JP6275024B2 - 浮力伝達治具 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳物を鋳造する消失模型鋳造方法に用いられる浮力伝達治具に関する。
一般的な砂型鋳造による方法に対して、寸法精度の優れた鋳物を鋳造する方法がいくつか提案されている。例えば、インベストメント鋳造法(別名、ロストワックス法)、石膏鋳型鋳造法、消失模型鋳造法などが開発されている。
消失模型鋳造法は、発泡模型の表面に塗型剤を塗布してなる鋳型を鋳砂の中に埋めた後に、鋳型内に金属の溶湯を注ぎ込み、発泡模型を消失させて溶湯と置換することで、鋳物を鋳造する方法である。
特許文献1には、鋳造時の鋳込み時間を、模型のモジュラス(模型の体積÷模型の表面積)に応じて設定する消失模型鋳造法が開示されている。
特開2011−110577号公報
ところで、一般的なキャビティ鋳造法で、内部空間を有する鋳物を作る場合、側面断面図である図10に示すように、上型21と下型22との間に形成される空洞23内に、鋳物の内部空間に相当する形状の中子24と呼ばれる砂型を配置する。しかし、側面断面図である図11に示すように、鋳造中、中子24は溶湯に取り囲まれ、鉛直方向に浮力を受ける。そのため、中子24を支持する支持部分が無いと中子24は浮上してしまう。中子24が浮上すると、内部空間の位置がずれた鋳物が出来上がることになる。
そこで、側面断面図である図12に示すように、水平方向に突出した巾木(はばき)と呼ばれる余剰部25を中子24に設けて、余剰部25を介して上型21と下型22とで中子24を支持することで、中子24の浮上を防止している。
一方、消失模型鋳造法の場合、発泡模型の内部に鋳砂を充填して内部空間の形状を作るが、製品外の部分に巾木を設けて発泡模型の内部に充填した鋳砂を支持するようなことができない。そのため、鋳造中、発泡模型の内部に充填した鋳砂が溶湯に取り囲まれて、鉛直方向に浮力を受けて浮上する「浮かされ」が生じる。
そこで、側面断面図である図13に示すように、鋳砂15に取り囲まれた発泡模型12の外部と発泡模型の内部とを連通させる広い開口部分17を発泡模型12の上部に設けて、発泡模型12の内部に充填した鋳砂16に浮力以上の積荷重を与えることで、発泡模型12の内部に充填した鋳砂16の浮上を防止している。しかし、鋳造する鋳物の形状に制約がある場合には、発泡模型12に広い開口部分17を設けることができず、消失模型鋳造法を採用することができない。
本発明の目的は、発泡模型の内部に充填した鋳砂が浮上するのを抑制して、仕上がり状態が良好な鋳物を鋳造することが可能な浮力伝達治具を提供することである。
本発明は、内部に空洞部を有する発泡模型の表面に塗型剤を塗布してなる鋳型を鋳砂の中に埋めた後に、前記鋳型内に金属の溶湯を注ぎ込み、前記発泡模型を消失させて前記溶湯と置換することで、鋳物を鋳造する消失模型鋳造方法に用いられる浮力伝達治具であって、棒状の棒部と、前記棒部の端に接続され、前記棒部の長手方向に直交する方向における前記棒部の幅よりも長い幅の羽部と、を有し、前記棒部は、前記発泡模型に設けられて前記鋳型の外部と前記空洞部とを連通させる開口部を介して前記鋳型の外部から前記空洞部の内部にわたって配置されるとともに、前記空洞部および前記開口部に充填された硬化性の砂内に配置され、前記羽部は、前記鋳型の外部の前記鋳砂内に配置されることを特徴とする。
本発明によると、空洞部および開口部に充填された硬化性の砂内に棒部を配置することで、空洞部内の砂に作用する浮力は棒部に伝達される。また、棒部に連続して設けられた羽部を、鋳型の外部の鋳砂内に配置することで、棒部から羽部に伝達された浮力は、鋳型の外部の鋳砂で受けとめられる。これにより、開口部に充填された硬化性の砂に、浮力に対する反力(抵抗力)を発現させることができる。よって、発泡模型の内部に充填した硬化性の砂が浮上するのを抑制することができるので、開口部に充填された硬化性の砂の変形を抑制することができる。その結果、開口部に塗布された塗型剤が損傷しないようにすることができるので、仕上がり状態が良好な鋳物を鋳造することができる。
鋳型の側面断面図である。 図1をA方向から見た側面図である。 浮力伝達治具の側面図である。 鋳型の側面断面図である。 浮力伝達治具の側面図である。 鋳型の側面断面図である。 図1をA方向から見た側面図である。 鋳型の断面図である。 羽部の長さLとA/Fとの関係を示す図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。 キャビティ鋳造法における側面断面図である。 消失模型鋳造法における側面断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(消失模型鋳造方法)
本発明の実施形態による浮力伝達治具は、消失模型鋳造方法に用いられる。消失模型鋳造方法は、発泡模型の表面に塗型剤を塗布してなる鋳型を鋳砂(乾燥砂)の中に埋めた後に、鋳型内に金属の溶湯を注ぎ込み、発泡模型を消失させて溶湯と置換することで、鋳物を鋳造する方法である。
消失模型鋳造方法は、金属(鋳鉄)を溶解して溶湯とする溶解工程と、発泡模型を成形する成形工程と、発泡模型の表面に塗型剤を塗布して鋳型とする塗布工程と、を有している。さらに、消失模型鋳造方法は、鋳型を鋳砂の中に埋めて鋳型の隅々にまで鋳砂を充填する造型工程と、鋳型内に溶湯(溶融金属)を注ぎ込むことで、発泡模型を溶かして溶湯と置換する鋳込工程と、鋳型内に注ぎ込んだ溶湯を冷却して鋳物にする冷却工程と、鋳物と鋳砂とを分離する分離工程と、を有している。
溶湯にする金属としては、ねずみ鋳鉄(JIS−FC250)や球状黒鉛鋳鉄(JIS−FCD450)などを用いることができる。また、発泡模型としては、発泡スチロールなどの発泡樹脂を用いることができる。また、塗型剤としては、シリカ系骨材の塗型剤などを用いることができる。また、鋳砂としては、SiO2を主成分とする「けい砂」や、ジルコン砂、クロマイト砂、合成セラミック砂などを用いることができる。なお、鋳砂に粘結剤や硬化剤を添加してもよい。
なお、塗型剤の厚みは3mm以下が好ましい。塗型剤の厚みが3mm以上になると、塗型剤の塗布と乾燥とを3回以上繰り返す必要があり手間がかかる上に、厚みが不均一になりやすいからである。
ここで、本実施の形態においては、鋳型の側面断面図である図1、および、図1をA方向から見た側面図である図2に示すように、直方体の発泡模型12の内部に空洞部13が設けられている。即ち、本実施形態では、内部空間を有する鋳物が鋳造される。また、発泡模型12には、鋳型11の外部と空洞部13とを連通させる開口部14が水平方向に貫通して設けられている。ここで、発泡模型12は、幅がa(mm)、奥行きがb(mm)、高さがc(mm)である。また、空洞部13は、幅がd(mm)、奥行きがe(mm)、高さがf(mm)である。また、開口部14の直径はD(mm)で長さはl(mm)である。空洞部13および開口部14には、硬化性の砂が充填される。また、鋳型11のまわりは鋳砂15で覆われている。なお、発泡模型12の形状は直方体に限定されない。また、開口部14は、水平方向に設けられる構成に限定されず、鉛直方向や鉛直方向に対して傾斜する方向に設けられる構成であってもよい。
(浮力伝達治具)
本実施の形態による浮力伝達治具1は、側面図である図3に示すように、棒状の棒部2と、棒部2に連続して設けられた板状の羽部3とを有している。棒部2は、断面形状が矩形であって、断面の1辺の長さは3mmより長くされている。棒部2の軸方向の長さは、例えば70mmであるが、これに限定されない。また、羽部3のサイズは、例えば30〜100(mm)×10(mm)×2(mm)であるが、これに限定されない。
浮力伝達治具1の棒部2は、鋳型の側面断面図である図4に示すように、硬化性の砂が完全に硬化するまでに、開口部14に挿入される。棒部2は、開口部14を介して鋳型11の外部から空洞部13の内部にわたって配置されるとともに、空洞部13および開口部14に充填された硬化性の砂内に配置される。このとき、羽部3は鋳型11の外部における鋳砂15内に配置される。羽部3の表面及び裏面は、鉛直方向に面することになる。
なお、側面図である図5に示すように、浮力伝達治具101は、棒部2と羽部3とが直交していてもよい。棒部2の軸方向の長さは、例えば40mmであるが、これに限定されない。また、羽部3のサイズは、例えば30〜70(mm)×10(mm)×2(mm)であるが、これに限定されない。浮力伝達治具101の棒部2は、鋳型の側面断面図である図6に示すように、硬化性の砂が完全に硬化するまでに、開口部14に挿入される。このとき、羽部3は鋳型11の外部における鋳砂15内に配置される。羽部3の表面及び裏面は、水平方向に面することになる。
ここで、消失模型鋳造方法においては、鉛直方向下方に空気を吸引することで減圧を行っている。よって、後述するように、羽部3に伝達された浮力を鋳砂15で受け止めるのに際し、羽部3の表面及び裏面が鉛直方向に面している方が、羽部3を鋳砂15で拘束しやすい。
(塗型剤の強度)
ここで、アルキメデスの原理から、空洞部13に作用する浮力Fは以下の式(1)で求められる。
F=V(ρm−ρs) ・・・式(1)
ここで、Vは空洞部13の体積、ρsは空洞部13に充填する砂の密度、ρmは溶湯の密度である。
空洞部13を支持する開口部14の塗型剤を、断面2次モーメントI、鉛直方向の板厚h、長さLの梁と仮定する。梁理論から、端部に浮力Fが作用する片持ち梁の最大応力σmaxを求めると、次の式(2)のように概算される。なお、開口部14内の砂が荷重を負担しないことを前提にしている。
σmax=M/I×t/2=hFL/2I=hV(ρm−ρs)L/2I ・・・式(2)
注湯時に最も温度が高くなったときの塗型強度(熱間強度)をσbとすると、以下の式(3)が成り立つときに、開口部14の塗型剤が損傷しない、つまり、空洞部13に充填した砂が浮上する「浮かされ」が生じないようにすることができる。
σb>σmax ・・・式(3)
ここで、実際の鋳造中において、開口部14に充填された砂が、樹脂添加による硬化、または、石垣のように強固に積み重なる石垣効果によって、連続体としての強度を有する場合には、開口部14に充填された砂による浮力に対する抗力分αだけ開口部14の塗型剤に加わる応力が低減する。そこで、式(3)は式(4)と表せる。
σb>σmax−α ・・・式(4)
しかし、水平方向に設けられた開口部14の上部などにおいて、密な砂充填を行うことは困難である。よって、円振動の付与や減圧による砂充填密度の向上を図っても、開口部14に充填された砂によって大きな抗力を得ることは難しい。したがって、式(3)を満足する熱間強度σbを持つ塗型剤の選定が必要になることが多い。
しかしながら、開口部14の取り付け位置、断面形状に制約があり、塗型剤の性能に限界があって式(3)を満足しない場合でも、浮力伝達治具1,101を用いることで、「浮かされ」を防止することができる。即ち、開口部14に充填している砂だけで連続体としての抗力を現出させるのではなく、浮力伝達治具1,101で開口部14全体の変形を抑制するのである。ここで、空洞部13および開口部14に硬化性の砂(例えばフラン自硬性砂)を充填しているのは、空洞部13内の砂から棒部2に伝達され、さらに羽部3に伝達された浮力を、鋳型11の外部の鋳砂15で受けとめることで、開口部14に浮力に対する反力(抵抗力)を発現させるためである。
空洞部13および開口部14に充填された硬化性の砂内に棒部2を配置することで、空洞部13内の砂に作用する浮力は棒部2に伝達される。また、棒部2に連続して設けられた羽部3を、鋳型11の外部の鋳砂15内に配置することで、棒部2から羽部3に伝達された浮力は、鋳型11の外部の鋳砂15で受けとめられる。これにより、開口部14に充填された硬化性の砂に、浮力に対する反力(抵抗力)を発現させることができる。よって、発泡模型12の内部に充填した砂が浮上するのを抑制することができるので、開口部14に充填された硬化性の砂の変形を抑制することができる。その結果、開口部14に塗布された塗型剤が損傷しないようにすることができる。
ここで、上述したように、棒部2に伝達された浮力は、羽部3を介して鋳型11の外部の鋳砂15で受けとめられる。よって、鋳型11の外部において鋳砂15に接触する棒部2および羽部3の面積が小さいと浮力を十分に受け止めることができず、空洞部13内の砂が動いてしまう。
開口部14内の砂による抗力をN1、塗型剤の変形抵抗をN2とすると、空洞部13内の砂に作用する浮力Fが以下の式(5)を満足するときに、浮力伝達治具1,101の移動が抑制される。
N1+N2≧F ・・・式(5)
N2がN1よりも十分に小さいと仮定すると、式(5)は式(6)となる。
N1≒f(A)≧F ・・・式(6)
N1は、砂と浮力伝達治具1,101との摩擦力や砂圧(いずれも接触面積に比例する)との相関が強い。よって、N1は、浮力伝達治具1,101における鋳型11の外部の鋳砂15との接触面積Aの関数と表せる。後述する実験結果から、式(6)は式(7)と表せる。
A≧7×101F ・・・式(7)
浮力伝達治具1,101における鋳型11の外部の鋳砂15との接触面積Aが上記の式(7)を満足することで、開口部14に充填された硬化性の砂に、浮力に対する反力(抵抗力)を好適に発現させることができる。
なお、接触面積Aが上記の式(7)を満足するのであれば、羽部3の形状は板状に限定されず、棒状や球状、円柱状や角柱状であってもよい。
また、棒部2の断面形状が円形の場合、図1をA方向から見た側面図である図7に示すように、空洞部13に充填された硬化性の砂が開口部14を軸として回転する場合がある。このとき、開口部14に充填された砂が棒部2を中心に回転する。しかし、棒部2の断面形状を矩形とすることで、棒部2の断面矩形の角との接触抵抗により、開口部14に充填された砂が棒部2を中心に回転するのが抑制される。これにより、空洞部13に充填された硬化性の砂が開口部14を軸として回転するのを抑制することができる。
また、棒部2の断面の1辺の長さを3mmより長くすることで、開口部14に充填された砂が棒部2を中心に回転するのがより抑制される。これにより、空洞部13に充填された硬化性の砂が開口部14を軸として回転するのをより抑制することができる。
(浮かされ評価)
次に、浮力伝達治具1,101の形状を異ならせて、「浮かされ」の有無を評価した。この評価は、密度ρsは7.1×10-6kg/mm3のねずみ鋳鉄(JIS−FC250)を用いて、かさ密度ρsが1.4×10-6kg/mm3の自硬性砂を充填して行った。その結果を表1に示す。ここで、羽部の形状の欄の「曲げ」とは、棒部2と羽部3とが直交した図5に示す浮力伝達治具101を指す。この欄に「曲げ」と記載していないものは、図3に示す浮力伝達治具1を指す。
評価の結果、浮力伝達治具1,101を用いることで、「浮かされ」を抑制することができることがわかる。なお、評価結果が「△」のものは、空洞部13内の砂が開口部14を軸として回転するなどしたものである。例えば、羽部3の長さが50mm以上のものについて、直径が5mmの断面円形の棒部と、断面の1辺が5mmの断面矩形の棒部とで比較すると、前者は空洞部13が傾くなどしているが、後者は変形を完全に抑制できている。この結果から、棒部2の断面形状は矩形が好ましいことがわかる。また、棒部2の断面の1辺の長さは3mmより大きい方がよいことがわかる。
また、羽部3の長さが30mm以下のとき、鋳型の断面図である図8に示すように、空洞部13が傾いて変形を完全に抑制できないことがわかる。これは、鋳型11の外部の鋳砂15によって浮力伝達治具1,101が十分に保持されていないためである。そこで、浮力伝達治具1,101における鋳型11の外部の鋳砂15との接触面積を上げる必要がある。
ねずみ鋳鉄の密度および自硬性砂のかさ密度を式(1)に代入すると、
F=V(ρm−ρs)=50×50×100×(7.1−1.4)
=1.4kgf=14N
開口部14内の砂による抗力をN1、塗型剤の変形抵抗をN2とすると、空洞部13に作用する浮力Fが以下の式(5)を満足するときに、鋳型11の外部の鋳砂15によって浮力伝達治具1,101の移動が抑制される。
N1+N2≧F ・・・式(5)
N2がN1よりも十分に小さいと仮定すると、式(5)は式(6)となる。
N1≒f(A)≧F ・・・式(6)
N1は、砂と浮力伝達治具1,101との摩擦力や砂圧(いずれも接触面積に比例する)との相関が強い。よって、N1は、浮力伝達治具1,101における鋳型11の外部の鋳砂15との接触面積Aの関数と表せる。表1の結果のうち、棒部2の断面が5×5mmの角棒について、羽部3の長さLとA/Fとの関係を図9に示す。図9から、式(6)は式(7)と表せることがわかる。
A≧7×101F ・・・式(7)
よって、浮力伝達治具1,101における鋳型11の外部の鋳砂15との接触面積Aが式(7)を満足することで、開口部14に充填された硬化性の砂に、浮力に対する反力(抵抗力)を好適に発現させることができることがわかる。
(実施例)
次に、ねずみ鋳鉄(JIS−FC250)を溶湯として用いて、直方体の発泡模型の内部に、直方体の空洞部をもうけ、直径16mmで長さ25mmの開口部を水平方向(θ=90°)に配置した鋳型を用いて、鋳物を鋳造した。ここで、発泡模型は、幅aが100mm、奥行きbが100mm、高さcが200mmであった。また、空洞部は、幅dが50mm、奥行きeが50mm、高さfが100mmであった。また、ねずみ鋳鉄の密度ρsは7.1×10-6kg/mm3であった。
空洞部には、「フラン自硬性砂」を充填した。この「フラン自硬性砂」は、砂と樹脂と硬化剤とを混練してなるものである。自硬性砂に用いる砂は、けい砂(主成分はSiO2)である。また、粘結剤として自硬性砂に用いる樹脂は、フルフリルアルコールを含有する酸硬化性のフラン樹脂であって、砂に対する添加量は0.8%である。また、硬化触媒として自硬性砂に用いる硬化剤は、キシレンスルホン酸系硬化剤および硫酸系硬化剤を混合した、フラン樹脂用の硬化剤であって、フラン樹脂に対する添加量は40%である。この自硬性砂のかさ密度ρsは、1.4×10-6kg/mm3であった。
ねずみ鋳鉄の密度および自硬性砂のかさ密度を式(1)に代入すると、
F=V(ρm−ρs)=50×50×100×(7.1−1.4)
=1.4kgf=14N
ここで、熱間強度σbが不明の塗型剤を2度塗りし、塗型層の平均厚みを0.8mmとした。塗型剤の常温の特性を表2に示す。
板厚2mm、長さ70mm、幅10mmの羽部を有する、棒部の断面積が5×5mmの角棒からなる形状の浮力伝達治具1,101を選択することで、式(7)を満たした。このとき、Aは121mm2であった。この浮力伝達治具1,101の棒部を、開口部から空洞部まで挿入することで、「浮かされ」を生じさせることなく、仕上がり状態が良好な鋳物を得ることができた。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る浮力伝達治具1,101によると、空洞部13および開口部14に充填された硬化性の砂内に棒部2を配置することで、空洞部13内の砂に作用する浮力は棒部2に伝達される。また、棒部2に連続して設けられた羽部3を、鋳型11の外部の鋳砂15内に配置することで、棒部2から羽部3に伝達された浮力は、鋳型11の外部の鋳砂15で受けとめられる。これにより、開口部14に充填された硬化性の砂に、浮力に対する反力(抵抗力)を発現させることができる。よって、発泡模型12の内部に充填した硬化性の砂が浮上するのを抑制することができるので、開口部14に充填された硬化性の砂の変形を抑制することができる。その結果、開口部14に塗布された塗型剤が損傷しないようにすることができるので、仕上がり状態が良好な鋳物を鋳造することができる。
また、浮力伝達治具1,101における鋳型11の外部の鋳砂15との接触面積Aが上記の式(7)を満足することで、開口部14に充填された硬化性の砂に、浮力に対する反力(抵抗力)を好適に発現させることができる。これにより、発泡模型12の内部に充填した硬化性の砂が浮上するのを好適に抑制することができる。
また、棒部2の断面形状が円形の場合、空洞部13に充填された硬化性の砂が開口部14を軸として回転する場合がある。このとき、開口部14に充填された砂が棒部2を中心に回転する。しかし、棒部2の断面形状を矩形とすることで、棒部2の断面矩形の角との接触抵抗により、開口部14に充填された砂が棒部2を中心に回転するのが抑制される。これにより、空洞部13に充填された硬化性の砂が開口部14を軸として回転するのを抑制することができる。
また、棒部2の断面の1辺の長さを3mmより長くすることで、開口部14に充填された砂が棒部2を中心に回転するのがより抑制される。これにより、空洞部13に充填された硬化性の砂が開口部14を軸として回転するのをより抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1,101 浮力伝達治具
2 棒部
3 羽部
11 鋳型
12 発泡模型
13 空洞部
14 開口部
15 鋳砂
16 鋳砂
17 開口部分
21 上型
22 下型
23 空洞
24 中子
25 余剰部

Claims (5)

  1. 内部に空洞部を有する発泡模型の表面に塗型剤を塗布してなる鋳型を鋳砂の中に埋めた後に、前記鋳型内に金属の溶湯を注ぎ込み、前記発泡模型を消失させて前記溶湯と置換することで、鋳物を鋳造する消失模型鋳造方法に用いられる浮力伝達治具であって、
    棒状の棒部と、
    前記棒部の端に接続され、前記棒部の長手方向に直交する方向における前記棒部の幅よりも長い幅の羽部と、
    を有し、
    前記棒部は、前記発泡模型に設けられて前記鋳型の外部と前記空洞部とを連通させる開口部を介して前記鋳型の外部から前記空洞部の内部にわたって配置されるとともに、前記空洞部および前記開口部に充填された硬化性の砂内に配置され、
    前記羽部は、前記鋳型の外部の前記鋳砂内に配置されることを特徴とする浮力伝達治具。
  2. 前記羽部は、板状であって、その表面及び裏面が鉛直方向又は水平方向に面するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の浮力伝達治具。
  3. 前記鋳型の外部の前記鋳砂との接触面積Aが、前記空洞部内の前記硬化性の砂に作用する浮力Fに対して、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の浮力伝達治具。
    A≧7×101
  4. 前記長手方向に直交する方向における前記棒部の断面形状が矩形であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の浮力伝達治具。
  5. 前記棒部の断面の1辺の長さが3mmより長いことを特徴とする請求項に記載の浮力伝達治具。
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