[1.メッセージ返信システムの全体構成]
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係るメッセージ返信サーバを、複数のユーザが参加するチャットにおける返信を制御するメッセージ返信システムに適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は、実施形態に係るメッセージ返信システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、メッセージ返信システム1は、メッセージ返信サーバ10及び複数の端末20を含む。メッセージ返信サーバ10及び各端末20は、通信ネットワーク2を介して、互いにデータ送受信可能に接続される。
メッセージ返信サーバ10は、サーバコンピュータによって実現される。図1に示すように、メッセージ返信サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、例えば、マイクロプロセッサ等を含み、オペレーティングシステムやその他のプログラムに従って処理を実行する。記憶部12は、主記憶部(例えば、RAM)及び補助記憶部(例えば、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ)を含む。通信部13は、通信ネットワーク2を介してデータ通信を行うためのものである。
端末20は、ユーザが操作するコンピュータである。例えば、端末20は、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)、ゲーム機、又はパーソナルコンピュータによって実現される。図1に示すように、端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。
制御部21、記憶部22、及び通信部23は、メッセージ返信サーバ10の制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様である。操作部24は、入力デバイスであり、例えば、タッチパネル等である。表示部25は、例えば、液晶表示パネル又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21の指示に従って画面を表示する。
なお、本実施形態において、記憶部12や記憶部22に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、例えば、通信ネットワーク2を介してメッセージ返信サーバ10や端末20に供給されるようにしてもよい。また、メッセージ返信サーバ10又は端末20は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、メモリカード)に記憶されたプログラム又はデータを読み取るための構成要素を含むようにしてもよい。そして、情報記憶媒体を介してメッセージ返信サーバ10又は端末20にプログラムやデータを供給するようにしてもよい。
[2.メッセージ返信システムにおいて実行されるチャット]
次に、互いに協力してゲームをプレイする4人のユーザが作戦を話し合う場面を例に挙げて、メッセージ返信システム1において実行されるチャットについて説明する。ここでは、これら4人のユーザを、それぞれユーザA、X、Y及びZと記載する。
図2は、ユーザAの端末20に表示されるチャット画像の一例を示す図である。図2に示すように、チャット画像30には、複数のユーザの各々のメッセージを示すメッセージ画像32A〜32H(以降、これらをまとめてメッセージ画像32ともいう。)が時系列に並んでいる。
メッセージは、ユーザ間で伝達される情報の内容であり、例えば、各ユーザが入力した記号列や指定した画像により構成される。ここでの記号列とは、文字列(テキスト)を含む意味である。また、メッセージが時系列に並ぶとは、メッセージの入力順(送信順)に、画面上でメッセージ画像32が並んで表示されることである。
図2のt軸は、時間軸である。図2の画面例では、メッセージ画像32Aは、最も新しいメッセージを示し、メッセージ画像32Hは、最も古いメッセージを示している。即ち、チャット画像30では、所定方向(図2では、上方向)に行くほど、新しいメッセージを示すメッセージ画像32が表示され、所定方向とは逆方向(図2では、下方向)に行くほど、古いメッセージを示すメッセージ画像32が表示されることで、メッセージが時系列で並ぶようになっている。
また、チャット画像30には、メッセージを入力したユーザのアバタ画像34A〜34H(以降、これらをまとめてアバタ画像34ともいう。)が表示されている。例えば、ユーザAのチャット画像30では、一の端部(図2では、左端)付近に、ユーザA以外(即ち、ユーザX、Y、及びZ)のアバタ画像34が表示され、対向する端部(図2では、右端)付近に、ユーザAのアバタ画像34が表示される。なお、端部付近とは、画面の端部から所定距離までの領域(例えば、端部から所定ピクセル離れた画素までの領域)である。
本実施形態では、各ユーザは、宛先を指定してメッセージを入力することができる。宛先とは、メッセージを伝える相手、端末20、又はアカウントのことである。例えば、メッセージ画像32Aは、ユーザYがユーザAに宛てたメッセージを示し、メッセージ画像32B及び32Fは、ユーザXがユーザAに宛てたメッセージを示している。更に、メッセージ画像32Eは、ユーザXがユーザYに宛てたメッセージを示し、メッセージ画像32Gは、ユーザYがユーザXに宛てたメッセージを示している。
図2に示すように、ユーザAのチャット画像30では、ユーザA宛てのメッセージを示すメッセージ画像32A、32B、及び32Fと、ユーザA以外のユーザ(即ち、ユーザX、Y、又はZ)宛てのメッセージを示すメッセージ画像32E及び32Gと、は表示態様が異なっている。例えば、メッセージ画像32A、32B、及び32Fは、第1の色(図2では、斜線で示す)であり、右方向を向く矢印を含む。一方、メッセージ画像32E及び32Gは、第2の色(図2では、網点で示す)であり、矢印を含まない。その代わりに、メッセージ画像32E及び32Gは、宛先を示す宛先画像36E及び36Gが付与されている。
ユーザAは、上記のように表示されるチャット画像30を確認しつつ、メッセージを入力することができる。例えば、ユーザAが所定の操作を行うと、新規のメッセージを入力するための入力フォームが表示される。そして、ユーザAは、この入力フォームにおいて、新規のメッセージを入力して宛先を指定する。なお、新規のメッセージを入力するための入力フォームは、所定の操作を行わなくても表示されているようにしてもよい。
更に、本実施形態では、各ユーザは、ユーザ全体宛てにメッセージを送ったり、宛先を指定せずにメッセージを送ったりすることもできる。図2及び図3の例では、ユーザ全体宛て又は宛先を指定せずに送ったメッセージのメッセージ画像32D及び32Hは、第4の色となる(図2では、白抜きで示す)。
また、本実施形態では、ユーザAが、自分宛てのメッセージを示すメッセージ画像32(図2の例では、メッセージ画像32A、32B、又は32F)を選択すると、そのメッセージの送信者を宛先とした返信のメッセージを入力するための入力フォームが表示される。
図3は、ユーザAが自分宛てのメッセージを示すメッセージ画像32を選択した場合のチャット画像30の一例を示す図である。図3の例では、ユーザAがメッセージ画像32Fを選択した場合を示している。図3に示すように、入力フォーム38には、メッセージの宛先を指定するための宛先欄40に、メッセージ画像32Fが示すメッセージを入力したユーザXが指定されている。ユーザAは、メッセージ入力欄42に文字列等を入力する。その後、ユーザAが返信ボタン44を選択すると、ユーザXが入力したメッセージに対して返信することができる。
ユーザAがユーザX宛てに返信したメッセージを示すメッセージ画像32(図2及び図3のメッセージ画像32C)は、ユーザAのチャット画像30では、第3の色であり(図2及び図3では、縦線で示す)、左向きの矢印を含む。また、図2及び図3に示すメッセージ画像32Cは、ユーザX宛てのメッセージであることを示す宛先画像36Cが付与されている。
本実施形態では、各ユーザは、自分宛ての複数のメッセージに対して一度に返信することもできる。例えば、ユーザAが、自分宛ての複数のメッセージを選択すると、これら複数のメッセージに対して一の返信をするための入力フォームがチャット画像30に表示される。なお、以降では、ユーザが1つのメッセージに対して返信する場合を個別返信と記載し、ユーザが複数のメッセージに対して返信する場合を一括返信と記載して、これらを区別する。なお、一括返信とは、複数のメッセージに対して同一の入力及び送信の操作により(即ち、個別に返信メッセージの入力及び送信の操作をすることなく)、複数の宛先に返信メッセージを送信することである。
図4は、ユーザAが自分宛ての複数のメッセージを選択した場合のチャット画像30の一例を示す図である。図4の例では、ユーザAがメッセージ画像32A及び32Bを選択した場合を示している。図4に示すように、入力フォーム46の宛先欄48には、ユーザAが選択した複数のメッセージの各送信者(ここでは、ユーザX及びY)が指定されている。ユーザAは、メッセージ入力欄50に、一括返信のメッセージを入力する。一括返信のメッセージは、通常のメッセージと同様、記号列や画像等から構成される。ユーザAが一括返信ボタン52を選択すると、複数のメッセージの各送信者(ここでは、ユーザX及びY)宛てに、一括返信のメッセージを送ることができる。
図5は、一括返信のメッセージをユーザAから受け取ったユーザXのチャット画像30の一例を示す図である。図5に示すように、ユーザAが入力した一括返信のメッセージを表すメッセージ画像32Iが表示される。例えば、ユーザAが入力した一括返信のメッセージは、ユーザX及びYのそれぞれが入力したメッセージの回答を含んでいる。メッセージ画像32Iに付与された宛先画像36Iが示すように、一括返信のメッセージの宛先は、一括返信の元の各メッセージの送信者(ここでは、ユーザX及びY)となる。
また、チャット画像30を見る主体がユーザAではなくユーザXなので、ユーザXが、自分宛てのメッセージと他人宛てのメッセージとを区別できるように、図5のチャット画像30は、図2のチャット画像30と表示内容が異なる。具体的には、図5に示すように、メッセージ画像32C、32G、及び32Iは、ユーザX宛てのメッセージを示すので、第1の色となり、右向きの矢印を含む。また、メッセージ画像32Aは、ユーザX以外を宛先にしたメッセージを示すので、第2の色となる。メッセージ画像32B、32E、及び32Fは、ユーザXが入力したメッセージを示すので、第3の色となり左向きの矢印を含む。メッセージ画像32Dは、ユーザ全体が宛先のメッセージ又は宛先が指定されていないメッセージを示すので、第4の色となる。なお、チャット画像30の表示内容が異なる点は、ユーザY及びZのチャット画像30も同様である。
上記のように、本実施形態のメッセージ返信システム1では、ユーザ宛ての複数のメッセージに対して一括返信することにより、ユーザが複数のメッセージに対して返信する場合の手間を軽減することができる構成になっている。以下、本技術を実現するための処理を詳細に説明する。
[3.メッセージ返信システムにおいて実現される機能]
図6は、メッセージ返信システム1で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。ここでは、各端末20で実現される機能を説明した後に、メッセージ返信サーバ10で実現される機能を説明する。なお、図6では、簡略化のため、1つの端末20のみ図示しているが、各端末20で同様の機能が実現される。また、図6に示す各機能のうち、選択受付部68、メッセージ取得部70、及び返信部74以外のものは省略するようにしてもよい。
[3−1.各端末で実現される機能]
各端末20では、メッセージ入力部60、送受信部62、及び表示制御部64が実現される。メッセージ入力部60は、制御部21及び操作部24を主として実現され、送受信部62は、制御部21及び通信部23を主として実現され、表示制御部64は、制御部21及び表示部25を主として実現される。
[メッセージ入力部]
メッセージ入力部60は、メッセージの入力を受け付ける。例えば、メッセージ入力部60は、ユーザによる記号列の入力や画像の指定を受け付ける。なお、メッセージに含まれる画像は、端末20に記憶されていてもよいし、メッセージ返信サーバ10に記憶されていてもよい。本実施形態では、メッセージ入力部60は、新規のメッセージ、個別返信のメッセージ、及び一括返信のメッセージの入力を受け付けることになる。
また、本実施形態では、メッセージに宛先を指定することができるので、メッセージ入力部60は、宛先の指定を受け付ける。例えば、メッセージ入力部60は、少なくとも一人のユーザの指定を受け付ける。本実施形態では、複数のユーザが参加するチャットが実現されるので、メッセージ入力部60は、チャットに参加するユーザの少なくとも一人の指定を受け付けることになる。更に、本実施形態では、送信可能な宛先の全体を宛先に指定することもできるので、メッセージ入力部60は、この全体の指定を受け付ける。即ち、メッセージ入力部60は、チャットに参加するユーザ全員を宛先として受け付けることができる。
[送受信部]
送受信部62は、送受信部72と各種データを送受信する。例えば、送受信部62は、メッセージ入力部60が受け付けたメッセージや宛先情報を送信する。他にも、送受信部62は、ユーザの各種操作内容を送信するようにしてもよい。また、送受信部62は、後述する送受信部72が送信した、チャット画像30を表示させるためのデータを受信する。
[表示制御部]
表示制御部64は、送受信部62が受信したデータに基づいて、チャット画像30を表示部25に表示させる。
[3−2.メッセージ返信サーバで実現される機能]
メッセージ返信サーバ10では、データ記憶部66、選択受付部68、メッセージ取得部70、送受信部72、及び返信部74が実現される。例えば、データ記憶部66は、記憶部12を主として実現され、他の各機能は、制御部11及び通信部13を主として実現される。
[データ記憶部]
データ記憶部66は、メッセージに関する各種データをメッセージデータベースに記憶する。図7は、メッセージデータベースのデータ格納例を示す図である。図7に示すように、メッセージデータベースには、メッセージID、送信者情報、宛先情報、メッセージ、及び時間情報が関連付けられて格納される。
メッセージIDは、各メッセージを一意に識別するための情報である。送信者情報は、メッセージを入力(送信)したユーザを識別する情報である。宛先情報は、メッセージの宛先を示す情報である。なお、メッセージの宛先が指定されていない場合には、宛先情報に何も格納されないものとする。時間情報は、メッセージの入力時間である。時間情報は、日時を示してもよいし、時刻のみを示してもよい。
なお、データ記憶部66に記憶されるデータは、上記の例に限られない。データ記憶部66は、ユーザ間でのメッセージのやり取りを実現するためのデータを記憶していればよい。例えば、本実施形態では、データ記憶部66は、チャット画像30を表示させるためのデータを、ユーザごとに記憶している。また、データ記憶部66は、チャットに参加するユーザを識別する情報や、各ユーザの詳細情報を記憶していてもよい。他にも例えば、データ記憶部66は、メッセージ画像32やアバタ画像34などの各種画像データを記憶してもよい。
[選択受付部]
選択受付部68は、複数のメッセージのうちのユーザによる複数の選択を受け付ける。例えば、選択受付部68は、各ユーザの端末20にメッセージ画像32が表示されたメッセージのうちの複数の選択を受け付ける。本実施形態では、各メッセージに宛先を指定することができるので、選択受付部68は、各ユーザによる、自分宛ての複数のメッセージのうちの複数の選択を受け付けることになる。なお、本実施形態の選択受付部68は、複数のメッセージのうちの何れか一つのみの、ユーザによる選択を受け付けることもできる。
[メッセージ取得部]
メッセージ取得部70は、各ユーザが入力したメッセージに関するデータを取得する。メッセージに関するデータとは、メッセージデータベースに格納すべきデータである。
例えば、メッセージ取得部70は、各端末20のメッセージ入力部60が受け付けた新規のメッセージを取得する。本実施形態では、新規のメッセージに宛先を指定することができるので、メッセージ取得部70は、各端末20のメッセージ入力部60が受け付けたメッセージの宛先を示す宛先情報も取得する。メッセージ取得部70が取得したメッセージや宛先情報は、メッセージデータベースに格納される。
また、メッセージ取得部70は、選択受付部68が選択を受け付けた複数のメッセージの各送信元を宛先とした一の返信メッセージとして入力された一括返信のメッセージに関するデータを取得する。送信元とは、メッセージを送信したユーザ、端末20、又はアカウント等である。例えば、メッセージ取得部70は、各端末20のメッセージ入力部60が受け付けた一括返信のメッセージや宛先情報を取得する。メッセージ取得部70が取得した一括返信のメッセージや宛先情報は、メッセージデータベースに格納される。
更に、メッセージ取得部70は、選択受付部68が選択を受け付けた一のメッセージの送信元を宛先とした返信メッセージとして入力された個別返信のメッセージに関するデータを取得する。例えば、メッセージ取得部70は、各端末20のメッセージ入力部60が受け付けた個別返信のメッセージや宛先情報を取得する。メッセージ取得部70が取得した個別返信のメッセージや宛先情報は、メッセージデータベースに格納される。
[送受信部及び返信部]
送受信部72は、送受信部62と各種データを送受信する。例えば、送受信部72は、送受信部62が送信したメッセージや宛先情報を受信する。また例えば、送受信部72は、各ユーザが入力したメッセージを送受信部62に送信する。なお、本実施形態では、各ユーザが入力したメッセージはチャットに参加する全ユーザに送信される場合を説明するが、宛先にのみ送信されるようにしてもよい。
本実施形態では、送受信部72は、各ユーザの端末20にチャット画像30を表示させるためのデータを送信する。別の言い方をすれば、送受信部72は、ユーザの端末20ごとに、その端末20にチャット画像30を表示させるためのデータを送信する。なお、送受信部72が送信するデータは、表示部25に画像を表示させるためのデータ形式であればよく、例えば、HTML形式のデータである。また、ここでは、送受信部72が、送信対象のデータを生成するものとして説明する。
送受信部72は、返信部74を含む。返信部74は、メッセージ取得部70により取得されたデータに基づいて、一括返信のメッセージを、選択受付部68が選択を受け付けた複数のメッセージの各送信元のユーザ(一括返信の元のメッセージを入力したユーザ)宛てに返信する。本実施形態における返信とは、メッセージの送信元を宛先にした返信のことであり、当該送信元に返信メッセージを送信することである。送信元宛てに返信するとは、一括返信のメッセージを表示させるためのデータを送信元に送信することである。返信部74は、一括返信のメッセージを表示させるためのデータ(ここでは、一括返信のメッセージを表示させるためのチャット画像30のデータ)を各送信元のユーザの端末20に送信することになる。
[4.メッセージ返信システムにおいて実行される処理]
図8及び図9は、メッセージ返信システム1が実行する処理を示すフロー図である。図8及び図9に示す処理は、複数のユーザが参加するチャットが開始する場合に、制御部11が、記憶部12に記憶されたプログラムに従って動作し、制御部21が、記憶部22に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。下記に説明する処理が実行されることにより、図6に示す機能ブロックが実現される。なお、図8及び図9では、簡略化のために、一つの端末20のみを図示しているが、各端末20で同様の処理が実行される。
まず、図8に示すように、メッセージ返信サーバ10においては、制御部11は、端末20ごとに、チャット画像30の初期画面を表示させるためのデータを生成し(S1)、各端末20に送信する(S2)。ここでは、メッセージ返信サーバ10は、チャットに参加するユーザごとに、チャット画像30を表示させるためのデータを記憶部12に管理している。なお、S1で生成されるデータは初期画面なので、メッセージ画像32やアバタ画像34は、まだ含まれていない。
各端末20においては、データを受信すると、制御部21は、チャット画像30を表示部25に表示させ(S3)、新規のメッセージをユーザが入力したか否かを判定する(S4)。先述のように、新規のメッセージは、ユーザが所定の操作を行った場合に入力される。また、新規のメッセージにも、一又は複数のユーザを宛先に指定することが可能である。なお、各端末20の記憶部22には、チャットに参加する全ユーザのユーザIDが記憶されているものとする。ユーザがメッセージの宛先を指定する際には、制御部21は、記憶部22に記憶されたユーザIDを参照する。
新規のメッセージをユーザが入力したと判定されない場合(S4;N)、後述するS8の処理に移行する。この場合、チャットに参加する別のユーザがメッセージを入力したことによって、チャット画像30の表示を更新するためのデータを受信したか否かが判定されることになる。
一方、新規のメッセージをユーザが入力したと判定された場合(S4;Y)、制御部21は、メッセージ及び宛先情報をメッセージ返信サーバ10に送信する(S5)。なお、各端末20からメッセージ返信サーバ10に対して情報が送信される場合には、ユーザIDなども送信されており、メッセージ返信サーバ10は、どのユーザからメッセージや宛先情報を受信したかを特定できるようになっている。また、宛先が指定されなかった場合には、宛先情報は送信されないものとする。
メッセージ返信サーバ10においては、メッセージ及び宛先情報を受信すると、制御部11は、メッセージデータベースに格納し(S6)、チャット画像30の表示を更新させるためのデータを生成及び送信する処理を実行する(S7)。S6においては、制御部11は、所定のID発行ルールのもとでメッセージIDを発行して、メッセージデータベースに新たなレコードを作成する。そして、制御部11は、作成した新たなレコードに、発行したメッセージID、メッセージを入力したユーザのユーザID、受信した宛先情報、受信したメッセージ、及び現在の時間を格納する。
図10は、S7において実行される処理の詳細を示す図である。図10に示す処理では、チャットに参加するユーザごとに、チャット画像30の表示を更新させるためのデータが生成される。図10に示すように、まず、制御部11は、チャットに参加するユーザのうち、送信先のユーザを選出する(S21)。
送信先のユーザとは、チャット画像30のデータを送信する相手先(送信対象)のユーザのことである。別の言い方をすれば、送信先のユーザは、端末20を操作するユーザ、又は、チャット画像30に対応するユーザ(チャット画像30を見るユーザ)ともいえる。本実施形態では、送信先のユーザは、チャットに参加する複数のユーザのそれぞれである。S21においては、制御部11は、これからデータを生成するユーザを選出することになる。
制御部11は、新たに入力されたメッセージの送信者情報を参照して、送信先のユーザが入力したメッセージであるか否かを判定する(S22)。送信先のユーザとは異なるユーザが入力したと判定された場合(S22;N)、制御部11は、メッセージの宛先情報を参照する(S23)。
送信先のユーザ宛てのメッセージ(宛先に送信先のユーザを含むメッセージ)である場合(S23;送信先)、制御部11は、右方向の矢印を含む第1の色のメッセージ画像32を生成して、左側にアバタ画像34を配置する(S24)。このアバタ画像34は、メッセージを入力したユーザのアバタ画像34である。以降のS25〜S27で説明するアバタ画像34も同様である。なお、複数のユーザが宛先に指定されている場合には、制御部11は、この宛先を示す宛先画像36を生成してメッセージ画像32に付与する。
一方、送信先のユーザとは異なるユーザ宛てのメッセージ(宛先に送信先のユーザを含まないメッセージ)である場合(S23;異なるユーザ)、制御部11は、宛先画像36を付与した第2の色のメッセージ画像32を生成して、左側にアバタ画像34を配置する(S25)。S25においては、制御部11は、メッセージの宛先情報を参照して、宛先画像36を生成することになる。
一方、ユーザ全体宛て又は宛先が指定されていないメッセージである場合(S23;その他)、制御部11は、第4の色のメッセージ画像32を生成して、左側にアバタ画像34を配置する(S26)。
S22において、送信先のユーザが入力したと判定された場合(S22;Y)、制御部11は、左向きの矢印を含む第3の色のメッセージ画像32を生成して、右側にアバタ画像34を配置する(S27)。なお、宛先が指定されている場合には、S27においては、制御部11は、メッセージの宛先情報を参照して、宛先画像36を生成してメッセージ画像32に付与する。
制御部11は、メッセージが時系列で並ぶように、S24〜S27の何れかで生成した各画像を元々のチャット画像30にマージさせて、チャット画像30を表示させるためのデータを生成する(S28)。本実施形態では、最新のメッセージを示すメッセージ画像32がチャット画像30の上側に表示されるので、S28においては、制御部11は、S24〜S27の何れかで生成した各画像を元々のチャット画像30の上側にマージさせることで、更新後のチャット画像30のデータを生成する。制御部11は、生成したデータを送信先のユーザと関連付けて記憶部12に保持する。
制御部11は、全てのユーザのデータを生成したか否かを判定する(S29)。まだデータを生成していないユーザがいると判定された場合(S29;N)、S21に戻り、次の送信先のユーザのデータが生成される。全てのユーザのデータを生成したと判定された場合(S29;Y)、制御部11は、生成したデータを各端末20に送信し(S30)、本処理は終了して図8のメインルーチンに戻る。S30においては、制御部11は、S28で生成した各データを、送信先のユーザの端末20に送信する。なお、ここでは、制御部11は、各メッセージ画像32が示すメッセージのメッセージID、送信者情報、及び宛先情報も送信するようにしてもよい。
図8に戻り、各端末20においては、制御部21は、チャット画像30を表示させるためのデータを受信したか否かを判定する(S8)。データを受信したと判定されない場合(S8;N)、チャット画像30の表示は更新されず、後述するS10の処理に移行する。
一方、データを受信したと判定された場合(S8;Y)、制御部21は、チャット画像30の表示を更新する(S9)。S9においては、制御部21は、受信したデータに基づいて、最新のメッセージを示すメッセージ画像32が画面の上側に表示されるように、チャット画像30の表示を更新することになる。
制御部21は、ユーザが自分宛てのメッセージを指定したか否かを判定する(S10)。S10においては、制御部21は、各ユーザが、自分宛てのメッセージを示すメッセージ画像32を選択したか否かを判定することになる。なお、ここでは、各ユーザが自分宛てのメッセージ以外は指定できないものとする。即ち、宛先情報が示す宛先にユーザを含まないメッセージは指定できないものとする。
ユーザが自分宛てのメッセージを指定したと判定されない場合(S10;N)、S4の処理に戻る。一方、ユーザが自分宛てのメッセージを指定したと判定された場合(S10;Y)、制御部21は、ユーザが指定したメッセージを識別する情報を、メッセージ返信サーバ10に送信する(S11)。S11においては、制御部21は、ユーザが1つのメッセージ画像32を選択した場合には、1つのメッセージ画像32を識別する情報を送信し、ユーザが複数のメッセージ画像32を選択した場合には、これら複数のメッセージ画像32の組み合わせを識別する情報を送信することになる。
図9に移り、メッセージ返信サーバ10においては、ユーザが指定したメッセージを識別する情報を受信すると、制御部11は、当該情報を参照して、ユーザが複数のメッセージを指定したか否かを判定する(S12)。
ユーザが複数のメッセージを指定したと判定された場合(S12;Y)、制御部11は、一括返信用の入力フォーム46を表示させるためのデータを送信する(S13)。S13においては、制御部11は、ユーザが指定した複数のメッセージの送信者情報を参照し、各送信元のユーザを宛先欄48に設定した入力フォーム46を生成して送信することになる。なお、入力フォーム46の画像データは、記憶部12に予め記憶されているものとする。
各端末20においては、データを受信すると、制御部21は、一括返信用の入力フォーム46を表示部25に表示させる(S14)。以降、入力フォーム46へのメッセージの入力が受け付けられることになる。制御部21は、ユーザが一括返信ボタン52を選択したか否かを判定する(S15)。
ユーザが一括返信ボタン52を選択したと判定された場合(S15;Y)、S5の処理に移行する。この場合、S5において、入力フォーム46に入力された一括返信のメッセージ及び宛先情報がメッセージ返信サーバ10に送信される。その後、S6においてメッセージデータベースへの格納が行われ、S7においてチャット画像30を更新するための処理が実行されることになる。これら各処理の詳細は、先述した通りである。
一方、S12において、ユーザが1つのメッセージを指定したと判定された場合(S12;N)、制御部11は、個別返信用の入力フォーム38を表示させるためのデータを送信する(S16)。S16においては、制御部11は、ユーザが指定した1つのメッセージの送信者情報を参照し、その送信元のユーザを宛先欄40に設定した入力フォーム38を生成して送信することになる。なお、入力フォーム38の画像データは、記憶部12に予め記憶されているものとする。
各端末20においては、データを受信すると、制御部21は、個別返信用の入力フォーム38を表示部25に表示させる(S17)。以降、入力フォーム38へのメッセージの入力が受け付けられることになる。制御部21は、ユーザが返信ボタン44を選択したか否かを判定する(S18)。
ユーザが返信ボタン44を選択したと判定された場合(S18;Y)、S5の処理に移行する。この場合、S5において、入力フォーム38に入力された個別返信のメッセージ及び宛先情報がメッセージ返信サーバ10に送信される。その後、S6においてメッセージデータベースへの格納が行われ、S7においてチャット画像30を更新するための処理が実行されることになる。これら各処理の詳細は、先述した通りである。
一方、ユーザが一括返信ボタン52を選択したと判定されない場合(S15;N)、又は、ユーザが返信ボタン44を選択したと判定されない場合(S18;N)、制御部21は、チャットが終了したか否かを判定する(S19)。チャットは、予め定められた条件が満たされた場合に終了し、例えば、チャットを終了させるための所定操作を何れかのユーザが行った場合に終了する。チャットが終了したと判定されない場合(S19;N)、S4の処理に戻る。一方、チャットが終了したと判定された場合(S19;Y)、本処理は終了する。
以上説明したメッセージ返信システム1によれば、ユーザが複数のメッセージに対して返信する場合の手間を軽減することができる。例えば、ある特定のユーザがまとめ役となる場合には、このユーザに対して質問が集まることがある。このため、ユーザが個別に返信する場合には、質問の数だけ返信の操作をしなければならないが、一括返信を可能にすることで、1回の操作で各自に返信をすることができる。特に、ゲームの実行中に作戦をチャットする場合には、ユーザは個別に返信している時間を確保することができないので、一括返信により、迅速に作戦の決定をすることができる。
また、各ユーザは、自分宛ての複数のメッセージに対して一括返信をすることができるので、自分宛に送られた複数のメッセージに対して返信する場合の手間を軽減することができる。例えば、各ユーザは、自分宛てのメッセージと、他人宛てのメッセージと、に対して一括返信をする場合には、他人宛てのメッセージに対しても同時に返信することになるので、返信内容がかみ合わなかったり、間違った返信内容を送ってしまい周りのユーザに誤解を与えたりすることがある。このため、あくまで自分宛てのメッセージに対して一括返信させることで、ユーザ間の意思疎通をより正確に行うことができる。例えば、実行中のゲームの作戦を決める場合には、他人宛てのメッセージにも一括返信できると、ユーザ間で誤解が生じる可能性があるので、作戦を正確に決めることができないことがある。この点、自分宛てのメッセージに対して一括返信をさせることで、作戦の誤解が生じる可能性を低減して、ゲームでのミスが発生することを防止することができる。
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
図11は、変形例の機能ブロック図である。図11に示すように、変形例では、実施形態の機能に加えて、グループ所属部76及び制限部78が実現される。例えば、グループ所属部76及び制限部78は、制御部11を主として実現される。
(1)例えば、チャット画像30において、一括返信のメッセージが何に対する返信なのかを識別できるようにしてもよい。本変形例のメッセージ取得部70は、一括返信の元のメッセージを識別する返信元情報を取得する。例えば、返信元情報は、一括返信の元のメッセージのメッセージIDである。即ち、メッセージ取得部70は、ユーザが一括返信を入力する場合に指定した各メッセージのメッセージIDを、返信元情報として取得する。なお、メッセージ取得部70は、個別返信の元のメッセージを識別する情報を取得するようにしてもよい。
図12は、変形例におけるメッセージデータベースのデータ格納例を示す図である。図12に示すように、メッセージデータベースには、各メッセージの返信元情報が格納される。なお、一括返信又は個別返信ではないメッセージは、返信元情報は格納されない。また、ここでは、返信元情報が、元のメッセージのメッセージIDである場合を説明するが、返信元情報は、元のメッセージを特定する情報であればよく、これに限られない。
本変形例の返信部74は、一括返信のメッセージを、返信の元となるメッセージと関連付けて返信する。メッセージを関連付けるとは、複数のメッセージ画像32を互いに対応する表示態様(例えば、色、輝度、形状、大きさの少なくとも一つが対応すること)で表示させること、又は、複数のメッセージ画像32を指し示す画像を表示させることである(例えば、複数のメッセージ画像32を結合する線を表示させたり、複数のメッセージ画像32を指し示す矢印を表示させたりすること)。
図13は、ユーザXのチャット画像30の一例を示す図である。図13の例では、メッセージ画像32Iは、ユーザAが入力した一括返信のメッセージを示している。メッセージ画像32A及び32Bの各々が示すメッセージは、一括返信の元のメッセージである。図13の例では、返信部74は、メッセージ画像32C〜32Hを暗転(図11では、網かけで示す。)して表示させ、メッセージ画像32A、32B、及びメッセージ画像32Iを暗転せずに表示させるためのデータを生成及び送信することになる。
なお、ここでは、メッセージを関連付けることの一例として、メッセージ画像32を暗転せずに互いに対応する輝度で表示させる場合を説明したが、互いに関連付けられた複数のメッセージを識別可能にすればよく、メッセージを関連付けるための表示制御は、これに限られない。以降説明する変形例についても同様である。
また、上記のような関連付けの表示は、チャット画像30において常に行われるのではなく、ユーザがメッセージを指定した場合に行われるようにしてもよい。例えば、返信部74は、ユーザが一括返信のメッセージを指定した場合に、当該指定された一括返信のメッセージと、元のメッセージと、を関連付けるようにしてもよい。更に、返信部74は、ユーザが元のメッセージを指定した場合に、当該指定された元のメッセージと、それに対する一括返信のメッセージと、を関連付けるようにしてもよい。
変形例(1)によれば、一括返信のメッセージを受信したユーザが、その一括返信のメッセージが何に対する返信なのかを特定しやすくなる。例えば、複数のメッセージに対して一括返信が行われる場合には、返信のメッセージが1つのみであるため、ユーザによっては、本当に自分に対する返信なのかが分かりにくいことがあるが、一括返信のメッセージと、自分が入力した元のメッセージとを関連付けることで、一括返信のメッセージが自分に対するものであることを把握しやすくなる。
(2)また例えば、あるメッセージに対して次々と返信が行われた場合には、一連のメッセージが同じ話題を示している可能性が高いことになる。このため、同じ話題のメッセージをグループ化しておき、チャット画像30で識別できるようにしてもよい。
本変形例のメッセージ返信サーバ10は、グループ所属部76を含む。グループ所属部76は、メッセージの送信元を宛先とした返信が行われた場合、当該返信のメッセージを、当該返信の元となるメッセージと同じメッセージグループに属させる。同じメッセージグループに属するとは、メッセージどうしを関連付けることであり、例えば、共通する識別情報(後述のメッセージグループID)をメッセージに付与することである。
図14は、本変形例のメッセージデータベースのデータ格納例を示す図である。図14に示すように、本変形例のメッセージデータベースでは、メッセージグループIDが格納される。メッセージグループIDは、メッセージグループを一意に識別する情報である。メッセージグループIDが共通するメッセージは、互いに同じ話題を示す可能性が高いものである。別の言い方をすれば、メッセージグループIDが共通するメッセージは、返信の元のメッセージをたどった場合に大元のメッセージ(返信の起点となるメッセージ)が対応するものである。
グループ所属部76は、返信のメッセージに、元のメッセージのメッセージグループIDと同じものを付与することになる。なお、グループ所属部76は、あるメッセージに対して初めて返信が行われた場合に、メッセージグループIDを発行して元のメッセージに付与する。メッセージグループIDは、所定のID発行ルールに基づいて発行されるようにすればよい。以降、当該発行されたメッセージグループIDのメッセージに対して返信が行われるたびに、グループ所属部76は、返信のメッセージに、このメッセージグループIDを付与することになる。
本変形例の返信部74は、同じメッセージグループに属するメッセージを関連付けて返信する。
図15は、ユーザXのチャット画像30の一例を示す図である。図15に示すように、メッセージ画像32A、32B、32I、32J、及び32Kのそれぞれが示すメッセージは、同じメッセージグループ(メッセージグループIDが「003」のグループ)に属している。このため、返信部74は、メッセージ画像32C〜32Hを暗転して表示させ、メッセージ画像32A、32B、32I、32J、及び32Kは暗転させずに表示させるためのデータを生成及び送信することになる。
なお、上記のような関連付けの表示は、チャット画像30において常に行われるのではなく、ユーザがメッセージを指定した場合に行われるようにしてもよい。例えば、返信部74は、ユーザがメッセージを指定した場合に、当該メッセージと同じメッセージグループのメッセージを関連付けるようにしてもよい。
変形例(2)によれば、メッセージに対する返信が行われる場合、元のメッセージと同じメッセージグループに属させることで、起点のメッセージが共通する(話題が共通すると思われる)返信を見つけやすくなる。例えば、メッセージの数が多くなると、話題が共通するメッセージがどれであるかを見つけにくくなる可能性があるが、メッセージグループでメッセージが管理されることで、ユーザが共通の話題のメッセージを見つけやすくなる。
(3)また例えば、返信部74は、一括返信のメッセージと、個別返信のメッセージと、を区別して返信するようにしてもよい。メッセージを区別して返信するとは、メッセージ画像32の表示態様(表示形態)を異ならせることであり、例えば、メッセージ画像32の色、輝度、形状、大きさのうちの少なくとも一つを異ならせることである。例えば、一括返信のメッセージを示すメッセージ画像32は、第1の表示態様であり、個別返信のメッセージを示すメッセージ画像32は、第2の表示態様である。
図16は、メッセージ画像32の比較例を示す図である。図16に示すように、返信部74は、一括返信のメッセージを示すメッセージ画像32Lと、個別返信のメッセージを示すメッセージ画像32Mと、の表示態様を異ならせたチャット画像30を表示させるためのデータを送信する。
変形例(3)によれば、ユーザは、自分だけに宛てた返信なのか、自分以外にも宛てた一括返信なのかを区別することができる。例えば、自分だけに宛てた返信の方が重要なことがあるので、重要な返信を特定することができる。
(4)また例えば、実施形態では、一括返信のメッセージの宛先を宛先画像36で識別できるようにしたが、一括返信のメッセージ中において、その宛先を識別する記号列や画像が含まれていてもよい。
図17は、変形例における一括返信のメッセージを示すメッセージ画像32の一例である。図17に示すように、本変形例のメッセージ取得部70は、一括返信のメッセージに関するデータから、選択された複数のメッセージの各々の送信元を示す送信元情報を取得する。例えば、本変形例の一括返信のメッセージには、送信元情報が示す各送信元を識別する記号列や画像を含む。
例えば、メッセージ取得部70は、ユーザが入力した記号列や画像に、送信元情報が示す各送信元を識別する記号列や画像を付与することによって、一括返信のメッセージを生成するようにしてもよい。即ち、図17の例では、一括返信のメッセージのうち、「分かりました!」の部分は実際にユーザが入力したものであり、「Xさん、Yさん、Zさん、」の部分はメッセージ取得部70が送信元情報に基づいて生成したものであってもよい。返信部74は、送信元情報に基づいて、一括返信のメッセージを返信することになる。
変形例(4)によれば、誰が送信したメッセージに対する一括返信なのかを識別する情報が一括返信のメッセージ中に含まれるので、一括返信を受け取ったユーザは、その本文を見るだけで、一括返信が誰宛てのものかを特定することができる。
(5−1)また例えば、互いに内容が似ていない複数のメッセージに対して一括返信をしても、返信内容がかみ合わない可能性がある。このため、メッセージの組み合わせに応じて一括返信に関する処理を制限するようにしてもよい。例えば、特定の組み合わせのメッセージをユーザが選択できないように制限してもよい。
本変形例のメッセージ返信サーバ10は、制限部78を含む。制限部78は、複数のメッセージの組み合わせに基づいて、選択受付部68による選択の受け付けを制限する。例えば、制限部78は、所定の組み合わせとなるようにメッセージを選択できないように制限する。所定の組み合わせとは、メッセージグループが異なる組み合わせ、又は、メッセージの内容が似ていない組み合わせである。
例えば、制限部78は、各メッセージのメッセージグループに基づいて制限を行う。この場合、制限部78は、メッセージグループが異なる組み合わせを選択することを禁止する。即ち、メッセージグループが同じであることは話題が共通していることを示しているので、制限部78は、メッセージグループに基づいて各メッセージが似ているか否かを推測し、内容が似ていないメッセージの組み合わせを選択できないようにするようにしてもよい。
また例えば、制限部78は、メッセージに含まれる記号列や画像に基づいて制限を行う。この場合、例えば、制限部78は、各メッセージの内容が似ているか否かを判定する。より具体的には、制限部78は、メッセージ中に共通するキーワード(特定の記号列や特定の画像)が含まれるか否かを判定することによって判定する。キーワードは、予めデータ記憶部66に記憶されているものとする。制限部78は、キーワードが共通するメッセージどうしを似ていると判定し、キーワードが共通しないメッセージは似ていないと判定し、似ていないメッセージの組み合わせを選択できないようにする。
変形例(5−1)によれば、ユーザが選択したメッセージの組み合わせに応じて、これらへの一括返信をしないようにすることができるので、例えば、内容が似ていないメッセージどうしを間違って選択した場合などに、一括返信をしてしまうことを防止することができる。例えば、メッセージグループが違うもの同士の一括返信(違う話題のメッセージどうしの一括返信)を防止することができる。
(5−2)また例えば、変形例(5−1)では、所定の組み合わせのメッセージをそもそも選択できないようにしたが、メッセージの選択には制限をかけずに、ユーザが選択したメッセージの組み合わせが所定の組み合わせであった場合に一括返信をできないようにしてもよい。
本変形例の制限部78は、選択された複数のメッセージの組み合わせに基づいて、返信部74による返信を制限する。例えば、制限部78は、ユーザが選択したメッセージが所定の組み合わせであった場合に、一括返信できないように制限する。
例えば、制限部78は、各メッセージのメッセージグループに基づいて制限を行う。具体的には、制限部78は、メッセージグループが異なる組み合わせに対する一括返信を禁止する。即ち、メッセージグループが同じであることは話題が共通していることを示しているので、制限部78は、メッセージグループに基づいて各メッセージが似ているか否かを推測し、内容が似ていないメッセージの組み合わせに対する一括返信をできないようにする。また例えば、制限部78は、キーワードに基づいてメッセージの内容が似ているか否かを推測し(この推測方法は、変形例(5−1)と同様とする。)、内容が似ていないメッセージの組み合わせに対する一括返信を出来ないようにする。
変形例(5−2)によれば、ユーザが選択したメッセージの組み合わせに応じて、これらへの一括返信をしないようにすることができるので、例えば、内容が似ていないメッセージどうしを間違って選択した場合などに、一括返信をしてしまうことを防止することができる。例えば、メッセージグループが違うもの同士の一括返信(違う話題のメッセージどうしの一括返信)を防止することができる。
(6)また例えば、上記では、チャット画像30を表示させるためのデータを生成する処理がメッセージ返信サーバ10で実現される場合を説明したが、この処理は、各端末20(メッセージ返信端末)で実現されるようにしてもよい。即ち、主要な機能がメッセージ返信サーバ10ではなく、各端末20で実現されるようにしてもよい。
例えば、選択受付部68、メッセージ取得部70、及び返信部74が各端末20で実現されるようにしてもよい。この場合、各端末20の制御部21及び操作部24は、ユーザによる複数のメッセージの選択を受け付ける。更に、制御部21は、操作部24が検出した信号に基づいて、一括返信のメッセージを取得する。そして、制御部21及び通信部23は、ユーザが入力した一括返信のメッセージやその宛先情報を、通信ネットワーク2を介してメッセージ返信サーバ10又は各端末20に送信する。
また、実施形態では、メッセージ返信サーバ10がチャット画像30のデータを生成する場合を説明したが、表示制御部64がチャット画像30のデータを生成するようにしてもよい。このデータを生成するための処理内容自体は、実施形態や上記変形例で説明した内容と同様である。例えば、表示制御部64は、通信ネットワーク2を介して、メッセージデータベースから各データを取得することで、チャット画像30のデータを生成してもよいし、各端末20から直接的にデータを取得することでチャット画像30のデータを生成してもよい。
更に、上記変形例で説明した各処理が各端末20で実現されるようにしてもよい。例えば、端末20が、変形例(1)で説明した処理を実行するようにしてもよい。即ち、端末20が、一括返信のメッセージを、返信の元となるメッセージと関連付けて返信するようにしてもよい。同様に、端末20が、変形例(2)で説明した処理を実行するようにしてもよい。即ち、端末20が、同じメッセージグループに属するメッセージを関連付けて返信するようにしてもよい。
また、端末20が、変形例(3)で説明した処理を実行するようにしてもよい。即ち、端末20が、一括返信のメッセージと、個別返信のメッセージと、を区別して返信するようにしてもよい。同様に、端末20が、変形例(4)で説明した処理を実行するようにしてもよい。即ち、端末20が、返信元情報をメッセージ中に含む一括返信のメッセージを返信するようにしてもよい。更に、端末20が、変形例(5−1)及び変形例(5−2)で説明した処理を実行するようにしてもよい。即ち、端末20が、メッセージの選択を制限したり、一括返信のメッセージの返信を制限したりするようにしてもよい。
変形例(6)によれば、端末20側で主要な処理を実行することができるので、メッセージ返信サーバ10の負担を軽減することができる。
(7)また例えば、実施形態と上記変形例とを組み合わせるようにしてもよい。
また例えば、上記においては、各ユーザは自分宛ての複数のメッセージに対して一括返信する場合を説明したが、自分宛て以外のメッセージを選択して、一括返信のメッセージを入力できるようにしてもよい。
また例えば、本発明に係るメッセージ返信サーバ又はメッセージ返信端末は、メッセージに対する返信を制御する技術に適用すればよく、チャット以外にも適用可能である。即ち、チャットのようなリアルタイム性や時系列でのメッセージの表示が必要なわけではなく、例えば、複数のユーザがメッセージを書き込む電子掲示板やユーザ間での電子メールにも本発明を適用することができる。
[6.発明のまとめ]
以上のような記載から、本発明は例えば以下のように把握される。本発明に係るメッセージ返信サーバ(10)は、複数のメッセージのうちのユーザによる複数の選択を受け付ける選択受付手段(68)と、選択された複数のメッセージの各送信元を宛先とした一の返信メッセージとして入力された一括返信のメッセージに関するデータ(例えば、メッセージデータベースに格納される各データ)を取得する取得手段(70)と、前記取得されたデータに基づいて、前記一括返信のメッセージを、前記選択された複数のメッセージの各送信元宛てに返信する返信手段(74)と、を含むことを特徴とする。
本発明に係るメッセージ返信端末(20)は、複数のメッセージのうちのユーザによる複数の選択を受け付ける選択受付手段(68)と、選択された複数のメッセージの各送信元を宛先とした一の返信メッセージとして入力された一括返信のメッセージに関するデータ(例えば、メッセージデータベースに格納される各データ)を取得する取得手段(70)と、前記取得されたデータに基づいて、前記一括返信のメッセージを、前記選択された複数のメッセージの各送信元宛てに返信する返信手段(74)と、を含むことを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、複数のメッセージのうちのユーザによる複数の選択を受け付ける選択受付手段(68)、選択された複数のメッセージの各送信元を宛先とした一の返信メッセージとして入力された一括返信のメッセージに関するデータ(例えば、メッセージデータベースに格納される各データ)を取得する取得手段(70)、前記取得されたデータに基づいて、前記一括返信のメッセージを、前記選択された複数のメッセージの各送信元宛てに返信する返信手段(74)、としてコンピュータを機能させる。
本発明に係るプログラムは、複数のメッセージのうちのユーザによる複数の選択を受け付ける選択受付手段(68)、選択された複数のメッセージの各送信元を宛先とした一の返信メッセージとして入力された一括返信のメッセージに関するデータ(例えば、メッセージデータベースに格納される各データ)を取得する取得手段(70)、前記取得されたデータに基づいて、前記一括返信のメッセージを、前記選択された複数のメッセージの各送信元宛てに返信する返信手段(74)、としてコンピュータを機能させる。
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
本発明によれば、ユーザが複数のメッセージに対して返信する場合の手間を軽減することができる。
また、本発明の一態様では、前記メッセージ返信サーバ(10)は、各ユーザが入力したメッセージを宛先に送信する手段(72)を更に含み、前記選択受付手段(68)は、各ユーザによる、自分宛ての複数のメッセージのうちの複数の選択を受け付ける、ことを特徴とする。当該態様によれば、ユーザが、自分宛に送られた複数のメッセージに対して返信する場合の手間を軽減することができる。
また、本発明の一態様では、前記返信手段(74)は、前記一括返信のメッセージを、返信の元となるメッセージと関連付けて返信する、ことを特徴とする。当該態様によれば、一括返信のメッセージを受信したユーザが、その一括返信のメッセージが何に対する返信なのかを特定しやすくなる。
また、本発明の一態様では、前記メッセージ返信サーバ(10)は、メッセージの送信元を宛先とした返信が行われた場合、当該返信のメッセージを、当該返信の元となるメッセージと同じメッセージグループに属させる手段(76)を更に含み、前記返信手段(74)は、同じメッセージグループに属するメッセージを関連付けて返信する、ことを特徴とする。当該態様によれば、メッセージに対する返信が行われる場合、元のメッセージと同じメッセージグループに属させることで、起点のメッセージが共通する(話題が共通する)返信を見つけやすくなる。
また、本発明の一態様では、前記メッセージ返信サーバ(10)は、複数のメッセージのうちのユーザによる何れか一つの選択を受け付ける手段(68)と、前記選択された一のメッセージの送信元を宛先とした返信メッセージとして入力された個別返信のメッセージに関するデータを取得する手段(70)と、を更に含み、前記返信手段(74)は、前記一括返信のメッセージと、前記個別返信のメッセージと、を区別して返信する、ことを特徴とする。当該態様によれば、ユーザは、自分だけに宛てた返信なのか、自分以外にも宛てた一括返信なのかを区別することができる。
また、本発明の一態様では、前記取得手段(70)は、前記一括返信のメッセージに関するデータから、前記選択された複数のメッセージの各々の送信元を示す送信元情報を取得し、前記返信手段(74)は、前記送信元情報に基づいて、前記一括返信のメッセージを返信する、ことを特徴とする。当該態様によれば、誰が送信したメッセージに対する一括返信なのかを識別する情報が一括返信のメッセージ中に含まれるので、一括返信を受け取ったユーザは、その本文を見るだけで、自分宛てかどうかを特定することができる。
また、本発明の一態様では、前記メッセージ返信サーバ(10)は、前記複数のメッセージの組み合わせに基づいて、前記選択受付手段(68)による選択の受け付けを制限する制限手段(78)、を更に含むことを特徴とする。当該態様によれば、メッセージの組み合わせに応じて、一括返信をする際の選択をできないようにするので、例えば、内容が似ていないメッセージどうしを選択して一括返信してしまうことを防止することができる。
また、本発明の一態様では、前記メッセージ返信サーバ(10)は、前記選択された複数のメッセージの組み合わせに基づいて、前記返信手段(74)による返信を制限する制限手段(78)、を更に含むことを特徴とする。当該態様によれば、ユーザが選択したメッセージの組み合わせに応じて、これらへの一括返信をしないようにすることができるので、例えば、内容が似ていないメッセージどうしを間違って選択した場合などに、一括返信をしてしまうことを防止することができる。
また、本発明の一態様では、前記メッセージ返信サーバ(10)は、メッセージの送信元を宛先とした返信が行われた場合、当該返信のメッセージを、当該返信の元となるメッセージと同じメッセージグループに属させる手段(76)を更に含み、前記制限手段(78)は、各メッセージのメッセージグループに基づいて制限を行う、ことを特徴とする。当該態様によれば、例えば、メッセージグループが異なる複数のメッセージに対する一括返信を防止することができる。