JP6277039B2 - 塗装装置、制御方法およびプログラム - Google Patents

塗装装置、制御方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は塗装装置、制御方法およびプログラムに関し、特に、粉体塗装に適した塗装装置、制御方法およびプログラムに関する。
揮発性有機化合物(VOC(volatile organic compounds))対策の観点などから粉粒体状の塗料である粉体塗料を用いた塗装が広く採用されている。
従来、インジェクタおよび塗装ガン間で搬送管路に第1制御弁が設けられ、第1制御弁およびインジェクタ間で搬送管路から分岐して粉体回収タンクに接続される粉体回収管路に第2制御弁が介設され、被塗装ワークWの塗装時に定量供給手段を作動状態としつつ第1制御弁を開弁するとともに第2制御弁を閉弁し、被塗装ワークWの塗装終了時に定量供給手段を停止状態としつつ第1制御弁を閉弁するとともに第2制御弁を開弁するようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−29848号公報
しかしながら、粉体塗料が搬送される搬送経路を機械的に開閉する方式の弁が搬送経路に設けられると、その弁に粉体塗料が詰まってしまい、塗装できなくなってしまうことも多かった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、詰まりをより少なくしつつ、粉体塗料をより確実に吐出し、また粉体塗料の吐出をより確実に停止できるようにするものである。
本発明の一側面の塗装装置は、気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体と粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するとき、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第1の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するとき、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第2の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段と、第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出する吐出手段と、第1の搬送手段および第2の搬送手段に時間的に排他的に搬送媒体と粉体塗料とを搬送させるように第1の搬送手段および第2の搬送手段を制御する制御手段とを備える。
第1の搬送手段または第2の搬送手段の他方から搬送されてくる搬送媒体と粉体塗料を、粉体塗料を格納する格納部に送ることができる。
格納部に、吐出するための粉体塗料を格納させることができる。
搬送経路形成部に形成されている第2の搬送経路を、第1の搬送経路に対して30度から60度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐させることができる。
第1の搬送手段および第2の搬送手段には、それぞれ、搬送媒体を噴出する穴またはスリットを、搬送される搬送媒体および粉体塗料が通る中空筒状の壁面に設け、搬送媒体および粉体塗料の搬送方向の軸と穴またはスリットから搬送媒体を噴出する方向の軸とが直角または鋭角をなすようにすることができる。
第2の搬送経路の断面形状を、第1の搬送経路の断面形状と同じとすることができる。
制御手段には、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出しないとき、第1の搬送手段に、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出しないとき、第2の搬送手段に、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせることができる。
本発明の一側面の制御方法は、気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体と粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第1の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第2の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段と、第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出する吐出手段とを備える塗装装置の制御方法であって、吐出手段から粉体塗料を吐出するとき、吐出手段に粉体塗料を搬送する第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させ、吐出手段から粉体塗料を吐出しないとき、第1の搬送手段または第2の搬送手段の他方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させるステップを含む。
本発明の一側面のプログラムは、気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体と粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第1の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第2の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段と、第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出する吐出手段とを備える塗装装置を制御するコンピュータに、吐出手段から粉体塗料を吐出するとき、吐出手段に粉体塗料を搬送する第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させ、吐出手段から粉体塗料を吐出しないとき、第1の搬送手段または第2の搬送手段の他方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させるステップを含む処理を行わせる。
本発明の一側面においては、搬送経路形成部に、気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路、および搬送媒体と粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成され、第1の搬送経路の出口に設けられている第1の搬送手段により、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するとき、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第1の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とが搬送され、第2の搬送経路の出口に設けられている第2の搬送手段により、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するとき、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第2の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とが搬送され、吐出手段により、第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方から搬送されてくる粉体塗料が吐出され、第1の搬送手段および第2の搬送手段に時間的に排他的に搬送媒体と粉体塗料とを搬送させる。
以上のように、本発明の一側面によれば、粉体塗料で塗装することができる。
また、本発明の一側面によれば、詰まりをより少なくしつつ、粉体塗料をより確実に吐出し、また粉体塗料の吐出をより確実に停止できる。
塗装装置1の全体の構成を示すブロック図である。 粉体塗装ガン13の構成の概要を示す図である。 分流部31の断面を示す図である。 制御装置14の構成を示すブロック図である。 作動エアAd1および作動エアAd2の圧力の変化を示すタイミングチャートである。 粉体塗装ガン13からの吐出量と戻り配管への戻り量とを示す図である。 塗布の制御の処理を説明するフローチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の塗装装置は、第1に、気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、図3の搬送経路71)、および搬送媒体と粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するとき、第1の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第1の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出するとき、第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第2の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ53)と、第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出する吐出手段(例えば、図2の吐出部32)と、第1の搬送手段および第2の搬送手段に時間的に排他的に搬送媒体と粉体塗料とを搬送させるように第1の搬送手段および第2の搬送手段を制御する制御手段(例えば、図1の制御装置14)とを備える。
本発明の一側面の塗装装置は、第2に、第1の搬送手段または第2の搬送手段の他方から搬送されてくる搬送媒体と粉体塗料を、粉体塗料を格納する格納部(例えば、図1の供給タンク11)に送ることができる。
本発明の一側面の塗装装置は、第3に、第1の搬送手段および第2の搬送手段には、それぞれ、搬送媒体を噴出する穴(例えば、図3のエア噴出口84またはエア噴出口94)またはスリットを、搬送される搬送媒体および粉体塗料が通る中空筒状の壁面に設け、搬送媒体および粉体塗料の搬送方向の軸と穴またはスリットから搬送媒体を噴出する方向の軸とが直角または鋭角をなすようにすることができる。
本発明の一側面の制御方法は、気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、図3の搬送経路71)、および搬送媒体と粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第1の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第2の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ53)と、第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出する吐出手段(例えば、図2の吐出部32)とを備える塗装装置の制御方法であって、吐出手段から粉体塗料を吐出するとき、吐出手段に粉体塗料を搬送する第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させ(例えば、図7のステップS13の手続き)、吐出手段から粉体塗料を吐出しないとき、第1の搬送手段または第2の搬送手段の他方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させる(例えば、図7のステップS16の手続き)ステップを含む。
本発明の一側面のプログラムは、気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路(例えば、図3の搬送経路71)、および搬送媒体と粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路(例えば、図3の搬送経路72)が形成されている搬送経路形成部(例えば、図2の分岐ブロック51)と、第1の搬送経路の出口に設けられ、第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第1の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ52)と、第2の搬送経路の出口に設けられ、第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に第2の搬送経路から搬送媒体と粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段(例えば、図2のイジェクタ53)と、第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出する吐出手段(例えば、図2の吐出部32)とを備える塗装装置を制御するコンピュータに、吐出手段から粉体塗料を吐出するとき、吐出手段に粉体塗料を搬送する第1の搬送手段または第2の搬送手段の一方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させ(例えば、図7のステップS13の手続き)、吐出手段から粉体塗料を吐出しないとき、第1の搬送手段または第2の搬送手段の他方に、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口側で搬送媒体に負圧を生じさせて、第1の搬送経路または第2の搬送経路の出口から搬送媒体と粉体塗料とを搬出させる(例えば、図7のステップS16の手続き)ステップを含む処理を行わせる。
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の一実施の形態の塗装装置1について説明する。
図1は、塗装装置1の全体の構成を示すブロック図である。塗装装置1は、粉末状の固体である粉体塗料を使用して、静電粉体塗装法により被塗物を塗装する。すなわち、塗装装置1は、静電気により帯電させた粉体塗料を吐出して、接地されている被塗物に吹き付けることにより、被塗物に粉体塗料を塗布して被塗物を塗装する。例えば、粉体塗料は、エポキシ、ポリエステルなどの塗膜を形成する高分子材料やメタリック用のアルミニウム、マイカ、ガラスフレークなどの高輝度な外観を得るための光輝材などの粉末(粉体)からなる。
塗装装置1は、供給タンク11、定量供給装置12、粉体塗装ガン13、および制御装置14からなる。供給タンク11は、粉体塗装ガン13から吐出するための粉体塗料を格納する。流動エアが供給されると、供給タンク11に格納されている粉体塗料が撹拌されて、供給タンク11から配管を通じて定量供給装置12に粉体塗料が供給される。
定量供給装置12は、例えば、スクリュー式のフィーダおよびイジェクタなどからなり、制御装置14から供給される搬送エアACと共に、制御装置14から供給される供給量指示信号に応じた量の粉体塗料を、配管を通じて粉体塗装ガン13に供給する。
粉体塗装ガン13は、いわゆるコロナ帯電式塗装ガンであり、定量供給装置12から搬送エアACと共に供給された粉体塗料を、制御装置14から供給される0V〜−100KVの帯電印加電圧によって帯電させて吐出する。また、粉体塗装ガン13は、制御装置14から供給される作動エアAd1および作動エアAd2に応じて、定量供給装置12から供給された粉体塗料を吐出するか、または供給タンク11に粉体塗料を戻すための戻り配管に流す。
なお、以下、搬送エアAC、作動エアAd1および作動エアAd2として、空気を用いる実施の形態について説明するが、空気に限らず、窒素などの不活性ガスまたは活性ガスなどの気体を用いることもできる。
図2は、粉体塗装ガン13の構成の概要を示す図である。粉体塗装ガン13は、分流部31および吐出部32からなる。分流部31は、定量供給装置12から供給される搬送エアACおよび粉体塗料を分流させて、吐出部32に流すか、または供給タンク11への戻り配管に流す。吐出部32は、内部に設けられている電極に帯電印加電圧を印加することで、分流部31から供給された粉体塗料を帯電させ、ノズルから帯電された粉体塗料を吐出する。
さらに、分流部31は、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53からなる。分岐ブロック51は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。分岐ブロック51の内部には、搬送エアACおよび粉体塗料を搬送するための中空筒状の搬送経路が形成されている。分岐ブロック51の内部に形成されている搬送経路は、イジェクタ52側に伸びるとともに、イジェクタ53側に分岐している。
イジェクタ52は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。イジェクタ52は、制御装置14から供給される作動エアAd1が動作圧力Pdである場合、入口側に負圧を生じさせるとともに、出口側に正圧を生じさせることで、搬送エアACおよび粉体塗料を搬送する。動作圧力Pdは、搬送エアACの圧力と同じ圧力か、または搬送エアACの圧力より高い圧力である。すなわち、イジェクタ52は、動作圧力Pdである作動エアAd1によって、分岐ブロック51の搬送経路のうち、イジェクタ52側に伸びる搬送経路の搬送エアACに負圧を生じさせるとともに、吐出部32側の搬送エアACに正圧を生じさせることで、分岐ブロック51の搬送経路の中の搬送エアACおよび粉体塗料を吐出部32に向かって搬送する。
イジェクタ52は、制御装置14から供給される作動エアAd1がシール圧力Psである場合、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせて、搬送エアACおよび粉体塗料の逆流を防止する。シール圧力Psは、動作圧力Pdより低い圧力であって、大気圧より高い圧力である。作動エアAd1をシール圧力Psとすると、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧が生じて、出口側に、搬送エアACおよび粉体塗料を搬送するときに生じさせる正圧の絶対値に比較して小さい絶対値の正圧が生じるので、吐出部32から一端吐出されて被塗物に塗着せず、雰囲気中を漂う粉体塗料やゴミなどの吐出部32からの吸い込みを防止することができる。
イジェクタ53は、ポリエチレンなどの樹脂、セラミックス、またはステンレス鋼などの金属で形成されている。イジェクタ53は、制御装置14から供給される作動エアAd2が動作圧力Pdである場合、入口側に負圧を生じさせるとともに、出口側に正圧を生じさせることで、搬送エアACおよび粉体塗料を搬送する。すなわち、イジェクタ53は、動作圧力Pdである作動エアAd2によって、分岐ブロック51の搬送経路のうち、イジェクタ53側に分岐している搬送経路の搬送エアACに負圧を生じさせるとともに、供給タンク11への戻り配管側の搬送エアACに正圧を生じさせることで、分岐ブロック51の搬送経路の中の搬送エアACおよび粉体塗料を戻り配管に向かって搬送する。
イジェクタ53は、制御装置14から供給される作動エアAd2がシール圧力Psである場合、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせて、搬送エアACおよび粉体塗料の逆流を防止する。作動エアAd2をシール圧力Psとすると、搬送経路の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧が生じて、出口側に、搬送エアACおよび粉体塗料を搬送するときに生じさせる正圧の絶対値に比較して小さい絶対値の正圧が生じるので、戻り配管からの粉体塗料の吸い込みを防止することができる。
次に、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53の詳細な構造を説明する。
図3は、分流部31の断面を示す図である。分岐ブロック51の内部には、搬送エアACおよび粉体塗料を搬送するための搬送経路71および搬送経路72が形成されている。搬送経路71は、図3中の左側に示されている入口から、図3中の右側に示されている出口に繋がる空洞として形成されている。例えば、搬送経路71は、入口から出口まで搬送方向に直線状に伸びる形状とすることができる。また、搬送経路71の断面形状は、入口から出口まで一定の円形とすることができる。
搬送経路72は、搬送経路71から分岐し、搬送経路71の出口とは別の出口である、図3中の下側に示されている出口に繋がる空洞として形成されている。例えば、搬送経路72は、搬送経路71から分岐する位置から出口まで搬送方向に直線状に伸びる形状とすることができる。また、搬送経路72の断面形状は、搬送経路71から分岐する位置から出口まで一定の円形とすることができる。搬送経路72の断面は、搬送経路71の断面に等しい形状とすることができる。
より具体的には、搬送経路72の搬送方向を示す軸である、搬送経路72の円形の断面の中心を通る軸が、搬送経路71の搬送方向を示す軸である、円形の断面の中心を通る軸と交わるように、搬送経路72の一端は、搬送経路71の途中につながる。
このように、搬送経路71および搬送経路72は、搬送エアACおよび粉体塗料の流れを妨げない形状に形成されている。搬送経路71および搬送経路72には、開閉する弁などの流れを規制する機構は設けられていない。
搬送経路71から搬送経路72が分岐する位置における、搬送経路71の搬送方向を示す軸と、搬送経路72の搬送方向を示す軸とがなす角度θは、15度から165度のいずれかとすることができる。実験により、15度から165度の範囲以内で、搬送経路71から搬送経路72が分岐するようにすれば、搬送エアACおよび粉体塗料を分流することができ、吐出部32への搬送エアACおよび粉体塗料の供給ができ、またその供給を停止できることが確認された。
より好ましくは、搬送経路71から搬送経路72が分岐する位置における、搬送経路71と搬送経路72とがなす角度θは、30度から60度のいずれかとすることができる。実験により、30度から60度の範囲以内で、搬送経路71から搬送経路72が分岐するようにすると、再現性が増して、さらに確実に、さらに安定して、分流できることが確認された。従って、この場合、さらに確実に、さらに安定して、吐出部32への搬送エアACおよび粉体塗料の供給とその停止ができるようになる。
すなわち、搬送経路72は、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している。搬送経路72を、搬送経路71に対して30度から60度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐させるのがより好ましい。
搬送経路71の入口からは、定量供給装置12から供給される搬送エアACおよび粉体塗料が取り込まれる。搬送経路71の入口から取り込まれた搬送エアACおよび粉体塗料は、搬送経路71の出口から搬出されるか、または搬送経路72の出口から搬出される。
このように、搬送経路71は、中空であって、筒状に形成されている。搬送経路72は、搬送経路71から分岐する、中空であって、筒状に形成されている。搬送経路71および搬送経路72は、それぞれ、入口および出口以外が閉じられて、気密性が保たれるように形成される。
搬送経路71の出口は、気密性が保たれるように、イジェクタ52の入口側に接続されている。また、搬送経路72の出口は、気密性が保たれるように、イジェクタ53の入口側に接続されている。
イジェクタ52は、搬送経路81、作動エア導入部82、作動エア分配部83、エア噴出口84、および絞り部85を備える。搬送経路81は、イジェクタ52本体の内部に形成されている。搬送経路81は、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に伸びる空洞(中空筒状)とされている。例えば、搬送経路81は、搬送経路71の出口から直線状に伸びる空洞として形成されている。搬送経路81の入口の断面形状は、搬送経路71の出口の断面形状と同じに形成されている。このようにすることで、搬送エアACの流れの乱れおよび粉体塗料の付着を防止することができる。
作動エア導入部82には、作動エアAd1を導入するための配管が接続されて、作動エアAd1が供給される。作動エア導入部82に供給された作動エアAd1は、作動エア分配部83に送られる。作動エア分配部83は、搬送経路81と別に形成されている空洞であって、搬送経路81の搬送方向の軸上の点を中心として、搬送経路81の外側を1周する円環状に形成されている空洞である。
作動エア分配部83から、搬送経路81(搬送経路71)における搬送エアACおよび粉体塗料の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、作動エアAd1を通すための管が形成されて、作動エアAd1を通すための管は、搬送経路81の壁面上にエア噴出口84として開口する。作動エアAd1を通すための管は、等間隔に複数形成され、複数のエア噴出口84は、それぞれ、搬送経路81の壁面上に等間隔に開口する。より詳細には、エア噴出口84は、搬送経路81の搬送方向の軸上の点を中心として、その軸に直交する円の周上に設けられている。
搬送経路81の途中には、絞り部85が設けられている。絞り部85において、搬送経路81は絞り込まれている。すなわち、搬送経路81の断面積は、入口から進むにつれて絞り部85まで、徐々に小さくなり、絞り部85から出口に進むにつれて、徐々に大きくなる。エア噴出口84は、絞り部85の近傍であって、搬送経路81の出口により近い位置に配置されている。
入口側から見て絞り部85を超えた位置に設けられたエア噴出口84から、搬送エアACおよび粉体塗料の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、動作圧力Pdである作動エアAd1が搬送エアACとして噴出されると、絞られている絞り部85において、搬送エアACおよび粉体塗料の流速が上がり、イジェクタ52の入口側で搬送エアACに負圧が生じ、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧が生じることになる。この場合、イジェクタ52の出口側で搬送エアACに、粉体塗料を搬送するのに必要な正圧が生じる。
また、エア噴出口84からシール圧力Psである作動エアAd1が搬送エアACとして噴出されると、イジェクタ52の出口側で搬送エアACに、逆流を防止するのに必要な正圧が生じる。
イジェクタ53は、搬送経路91、作動エア導入部92、作動エア分配部93、エア噴出口94、および絞り部95を備える。搬送経路91は、イジェクタ53本体の内部に形成されている。搬送経路91は、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に伸びる空洞(中空筒状)とされている。例えば、搬送経路91は、搬送経路72の出口から直線状に伸びる空洞として形成されている。搬送経路91の入口の断面形状は、搬送経路72の出口の断面形状と同じに形成されている。このようにすることで、搬送エアACの流れの乱れおよび粉体塗料の付着を防止することができる。
作動エア導入部92には、作動エアAd2を導入するための配管が接続されて、作動エアAd2が供給される。作動エア導入部92に供給された作動エアAd2は、作動エア分配部93に送られる。作動エア分配部93は、搬送経路91と別に形成されている空洞であって、搬送経路91の搬送方向の軸上の点を中心として、搬送経路91の外側を1周する円環状に形成されている空洞である。
作動エア分配部93から、搬送経路91(搬送経路72)における搬送エアACおよび粉体塗料の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、作動エアAd2を通すための管が形成されて、作動エアAd2を通すための管は、搬送経路91の壁面上にエア噴出口94として開口する。作動エアAd2を通すための管は、等間隔に複数形成され、複数のエア噴出口94は、それぞれ、搬送経路91の壁面上に等間隔に開口する。より詳細には、エア噴出口94は、搬送経路91の搬送方向の軸上の点を中心として、その軸に直交する円の周上に設けられている。
搬送経路91の途中には、絞り部95が設けられている。絞り部95において、搬送経路91は絞り込まれている。すなわち、搬送経路91の断面積は、入口から進むにつれて絞り部95まで、徐々に小さくなり、絞り部95から出口に進むにつれて、徐々に大きくなる。エア噴出口94は、絞り部95の近傍であって、搬送経路91の出口により近い位置に配置されている。
入口側から見て絞り部95を超えた位置に設けられたエア噴出口94から、搬送エアACおよび粉体塗料の搬送方向の軸に対して直角または鋭角をなす方向に、動作圧力Pdである作動エアAd2が搬送エアACとして噴出されると、絞られている絞り部95において、搬送エアACおよび粉体塗料の流速が上がり、イジェクタ53の入口側で搬送エアACに負圧が生じ、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧が生じることになる。この場合、イジェクタ53の出口側で搬送エアACに、粉体塗料を搬送するのに必要な正圧が生じる。
また、エア噴出口94からシール圧力Psである作動エアAd2が搬送エアACとして噴出されると、イジェクタ53の出口側で搬送エアACに、逆流を防止するのに必要な正圧が生じる。
このように、分岐ブロック51には、搬送エアACと共に粉体塗料が搬送される中空筒状の搬送経路71および搬送経路72が形成されている。この搬送経路72は、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している。
イジェクタ52は、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアACと粉体塗料とを搬送する。イジェクタ52は、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
イジェクタ53は、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアACと粉体塗料とを搬送する。イジェクタ53は、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
吐出部32は、イジェクタ52から搬送されてくる粉体塗料を吐出する。
次に、制御装置14の構成を説明する。図4は、制御装置14の構成を示すブロック図である。制御装置14は、コンピュータ101、電空変換部102、および高圧発生部103からなる。
コンピュータ101は、いわゆるシーケンサ(プログラマブルロジックコントローラ)などの専用の制御装置としてのコンピュータ、ファクトリコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどであり、制御プログラムを実行することにより、定量供給装置12および粉体塗装ガン13を制御する。
電空変換部102は、電気信号により開度が制御されるエアバルブなどからなる。電空変換部102は、外部から供給されたエアを搬送エアAC、作動エアAd1または作動エアAd2に分流する。電空変換部102は、コンピュータ101から供給される電気信号に応じて、搬送エアAC、作動エアAd1および作動エアAd2の圧力および流量などを変える。
高圧発生部103は、いわゆるカスケード型高電圧発生装置であり、コンピュータ101から供給される電気信号に応じた直流の電圧である帯電印加電圧を生成する。
コンピュータ101は、CPU(Central Processing Unit)121,ROM(Read Only Memory)122,RAM(Random Access Memory)123、バス124、入出力インタフェース125、入力部126、出力部127、記憶部128、通信部129、およびドライブ130を備える。
コンピュータ101において、CPU121,ROM122,RAM123は、バス124により相互に接続されている。
バス124には、さらに、入出力インタフェース125が接続されている。入出力インタフェース125には、指示ボタンやスイッチ、ダイヤル、または粉体塗装ガン13若しくは被塗物の位置を示す信号を取得する入力基板などよりなる入力部126、ディスプレイ、スピーカ、2値または可変電圧/電流を出力する出力基板などよりなる出力部127、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部128、ネットワークインタフェースや機器制御通信インタフェースなどよりなる通信部129、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア131を駆動するドライブ130が接続されている。
より詳細には、出力部127は、電空変換部102に、搬送エアAC、作動エアAd1および作動エアAd2の圧力および流量などを制御するための電気信号を供給する。また、出力部127は、高圧発生部103に、帯電印加電圧のオン/オフおよび帯電印加電圧の電圧を指示する電気信号を供給する。
以上のように構成されるコンピュータ101では、CPU121が、例えば、記憶部128に記憶されている制御プログラムを、入出力インタフェース125及びバス124を介して、RAM123にロードして実行することにより、以下に説明する一連の処理が行われる。
コンピュータ101(CPU121)が実行する制御プログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア131に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、制御プログラムは、リムーバブルメディア131をドライブ130に装着することにより、入出力インタフェース125を介して、記憶部128に記憶することで、コンピュータ101にインストールすることができる。また、制御プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部129で受信し、記憶部128に記憶することで、コンピュータ101にインストールすることができる。その他、制御プログラムは、ROM122や記憶部128にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータ101にあらかじめインストールしておくことができる。
次に、作動エアAd1および作動エアAd2の圧力の制御について説明する。図5は、制御装置14から粉体塗装ガン13に供給される作動エアAd1および作動エアAd2の圧力の変化を示すタイミングチャートである。図5において、横軸は、時間方向を示し、縦軸は、圧力を示す。
時刻t1までは、粉体塗装ガン13から粉体塗料を吐出する前なので、作動エアAd1は、シール圧力Psとされ、作動エアAd2は、動作圧力Pdとされる。このとき、定量供給装置12から粉体塗装ガン13に供給された搬送エアACおよび粉体塗料は、搬送経路72の出口側で生じた搬送エアACの負圧によって、分岐ブロック51の搬送経路72の出口側に流れて、戻り配管から供給タンク11に戻る。搬送エアACおよび粉体塗料は、分岐ブロック51の搬送経路71の出口側には流れないので、吐出部32から吐出されない。また、作動エアAd1が、シール圧力Psとされているので、粉体塗装ガン13から粉体塗料やゴミが逆流することはない。
時刻t1から時刻t2までの時間において、粉体塗装ガン13から粉体塗料を吐出するので、作動エアAd1は、動作圧力Pdとされ、作動エアAd2は、シール圧力Psとされる。このとき、定量供給装置12から粉体塗装ガン13に供給された搬送エアACおよび粉体塗料は、搬送経路71の出口側で生じた搬送エアACの負圧によって、分岐ブロック51の搬送経路71の出口側に流れて、吐出部32から吐出される。搬送エアACおよび粉体塗料は、分岐ブロック51の搬送経路72の出口側には流れないので、戻り配管に流れない。また、作動エアAd2が、シール圧力Psとされているので、戻り配管から粉体塗料が逆流することはない。
時刻t2から時刻t3までの時間において、粉体塗装ガン13から吐出を停止するので、作動エアAd1は、シール圧力Psとされ、作動エアAd2は、動作圧力Pdとされる。このとき、搬送エアACおよび粉体塗料は、供給タンク11に粉体塗料を戻すための戻り配管に流れ、吐出部32から吐出されない。
さらに、時刻t3から時刻t4までの時間において、粉体塗装ガン13から吐出するので、作動エアAd1は、動作圧力Pdとされ、作動エアAd2は、シール圧力Psとされる。このとき、搬送エアACおよび粉体塗料は、吐出部32から吐出され、戻り配管に流れない。
粉体塗装ガン13からの吐出を終了した時刻t4以後において、作動エアAd1は、シール圧力Psとされ、作動エアAd2は、動作圧力Pdとされるので、搬送エアACおよび粉体塗料は、供給タンク11に粉体塗料を戻すための戻り配管に戻り、吐出部32から吐出されない。
このように、制御装置14は、イジェクタ52およびイジェクタ53に時間的に排他的に搬送エアACと粉体塗料とを搬送させるようにイジェクタ52およびイジェクタ53を制御する。
ここで、実験により計測した粉体塗装ガン13からの吐出量および戻り配管への戻り量について説明する。図6は、粉体塗装ガン13からの吐出量と戻り配管への戻り量とを示す図である。図6(A)には、作動エアAd1を動作圧力Pdとし、作動エアAd2をシール圧力Psとした場合の粉体塗装ガン13からの吐出量および戻り配管への戻り量が示されている。作動エアAd1を動作圧力Pdとし、作動エアAd2をシール圧力Psとした場合、定量供給装置12から粉体塗装ガン13に供給された粉体塗料のうち、100.00%(重量)が吐出部32から吐出され、0.00%(重量)がイジェクタ53側、すなわち戻り配管に流れる。
図6(B)には、作動エアAd1をシール圧力Psとし、作動エアAd2を動作圧力Pdとした場合の粉体塗装ガン13からの吐出量および戻り配管への戻り量が示されている。作動エアAd1をシール圧力Psとし、作動エアAd2を動作圧力Pdとした場合、定量供給装置12から粉体塗装ガン13に供給された粉体塗料のうち、3.40%(重量)が吐出部32から吐出され、96.60%(重量)がイジェクタ53側、すなわち戻り配管に流れる。
このように、粉体塗料をより確実に吐出し、また粉体塗料の吐出をより確実に停止できる。
分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53には、搬送経路を塞ぐ構成がないので、詰まりをより少なくすることができる。
次に、塗装装置1における塗布の制御について説明する。図7は、制御プログラムを実行するコンピュータ101により行われる塗布の制御の処理を説明するフローチャートである。ステップS11において、コンピュータ101は、出力部127に、例えば、−50KVの帯電印加電圧の印加を指示する電気信号を出力させる。高圧発生部103は、コンピュータ101の出力部127からの電気信号による指示に応じて、−50KVの帯電印加電圧を印加する。
ステップS12において、コンピュータ101は、現在の時刻と予め定められた時刻のシーケンスとから、または入力部126から取得された粉体塗装ガン13若しくは被塗物の現在位置を示す信号および予め定められた位置のシーケンスなどから、吐出部32から粉体塗料を吐出するか否かを判定する。ステップS12において、吐出部32から粉体塗料を吐出すると判定された場合、手続きはステップS13に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd1を動作圧力Pdにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd1を動作圧力Pdにする。イジェクタ52は、動作圧力Pdの作動エアAd1によって、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
ステップS13の後、手続きはステップS14に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd2をシール圧力Psにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd2をシール圧力Psにする。イジェクタ53は、シール圧力Psの作動エアAd2によって、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
これにより、定量供給装置12から供給された粉体塗料は、粉体塗装ガン13の吐出部32から吐出される。
一方、ステップS12において、吐出部32から粉体塗料を吐出しないと判定された場合、手続きはステップS15に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd1をシール圧力Psにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd1をシール圧力Psにする。イジェクタ52は、シール圧力Psの作動エアAd1によって、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
ステップS15の後、手続きはステップS16に進み、コンピュータ101は、出力部127に、作動エアAd2を動作圧力Pdにさせる電気信号を出力させる。電空変換部102は、出力部127からの電気信号による指示に応じて、作動エアAd2を動作圧力Pdにする。イジェクタ53は、動作圧力Pdの作動エアAd2によって、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせる。
これにより、定量供給装置12から供給された粉体塗料は、戻り配管に流れて供給タンク11に戻り、吐出部32からは吐出されない。
ステップS14の後、およびステップS16の後、手続きはステップS12に戻り、上述した処理が繰り返される。
外部から塗布の停止が要求された場合、塗布の制御の処理は、割り込みにより停止する。
上述した一連の処理は、ソフトウエアにより実行することもできるし、ハードウエアにより実行することもできる。
なお、コンピュータ101が実行する制御プログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
このように、粉体塗料をより確実に吐出し、また粉体塗料の吐出をより確実に停止することができる。
なお、イジェクタ52が搬送エアACおよび粉体塗料を吐出部32に向かって搬送すると説明したが、イジェクタ53が搬送エアACおよび粉体塗料を吐出部32に向かって搬送するようにしてもよい。粉体塗料を格納する回収タンクを供給タンク11とは別に設けて、吐出されないでイジェクタ53から戻り配管に流れた粉体塗料を回収タンクに送るようにしてもよい。
また、イジェクタ52およびイジェクタ53には、それぞれ、搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するエア噴出口84またはエア噴出口94に代えて、作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するスリットを設けるようにしてもよい。
なお、分岐ブロック51、イジェクタ52、およびイジェクタ53を一体に形成するようにしてもよい。さらに、分岐ブロック51、イジェクタ52、イジェクタ53、および吐出部32を一体に形成するようにしてもよい。
搬送経路71および搬送経路72は、直線状に限らず、曲線状に形成し、婉曲していてもよい。
搬送経路71の断面および搬送経路72の断面は、それぞれ、円に限らず、矩形または多角形とすることができる。搬送経路72の断面形状は、搬送経路71の断面形状と同じであると説明したが、異なっていても良い。搬送経路72の断面の面積は、搬送経路71の断面の面積と同じであっても、異なっていても良い。
以上のように、分岐ブロック51には、搬送エアACと共に粉体塗料が搬送される中空筒状の搬送経路71、および搬送エアACと粉体塗料とが搬送される中空筒状の搬送経路72であって、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している搬送経路72が形成されている。
イジェクタ52は、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアACと粉体塗料とを搬送する。
イジェクタ53は、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアACと粉体塗料とを搬送する。
吐出部32は、イジェクタ52またはイジェクタ53の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出する。
制御装置14は、イジェクタ52およびイジェクタ53に時間的に排他的に搬送エアACと粉体塗料とを搬送させるようにイジェクタ52およびイジェクタ53を制御する。
このようにすることで、粉体塗料が搬送される搬送経路を機械的に開閉する機構を設ける必要がないので、詰まりをより少なくしつつ、粉体塗料をより確実に吐出し、また粉体塗料の吐出をより確実に停止できる。
イジェクタ52またはイジェクタ53の他方から搬送されてくる搬送エアACと粉体塗料は、粉体塗料を格納する供給タンク11に送られる。供給タンク11は、吐出するための粉体塗料を格納する。従って、粉体塗料の吐出を停止したときに、粉体塗料の搬送を止める必要がないので、搬送経路の詰まりをより確実に防止することができ、また、これまで捨てていた粉体塗料を回収することができる。さらに、回収した粉体塗料を吐出することができる。
分岐ブロック51に形成されている搬送経路72は、搬送経路71に対して30度から60度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐させることができる。この場合、粉体塗料をさらに確実に吐出し、また粉体塗料の吐出をさらに確実に停止できる。
イジェクタ52およびイジェクタ53には、それぞれ、搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するエア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットを、搬送される搬送エアACおよび粉体塗料が通る中空筒状の壁面に設け、搬送エアACおよび粉体塗料の搬送方向の軸とエア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットから搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出する方向の軸とが直角または鋭角をなすようにすることができる。エア噴出口84若しくはエア噴出口94またはスリットから搬送媒体である作動エアAd1または作動エアAd2を噴出するので、搬送される粉体塗料を遮ることがなく、粉体塗料による詰まりをより確実に防止することができる。
搬送経路72の断面形状は、搬送経路71の断面形状と同じとすることができる。粉体塗料の吐出と、吐出の停止とを繰り返した場合でも、搬送経路72および搬送経路71における搬送エアACの気流の乱れをより少なくすることができるので、粉体塗料による詰まりをより確実に防止することができる。
制御装置14は、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出しないとき、イジェクタ52に、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせ、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出しないとき、イジェクタ53に、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせる。このようにすることで、逆流を防止することができる。従って、逆流して吸い込んだ粉体塗料やゴミなどによる塗装不良の発生を防止することができる。
このように、分岐ブロック51に、搬送エアACと共に粉体塗料が搬送される中空筒状の搬送経路71、および搬送エアACと粉体塗料とが搬送される中空筒状の搬送経路72であって、搬送経路71に対して15度から165度のいずれかの角度で搬送経路71から分岐している搬送経路72を形成し、イジェクタ52が、搬送経路71の出口に設けられ、搬送経路71の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するとき、搬送経路71の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路71の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路71から搬送エアACと粉体塗料とを搬送し、イジェクタ53が、搬送経路72の出口に設けられ、搬送経路72の出口から搬送エアACと粉体塗料とを搬出するとき、搬送経路72の出口側で搬送エアACに負圧を生じさせて、搬送経路72の搬送方向の軸と同軸方向に搬送経路72から搬送エアACと粉体塗料とを搬送し、吐出部32が、イジェクタ52またはイジェクタ53の一方から搬送されてくる粉体塗料を吐出し、制御装置14が、イジェクタ52およびイジェクタ53に時間的に排他的に搬送エアACと粉体塗料とを搬送させるようにイジェクタ52およびイジェクタ53を制御するようにした場合には、詰まりをより少なくしつつ、粉体塗料をより確実に吐出し、また粉体塗料の吐出をより確実に停止できることができる。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 塗装装置, 11 供給タンク, 12 定量供給装置, 13 粉体塗装ガン, 14 制御装置, 31 分流部, 32 吐出部, 51 分岐ブロック, 52および53 イジェクタ, 71および72 搬送経路, 81 搬送経路, 82 作動エア導入部, 83 作動エア分配部, 84 エア噴出口, 85 絞り部, 91 搬送経路, 92 作動エア導入部, 93 作動エア分配部, 94 エア噴出口, 95 絞り部, 101 コンピュータ, 102 電空変換部, 103 高圧発生部, 121 CPU, 122 ROM, 123 RAM, 128 記憶部, 131 リムーバブルメディア

Claims (9)

  1. 気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路、および前記搬送媒体と前記粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、前記第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、
    前記第1の搬送経路の出口に設けられ、前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出するとき、前記第1の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に前記第1の搬送経路から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段と、
    前記第2の搬送経路の出口に設けられ、前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出するとき、前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に前記第2の搬送経路から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段と、
    前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の一方から搬送されてくる前記粉体塗料を吐出する吐出手段と、
    前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段に時間的に排他的に前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬送させるように前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段を制御する制御手段と
    を備える塗装装置。
  2. 請求項1に記載の塗装装置において、
    前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の他方から搬送されてくる前記搬送媒体と前記粉体塗料は、前記粉体塗料を格納する格納部に送られる
    塗装装置。
  3. 請求項2に記載の塗装装置において、
    前記格納部は、吐出するための前記粉体塗料を格納する
    塗装装置。
  4. 請求項1に記載の塗装装置において、
    前記搬送経路形成部に形成されている前記第2の搬送経路は、前記第1の搬送経路に対して30度から60度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している
    塗装装置。
  5. 請求項1に記載の塗装装置において、
    前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段には、それぞれ、
    前記搬送媒体を噴出する穴またはスリットが、搬送される前記搬送媒体および前記粉体塗料が通る中空筒状の壁面に設けられ、
    前記搬送媒体および前記粉体塗料の搬送方向の軸と前記穴または前記スリットから前記搬送媒体を噴出する方向の軸とが直角または鋭角をなす
    塗装装置。
  6. 請求項1に記載の塗装装置において、
    前記第2の搬送経路の断面形状は、第1の搬送経路の断面形状と同じである
    塗装装置。
  7. 請求項1に記載の塗装装置において、
    前記制御手段は、
    前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出しないとき、前記第1の搬送手段に、前記第1の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせ、
    前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出しないとき、前記第2の搬送手段に、前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出するときに生じさせる負圧の絶対値に比較して小さい絶対値の負圧を生じさせる
    塗装装置。
  8. 気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路、および前記搬送媒体と前記粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、前記第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、前記第1の搬送経路の出口に設けられ、前記第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に前記第1の搬送経路から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段と、前記第2の搬送経路の出口に設けられ、前記第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に前記第2の搬送経路から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段と、前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の一方から搬送されてくる前記粉体塗料を吐出する吐出手段とを備える塗装装置の制御方法において、
    前記吐出手段から前記粉体塗料を吐出するとき、前記吐出手段に前記粉体塗料を搬送する前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の一方に、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出させ、
    前記吐出手段から前記粉体塗料を吐出しないとき、前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の他方に、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出させる
    ステップを含む制御方法。
  9. 気体である搬送媒体と共に粉体塗料が搬送される中空筒状の第1の搬送経路、および前記搬送媒体と前記粉体塗料とが搬送される中空筒状の第2の搬送経路であって、前記第1の搬送経路に対して15度から165度のいずれかの角度で前記第1の搬送経路から分岐している第2の搬送経路が形成されている搬送経路形成部と、前記第1の搬送経路の出口に設けられ、前記第1の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に前記第1の搬送経路から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬送する第1の搬送手段と、前記第2の搬送経路の出口に設けられ、前記第2の搬送経路の搬送方向の軸と同軸方向に前記第2の搬送経路から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬送する第2の搬送手段と、前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の一方から搬送されてくる前記粉体塗料を吐出する吐出手段とを備える塗装装置を制御するコンピュータに、
    前記吐出手段から前記粉体塗料を吐出するとき、前記吐出手段に前記粉体塗料を搬送する前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の一方に、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出させ、
    前記吐出手段から前記粉体塗料を吐出しないとき、前記第1の搬送手段または前記第2の搬送手段の他方に、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口側で前記搬送媒体に負圧を生じさせて、前記第1の搬送経路または前記第2の搬送経路の出口から前記搬送媒体と前記粉体塗料とを搬出させる
    ステップを含む処理を行わせるプログラム。

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