JP6284003B2 - 音声強調装置及び方法 - Google Patents
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Description
所定のサンプリング周波数で入力される音声信号から、子音らしさを示す値を生成して出力する生成部と、
前記子音らしさを示す値に基づいて、前記音声信号内の子音部分と母音部分とを識別した子音・母音識別信号を生成し、前記音声信号及び前記子音・母音識別信号に基づいて、前記音声信号における母音部分の第1の信号レベルと子音部分の第2の信号レベルとを検出し、前記第2の信号レベルに対する前記第1の信号レベルの関係を示すレベル関係信号を出力する演算部と、
前記レベル関係信号に基づいて、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも小さいときに、“1”を超える利得係数であって、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルに対して小さくなるにつれて当該利得係数が大きくなるように当該利得係数を決定する決定部と、
前記音声信号に前記利得係数を乗算して前記音声信号の子音部分を強調した音声信号を出力する乗算部とを備える。
(音声強調装置100の構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る音声強調装置100の構成を示すブロック図である。図1の音声強調装置100は、入力端子101と、生成部102と、演算部103と、決定部104と、乗算部105と、出力端子106とを備えて構成される。
図3は、図2の相関除去フィルタ回路の構成を示すブロック図である。図3において、相関除去フィルタ回路107は、入力端子201と、前向きフィルタ減算回路220−1〜220−Nと、遅延回路230−1〜230−Nと、後向きフィルタ減算回路240−1〜240−Nと、前向きフィルタ係数乗算回路250−1〜250−Nと、後向きフィルタ係数乗算回路260−1〜260−Nと、出力端子207とを備えて構成される。ここで、Nは自然数であり、段数を示す。このような格子型フィルタ回路であって逐次適応型フィルタ回路である相関除去フィルタ回路107では、前向きフィルタと後ろ向きフィルタとによって、時間的に前後から音声信号のうち自己相関を有する信号成分を高速で収束させることができる。
次に、第2の実施形態に係る音声強調装置100Aについて、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1の実施形態との相違点について主に説明する。
上述した実施形態によれば、入力された音声信号f0のうちの子音の信号レベルの振幅を大きくすることによって、音声の明瞭度を向上させたが、本開示はこれに限られるものではない。例えば、入力された音声信号f0のうちの雑音の振幅を小さくすることによっても音声の明瞭度を向上させることもできる。以下第3の実施形態について具体的に説明する。
図6は、本開示の第4の実施形態に係る音声強調装置100Dの構成を示すブロック図である。図6において、音声強調装置100Dは、図2の音声強調装置100に比較して、演算部103の代わりに演算部103Bを備えたことを特徴とする。また、図6の演算部103Bは、図2の演算部103に比較して、第1のピークホールド回路111において信号レベルVの計測を停止させる第1の判定部である判定回路129をさらに備え、当該判定回路129の前段にしきい値レベル128Rを有する比較器128をさらに備えたことを特徴とする。
図7は、本開示の第5の実施形態に係る音声強調装置100Eの構成を示すブロック図である。図7において、音声強調装置100Eは、図2の音声強調装置100に比較して、演算部103の代わりに演算部103Cを備えたことを特徴とする。また、演算部103Cは、図2の演算部103に比較して、第1のピークホールド回路111において信号レベルVの計測を停止させる第2の判定部である判定回路131をさらに備えたことを特徴とする。
図8Aは、本開示の第6の実施形態に係る音声強調装置100Fの構成を示すブロック図である。図8Aにおいて、音声強調装置100Fは、図2の音声強調装置100に比較して、演算部103の代わりに演算部103Dを備えたことを特徴とする。また、演算部103Dは、図2の演算部103に比較して、除算回路113を動作させる第3の判定部である判定回路140をさらに備えたことを特徴とする。
図8Bは、本開示の第7の実施形態に係る音声強調装置100Gの構成を示すブロック図である。図8Bにおいて、音声強調装置100Gは、図2の音声強調装置100に比較して、演算部103の代わりに演算部103Eを備えたことを特徴とする。また、演算部103Eは、図2の演算部103に比較して、第1のピークホールド回路111と、第2のピークホールド回路112と、除算回路113とを動作させるタイマー回路150をさらに備えたことを特徴とする。
図8Cは、本開示の第8の実施形態に係る音声強調装置100Hの構成を示すブロック図である。図8Cにおいて、音声強調装置100Hは、図2の音声強調装置100に比較して、演算部103の代わりに演算部103Fを備えたことを特徴とする。また、演算部103Fは、図2の演算部103に比較して、後述する切替部157を動作させる低速充電高速放電型の第3の積分回路であるディップホールド回路155と、定数“0.0”を発生させる定数発生器156と、当該定数発生器156からの定数“0.0”の値を、減算回路115に出力するか、もしくは除算回路113からのレベル比(V/C)の値を減算回路115に出力するかを選択的に切り替える第2の切替部である切替部157をさらに備えたことを特徴とする。
第1の実施形態に係る第1の平滑回路109は、比較回路108の判定結果を積分して平滑し、または、比較回路108の判定結果において“1”の値を出力する頻度を算出することによって子音らしさを示す値を算出するが、子音をより強調させるために第1の平滑回路109からの出力値に対して所定の演算処理を実行することにより子音らしさを示す値を算出するようにしてもよい。
図10は、本開示の第10の実施形態に係る音声強調装置100Jの構成を示すブロック図である。図10において、音声強調装置100Jは、図2の音声強調装置100に比較して、演算部103の代わりに演算部103Gを備えたことを特徴とする。ここで、演算部103Gは、図2の演算部103に比較して、第1のピークホールド回路111の後段にしきい値レベル170Rを有する比較器170と、第2のピークホールド回路112の後段にしきい値レベル171Rを有する比較器171と、当該比較器170,171からの出力結果に基づいて除算回路113を停止させる第3の判定回路である判定回路158と、除算回路113から出力されるレベル比(V/C)の値を格納するメモリ172とをさらに備えたことを特徴とする。
上述した実施形態では、相関除去フィルタ回路107のフィルタ係数ki,j(iは1〜Nである。)は式(3)に基づいて単位時間毎に更新され続けるとしたが、本開示はこれに限られるものではない。例えば、比較回路108が前向き予測誤差信号fNの振幅が音声信号f0の振幅よりも大きいと判定した場合にはフィルタ係数ki,jを“0”に設定してもよい。すなわち、相関除去フィルタ回路107は、それぞれ所定のフィルタ係数を有する前向きフィルタ係数乗算回路及び後向きフィルタ係数乗算回路を含み、フィルタ出力信号が音声信号の振幅よりも大きいときに、フィルタ係数を“0”に設定する。この場合には、予測誤差信号fNの振幅が音声信号f0の振幅よりも大きいことは、相関除去フィルタ回路107によって音声信号f0が予測されていないことを意味する。従って、この場合、相関除去フィルタ回路107を通過している音声信号f0は子音である可能性が高い。そこで、フィルタ係数ki,jを“0”に設定することによって、無相関信号が格子型フィルタ回路に入力し続けることによるフィルタ係数ki,jの発散を防止して、相関除去フィルタ回路107を安定的に動作させることができる。
上述した実施形態では、判定回路116は、減算回路115の出力が負の値の場合には“0”の値を出力し、それ以外の場合はレベル比(V/C)の値をそのまま出力しているが、本開示はこれに限られるものではない。減算回路115の出力の値が負の値の場合には“0”の値を出力し、それ以外の場合は定数の値を出力することによって、入力された音声信号f0が子音の場合に第2の乗算回路120において入力された音声信号f0に乗算される値も定数となるので、上述した実施形態に係る音声強調装置に比較して、子音の増幅利得が固定化されて聞き取りやすくすることが可能となる。
上述した実施形態に係る音声強調装置においては、相関除去フィルタ回路107として格子型フィルタ回路を用いたが、本開示はこれに限らず、例えばFIRフィルタ回路、IIRフィルタ回路などを用いてもよい。この場合においては、上述した実施形態に比較して、演算量をさらに削減することが可能となる。
上述した実施形態に係る音声強調装置においては、除算回路113でレベル比(V/C)を求めているが、本開示はこれに限らず、例えばレベル比(V/C)に上限値を設定してもよい。この構成によれば、上述した実施形態に比較して、過度な子音の増幅を防ぐことが可能となる。
101…入力端子、
102,102A…生成部、
103,103A,103B,103C,103D,103E,103F,103G…演算部、
104,104A,104B…決定部、105…乗算部、
106…出力端子、
107…相関除去フィルタ回路、
108…比較回路、
128,170,171…比較器、
109…第1の平滑化回路、
110…子音/母音判定回路、
111…第1のピークホールド回路、
112…第2のピークホールド回路、
113…除算回路、
114…しきい値発生器、
115,119A…減算回路、
116,129,131,140,158…判定回路、
117…第1の乗算回路、
118,156…定数発生器、
119…加算回路、
120…第2の乗算回路、
121…第2の平滑化回路、
122…第3の平滑化回路、
150…タイマー回路、
155…ディップホールド回路、
157,200…切替部、
160…関数値回路、172…メモリ、
201…入力端子、
207…出力端子、
220−1〜220−N…前向きフィルタ減算回路、
230−1〜230−N…遅延回路、
240−1〜240−N…後向きフィルタ減算回路、
250−1〜250−N…前向きフィルタ係数乗算回路、
260−1〜260−N…後向きフィルタ係数乗算回路。
Claims (19)
- 所定のサンプリング周波数で入力される音声信号から、子音らしさを示す値を生成して出力する生成部と、
前記子音らしさを示す値に基づいて、前記音声信号内の子音部分と母音部分とを識別した子音・母音識別信号を生成し、前記音声信号及び前記子音・母音識別信号に基づいて、前記音声信号における母音部分の第1の信号レベルと子音部分の第2の信号レベルとを検出し、前記第2の信号レベルに対する前記第1の信号レベルの関係を示すレベル関係信号を出力する演算部と、
前記レベル関係信号に基づいて、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも小さいときに、“1”を超える利得係数であって、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルに対して小さくなるにつれて当該利得係数が大きくなるように当該利得係数を決定する決定部と、
前記音声信号に前記利得係数を乗算して前記音声信号の子音部分を強調した音声信号を出力する乗算部とを備えた音声強調装置。 - 前記利得係数は、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも大きいときに“1”近傍の値である請求項1記載の音声強調装置。
- 前記生成部は、
前記音声信号から自己相関を有する信号成分を除去し、周期性のない信号をフィルタ出力信号として出力する相関除去フィルタ回路と、
前記周期性のない信号の振幅と、前記音声信号の振幅とを比較し、当該比較結果を出力する比較回路と、
前記比較結果を平滑化処理して前記子音らしさを示す値を生成して出力する第1の平滑化回路とを備えた請求項1又は2記載の音声強調装置。 - 前記生成部は、
前記音声信号から自己相関を有する信号成分を除去し、周期性のない信号をフィルタ出力信号として出力する相関除去フィルタ回路と、
前記周期性のない信号の振幅と、前記音声信号の振幅とを比較し、当該比較結果を出力する比較回路と、
前記比較結果を平滑化処理し、当該平滑化処理後の値を出力する第1の平滑化回路と、
前記平滑化処理後の値に基づいて、前記子音らしさを示す値を生成して出力する関数値回路とを備え、
前記関数値回路は、前記子音らしさを示す値を、
ここで、aは1以上の実数であり、bは実数であり、xは関数値回路に対する入力値であり、yは子音らしさを示す値である請求項1又は2記載の音声強調装置。 - 前記相関除去フィルタ回路は、逐次適応型フィルタ回路である請求項3又は4記載の音声強調装置。
- 前記相関除去フィルタ回路は、それぞれ所定のフィルタ係数を有する前向きフィルタ係数乗算回路及び後向きフィルタ係数乗算回路を含み、
前記フィルタ出力信号が前記音声信号の振幅よりも大きいときに、前記フィルタ係数を0に設定する請求項3〜5のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記演算部はさらに、前記レベル関係信号を平滑化処理して前記決定部に出力する第2の平滑化回路を備える請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。
- 前記演算部は、
前記子音らしさを示す値に基づいて、前記音声信号が子音もしくは子音以外であるかを示す子音・母音識別信号を生成して出力する子音/母音判定回路と、
前記子音・母音識別信号に基づいて、前記第1の信号レベルを検出する第1の積分回路と、
前記子音・母音識別信号に基づいて、前記第2の信号レベルを検出する第2の積分回路と、
前記第1の信号レベルを前記第2の信号レベルで除算してレベル比を算出し、当該レベル比を前記レベル関係信号として出力する除算回路とを備えた請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記決定部は、
前記除算回路から出力されるレベル比から所定のしきい値を減算し、当該減算結果の値を出力する第1の減算回路と、
前記第1の減算回路から出力された減算結果の値が負の値となる場合には“0”の値を出力し、前記第1の減算回路の減算結果が負の値以外の場合には当該減算結果の値をそのまま出力する第1の判定回路と、
前記子音らしさを示す値に前記第1の判定回路から入力された値を乗算し、当該乗算結果の値を出力する乗算回路と、
前記乗算回路から入力された前記乗算結果の値に定数“1.0”を加算し、当該加算結果の値を前記利得係数として前記乗算部に出力する加算回路とを備えた請求項8記載の音声強調装置。 - 前記決定部は、
前記除算回路から出力されるレベル比から所定のしきい値を減算し、当該減算結果の値を出力する第1の減算回路と、
前記第1の減算回路から出力された減算結果の値が負の値となる場合には“0”の値を出力し、前記第1の減算回路の減算結果が負の値以外の場合には所定の定数を出力する第1の判定回路と、
前記子音らしさを示す値に前記第1の判定回路から入力された値を乗算し、当該乗算結果の値を出力する乗算回路と、
前記乗算回路から入力された前記乗算結果の値に定数“1.0”を加算し、当該加算結果の値を前記利得係数として前記乗算部に出力する加算回路とを備えた請求項8記載の音声強調装置。 - 前記決定部はさらに、
前記乗算回路から出力される乗算結果の値を定数“1.0”の値から減算し、当該減算結果の値を前記利得係数として前記乗算部に出力する第2の減算回路と、
前記乗算回路から出力される乗算結果の値を、前記加算回路を介して前記乗算部に出力するか、もしくは、前記第2の減算回路を介して前記乗算部に出力するかを選択的に切り替える第1の切替部とを備えた請求項9又は10記載の音声強調装置。 - 前記演算部はさらに、
前記音声信号の最低信号レベルを計測する第3の積分回路と、
前記最低信号レベルが所定の第2のしきい値以上の場合は、定数“0.0”の値を前記第1の減算回路に出力するか、もしくは、前記最低信号レベルが所定の第2のしきい値未満の場合は、前記除算回路から出力されるレベル比の値を前記第1の減算回路に出力するかを選択的に切り替える第2の切替部とを備えた請求項9〜11のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記第1の積分回路は、第1のピークホールド回路であり、
前記第2の積分回路は、第2のピークホールド回路である請求項8〜12のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記演算部はさらに、
前記入力される音声信号の信号レベルが所定のしきい値以下であれば無音と判定して前記第1の積分回路を停止させる第1の判定部を備えた請求項8〜13のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記演算部はさらに、
前記音声信号の信号レベルと前記フィルタ出力信号の信号レベルとの差が所定値よりも小さければ無音と判定して前記第1の積分回路を停止させる第2の判定部を備えた請求8〜14のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記演算部はさらに、
前記子音・母音識別信号に基づいて、子音から母音に変化した後もしくは母音から子音に変化した後の一定期間のみ前記除算回路を動作させる第2の判定回路を備えた請求項8〜15のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記演算部はさらに、
前記除算回路から出力されたレベル比の値を格納するメモリと、
前記第1の積分回路もしくは前記第2の積分回路から出力された電圧レベルのうちのいずれかがそれぞれの所定のしきい値以下であれば無音と判定して前記除算回路を停止させ、前記メモリから前記除算回路が停止する直近に格納された前記レベル比の値を読み出して前記第2の減算回路に出力し続けさせる第3の判定回路とを備えた請求項8〜16のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 前記演算部はさらに、
所定の第1の時間を計測し、前記所定の第1の時間内の前記第1の信号レベル及び前記第2の信号レベルの最大値を計測するように前記第1の積分回路及び前記第2の積分回路を動作させ、前記所定の第1の時間が経過する毎に前記除算回路を動作させるタイマー回路を備えた請求項8〜17のうちのいずれか1つに記載の音声強調装置。 - 入力される音声信号をその子音部分を強調するための音声強調装置のための音声強調方法であって、
前記音声強調方法は、
所定のサンプリング周波数で入力される音声信号から、子音らしさを示す値を生成して出力することと、
前記子音らしさを示す値に基づいて、前記音声信号内の子音部分と母音部分とを識別した子音・母音識別信号を生成し、前記音声信号及び前記子音・母音識別信号に基づいて、前記音声信号における母音部分の第1の信号レベルと子音部分の第2の信号レベルとを検出し、前記第2の信号レベルに対する前記第1の信号レベルの関係を示すレベル関係信号を出力することと、
前記レベル関係信号に基づいて、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルよりも小さいときに、“1”を超える利得係数であって、前記第2の信号レベルが前記第1の信号レベルに比較して小さくなるにつれて当該利得係数が大きくなるように当該利得係数を決定することと、
前記音声信号に前記利得係数を乗算して前記音声信号の子音部分を強調した音声信号を出力することとを含む音声強調方法。
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