JP6282449B2 - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及び該組成物を少なくとも一部に用いたタイヤに関する。
従来から、天然ゴムやスチレンブタジエンゴム等のゴム成分に対してカーボンブラックやシリカ等のフィラーを配合することにより機械強度を向上させたゴム組成物が、耐摩耗性や機械強度を必要とするタイヤ用途に広く使用されている。またフィラーを配合したゴム組成物は、ゴムの混練時や圧延、押出時の粘度が高いため、加工性や流動性の改良を目的としプロセスオイル等が可塑剤として使用される。このような可塑剤は、成形加工後のゴム組成物を柔軟化することができるため、ゴム組成物の軟化剤としての機能も有している。
しかし、前述のタイヤ用途等においては、製造時に適度な機械強度及び硬度などの物性を有していたとしても、長期間の使用によりゴムの性能が変化してしまう問題がある。これはゴムの内部から外部に可塑剤等が移行することにより生じるものである。
このような、可塑剤等の移行を抑制する一つの方法として、ゴム組成物にプロセスオイル等の従来の可塑剤にかえて液状ジエン系ゴムを用いる方法がある。このようにして作製されるゴム組成物及び架橋物は、ゴム組成物の加工性に優れるだけでなく、架橋後に該成分が移行してしまうことが抑制される点で優れたものである(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、液状ジエン系ゴムをゴム組成物に含有させた場合であっても、ゴム組成物のタック(粘着性)が不充分であり、ゴム組成物同士を貼り合わせて成形加工するのが困難で成形作業性が悪化する場合があった。また、該ゴム組成物から得られる架橋物では耐熱性等の物性が必ずしも十分ではない場合があった。
また、ゴム組成物から得られる架橋物、特にタイヤ等においては、機械強度だけでなく、転がり抵抗性能の更なる改善が望まれている。
特開2008−120895号公報
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、加工性に優れ、機械強度、耐熱性、転がり抵抗性能が向上した架橋物を製造しうるゴム組成物、及び該組成物を少なくとも一部に用いたタイヤを提供する。
本発明者らが、鋭意検討を行った結果、特定の液状ジエン系ゴムをゴム組成物に含ませることにより、加工性に優れるだけでなく、そのゴム組成物から得られる架橋物は、機械強度等に優れ、耐熱性、転がり抵抗性能が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下〔1〕及び〔2〕に関する。
〔1〕固形ゴム(A)100質量部に対して、カーボンブラック及びシリカから選ばれる少なくとも1種のフィラー(B)20〜150質量部、及び液状ジエン系ゴム(C)0.1〜30質量部を含有するゴム組成物であり、
前記液状ジエン系ゴム(C)の38℃で測定した溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sの範囲にあり、かつ該液状ジエン系ゴム(C)の製造に用いる重合触媒に由来する触媒残渣量が、金属換算で0〜200ppmの範囲であるゴム組成物。
〔2〕上記〔1〕に記載のゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ。
本発明によれば、加工性に優れるだけでなく、架橋した際に機械強度等に優れ、耐熱性、転がり抵抗性能が向上するゴム組成物が得られる。そのため、該組成物及び該組成物から得られる架橋物は、例えばタイヤの少なくとも一部として有用であり、該組成物を用いたタイヤは前記の各種性能に優れる。
[固形ゴム(A)]
本発明のゴム組成物で用いる固形ゴム(A)とは、固形状で取り扱うことができるゴムをいい、固形ゴム(A)の100℃におけるムーニー粘度 ML1+4は通常20〜200の範囲にある。上記固形ゴム(A)としては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(以下、「SBR」ともいう。)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリル共重合体ゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、及びウレタンゴム等が挙げられる。これら固形ゴム(A)の中でも、天然ゴム、SBR、ブタジエンゴム、及びイソプレンゴムが好ましく、天然ゴム、及びSBRが更に好ましい。これら固形ゴム(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記固形ゴム(A)の数平均分子量(Mn)は、得られるゴム組成物及び架橋物における特性を十分に発揮させる観点から、80,000以上であることが好ましく、100,000〜3,000,000の範囲内であることがより好ましい。なお、本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定から求めたポリスチレン換算の数平均分子量である。
上記天然ゴムとしては、例えば、SMR、SIR、STR等のTSRやRSS等のタイヤ工業において一般的に用いられる天然ゴム、高純度天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムが挙げられる。中でも、品質のばらつきが少ない点、及び入手容易性の点から、SMR20、STR20やRSS#3が好ましい。これら天然ゴムは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては、タイヤ用途に用いられる一般的なものを使用できるが、具体的には、スチレン含量が0.1〜70質量%のものが好ましく、5〜50質量%のものがより好ましく、15〜35質量%のものが更に好ましい。また、ビニル含量が0.1〜60質量%のものが好ましく、0.1〜55質量%のものがより好ましい。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、100,000〜2,500,000であることが好ましく、150,000〜2,000,000であることがより好ましく、200,000〜1,500,000であることが更に好ましい。上記の範囲である場合、加工性と機械強度を両立することができる。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定から求めたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
本発明において使用するSBRの示差熱分析法により求めたガラス転移温度は、−95〜0℃であることが好ましく−95〜−5℃であることがより好ましい。ガラス転移温度を上記範囲にすることによって、粘度が高くなるのを抑えることができ取り扱いが容易になる。
本発明において用いることができるSBRは、スチレンとブタジエンとを共重合して得られる。SBRの製造方法について特に制限はなく、乳化重合法、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、これら製造方法の中でも、乳化重合法、溶液重合法が好ましい。
乳化重合スチレンブタジエンゴム(以下、E−SBRともいう。)は、通常の乳化重合法により製造でき、例えば、所定量のスチレン及びブタジエン単量体を乳化剤の存在下に乳化分散し、ラジカル重合開始剤により乳化重合することにより得られる。
乳化剤としては、例えば炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩又はロジン酸塩が用いられる。具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸のカリウム塩又はナトリウム塩が挙げられる。
分散剤としては通常、水が使用され、重合時の安定性が阻害されない範囲で、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等が挙げられる。
得られるE−SBRの分子量を調整するため、連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としては、例えばt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
乳化重合の温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜選択できるが、通常、0〜100℃が好ましく、0〜60℃がより好ましい。重合様式は、連続重合、回分重合のいずれでもよい。重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。
重合停止剤としては、例えば、イソプロピルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン等のアミン化合物;ヒドロキノンやベンゾキノン等のキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム等が挙げられる。
重合反応停止後、必要に応じて老化防止剤を添加してもよい。重合反応停止後、得られたラテックスから必要に応じて未反応単量体を除去し、次いで、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩を凝固剤とし、必要に応じて硝酸、硫酸等の酸を添加して凝固系のpHを所定の値に調整しながら重合体を凝固させた後、分散溶媒を分離することによって重合体をクラムとして回収できる。クラムを水洗、次いで脱水後、バンドドライヤー等で乾燥することで、E−SBRが得られる。なお、凝固の際に、必要に応じて予めラテックスと乳化分散液にした伸展油とを混合し、油展ゴムとして回収してもよい。
溶液重合スチレンブタジエンゴム(以下、S−SBRともいう。)は、通常の溶液重合法により製造でき、例えば、溶媒中でアニオン重合可能な活性金属を使用して、所望により極性化合物の存在下、スチレン及びブタジエンを重合する。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。これら活性金属の中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。更にアルカリ金属の中でも、有機アルカリ金属化合物がより好ましく用いられる。
溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒は通常、単量体濃度が1〜50質量%となる範囲で用いることが好ましい。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等の有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。中でも有機リチウム化合物が好ましく、有機モノリチウム化合物がより好ましい。有機アルカリ金属化合物の使用量は、要求されるS−SBRの分子量によって適宜決められる。
有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン等の第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
極性化合物としては、アニオン重合において、反応を失活させず、ブタジエン部位のミクロ構造やスチレンの共重合体鎖中の分布を調整するために通常用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;アルカリ金属アルコキシド、ホスフィン化合物等が挙げられる。
重合反応の温度は、通常−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは30〜90℃の範囲である。重合様式は、回分式あるいは連続式のいずれでもよい。また、スチレン及びブタジエンのランダム共重合性を向上させるため、重合系中のスチレン及びブタジエンの組成比が特定範囲になるように、反応液中にスチレン及びブタジエンを連続的あるいは断続的に供給することが好ましい。
重合反応は、重合停止剤としてメタノール、イソプロパノール等のアルコールを添加して、反応を停止できる。重合反応停止後の重合溶液は、直接乾燥やスチームストリッピング等により溶媒を分離して、目的のS−SBRを回収できる。なお、溶媒を除去する前に、予め重合溶液と伸展油とを混合し、油展ゴムとして回収してもよい。
上記SBRとしては、官能基が導入された変性SBRを用いてもよい。官能基としては、例えばアミノ基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
変性SBRの製造方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン等の重合末端変性剤又は、特開2011−132298号公報に記載のその他の変性剤を添加する方法が挙げられる。
この変性SBRにおいて、官能基が導入される位置については重合体末端であってもよく、重合体鎖の側鎖であってもよい。
上記ブタジエンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のブタジエンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたブタジエンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のブタジエンゴムを用いてもよい。
ブタジエンゴムのビニル含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%を超えると転がり抵抗性能が悪化する傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−40℃以下であることが好ましく、−50℃以下であることがより好ましい。
ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)は90,000〜2,000,000であることが好ましく、150,000〜1,500,000であることがより好ましい。Mwが上記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
上記ブタジエンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
上記イソプレンゴムとしては、例えば、四ハロゲン化チタン−トリアルキルアルミニウム系、ジエチルアルミニウムクロライド−コバルト系、トリアルキルアルミニウム−三弗化ホウ素−ニッケル系、ジエチルアルミニウムクロライド−ニッケル系等のチーグラー系触媒;トリエチルアルミニウム−有機酸ネオジム−ルイス酸系等のランタノイド系希土類金属触媒、又はS−SBRと同様に有機アルカリ金属化合物を用いて重合された、市販のイソプレンゴムを用いることができる。チーグラー系触媒により重合されたイソプレンゴムが、シス体含量が高く好ましい。また、ランタノイド系希土類金属触媒を用いて得られる超高シス体含量のイソプレンゴムを用いてもよい。
イソプレンゴムのビニル含量は好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。ビニル含量が50質量%を超えると転がり抵抗性能が悪化する傾向にある。ビニル含量の下限は特に限定されない。またガラス転移温度はビニル含量によって変化するが、−20℃以下であることが好ましく、−30℃以下であることがより好ましい。
イソプレンゴムの重量平均分子量(Mw)は90,000〜2,000,000であることが好ましく、150,000〜1,500,000であることがより好ましい。Mwが上記範囲にある場合、加工性と機械強度が良好となる。
上記イソプレンゴムは、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化錫、四塩化珪素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン、又はアミノ基含有アルコキシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造又は極性官能基を有していてもよい。
[フィラー(B)]
本発明のゴム組成物で用いるフィラー(B)はカーボンブラック及びシリカから選ばれる少なくとも1種のフィラーであり、機械強度の向上等の物性の改善などを目的として配合されるものである。
上記カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラックなどが挙げられる。架橋速度や機械強度向上の観点からは、これらカーボンブラックの中でも、ファーネスブラックが好ましい。これらカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンブラックの平均粒径としては、分散性及び本発明のゴム組成物の機械強度、硬度などを向上させる観点から、5〜100nmが好ましく、5〜80nmがより好ましく、5〜70nmが更に好ましい。
上記ファーネスブラックの市販品としては、例えば、三菱化学株式会社「ダイヤブラック」、東海カーボン株式会社製「シースト」などが挙げられる。アセチレンブラックの市販品としては、例えば、電気化学工業株式会社製「デンカブラック」などが挙げられる。ケッチェンブラックの市販品としては、例えば、ライオン株式会社製「ECP600JD」などが挙げられる。
上記カーボンブラックは、固形ゴム(A)への濡れ性、分散性などを向上させる観点から、硝酸、硫酸、塩酸又はこれらの混合酸等による酸処理や、空気存在下での熱処理による表面酸化処理を行ってもよい。また、本発明のゴム組成物及びこの組成物から得られる架橋物の機械強度向上の観点から、黒鉛化触媒の存在下に2,000〜3,000℃で熱処理を行ってもよい。なお、黒鉛化触媒としては、ホウ素、ホウ素酸化物(例えば、B22、B23、B43、B45等)、ホウ素オキソ酸(例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等)及びその塩、ホウ素炭化物(例えば、B4C、B6C等)、窒化ホウ素(BN)、その他のホウ素化合物が好適に用いられる。
上記カーボンブラックは、粉砕等により粒度を調整した後、用いることもできる。カーボンブラックの粉砕には、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ケージミル)や各種ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星ミル)、撹拌ミル(ビーズミル、アトライター、流通管型ミル、アニュラーミル)等が使用できる。
なお、カーボンブラックの平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定してその平均値を算出することにより求めることができる。
上記シリカとしては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げることができる。これらシリカの中でも、加工性、機械強度及び耐摩耗性を一層向上させる観点から、湿式シリカが好ましい。これらシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの平均粒径は、本発明のゴム組成物の加工性、転がり抵抗性能、機械強度、耐摩耗性などを向上する観点から、0.5〜200nmが好ましく、5〜150nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましい。
なお、シリカの平均粒径は、透過型電子顕微鏡により粒子の直径を測定して、その平均値を算出することにより求めることができる。
本発明のゴム組成物において、固形ゴム(A)100質量部に対するフィラー(B)の含有量は、20〜150質量部であり、25〜130質量部が好ましく、25〜110質量部がより好ましい。フィラー(B)の含有量が前記範囲内であると、加工性、転がり抵抗性能、機械強度及び耐摩耗性が向上する。
これらフィラー(B)の中でも、得られるゴム組成物及びその架橋物の補強性等の観点からは、カーボンブラックがより好ましい。また、これらフィラー(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[液状ジエン系ゴム(C)]
本発明のゴム組成物で用いる液状ジエン系ゴム(C)とは、液状のジエン系重合体をいい、38℃で測定したその溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sの範囲にある物をいう。
上記液状ジエン系ゴム(C)としては、共役ジエン(c1)を後述の方法で重合して得られる重合体が好ましい。本発明のゴム組成物において液状ジエン系ゴム(C)は可塑剤として作用するが、このゴム組成物から得られる架橋物では、液状ジエン系ゴム(C)を用いることにより、架橋物内部から外部への移行性が低く、優れた低移行性能を示す架橋物を得ることができる。
共役ジエン(c1)としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−ブタジエン、2−フェニル−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン、ミルセン、及びクロロプレンなどが挙げられる。これら共役ジエンの中でも、ブタジエン及びイソプレンが好ましい。これら共役ジエンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ジエン系ゴム(C)は、上記共役ジエン(c1)に加え、芳香族ビニル化合物(c2)を共重合したものであってもよい。芳香族ビニル化合物(c2)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−4−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、4−メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、及びジビニルベンゼンなどが挙げられる。これら芳香族ビニル化合物の中でも、スチレン、α−メチルスチレン、及び4−メチルスチレンが好ましい。
液状ジエン系ゴム(C)における、共役ジエン(c1)単位及び芳香族ビニル化合物(c2)単位の合計に対する芳香族ビニル化合物(c2)単位の割合は、本発明のゴム組成物の加工性、並びに架橋物の転がり抵抗性能及び低移行性能を向上させる観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
液状ジエン系ゴム(C)は、例えば溶液重合法等により製造できる。
上記溶液重合法としては、公知又は公知に準ずる方法を適用できる。例えば、溶媒中で、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属又は活性金属化合物などの重合触媒を使用して、必要に応じて極性化合物の存在下で、共役ジエン(c1)を含む単量体を重合する。これらの中でも、重合触媒としては、アニオン重合可能な活性金属又は活性金属化合物が好ましく用いられる。
アニオン重合可能な活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;ランタン、ネオジム等のランタノイド系希土類金属等が挙げられる。
アニオン重合可能な活性金属の中でもアルカリ金属及びアルカリ土類金属が好ましく、アルカリ金属がより好ましい。
アニオン重合可能な活性金属化合物としては、有機アルカリ金属化合物が好ましい。
有機アルカリ金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等の有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、ジリチオナフタレン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。これら有機アルカリ金属化合物の中でも有機リチウム化合物が好ましい。
上記有機アルカリ金属化合物は、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、及びジベンジルアミンなどの第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミドとして使用することもできる。
上記重合触媒の使用量は、液状ジエン系ゴム(C)の溶融粘度、分子量などに応じて適宜設定できるが、共役ジエン(c1)を含む全単量体100質量部に対して、通常0.01〜3質量部の量で使用される。
上記溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などを使用することができる。
上記極性化合物は、アニオン重合において、通常、反応を失活させず、共役ジエン部位のミクロ構造を調整するために用いられる。極性化合物としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン等の3級アミン;アルカリ金属アルコキシド、ホスフィン化合物などが挙げられる。極性化合物は、重合触媒に対して、通常0.01〜1000モルの量で使用される。
溶液重合の温度は、通常−80〜150℃の範囲、好ましくは0〜100℃の範囲、より好ましくは10〜90℃の範囲である。重合様式は回分式あるいは連続式のいずれでもよい。
重合反応は、重合停止剤の添加により停止できる。重合停止剤としては、例えば、メタノール、イソプロパノール等のアルコールが挙げられる。得られた重合反応液をメタノール等の貧溶媒に注いで、液状ジエン系ゴム(C)を析出させるか、重合反応液を水で洗浄し、分離後、乾燥することにより液状ジエン系ゴム(C)を単離できる。
液状ジエン系ゴム(C)は種々の官能基により変性された変性液状ジエン系ゴムとして用いてもよい。官能基としては、例えばアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、アルコキシシリル基、水酸基、エポキシ基、エーテル基、カルボキシル基、カルボニル基、メルカプト基、イソシアネート基、ニトリル基、及び酸無水物基等が挙げられる。
変性液状ジエン系ゴムの製造方法としては、例えば、重合停止剤を添加する前に、重合活性末端と反応し得る四塩化錫、ジブチル錫クロリド、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、2,4−トリレンジイソシアネート等のカップリング剤や、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N−ビニルピロリドン、N−メチルピロリドン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン等の重合末端変性化合物、又は特開2011−132298号公報に記載のその他の変性化合物を添加し、未変性の液状ジエン系ゴムに付加する方法が挙げられる。
また、単離後の未変性の液状ジエン系ゴム(C)に無水マレイン酸等をグラフト反応させることにより、変性液状ジエン系ゴムを製造することができる。
この変性ジエン系重合体において、官能基が導入される位置については重合体末端であってもよく、重合体鎖の側鎖であってもよい。また上記官能基は1種又は2種以上で組み合わせて用いることもできる。上記変性剤は、重合触媒に対して好ましくは0.01〜100モル当量の範囲で使用される。
上記液状ジエン系ゴム(C)は、その製造に用いる重合触媒に由来する触媒残渣量が、金属換算で0〜200ppmの範囲にあることに特徴がある。例えば、液状ジエン系ゴム(C)を製造するための重合触媒として有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属を用いた場合には、触媒残渣量の基準となる金属は、リチウム等のアルカリ金属になる。触媒残渣量が上記範囲にあることにより、加工等する際にタックが低下せず、また本発明のゴム組成物から得られる架橋物の耐熱性、タイヤの転がり抵抗性能が向上する。液状ジエン系ゴム(C)の製造に用いる重合触媒に由来する触媒残渣量としては、金属換算で、好ましくは0〜150ppm、より好ましくは0〜100ppmである。なお、触媒残渣量は、例えば偏光ゼーマン原子吸光分光光度計を用いることにより測定できる。
液状ジエン系ゴムの触媒残渣量をこのような特定の量とする方法としては、重合後の液状ジエンゴム(C)を精製し、触媒残渣を十分に除去する方法などが挙げられる。精製する方法としては、水若しくは温水、又はメタノール、アセトンなどに代表される有機溶媒若しくは超臨界流体二酸化炭素による洗浄が好ましい。洗浄回数としては、経済的な観点から1〜20回が好ましく、1〜10回がより好ましい。また、洗浄温度としては、20〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。また重合反応前に、重合の阻害を行うような不純物を蒸留や吸着剤により除去し、単量体の純度を高めた後に重合を行うことによっても、必要な重合触媒量が少なくてすむため、触媒残渣量を低減することが出来る。
上記液状ジエン系ゴム(C)の38℃で測定した溶融粘度は、0.1〜3,000Pa・sの範囲にあり、好ましくは0.8〜2,000Pa・sの範囲、より好ましくは10〜1,000Pa・sPa・sの範囲である。液状ジエン系ゴム(C)の溶融粘度が前記範囲内であると、ゴム組成物の混練が容易になると共に加工性が向上する。更に、ゴム組成物から得られる架橋物の低移行性能、転がり抵抗性能も向上する。なお、本発明において液状ジエン系ゴム(C)の溶融粘度は、後述する実施例に記載した方法で求めた値である。
液状ジエン系ゴム(C)の重量平均分子量(Mw)は2,000〜100,000が好ましく、8,000〜90,000がより好ましく、15,000〜80,000が更に好ましく、30,000〜70,000がより更に好ましい。上記液状ジエン系ゴム(C)のMwが前記範囲内であると、本発明のゴム組成物の加工性が良好となり、またゴム組成物中のフィラー(B)の分散性が向上するため、例えば、その組成物を用いたタイヤの転がり抵抗性能が良好となる。また、ゴム組成物から得られる架橋物では低移行性能が向上する。
本発明においては、Mwが異なる2種以上の液状ジエン系ゴム(C)を組み合わせて用いてもよい。
液状ジエン系ゴム(C)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜8.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、1.0〜3.0が更に好ましい。Mw/Mnが前記範囲内であると、得られる重合体(B)の粘度のばらつきが小さく、より好ましい。
液状ジエン系ゴム(C)のガラス転移温度(Tg)は、共役ジエン(c1)に由来する単位のビニル含量、共役ジエン(c1)の種類、共役ジエン以外の単量体に由来する単位の含量などによって変化し得るが、−100〜10℃が好ましく、−100〜0℃がより好ましく、−100〜−5℃が更に好ましい。Tgが上記範囲であると、例えば、ゴム組成物を用いたタイヤの転がり抵抗性能が良好となる。また粘度が高くなるのを抑えることができ取り扱いが容易になる。液状ジエン系ゴム(C)のビニル含量は99質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
本発明のゴム組成物において、固形ゴム(A)100質量部に対する液状ジエン系ゴム(C)の含有量は、0.1〜30質量部であり、0.5〜30質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、3〜12質量部が更に好ましい。液状ジエン系ゴム(C)の含有量が上記範囲内であると、ゴム組成物の加工性、ゴム組成物の架橋物の機械強度、低移行性能、及び該組成物を用いたタイヤ等の転がり抵抗性能が良好となる。
[その他の成分]
本発明のゴム組成物は、更に架橋剤を含有してもよい。架橋剤(D)としては、例えば、硫黄、硫黄化合物、酸素、有機過酸化物、フェノール樹脂、アミノ樹脂、キノン及びキノンジオキシム誘導体、ハロゲン化合物、アルデヒド化合物、アルコール化合物、エポキシ化合物、金属ハロゲン化物及び有機金属ハロゲン化物、及びシラン化合物などが挙げられる。硫黄化合物としては、例えば、モルホリンジスルフィド、及びアルキルフェノールジスルフィドなどが挙げられる。有機過酸化物としては、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、及び1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。これら架橋剤(D)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記架橋剤(D)は、架橋物の力学物性の観点から、固形ゴム(A)100質量部に対し、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは0.8〜5質量部含有される。
本発明のゴム組成物は、例えば架橋剤(D)として硫黄、硫黄化合物等が含まれている場合には、更に加硫促進剤(E)を含有してもよい。加硫促進剤(E)としては、例えば、グアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、チオウレア系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、アルデヒド−アミン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリン系化合物、及びキサンテート系化合物などが挙げられる。これら加硫促進剤(E)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記加硫促進剤(E)は、固形ゴム(A)100質量部に対し、通常0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部含有される。
本発明のゴム組成物は、例えば架橋剤(D)として硫黄、硫黄化合物等が含まれている場合には更に加硫助剤(F)を含有してもよい。加硫助剤(F)としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、亜鉛華等の金属酸化物、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩が挙げられる。これら加硫助剤(F)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記加硫助剤(F)は、固形ゴム(A)100質量部に対し、通常0.1〜15質量部、好ましくは1〜10質量部含有される。
本発明のゴム組成物では、フィラー(B)としてシリカを含有する場合は、シランカップリング剤を含有することが好ましい一態様である。シランカップリング剤としては、スルフィド系化合物、メルカプト系化合物、ビニル系化合物、アミノ系化合物、グリシドキシ系化合物、ニトロ系化合物、クロロ系化合物等が挙げられる。
スルフィド系化合物としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどが挙げられる。メルカプト系化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、及び2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。ビニル系化合物としては、例えばビニルトリエトキシシラン、及びビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。アミノ系化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、及び3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。グリシドキシ系化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。ニトロ系化合物としては、例えば、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、及び3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。クロロ系化合物としては、例えば、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、及び2−クロロエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
これらシランカップリング剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらシランカップリング剤の中でも、添加効果が大きい観点及びコストの観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記シランカップリング剤は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜20質量部、更に好ましくは1〜15質量部含有される。シランカップリング剤の含有量が前記範囲内であると、分散性、カップリング効果、補強性、耐摩耗性が向上する。
本発明のゴム組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、機械強度、耐熱性、又は耐候性等の物性の改善、硬度の調製、ゴムの増量などを目的とし、更に上記フィラー(B)以外のフィラー(B’)が含まれていてもよい。フィラー(B’)としては、例えば、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス繊維、繊維状フィラー、ガラスバルーン等の無機フィラー、樹脂粒子、木粉、及びコルク粉等の有機フィラーなどが挙げられる。本発明のゴム組成物が上記フィラー(B’)を含有する場合、その含有量は、固形ゴム(A)100質量部に対して、0.1〜120質量部が好ましく、5〜90質量部がより好ましく、10〜80質量部が更に好ましい。
本発明のゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、加工性、流動性等の改良を目的とし、必要に応じてシリコンオイル、アロマオイル、TDAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、RAE(Residual AromaticExtracts)、パラフィンオイル、ナフテンオイル等のプロセスオイル;脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、C9系樹脂、ロジン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂成分を軟化剤として含有していてもよい。本発明のゴム組成物が上記プロセスオイルを軟化剤として含有する場合には、その含有量は、固形ゴム(A)100質量部に対して50質量部より少ないことが好ましい。
本発明のゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、耐候性、耐熱性、耐酸化性等の向上を目的として、必要に応じて老化防止剤、ワックス、酸化防止剤、滑剤、光安定剤、スコーチ防止剤、加工助剤、顔料や色素等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、艶消し剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、発泡剤、抗菌剤、防カビ剤、香料等の添加剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、ラクトン系化合物、ヒドロキシル系化合物等が挙げられる。老化防止剤としては、例えば、アミン−ケトン系化合物、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、フェノール系化合物、硫黄系化合物及びリン系化合物等が挙げられる。これら添加剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。
[ゴム組成物の製造方法]
本発明のゴム組成物の製造方法は、上記各成分を均一に混合できれば特に限定されない。ゴム組成物の製造に用いる装置としては、例えば、ニーダールーダー、ブラベンダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー等の接線式又は噛合式の密閉式混練機、単軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、及びローラーなどが挙げられる。上記ゴム組成物を製造は、通常70〜270℃の温度範囲で行うことができる。
[架橋物]
本発明のゴム組成物を架橋することにより、架橋物を得ることができる。ゴム組成物の架橋条件は、その用途等に応じて適宜設定できる。例えば、硫黄又は硫黄化合物を架橋剤とし、ゴム組成物を金型により架橋(加硫)する場合には、架橋温度は通常120〜200℃、加圧条件は通常0.5〜2.0MPaとし、架橋(加硫)することができる。
架橋物中からの、液状ジエン系ゴム(C)の抽出率は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
なお、上記抽出率は、架橋物2gをトルエン400ml中に浸漬し、23℃で48時間後にトルエン中に抽出された液状ジエン系ゴム(C)の量から算出することができる。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を少なくとも一部に用いる。そのため、機械強度が良好であり、また優れた転がり抵抗性能を備える。更に、本発明のゴム組成物を用いたタイヤは液状ジエン系ゴム(C)の移行性が低いため、長期間使用した場合でも前記機械強度等の特性を維持することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例及び比較例において使用した各成分は以下のとおりである。
<固形ゴム(A)>
天然ゴム:「SMR20」(マレーシア製天然ゴム)
<フィラー(B)>
カーボンブラック:ダイヤブラックI(三菱化学株式会社製) (平均粒径20nm)
<液状ジエン系ゴム(C)>
後述の製造例1〜7の液状ポリイソプレン
<任意成分>
・架橋剤(D)
硫黄(微粉硫黄200メッシュ、鶴見化学工業株式会社製)
・加硫促進剤(E)
ノクセラーNS−P (大内新興化学工業株式会社製)
・加硫助剤(F)
ステアリン酸 :ルナックS−20(花王株式会社製)
亜鉛華 :酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製)
・その他
TDAE :VivaTec500(H&R社製)
老化防止剤(1) :ノクラック6C(大内新興化学工業株式会社製)
老化防止剤(2) :アンテージRD(川口化学工業株式会社)
製造例1:液状ポリイソプレン(C−1)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、ヘキサン600g、及びn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)44.9gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、イソプレン2050gを加えて1時間重合した(重合工程)。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液2695gを得た。耐圧容器中のこの重合溶液に、60℃の温水を、重合溶液/温水の体積比=2/1となるように添加し、30分撹拌した後30分静置し、重合溶液相と水相とが分離していることを確認した後、水相を除去した(以下、この操作を洗浄操作(1)という。)。この洗浄操作(1)を更に繰り返し、全体で洗浄操作(1)を4回行った。洗浄操作を経た重合溶液を、70℃で12時間真空乾燥することにより、液状ポリイソプレン(C−1)を得た。得られた液状ポリイソプレン(C−1)の物性を表1に示す。
製造例2:液状ポリイソプレン(C−2)の製造
上記洗浄操作(1)を3回とする以外は実験例1と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリイソプレン(C−2)を得た。得られた液状ポリイソプレン(C−2)の物性を表1に示す。
製造例3:液状ポリイソプレン(C−3)の製造
十分に乾燥した耐圧容器を窒素置換し、この耐圧容器に、ヘキサン600g、及びn−ブチルリチウム(17質量%ヘキサン溶液)13.9gを仕込み、70℃に昇温した後、撹拌条件下、重合温度を70℃となるように制御しながら、イソプレン1370gを加えて1時間重合した(重合工程)。その後、メタノールを添加して重合反応を停止させ、重合溶液1980gを得た。その後製造例1に記載の洗浄操作(1)を3回行った。洗浄操作を経た重合液を、70℃で12時間真空乾燥することにより、液状ポリイソプレン(C−3)を得た。得られた液状ポリイソプレン(C−3)の物性を表1に示す。
製造例4:液状ポリイソプレン(C−4)の製造
上記洗浄操作(1)を2回とする以外は製造例3と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリイソプレン(C−4)を得た。得られた液状ポリイソプレン(C−4)の物性を表1に示す。
製造例5:液状ポリイソプレン(C−5)の製造
上記洗浄操作(1)を1回とする以外は製造例3と同様の重合、洗浄操作、乾燥を行い、液状ポリイソプレン(C−5)を得た。得られた液状ポリイソプレン(C−5)の物性を表1に示す。
製造例6:液状ポリイソプレン(C−6)の製造
製造例1と同様の重合工程にて重合を実施し、重合反応液にメタノールを添加して重合反応を停止させた。次いで、重合溶液を耐圧容器から抜き取った後、該耐圧容器を洗浄せずに連続使用し、イソプレンを1190g用いた以外は製造例1と同様の重合工程にて2回目の重合を実施した。2回目の重合で得られた重合溶液を洗浄することなく、70℃で12時間真空乾燥し、液状ポリイソプレン(C−6)を得た。得られた液状ポリイソプレン(C−6)の物性を表1に示す。
製造例7:液状ポリイソプレン(C−7)の製造
製造例3と同様の重合工程にて重合を実施し、重合反応液にメタノールを添加して重合反応を停止させた。次いで、重合溶液を耐圧容器から抜き取った後、該耐圧容器を洗浄せずに連続使用し、イソプレンを359g用いた以外は製造例3と同様の重合工程にて2回目の重合を実施した。2回目の重合で得られた重合溶液を洗浄することなく、70℃で12時間真空乾燥し、液状ポリイソプレン(C−7)を得た。得られた液状ポリイソプレン(C−7)の物性を表1に示す。
なお、液状ジエン系ゴム(C)の重量平均分子量(Mw)、溶融粘度及び触媒残渣量の測定方法は以下のとおりである。
(重量平均分子量の測定方法)
液状ジエン系ゴム(C)のMwはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により標準ポリスチレン換算分子量で求めた。測定装置及び条件は、以下の通りである。
・装置 :東ソー株式会社製GPC装置「GPC8020」
・分離カラム :東ソー株式会社製「TSKgelG4000HXL」
・検出器 :東ソー株式会社製「RI−8020」
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :1.0ml/分
・サンプル濃度:5mg/10ml
・カラム温度 :40℃
(溶融粘度の測定方法)
液状ジエン系ゴム(C)の38℃における溶融粘度はブルックフィールド型粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製)により測定した。
(触媒残渣量)
1)試料溶液等の調製
試料溶液:製造例1〜7で得られた液状ジエン系ゴム(C)0.5〜5.0gを精密に量り取り、少量の濃硫酸で前処理した後、白金皿に入れ、電気コンロで徐々に加熱して灰化した。冷却後、20%(v/v)塩酸5mLを加え、さらに超純水を加え50mLとし、これを試料溶液とした。
標準溶液(a)(ブランク):20%(v/v)塩酸5mLに超純水を加え50mLとした。
標準溶液(b)(Li:0.1ppm(w/v)):20%(v/v)塩酸5mL及びリチウム標準液(1000ppm(w/v))0.005mLを正確にとり、超純水を加え50mLとした。
標準溶液(c)(Li:2.0ppm(w/v)):20%(v/v)塩酸5mL及びリチウム標準液(1000ppm(w/v))0.10mLを正確にとり、超純水を加え50mLとした。
標準溶液(d)(Li:5.0ppm(w/v)):20%(v/v)塩酸5mL及びリチウム標準液(1000ppm(w/v))0.25mLを正確にとり、超純水を加え50mLとした。
2)測定方法
原子吸光光度法フレーム方式(フレーム:空気―アセチレン(波長:670.8nm))の検量線法により求めた。前記の標準溶液(a)、(b)、(c)及び(d)の順に吸光度を測定し、検量線を作成する。次に、試料溶液の吸光度を測定し、液状ジエン系ゴム(C)1g当たりのリチウム触媒残渣量を下記式により計算した。吸光度の測定には、偏光ゼーマン原子吸光分光光度計(型式「Z−5010」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。原子吸光用リチウム標準液としては、和光純薬工業(株)製の製品を使用した。
触媒残渣量(リチウム:ppm(w/v))=(C/試料採取量(g))×50
(但し、C=測定液中のリチウム濃度(ppm(w/v)))
Figure 0006282449
(実施例1〜5及び比較例1〜3)
表2に記載した配合割合(質量部)にしたがって、固形ゴム(A)、フィラー(B)、液状ジエン系ゴム(C)、TDAE、加硫助剤(F)及び老化防止剤を、それぞれ密閉式バンバリーミキサーに投入して開始温度75℃、樹脂温度が160℃となるように6分間混練した後、ミキサー外に取り出して室温まで冷却した。次いで、この混合物をミキシングロールに入れ、架橋剤(D)及び加硫促進剤(E)を加えて60℃で6分間混練することでゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のタックを下記の方法により測定した。
また、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、25分)して架橋物(加硫ゴム)シート(厚み2mm)を作製し、下記の方法に基づき転がり抵抗性能、熱劣化後の引張強度保持率を評価した。結果を表2に示す。
なお、各評価の測定方法は以下のとおりである。
(1)タック
実施例及び比較例で作製した未架橋のゴム組成物を、ロールを用いて厚さ2mmのシート状に成形し、4cm×2.5cmの試験片を2枚切り出した。23±2℃、相対湿度65±15%の環境下で、試験片同士を100g/cm2の荷重をかけて10秒間張り合わせ、試験片を引き剥がしたときの粘着力(タック)を3段階で評価した。比較例3のゴム組成物のタックを2とし、比較例3のゴム組成物よりタックが強い場合は3、タックが弱い場合は1とした。尚、数値が2のときタックが良好である。
(2)転がり抵抗性能
実施例及び比較例で作製した架橋物シートから縦40mm×横7mmの試験片を切り出し、GABO社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度60℃、周波数10Hz、静的歪み10%、動的歪み2%の条件で、tanδを測定し、転がり抵抗の指標とした。各実施例及び比較例の数値は、比較例3の値を100とした際の相対値である。なお、数値が小さいほどゴム組成物の転がり抵抗性能が良好である。
(3)耐熱性
実施例及び比較例で作製した架橋物シートを100℃で48時間加熱した後、JIS3に準じてダンベル状試験片を打ち抜き、インストロン社製引張試験機を用いて、JIS K 6251に準じて引張破断強度を測定した。また、加熱前のシートについても、同様に引張破断強度を測定し、下記式に基づき引張強度保持率を算出した。数値が100に近いほど耐熱性が良好である。
引張強度保持率(%)=〔加熱後の引張破断強度〕/〔加熱前の引張破断強度〕×100
Figure 0006282449
実施例1〜5及び比較例3を比較すれば、特定の触媒残渣量の液状ポリイソプレンを含有することで、転がり抵抗性能に優れたゴム組成物を得られることが分かる。実施例1〜5及び比較例1又は2を比較すれば、触媒残渣量が少ないポリイソプレンを用いることで、タックが良好であることから加工性に優れ、転がり抵抗性能に優れたゴム組成物を得られることが分かる。また、実施例1〜5の本発明のゴム組成物は、液状ジエン系ゴム(C)成分を含有しない比較例3と同等の耐熱性を示すのに対し、触媒残渣量が本発明の規定より多い液状ポリイソプレンを用いた比較例1,2では、耐熱性に劣ることが分かる。
本発明のゴム組成物は加工性に優れ、かつ架橋剤を加えて架橋した場合、機械強度及び転がり抵抗性能に優れ、耐熱性も良好な架橋物を与えることから、タイヤ用途、工業用ベルト、工業用ゴムホース等の工業用部材用途などに好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 固形ゴム(A)100質量部に対して、カーボンブラック及びシリカから選ばれる少なくとも1種のフィラー(B)20〜150質量部、及び液状ジエン系ゴム(C)0.1〜30質量部を含有するゴム組成物であり、
    前記液状ジエン系ゴム(C)の38℃で測定した溶融粘度が0.1〜3,000Pa・sの範囲にあり、その液状ジエン系ゴム(C)が未変性の液状ジエン系ゴムであり、かつ該液状ジエン系ゴム(C)の製造に用いるチーグラー系触媒、メタロセン系触媒、アニオン重合可能な活性金属又は活性金属化合物である重合触媒に由来する触媒残渣量が、金属換算で0〜150ppmの範囲であるゴム組成物。
  2. 液状ジエン系ゴム(C)の分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜8.0である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 液状ジエン系ゴム(C)の38℃で測定した溶融粘度が0.1〜2,000Pa・sの範囲にある請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 液状ジエン系ゴム(C)の重量平均分子量(Mw)が8,000〜100,000である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 液状ジエン系ゴム(C)の38℃で測定した溶融粘度が74〜540Pa・sの範囲である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を少なくとも一部に用いたタイヤ。
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