好ましい。その場合、昇温速度は、3〜50℃/minとすることが好ましい。また、ガスが発生する温度は使用する絶縁被膜の成分によって異なるため、加熱開始温度と加熱終了温度は、絶縁被膜の組成等に応じて適宜設定すればよい。加熱に一般的な熱分解装置を用いる場合には、加熱部を所定の加熱開始温度まで昇温した後、常温の試料を前記加熱部に移動させて加熱を開始することができる。
<測定>
上記加熱時に発生したガスの量を測定する。前記測定は、加熱時に発生したガスをトラップしておいて加熱終了後に行ってもよいが、昇温中に連続的に行うことが好ましい。
昇温中に連続的にガス発生量を測定する場合、測定は、50〜1000℃の温度範囲において行うことが好ましい。50℃未満ではブローホールの原因となる有機化合物がガス化しないからである。1000℃以下とするのは、1000℃までに有機化合物の熱分解が終了するためである。このように広い温度範囲で、昇温を行いながら連続的にガス発生量を測定することにより、発生したガスの総量に加えて、どの温度帯でどの程度ガスが発生するかという情報を、図1に示したようなサーモグラムとして得ることができる。
測定されるガス発生量の値は、絶対値、すなわち、実際に発生したガスの量であってもよいが、相対値であってもよい。例えば、GC/MS法を用いて測定を行う場合、検量線法などを用いてガス発生量の絶対値を求めることもできるが、簡便に測定を行うという観点からは、検出された強度を積算した値を、ガス発生量の相対値として用いることが好ましい。また、前記相対値を、さらに後述するように標準試料における値を1とした時の相対値に換算して用いることが、より好ましい。
この際、溶接性評価に用いるガス発生量としては、測定を行った温度範囲全域におけるすべてのガス発生量を積算した値を用いることもできるし、発生量が最も多いガスについてのみ発生量を積算した値を用いてもよい。発生量が最も多いガスの発生量が十分に多い場合には、後者の方法を用いる方が精度良く溶接性を評価することができる。測定にGC/MSを使用する場合には、検出量が最も多いイオンについてのみ、選択的に測定を行うことができる。具体的には、すべてのm/z(質量(m)と電荷数(z)の比)のイオンの検出信号から、特定のイオンの信号みを抽出してその強度を積算する方法と、特定のm/zのイオンのみを選択的に測定し、その強度を積算する方法がある。なお、発生するガスが未知の試料を用いる場合には、発生量が多いイオンのm/zを予測することが困難である。その場合には、十分に広いm/zの範囲(例えば15〜500)で測定を行い、発生ガスしたガスを同定した後、データ解析の際に検出した全イオンの信号から特定イオンの信号のみを抽出して積算すれば、効率的に評価を行うことができる。また、図1のように検出されるイオンのピークが十分に分離している場合には、すべてのm/zについての信号を加算して得たトータルイオンの強度を、最大ピークを含む温度範囲で積算してガス発生量を求めてもよい。
熱分解GC/MS法を用いて加熱と測定を行う場合には、例えば、所定のサイズの絶縁被膜付き電磁鋼板を電気炉内に装入し、一定の昇温速度で加熱しながら、発生するガスの種類と発生量をガスクロマトグラフィー/質量分析を用いて測定する。そして、各温度でのガス発生強度を積算し、ガス発生量を計算する。例えば、直径3.2mmに打ち抜かれた絶縁被膜付き電磁鋼板、5枚を積層して試料とし、10℃/minの速度で昇温しながら、発生するガスを連続的にモニタリングするとよい。加熱によって発生したガスは、イオン化した後に分析に供される。質量分析計で検出対象とするイオンのm/zは15〜500が好適である。
本発明の溶接性評価方法においては、測定されたガス発生量を、溶接性が既知である絶縁被膜付き電磁鋼板(以下、「標準試料」という)を用いて同条件で測定を行って得たガス発生量で除した値に基づいて溶接性を評価してもよい。言い換えれば、測定対象のガス発生量の値を、標準試料のガス発生量を1としたときの相対値に換算して、評価に用いることができる。前記標準試料としては、任意のものを用いることができるが、TIG溶接試験を行った際の、1ビード当たりのブローホールの個数が0個である絶縁被膜付き電磁鋼板を用いることが好ましい。これにより、検量線法などによってガス発生量の絶対値を求めることなく、簡便に溶接性の評価を行うことができる。また、標準試料のガス発生量を基準として換算した相対値を用いることにより、評価結果から、試料の溶接性をより直感的に理解することができる。なお、標準試料の絶縁被膜と、評価対象の絶縁被膜とで、被膜の組成や厚さが異なっていても何ら問題はない。
本発明においては、熱分解GC/MS法以外にも任意の方法を用いてガス発生量を測定することができる。使用できる他の測定法としては、例えば、検出器として水素炎イオン化型検出器(Flame Ionization Detector、FID)を使用する熱分解GC/FID法や、熱重量−示差熱分析/質量分析法(Thermogravimetry-Differential Thermal Analysis/Mass Spectrometry、TG−DTA/MS)、熱重量分析−フーリエ変換赤外分光法(Thermogravimetry- Fourier Transform Infrared Spectroscopy、TG−FTIR)などが挙げられる。
<絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法>
本発明においては、上記溶接性評価方法を用いて少なくとも1つの絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価を予め実施し、その評価結果に基づいて決定した条件で、新たに電磁鋼板の表面に絶縁被膜を形成することができる。これにより、より溶接性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板を、実際にTIG溶接を行って試験することなしに、簡便に製造することができる。前記評価結果に基づいて決定される条件としては、絶縁被膜の形成に関するものであれば任意の条件を選択することができるが、例えば、絶縁被膜の組成、絶縁被膜の付着量、および絶縁被膜形成用の表面処理剤を塗布した後に加熱乾燥する際の温度などが挙げられる。加熱時のガス発生源となる有機化合物の量は、絶縁被膜の組成と付着量に依存する。また、形成された絶縁被膜に残留する揮発性成分および分解してガスを生じる成分の量は、加熱乾燥温度によって異なる。したがって、これらの条件は溶接時のガス発生量、すなわち溶接性に大きく影響を与えるといえる。前記条件を決定する際には、前記評価結果に基づいて、これらの条件を少なくとも1つ決定すればよく、また複数の条件を決定してもよい。
本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法において予め実施される溶接性評価は、1つの絶縁被膜付き電磁鋼板の評価であってもよいが、異なる条件で製造された複数の絶縁被膜付き電磁鋼板の評価であることが好ましい。これにより、製造条件が溶接性に与える影響をより正確に評価し、さらに効率的に溶接性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板を製造することができる。また、所望の溶接性(ガス発生量)の絶縁被膜付き電磁鋼板が得られるまで、溶接性評価と絶縁被膜付き電磁鋼板の製造を繰り返し行ってもよい。
本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法においては、上記のようにして決定された条件で絶縁被膜を形成する以外は任意の方法および条件を用いることができるが、一般的には、次のようにして製造を行うことができる。
まず、基材となる電磁鋼板に対して、必要に応じて前処理を施す。電磁鋼板には、防錆目的で防錆油が塗られている場合が多く、また、防錆油で塗油されていない場合でも、電磁鋼板表面には作業中に付着した汚れや酸化膜などが存在する。これらの塗油、汚れ、および酸化膜は、絶縁被膜の形成に使用される表面処理剤の電磁鋼板表面に対する濡れ性を低下させるため、均一な絶縁被膜を形成する上で支障をきたす。したがって、電磁鋼板に表面処理剤を塗布する前に、鋼板表面に付着した油分、汚れ、および酸化膜などを除去することを目的として清浄化前処理を施すことが好ましい。電磁鋼板の表面上に油分、汚れ、および酸化膜などがなく、表面処理剤が均一に濡れる場合は、前処理工程は特に必要はない。なお、前処理の方法は特に限定されず、例えば、湯洗、溶剤洗浄、アルカリなどによる脱脂処理、塩酸、硫酸、リン酸などによる酸洗処理などの方法が挙げられる。
上記前処理を必要に応じて行った後、電磁鋼板の表面に表面処理剤を塗布し、加熱乾燥することにより絶縁被膜を形成する。絶縁被膜は電磁鋼板の両面に形成することが好ましいが、目的によっては片面のみでもよく、他面は他の絶縁被膜としても構わない。
表面処理剤を電磁鋼板に塗布する方法としては、任意の方法を用いることができ、ロールコート法、バーコート法、浸漬法、スプレー塗布法など各種の方法から、処理される電磁鋼板の形状などによって最適な方法を選択して用いることができる。例えば、電磁鋼板がシート状であれば、ロールコート法、バーコート法またはスプレー塗布法を用いることが好ましい。スプレー塗布法は、表面処理剤を電磁鋼板にスプレーした後、ロール絞りや気体を高圧で吹き付けることにより塗布量を調整する方法である。電磁鋼板が成型品である場合には、該電磁鋼板を表面処理剤に浸漬して引き上げる方法を用いることが好ましい。さらに引き上げた後、圧縮エアーで余分な表面処理剤を吹き飛ばして塗布量を調整することもできる。
前記絶縁被膜の形成条件は、上述したように、予め行われた溶接性評価の結果に基づいて決定される。具体的には、ガス発生量が低くなるように条件を決定することが好ましく、標準試料を基準として表したガス発生量の相対値が0.1以上1.0以下となるように条件を決定することがより好ましい。ガス発生量の相対値が1.0以下であれば、溶接時のガス発生量が十分に低くなり、良好なTIG溶接性が得られる。また、ガス発生量の相対値が0.1以上であれば、絶縁被膜が適量の有機化合物を含むこととなり、その結果、良好な打抜き性を得ることができる。
なお、絶縁被膜形成時の加熱乾燥温度(最高到達板温)は、評価結果に応じて適宜決定すればよいが、350℃以下とすることが好ましい。加熱乾燥温度が350℃以下であれば、乾燥時に絶縁被膜にクラックが発生して耐食性が低下することを防止できる。また、加熱乾燥時間(塗布完了から最高到達板温に加熱されるまでの時間)は、使用される電磁鋼板の種類などに応じて適宜調整すればよいが、生産性などの観点から、0.1〜60秒とすることが好ましく、1〜30秒とすることがより好ましい。
次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例は、本発明の好適な一例を示すものであり、本発明は、該実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
最終板厚0.5mmまで冷間圧延した無方向性電磁鋼板[A230(JIS C 2552(2000))]を連続焼鈍ラインにおいて焼鈍して、基材として用いる鋼板を得た。前記無方向性電磁鋼板の両面に、ロールコーター塗装にて表面処理剤を塗布し、オーブンで加熱乾燥することによって絶縁被膜を形成した。絶縁被膜の形成条件による溶接性の違いを調査するために、絶縁被膜の組成、付着量、および加熱乾燥温度のことなるA〜Kの試料を作成した。各試料における絶縁被膜の形成条件を表2に示す。なお、表2に示した表面処理剤に含まれる各成分の含有量は、該表面処理剤の全固形分に対する含有量である。また、加熱乾燥温度は、加熱乾燥時の最高到達板温とする。
表面処理剤に含まれる成分のうち、シランカップリング剤としては3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、トリアルコキシシランとしてはメチルトリメトキシシランを使用した。板状シリカとしては一般的な市販の物を用いた。また、pH調整剤として酢酸およびアンモニアを使用して表面処理剤のpHを調整した。
以上のようにして得た試料A〜Kのそれぞれについて、本発明の方法と従来の方法の両者による溶接性の評価を行った。評価方法は、それぞれ次の通りとした。
[本発明の評価方法]
以下の手順により、絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱した際のガス発生量を、熱分解GC/MS法により測定した。まず、直径3.2mmに打抜いた絶縁被膜付き電磁鋼板5枚を積層して試験片を作成し、前記試験片を50℃に加熱された電気炉内に装入した。次に、前記電気炉を用いて、10℃/minの昇温速度で50℃から1000℃まで試験片を昇温加熱した。前記昇温過程において発生したガスを、ガスクロマトグラフィー/質量分析を用いてガス発生量を連続的に測定し、検出強度の値を積算してガス発生量を求めた。その際、質量分析計で検出するイオンのm/zは15〜500とし、昇温中に前記m/zの範囲内で検出されたすべてのイオンの強度を積算してガス発生量を求めた。
上記の手順により、試料A〜Kのそれぞれについてガス発生量を測定し、得られたガス発生量の値を、標準試料を用いて同条件で測定を行って得たガス発生量で割ることにより相対値に換算した。なお、ここで前記標準試料としては、締付圧力100kgf/cmでTIG溶接試験を行った際に、1ビード当たりのブローホールの個数が0個となる最大溶接速度が40cm/minである絶縁被膜付き電磁鋼板を用いた。
[従来の評価方法]
以下の手順により、試料A〜Kのそれぞれについて実際にTIG溶接を行って溶接性を評価した。まず、試料としての絶縁被膜付き電磁鋼板を30mmの厚みになるように積層した。次に、積層された絶縁被膜付き電磁鋼板の端面部(長さ30mm)を、以下の条件でTIG溶接した。
・溶接電流:120A
・Arガス流量:6リットル/min
・溶接速度:10、20、30、40、50、60、70、80、90、100cm/min
・締付圧力:100kgf/cm
溶接後、1ビードあたりのブローホールの数が5個以下であった溶接速度に基づいて溶接性を評価した。評価基準は次の通りである。
◎:60cm/min以上
○:40cm/min以上、60cm/min未満、
△:20cm/min以上、40cm/min未満、および
×:20cm/min未満。
本発明の方法により得られたガス発生量(相対値)と、従来法によるTIG溶接性の評価は、それぞれ表2に示したとおりである。この結果から、本発明の方法によるガス発生量の測定値と、従来法によるTIG溶接性の評価の両者はよく対応していることが分かる。ガス発生量の相対値が1.0以下の試料では、良好なTIG溶接性が得られており、とくに、ガス発生量の相対比が0.7以下ではきわめて良好なTIG溶接性が得られている。本実施例で使用した表面処理剤の場合は、シランカップリング剤の含有量が60質量%以下、絶縁被膜の付着量が0.6g/m以下、加熱乾燥温度が140℃以上の条件において、ガス発生量が少なく、したがって溶接性に優れる絶縁被膜付き電磁鋼板を得られることが分かった。
(実施例2)
絶縁被膜の形成条件を表3に示したものとした以外は実施例1と同じ条件で、試料としての絶縁被膜付き電磁鋼板L〜Sを作成し、本発明の方法によるガス発生量の測定と、従来法によるTIG溶接性の評価を実施した。評価結果は表3に示したとおりであった。なお、表面処理剤に含まれる成分のうち、樹脂としてはポリエチレンを、シランカップリング剤としては3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを使用した。コロイダルシリカとしては一般的な市販の物を用いた。防錆剤として、水溶性の有機系防錆剤を使用した。
表3に示した結果より、上記成分からなる表面処理剤を使用した場合においても、本発明の方法によるガス発生量の測定値と、従来法によるTIG溶接性の評価の両者はよく対応していることが分かる。また、樹脂の含有量が約50質量%以下、絶縁被膜の付着量が1.0g/m、加熱乾燥温度が150℃以上の条件では、ガス発生量が少なく、溶接性に優れる絶縁被膜付き電磁鋼板を得られることが分かった。
以上のように、本発明の方法によれば、絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を、実際にTIG溶接試験を行うことなく簡便に評価することができる。また、従来法におけるブローホールの目視観察とは異なり、ガス発生量の測定結果に基づいて、高い精度および再現性で、定量的に溶接性を評価できる。このように、効率的に絶縁被膜の形成条件の最適化を行うことができる本発明の溶接性評価方法は、溶接性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板を開発、製造する上で極めて有用である。
特に、質量分析法は極めて検出感度が高く、微量のガスを検出できるため、ガス発生量の測定にGC/MS法を使用することにより、極めて高い精度で溶接性を評価することができる。また、GC/MS法を用いた場合には、マススペクトルから発生したガスを同定することもできるため、ブローホールの原因となる発生ガスについて、より多くの情報を得ることができる。
Figure 0006287971
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Claims (3)

  1. 絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法であって、
    少なくとも一つの有機化合物を含有する絶縁被膜を備えた、絶縁被膜付き電磁鋼板を用意し、
    前記絶縁被膜付き電磁鋼板を加熱し、
    前記加熱時のガス発生量を測定し、
    前記ガス発生量とブローホールの個数との間に直線関係があることに基づいて、前記ガス発生量を用いて前記絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を評価する、絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法。
  2. 前記評価において、前記ガス発生量を、TIG溶接試験を行った際の1ビード当たりのブローホールの個数が0個である絶縁被膜付き電磁鋼板を用いて同条件で測定を行って得たガス発生量で除した値に基づいて溶接性を評価する、請求項1に記載の絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性評価方法。
  3. 絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法であって、
    請求項1または2のいずれか一項に記載の溶接性評価方法を用いて少なくとも1つの絶縁被膜付き電磁鋼板の溶接性を予め評価し、
    前記評価結果に基づいて絶縁被膜の形成条件を決定し、
    前記条件で電磁鋼板の表面に絶縁被膜を形成する、絶縁被膜付き電磁鋼板の製造方法
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