JP6283019B2 - 高エネルギー透過率を持つガラス板 - Google Patents

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Description

本発明の分野は、特に太陽電池モジュールまたは太陽鏡で有用な、高エネルギー透過率を持つガラスの分野である。本発明はまた、建築分野で有用な、高エネルギー透過率を持つガラスに関する。
ガラスが太陽鏡のためのまたは太陽電池を覆うための基板として使用される太陽エネルギー分野では、使用されるガラスが太陽からの輻射線を通過させなければならない場合、可視光及び/またはエネルギーの非常に高い透過率を持つことがもちろん極めて有利である。太陽電池の効率は、実際、この透過率の非常にわずかな増加であっても著しく改善される。特に、89%以上、好ましくは90%以上、またはさらには91%以上のエネルギー透過率が極めて望ましい。
可視及び太陽赤外(または近赤外)並びに紫外の一部を含む範囲のガラスの透過率を測定するために、エネルギー透過率(ET)が規定され、300〜2500nmの波長で標準規格ISO9050に従って測定される。本明細書及び請求項において、エネルギー透過率は、この標準規格に従って測定され、かつ3.85mmの厚さに対して与えられる。
可視範囲のガラスの透過率を測定するために、光透過率(LT)が規定され、標準規格ISO9050に従って380〜780nmの波長で計算され、かつ標準規格ISO/CIE10527により規定される測色用標準観測者CIE1931を仮定する標準規格ISO/CIE10526により規定される光源D65(LTD)を用いて測定される。
可視のガラスの色を測定するために、主波長(DWL)が規定される。この主波長はCIE文献:「測色法、CIEの公式推奨」(1970年5月)に基づいており、それは3色図CIE1931上に色が配置されることを可能にする。光源C(2°)が、色を規定するために使用される。本明細書及び請求項において、主波長は、5mmの厚さに対してナノメートル(nm)で表わされ、ガラスの吸収のみに支配されかつBeer−Lambert法によって表わされることができる内部比分光透過率に基づいて計算される。
本明細書及び請求項では、主波長は、5mmの厚さに対して表わされ、かつ内部比分光透過率に基づいて計算される。
本明細書及び請求項では、光透過率は、この標準規格に従って測定され、かつ4mmの厚さに対して2°の観測立体角で与えられる。
89%以上またはさらに90%以上のLT及び/またはETの値を得るために、ガラスの全鉄含有量(この分野での標準的慣行に従ってFeに換算して表わす)を減少することが従来技術から知られている。いわゆる「透明」または「超透明」なソーダ石灰ガラスは、使用される原料(砂、石灰岩、ドロマイトなど)のほとんどで鉄が不純物として存在するので、常に鉄を含む。鉄は、ガラスの構造中に第2鉄イオンFe3+及び第1鉄イオンFe2+の形で存在する。第2鉄イオンFe3+の存在は、小波長の可視光のわずかな吸収と近紫外(380nmを中心とする吸収帯)に強い吸収を持つガラスを与えるが、第1鉄イオンFe2+(時には酸化物FeOとして表わされる)の存在は、近赤外(1050nmを中心とする吸収帯)に強い吸収を起こす。第2鉄イオンFe3+は、ガラスにわずかな黄色の着色を与えるが、第1鉄イオンFe2+は著しい青緑色の着色を与える。従って、(その両方の形の)全鉄含有量を増加することは、光透過率及びエネルギー透過率に損失を与えて、可視及び赤外での吸収を強める。さらに、高濃度の第1イオンFe2+は、エネルギー透過率及び光透過率の増加に導く。従って、ガラスのエネルギー透過率及び光透過率をさらに増加するために、ガラス中に存在する鉄を酸化すること、すなわち第1鉄イオンの含有量を、第2鉄イオン(それはより少なく吸収する)の含有量を有利にするために減少することもまた知られている。ガラスの酸化レベルは、ガラス中に存在する鉄原子の全重量に対するFe2+原子の重量割合(Fe2+/全Fe)として規定される、そのレドックス(酸化還元)によって与えられる。
幾つかの解決策が、ガラスのレドックスを減少するために提案されている。
酸化セリウム(CeO)をガラスに添加することは、例えばUS7482294から知られている。しかし、これは非常に高価であり、それは、望ましくないガラスの着色を発生することがあり、特にそれは「ソラリゼーション(solarization)」と呼ばれる現象(そこではガラスのエネルギー透過率は、特に太陽光線中に存在する紫外線への露出のために経時的に非常に著しく低下する)の原因である。
酸化アンチモンをガラスに添加することもまた知られており、それは、ガラス中に含まれる鉄を酸化することができる。しかし、アンチモンは、フロート法によってガラスを形成する方法と両立できないことが知られている。さらに、ガラスの良好な酸化のために要求されるその価格と量は、太陽用途のためのその使用を極めて高価なものにする。
従って、現在、そのエネルギー透過率及び光透過率を増加するために超透明ガラス(低い鉄含有量)のレドックスを減少するための許容できる解決策はない。従って、かかるガラスの高エネルギー透過率を維持し、従って特に純度が低くかつ高価でない原料を使用することによってかかるガラスの製造コストを低下しながら、エネルギー透過率を増加する(高付加価値を持つ製品)またはレドックス(従って鉄の影響)を減少するための技術解決策に対して実際の要求がある。
さらに、「超透明」ガラスはまた、建築分野で使用される。それは、そのとき、例えばインテリア(またはエクステリア)デザインのために及び家具のためにまたは例えば低輻射性、自己清浄性、凝縮防止性、もしくは反射防止性被覆のような被覆されたガラスのために適した装飾ガラスのための基板として使用される。それは、そのとき、あまり高いエネルギー透過率を持つ必要はないが、もちろん建築分野で使用されるガラスは、ガラスの美的外観を改善するためにわずかに青色を帯びた着色をさらに持たせることが極めて有利である。透明効果は高い光透過率として示される。青色を帯びた色を得るために、ガラスのレドックスを増加すること、すなわち第1鉄イオンFe2+の含有量を増加することは、従来技術から知られている。しかし、レドックスを増加することは、不幸にもガラスのエネルギー透過率及び光透過率の減少をもたらす。
青色を帯びた着色はまた、この青色を帯びた着色が得られることを可能にする、コバルト、酸化ネオジム及び銅のような着色剤をガラスに添加することにより得られることができるが、それらのガラス中への混入は、直接的な結果として、ガラスのエネルギー透過率の減少を持つ。これは、例えば出願EP1477464A1に示されている。この場合、青色を帯びた色を得ることは、スズ表面のコハク着色によってさらに悪化される。そのときは、着色剤を添加すること、及びスズ表面の影響を制限するためにSOをかなり減少することが必要である。これによる二次的結果は、レドックスを増加することである。これは、希望の青色を帯びた色に対しては好ましいけれども、高い光透過率またはエネルギー透過率(低いレドックス)を得ることと不幸にも再び対立する。
ガラス産業では、特に太陽電池パネルまたは太陽鏡の製造のために意図された「超透明」太陽ガラスの製造と、いわゆる「超透明」建築ガラスの製造の間の移行は、高いコストを意味する。実際、「超透明」太陽ガラスからいわゆる超透明建築ガラスへの移行は、ガラスが「超透明」太陽ガラス(高エネルギー透過率)のために要求される品質要求に合致しないだけでなく建築用ガラスの品質要求にも合致しない(LT及び青色を帯びた色)移行期間を必要とする。このいわゆる「移行(transitional)」ガラスは、不幸にも使用不可能であり、従ってガラス製造者に対して財政的損失を表わす。
従って、太陽用途のための「超透明」ガラスの製造から建築用途のための「超透明」ガラスの製造への移行期間を減少するための解決策を見出すための要求もまた存在する。
本発明は、特に従来技術のこれらの欠点を克服する目的を持つ。
より正確には、本発明の一つの目的は、その実施態様の少なくとも一つにおいて、高エネルギー透過率を持つガラス板を供給することである。
本発明の別の目的は、その実施態様の少なくとも一つにおいて、銅によるガラスの酸化を通して高エネルギー透過率を持つガラス板を供給することである。
本発明の別の目的は、その実施態様の少なくとも一つにおいて、高エネルギー透過率を持つ青色を帯びた色のガラス板を供給することである。
本発明の別の目的は、その実施態様の少なくとも一つにおいて、太陽用途のための「超透明」ガラスの製造から建築用途のための「超透明」ガラスの製造への非常に迅速な移行を可能にする手段を供給することである。
本発明の別の目的は、従来技術の欠点に対する簡単かつ経済的である解決策を供給することである。
特別な実施態様によれば、本発明は、ガラスの全重量の百分率として表わされる含有量で以下のものを含む組成を持つガラス板に関する:
SiO 60〜78%
Al 0〜10%
0〜 5%
CaO 0〜15%
MgO 0〜10%
NaO 5〜20%
O 0〜10%
BaO 0〜 5%
全鉄(Feの形で表わす) 0.002〜0.03%
本発明によれば、かかる組成は、0.001〜0.15%の銅含有量を含み、この銅含有量は、ガラスの全重量に対して重量%としてCuの形で表わされている。
従って、本発明は、従来技術の欠点に対する解決策を提供しかつ技術的問題を解決可能にするので、全体で新規かつ発明的であるアプローチに基づいている。本発明は、実際、驚くべきことに、高エネルギー透過率を持つ板ガラス、特に超透明板ガラスの製造時に、起こりうる着色を制御しながら銅の酸化効果を得ることを可能にすることを証明した。従って、本発明者らは、上で規定されたガラスの組成の他の基準と組み合わせた、ガラスの全重量に対する0.001〜0.15重量%の銅含有量がガラスのレドックスを低下し、従ってエネルギー透過率を増加することを可能にすることを発見した。本発明者らはまた、上で規定されたガラスの組成の他の基準と組み合わせた、ガラスの全重量に対する0.001〜0.15重量%の銅含有量が、高エネルギー透過率及び高光透過率を持つ「超透明」板ガラスの製造を保証しながら、「超透明」太陽ガラスの製造から「超透明」建築用ガラスの製造への移行期間を減少すること、またはさらには排除することを可能にすることを発見した。これは、銅がガラス産業では着色剤として使用されているだけに一層驚くべきことである。本発明の特別な実施態様によれば、この組成は0.001〜0.05%の銅含有量を含む。
好ましくは、本発明による組成は、ガラスの全重量に対して0.001〜0.04重量%の銅含有量を含む。従って、本発明者らは、ガラスの全重量に対する0.001〜0.04重量%の銅含有量が銅の着色力を制限しながら銅の酸化力を得ることを可能にすることを証明した。好ましくは、本発明による組成は、ガラスの全重量に対して0.001〜0.03%、さらにより好ましくは0.003〜0.04重量%の銅含有量を含む。実際、本発明者らは、この好ましい銅含有量がエネルギー透過率において最も高い全体的利得を与えることを証明した。この銅含有量のため、銅の酸化力による透過率の増加は、着色現象による透過率の損失より大きい。さらに、本発明者らは、この銅含有量がエネルギー透過率の著しい経時的な安定性を示すガラス板を作ることを発見した。
本発明者らはまた、ガラスの全重量に対する0.01〜0.15重量%の銅含有量が高い光透過率を保持しながら建築用途のために意図されたガラスのために望ましい青味を帯びた着色を得ることを可能にすることを発見した。好ましくは、高い光透過率を持ちかつ青色に着色したガラス板は、ガラスの全重量に対して0.01〜0.08重量%の銅含有量を含む本発明による組成のために得られる。より好ましくは、高い光透過率を持ちかつ青色に着色したガラス板は、ガラスの全重量に対して0.012〜0.05重量%の銅含有量を含む本発明による組成のために得られる。
このガラスは、レドックスの大きな減少による利得と銅の添加による増加していく強い着色の間の妥協であるETの最適値を示す。実際、銅による着色は、その酸化レベルに依存する;Cu2+は極めて着色性であるが、Cuは非常に吸収が小さくかつ無色の演色を持つ。第一工程では、反応Cu2++Fe2+→Cu+Fe3+がほとんど完了する。従って、酸化効果は、Cuが無色であるので顕著である。従って、透過率の利得はレドックスの利得に完全に関連している。あるCu/Fe比から出発すると、反応はもはや完了せず、過剰な銅がCu2+の形でガラス中に存在する。従って。着色は、たとえレドックスが低いままであったとしても現われ始める。我々は、そのとき、透過率の緩やかな減少を持ち、それはより一層明白な青味がかった着色と一致する。最適なCu/Fe比は、ガラスの熱的及び化学的履歴に依存する。例えば、より熱い製造炉、及び炉内のより長い滞留時間は、熱履歴に、従ってこの最適の位置及びCu2+の出現を支配する平衡の位置に影響するだろう。さらに、化学量論を考慮すると、ガラス中の多量の鉄(中間鉄)は、レドックスを超透明ガラス、従って低い鉄含有量を持つガラス(低鉄)に対してと同じ範囲まで低下するためにより多くの銅を使用しなければならないことを意味する。従って、最適な透過率を達成するためにかつCu2+を出現させるために必要な銅の量は、鉄のレベルが増加するときにより大きくなる。
さらに、本発明者らは、これらの二つの範囲の銅含有量、すなわち0.001〜0.05%と0.01〜0.15%の銅含有量(銅の酸化力対着色力)の重複のために、太陽用途のためのガラス及び建築用途のためのガラスの両方のために特定された要求に合致することができた。従って、「超透明」太陽ガラスの製造から「超透明」建築用ガラスの製造への移行期間は、大きく減少され、またはさらに排除される。なぜなら同じ化合物(すなわち銅)がガラスを酸化するため及びガラスを着色するための両方の目的のために使用されるからである。
銅によるガラスの着色の過剰な効果は、もちろん太陽用途のために使用される「超透明」ガラス(低鉄含有量)の場合に問題がある。なぜならそれはエネルギー透過率を減少するからである。さらに、銅がガラスを着色し、従って太陽用途のために使用されるいわゆる「超透明」ガラスのために決定的に重要なパラメーターであるガラスのエネルギー透過率に影響を及ぼすことは、従来技術から周知である。出願WO2010/134796は、例えばガラス組成への銅の添加がレドックスに影響を及ぼすことなしにガラスを着色しながら、ET及びLTの減少に導くことを示す。従って、この着色現象のため、銅は、従来技術によれば、特に太陽電池パネルまたは太陽鏡の製造のために意図された「超透明」太陽ガラスの組成に添加するための好適な元素を構成しない。
本明細書の全体を通して、範囲が述べられるとき、限界値は含まれる。さらに、数値範囲の全ての整数値及び下位領域は、あたかも明白に書かれているかのように明白に含まれる。また、本明細書の全体を通して、百分率としての含有量の値は、ガラスの全重量に対して百分率として表わされた重量による値である。
本発明の他の特徴及び利点は、例示及び非限定の目的のための例として与えられた以下の説明及び図を読めばより明らかとなるだろう。
図1は、本発明によるガラス板のエネルギー透過率における銅含有量の影響を示す。
図2は、本発明によるガラス板のエネルギー透過率における銅含有量及び炉内の滞留時間の影響を示す。
図3は、本発明によるガラス板のレドックスにおける銅含有量の影響を示す。
図4は、本発明によるガラス板の色における銅含有量の影響を示す。
図5は、ガラスの光透過率における銅含有量の影響を示す。
図6は、ガラスのレドックスにおける鉄含有量に対する銅含有量の影響を示す。
本発明によれば、この組成は、0.3以下のレドックスを持つ。このレドックス範囲は、特にエネルギー透過率に関して非常に満足な光学的特性を得ることを可能にする。好ましくは、この組成は、0.25以下のレドックスを持つ。より好ましくは、この組成は、0.20以下のレドックスを持つ。
本発明によれば、この組成は、ガラスの全重量に対して0.002〜0.03重量%の範囲の全鉄含有量(Feの形で表わす)を含む。この全鉄含有量の最大値は、透明ガラスに対してガラス板のエネルギー透過率を著しく増加することを可能にする。最小限の値は、ガラスのコストへの不利な影響を避けることを可能にする。なぜならかかる低い値は、高価な、非常に純粋な原料またはそうでなければ原料の精製を必要とすることが多いからである。好ましくは、この組成は、ガラスの全重量に対して0.002〜0.02重量%の範囲の全鉄含有量(Feの形で表わす)を含む。0.02重量%より小さいかまたはそれに等しい全鉄含有量(Feの形で表わす)は、ガラス板のエネルギー透過率のさらなる増加を可能にする。より好ましくは、この組成は、ガラスの全重量に対して0.005〜0.02重量の範囲の全鉄含有量(Feの形で表わす)を含む。
本発明によれば、ガラス板の組成は、特に原料内に含まれる不純物に加えて、(ガラス溶融助剤または精製助剤のような)添加剤または溶融炉のための耐火物の溶解から導かれた元素を少ない割合で含むことができる。
ソラリゼーションの現象を避けるために、好適な実施態様によれば、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.02重量%より小さいかまたはそれに等しいセリウム含有量(CeOの形で表わす)を含む。好ましくは、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.01重量%より小さいかまたはそれに等しいセリウム含有量を含む。より好ましくは、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.005重量%より小さいかまたはそれに等しいセリウム含有量(CeOの形で表わす)を含む。さらにより好ましくは、ガラス板の組成は、セリウムを含まない。
別の好適な実施態様によれば、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.01重量%より小さいかまたはそれに等しいバナジウム含有量(Vの形で表わす)を含む。好ましくは、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.005重量%より小さいかまたはそれに等しいバナジウム含有量(Vの形で表わす)を含む。さらにより好ましくは、ガラス板の組成は、バナジウムを含まない。
さらに別の好適な実施態様によれば、組成は、ガラスの全重量に対して0.01重量%より小さいかまたはそれに等しいバナジウム含有量(Vの形で表わす)、及びガラスの全重量に対して0.02重量%より小さいかまたはそれに等しいセリウム含有量(CeOの形で表わす)を含む。好ましくは、この組成は、ガラスの全重量に対して0.005重量%より小さいかまたはそれに等しいバナジウム含有量(Vの形で表わす)、及びガラスの全重量に対して0.01重量%より小さいかまたはそれに等しいセリウム含有量(CeOの形で表わす)を含む。特に好ましくは、この組成は、ガラスの全重量に対して0.005重量%より小さいかまたはそれに等しいバナジウム含有量(Vの形で表わす)、及びガラスの全重量に対して0.005重量%のセリウム含有量(CeOの形で表わす)を含む。さらにより好ましくは、この組成は、バナジウム及びセリウムを含まない。
さらに別の好適な実施態様によれば、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.2重量%以下のアンチモン含有量(Sbの形で表わす)を含む。好ましくは、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.15重量%より小さいかまたはそれに等しいアンチモン含有量を含む。より好ましくは、ガラス板の組成は、アンチモンを含まない。
さらに別の好適な実施態様によれば、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.01重量%以下のヒ素含有量(Asの形で表わす)を含む。好ましくは、ガラス板の組成は、ヒ素を含まない。
さらに別の好適な実施態様によれば、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.01重量%以下のクロム含有量(Crの形で表わす)を含む。
さらに別の好適な実施態様によれば、ガラス板の組成は、ガラスの全重量に対して0.2重量%以上のSOの含有量を含む。これは:
− 良好な精製、従って適切なガラスの品質を保証するために、
− 硫酸塩の十分な酸化効果を持ち、ガラスの高いエネルギー透過率及び光透過率を得る目的と衝突する過剰に高いレドックスを発生しないために、
必要である。
本発明によるガラス板は、3.85mmの厚さに対して測定された少なくとも90%のエネルギー透過率(ET)を持つことが好ましい。有利には、本発明によるガラス板は、3.85mmの厚さに対して測定された少なくとも90.4%、好ましくは少なくとも90.8%のエネルギー透過率(ET)を持つ。
本発明によるガラス板は、標準規格ISO9050に従って、光源D65(LTD)により、かつ4mmの厚さに対して測定すると、少なくとも90.3%の光透過率を持つ。有利には、本発明によるガラス板は、4mmの厚さに対して測定すると、少なくとも90.7%、好ましくは少なくとも91%の光透過率(LT)を持つ。
本発明によるガラス板は、上で規定されたような510nm以下の主波長を持つことが好ましい。有利には、本発明によるガラス板は、500nm以下の主波長(DWL)を持つ。この特性は、建築用途のための超透明板ガラスのために特に望ましい。
本発明によるガラス板は、溶融ガラスの組成から出発してガラス板を製造するためのローリングまたはいずれかの他の既知の工程によってフロート工程により得られたガラス板であることができる。本発明による好適な実施態様によれば、ガラス板は、フロートガラス板である。「フロートガラス板」は、溶融ガラスを溶融スズの浴上に還元状態で注ぐことからなるフロート工程により形成されたガラス板を意味する。フロートガラス板は、周知のように、「スズ面」と呼ばれる面、すなわちガラス板の表面近くのガラス材料中のスズで富化された面、を含む。スズによる富化は、中心でのガラスの組成(それは実質的にゼロ(スズを含まない)であってもそうでなくてもよい)に対してスズの濃度の増加を意味する。
銅は、本発明による組成中に種々の形で組み込まれることができる。それは、例えばCuO,CuO、またはCuSOであることができる。
太陽電池モジュールの場合には、本発明によるガラス板は、太陽電池の保護基板(またはカバー)を構成することが好ましい。
本発明の一実施態様によれば、ガラス板は、少なくとも一つの薄くて透明な電気伝導性の層で被覆される。この実施態様は、太陽電池用途のために有利である。ガラス板が太陽電池モジュールの保護基板として使用されるとき、薄くて透明な電気伝導性の層が、内面上に、すなわちガラス板と太陽電池の間に、配置される。
本発明による薄くて透明な電気伝導性の層は、例えば、SnO:F,SnO:SbまたはITO(インジウム−スズ酸化物)、ZnO:Al、またはZnO:Gaに基づいた層であることができる。
本発明の別の有利な実施態様によれば、ガラス板は、少なくとも一つの反射防止性(または反射防止)層で被覆される。この実施態様は、太陽電池用途の場合にガラス板のエネルギー透過率を最大にするために、例えば、太陽電池を覆う基板(またはカバー)としてこのガラス板を含む太陽電池モジュールの効率を高めるために有利である。太陽エネルギー分野の用途(太陽電池用途または熱的用途)で、ガラス板が保護基板として使用されるとき、反射防止性層は外面上に、すなわち日射側に配置される。
本発明による反射防止層は、例えば低屈折率を持つ多孔性シリカに基づいた層であることができ、またはそれは、幾つかの層(積み重ね)、特に低及び高屈折率を持つ層を交互にし、かつ低屈折率を持つ層で終わる誘電材料の層の積み重ねからなることができる。
一実施態様によれば、このガラス板は、第一の面上を少なくとも一つの薄い電気伝導性の層で、他の面上を少なくとも一つの反射防止層で被覆される。
さらに別の実施態様によれば、このガラス板は、その面のそれぞれの上を少なくとも一つの反射防止層で被覆される。
別の実施態様によれば、このガラス板は、少なくとも一つの防汚層で被覆される。前記防汚層は、反対側の面上に付着された薄い透明な電気伝導性の層と組み合わされることができる。前記防汚層はまた、同じ面上に付着された反射防止層と組み合わされることができ、この防汚層は、積み重ねの外側にあり、従って反射防止層を覆う。
さらに別の実施態様によれば、このガラス板は、少なくとも一つの反射層で被覆される。前記反射層は、例えば銀に基づく層である。この実施態様は、太陽鏡(平坦または放物状)のための用途の場合に有利である。
用途及び/または希望の特性に依存して、他の層が本発明によるガラス板の一方及び/または他方の面上に付着されることができる。
本発明によるガラス板は、多層窓ガラスユニット(特に二重または三重窓ガラスユニット)に組み込まれることができる。多層窓ガラスユニットは、各対の板間にガスで満たされるかまたは減圧下の空間を与える少なくとも二枚のガラス板を含む窓ガラスユニットを意味する。本発明によるガラス板はまた、積層及び/または調質及び/または硬化及び/または湾曲されることができる。
本発明はまた、本発明による少なくとも一つのガラス板を含む、太陽エネルギーの集中のための太陽電池モジュールまたは鏡に関する。
本発明はまた、全ての建築用途:ファサード(facades)、窓の胸状部分(window breasts)、二重または三重窓ガラスに関する。それはまた、塗料の演色がガラスにより影響を及ぼされないときに(オーブン、スマートフォンなど)塗料のための、または美的演色が重要である全ての用途のためのガラス基板として使用されるだろう。本発明はまた、芸術分野での用途(彫像、フレーミングなど)を持つだろう。自動車部門もまた、この発明から恩恵を被ることができる。
以下の例は、その範囲をいかなる方法でも限定する意図なしに本発明を例示する。
以下の例は、得られたエネルギー透過率、得られた光透過率、ガラスの色に対する銅含有量の影響、及びガラスの全重量に対して百分率として表わした特定の銅含有量に対するレドックスを示すことを意図されている。
原料は、粉末の形で混合され、かつ以下に示された組成(全鉄=100ppm)に従って溶融のためにるつぼ内に置かれた。銅はCuOの形で混入された。試験されたガラスの全てに対し、成分の含有量は、銅の量とは別に固定して保たれた。ガラスの全重量に対して百分率として表わされた銅含有量(Cuで表わす)は、ガラス試料ごとに変動可能である。
組成 含有量(重量%)
CaO 9
O 0.015
NaO 14
SO 0.3
TiO 0.015
Al 0.7
MgO 4.5
銅(Cuで表わす) 変動可能(0〜0.035%)
全鉄(Feで表わす) 0.01
溶融後、板の形のガラスの各試料の光学的特性が決定され、特にエネルギー透過率(ET)が3.85mmの厚さに対して標準規格ISO9050に従って測定された。ETの値は、銅の酸化効果によるエネルギー透過率の利得が前記銅に起因する着色による透過率の損失より大きいかどうかをチェックするために決定された。
図1は、本発明によるガラス板のETに対する銅含有量の影響を示す。正のΔTEは、そのとき通常の超透明ガラスに対するエネルギー透過率の利得に相当し、負のΔTEは、エネルギー透過率の損失に相当する。本発明によれば、組成に添加された銅は、以下の反応により第1鉄イオンと反応するだろう:
Fe2++Cu2+→Fe3++Cu
図1は、最初にエネルギー透過率が銅含有量と共に増加することを示す。この影響は、特にレドックスの減少による。Cuに起因する吸収はそのとき無視できるか、またはゼロであり、従って透過率またはガラスの色に影響を持たない。次いで銅の量は、鉄の量に対して大きくなり過ぎる。従って、これは過剰なCu2+の形成に導く。なぜならCu2+はもはやFe2+と反応しないからである。この種(Cu2+)は、可視範囲で吸収し、ガラスに青味を帯びた着色を与える。従って、銅含有量が増加するほど、Cu2+の影響はより強調され、それは、結果としてエネルギー透過率の段階的な減少を持つ。
本発明によるガラス板のETに対する銅含有量及び炉内の滞留時間(「熱履歴」とも呼ばれる)の影響が評価された。得られた結果は、図2に示される。この図は、エネルギー透過率の最適値がガラスの熱履歴に依存して銅の異なる値に対して得られることを示す。熱履歴は、実際ガラス内の次の反応:Fe2++Cu2+→Fe3++Cuに影響を持ち、従って平衡に移動し、平衡から出発してCu2+の形成が表われる。図2はまた、還元された形のCuが熱履歴が長いときに有利であることを示し、従って着色の発現を遅らし、かつETに対して銅の酸化力がその着色力より大きい範囲の拡張を可能にする。最後に、図2は、熱履歴が長いほど、最適な透過率に到達するために組成に添加される銅含有量がより多く増加されることを示す。図2に示された結果は、実験室で得られたガラス板から得られたが、56時間の熱履歴は工業的条件に近い。従って、工業的に製造されたガラス板からETのかかる値を得るために組成に添加されなければならない銅含有量は0.05%以上でありうることは理解される。従って、最大3倍多い銅がETのこれらの最適値を工業的に得るために組成に必要であることは考えられる(データは示されていない)。溶融炉の形及び熱履歴が本発明によるガラス板を得るために組成に添加されなければならない銅含有量に影響を及ぼすかもしれないことは同様に理解される。
本発明によるガラス板のレドックスに対する銅含有量の影響もまた、測定され、図3に示されている。従って、図3は、銅含有量が高いほど、ガラスのレドックスが低いことを示す。このガラスのレドックスの減少は、特に銅による鉄の酸化のためである。
銅含有量はまた、本発明によるガラス板の色に影響を持つ。この影響は、例えば図4に示されている。本発明者らは、銅含有量の増加により、まずCuの主要な影響がガラスの酸化である段階があることを示した。なぜなら鉄の酸化は、ガラスの主波長のその初期状態に対する増加に導くからである。ガラスはFe2+の量の減少後に黄色になる。銅含有量が増加するほど、Cu/Fe比がより増加する。ある値を越えると(ガラスの熱及び化学履歴、並びにその鉄のレベルに依存して)、Cu2+がガラス内に現われ、それは、直接的な結果として、ガラスの(青味を帯びた)着色を持つ。従って、主波長(DWL)は、減少されるか、またはさらにその基準レベル(銅なし)以下に減少される。それは、Cu2+によってもたらされた青味を帯びた着色がガラスの強い酸化による黄色着色を補償するために十分に高いことを示す。いわゆる建築用途のための超透明ガラスの分野では、わずかに青味を帯びた着色は極めて望ましい。これは、特に510nm以下、さらにより好ましくは500nm以下の主波長に反映される。
4mmの厚さに対するLTの値がまた、これらの同じガラス板に対して評価された。即ち、図5は、ガラスの光透過率に対する銅含有量の影響を示す。ETと同様に、光透過率は、まずガラスの着色後に減少する前に銅の添加により増加する。建築用途のための「超透明」ガラスの製造での非常に望ましい点は、高い光透過率とわずかに青味を帯びた外観である。しかし、この青味を帯びた外観を得るために、使用される着色剤は、可視範囲で吸収するだろうし、それは、光透過率の減少に導くだろう。銅は、その着色効果の範囲内(すなわちガラスの全重量に対して0.01〜0.15重量%)であっても、同様な色演出でより高い光透過率を維持することを可能にする。実際、その着色作用と平行して、銅は鉄を酸化し、従って光を吸収する前に光透過率のベースラインレベルを上昇する。
最後に、図6は、レドックスに対する銅含有量及び鉄含有量の影響を示す。即ち、二つの鉄含有量(すなわち100及び800ppm(超透明ガラスと透明ガラス))が試験された。実際、ガラスの鉄含有量が高いほど、レドックスの同じ減少を得るために必要な銅の量は大きい。同様に、着色のためにCu2+が出現し始める量は、ガラスの存在する鉄の量に依存する。なぜならそれは、特に式Cu2++Fe2+→Cu+Fe3+に依存するからである。従って、中間鉄ガラス(例えば300ppmの鉄を含むガラス)に対して、レドックスに同じ効果を得てCu2+の出現及び着色が始まる銅の量に到達するために低鉄ガラス(100ppmの鉄を含む低鉄ガラスと比べたならこの例の3倍以上)におけるより多い銅が必要とされることが証明される。従って、銅は、より低いコストで、前の性能と同等のエネルギー透過率を持つガラス板を得ることを可能にする。従って、銅はまた、より低いコストで、他の着色剤により得られたものと同等の光透過率を持つガラス板を得ることを可能にする。従って、ガラス板のエネルギー透過率及び光透過率を改善する銅の酸化効果は、透過率の同じ光学的特性を得るために純度が低くかつ安価な原料により加工することを可能にするだろう。

Claims (9)

  1. ガラスの全重量の百分率として表わされる含有量で以下のものを含む組成を持つガラス板において、組成が、ガラスの全重量に対して0.012〜0.05重量%の銅含有量を含み、この銅含有量が、ガラスの全重量に対して重量百分率としてCuの形で表わされていること、及び組成が、0.25以下のレドックスを持つことを特徴とするガラス板:
    SiO 60〜78%
    Al 0〜10%
    0〜 5%
    CaO 0〜15%
    MgO 0〜10%
    NaO 5〜20%
    O 0〜10%
    BaO 0〜 5%
    全鉄(Feの形で表わす) 0.002〜0.03%
  2. 組成が、ガラスの全重量に対して0.002〜0.02重量%の全鉄含有量(Feの形で表わす)を含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス板。
  3. 3.85mmの厚さに対して測定すると、少なくとも90%のエネルギー透過率を持つことを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板。
  4. 標準規格ISO9050に従って、光源D65(LTD)により、かつ4mmの厚さに対して測定すると、少なくとも90.3%の光透過率を持つことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のガラス板。
  5. 510nm以下の主波長を持つことを特徴とする請求項に記載のガラス板。
  6. 組成が、ガラスの全重量に対して0.2重量%以上のSO含有量を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のガラス板。
  7. 少なくとも一つの薄くて透明な電気伝導性の層で被覆されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のガラス板。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のガラス板を少なくとも一枚含む、太陽電池モジュールまたは太陽エネルギーを集中するための鏡。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のガラス板を製造するための方法における酸化剤としての銅の使用。
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