JP6279690B1 - 流体の空気輸送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の輸送距離や輸送量の制約を解消することができる吸引式の空気輸送装置及び空気輸送方法を提供する。【解決手段】空気輸送装置Xは、流体Cの輸送路2と、この上流部に備わる流体Cの供給手段と、輸送路2の下流部に備わる流体Cの吸引手段6と、輸送路2の途中に所定の間隔L2毎に備わるエジェクタE1〜Enとを有する。エジェクタE1〜Enは、輸送路2内を臨む環状の噴出口5を有し、この噴出口5からパルスエアAを噴出する。このパルスエアAは吸引手段6に近い側のエジェクタE1〜Enの噴出口5から順に行う。【選択図】図1
Description
本発明は、流体の空気輸送方法に関するものである。
粉体、粒状体、スラリー、ひんがむ流体(スラリー及び固形物が混ざったもの)、液体等の流体の空気輸送方式としては、吸引式、低圧圧送式、高圧圧送式、ブラグ状しゅう動式等が存在する。この中で吸引式は、流体の供給点において粉塵が飛散しない、輸送路内が負圧になるため粉塵が漏れない等の利点を有する。しかしながら、吸引式は、吸引圧力が実用的には−60〜−70KPa程度までであるという制限が存在する。したがって、吸引式によると、流体の輸送距離又は輸送量が制約される。
この点、圧送式の場合は、長距離輸送を可能にする提案が既にされている。例えば、特許文献1は、長距離輸送を可能にするために、輸送力増強手段を設けることを提案する。この輸送力増強手段とは、輸送路内に別の流体を注入して流体の移動を助長するというものである。具体的には、輸送力増強手段を、輸送路に介装されたノズルと、このノズルに空気を供給する空気供給部とで構成する。そして、輸送方向に対して斜めに空気を吐出して外周面に螺旋状の空気流が形成されるようにノズルの吐出口の向きを設定する。その理由については、「輸送路3に空気が注入されると、その輸送管3aの内面に沿って螺旋状に空気流が形成されるので、輸送管3aの内面付近にあってゆっくりと移動している粉体が押し流され、輸送力が増強されることになって、粉体は移動速度を増して圧送される。これを繰り返していくことによって、粉体はさらに遠くまで輸送され、目的地6までの輸送が行われる」とする。
しかるに、本発明者らは、この方法を単純に吸引式の空気輸送装置に適用しても、輸送距離又は輸送量の制約を解消することができないと考えている。したがって、前述した吸引式による利点を享受するためには、吸引式の空気輸送装置を別途開発しなければならない。
なお、本発明者ら試験したところによると、例えば、ブロワ:37KW、輸送路:直径100mm、輸送物:ブラストサンドの場合、輸送距離5mの場合は輸送量が15t(トン)/時間に、輸送距離が15mの場合は輸送量が10t/時間に、輸送距離が100mの場合は輸送量が1t/時間になった。この結果から明らかなとおり、輸送距離が長くなると輸送量が激減する。したがって、実用的な輸送距離は、30〜50mが限界であると考えられる。
本発明が解決しようとする主たる課題は、流体の輸送距離や輸送量の制約を解消することができる吸引式の空気輸送方法を提供することにある。
上記課題を解決するための参考となる手段は、流体の輸送路と、この輸送路の上流部に備わる前記流体の供給手段と、前記輸送路の下流部に備わる前記流体の吸引手段と、前記輸送路の途中に所定の間隔毎に備わるエジェクタとを有し、前記エジェクタは、前記輸送路内を臨む環状の噴出口を有し、この噴出口からパルスエアを噴出する、ことを特徴とする流体の空気輸送装置である。
また、上記課題を解決するための手段は、流体の輸送路及び吸引手段と、前記輸送路の途中に所定の間隔毎に備わるエジェクタとを有し、前記エジェクタが前記輸送路内を臨む環状の噴出口を有するものである空気輸送装置を用いて、前記吸引手段に近い側のエジェクタの噴出口から順にパルスエアを噴出する、ことを特徴とする流体の空気輸送方法である。
本発明によると、流体の輸送距離や輸送量の制約を解消することができる吸引式の空気輸送方法となる。
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、本形態は、本発明を実施するための一例である。本発明の範囲は、本形態の範囲に限定されない。
(空気輸送装置)
図1に示すように、本形態の空気輸送装置Xは、流体Cの輸送路2と、流体Cの供給手段(図示せず)と、流体Cの吸引手段6と、流体Cの捕集手段7と、複数のエジェクタE1〜En(以下では、エジェクタE1〜Enのいずれか1つを単に「エジェクタE」ともいう。)とを主に有する。
(空気輸送装置)
図1に示すように、本形態の空気輸送装置Xは、流体Cの輸送路2と、流体Cの供給手段(図示せず)と、流体Cの吸引手段6と、流体Cの捕集手段7と、複数のエジェクタE1〜En(以下では、エジェクタE1〜Enのいずれか1つを単に「エジェクタE」ともいう。)とを主に有する。
空気輸送装置Xによって輸送可能な流体Cは、例えば、粉体、粒状体、スラリー、ひんがむ流体、液体等である。粉体である流体Cとしては、例えば、ブラストサンド、穀類、セメント等を例示することができる。粒状体である流体Cとしては、例えば、活性炭ペレット、RDFペレット等を例示することができる。スラリーである流体Cとしては、例えば、泥土、モルタル等を例示することができる。ひんがむ流体である流体Cとしては、例えば、生コンクリート、掘削土等を例示することができる。液体である流体Cとしては、例えば、セメントミルク、し尿等を例示することができる。
輸送路2(の内空部)には、流体Cが供給される。供給された流体Cは、空気等と共に輸送路2内を流れる。流体Cは、輸送路2内を流れることで輸送される。なお、本明細書において流体Cを輸送するための「空気」とは、地上に存在する大気のみを意味するものではない。空気には、流体Cを輸送する役割を果たし得る気体一般をも含む。したがって、例えば、N2ガス、CO2ガス等のガス(気体)によって流体Cを輸送することもできる。
輸送路2は、流体Cを流す(輸送する)機能(役割)を果たすものであれば足りる。したがって、具体的にどのような名称で呼ばれものであるかは特に問題とならない。例えば、輸送管、輸送ホース等と呼ばれるものであっても、上記機能を果たすようであれば、本形態の輸送路2に含まれる。
輸送路2の断面形状は、通常、円形状である。輸送路2は、直線状に延在していても、弧を描くように延在していても、湾曲、屈曲等して延在していても、これらが適宜組み合わさって延在していてもよい。
輸送路2は、硬質な素材で形成されていても、柔軟性を有する素材、可撓性を有する素材等で形成されていてもよい。硬質な素材としては、例えば、鋼管、塩ビ管等を例示することができる。柔軟性や可撓性を有する素材としては、例えば、ゴムホース、PVCホース等を例示することができる。
流体Cの供給手段は、輸送路2内に流体Cを供給する機能を有する。
流体Cの供給手段は、輸送路2の上流部に、例えば、上流側の端部に備わる。なお、図1の例では、紙面右側が上流側である。
流体Cの供給手段としては、流体Cが粉体や粒状体等である場合は、例えば、ロータリフィーダや、スクリュフィーダ、フードシュート、テーブルフィーダ等を使用することができる。また、流体Cの供給手段としては、流体Cがスラリーや、ひんがむ流体、液体等である場合は、例えば、スラリポンプや、スクイーズ型ポンプ、往復ポンプ等のポンプ等を使用することができる。
流体Cの吸引手段6は、輸送路2内の空気や流体C等を吸引する機能を有する。吸引手段6による吸引によって、輸送路2内の空気や流体C等が上流側から下流側へ流れる。図1の例では、輸送路2内の空気や流体C等が紙面右側から紙面左側へ流れる。
流体Cの吸引手段6は、輸送路2の下流部に、例えば、下流側の端部(末端部)に備わる。本形態の吸引手段6は、輸送路2の末端部に捕集手段7を介して備わる。なお、図1の例では、紙面左側が下流側である。
流体Cの吸引手段6としては、例えば、ファンブロワ、ターボブロワ、ルーツブロワ等のブロワや、スクリュ型空気圧縮機、往復動式空気圧縮機等の空気圧縮機等を使用することができる。
流体Cの捕集手段7は、輸送路2内を流れてきた流体Cを、この流体Cを流す(輸送する)ために使用した空気から分離し、捕集する機能を有する。
本形態の捕集手段7は、フィルタ7a、サイロ7b、及び切出手段7cを主に有する。輸送路2内を流れてきた流体Cは、フィルタ7aによって集塵されて空気から分離される。空気から分離された流体Cは、サイロ7b内に捕集(貯留)される。サイロ7b内の流体Cは、適宜のタイミングで切出手段7cによって外部に排出される。他方、流体Cを取り除かれた空気は、吸引手段6を通り抜けた後、排ガスGとして大気中に放出される。
本形態のエジェクタEは、複数台、具体的には「n台」備わる。そこで、本明細書では、複数台のエジェクタEを符号E1〜Enで示している。なお、吸引手段6に最も近いエジェクタEを符号E1で示している。そして、吸引手段6から離れるに従ってエジェクタEの符号が順にE2,E3…となり、吸引手段6から最も離れたエジェクタEを符号Enで示している。
エジェクタE1〜Enは、輸送路2の途中に所定の間隔L2毎に備わる。この所定の間隔L2は、それぞれ異なるものとすることもできるが、全ての所定の間隔L2が同一である方が好ましい。
所定の間隔L2を全て同一とする場合、当該所定の間隔L2は、例えば3〜20m、好ましくは5〜15m、より好ましくは5〜7mである。所定の間隔L2が長すぎると、流体Cの輸送距離L1を十分に延ばすことができなくなり、あるいは輸送量を十分に増やすことができなくなるおそれがある。他方、所定の間隔L2が短すぎても、輸送距離や輸送量の改善効果は頭打ちとなり、設備費の増加を招くだけになるおそれがある。また、所定の間隔L2が短すぎると、場合によっては、輸送路2内に乱流が生じてしまい、かえって輸送距離L1や輸送量が意図するように改善されなくなるおそれがある。
図3から理解することができるように、エジェクタEは、輸送路2内を臨む環状の噴出口5を有する。この噴出口5から、空気(パルスエア)を間欠的に、かつ瞬間的に噴出する。エジェクタEの噴出口5からパルスエアを噴出することによって流体Cの輸送距離L1を延ばすことができるようになり、あるいは輸送量を増やすことができるようになる。なお、この原理については、後で空気輸送方法を説明する際に説明する。
噴出口5からパルスエアを噴出するための構造は、次のとおりである。
まず、図1に示すように、エジェクタE1〜Enは、それぞれエア配管8aによってコンプレッサ8と接続されている。また、各エア配管8aには、それぞれバルブP1〜Pn(以下では、バルブP1〜Pnのいずれか1つを単に「バルブP」ともいう。)が備わる。このバルブP1〜Pnは、それぞれ制御線9aによって制御盤(コントローラ)9と接続されている。この制御盤9からの指令によってバルブP1〜Pnは開閉する。コンプレッサ8からエア配管8aを通してエジェクタE1〜Enに送られてきた圧縮空気は、噴出口5を通して輸送路2内に噴出A(図3参照)される。この噴出Aは、バルブP1〜Pnの開閉に応じた間欠的、かつ瞬間的なものとなる。
まず、図1に示すように、エジェクタE1〜Enは、それぞれエア配管8aによってコンプレッサ8と接続されている。また、各エア配管8aには、それぞれバルブP1〜Pn(以下では、バルブP1〜Pnのいずれか1つを単に「バルブP」ともいう。)が備わる。このバルブP1〜Pnは、それぞれ制御線9aによって制御盤(コントローラ)9と接続されている。この制御盤9からの指令によってバルブP1〜Pnは開閉する。コンプレッサ8からエア配管8aを通してエジェクタE1〜Enに送られてきた圧縮空気は、噴出口5を通して輸送路2内に噴出A(図3参照)される。この噴出Aは、バルブP1〜Pnの開閉に応じた間欠的、かつ瞬間的なものとなる。
なお、本形態のバルブPは、複数台、具体的にはエジェクタEの数と同一の「n台」備わる。そこで、本明細書では、複数台のバルブPを符号P1〜Pnで示している。各バルブP1〜Pnは、それぞれエジェクタE1〜Pnと対応関係にある。
噴出口5の開口面積は、輸送路2の断面積の、例えば4〜15%、好ましくは5〜10%、より好ましくは6〜7%である。噴出口5の開口面積が狭すぎると、輸送路2内の流体Cを十分に払いのける(この「払いのける」の意味するところは、後述する。)ことができなくなるおそれがある。結果、流体Cの輸送距離L1を十分に延ばすことができなくなり、あるいは輸送量を十分に増やすことができなくなるおそれがある。噴出口5の開口面積が広すぎると、噴出したパルスエアがぶつかり合って乱流が生じるおそれがある。なお、噴出口5の開口面積は、通常、バルブPの開口面積と同一である。
パルスエアを噴出Aする角度α(図3参照)は、例えば7.5〜35°、好ましくは10〜22.5°、より好ましくは15〜17°である。パルスエアを噴出Aする角度αが小さすぎると、輸送路2の中心部(軸心部)に存在する流体Cを十分に払いのけることができなくなるおそれがある。他方、パルスエアを噴出Aする角度αが大きすぎると、輸送路2内の空気に乱流が生じ、流体Cを十分に払いのけることができなくなるおそれがある。
パルスエアを噴出Aする角度αは、例えば、図2及び図3に示すように、エジェクタEのケース体4(いわゆるレデューサ)によって調節することができる。このケース体4の下流側端部4aの径(直径)は、輸送路2の径(直径)と同一である。ケース体4は、そこ(下流側端部4a)から上流側へ向かってテーパー状に径が広がっている。そして、ケース体4は、上流側端部4bにおいて輸送路2の周壁と並行に延在している。この上流側端部4bには、エア配管8aが繋がっている(連通している)。エア配管8aからのパルスエアは、この上流側端部4bからエジェクタE内(ケース体4内)に送り込まれる。なお、ケース体4の上流側端縁4cは閉じている。
(空気輸送方法)
次に、本形態の空気輸送方法を説明する。
本形態の空気輸送方法においては、前述した空気輸送装置Xを用いる。この空気輸送装置Xを用いて流体Cを輸送するにあたっては、複数のエジェクタE1〜Enのうちの吸引手段6に近い側のエジェクタEから順に、本形態では吸引手段6に最も近いエジェクタE1から順に、噴出口5からのパルスエアの噴出を行う。
次に、本形態の空気輸送方法を説明する。
本形態の空気輸送方法においては、前述した空気輸送装置Xを用いる。この空気輸送装置Xを用いて流体Cを輸送するにあたっては、複数のエジェクタE1〜Enのうちの吸引手段6に近い側のエジェクタEから順に、本形態では吸引手段6に最も近いエジェクタE1から順に、噴出口5からのパルスエアの噴出を行う。
具体的には、図5に示すように、まず、エジェクタE1の噴出口5からパルスエアの噴出A1を行う。なお、図5は、エジェクタE1〜Enのパルスエアの噴出圧力の相互関係を示している。同図において、横軸は時間の経過を、縦軸はパルスエアの噴出圧力の変動を示している。スタート時(横軸が縦軸と交わっている時)におけるパルスエアの噴出圧力は0(ゼロ)である。噴出圧力の変動を示す線が上方へ移動し、次いで下方へ移動する部分においては、パルスエアの噴出A1や噴出B1が行われることを意味する。
パルスエアの噴出A1を行ったら、次に、エジェクタE1に吸引手段6とは反対側において隣接するエジェクタE2の噴出口5からパルスエアの噴出A2を行う。以降、同様に、エジェクタE3の噴出口5から、エジェクタE4の噴出口5から、と順にパルスエアの噴出A3,A4を行う。そして、最後にエジェクタEnの噴出口5からパルスエアの噴出Anを行う。
以上において、各噴出A1〜Anは、次の噴出が始まる前に終了している必要がある。したがって、各噴出A1〜Anの噴出時間T1は、極めて短時間であり、例えば0.1〜1秒、好ましくは0.1〜0.5秒、より好ましくは0.1〜0.2秒である。
また、各噴出A1〜Anの間隔(一のエジェクタEの噴出口5からパルスエアを噴出した後、次のエジェクタEの噴出口5からパルスエアを噴出するまでの時間)T2は、例えば1〜4秒、好ましくは1〜3秒、より好ましくは1〜2秒である。
なお、噴出A1〜Anの間隔とは、一の噴出(例えば、噴出A1。)の開始から次の噴出(例えば、一の噴出が噴出A1の場合は、噴出A2。)の開始までの時間を意味する。
ここで、以上のようにエジェクタE1〜Enの噴出口5からパルスエアを順に噴出A1〜Anすると、流体Cの輸送距離L1を延ばすことができるようになり、あるいは流体Cの輸送量を増やすことができるようになる原理について説明する。
吸引手段6によって輸送路2内の空気及び流体Cを吸引するのみであると、図4の(1)に示すように、流体Cは、通常、輸送路2の底部2aを流れることになる。この点、流体Cの比重が軽い場合等は、流体Cが輸送路2の底部2aを流れるとは限らない。しかるに、少なくとも輸送距離L1が長くなり、あるいは輸送量が増えると、吸引手段6の吸引圧力に実用的な制限が存在するという現行技術の下では、輸送路2の少なくとも吸引手段6から離れた箇所においては、流体Cが当該輸送路2の底部2aを流れることになる。そして、当該流体Cは、輸送路2の底部2aにおいて塊状になり、あるいは輸送路2の底部2aに固着するおそれがある。したがって、このような事態を避けるべく、従来の空気輸送方法においては、流体Cの輸送距離や輸送量に大きな制約が存在することになった。
一方、本形態の空気輸送方法には、このような制約が存在しない。
すなわち、本形態の空気輸送方法においては、まず、図4の(2)に示すように、エジェクタE1の噴出口5からパルスエアを噴出A1する。この噴出A1により、輸送路2の底部2aを流れていた流体Cは舞い上がる。ただし、輸送路2内の空気及び流体Cは、ノズルからエアが噴出された場合のように「点」で押されるのではない。エジェクタE1の噴出口5は、輸送路2の内周面に周方向に沿って延在しており、環状になっている。したがって、輸送路2内の空気及び流体Cは、輸送路2に直交する「面」で下流側(吸引手段6側)へ押されることになり、全体として下流側へ加速する。結果、流体Cは単に舞い上がる(散乱する)のではなく下流側へ払いのけられ、エジェクタE1の噴出口5から下流側へ少なくとも所定の範囲L4においては、流体Cの濃度が極めて低い「疎」の状態になる。なお、そこ(所定の範囲L4の最下流側点)から更に下流側においては、流体Cの濃度が高い「密」の状態になる。そして、この状態において、図4の(3)に示すように、次のエジェクタE2の噴出口5からパルスエアを噴出A2する。この噴出A2によっても輸送路2内の空気及び流体Cは、輸送路2に直交する「面」で下流側(吸引手段6側)へ押されることになる。しかるに、当該下流側は先に行った噴出A1によって所定の範囲L4が「疎」になっているため、噴出A2によって下流側へ押された流体C2が先に流れていた流体Cに衝突するおそれがない。したがって、噴出A2による噴出圧力が損失するおそれがなく、流体C2が下流側へ円滑に移動することになる。また、流体Cの濃度が高い密な状態にある箇所は、従来におけるように輸送路2の底部2aのみに流体Cが存在する状態にはない。つまり、密な状態にある箇所において流体Cは、輸送路2内全体にわたって存在することになる。したがって、輸送路2全体が流体Cの輸送に有効に利用されることになる。
すなわち、本形態の空気輸送方法においては、まず、図4の(2)に示すように、エジェクタE1の噴出口5からパルスエアを噴出A1する。この噴出A1により、輸送路2の底部2aを流れていた流体Cは舞い上がる。ただし、輸送路2内の空気及び流体Cは、ノズルからエアが噴出された場合のように「点」で押されるのではない。エジェクタE1の噴出口5は、輸送路2の内周面に周方向に沿って延在しており、環状になっている。したがって、輸送路2内の空気及び流体Cは、輸送路2に直交する「面」で下流側(吸引手段6側)へ押されることになり、全体として下流側へ加速する。結果、流体Cは単に舞い上がる(散乱する)のではなく下流側へ払いのけられ、エジェクタE1の噴出口5から下流側へ少なくとも所定の範囲L4においては、流体Cの濃度が極めて低い「疎」の状態になる。なお、そこ(所定の範囲L4の最下流側点)から更に下流側においては、流体Cの濃度が高い「密」の状態になる。そして、この状態において、図4の(3)に示すように、次のエジェクタE2の噴出口5からパルスエアを噴出A2する。この噴出A2によっても輸送路2内の空気及び流体Cは、輸送路2に直交する「面」で下流側(吸引手段6側)へ押されることになる。しかるに、当該下流側は先に行った噴出A1によって所定の範囲L4が「疎」になっているため、噴出A2によって下流側へ押された流体C2が先に流れていた流体Cに衝突するおそれがない。したがって、噴出A2による噴出圧力が損失するおそれがなく、流体C2が下流側へ円滑に移動することになる。また、流体Cの濃度が高い密な状態にある箇所は、従来におけるように輸送路2の底部2aのみに流体Cが存在する状態にはない。つまり、密な状態にある箇所において流体Cは、輸送路2内全体にわたって存在することになる。したがって、輸送路2全体が流体Cの輸送に有効に利用されることになる。
以上要するに、本形態の空気輸送方法は、エアの力によって流体Cを上流側から順に下流側へ押していくのではなく、エア(パルスエア)の力が最大限に発揮されるように下流側から順に輸送路2内をクリアーな状態(疎の状態)にするものである。また、輸送路2内をクリアーな状態にするために、パルスエアの噴出をノズル等によって行うのではなく、エジェクタによってパルスエアが環状に噴出されるように行うものである。
本形態の吸引手段6は、空気や流体Cを積極的に吸引するというよりも、むしろ空気や流体Cをキャッチするキャッチャーとしての役割を果たす。したがって、輸送距離L1を長くし、あるいは輸送量を増やす場合においても、吸引手段6を大型化する必要はない。また、各エジェクタE1〜Enには、通常のエジェクタのようにエアを送り続けるのではなく、瞬間的にパルスエアを送るのみで足りる。したがって、エジェクタE1〜Enに圧縮空気を送るコンプレッサ等も大型化する必要がない。なお、パルスエアの流量は、輸送路2内を流れる空気の流量の10〜15%程度で足りる。また、エジェクタE1〜Enにエアを送り続けるとすると、エジェクタの数(本形態ではn台)だけコンプレッサ等が必要になる。また、エジェクタE1〜Enにエアを送り続けるとすると、輸送路2も太くする必要が生じ、輸送路2の取廻し性が悪くなる。
以上の観点、つまり、輸送路2内の空気及び流体Cを輸送路2に直交する「面」で下流側へ押すという観点から、噴出口5の好ましい開口面積が輸送路2の断面積との関係で特定される。なお、噴出口5の好ましい開口面積については、前述したとおりである。
また、同様の観点から、パルスエアの噴出圧力は、例えば200〜900Pa、好ましくは400〜700Pa、より好ましくは400〜500Paである。
以上のようにしてエジェクタEn、つまり吸引手段6から最も離れたエジェクタEnの噴出口5からパルスエアを噴出Anしたら、図5に示すように、再度エジェクタE1の噴出口5からパルスエアを噴出B1する。そして、以降、同様に、エジェクタE2の噴出口5からの噴出B2、エジェクタE3の噴出口5からの噴出B3、エジェクタE4の噴出口5からの噴出B4、と必要に応じてパルスエアの噴出を繰り返す。
ただし、このようにエジェクタEnの噴出口5からの噴出Anが終了したら、エジェクタE1の噴出口5からの噴出B1を行うというのではなく、所定のエジェクタ、例えば、エジェクタE4の噴出口5からの噴出A4を行ったら、エジェクタE1の噴出口5からの噴出B1を行うということもできる。この場合は、エジェクタE5以降の噴出口5からの噴出A5〜と、エジェクタE1以降の噴出口5からの再度の噴出B1〜とが同時進行することになる。
本発明は、流体の空気輸送方法として利用可能である。利用可能な産業上の利用分野は、例えば、清掃、建設、造船、鋳物等の多岐に及ぶ。
具体的には、例えば、船舶等からの穀類、アルミナ等を荷揚げ(空気輸送)する際に、食品工業や化学工業においてビール、製粉、ソーダ灰等を空気輸送する際に、焼却灰を空気輸送する際に、有毒物を空気輸送する際に、流体を乾燥しつつ空気輸送する際に、繊維、紙切れ、木くず、工作機の切りくず等を空気輸送する際に、押出し成形機等にペレットを供給(空気輸送)する際に、集塵した流体を空気輸送する際に、乾燥した流体を空気輸送する際に、木片、煙草葉等を空気輸送する際に、食品、穀類、化学製品等を空気輸送する際に、灰、シンダ、カーボン等の高温粉粒体を空気輸送する際に、ソーダ灰、セメント、生コン、アルミナ等を空気輸送する際に、利用することができる。
具体的には、例えば、船舶等からの穀類、アルミナ等を荷揚げ(空気輸送)する際に、食品工業や化学工業においてビール、製粉、ソーダ灰等を空気輸送する際に、焼却灰を空気輸送する際に、有毒物を空気輸送する際に、流体を乾燥しつつ空気輸送する際に、繊維、紙切れ、木くず、工作機の切りくず等を空気輸送する際に、押出し成形機等にペレットを供給(空気輸送)する際に、集塵した流体を空気輸送する際に、乾燥した流体を空気輸送する際に、木片、煙草葉等を空気輸送する際に、食品、穀類、化学製品等を空気輸送する際に、灰、シンダ、カーボン等の高温粉粒体を空気輸送する際に、ソーダ灰、セメント、生コン、アルミナ等を空気輸送する際に、利用することができる。
特に、サンドブラスにおいては、砂だけでなく、グリッドやスチールボール等であっても空気輸送が可能になる。この点、スチールボールは、直径1〜2mm、比重7.85であり、従来の方法によると、空気の流速を60m/s以上にする必要があった。また、輸送距離は、20〜30m程度が限界であった。これに対し、本発明の方法によると、200m以上の輸送が可能になる。
また、例えば、地盤の削孔等においては、地盤を切削しながら切削した土砂を吸い上げる必要がある。しかるに、切削した土砂はウェットで団粒化し易く抵抗が大きい。したがって、従来の空気輸送方法によると、4〜5mの吸上げ(空気輸送)が限界であった。そして、それ以上の吸上げが必要な場合は、空気輸送によらず、クラムシェルで掴み上げていた。しかるに、本発明の方法によると、50m以上の吸上げが可能になる。
2 輸送路
2a 底部
4 ケース体
5 噴出口
6 吸引手段
7 捕集手段
7a フィルタ
7b サイロ
7c 切出手段
8 コンプレッサ
8a エア配管
9 制御盤
9a 制御線
A,A1〜An パルスエア(の噴出)
E,E1〜En エジェクタ
C 流体
G 排ガス
P,P1〜Pn バルブ
X 空気輸送装置
2a 底部
4 ケース体
5 噴出口
6 吸引手段
7 捕集手段
7a フィルタ
7b サイロ
7c 切出手段
8 コンプレッサ
8a エア配管
9 制御盤
9a 制御線
A,A1〜An パルスエア(の噴出)
E,E1〜En エジェクタ
C 流体
G 排ガス
P,P1〜Pn バルブ
X 空気輸送装置
Claims (3)
- 流体の輸送路及び吸引手段と、前記輸送路の途中に所定の間隔毎に備わるエジェクタとを有し、前記エジェクタが前記輸送路内を臨む環状の噴出口を有するものである空気輸送装置を用いて、
前記吸引手段に近い側のエジェクタの噴出口から順にパルスエアを噴出する、
ことを特徴とする流体の空気輸送方法。 - 一のエジェクタの噴出口からパルスエアを噴出した後、次のエジェクタの噴出口からパルスエアを噴出するまでの時間を1〜4秒とする、
請求項1に記載の流体の空気輸送方法。 - 所定のエジェクタの噴出口からパルスエアを噴出したら、又は前記吸引手段から最も離れたエジェクタの噴出口からパルスエアを噴出したら、再度前記吸引手段に近い側のエジェクタの噴出口からパルスエアを噴出する、
請求項1又は請求項2に記載の流体の空気輸送方法。
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