JP2002356224A - エジェクタ、微小固体片回収装置及び流体コンベア - Google Patents

エジェクタ、微小固体片回収装置及び流体コンベア

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JP2002356224A
JP2002356224A JP2001280668A JP2001280668A JP2002356224A JP 2002356224 A JP2002356224 A JP 2002356224A JP 2001280668 A JP2001280668 A JP 2001280668A JP 2001280668 A JP2001280668 A JP 2001280668A JP 2002356224 A JP2002356224 A JP 2002356224A
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jet
ejector
pressure
flow
air
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JP2001280668A
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English (en)
Inventor
Yasuo Morohashi
橋 保 男 諸
Hidetoshi Omori
森 英 俊 大
Toshihiro Naruse
瀬 俊 裕 成
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Trinity Industrial Corp
Original Assignee
Trinity Industrial Corp
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流体コンベアの駆動源等として使用する場合な
どに、切削屑のような微小金属片を吸い込んで搬送する
ことができる程度の大きな負圧を発生させることのでき
るエジェクタを提供する。 【解決手段】吸込口(11)と吹出口(12)の中間に
スロート部(13)が形成された中細ノズル(14)内
に、スロート部(13)の上流側から下流側に向かって
ジェット流を噴射して負圧を生じさせるジェット噴射孔
(15)を形成し、前記ジェット流により生ずる負圧以
上で、且つ、ジェット流の静圧以下の圧力空間と中細ノ
ズル(14)内を連通する圧力調整孔(16)を、前記
ジェット噴射孔(15)の下流側に開口形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速で噴射される
ジェット流の巻込作用により生ずる負圧を利用して流体
を吸引するエジェクタと、それを用いた微小固体片回収
装置及び流体コンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金属ワークを切削加工する工作機
械はNC化が進み、ワーク及び工具のセットから加工終
了に至るまでほとんど無人で行われることが多い。この
場合に、切削屑(きりこ)が大量に出るため、これらを
放置すると、切削加工の邪魔になるだけでなく、回転す
るワークや工具に絡み付いてワークを傷つけたり、周囲
に切削屑を撒き散らす結果となる。
【0003】このため、ワークを切削する際に、潤滑油
及び冷却液として使用した切削油ごと切削屑を工作機械
の下方に配されたバケットに流し入れ、当該バケットか
ら廃油流路を介して回収される切削油の流れに乗せて切
削屑を回収した後、切削油と切削屑を固液分離する方法
が採られている。
【0004】回収した切削油は循環して再利用するよう
にしているが、最終的には産業廃棄物として処分しなけ
ればならず、環境保護上好ましくないので、最近では超
硬質バイトを用い切削油を使用しないで切削加工を行う
ドライ加工が主流を占めつつある。この場合、切削屑
は、まず工具近傍に配されたエアノズルから噴射された
空気流で吹き飛ばされて工作機械の下方に配されたバケ
ットに落とされ、これを複数本のベルトコンベアを連結
した搬送路を介して工場内の所定の回収場所まで搬送す
るのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、個々の
ベルトコンベアは搬送路が直線であるから、複数本のベ
ルトコンベアを連結すると搬送路が折線状に形成されて
しまい、自由なレイアウトが困難なだけでなく、設備費
が嵩み、さらに、個々のコンベアごとに駆動モータが必
要になるのでその分ランニングコストも嵩むという問題
を有する。また、ベルトコンベアの機械的駆動部分に切
削屑などの細かいものが詰まると故障しやすいという問
題もある。
【0006】ベルトコンベアに替えて空気コンベアを用
い、掃除機のように切削屑を吸い込んだ後、その空気流
により切削屑を搬送すれば、搬送路自体はパイプである
から自由なレイアウトで設置することができるが、空気
コンベアの駆動源として機械式の真空ポンプを使用すれ
ば、同様に、設備費、ランニングコストが嵩み、この真
空ポンプに切削屑が詰まるおそれも残る。
【0007】このため、真空ポンプに替えてエジェクタ
を使用すれば、設備費が安価で、駆動源及び搬送路のい
ずれからも機械的駆動部分が一切なくなり、そのエネル
ギーとしても工場内に配管されている工場エアと称する
高圧エアを使用すればよいのでランニングコストも軽減
される。
【0008】しかしながら、エジェクタは、往復式、回
転式、遠心式などの機械式真空ポンプに比してその負圧
が極めて弱いため、粉体のような軽いものを搬送する空
気コンベアの駆動源として使用することはできても、切
削屑のような微小金属片を搬送する空気コンベアの駆動
源としては実用的ではなかった。
【0009】さらに、エジェクタは、水などの液体を噴
射してジェット流を形成し、その負圧により同種の流体
を吸い上げ、その流れでクリンカなどの焼却灰を搬送す
る流体コンベアの駆動源としても使用されているが、よ
り強い負圧が得られれば吸込量が多くなり、その分、搬
送効率が向上し、省エネルギーにも資し、ランニングコ
ストも低減できる。
【0010】そこで本発明は、エジェクタを流体コンベ
アの駆動源等として使用する場合などに、搬送効率を向
上させ、省エネルギーにも資し、ランニングコストを低
減させることができるように、その負圧を増大させてパ
ワーアップを図ることを技術的課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1の発明は、吸込口と吹出口の中間にスロー
ト部が形成された中細ノズル内に、前記スロート部の上
流側から下流側に向かうジェット流を噴射して負圧を生
じさせるジェット噴射孔が形成されたエジェクタにおい
て、前記ジェット流により生ずる負圧以上、且つ、ジェ
ット流の静圧以下の圧力空間と中細ノズル内を連通する
圧力調整孔が、前記ジェット噴射孔の下流側に開口形成
されたことを特徴とする。
【0012】ジェット噴射孔からジェット流を噴射する
と、その負圧により、吸込口から流体が吸い込まれて、
吹出口から高圧で吐出される。発明者の実験によれば、
吸込口から吸い込まれた流体の流速は、ジェット流との
合流点で高速となるが、圧力調整孔がない場合は,その
高速域の距離が短く、請求項1の発明のように圧力調整
孔を形成すると、高速域の距離が長くなっており、その
結果、吸込口から吸い込まれる流体の流速・流量が増大
していることが確認された。
【0013】ここで、ジェット流としてエアを噴射さ
せ、吸込口からエアを吸い込む場合に、圧力調整孔を形
成していないエジェクタの負圧が−0.06kg/cm
に対し、圧力調整孔を形成することによって負圧が−
0.3kg/cmまで約5倍上昇した。
【0014】また、ジェット流として水を噴射させ、吸
込口から水を吸い込む場合も同様に、圧力調整孔を形成
していないエジェクタの負圧が−0.25kg/cm
に対し、圧力調整孔を形成することによって負圧が−
0.8kg/cmまで約3倍強上昇した。
【0015】一般に、中細ノズル内にジェット流を噴射
させると、その吸込口側から流体を巻き込んで吸込流を
発生させる動圧(負圧)と、その吸込流の流れを阻止し
ようとする静圧が作用し、圧力調整孔を設けなくても動
圧が静圧より十分に大きいため吸込流が発生するが、本
発明においては、ジェット流の静圧以下の圧力空間に通
じる圧力調整孔が形成されているので、吸込流の流れを
阻止しようとする静圧分が圧力調整孔により逃がされ
て、エジェクタの負圧が増大しパワーアップしたものと
考えられる。
【0016】また、圧力調整孔を介して連通される圧力
空間は、ジェット流により生ずる負圧以上であるので、
外部の流体が圧力調整孔を通じてエジェクタ内に流入す
ることはあっても、エジェクタ内を流れる流体が圧力調
整孔を通じて外部に漏れることはない。
【0017】請求項2の発明は、ジェット噴射孔及び圧
力調整孔が、中細ノズルの内周面の周方向に沿って環状
に又は所定間隔で開口形成されているので、管内の圧力
分布に偏りが生じにくく、中細ノズルの中心を対称軸と
する均等な流速分布が得られる。
【0018】請求項3の発明は、圧力調整孔が大気に連
通されてなる。大気圧は、ジェット流により生ずる負圧
以上であるから、中細ノズルの内外を圧力調整孔で連通
させれば、外気がエジェクタ内に吸い込まれることはあ
っても、エジェクタ内を流れる流体が圧力調整孔から外
部に漏れ出すことはない。また、大気圧はジェット流の
静圧以下であるであるのでその静圧を逃がすことがで
き、したがって、エジェクタの負圧が増大してそのパワ
ーがアップする。
【0019】請求項4の発明は、ジェット噴射孔から噴
射されたジェット流を中細ノズルの中心に追い込む制御
流体の噴射孔が、前記ジェット噴射孔と圧力調整孔の間
に形成され、その噴射角が、前記吸込口から吹出口に至
る流線に対して鋭角で、且つ、ジェット噴射孔の噴射角
よりも大きな角度に選定されてなる。
【0020】この請求項4の発明は、吸込流の流量を多
くしようとして、中細ノズルの内径及びジェット流の供
給圧を上げても、思うように負圧が増大しなかったこと
から、この点を改良するために案出されたものである、
すなわち、比較的太い中細ノズルに圧力調整孔を形成し
たエジェクタ内の流れを解析したところ、中心に向かっ
て噴射されたジェット流の流線が吸込流に流されて管壁
に沿うように曲げられ、中細ノズルの中心に高速域Hが
形成されていないことが判明した。
【0021】そこで、請求項4の発明のように、制御流
体の噴射孔を設けて、その制御流体によりジェット流を
中細ノズルの中心に追い込むようにした。これにより、
比較的太い内径の中細ノズルを使用した場合でも、中細
ノズルの中心にジェット流を追い込んで、その中心に高
速域を形成することができるので、吸込流の流速・流量
を向上させることができ、エジェクタの負圧が増大して
パワーが向上する。
【0022】請求項5の発明は、吸い込んだ微小固体片
を空気コンベアにより搬送して回収する微小固体片回収
装置であって、空気コンベアの駆動源として請求項1に
係るエジェクタを用い、微小固体片をサイクロン分離機
で回収するようにした。
【0023】請求項5の発明によれば、エジェクタの負
圧が大きいので、エジェクタの負圧で形成される搬送空
気流により比較的重い金属切削屑のような微小固体片で
も吸い込むことができ、これがサイクロン分離機に流入
されると、その勢いで円筒分離塔内に旋回流が形成さ
れ、中心に集まる空気が外部に排気されると同時に、微
小固体片が遠心力により周壁にぶつかって落下し、吸い
込んだ微小固体片が容易に回収される。
【0024】請求項6の発明によれば、エジェクタの負
圧が大きいエジェクタを流体コンベアの駆動源として使
用しているので、焼却灰やヘドロ状の廃液など比重の重
い液体でも確実に搬送できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係るエジ
ェクタを示す説明図、図2は本発明に係る微小固体片回
収装置を示す概略説明図、図3はエジェクタ内の流れを
解析したシミュレーション図、図4は他の実施形態を示
す説明図、図5はそのエジェクタ内の流れを解析したシ
ミュレーション図、図6はエジェクタを駆動源とした流
体コンベアを示す説明図である。
【0026】本発明に係る微小固体片回収装置1は、図
2に示すように、工作機械2に形成されたバケット3か
ら吸い込んだ金属切削屑(微小固体片)を空気コンベア
4により搬送して回収するものである。空気コンベア4
の搬送管路5には、搬送空気流を形成するエジェクタ6
が介装され、一方の管路端が吸込端4aとして形成され
ると共に、排出端4bとなる他方の管路端がサイクロン
分離機7に接続されている。
【0027】サイクロン分離機7は、中心に排気筒8が
形成されたホッパ型の円筒分離塔9を備え、当該円筒分
離塔9の上段には内周面接線方向に開口する流入口9a
が形成され、底面には切削屑を落下させる回収口9bが
形成されている。前記流入口9aには空気コンベア4の
排出端4bが接続され、搬送空気流が、円筒分離塔9の
内周面接線方向から流入してその勢いで旋回流となり、
中心に集まる空気が排気筒8から外部に排気されると共
に、搬送されてきた切削屑を遠心力により円筒分離塔9
の周壁にぶつかって、これを回収口9bから落下させ、
その真下に置いたドラム缶10などに回収するようにな
っている。
【0028】空気コンベア4の駆動源となるエジェクタ
6は、図1に示すように、搬送管路5に接続される吸込
口11と吹出口12の中間に断面積の小さな内径2.5
cm程度のスロート部13が形成された中細ノズル14
で形成され、吸込口11からスロート部13に向かって
断面積が徐々に収縮し、スロート部13から吹出口12
に向かうディフューザ部18は断面積が徐々に広がって
いる。この中細ノズル14の管壁には、スロート部13
の上流側から下流側に向かってエアによるジェット流を
噴射させ、当該ノズル14内に負圧を生じさせるジェッ
ト噴射孔15…が周方向に所定間隔で形成されると共
に、当該ジェット噴射孔15…の下流側には中細ノズル
14の管壁を貫通して大気へ通ずる圧力調整孔16が形
成されている。
【0029】ジェット噴射孔15…は、中細ノズル14
内を流れる搬送空気流の流線Fに対して鋭角に形成さ
れ、その内側開口部15a…が内周面の周方向に沿って
所定間隔で形成されると共に、中細ノズル14の外周面
に形成された接続ポート15bに工場エアなどの圧縮空
気供給源17が接続されている。
【0030】また、本例では、圧力調整孔16は、搬送
空気流の流線Fに対して鋭角を成すように吹出口12側
に傾いて、その内側開口部16aがスロート部13から
吹出口12に至るディフューザ部18の内周面に沿って
その周方向に環状又は所定間隔で形成され、当該開口部
16aと外気を通じる複数の貫通孔16bが放射状に等
間隔で形成されている。
【0031】以上が本発明の構成であって、次にその作
用について説明する。図3はエジェクタ内の流速を解析
したシミュレーション図を示し、図3(a)が圧力調整
孔16を形成した本発明に係るエジェクタ6を用いたと
きの流速分布、図3(b)が圧力調整孔を形成していな
い同型のエジェクタを用いたときの流速分布であり、ど
ちらもジェット噴射孔15…に4kg/cmの圧縮エ
アを供給して当該エアによるジェット流を噴射させるこ
とにより、中細ノズル14内に負圧を生じさせ、これに
より搬送空気流が発生した。
【0032】流速分布を見ると、図3(b)に示す圧力
調整孔が形成されていないタイプは、ジェット噴射孔1
5…から噴射されたジェット流により生じた高速域Hが
中細ノズル14の中心に達した後にすぐに消失し、搬送
空気流の流線F上の高速域Hの長さが短い。これに対
し、図3(a)に示す圧力調整孔16を形成したタイプ
は、ジェット噴射孔15…から噴射されたジェット流に
より生じた高速域Hが中細ノズル14の中心に達しても
消失せず、速度の速い高速域Hが搬送空気流の流線Fに
沿って吹出口12に向かって長く延びていることがわか
る。
【0033】これは、中細ノズル14内にジェット流を
噴射すると、その吸込口11側から空気を巻き込んで搬
送空気流を発生させる動圧と、その搬送空気流の流れを
阻止しようとする静圧が作用し、動圧が静圧より十分に
大きいため搬送空気流が発生するが、本例においては、
搬送空気流の流れを阻止しようとする静圧分を圧力調整
孔16により逃がしているためと考えられる。
【0034】したがって、圧力調整孔16を形成するこ
とにより、中細ノズル14内に生ずる搬送空気流の流速
が速くなり、その結果、エジェクタ6の負圧が大きくな
ってパワーアップする。本実験の結果、圧力調整孔16
が形成されていないエジェクタではその吸込口11での
負圧が−0.06kg/cmであったのに対し、圧力
調整孔16を形成したエジェクタ6では約5倍の−0.
3kg/cmまで上昇した。本発明者が調べたとこ
ろ、金属切削屑を吸い込んで搬送するための空気コンベ
ア4の駆動源としては、搬送管路5の高低差や全長を考
慮すると−0.2kg/cm程度の負圧が必要とされ
ることから、本発明に係るエジェクタ6はその駆動源と
して十分に実用に供し得る。
【0035】このエジェクタ6を用いた微小固体片回収
装置1において、エジェクタ6に4kg/cmの圧縮
エアを供給して中細ノズル14にジェット流を噴射させ
ると、エジェクタ6の吸込口11側の空気を巻き込ん
で、搬送管路5に搬送空気流が生ずる。ここで、空気コ
ンベア4の吸込端4aを工作機械2のバケット3内に入
れると金属切削屑が吸い込まれて、搬送空気流により空
気と切削屑が混合した固気混相流として搬送管路5内を
流れ、エジェクタ6を通過してサイクロン分離機に達す
る。
【0036】エジェクタ6は、吸込口11からスロート
部13を通り吹出口12に至る中細ノズル14で形成さ
れた管路であるから、機械式真空ポンプのような駆動部
分がないので、切削屑が詰まって傷ついたり故障したり
することもない。そして、エジェクタ6の吹出口12か
ら吹き出されてサイクロン分離機7に達した搬送空気流
は、円筒分離塔9の内周面の接線方向から勢いよく吹き
込まれるので、その周壁に沿って上から下に向かう旋回
流が形成される。この旋回流により空気が中心に集まっ
て排気筒8から外部に排気されると共に、搬送されてき
た切削屑が遠心力により円筒分離塔9の周壁にぶつかっ
て、回収口9bに案内され、その真下に置いたドラム缶
10に落とし込まれる。
【0037】図4は本発明に係る他のエジェクタを示
す。なお。図1と共通する部分については同一符号を付
して詳細説明は省略する。本例は内径が比較的太いエジ
ェクタ21に適しており、ジェット噴射孔15…と圧力
調整孔16の間に、ジェット流を中細ノズル14の中心
に追い込む制御流体噴射孔22…が、前記搬送空気流の
流線Fに対してジェット噴射孔15の噴射角θよりも
大きな噴射角θで形成されてなる。また、ジェット噴
射孔15から噴射されるジェット流の流線Jと、制御流
体噴射孔22から噴射される制御流体の流線Cが、中細
ノズル14の中心を通る搬送空気流の流線F上で交差す
るように各噴射孔15,22の傾斜角が選定されてい
る。なお、制御エアの噴射孔22にエアを供給する配管
にはレギュレータ23が介装され、制御エアの供給圧を
調整することができるようになっている。
【0038】本発明者が、搬送空気流の流量を多くしよ
うとして、内径5cm程度の比較的太いエジェクタを試
作したところ、圧力調整孔16を形成することにより、
これを形成していないエジェクタよりは大きな負圧が得
られた。しかしながら、図1に示す内径2.5cm程度
の細いエジェクタ6に比して負圧が低かったため、さら
に大きな負圧が得られるように案出されたものである。
まず、圧力調整孔16を形成していない太いエジェクタ
内の流れを解析したところ、図5(b)に示すように、
ジェット流が管壁に沿って流れ、高速域Hが中細ノズル
14の中心に達していないことが判明した。このため、
高速域Hが中細ノズル14の中心に達するようにジェッ
ト流の噴射角を中細ノズル14の内径に応じて大きくす
ることも考えられるが、噴射角が大きくなるほど巻込力
が弱まっていき、45°を超えると急激に弱まって、十
分な負圧を得ることができない。
【0039】そこで、制御エアの噴射孔22を設けて、
その制御エアによりジェット流を中細ノズル14の中心
に追い込むようにした。これにより、図5(a)に示す
ように、高速域Hが中細ノズル14の中心に達し、搬送
空気流の流速・流量が増大し、エジェクタ21の負圧が
大きくなってパワーが格段にアップした。
【0040】しかも、ジェット流と制御エアのトータル
のエア量は、制御エアを設けない場合のジェット流のエ
ア量以下にしても、同等の大きさの負圧を得ることがで
き、したがって、ランニングコストもより低減すること
ができた。また、工場エアのエア圧の変動や製作誤差が
あっても、制御エアの供給圧を調整することによりエジ
ェクタ21の負圧が最大になるように調整することがで
きる。
【0041】なお、上述の説明では、エジェクタ6を空
気コンベア4の動力源として使用した場合について説明
したが、本発明はこれに限らず、クリンカなどの焼却灰
の塊やヘドロ状の廃液その他任意のものを水力輸送する
流体コンベアの駆動源として使用することもできる。
【0042】図6は、図1に示すタイプのエジェクタ6
を動力源とした流体コンベアを示す説明図である。本例
の流体コンベア31は、細かく粉砕したクリンカ(焼却
灰の塊)を一時貯留タンク(搬送元)32から回収タン
ク(搬送先)33まで搬送するもので、各タンク32及
び33を連通する搬送管路34にエジェクタ6が介装さ
れている。搬送管路34は、一時貯留タンク32低部か
らエジェクタ6の吸込口11に至る上流側の吸込管34
inと、吹出口12に接続された下流側の送給管34out
からなる。
【0043】エジェクタ6のジェット噴射孔15には、
フィルタ35により濾過された一時貯留タンク32内の
上澄みをポンプ36により所定の圧力で供給する高圧水
供給系37が接続されている。
【0044】これによれば、エジェクタ6内に水を噴射
してジェット流が形成すると、負圧が得られるので、こ
の負圧により、一時貯留タンク32から吸込管34in−
エジェクタ6−吹出管34outを通り回収タンク33へ
クリンカを搬送する搬送水流が形成される。
【0045】実験の結果、高圧水供給系37のポンプ3
6により2〜6kg/cmの圧力で水を噴射させたと
ころ、圧力調整孔16が形成されていないエジェクタで
はその吸込口での負圧が−0.15〜−0.25kg/c
であったのに対し、圧力調整孔16を形成したエジ
ェクタ6では約3〜4倍の−0.6〜−0.8kg/cm
まで上昇した。
【0046】このとき、高圧水供給系37から毎分61
〜100リットルの流量でジェット流が噴射され、吸込
管34inから同量以上の流量でクリンカを吸い込むこと
ができた。また、渦巻きポンプを流体コンベアの駆動源
とした場合と比較すると、渦巻きポンプは羽根とケーシ
ングの隙間があるところから、その最大吸込揚程が約3
mであるのに対し、本発明に係るエジェクタ6を用いた
場合、8mの吸込揚程が得られた。なお、流体コンベア
の搬送流体としては、水等の液体を用いるものに限ら
ず、図2に示す回収装置1で用いた空気コンベア4のよ
うに空気を用いるものであっても良い。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、中
細ノズルに形成されたジェット噴射孔の下流側に、その
ジェット流により生ずる負圧以上で、且つ、ジェット流
の静圧以下の圧力空間と中細ノズル内を連通する圧力調
整孔が形成され、中細ノズル内にジェット流を噴射させ
たときに、吸込流の流れを阻止しようとするジェット流
の静圧分が圧力調整孔から逃がされて、エジェクタの負
圧が増大するので、流体コンベアの駆動源等として使用
する場合などに、搬送効率を向上させ、省エネルギーに
も資し、ランニングコストを低減させることができると
いう大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエジェクタを示す説明図。
【図2】本発明に係る微小固体片回収装置を示す概略説
明図。
【図3】エジェクタ内の流れを解析したシミュレーショ
ン図。
【図4】他の実施形態を示す説明図。
【図5】そのエジェクタ内の流れを解析したシミュレー
ション図。
【図6】エジェクタを駆動源とした流体コンベアを示す
説明図。
【符号の説明】
1、21………微小固体片回収装置 4………空気コンベア 5………搬送管路 6………エジェクタ 7………サイクロン分離機 9………円筒分離塔 11………吸込口 12………吹出口 13………スロート部 14………中細ノズル 15………ジェット噴射孔 16………圧力調整孔 18………ディフューザ部 22………制御流体噴射孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成 瀬 俊 裕 愛知県豊田市柿本町一丁目9番地 トリニ ティ工業株式会社内 Fターム(参考) 3C011 BB11 BB15 BB25 4F033 QA10 QB02Y QB05 QB12Y QB19 QD04 QD14 QE01 QE23 QF01X QF07Y QF15Y QH03 QH05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸込口(11)と吹出口(12)の中間に
    スロート部(13)が形成された中細ノズル(14)内
    に、前記スロート部(13)の上流側から下流側に向か
    うジェット流を噴射して負圧を生じさせるジェット噴射
    孔(15)が形成されたエジェクタにおいて、前記ジェ
    ット流により生ずる負圧以上、且つ、ジェット流の静圧
    以下の圧力空間と中細ノズル(14)内を連通する圧力
    調整孔(16)が、前記ジェット噴射孔(15)の下流
    側に開口形成されたことを特徴とするエジェクタ。
  2. 【請求項2】前記ジェット噴射孔(15)及び前記圧力
    調整孔(16)のいずれか一方又は双方が、中細ノズル
    (14)の内周面の周方向に沿って環状に又は所定間隔
    で開口形成されてなる請求項1記載のエジェクタ。
  3. 【請求項3】前記圧力調整孔(16)が大気に連通され
    てなる請求項1又は2記載のエジェクタ。
  4. 【請求項4】中細ノズル(14)の内周面の周方向に沿
    って環状に又は所定間隔で開口形成されたジェット噴射
    孔(15)から噴射されたジェット流を中細ノズル(1
    4)の中心に追い込む制御流体噴射孔(22)が、前記
    ジェット噴射孔(15)と圧力調整孔(16)の間に形
    成され、その噴射角が、前記吸込口(11)から吹出口
    (12)に至る流線(F)に対して鋭角で、且つ、ジェ
    ット噴射孔(15)の噴射角よりも大きな角度に選定さ
    れてなる請求項1乃至3記載のエジェクタ。
  5. 【請求項5】微小固体片を空気コンベア(4)により吸
    い込んで搬送し、回収する微小固体片回収装置であっ
    て、 前記空気コンベア(4)を流れる搬送空気流を円筒分離
    塔(9)内に流入させてその勢いで旋回流を形成させ、
    前記旋回流の中心に集まる空気を外部に抜き出すと共
    に、遠心力により微小固体片を周壁にぶつけて落下さ
    せ、これを回収するサイクロン分離機(7)を備え、 前記空気コンベア(4)の搬送管路(5)に搬送空気流
    を形成するエジェクタ(6)が介装され、 前記エジェクタ(6)は、前記搬送空気流の吸込口(1
    1)と吹出口(12)の中間にスロート部(13)が形
    成された中細ノズル(14)内に、前記スロート部(1
    3)の上流側から下流側に向かってエアによるジェット
    流を噴射して負圧を生じさせるジェット噴射孔(15)
    が形成されると共に、前記ジェット流により生ずる負圧
    以上で、且つ、ジェット流の静圧以下の圧力空間と中細
    ノズル(14)内を連通する圧力調整孔(16)が、前
    記ジェット噴射孔(15)の下流側に開口形成されたこ
    とを特徴とする微小固体片回収装置。
  6. 【請求項6】被搬送物を搬送流体と共に管輸送する流体
    コンベアであって、 搬送元から搬送先まで延設された搬送管路(34)に、
    搬送先へ向かう搬送流を形成するエジェクタ(6)が介
    装され、 当該エジェクタ(6)は、前記搬送管路(34)の上流
    側に接続される吸込口(11)と下流側に接続される吹
    出口(12)の間にスロート部(13)を形成した中細
    ノズル(14)に、前記スロート部(13)の上流側か
    ら下流側に向かってジェット流を噴射して負圧を生じさ
    せるジェット噴射孔(15)が形成されると共に、前記
    ジェット流により生ずる負圧以上で、且つ、ジェット流
    の静圧以下の圧力空間と中細ノズル(14)内を連通す
    る圧力調整孔(16)が、前記ジェット噴射孔(15)
    の下流側に開口形成されていることを特徴とする流体コ
    ンベア。
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