JP6278488B2 - VaRTM用強化繊維シート - Google Patents
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Description
(1)成型されたFRPの曲げ強度が1000N/mm2以上であること。
(2)最終成型物中の強化繊維断面積比率、即ち、強化繊維含有率(Vf)が50%以上であること。
(3)VaRTM成型時に注入樹脂の流れが良いこと。
が必要とされる。
1000〜100000本の強化繊維を一方向に引き揃えて収束された繊維ストランドを長手方向に沿ってカバーリング糸条により束ねた強化繊維束を多数本、長手方向に沿って並列に引き揃えたシート状の強化繊維束層を有し、
前記強化繊維束層の隣り合った前記繊維ストランドは、融着した前記カバーリング糸条にて結合されていることを特徴とするVaRTM用強化繊維シートが提供される。
前記カバーリング糸条は、該糸条一本当たり50〜200gの張力が付与され、前記繊維ストランドには、前記繊維ストランド一本当たり100〜500gの張力が付与される。
先ず、本発明に係るVaRTM用強化繊維シート及びFRP構造物の成型方法について説明する。
(1)成型されたFRPの曲げ強度が1000N/mm2以上であること。
(2)最終成型物中の強化繊維断面積比率(Vf)が50%以上であること。
(3)VaRTM成型時に注入樹脂の流れが良いこと。
を満足するものであることが分かった。
図1、図2に、本発明に係る強化繊維シートの一実施例を示す。本実施例によると、強化繊維シート10は、多数本の強化繊維fを一方向に引き揃えて収束された繊維ストランド14を長手方向に沿ってカバーリング糸条15により束ねて形成された強化繊維束11を有している。強化繊維シート10にて、多数本の強化繊維束11は、長手方向に沿って並列に、且つ、互いに密接して引き揃えられて強化繊維束層12を形成している。本明細書、特許請求の範囲の記載にて「密接」してとは、必ずしも、隣り合った強化繊維束11が互いに完全に接触していることを意味するのではなく、後述するように、強化繊維束層12を加圧することにより各強化繊維束11が押し潰され、隣り合った強化繊維束11が接触状態となる極めて近接して配置された状態をも意味するものとする。
(1)樹脂透過性支持体の厚さ分がなくなるため強化繊維の繊維含有量(Vf)を上げることができる。土木建築分野と異なり、VaRTM成型法ではFRPの性能上Vfを上げることが特に重要であり、樹脂透過性支持体の厚みでもVfが下がる要因となり、斯かる要因事項は、可能な限り排除する必要がある。
(2)上述より、強化繊維シートの物性が向上し、また、取り扱い性も向上する。
(3)樹脂透過性支持体を使用しない分、強化繊維シート自体のコストを低減し得る。また、強化繊維シート製造時に、従来必要とされた樹脂透過性支持体供給設備等を必要とせず、製造設備の簡易化が図れる。
等の特長を有している。
(1)多数本の強化繊維fが収束しているために毛細管現象で強化繊維束11内への樹脂含浸性(樹脂流動性)が向上する。
(2)強化繊維束が固く収束していることで樹脂含浸しても厚さが増えることがなく、強化繊維のVfが上がる。Vfは50%以上、通常、65%以下、即ち、50〜65%である。これに対して、従来、構造物補強の場合には、Vfは20〜40%程度である。
(3)強化繊維fをカバーリング糸条15にて固く収束することで強化繊維fのバラケがなく、毛羽の発生を少なくできることから、物性と取り扱い性が向上する。
(4)強化繊維fを固く収束することでVaRTM成型時に樹脂流動性が良く、生産性が向上する。
上述した構成の強化繊維シート10は、VaRTM工法によるFRP構造物の成型に使用した場合において、注入樹脂の流動性を増大させて樹脂含浸性を改善し、成型の生産性を向上させることができる。また、FRP構造物(成型物)の物性を改善することができる。
(a)多数本の強化繊維fを一方向に引き揃えて収束された繊維ストランド14を長手方向に沿ってカバーリング糸条15により束ねて強化繊維束11を形成し、
(b)多数本の強化繊維束11を長手方向に沿って並列に、且つ、互いに密接して引き揃えて強化繊維束層12を形成し、
(c)強化繊維束層12を加熱加圧することにより、カバーリング糸条15が隣り合った繊維ストランド14に融着して強化繊維束層12が一体のシート状とされる、
構成とされる。
本発明のFRP構造物の成型方法及びVaRTM用強化繊維シートの作用効果を立証するために、実験例1では、強化繊維として炭素繊維を使用した強化繊維シート、即ち、炭素繊維シートの含浸性を評価するための実験を行なった。また、実験例2では、高Vfを有する本発明の炭素繊維シートが他のシートと比較して物性面で差があるのか、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の曲げ性能で確認した。以下に実験例1、2について説明する。
本実験例1で使用した本実施例の炭素繊維シート10(図1)及び比較例の炭素繊維シート10A(図7)は、次のようにして作製した。
本実施例の炭素繊維シート10及びCFRP構造物の成型方法の作用効果を立証するために、実験例2では、本実施例の炭素繊維シート10を使用した場合のCFRP構造物の曲げ強度に対する評価を行なうための実験を行なった。
表1に示す実験例1にて使用したと同じ炭素繊維シート10、10A及び樹脂、並びに、実験装置100を使用して、本実施例、比較例のCFRP板を作製した。このCFRP板を幅12mm×長さ120mmに切断して曲げ試験試料を作製し、JISK7203法による3点曲げ試験を行った。試験結果を表1に示す。
11 炭素繊維束(強化繊維束)
12 炭素繊維束層(強化繊維束層)
14 炭素繊維ストランド(繊維ストランド)
15(15a、15b) カバーリング糸条
Claims (9)
- 強化繊維シートを所定形状にて配置し、上型枠或いはフィルムで密閉し、真空にして前記強化繊維シートに樹脂を注入して硬化させ、繊維強化プラスチック構造物を成型するVaRTM工法に使用する前記強化繊維シートであって、
1000〜100000本の強化繊維を一方向に引き揃えて収束された繊維ストランドを長手方向に沿ってカバーリング糸条により束ねた強化繊維束を多数本、長手方向に沿って並列に引き揃えたシート状の強化繊維束層を有し、
前記強化繊維束層の隣り合った前記繊維ストランドは、融着した前記カバーリング糸条にて結合されていることを特徴とするVaRTM用強化繊維シート。 - 前記強化繊維束層の前記各強化繊維束の間には空隙がないことを特徴とする請求項1に記載のVaRTM用強化繊維シート。
- 前記カバーリング糸条は、有機繊維を複数本収束して形成した糸条であり、前記カバーリング糸条は前記繊維ストランドの長手方向10cm当たり15〜40回の巻付け回数にて巻き付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のVaRTM用強化繊維シート。
- 前記カバーリング糸条は、編組編み又は平巻きでS巻き及びZ巻きにて、又は、S巻き若しくはZ巻きのいずれかにて前記繊維ストランドに巻き付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のVaRTM用強化繊維シート。
- 前記繊維ストランドに前記カバーリング糸条を巻き付けるに際して、
前記カバーリング糸条は、該糸条一本当たり50〜200gの張力が付与され、前記繊維ストランドには、前記繊維ストランド一本当たり100〜500gの張力が付与されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のVaRTM用強化繊維シート。 - 前記強化繊維束層の繊維目付は、300〜2000g/m2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のVaRTM用強化繊維シート。
- 前記カバーリング糸条は、60〜150℃とされる低融点の樹脂繊維で形成した糸条であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載のVaRTM用強化繊維シート。
- 前記カバーリング糸条は、表面に60〜150℃とされる低融点の樹脂が被覆された糸条であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載のVaRTM用強化繊維シート。
- 前記強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、PBO繊維、バサルト繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維のいずれか一種又は複数種を混入して使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載のVaRTM用強化繊維シート。
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