1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64(図1中の一点鎖線内の平面図参照)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7(演出手段の一例)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した装飾図柄(飾り図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う装飾図柄表示領域がある。装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左装飾図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中装飾図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右装飾図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で装飾図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「装飾図柄可変表示演出」ともいう)のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口や固定入球口、第1入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を第2始動入賞口や可変入球口、第2入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、及び、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bが含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、第1特別遊技又は第2特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。また、小当たり停止態様は、特定の停止態様に相当する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定用情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数)は第1特図保留記憶部85aが「4」、第2特図保留記憶部85bが「1」となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは4個のLEDで構成されており、第2特図保留表示器43bは1個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普通図柄乱数の取得を行わない構成である。すなわち、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)を記憶しない構成である。なお、普図保留をRAM84(図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第2特図保留記憶部85bは記憶手段に当たる。さらに詳細には第1特図保留記憶部85aは、図6(a)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また図6(b)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した1つの記憶領域からなる。各記憶領域は図6(c)に示すように、4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図4に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、および第2特図保留表示器43bが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
RAM94には、図7(a)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。第1特図保留演出記憶部95aは、図7(b)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。また第2特図保留演出記憶部95bは、図7(c)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して1つの記憶領域(第1記憶領域)からなる。
各記憶領域は、図7(d)に示すように、始動入賞コマンド記憶領域を含む複数の記憶領域に分かれている。始動入賞コマンド記憶領域は、始動入賞コマンドを記憶する記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cも、同様の記憶領域を含んでいる。
サブ制御基板90には、図5に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技に相当)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技に相当)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技)」が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称する。また、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には3種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、及び「特図1_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄D」及び「特図2_大当たり図柄E」に当選する可能性がある。
図8に示すように、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、及び「特図2_大当たり図柄E」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。各図柄に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、図8に示す通りである。つまり、大当たり図柄A及びEは、非時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「時短状態且つ高ベース状態」に制御され、時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される図柄である。また、大当たり図柄Bは、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも、「時短状態且つ高ベース状態」に制御される図柄である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
また、「特図1_大当たり図柄C」は、6R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。大当たり図柄Cは、非時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「非時短状態且つ低ベース状態」に制御され、時短状態で当選した場合には、大当たり遊技後に「時短状態且つ高ベース状態」に制御される図柄である。
また、「特図2_大当たり図柄D」は、15R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。大当たり図柄Dは、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも、「時短状態且つ高ベース状態」に制御される図柄である。
特図1の抽選における各大当たり図柄の振分率、及び、特図2の抽選における各大当たり図柄の振分率は、図8に示す通りである。図8に示す振分率によれば、非時短状態における特図1の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合は50%であり、非時短状態における特図2の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合は100%である。また、時短状態における特図1の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合、及び、時短状態における特図2の抽選に基づく大当たり当選によって時短状態に制御される割合は、いずれも60%である。
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図8に示すように、特図1の抽選で当選可能な小当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される小当たり図柄)の種別は1種類であり、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類である。具体的には特図1の抽選では、「特図1_小当たり図柄a」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄b」及び「特図2_小当たり図柄c」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄a」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「小当たり図柄b」及び「小当たり図柄c」は、V通過が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図1の抽選に基づく小当たり当選から大当たり遊技が実行されることは、イレギュラーなケースを除いてない。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。この点については後に詳述する。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たり図柄の種別に応じて異なっている。具体的には図8に示すように、小当たり図柄aではおよそ4.6秒、小当たり図柄b及び小当たり図柄cでは0.008秒である。このように小当たり図柄の種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過用開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過用開放パターンとをつくり出している。通過用開放パターンおよび非通過用開放パターンの詳細については後述する。
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たり図柄の種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30が開放される。具体的には、「小当たり図柄a」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される。但し、「小当たり図柄a」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはイレギュラーなケースを除いてない。
また、「小当たり図柄b」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から16R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に15Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、非時短状態と時短状態とのいずれで当選した場合でも「時短状態且つ高ベース状態」に制御される。
また、「小当たり図柄c」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から16R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、非時短状態で当選した場合には「時短状態且つ高ベース状態」に制御され、時短状態で当選した場合には「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される。
特図1の抽選における各小当たり図柄の振分率、及び、特図2の抽選における各小当たり図柄の振分率は、図8に示す通りである。図8に示す振分率によれば、特図1の抽選での小当たり当選に基づいて時短状態に制御される割合は0%である。これに対して、非時短状態における特図2の抽選での小当たり当選に基づいて時短状態に制御される割合は100%であり、時短状態における特図2の抽選での小当たり当選に基づいて時短状態に制御される割合は60%である。
なお、小当たり図柄を特定図柄ともいい、「小当たり図柄b」及び「小当たり図柄c」は「第1特定図柄」に相当し、「小当たり図柄a」は「第2特定図柄」に相当する。また、第1特定図柄のうち「小当たり図柄b」は「特典有り図柄」に相当し、「小当たり図柄c」は「特典無し図柄」に相当する。また、「特図1_大当たり図柄A」及び「特図1_大当たり図柄B」を「通常時特典付与図柄」ともいい、「特図1_大当たり図柄C」を「通常時特典非付与図柄」ともいう。また、「特図2_大当たり図柄D」を「第1大当たり図柄」ともいう、「特図2_大当たり図柄E」を「第2大当たり図柄」ともいう。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりの当否判定及び小当たりの当否判定は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の判定は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す装飾図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の装飾図柄のうち変動表示されている装飾図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている装飾図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す装飾図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている装飾図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、変動時間短縮機能がある。
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では3秒であるが、時短状態では1秒である(図10(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が、非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、及び電チュー22の開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。高ベース状態は、「特典遊技状態」に相当する。
なお、高ベース状態において、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動するようにしてもよい。すなわち、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に低く設定し、高ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を相対的に高く設定してもよい。この場合、低ベース状態における普通図柄抽選の当選確率を「零」に設定するとよい。なぜなら、低ベース状態において第2特別図柄の抽選が実行されないようにすることが可能となるからである。つまり、このように構成すれば、低ベース状態にも関わらず第2特別図柄の抽選に基づく小当たり遊技の実行を狙った攻略的な遊技を防止することが可能となる。
また、高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能、および普通図柄表示器42の確率変動機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技後の遊技状態は、図8に示すように当選時の遊技状態と、当選した特別図柄の種別とに基づいて、「時短状態且つ高ベース状態」又は「非時短状態且つ低ベース状態」に制御される。「時短状態且つ高ベース状態」は、所定の上限実行回数(本形態では99回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、上限実行回数が99回であるため、時短状態且つ高ベース状態に制御されれば、正しく遊技している限り遊技者は新たな大当たりを得ることが可能となっている。
また「非時短状態且つ低ベース状態」」を、特に「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、後述するように所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された判定用情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する当選期待度を示唆する演出である。
図13に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たり又は小当たりか否かの当否情報が含まれている。また本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには当否情報が含まれていればよく、当否情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14〜図32に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))からの検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図16に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「1」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「1」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「1」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「65535」であれば、図13の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H01H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば01H))からなっている。
図13に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図10(A)参照)における区分けと対応している。詳細には、大当たり乱数値が65250〜65535であれば大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定用情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が01H)が特定される。また、大当たり乱数値が0〜16400であれば小当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定用情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が02H)が特定される。また、大当たり乱数値が16401〜65249であればハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定用情報がハズレと判定される予定のハズレ情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が03H)が特定される。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、当否情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「65535」であれば、図13の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H01H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、当否情報が含まれている。
上述の第2始動入賞コマンドの場合と同様、図13に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図10(A)参照)における区分けと対応している。詳細には、大当たり乱数値が65250〜65535であれば大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定用情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの値が01H)が特定される。また、大当たり乱数値が0〜3300であれば小当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定用情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの値が02H)が特定される。また、大当たり乱数値が3301〜65249であればハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定用情報がハズレと判定される予定のハズレ情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの値が03H)が特定される。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
[ゲート通過処理]図17に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する(S221)。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ(S221でNO)、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば(S221でYES)、普通図柄乱数取得処理(S222)を行う。普通図柄乱数取得処理(S222)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図18に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中(普通図柄の停止時間の開始から終了まで)か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、上述のステップS222で取得した当たり判定前の普通図柄乱数の記憶があるか否かを判定する(S304)。普通図柄乱数の記憶がなければ(S304でNO)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄乱数の記憶があれば(S304でYES)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブル(当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が3秒の普通図柄変動パターンを選択する。
その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms)をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図19に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図20に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1015)、ONであれば本処理を終え、ONでなければ、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1016)、客待ちフラグをONにする(S1017)。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bをクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1013)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1014)本処理を終え、ONでなければステップS1014を実行することなく本処理を終える。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1013)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1014)本処理を終え、ONでなければステップS1014を実行することなく本処理を終える。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にて小当たり当選となると、その小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図21に基づいてまとめて説明する。図21に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が、大当たり判定値である「65250」〜「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図10(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種別)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「16400」の何れかと一致するか否か判定する(図10(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」〜「3300」の何れかと一致するか否か判定する(図10(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。より詳細には、特図1の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/20程度であるのに対して、特図2の抽選における小当たり当選確率はおよそ1/4程度である。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定する(S1109)。小当たり種別を判定(S1109)した後は、小当たり種別(小当たり図柄の種別)に応じた特図停止図柄データ(図8参照)をRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1111)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図22及び図23に基づいてまとめて説明する。図22に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1301)。
時短状態でなければ(S1301でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「11」であり、非時短状態であれば「0」〜「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。
なお、特図2変動パターン選択処理(S1003)ではステップS1307が実行されてもステップS1308が実行されても同じ変動パターンが選択される(図11の特図2且つ非時短状態の欄参照)。これは、非時短状態における特図2の変動時にはリーチの有無の区別のない演出が実行されるためである。
また、特図1変動パターン選択処理(S1009)におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1301でYES)には、図23に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1302〜S1308と同様の流れで処理(S1309〜S1315)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば(S1309でYES)、時短状態中大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
また小当たりフラグがONであれば(S1311でYES)、時短状態中小当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば(S1313でYES)、時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ(S1313でNO)、時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1315)。
なお、特図2変動パターン選択処理(S1003)ではステップS1314が実行されてもステップS1315が実行されても同じ変動パターンが選択される(図11の特図2且つ時短状態の欄参照)。これは、時短状態における特図2のハズレ変動時にはリーチの有無の区別のない演出が実行されるためである。
また、特図1に係る時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち特図1且つ時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図22に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1316)、本処理を終える。ステップS1316でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図24に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図25に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(図11参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図26に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S1703)。そして「0」であれば、時短フラグをOFFする(S1704)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「99」にセットされるようになっている。この点については後述する。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技(第2特別遊技)の実行のための処理である。図27に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図28に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、当選時の遊技状態が非時短状態であったか否かを判定する(S2101)。判定結果がYESであれば、続いて、今回の大当たり遊技の実行契機となった特別図柄が、非時短状態における当選で時短状態への制御契機となる図柄(図8参照)か否かを判定する(S2102)。この判定結果がNOであれば直ちに本処理を終えるが、判定結果がYESであればステップS2104に進む。
また、ステップS2101の判定結果がNOであれば、当選時の遊技状態は時短状態であるため、続いて、今回の大当たり遊技の実行契機となった特別図柄が、時短状態における当選で時短状態への制御契機となる図柄(図8参照)か否かを判定する(S2103)。この判定結果がNOであれば直ちに本処理を終えるが、判定結果がYESであればステップS2104に進む。
ステップS2104では、時短フラグをONする。その後、遊技制御用マイコン81は、時短カウンタに「99」をセットして(S2105)、本処理を終える。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)になる。この遊技状態は、特別図柄の変動表示が99回行われること、又は次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの条件の成立により終了する。つまり本形態では、時短状態且つ高ベース状態は、実質的に次の大当たり遊技が実行されるまで続く。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)の実行のための処理である。図29及び図30に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では8個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図30に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図32参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図15参照)。振分部材制御処理(S107)では図31に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図25参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図49(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、V開放という。次いで、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図49(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(7608ms(図49(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図49に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図49(b)及び(e)に示す2つの開放パターンがある。なお、図49(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図49(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「特図2_小当たり図柄b」及び「特図2_小当たり図柄c」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過用開放パターンである。
より詳細には、この通過用開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71のV開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図49(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
図49(e)に示す開放パターンは、特図1の抽選にて「特図1_小当たり図柄a」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過用開放パターンである。
より詳細には、この非通過用開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、1440msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、1440msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71のV開放がほぼ終了する(図49(e)及び(c)参照)。振分部材71のV開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後のわずか40msだけである。従って、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはほぼない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
以上、図49に基づいて説明したように、本形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たり図柄の種別に応じた2つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。従って、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(図49(b)の特2V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(図49(e)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
なお本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図15参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図32に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図31)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図49(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図33〜図48に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図33に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(装飾図柄変動演出や、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図34に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図35に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64a(図5参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4304)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて各種の設定を行ったり表示画面7aの表示内容を変更したりする後述のスイッチ処理を行う(S4303)。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
[受信コマンド解析処理]図37に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する先読み演出判定処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4404)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出終了処理(S4406)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する特別遊技演出選択処理(S4408)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理(S4410)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればV通過報知演出(図53(j)参照)の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4412)。ステップS4412でセットされた演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、V通過報知演出の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
なおV通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態ではV通過報知演出は、図53(j)に示すように「V」の文字画像300と「BONUS確定」の文字画像310とを含む当選報知画像を表示画面7aに表示させる演出である。この当選報知画像は、1種大当たりに当選した際にも表示されることがある(図54(b)参照)。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、演出制御用マイコン91は、後述する客待ち処理(S4413)を行う。そして、その他の処理(S4414)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[先読み演出判定処理]図38に示すように、先読み演出判定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部(図7に示す第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶する(S5001)。詳細には、受信したのが第1始動入賞コマンドであれば、第1特図保留演出記憶部95a(図7(b)参照)に記憶し、第2始動入賞コマンドであれば、第2特図保留演出記憶部95b(図7(c)参照)に記憶する。なお、第1始動入賞コマンドは、第1特図保留演出記憶部95aにおいて第1〜第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
続くステップS5002では、ステップS5001で記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新し、第2始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する。なお、第1特図保留演出カウンタは、第1特図保留の数を計数するサブ側(サブ制御基板90側)のカウンタである。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2特図保留の数を計数するサブ側のカウンタである。
続いて演出制御用マイコン91は、先読み演出の実行抽選処理(S5003)を行う。先読み演出の実行抽選処理(S5003)では、ステップS5001で格納した始動入賞コマンドに基づいて、所謂連続予告や保留変化予告などの先読み演出を行うか否かを決定し、行う場合には、先読み演出に関する各種の設定を行う。なお、ここでの実行抽選の対象となる先読み演出に、後述する特別示唆演出は含まれない。また、連続予告とは、複数回の特図変動にわたって実行され得る相互に関連した予告演出のことである。また、保留変化予告とは、通常表示態様の演出保留画像に代えて、通常表示態様よりも大当たり当選期待度が高い特別表示態様の演出保留画像を表示する予告演出のことである。
[変動演出開始処理]図39に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S5101)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報、又は、特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。また、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報が含まれている。なお変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報が含まれている(図11参照)。ここで演出制御用マイコン91が取得した各種の情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
続くステップS5102では、ステップS5101で解析した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドであれば、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算し、特図2変動開始コマンドであれば、第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算する。そして、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶されているデータのシフト処理を行う(S5103)。
特図1に関するシフト処理では、第1記憶領域〜第4記憶領域に記憶されている第1始動入賞コマンド等の各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aおよび第2特図保留演出記憶部95bに共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95c(図7(a))にシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。また、特図2に関するシフト処理では、第2特図保留演出記憶部95bに記憶されている第2始動入賞コマンド等の各データは、当該変動用演出記憶部95cにシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。また、第2特図保留演出記憶部95bはクリアされる。
次に演出制御用マイコン91は、モードステータスを参照する(S5104)。モードステータスは、実行する演出モードを示すものである。ここで演出モードとは、画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、及び枠ランプ66等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置7に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態の演出モードには、昼の背景画像(図50(a))が表示される昼背景モード、夜の背景画像(図50(b))が表示される夜背景モード、夕方の背景画像(図50(c))が表示される夕方背景モードがある。図46中の表に示すように、モードステータスの値「1」は昼背景モードに対応し、モードステータスの値「2」は夜背景モードに対応し、モードステータスの値「3」は夕方背景モードに対応している。
続いて演出制御用マイコン91は、後述する変動演出パターン選択処理(S5105)を行う。なお、変動演出パターン選択処理(S5105)は、ステップS5104で参照したモードステータス及びステップS5101で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに基づいて変動演出パターンを選択する処理である。次に演出制御用マイコン91は、予告演出選択処理(S5106)を行う。予告演出選択処理(S5106)では、装飾図柄変動演出に伴って実行する予告演出を選択する。ここで選択される予告演出には、連続予告の他、ステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出が含まれる。予告演出を選択するにあたっては、予告演出決定用乱数を取得する。そして、これを所定の予告演出決定用テーブルに基づいて判定することにより、実行すべき予告演出を決定する。
その後、演出制御用マイコン91は、ステップS5105で選択した変動演出パターンの変動演出およびステップS5106で選択した予告演出を開始するための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5107)。そして、後述する通常時ステージ任意設定処理(S5108)及び通常時ステージ強制変更処理(S5109)を行って、本処理を終える。
ステップS5107でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて画像表示装置7の表示画面7aにて、予告演出を伴う装飾図柄変動演出を行う。
ここで本形態では、モードステータスに応じた演出モードで変動演出が実行される。具体的には、モードステータスが「1」であれば、図50(a)に示すように、昼の背景画像を表示画面7aに表示する昼背景モードにて装飾図柄変動演出を実行する。また、モードステータスが「2」であれば、図50(b)に示すように、夜の背景画像を表示画面7aに表示する夜背景モードにて変動演出を実行する。また、モードステータスが「3」であれば、図50(c)に示すように、夕方の背景画像を表示画面7aに表示する夕方背景モードにて装飾図柄変動演出を実行する。
夜背景モードは、大当たりを獲得し易い状態であることを遊技者に対して報知する演出モードである。詳しく述べれば、夜背景モードは、現在の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)であるときに実行される。この場合は、第2始動口21への入賞が容易となっており、特図2の抽選に基づく小当たり当選から、V通過を経て大当たり遊技を実行させることが可能である。つまり、大当たりを獲得し易い状態といえる。なお夜背景モード中は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIが表示される(図50(b)参照)。
また夕方背景モードは、時短状態での当選に基づく大当たり遊技後に、第2特図保留がある状態で通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)に制御された場合に実行される。この場合、第2特図保留に基づく特図2の抽選が1回実行される。特図2の抽選における小当たり当選確率は約1/4であり(図10(A)参照)、小当たり当選時には正しく遊技している限り必ず特定領域39への通過が可能であり、2種大当たり遊技を実行させることができる(図49(b)及び(c)参照)。よって、夕方背景モードは、通常遊技状態に戻ったことを示しつつも、まだ大当たりの引き戻しのチャンスであることを示す演出モードである。
しかも、ここで第2特図保留に基づいて小当たり当選又は大当たり当選のいずれかとなれば、大当たり遊技後の遊技状態は必ず時短状態且つ高ベース状態に制御される(図8参照)。つまり、2回の大当たり遊技の獲得が可能となる。従って本パチンコ遊技機1において、この夕方背景モードにて小当たり当選又は大当たり当選のいずれかとなるかは遊技者にとって関心の高まるところとなっている。本形態では、このような遊技性によって、所謂1種2種混合機における時短状態且つ高ベース状態での当選に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態に制御された際の遊技興趣を、従来よりも大きく向上させている。
また、昼背景モードは、大当たりを獲得し易い状態ではないことを遊技者に対して報知する演出モードである。詳しく述べれば、昼背景モードは、原則として現在の遊技状態が通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)であるときに実行される。なお、例外は既に述べたとおりである。通常遊技状態において第2特図保留がなくなった場合には、特図1の抽選にて大当たりを獲得しなければならない。そのため、特図2の抽選のように容易に大当たりを獲得することはできない。つまり、第2特図保留のない通常遊技状態は、大当たりを獲得し易い状態ではない。
なお昼背景モードは、さらに3つのステージからなる。キャラクタAをモチーフとした演出画像を主に表示するキャラAステージと、キャラクタBをモチーフとした演出画像を主に表示するキャラBステージと、キャラクタCをモチーフとした演出画像を主に表示するキャラCステージである。つまり本形態における通常遊技状態に対応する演出態様には、大きく分けて昼背景モードと、夕方背景モード(大当たり遊技後に第2特図保留がある場合)との2つがあるが、このうち昼背景モードはさらに3つのステージに分かれており、合計すると、通常遊技状態における演出態様として以下の4つがあることとなる。
・昼背景モード(キャラAステージ)
・昼背景モード(キャラBステージ)
・昼背景モード(キャラCステージ)
・夕方背景モード
なお、ステージが異なると、装飾図柄8L,8C,8Rがステージに応じたデザインの図柄に変わるとともに、遊技に伴うBGMがステージに応じたBGMに変わる。また、昼背景モードとしての背景画像も、例えばキャラAステージは「山」、キャラBステージは「海」、キャラCステージは「空」、といった具合に変わる。
[変動演出パターン選択処理]図40に基づいて変動演出パターン選択処理(S5105)について説明する。変動演出パターン選択処理(S5105)では、特別図柄の変動表示および停止表示に同期した変動演出の演出パターンを選択する。特に本形態では、時短状態且つ高ベース状態(つまり夜背景モード中)における特図2の抽選に基づく変動演出として、特殊変動演出パターンの変動演出を行う。特殊変動演出パターンには3つある。ハズレ変動用の特殊変動演出パターンと、小当たり変動用の特殊変動演出パターンと、大当たり変動用の特殊変動演出パターンである。なお、ハズレ変動とは、ハズレの当否判定結果に基づく図柄変動である。小当たり変動とは、小当たり当選の当否判定結果に基づく図柄変動である。大当たり変動とは、大当たり当選の当否判定結果に基づく図柄変動である。
特殊変動演出パターンが選択された場合には、図51(a)に示すように、表示画面7aの左下部7bでルーレット変動演出が行われるとともに、表示画面7aの左上部7cで3ケタの小図柄の変動演出(以下「小図柄変動演出」という)が行われる。3ケタの小図柄の各々は、1〜9までの数字をデザインした図柄のいずれかで停止表示されるようになっている。
ルーレット変動演出は、複数の演出図柄が描かれたリール210と、これを収容する筐体220とからなるルーレット200の画像を表示し、リール210を回転表示させた後、停止表示(仮停止表示を含む)させることにより、当否判定の結果を示す演出である。リール210に描かれている演出画像には、図51(b)に示す「ハズレ」の演出図柄211(ハズレ停止態様の演出図柄)と、図52(d)に示す「V」の演出図柄212(当たり停止態様の演出図柄)とがある。なお、特殊変動演出パターンの変動演出は、夜の背景画像(図50(b))が表示されているなかで実行される。
図40に示すように、変動演出パターン選択処理(S5105)ではまず、演出制御用マイコン91は、モードステータスの値が夜背景モードに対応する「2」であるか否かを判定する(S5111)。つまり、現在の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態であるか否かを判定する。夜背景モードであれば(S5111でYES)、続いて、特図2の抽選に基づくハズレ変動(図11の変動パターンP33)か否かを判定する(S5112)。この判定結果がYESであれば、ハズレ変動用の特殊変動演出パターンを選択する(S5113)。
ステップS5112の判定結果がNOであれば、続いて、特図2の抽選に基づく小当たり変動(図11の変動パターンP32)か否かを判定する(S5114)。この判定結果がYESであれば、小当たり変動用の特殊変動演出パターンを選択する(S5115)。
ステップS5114の判定結果がNOであれば、続いて、特図2の抽選に基づく大当たり変動(図11の変動パターンP31)か否かを判定する(S5116)。この判定結果がYESであれば、大当たり変動用の特殊変動演出パターンを選択する(S5117)。
ステップS5116の判定結果がNOの場合、及び、ステップS5111の判定結果がNOの場合には、特殊変動演出パターン以外の変動演出パターンを選択する(S5118)。なおこれらの場合は、特図1の抽選に基づく変動演出の演出パターンの選択時か、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)における特図2の抽選に基づく変動演出の演出パターンの選択時である。
本形態では正しく遊技している限り、通常遊技状態において特図2の抽選がなされるのは、時短状態且つ高ベース状態における当選に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態に制御され、そのときに存在する第2特図保留に基づいて抽選がなされる場合に限られる。この場合には、夕方背景モードに制御されている。よって、夕方の背景画像(図50(c))が表示されているなかで、変動演出が実行される。このときの変動時間は、ハズレ変動時も、小当たり変動時も、大当たり変動時も同じ40秒である(図11参照)。この40秒の変動時間を使って、小当たり又は大当たりに当選しているのか、ハズレなのかを示す演出が実行される。この抽選で小当たり又は大当たりに当選すれば、既に述べた通り2回の大当たり遊技の獲得が決まる。なお、第2特図保留のない通常遊技状態では、昼背景モードに制御されている。よって、通常遊技状態における特図1の抽選に基づく変動演出は、昼の背景画像(図50(a))が表示されているなかで実行される。
ステップS5113にてハズレ変動用の特殊変動演出パターンが選択された場合には、図51(a)及び(b)に示す変動演出が実行される。つまりルーレット変動演出として、演出図柄を変動表示させたあと、「ハズレ」の演出図柄211で停止表示させる演出が実行される。また小図柄変動演出として、3ケタの小図柄を一斉に変動表示させたあと、例えば「2・6・3」のようなバラケ目で停止表示させる演出が実行される。ルーレット変動演出の変動開始のタイミングおよび停止表示のタイミングは、小図柄変動演出の変動開始のタイミングおよび停止表示のタイミングと一致している。なお本形態では、時短状態における特図2の抽選に基づくハズレ変動の所要時間は3秒である(図11参照)。
ステップS5115にて小当たり変動用の特殊変動演出パターンが選択された場合には、図52及び図53に示す変動演出が実行される。つまりルーレット変動演出として、疑似ハズレ演出を6回繰り返した後、7回目の変動表示を経て、演出図柄を「V」の演出図柄212で停止表示させる演出が実行される。「V」の演出図柄212は一旦仮停止表示された後(図52(d))、確定的に停止表示される(図53(h))。確定的な停止表示を確定停止表示という。確定停止表示のタイミングは、第2特別図柄表示器41bでの第2特別図柄の停止表示のタイミングと一致している。
疑似ハズレ演出とは、演出図柄を変動表示させた後、「ハズレ」の演出図柄で仮停止表示させる演出である。仮停止表示とは、「ハズレ」の演出図柄で完全にリールが止まっているわけではなく、「ハズレ」の演出図柄がわずかに揺れている表示態様である(図52(b))。つまりわずかに変動しており完全に止まっているわけではない表示態様である。小当たり変動時のルーレット変動演出では、「ハズレ」の演出図柄で仮停止表示された後、演出図柄の再変動表示が実行される。既に述べたように小当たり変動用のルーレット変動演出では、疑似ハズレ演出が6回実行され(図52(a)及び(b))、7回目の変動表示を経て(図52(c))、「V」の演出図柄が仮停止表示される(図52(d))。その後、第2特別図柄の停止表示のタイミングと同期して、「V」の演出図柄が確定停止表示される(図53(h))。確定停止表示とは、揺れたりといったわずかな変動もすることなく完全に停止している表示態様である。
このような小当たり変動用のルーレット変動演出に並行して、小図柄変動演出が実行される。ルーレット変動演出における「ハズレ」の演出図柄の仮停止表示時には、3ケタの小図柄がバラケ目(例えば「2・6・3」)で仮停止表示され(図52(b))、ルーレット変動演出における再変動表示のタイミングで3ケタの小図柄も再変動表示される(図52(a)及び(c))。但し、「V」の演出図柄の仮停止表示時には、3ケタの小図柄は仮停止表示されずに変動表示され続ける(図52(d))。3ケタの小図柄の確定停止表示のタイミングは、「V」の演出図柄の確定停止表示のタイミングと同じである。小当たり当選時の小図柄の出目は、例えば「2・4・6」のような偶数図柄が3つ並んだチャンス目である(図53(h))。
上述のように小当たり変動用のルーレット変動演出では、疑似ハズレ演出(図52(a)及び(b))を複数回実行してから、「V」の演出図柄212を停止表示させる(図52(d))。これにより、1回の小当たり変動が実行されている間に、複数回のハズレ変動と1回の小当たり変動とが実行されているかのように見せることが可能となっている。よって、パチンコ遊技機1の内部的には小当たり当選の判定がなされた後であっても、遊技者に複数回のハズレ変動が実行されているように認識させることが可能となり、「V」の演出図柄が停止表示されるまでは、遊技球の発射を続けさせることが可能となる。その結果、上限記憶数「1」の第2特図保留を生じさせることが可能となる。
ここで、小当たり当選時の演出として、疑似ハズレ演出を一切行わずに早々に「V」の演出図柄を停止表示させ、その後に、電チュー22への入賞を狙った打ち込みを続ける旨の報知を行い、この報知に従って遊技させることで第2特図保留を生じさせるように構成することが考えられる。但し、このように構成した場合、小当たりに当選したと認識している遊技者に、なぜ電チュー22への入賞を新たに生じさせなければならないのかという疑問を抱かせてしまう可能性もある。これに対して、本形態の構成によれば、遊技者が小当たり当選を認識したときには既に第2特図保留が発生している状態となる。よって、上記のような疑問を抱かせることなく自然に第2特図保留を生じさせることが可能となる。
なお、本形態のパチンコ遊技機1は、通常遊技状態における特図2の抽選に基づいて大当たり遊技(小当たり当選からの大当たり遊技も含む)が実行された場合には、必ず大当たり遊技後の遊技状態が「時短状態且つ高ベース状態」に制御される。よって、2回の大当たり遊技の獲得が決まる。このような遊技性を確実に発揮させるためにも、時短状態且つ高ベース状態における特図2の抽選での小当たり当選時に、第2特図保留を生じさせておくことが必要となる。
なお本形態では、時短状態における特図2の抽選に基づく小当たり変動の所要時間は30秒である(図11参照)。この30秒の変動時間の間に、図52(a)〜図53(h)に示す一連の演出を行う。つまり、所要時間3秒のハズレ変動と同じ所要時間の疑似ハズレ変動を6回行った後(図52(a)及び(b))、「V」の演出図柄212を仮停止表示する(図52(c)及び(d))。さらにその後、「V」の演出図柄212の表示色を変更するとともに、「V」の演出画像I1を表示画面7aの中央に表示する(図52(e))。それから、キャラクタ画像I2を表示するとともに、「V」の演出画像I1の近傍にエフェクト画像I3を表示する(図53(f)及び(g))。このとき、特定領域39が設けられている第2大入賞装置36(Vアタッカー)を狙うべき旨を報知する矢印画像I4も表示する。そして、変動開始から30秒開始した時点で、「V」の演出図柄212と3ケタの小図柄を確定停止表示させる(図53(h))。小当たり遊技が開始されると、ルーレット変動演出と小図柄変動演出の表示を止める(図53(i))。変動演出以外の演出画像はそのまま継続して表示される。そして、V通過がなされたときには、V通過報知演出が実行される(図53(j))。
図40のステップS5117にて大当たり変動用の特殊変動演出パターンが選択された場合には、図52(a)〜(e)並びに図54(a)及び(b)に示す一連の演出が実行される。すなわち、大当たり変動用の特殊変動演出パターンは、途中までは小当たり変動用の特殊変動演出パターンと同様であるが、図53(g)や(h)に示された画像を表示することがない。つまり、図54(a)に示す画像(図53(f)と同じ画像)を表示した後すぐに、図54(b)に示す「V」の文字画像300と「BONUS確定」の文字画像310とを表示する。これにより、遊技者は大当たりに当選したことを認識することが可能となっている。なお、図54(b)に示す画像の表示に伴って、3ケタの小図柄は確定停止表示される。大当たり当選時の小図柄の出目は、例えば「7・7・7」のようなゾロ目である。なお本形態では、時短状態における特図2の抽選に基づく大当たり変動の所要時間は30秒である(図11参照)。これは、小当たり変動の所要時間と同じである。
このように大当たり変動時のルーレット変動演出も、疑似ハズレ演出を6回繰り返した後、7回目の変動表示を経て、演出図柄を「V」の演出図柄で停止表示させる演出である。よって、小当たり変動時のルーレット変動演出が実行される場合と同様の効果を発揮することが可能となっている。つまり、パチンコ遊技機1の内部的には大当たり当選の判定がなされた後であっても、遊技者に複数回のハズレ変動が実行されているように認識させることが可能となり、「V」の演出図柄が停止表示(仮停止表示)されるまでは、遊技球の発射を続けさせることが可能となる。その結果、上限記憶数「1」の第2特図保留を生じさせることが可能となる。これにより上記した遊技性を確実に実現させることが可能となる。
なお、大当たり変動時の疑似ハズレ演出の実行回数が、小当たり変動時の疑似ハズレ演出の実行回数と異なっていてもよい。また、大当たり変動時の疑似ハズレ演出の実行回数は少なくとも1回あればよく、小当たり変動時の疑似ハズレ演出の実行回数も少なくとも1回あればよい。また、ルーレット変動演出における演出図柄を第1の演出図柄といい、小図柄変動演出における小図柄を第2の演出図柄ということとする。また、ルーレット変動演出を、第1の変動演出といい、小図柄変動演出を、第2の変動演出ということとする。また、図51に示すルーレット変動演出をハズレ用変動演出といい、図52及び図53に示すルーレット変動演出を小当たり用変動演出といい、図54に示すルーレット変動演出を大当たり用変動演出ということとする。
[通常時ステージ任意設定処理]演出制御用マイコン91は変動演出開始処理(図39)のステップS5108として、図41に示す通常時ステージ任意設定処理を行う。図41に示すように、通常時ステージ任意設定処理(S5108)ではまず、演出制御用マイコン91は、ステージ変更カウンタの値が「0」でないか否かを判定する(S5201)。ステージ変更カウンタは、後述する通常時ステージ強制変更処理(図42)によってステージが強制的に変更された後の5変動をカウントするためのカウンタである。ステージ変更カウンタの値は、図43中のステップS5405の処理で「5」にセットされる。
ステージ変更カウンタの値が「0」であれば(S5201でNO)、直ちに通常時ステージ任意設定処理を終える。これに対して、ステージ変更カウンタの値が「0」でなければ(S5201でYES)、ステージの強制変更後の5変動以内の期間であるため、ステージ変更カウンタの値を1減算する(S5202)。そして、今回の変動演出開始処理(図39)における変動演出パターン選択処理(S5105)で選択した変動演出パターンが、リーチ無しハズレの変動演出パターンであるか否かを判定する(S5203)。判定結果がNOであれば、直ちに本処理を終えるが、判定結果がYESであれば、ステージ任意設定演出(図59参照)の実行を開始させるための演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5204)。
ステップS5204でセットされた演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ステージ任意設定演出の演出画像をROM103から読み出して、図59に示すように画像表示装置7の表示画面7aにおける右下部7dにてステージ任意設定演出を実行する。ステージ任意設定演出は、強制的に変更されたステージを遊技者の好みのステージに戻すことを可能にする演出である。なお、ステージ任意設定演出の詳細については後述する。
[通常時ステージ強制変更処理]演出制御用マイコン91は変動演出開始処理(図39)のステップS5109として、図42に示す通常時ステージ強制変更処理を行う。図42に示すように、通常時ステージ強制変更処理(S5109)ではまず、演出制御用マイコン91は、ステージ変更カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S5301)。「0」でなければ(S5301でNO)、ステージの強制変更後の5変動以内であるため、直ちに本処理を終える。これに対して、「0」であれば(S5301でYES)、続いて、モードステータスの値が「1」であるか否か、すなわち、現在が昼背景モードに設定されているか否かを判定する(S5302)。この判定結果がNOであれば、昼背景モードではないため、直ちに本処理を終える。
これに対して、ステップS5302の判定結果がYESであれば、続いて、今回の変動演出開始処理(図39)における変動演出パターン選択処理(S5105)で選択した変動演出パターンが、SPリーチのリーチ有りハズレの変動演出パターンであるか否かを判定する(S5303)。この判定結果がNOであれば、直ちに本処理を終える。これに対して、ステップS5303の判定結果がYESであれば、強制的なステージ変更を行うか否かを決める抽選(ステージ変更抽選)を行う(S5304)。そして、ステージ変更を行うと決定されたか否かを判定し(S5305)、ステージ変更を行わない場合には(S5305でNO)、直ちに本処理を終えるが、ステージ変更を行う場合には(S5305でYES)、後述するステージフラグ更新処理(S5306)を行って、本処理を終える。
ここで、ステージフラグとは、昼背景モードにおけるステージを示すフラグである。本形態では、ステージに応じた演出態様で装飾図柄8L,8C,8R(図1参照)の変動演出が実行される。図42中の表に示すように、ステージフラグの値は、「1」がキャラAステージに対応し、「2」がキャラBステージに対応し、「3」がキャラCステージに対応している。なお本形態では、昼背景モード中のSPリーチハズレ後の強制的なステージ変更は、予め定められたステージ変更順序に従って実行される。図42中の表に示すように、本形態におけるステージ変更順序は、キャラAステージ→キャラBステージ→キャラCステージの順である。キャラCステージの次は、キャラAステージに戻る。
[ステージフラグ更新処理]図43に示すように、ステージフラグ更新処理(S5306)ではまず、演出制御用マイコン91は、除外設定フラグの値が「5」、「6」、又は「7」のいずれかであるか否かを判定する(S5401)。除外設定フラグとは、制御対象から除外されているステージを示すフラグである。後述するが、本形態では遊技者による操作に応じて、3種類のステージの中から2つまでのステージを制御対象のステージから除外することが可能となっている。この除外に関する設定を除外設定という。
除外設定フラグの値と、制御対象から除外されるステージ(除外ステージ)との対応関係は、図43中の表に示す通りである。本形態では、除外設定フラグの値が「1」であれば、どのステージも制御対象外とはならない、つまり除外ステージは「無し」となる。また、除外設定フラグの値が「2」であれば、キャラAステージのみが制御対象外となり、除外設定フラグの値が「3」であれば、キャラBステージのみが制御対象外となり、除外設定フラグの値が「4」であれば、キャラCステージのみが制御対象外となる。また、除外設定フラグの値が「5」であれば、キャラAステージとキャラBステージとが制御対象外となり、除外設定フラグの値が「6」であれば、キャラAステージとキャラCステージとが制御対象外となり、除外設定フラグの値が「7」であれば、キャラBステージとキャラCステージとが制御対象外となる。
ステージフラグ更新処理におけるステップS5401の判定結果がYESであれば、制御対象のステージが1つしかないため、強制的なステージ変更は実行されない。よって、この場合は、直ちにステージフラグ更新処理を終える。これに対して、ステップS5401の判定結果がNOであれば、除外設定フラグの値と、ステージフラグの値とに基づいて、ステージフラグの値を更新する(S5402)。例えば、除外設定フラグの値が、キャラBステージを除外ステージとする値「2」であり、ステージフラグの値が、キャラAステージに対応する値「1」であれば、キャラCステージに変更するため、ステージフラグの値を「3」に更新する。
そして、更新したステージフラグの値の情報を含むステージ指定コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5403)。このコマンドを画像制御基板100が受信すると、画像制御基板100により画像表示装置7の表示画面7aはステージ指定コマンドに示されたステージに変更される。つまり、背景画像として、変更後のステージに対応した背景画像が表示され、以降の変動演出では装飾図柄8L,8C,8Rとして、変更後のステージに対応したデザインの装飾図柄が表示される。このステージの変更は、SPリーチの演出の後で実行される。すなわち、SPリーチの演出前のステージは前回の変動演出時と同じステージに制御され、SPリーチの演出後のステージがステップS5402で更新されたステージに制御される。
ステップS5403に続いて、演出制御用マイコン91は、除外設定フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S5404)。「1」でなければ、つまり少なくとも1つのステージが除外ステージとして設定されていれば、直ちに本処理を終える。これに対して、「1」であれば、つまりいずれのステージも制御対象のステージから除外されていなければ、ステージ変更カウンタの値を「5」にセットして(S5405)、本処理を終える。このステップS5405の処理を行うことで、上述したステージ任意設定演出が実行されるようになる(図41参照)。
このように本形態では、除外設定がなされているときには(つまり少なくとも1つのステージが除外ステージとして設定されているときには)、強制的なステージ変更から5変動以内(特別図柄の変動表示が5回実行されるまで)の期間であっても、ステージ任意設定演出が実行されないようになっている。このようにしているのは、除外設定がなされているときには既に遊技者の好みでないステージが制御対象から除外されており、強制的なステージ変更がなされたとしても、遊技者の好みでないステージに制御されることはないと考えられるからである。
[変動演出終了処理]図44に示すように、変動演出終了処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析するとともに(S5601)、モードステータスを参照する(S5602)。次に、モードステータスの値が「1」か否か、即ち昼背景モードか否かを判定する(S5603)。そして、モードステータスの値が「1」であれば、ステップS5611に進む。
一方、モードステータスの値が「1」でなければ、続いて特2保留有りフラグがONであるか否かを判定する(S5604)。特2保留有りフラグは、上限実行回数「99」回の特図変動の実行によって時短状態且つ高ベース状態が終了して通常遊技状態に制御されたがまだ第2特図保留が残っていることを示すフラグであり、後述するステップS5608でセットされるフラグである。
ステップS5604において特2保留有りフラグがONでなければ、RAM94に設けられた演出モードカウンタの値Mを1ディクリメントして(S5605)、その値Mが「0」になったか否かを判定する(S5606)。演出モードカウンタは、夜背景モード又は夕方背景モードにて実行した変動演出の回数をカウントするためのカウンタであり、夜背景モードに設定されるときに「99」にセットされ、夕方背景モードに設定されるときに「1」にセットされる(図46参照)。ステップS5606において「0」でなければ(S5606でNO)、そのままステップS5611に進む。これに対して、「0」であれば(S5606でYES)、ステップS5607に進む。またステップS5604において特2保留有りフラグがONである場合も、ステップS5607に進む。
ステップS5607では、現在の第2特図保留が「0」か否かを判定する。この判定では、RAM94の第2特図保留演出カウンタの値を参照する。なお以降の処理においても、演出制御用マイコン91が第2特図保留の有無を確認する際には、第2特図保留演出カウンタの値が参照される。ステップS5607において現在の第2特図保留が「0」でないと判定した場合には、上限実行回数「99」回の特図変動の実行によって時短状態且つ高ベース状態は終了したがまだ第2特図保留が残っているため、夜背景モードを継続させる。そのため、まだモードステータスを「1」には戻さず、特2保留フラグをONして(S5608)、ステップS5611に進む。
これに対して、ステップS5607において現在の第2特図保留が「0」であると判定した場合には、第2特図保留のない通常遊技状態であるため、特2保留有りフラグをOFFする(S5609)。そして、夕方背景モード又は夜背景モードから昼背景モードに戻すべく、モードステータスの値を「1」にセットするとともに、昼背景モードに制御すべきことを指定するモード指定コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5610)、ステップS5611に進む。
ステップS5611では、演出制御用マイコン91は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。このコマンドを受信した画像制御基板100は、ルーレット変動演出や小図柄変動演出における図柄を確定停止表示させたり、装飾図柄変動演出における装飾図柄8L,8C,8Rを確定停止表示させたりする。
ステップS5611に続いて、演出制御用マイコン91は、今回終了させる変動演出が、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)における特図2の小当たり変動に伴う変動演出であるか否かを判定する(S5612)。本形態では、通常遊技状態における特図2の小当たり変動の際の停止時間は、20秒と他の場合の停止時間(500ms)よりも長い時間に設定されている(図11参照)。ステップS5612の判定結果がNOであれば本処理を終える。これに対して、ステップS5612の判定結果がYESであれば、Vアタッカー打込報知演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S5613)。
このコマンドを受信した画像制御基板100は、20秒と長めの停止時間を利用して、Vアタッカー打込報知演出を行う。Vアタッカー打込報知演出とは、図55に示すような演出画像を表示画面7aに表示する演出である。図55に示す演出画像は、特定領域39を備える第2大入賞装置36(Vアタッカー)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。つまり、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)を狙って右打ちにて遊技球を発射すべき旨を示唆する演出画像である。
[特別遊技演出選択処理]図45に示す特別遊技演出選択処理(S4408)は、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する処理である。ここで選択される特別遊技演出には、大当たり遊技又は小当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出が含まれている。
図45に示すように、特別遊技演出選択処理(S4408)ではまず、オープニングコマンドを解析する(S5701)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データに関する情報と、当選時の遊技状態の情報とが含まれている(図8参照)。
続いて演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、通常遊技状態(非時短状態且つ低ベース状態)における「特図1_小当たり図柄a」(図8参照)への当選に基づく小当たり遊技のオープニング開始時であるか否かを判定する(S5702)。この判定結果がYESであれば、小当たり時の特別遊技演出(小当たり演出)として、図56(a)に示すステージ変更演出(演出態様選択演出に相当)を行うか否かの抽選を行う(S5703)。この抽選の結果、ステージ変更演出を行うことに決定されれば、ステージ変更演出を選択し、ステージ変更演出を行わないことに決定されれば、これとは異なる小当たり演出を選択して、ステップS5705に進む。
一方、ステップS5702の判定結果がNOであれば、当選した図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)及び当選時の遊技状態に応じて予め定められている特別遊技演出の演出パターンを選択して(S5704)、ステップS5705に進む。ステップS5705では演出制御用マイコン91は、上記処理にて選択した演出パターンにて特別遊技演出を開始するための特別遊技演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。
ステップS5205でセットされた特別遊技演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の特別遊技演出の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。ステップS5703が実行されておりステージ変更演出を実行すると決定されていたのであれば、図56(a)に示すステージ変更演出が実行される。
具体的にはステージ変更演出は、図56(a)に示すように、複数種類のステージの中から好みのステージを遊技者に選択させる演出である。ステージ変更演出の実行期間中の所定期間が、セレクトボタン64(図1参照)の操作の有効期間に設定される。遊技者によるセレクトボタン64の操作(つまりセレクトボタン検出スイッチ64aによる検知信号)に基づいて、演出制御用マイコン91は、表示画面7aの中央に表示させるステージの画像を切り替える。セレクトボタン64の操作の有効期間が経過したとき、又は、演出ボタン63(図1参照)の押下操作がなされたとき(つまり演出ボタン検出スイッチ63aによる検知信号を演出制御用マイコン91が読み込んだとき)に、表示画面7aの中央に表示されているステージの画像400に対応するステージが、小当たり遊技後のステージとして設定される。つまり、小当たり遊技後には、ステージ変更演出を経て設定されたステージにて装飾図柄変動演出が実行されることとなる(図56(b)参照)。なお図56(a)に示すように、ステージ変更演出として表示画面7aに表示される画像には、ステージを示す画像400の他、セレクトボタン64の有効期間を示す画像410や、セレクトボタン64の操作によってステージを変更できることを説明する画像420が含まれている。また、ステージ変更演出において遊技者が選択可能なステージの種類は、除外設定の設定状況に関わらず全てのステージとしてもよいし、除外設定によって制御対象から除外されたステージを含まないステージとしてもよい。
このように本形態では、通常遊技状態での特図1の抽選での小当たり当選時に、ステージ変更演出が実行され得る。従って、このステージ変更演出が実行された場合には、遊技者の意識をステージの変更に向けさせることが可能となる。よって、V通過が望めない特1V非通過小当たりに当選した場合に、遊技者に小当たり遊技の実行を意識させ難くするとともに、ステージ変更による飽き防止の効果が期待できる。なお、特1V非通過小当たり当選時の装飾図柄変動演出では、小当たり当選を意識させ難くするよう装飾図柄8L,8C,8Rの組み合わせとしてバラケ目が選択されるようになっている。
[エンディング演出選択処理]図46に示すエンディング演出選択処理(S4410)は、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する処理である。図46に示すように、エンディング演出選択処理(S4410)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5801)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たり又は小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データに関する情報と、当選時の遊技状態を示す情報とが含まれている(図8参照)。
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS5801で解析したエンディングコマンドが示す特別図柄の種別の情報と当選時の遊技状態の情報とに基づいて、時短状態且つ高ベース状態に移行させるか否かを判定する(S5802)。この判定結果がYESであれば、図57(a)に示す「夜背景モード!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出パターンを、エンディング演出パターンとして選択して(S5803)、ステップS5804に進む。ステップS5804では、モードステータスの値を夜背景モードに対応する値「2」にセットするとともに、演出モードカウンタの値Mを「99」にセットする。そして、ステップS5815に進む。図57(a)に示す「夜背景モード!」のエンディング演出によって、遊技者に対して時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)に移行する旨を報知することが可能である。
ステップS5802の判定結果がNOである場合、すなわち通常遊技状態に制御する場合には、続いて、当選時の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態であったか否かを判定する(S5805)。この判定結果がYESであれば、続いて、現在の第2特図保留が「0」でないかを判定する(S5806)。この判定結果がYESであれば、即ち、現在の第2特図保留が「1」であれば、ステップS5807に進む。
ステップS5807では、第2特図保留の中に、小当たり当選と判定される予定の特図保留(以下「小当たり保留」という)、又は、大当たり当選と判定される予定の特図保留(以下「大当たり保留」という)の少なくとも一方があるか否かを判定する。本形態では第2特図保留の上限記憶数は「1」である。よって、この1つの第2特図保留が小当たり保留であるか否かを判定し、小当たり保留でなければさらに大当たり保留であるか否かを判定する。言い換えれば、保留連(ここでは大当たり遊技中の第2特図保留の中に小当たり保留又は大当たり保留のいずれかがあること)の有無を判定する。
この判定は、第2特図保留演出記憶部95b(図7)の始動入賞コマンド記憶領域に記憶されている第2始動入賞コマンドが示す情報に基づいて行う。上述したように、始動入賞コマンドを解析すれば、その始動入賞コマンドに係る判定用情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であるか否か、及び、大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であるか否かがわかる(図13参照)。具体的には始動入賞コマンドの下位コマンドの下の桁が「1」であれば大当たり当選情報であり、「2」であれば小当たり当選情報である。なお、小当たり保留と大当たり保留とを総称する場合、当たり保留というものとする。
ステップS5807の判定結果がYESであれば、つまり第2特図保留が当たり保留であれば、演出制御用マイコン91は、図57(b)に示す「[超]夕方背景モード!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出の実行抽選を行う(S5808)。この演出の実行抽選に当選した場合には(S5809でYES)、「[超]夕方背景モード!」のエンディング演出パターンを選択して(S5810)、ステップS5812に進む。
これに対して、ステップS5807の判定結果がNOである場合、及び、ステップS5809の判定結果がNOである場合には、図57(c)に示す「夕方背景モード!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出パターンを、エンディング演出パターンとして選択して(S5811)、ステップS5812に進む。ステップS5812では、モードステータスの値を夕方背景モードに対応する値「3」にセットするとともに、演出モードカウンタの値Mを「1」にセットする。そして、ステップS5815に進む。
図57(b)に示す「[超]夕方背景モード!」のエンディング演出によって、遊技者に対して第2特図保留がある状態で通常遊技状態に移行する旨を報知するとともに、第2特図保留が当たり保留である旨を示唆することが可能である。つまり、遊技者はエンディング演出として[超]の文字画像が表示されることによって、第2特図保留に基づいて小当たり又は大当たりに当選することを認識することが可能である。これは、本形態のパチンコ遊技機1の遊技性からすれば、2回の大当たり遊技の獲得を意味する。従って、夕方背景モードへの移行を示すエンディング演出において、「超」の文字画像が表示されるか否かは遊技者の関心の高まるところであり、このような演出を搭載することによって、大当たり遊技時(詳しくはエンディング時)の遊技興趣が高められている。なお、「[超]夕方背景モード!」の演出画像を表示画面7aに表示するエンディング演出を、特別示唆演出ともいう。
また図57(c)に示す「夕方背景モード!」のエンディング演出によって、遊技者に対して第2特図保留がある状態で通常遊技状態に移行する旨を報知することが可能である。このエンディング演出が実行された場合には、第2特図保留に基づいて小当たり又は大当たりに当選するのかどうかは遊技者にはわからない。但し、この場合でも第2特図保留に基づく抽選結果がはずれとなることが確定しているわけではない。そのため、夕方背景モードにおいて実行される変動演出の結果に期待させることが可能である。
ステップS5805の判定結果がNOの場合、及び、ステップS5806の判定結果がNOの場合には、図57(d)に示す「またね!」の文字画像を表示画面7aに表示する演出パターンを、エンディング演出パターンとして選択して(S5813)、ステップS5814に進む。ステップS5814では、モードステータスの値を昼背景モードに対応する値「1」にセットする。そして、ステップS5815に進む。図57(d)に示す「またね!」のエンディング演出によって、遊技者に対して第2特図保留がない状態で通常遊技状態に移行する旨を報知することが可能である。なお、この演出は、昼背景モードへの移行示唆にもなっている。
ステップS5815では演出制御用マイコン91は、上記の処理にて選択した演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。ステップS5815でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。つまり、図57に示す各演出画像のいずれかが表示画面7aに表示されることとなる。
ステップS5815に続いて演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスの値の情報を含むモード指定コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5816)。そして、ステージ変更カウンタの値を「0」にクリアして(S5817)、エンディング演出選択処理を終える。ステップS5817の処理を行うのは、ステージ変更カウンタの値が「0」でないときに大当たり遊技が実行されることがあるのを考慮してのことである。
ステップS5816でセットされたモード指定コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、大当たり遊技後の演出モードを、モード指定コマンドが示す演出モードに制御する。昼背景モードが指定されている場合には、昼背景モードにおけるステージを、前回の昼背景モードにおけるステージと同じステージに制御する。なお、モード指定コマンドによって指定された演出モードが昼背景モードである場合のステージについては、制御対象から除外されていないステージの中からランダムに選択される構成や、予め設定されているステージが選択される構成としてもよい。
[客待ち処理]図47に示すように、客待ち処理(S4413)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定する(S6001)。客待ちコマンドを受信していれば、客待ち演出を実行するまでの待機時間の計測を開始するとともに(S6002)、客待ち計測フラグをONにして(S6003)、ステップS6005に進む。
一方、受信していなければ、続いて、客待ち計測フラグがONか否かを判定する(S6004)。客待ち計測フラグがONでなければ、客待ち演出実行までの待機時間の計測中ではないため、客待ち処理を終了する。これに対して、客待ち計測フラグがONであれば、続いて、タイムアップか否か、すなわち、計測中の待機時間が経過して客待ち演出の実行開始時間となったか否かを判定する(S6005)。そして、タイムアップでなければ、本処理を終えるが、タイムアップであれば、客待ち計測フラグをOFFするとともに(S6006)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6007)、本処理を終える。ステップS6007でセットされた客待ち演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、客待ち演出の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。客待ち演出の実行開始から新たな変動演出が実行されるまでを待機状態という。
[スイッチ処理]演出制御用マイコン91は10msタイマ割り込み処理(図36)のステップS4303として、図48に示すスイッチ処理を行う。図48に示すように、スイッチ処理(S4303)ではまず、演出制御用マイコン91は、客待ち演出の実行中であるか否かを判定する(S6201)。客待ち演出の実行中であれば(S6201でYES)、続いて、設定画面呼出操作があったか否かを判定する(S6202)。設定画面呼出操作は、本形態では、演出ボタン63を押下する操作である。設定画面呼出操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
ステップS6202において、設定画面呼出操作がないと判定した場合には直ちに本処理を終えるが、設定画面呼出操作があると判定した場合には、設定画面表示処理(S6203)を行って本処理を終える。設定画面表示処理(S6203)では、図58に示す設定画面を表示画面7aに表示させるための表示コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。これを受信した画像制御基板100は、図58に示す設定画面を表示画面7aに表示させる。
設定画面(メニュー表示ともいう)は、図58に示すように、複数の項目表示501〜510と、これらの項目表示のうちの1つを指し示すためのカーソル表示520とを含んでいる。設定画面の表示中は、上下左右のセレクトボタン64が操作されると、カーソル表520が別の項目表示を指すようになっている。また、演出ボタン63が操作されると、カーソル表示520が指している項目表示に応じた処理が実行されるようになっている。
ステップS6201において客待ち演出の実行中でないと判定した場合には、続いて、設定画面の表示中であるか否かを判定する(S6204)。設定画面の表示中であれば(S6204でYES)、続いて、ステージ除外設定操作があったか否かを判定する(S6205)。ステージ除外設定操作は、本形態では、セレクトボタン64を押下することで、設定画面(図58)におけるステージ除外設定に関する項目表示505〜510のいずれかにカーソル表示520を合わせ、演出ボタン63を押下する操作である。なお、設定画面の表示内容は、ステージ除外設定操作の方法が遊技者に分かりやすく伝わる内容であれば、どのような内容であってもよく、ステージ除外設定操作をどのような操作とするかは、設定画面の表示内容に応じて適宜変更可能である。
ステップS6205においてステージ除外設定操作があると判定した場合には、その操作に応じて、除外設定フラグの値を更新する(S6206)。具体的には、例えば設定画面(図58)において「キャラAステージ除外」の項目表示505にカーソル表示520が合わせられて演出ボタン63が押下されていれば、除外設定フラグの値を「2」に設定する(図43中の表参照)。また、例えば設定画面(図58)において「キャラA及びBステージ除外」の項目表示508にカーソル表示520が合わせらされて演出ボタン63が押下されていれば、除外設定フラグの値を「5」に設定する(図43中の表参照)。これにより、以降の遊技において除外されたステージに強制的に制御されることはなくなる。
ステップS6206に続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S6207)を行って、スイッチ処理を終える。ステップS6206に続くその他の処理(S6207)では、表示画面7aの表示内容をメニュー表示(設定画面)から通常表示に戻すなどの処理を行う。また、ステップS6205においてステージ除外設定操作がないと判定した場合にも、その他の処理(S6207)を行って、スイッチ処理を終える。この場合のその他の処理(S6207)では例えば、設定画面(図58)におけるステージ除外設定に関する項目表示505〜510以外の項目表示501〜504の決定操作がなされたか否かを判定し、なされていればその操作に応じた処理を行う。
ステップS6204において設定画面(図58)の表示中でないと判定した場合には、続いて、ステージ任意設定演出(図59)の実行中であるか否かを判定する(S6208)。なお図59に示すように、ステージ任意設定演出は、ステージの強制変更後のリーチ無しハズレの装飾図柄変動演出に伴って、表示画面7aの右下部7dにて実行される演出である。ステージ任意設定演出として表示画面7aの右下部7dに表示される画像には、ステージを表すステージ画像600と、セレクトボタン64及び演出ボタン63の操作によってステージを設定できることを説明する画像610とが含まれている。ステージ任意設定演出の実行中は、左右のセレクトボタン64が操作されると、ステージ画像が別のステージを示す画像に切り替わるようになっている。
ステップS6208においてステージ任意設定演出の実行中であれば、続いて、ステージ任意設定操作があったか否かを判定する(S6209)。ステージ任意設定操作は、本形態では、左右のセレクトボタン64を押下することで、ステージ任意設定演出において表示されているステージ画像600を任意のステージを示す画像に切り替えて、演出ボタン63を押下する操作である。なお、ステージ任意設定演出の表示内容は、ステージ任意設定操作の方法が遊技者に分かりやすく伝わる内容であれば、どのような内容であってもよく、ステージ任意設定操作をどのような操作とするかは、ステージ任意設定演出の表示内容に応じて適宜変更可能である。
ステップS6209においてステージ任意設定操作がないと判定した場合には直ちに処理を終えるが、ステップS6209においてステージ任意設定操作があると判定した場合には、その操作に応じて、ステージフラグの値を更新する(S6210)。具体的には、例えばステージ任意設定演出(図59)においてステージ画像600として「キャラAステージ」の画像が表示されて演出ボタン63が押下されていれば、ステージフラグの値を「1」に設定する(図42中の表参照)。その後、演出制御用マイコン91は、現在のステージフラグの値の情報を含むステージ指定コマンドを、RAM94の出力バッファにセットするとともに(S6211)、ステージ変更カウンタの値を「0」にクリアして(S6212)、本処理を終える。ステップS6212の処理により、ステージ任意設定演出において遊技者によるステージの任意設定がなされた場合には、新たなステージの強制変更がなされない限り、ステージ任意設定演出が実行されないこととなる。ステップS6211でセットされたコマンドを画像制御基板100が受信すると、画像制御基板100は次回の変動演出の開始時にステージを変更させる。
ステップS6208においてステージ任意設定演出(図59)の実行中でないと判定した場合には、続いて、ステージ変更演出(図56(a))の実行中であるか否かを判定する(S6213)。ステージ変更演出の実行中であれば、続いて、ステージ変更操作、又は、ステージ変更操作の有効期間の終了(タイムアップ)のいずれかがあったか否かを判定する(S6214)。ステージ変更操作は、本形態では、左右のセレクトボタン64を押下することで、表示画面7aの中央に表示されるステージの画像400を切り替えて、演出ボタン63を押下する操作である。なお、ステージ変更演出の表示内容は、ステージ変更操作の方法が遊技者に分かりやすく伝わる内容であれば、どのような内容であってもよく、ステージ変更操作をどのような操作とするかは、ステージ変更演出の表示内容に応じて適宜変更可能である。
ステップS6214の判定結果がNOである場合には直ちに処理を終えるが、ステップS6214の判定結果がYESである場合には、ステージフラグの値を、ステージ変更操作に応じた値、若しくは、ステージ変更操作の有効期間の終了時点で表示画面7aの中央に表示されているステージの画像400に対応した値に更新する(S6215)。具体的には、例えばステージ変更演出(図56(a))において表示画面7aの中央にキャラAステージの画像が表示された状態で演出ボタン63が押下されていれば、ステージフラグの値を「1」に設定する(図42中の表参照)。また例えば、ステージ変更演出(図56(a))において表示画面7aの中央にキャラCステージの画像が表示された状態でステージ変更操作の有効期間が終了(タイムアップ)すれば、ステージフラグの値を「3」に設定する(図42中の表参照)。
その後、演出制御用マイコン91は、現在のステージフラグの値の情報を含むステージ指定コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S6216)、本処理を終える。ステップS6216でセットされたコマンドを画像制御基板100が受信すると、画像制御基板100は、次回の変動演出(つまり小当たり遊技の終了後の1変動目の変動演出)の開始時にステージを変更させる(図56(b)参照)。
ステップS6213においてステージ変更演出(図56(a))の実行中でないと判定した場合には、その他の処理(S6217)を行って、スイッチ処理を終える。その他の処理(S6217)では、演出ボタン63やセレクトボタン64といった操作ボタンを利用した他の演出に関係する処理を行う。
8.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図60に基づいて説明する。図60に示すように、まず、通常遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する。これにより、特図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う。この遊技開始時点の通常遊技状態では昼背景モードに設定されている。従って、表示画面7aには、図50(a)に示す昼の背景画像が表示される。なお、この昼の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、特別図柄の種別が「特図1_大当たり図柄C」であれば、大当たり遊技後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。これに対して、「特図1_大当たり図柄A」又は「特図1_大当たり図柄B」であれば、大当たり遊技後の遊技状態は時短状態且つ高ベース状態に制御される。この振分率は各50%である(図8参照)。なお本明細書においては、V通過を経ないで当選する大当たりを、直撃大当たりと記載することがある。当選した特別図柄が「特図1_大当たり図柄C」であった場合には、再び通常遊技状態において特図1の抽選に基づく大当たりの当選を狙って遊技を進行する。
これに対して、当選した特別図柄が「特図1_大当たり図柄A」又は「特図1_大当たり図柄B」であった場合には、時短状態且つ高ベース状態に制御される。この時短状態且つ高ベース状態では、遊技者は右打ちにて遊技を進行する。これにより、特図2の抽選に基づく大当たり当選(小当たり当選からの特定領域39の通過に基づく大当たり又は直撃大当たり)を狙う。
本形態では、時短状態における特図変動の上限実行回数が99回であるため、時短状態に制御されれば、ほぼ必ず大当たり遊技を実行させることが可能である。また、この時短状態中には、既に述べた特殊変動パターンの変動演出(図51〜図54)が実行されるため、大当たり遊技の開始までに第2特図保留を上限記憶数まで(つまり本形態では「1」つ)貯めることができる。なお、時短状態且つ高ベース状態に制御されているときは、夜背景モードに設定される。従って、表示画面7aには、図50(b)に示す夜の背景画像が表示される。なお、この夜の背景画像は、変動演出を実行していないときにも表示される。
特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、特別図柄の種別が「特図2_小当たり図柄c」であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技後の遊技状態は通常遊技状態に制御される。これに対して、「特図2_小当たり図柄b」であれば、V通過に基づく2種大当たり遊技後の遊技状態は時短状態且つ高ベース状態に制御される。再び時短状態に制御される確率(継続率)は60%である(図8参照)。なお、特図2の抽選に基づいて直撃大当たりに当選した場合にも、60%の割合で時短状態が継続する。
特図2の抽選に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態に制御された場合、第2特図保留があれば、夕方背景モード(図50(c))に制御される。そして、この第2特図保留に基づく抽選が実行される。ちなみに、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、遊技者が正しく遊技する限り(すなわち図55に示すVアタッカー打込報知演出に従って右打ちを続ける限り)、必ず特定領域39への通過が可能である(図49(b)及び(c)参照)。また、特図2の抽選における小当たり当選確率はおよそ1/4程度である(図10(A)参照)。よって、遊技者の関心は、1つある第2特図保留に基づいて小当たり又は大当たりに当選するか否かに向けられる。ちなみに直撃大当たりとなる確率はおよそ1/230程度であり(図10(A)参照)、小当たり当選確率と比べると著しく低い。そのため、実質的にはおよそ1/4程度の確率で大当たり遊技を実行させられることとなる。
この第2特図保留に基づく抽選にて小当たり当選又は大当たり当選のいずれかとなれば、大当たり遊技後には必ず時短状態且つ高ベース状態に制御される(図8参照)。よって、時短状態且つ高ベース状態において再度大当たりを獲得することが可能である。このように本形態のパチンコ遊技機1は、通常遊技状態における特図2の抽選にて小当たりに当選した場合、及び、大当たりに当選した場合には、2回の大当たり遊技の実行が期待できる遊技機となっている。なお、時短状態且つ高ベース状態における特図2の抽選にて小当たり又は大当たりに当選しても、2回の大当たり遊技の実行は確定しない。
夕方背景モードにおける特図2の抽選結果がハズレであった場合には、通常遊技状態に移行する。このとき、昼背景モードに設定される。従って、表示画面7aには、図50(a)に示す昼の背景画像が表示される。また、時短状態における当選に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態に制御された場合であっても、第2特図保留がない場合には、昼背景モードに制御される。よって、昼の背景画像が表示される。
この昼の背景画像の表示は、遊技者に対する有利な状態の終了示唆となっている。ちなみに本形態では、夜の背景画像が表示されているときと、夕方の背景画像が表示されているときは、昼の背景画像が表示されているときよりも大当たり遊技を実行させ易い有利な状態にあると言える。このことからすれば、夜の背景画像の表示と夕方の背景画像の表示とは、有利な状態であることの示唆となっている。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、特定領域39への通過が望めない「特図1_小当り図柄a」(図8参照)に基づく小当たり遊技の実行期間中には、図56(a)に示すステージ変更演出(演出態様選択演出)が実行される。従って、遊技者の意識をステージ(演出態様)の選択に向けさせることが可能となり、特定領域39への通過が望めない小当たり遊技の実行を遊技者に意識させ難くすることが可能となっている。その結果、このような小当たり遊技が何度も実行されることで遊技者に煩わしさを感じさせてしまうのを防止可能となっている。
特に「特図1_小当り図柄a」は、第1始動口20への入球を狙う通常遊技状態において当選することとなる図柄であり、ステージ変更演出は、そのときに実行される演出となっている。そのため、遊技者に通常遊技状態における小当たり当選を煩わしく感じさせることなく遊技を行わせることが可能となっている。また、通常遊技状態においてステージ(演出態様)の切り替えを適度に促すことが可能となり、飽き難い遊技機とすることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、ハズレを示すSPリーチの変動演出(特定の演出内容の変動演出)が実行されて、ステージ(演出態様)が変更されても、この変更後の所定の遊技期間中(5変動以内)は、ステージ任意設定演出が実行され得る。そしてこのステージ任意設定演出が実行されれば、遊技者は操作部(セレクトボタン64及び演出ボタン63)を操作することで、ステージを設定し直すことが可能である。よって、好みでないステージに強制的に変更されても、遊技者の好みのステージに設定し直すことが可能である。従って、好みでないステージで遊技を続けさせることで遊技意欲を低下させてしまうのを防止することが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技者による操作部(セレクトボタン64及び演出ボタン63)の操作に基づいてステージ(演出態様)を設定できる期間が、ハズレを示すSPリーチの変動演出(特定の演出内容の変動演出)が実行された後、規定回数(5回)の変動演出が実行され終わるまでの間に限られている。よって、操作部の操作に基づくステージの設定がいつでもできるように構成するよりも、演出制御用マイコン91等の処理負担を軽減することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、ステージ任意設定演出が実行されることで遊技者の操作に基づくステージ(演出態様)の設定が可能となるのは、リーチ無しハズレの変動演出の実行中に限られる。言い換えれば、リーチが成立する変動演出の実行中は、ステージの設定が可能とならない。よって、リーチが成立する変動演出が実行されているのに遊技者の意識がステージの変更に向いてしまい、変動演出の演出効果が低下するのを防止可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、ステージ(演出態様)の強制的な変更は、ハズレを示すSPリーチの変動演出が実行されるときにしか実行されない。よって、リーチの成立の有無に関わらずステージが強制的に変更され得る構成とするよりも、遊技者の意思に依らないステージの変更が高頻度で行われることを抑制可能となり、遊技者に煩わしさを感じさせ難い遊技機となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、ステージ(演出態様)の除外設定によって好みでないステージに制御されないように設定しておくことが可能である。そして、ステージの除外設定がなされているときには、そもそも好みでないステージに制御されることがないため、ハズレを示すSPリーチの変動演出が実行されてステージが強制的に変更されても、遊技者にステージを再設定させる必要性に乏しい。よって、ステージの除外設定がなされているときには、ステージ任意設定演出を実行しないようにしている(図41参照)。従って、演出制御用マイコン91等の処理負担を軽減することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、ステージ変更演出(図56(a))においてステージ(演出態様)を選択したのに、その後すぐにハズレを示すSPリーチの変動演出が実行されて、好みでないステージに変更されてしまう場合も生じ得る。しかしこのような場合であっても、ステージ任意設定演出(図59)が実行されることによって、好みのステージに設定し直すことが可能となっている。よって、ステージ変更演出におけるステージ選択の意味がなくなってしまう事態の発生を防止することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態且つ高ベース状態における特図2の抽選の判定結果が小当たり当選の場合に、ルーレット変動演出における演出図柄をすぐに当たり停止態様(「V」の演出図柄212)で停止させず、疑似ハズレ演出を複数回繰り返してから当たり停止態様で停止させる(図52及び図53参照)。そのため、小当たり当選時であっても、疑似ハズレ演出が実行されている間は、外れていると認識させることが可能となっている。そしてこの間は、遊技者は遊技球の打ち出しを止めないことが期待される。よって、この間に、第2特図保留を上限数まで生じさせることが可能となっている。その結果、時短状態且つ高ベース状態での遊技に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態に制御された場合に、V通過が可能な小当たりへの当選の可能性がある特図2の抽選が実行されない事態の発生を防止することが可能となっている。
また小当たり当選をすぐに示し、その後に第2始動口21への入賞を促す演出を実行するよりも、自然に(つまり違和感を感じさせることなく)、第2特図保留を生じさせることが可能となっている。つまり、小当たりに当選したのになぜさらに第2始動口21へ入賞させなければいけないのかという疑問を抱かせることなく、第2特図保留を発生させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態且つ高ベース状態における特図2の抽選で大当たりに当選した場合も、疑似ハズレ演出を含む大当たり用変動演出が実行される(図52及び図54参照)。そのため、この演出の実行中に、第2特図保留を生じさせることが可能となっている。よって、この大当たり当選に基づく大当たり遊技後に通常遊技状態に制御された場合に、V通過が可能な小当たりへの当選の可能性がある特図2の抽選が実行されない事態の発生を防止することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態且つ高ベース状態(特典遊技状態)にて入球し易い第2始動口21への入球に基づいて取得された判定用情報(大当たり乱数等の乱数値)が、第2特図保留記憶部85bに記憶される。この第2特図保留記憶部85bに判定用情報が記憶された状態で、時短状態且つ高ベース状態での当選を契機とする大当たり遊技が終了して通常遊技状態に制御されれば、通常遊技状態において特図2の抽選が実行される。この処理で小当たりに当選していれば、大当たり遊技後には必ず時短状態且つ高ベース状態に制御される(図8参照)。よって、再び特図2の抽選に基づく小当たり当選を経て大当たり遊技を実行させることが可能となっている。すなわち、時短状態且つ高ベース状態における特図2の抽選での小当たり当選時には2回の大当たり遊技の実行が確定するわけではないのに、通常遊技状態における特図2の抽選での小当たり当選時には2回の大当たり遊技の実行が期待できる新たなゲーム性を提供することが可能となっている。言い換えれば、いわゆるセット機ではないのに、一部でセット機のようなゲーム性を実現可能となっている。これにより、いわゆる1種2種混合機において、時短状態且つ高ベース状態から大当たり遊技を経て通常遊技状態に戻ったときの遊技興趣を大きく向上することが可能となっている。
そしてこのようなゲーム性を実現するためには、時短状態且つ高ベース状態での当選時に第2特図保留を生じさせることが必要となるところ、本パチンコ遊技機1では時短状態且つ高ベース状態での特図2の抽選に基づく小当たり又は大当たりの当選時には、演出図柄が当たり停止態様で停止される前に複数回の疑似ハズレ演出が実行されるため、疑似ハズレ演出の実行中に第2特図保留を生じさせ得て、上記のゲーム性を維持することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり遊技の実行中に、小当たり当選予定の第2特図保留があれば、図57(b)に示す「[超]夕方背景モード!」のエンディング演出(特別示唆演出)が実行され得る(図46参照)。よって、1種2種混合機において大当たり遊技中の特別示唆演出の実行に期待させることが可能となり、大当たり遊技中の遊技興趣を向上させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特別示唆演出は大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される場合に限って行われる。従って、パチンコ遊技機1の遊技性からすれば、特別示唆演出によって遊技者に2回の大当たり遊技の実行を予感させることが可能となり、特別示唆演出の実行時の高揚感を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態における特図2の抽選で大当たりに当選した場合にも、大当たり遊技後には必ず時短状態且つ高ベース状態に制御される(図8参照)。よって、通常遊技状態における特図2の抽選での大当たり当選時にも2回の大当たり遊技の実行が期待できる新たなゲーム性を提供することが可能となっている。そして、大当たり遊技の実行中に、大当たり当選予定の第2特図保留があれば、特別示唆演出が実行され得る(図46参照)。よって、大当たり遊技中の特別示唆演出の実行に期待させることが可能となり、大当たり遊技中の遊技興趣を向上させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常遊技状態における特図1の抽選での大当たり当選によって50%の割合で時短状態且つ高ベース状態に制御され(図8参照)、この時短状態且つ高ベース状態における特図2の抽選での当選を契機とする大当たり遊技後に通常遊技状態に戻ってしまった場合に、第2特図保留に基づく抽選で小当たりに当選すれば2回の大当たり遊技の実行が期待できるという一連の遊技性を実現可能である。なお本形態において、大当たり遊技後に時短状態に制御されることが続いたり、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御されても第2特図保留に基づく抽選で小当たり又は大当たりに当選したりすれば、2回以上の大当たり遊技を獲得可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図1の抽選にて当選する小当たりは、特定領域39への通過が生じ得ない小当たりである(図49(c)及び(e)参照)。よって、特図2の抽選における小当たり当選時の特定領域39の通過率を高めた場合でも、遊技機全体としての特定領域39の通過率(V通過率)が高くなり過ぎるのを防ぐことが可能となっている。
より詳細には、本形態では、特図1の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/20であり、特図2の抽選における小当たり当選確率がおよそ1/4程度である(図10(A)参照)。また、特図1の抽選にて当選可能な小当たりは必ずV通過不可能な小当たりであり、特図2の抽選にて当選可能な小当たりは必ずV通過可能な小当たりである(図8参照)。このような設定によって、本パチンコ遊技機1におけるV通過率が1/10を超えないようにしている。なお本パチンコ遊技機1では、特図2の抽選における小当たり当選確率、及び、第2大入賞口35への入賞球の特定領域39への通過率は、時短状態且つ高ベース状態における特図変動の回数が上限実行回数(99回)に至る前に特定領域39への通過が生じる確率に設定されている。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、小当たり遊技では第2大入賞口35が開放されるが、大当たり遊技では第1大入賞口30が開放される。そのため、どちらの特別遊技が実行されているかを遊技者に明確に認識させることが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、第1始動口20と第2始動口21を設けたが、始動口の数は1つでもよい。この場合、1つのみ設けた始動口への入球に基づいて、通過用開放パターンで開閉部材37が開放されるV通過小当たりと、非通過用開放パターンで開閉部材37が開放されるV非通過小当たりとの両方に当選可能に構成する。1つのみ設ける始動口は、遊技球の入球し易さが変化しない固定入球口、又は、遊技球の入球し易さが変化可能な可変入球口のどちらでもよい。可変入球口、つまり電チュー22に係る始動口だけを設ける場合には、可動部材23が閉状態のときでも可変入球口への入球が可能となるように構成する。また、可変入球口だけを設ける場合には、時短状態且つ高ベース状態におけるV非通過小当たりへの当選時であってもステージ変更演出が実行される構成としてもよい。この場合、時短状態且つ高ベース状態においても複数のステージが設けられており、これらのうちの1つに制御される構成としておくとよい。
また上記形態では、画像表示装置7を用いた表示演出(例えば変動演出等)の演出態様や、スピーカ67を用いた放音演出(BGM等)の演出態様が、モードやステージとして定められている構成としたが、枠ランプ66や盤ランプ5といった装飾ランプを用いた発光演出の演出態様や、装飾可動体15を用いた可動体駆動演出の演出態様が、モードやステージとして定められている構成としてもよい。
また上記形態では、「特図1_小当たり図柄a」への当選に基づく小当たり遊技の実行期間の全てを、ステージ変更演出(図56(a))の演出期間としたが、ステージ変更演出の演出期間は、小当たり遊技の実行期間の一部であってもよい。また、ステージ変更演出の演出期間は、小当たり遊技の実行期間の一部又は全部と、小当たり当選の当否判定結果に基づく特別図柄の変動表示の期間及び/又は停止表示の期間との合算期間であってもよい。
また上記形態では、除外設定フラグの値に関わらずステージ変更抽選を行うように構成したが、除外設定フラグの値が「5」〜「7」のいずれかでない場合にのみステージ変更抽選を実行する構成としてもよい。
また上記形態では、客待ち演出の実行開始から新たな変動演出が実行されるまでを待機状態としたが、演出制御用マイコン91が客待ちコマンドを受信したときから客待ち演出を開始するまでの期間(客待ち計測期間)も待機状態に含めてもよい。この場合、客待ち計測期間であっても、設定画面呼出操作があれば設定画面を表示し、種々の設定が可能となるように構成するとよい。
また上記形態では、所謂1種2種混合機と呼ばれるタイプのパチンコ遊技機として構成したが、1種大当たりを搭載しておらず2種大当たりを搭載している所謂ハネモノと呼ばれるタイプのパチンコ遊技機として構成してもよい。つまり、直撃大当たりがなく、大当たり遊技は全て、小当たり当選(判定用情報を利用した小当たりの当否の判定にて小当たり当選と判定されたこと)に基づく小当たり遊技にて特定領域39に遊技球が通過したことを契機に実行されるように構成してもよい。この場合、特図1の抽選に基づいて、V通過が可能な小当たりに当選し得るように構成してもよい。
また上記形態では、小当たり当選時及び大当たり当選時のルーレット変動演出において疑似ハズレ演出として「ハズレ」の演出図柄211を仮停止させたが、停止させてもよい。また、疑似ハズレ演出後に、「V」の演出図柄212を仮停止を経て確定停止させたが、仮停止させることなく確定停止させてもよい。
また上記形態では、ルーレット変動演出におけるハズレ停止態様を「ハズレ」の演出図柄211とし、当たり停止態様を「V」の演出図柄212としたが、演出図柄のデザインをどのようにするかは任意に変更可能である。また、ルーレット変動演出では、小当たり当選時も大当たり当選時も「V」の演出図柄212を仮停止させる構成としたが、大当たり当選時は「7」の演出図柄を仮停止させるなど、小当たり当選時と大当たり当選時との各当たり停止態様が異なっていてもよい。つまり、大当たり当選時には小当たり当選時の当たり停止態様とは異なる他の当たり停止態様にて演出図柄を停止させることとしてもよい。
また上記形態では、当たり用変動演出(小当たり用変動演出及び大当たり用変動演出)としてのルーレット変動演出は、特別図柄の変動表示期間に疑似ハズレ演出と当たり停止態様での停止表示とが実行される構成としたが、特別図柄の停止表示期間に疑似ハズレ演出と当たり停止態様での停止表示とが実行される構成としてもよい。この場合、小当たり及び大当たりの当選時の変動時間は実施形態よりも短くてよいが、停止時間は実施形態よりも長くするとよい。さらには、小当たり遊技の実行期間(小当たりオープニングの期間)に、疑似ハズレ演出と当たり停止態様での停止表示とが実行される構成としてもよい。
また上記形態では、時短状態での当選に基づく大当たり遊技後に通常確率状態に制御される場合、その大当たり遊技のエンディングにおいて第2特図保留が大当たり保留であっても小当たり保留であっても、図57(b)に示す「[超]夕方背景モード!」のエンディング演出を行う構成とした。これに対して、第2特図保留として大当たり保留がある場合と、小当たり保留がある場合とで、エンディング演出の内容を変えてもよい。例えば、小当たり保留がある場合には、「[超]夕方背景モード!」と表示し、「[極]夕方背景モード!」と表示してもよい。勿論、他の表示態様の演出画像を表示してもよい。この場合、「[超]夕方背景モード!」と表示するエンディング演出を「特別示唆演出」といい、「[極]夕方背景モード!」と表示するエンディング演出を「他の示唆演出」という。
また上記形態では、大当たり遊技のエンディング開始時に、当たり保留の有無を判定したが、大当たり遊技のオープニング開始時や所定のラウンド遊技の開始時など、大当たり遊技における別のタイミングで当たり保留の有無を判定してもよい。
また上記形態では、大当たり遊技後に通常遊技状態に制御される場合に限って、大当たり遊技中に第2特図保留が当たり保留であるか否かを判定した。これに対して、時短状態且つ高ベース状態に制御される場合であっても、第2特図保留が当たり保留であるか否かを判定するようにしてもよい。
また上記形態では、大当たり遊技中に第2特図保留が小当たり保留又は大当たり保留であるか否かを判定するよう構成した(図46)。これに対して、第2特図保留が小当たり保留であるか否かだけを判定するように構成してもよい。また、大当たり遊技中の遊技興趣の向上を考慮しないのであれば、大当たり遊技中に第2特図保留が当たり保留であるか否かの判定を一切行わず、図57(b)に示す演出を実行しない構成とすることも可能である。
また上記形態では、第2特図保留の上限記憶数を「1」としたが、「2」以上など他の値にしてもよい。
また上記形態では、99回の特別図柄の変動表示が実行されると高ベース状態を終了するように構成したが、高ベース状態の終了条件としての特別図柄の変動表示の実行回数(上限実行回数)は、任意に変更可能である。
また上記形態では、特図1の抽選において「特図1_小当たり図柄a」に当選した場合には、遊技球が第2大入賞口35へ入賞しても特定領域39を通過することが実質的に不可能な開放パターンに設定するように構成した。これに対して、特定領域39を通過することが完全に不可能な開放パターン(例えば、振分部材71のV開放の終了直後に、1.6秒にわたる第2大入賞口35の開放が開始される開放パターン)としてもよい。
また上記形態では、第1特別図柄の抽選において小当たりに当選し得るように構成したが、第1特別図柄の抽選における小当たりの当選確率を零にしてもよい。この場合、特図1大当たり判定処理(S1008)において、ステップS1107〜S1110までの処理を行わないように構成する。
また上記形態では、大当たり遊技においては第1大入賞口30を開放し、小当たり遊技においては第2大入賞口35を開放するように構成した。これに対して、大当たり遊技の少なくとも一部のラウンドに、第2大入賞口35を開放するラウンドがある構成としてもよい。この場合には、大当たり遊技の実行中のV通過によってさらに大当たり遊技が実行されることがないように構成する。
また上記形態では、小当たり遊技の開始時点を基準に、時間で管理された所定の作動パターンに従って、特定領域39が開放されるように構成した。これに対して、第2大入賞口35への入賞球数が予め定められた作動契機入賞球数(例えば1球)になったときに、特定領域39を開放させる構成としてもよい。この場合、特2V通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「1」とし、特1V非通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「7」とするとよい。このようにすれば、特2V通過小当たり時には、第2大入賞口35への入賞球を特定領域39に通過させることができる。一方、特1V非通過小当たりでは、1.6秒の開放期間中に第2大入賞口35への入賞球数が7球になることはないため、特定領域39への通過が生じないようにすることができる。この場合も、特2V通過小当たり時の開放パターンを、通過用開放パターンと称し、特1V非通過小当たり時の開放パターンを、非通過用開放パターンと称する。また、作動契機入賞球数に基づいて振分部材71が作動する構成であっても、特定領域39が予め定められたタイミングで通過の可否が切り替えられていることにかわりはない。
また上記形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置7の表示画面7a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示画面によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置7の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にてルーレット変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄変動演出を行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠50に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
また上記形態では、非時短状態中に右打ちがなされると、特図2の抽選に基づいて2種大当たりに当選してしまう(特定領域39への通過が発生してしまう)おそれがある。そこで、時短状態中又は特別遊技中ではないのに右打ちされた場合には、左打ちで遊技するべき旨を報知する警告画像を表示画面7aに表示する等の注意喚起を行うようにしてもよい。この場合には、例えばゲートセンサ28aを右打ち検知センサとして機能させてもよいし(つまりゲートセンサ28aによる検知に基づいて警告画像を表示画面7aに表示するようにしてもよいし)、別途、右打ち検知センサを設けてもよい。また、非時短状態において右打ちされても電チュー22に係る第2始動口21への入賞が発生することのないように、非時短状態中の普通図柄抽選の当選確率を零に設定してもよい。
また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり又は小当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また、始動入賞コマンドの生成に関するルール(図13参照)は、適宜変更してもよい。例えば、始動入賞コマンドに特図保留の数の情報や遊技状態の情報、変動パターンの情報等を含めるようにしてもよい。
また上記形態では、始動入賞コマンドをそのコマンドに係る数値情報に基づく特図変動が終わるまでRAM94に保持するように構成したが、始動入賞コマンドに含まれている当否情報を保持することができれば、始動入賞コマンドそのものを保持する必要はない。始動入賞コマンドに含まれる当否情報が保持されて、その情報に基づいて当たり保留の有無が事前判定されるのであれば、始動入賞コマンド(入賞情報)に基づいて当たり保留の有無が事前判定されていると言える。
また上記形態では、遊技状態設定処理(図28)において、当選時の遊技状態を判断してから、当選した図柄(小当たり図柄や大当たり図柄)の種類を判断したが、当選した図柄の種類を判断してから、当選時の遊技状態を判断してもよい。
なお上記形態において、客待ち演出が複数回(例えば5回等)繰り返し実行される等、遊技者による遊技が一定期間行われていないと判断できるときには、ステージの除外設定がリセットされるように構成するとよい。このように構成することで、空き台に座った新たな遊技者が、前の遊技者の除外設定の状態を引き継がなくてよくなるからである。この場合、演出制御用マイコン91が客待ち演出の実行回数又は実行開始からの時間をカウントし、そのカウント値が所定値となったら、予め定められた回数にわたって客待ち演出が繰り返されていると判断して、除外設定フラグの値を「1」に設定するように構成する。
なお、本出願書類に言う「演出態様」には、ステージ、モード、ラッシュ、ゾーンなどどのような呼び名のものも含まれる。勿論、上記形態における昼背景モードでのキャラAステージを昼背景キャラAモードと呼んだり、昼背景モードでのキャラBステージを昼背景キャラBモードと呼んだり、昼背景モードでのキャラCステージを昼背景キャラCモードと呼んだりすることは可能である。このように呼んだとしても、上記形態と同様、演出態様の数が5つ(昼背景キャラAモード、昼背景キャラBモード、昼背景キャラCモード、夜背景モード、夕方背景モード)であることに変わりはない。また、演出態様の制御を、モードステータスとステージフラグとに分けて行ったが、1つの変数で制御してもよい。
また、上記実施形態における「特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」であり、第1特図保留の数が「0」でないこと」を、「第1の判定条件」といい、上記実施形態における「特別図柄の変動中および特別遊技の実行中でなく、第2特図保留の数が「0」でないこと」を「第2の判定条件」という。また、上記実施形態における「大当たり遊技の実行が開始されること、又は、予め定めた上限実行回数に及ぶ特別図柄の変動表示の実行が終了すること」を「終了条件」という。